JPH1020223A - 円筒内面走査型画像記録装置 - Google Patents

円筒内面走査型画像記録装置

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JPH1020223A
JPH1020223A JP19166196A JP19166196A JPH1020223A JP H1020223 A JPH1020223 A JP H1020223A JP 19166196 A JP19166196 A JP 19166196A JP 19166196 A JP19166196 A JP 19166196A JP H1020223 A JPH1020223 A JP H1020223A
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JP
Japan
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light
scanning
axis
recording sheet
light beams
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Application number
JP19166196A
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English (en)
Inventor
Katsuto Sumi
克人 角
Hidetoshi Shinada
英俊 品田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 回転する構成要素を増加させることなく、簡
易な構成で記録シート上に複数の光ビームを高精度に導
き、高速記録を可能にし、光学系の調整を容易かつ取扱
いを簡単にする円筒内面走査型画像記録装置を提供す
る。 【解決手段】 複数本の光ビームを出力する光ビーム出
力手段6と、複数の光ビームを円筒の中心軸上にほぼ沿
わせて導く合波光学系8と、円筒の中心軸を回転軸とす
る反射面を有し、複数本の光ビームを回転する反射面に
より反射することで、記録シート上を主走査する走査手
段SPと、複数の光ビームを全て独立して1次元的ある
いは2次元的に偏向させ、記録シートS上で副走査方向
の変位を生じさせる光偏向手段AODと、光偏向手段A
ODによる記録シートS上での複数の光ビームの変位位
置を、反射面の回転に同期させて制御する制御手段10
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒内面に保持さ
れた記録シートを画像情報に応じて変調された複数本の
光ビームで走査し、画像を記録する円筒内面走査型画像
記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザビームを用いて記録シートに画像
を記録する装置として、次の3つの方式のものが従来よ
りある。第1の装置は、副走査方向に搬送される平面状
の記録シートにレーザビームを主走査方向に照射して記
録を行う平面走査型画像記録装置である。第2の装置
は、回転するドラムの外周面に貼着された記録シートに
レーザビームを照射して記録を行う円筒外面走査型画像
記録装置である。第3の装置は、円筒内面に貼着された
記録シートにレーザビームを内筒の内側から照射して記
録を行う円筒内面走査型画像記録装置である。
【0003】ここに円筒内面走査型画像記録装置は、例
えば、レーザビームを円筒の中心軸上に沿って入射さ
せ、この入射方向すなわち円筒の中心軸方向に対して反
射面が略45°に設定された光走査器を円筒の中心軸上
に配設し、前記反射面を前記中心軸を中心として回転さ
せることにより、前記レーザビームを記録シート上で走
査(主走査)させるようにしている。そして光走査器を
その回転に伴って中心軸方向(副走査方向)に移動させ
るものである。
【0004】この円筒内面走査型画像記録装置は、記録
シートが円筒の内面に貼着されているため、記録中にお
ける記録シートの剥離がなく、記録される画像の寸法精
度が高く、また、高速走査性、経済性に優れていること
から、近年多用されるに至っている。例えば写真製版に
おいてPS版(Pre-Sensitized Plate)に画像を形成す
るために多用されている。
【0005】ところで、このように構成される円筒内面
走査型画像記録装置では、複数のレーザビームを用いて
走査を行うことにより、記録速度を向上させる試みがな
されている。この場合、複数のレーザビームを単に光走
査器に入射させただけでは、レーザビームを記録シート
上で直線的に走査させることができないため、正確な画
像の記録を行うことはできない。
【0006】図17はこの直線的走査ができないことを
説明するための光走査器付近の斜視図、図18はその主
走査の出力結果である走査線の展開図である。図17に
おいて符号2は光走査器であり、その回転軸は円筒形に
巻いた記録シートSの中心軸上に位置する。またこの中
心軸をZ軸とし、右手の親指、人差し指、中指で形成す
る直交座標系をX、Y、Z軸とする。
【0007】ここでは3本のレーザビーム#1、#2、
#3はY−Z平面上に載り、かつZ軸に平行とする。中
央のレーザビーム#2はZ軸に載って入射されるものと
し、光走査器2の反射面4は、その長軸と短軸の交点が
X−Y−Z座標系の原点にあるものとする。この反射面
4はZ軸に対して45°の傾きをもつ。
【0008】光走査器2の反射面4が図17Aの向き
(反射面4の短軸がY軸と一致する向き)にある場合、
Z軸に平行な状態で反射面4の短軸上に並んで平行に入
射した3本のレーザビーム#1、#2、#3はX−Y平
面に沿って反射され、各レーザビーム#1、#2、#3
が同一の走査線上を進行する状態で記録シートSに到達
する。また、反射面4が図17Aの状態から90°回転
し、図17Bの向きとなった場合には、前記レーザビー
ム#1、#2、#3がZ軸方向に分離された状態で記録
シートSに到達する。
【0009】さらに、反射面4が図17Bの状態から9
0°回転し、図17Cの向きとなった場合には、前記レ
ーザビーム#1、#2、#3は、再びX−Y平面に沿っ
て反射され、各レーザビーム#1、#2、#3が同一の
走査線上を進行する状態で記録シートSに到達する。こ
の場合、入射したレーザビーム#1、#2、#3の反射
面4上での位置が光走査器2の回転角度により変動する
ため、記録シートS上には、反射面4の中心に入射する
レーザビーム#2により形成される走査線を除き、図1
8に示すように湾曲した走査線が形成される。
【0010】複数のレーザビームを用いて走査を行う際
に生じる前記の不具合を回避するため、従来より種々の
方法が提案されている。例えば、レーザビームの光源と
光走査器との間に前記光走査器と共に回転するホログラ
ムを配設し、レーザビームの前記ホログラムに対する入
射位置に応じて回折角度を制御することにより、光走査
器に対するレーザビームの入射位置を調整し、結果的に
記録シート上での各走査線が直線となるように構成した
ものがある(特公平4−73829号公報)。
【0011】またP偏光およびS偏光の2本のレーザビ
ームを生成し、これらのレーザビームの一方を回転する
偏向ビームスプリッタを介して記録シートに導くと共
に、前記偏向ビームスプリッタにより分離された他方の
レーザビームを回転する反射板を介して前記記録シート
に導くように構成したものがある(特開平5−2718
8号公報)。
【0012】また、P偏光およびS偏光の2本のレーザ
ビームのそれぞれを画像信号に基づいて変調した後、回
転するホロゴン(ホログラム回折格子)偏向器を介して
記録シート上に導いて走査する際に、一方のレーザビー
ムをピエゾ素子により前記ホロゴン偏向器の回転角度に
応じて角度制御されたミラーで偏向制御し、2本の走査
線間隔を維持するように構成したものがある(米国特許
第5,097,351号)。
【0013】また、レーザビームを3回反射させて記録
シートに導く光走査器を用い、この光走査器を回転させ
ることにより、レーザビームのねじれをなくすように構
成したものがある(特開平5−27190号公報、特開
平5−289018号公報、特開平5−308488号
公報)。
【0014】また、複数の光ビームを出力する発光素子
アレイを円筒の中心軸上に回転可能に配設し、これを回
転させるように構成したものがある(特開平5−639
20号公報)。
【0015】さらに、回転する光走査器の反射面に透明
媒質層を設け、前記透明媒質層に波長の異なる複数のレ
ーザビームを入射させ、屈折率の差を用いて前記レーザ
ビームを分離して記録シート上に導くように構成したも
のがある(特開平4−348311号公報、特開平6−
95016号公報、以下透明媒質を用いる方法とい
う)。
【0016】そこで本願の出願人は複数のレーザービー
ムのうち1本のレーザービーム#2を図17における光
走査器2の回転軸すなわちZ軸上に位置させ、他の2本
のレーザビーム#1、#3を1次元的に偏向させること
により走査線の湾曲を防ぐことを提案した。また2本の
レーザービーム#1、#3を2次元的に偏向させること
により、走査線の湾曲を防ぐと共にこれら3本のレーザ
ービームの間隔および長さを修正することを提案した
(特願平6−213763、同6−213772、同7
−113328号、米国特許第5502709号、以下
同一出願人の既提案の方法という)。
【0017】
【従来技術の問題点】しかしながら、これらの従来技術
のうち透明媒質層を設ける方法および最後の同一出願人
の既提案の方法以外の方法は、いずれも光走査器と共
に、回転させなければならない部材が多いため、精度が
低下し、また、構成が複雑になる不具合がある。また前
記の最後の方法によれば構成が比較的簡易になるが、波
長の管理が極めて難しく、従って、記録シート上での走
査線の幅を正確に調整することができないという欠点が
ある。
【0018】また、米国特許第5,097,351号の
方法においては、2本の走査線の間隔を一定とすること
は可能であるが、2本の走査線の主走査方向の走査位置
を調整することについては具体的に示されておらず、従
って、高精度の画像記録はできない。
【0019】さらに、特開平5−27188号公報およ
び米国特許第5,097,351号の方法においては、
2つのレーザビームしか制御できないため、レーザビー
ムの数を3本以上に増やすことができず、大幅な高速化
を望むことはできない。
【0020】またこの図17、18における説明および
同一出願人による既提案の方法では、中央のレーザビー
ム#2はZ軸上に載って入射されるものと仮定してい
る。また前記の従来方法はいずれも少なくとも1つのレ
ーザビームは偏向させず光軸(Z軸)上に正確に通す必
要がある。しかし実際にはこのレーザビームを常にZ軸
(光軸)上に載るように調整することは非常に困難であ
る。例えば装置の経時変化や温度変化により光軸が僅か
に変動することは避けられない。
【0021】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、回転する構成要素を増加させることなく、
簡易な構成で記録シート上に複数の光ビームを高精度に
導き、高速記録を実現することができ、しかも光学系の
調整が極めて容易で取扱いが簡単である円筒内面走査型
画像記録装置を提供することを目的とする。
【0022】
【発明の構成】本発明によればこの目的は、円筒内面に
保持された記録シートを画像情報に応じて変調された複
数本の光ビームで走査し、画像を記録する円筒内面走査
型画像記録装置において;前記複数本の光ビームを出力
する光ビーム出力手段と;前記複数の光ビームを前記円
筒の中心軸上にほぼ沿わせて導く合波光学系と;前記円
筒の中心軸を回転軸とする反射面を有し、前記複数本の
光ビームを回転する前記反射面により反射することで、
前記記録シート上を主走査する走査手段と;前記複数の
光ビームを全て独立して1次元的に偏向させ、前記記録
シート上で副走査方向の変位を生じさせる光偏向手段
と;前記光偏向手段による前記記録シート上での前記複
数の光ビームの変位位置を、前記反射面の回転に同期さ
せて制御する制御手段と;を備えることを特徴とする円
筒内面走査型画像記録装置、により達成される。
【0023】またこの目的は、円筒内面に保持された記
録シートを画像情報に応じて変調された複数本の光ビー
ムで走査し、画像を記録する円筒内面走査型画像記録装
置において;前記複数本の光ビームを出力する光ビーム
出力手段と;前記複数の光ビームを前記円筒の中心軸上
にほぼ沿わせて導く合波光学系と;前記円筒の中心軸を
回転軸とする反射面を有し、前記複数本の光ビームを回
転する前記反射面により反射することで、前記記録シー
ト上を主走査する走査手段と;前記複数本の光ビーム全
てをそれぞれ独立に2次元的に偏向させ、前記記録シー
ト上で主走査方向および副走査方向の変位を生じさせる
光偏向手段と;前記光偏向手段による前記記録シート上
での前記複数の光ビームの変位位置を、前記反射面の回
転に同期させて制御する制御手段と;を備えることを特
徴とする円筒内面走査型画像記録装置、によっても達成
される。
【0024】光偏向手段は複数の光ビームごとに別々に
設けた光偏向素子とすることができる。またそのうちの
1つの光ビームに対する光偏向素子を省き、全ての光ビ
ームを合波光学系で合波した後の光ビームを偏向する位
置に他の光偏向子を設けておくことができる。また各光
ビームの主走査線の湾曲や間隔を修正するための修正手
段を設けておくのがよい。
【0025】この修正手段は、走査結果を記録シート上
で確認し、適正修正量を手動操作で制御手段に入力する
ものとすることができる。また円筒の内面に主走査線に
ほぼ沿って光ビーム位置検出手段を設け、この検出結果
により主走査線の湾曲と間隔を自動または手動で修正す
るようにしてもよい。
【0026】
【作用】本発明では、制御手段からの制御信号に基づい
て光偏向手段を制御し、光ビーム出力手段から出力され
て走査手段に入射する複数の光ビームをそれぞれ独立に
1次元的に偏向させる。このようにして前記走査手段に
より反射された複数の光ビームの走査線の湾曲を補正
し、記録シート上に導く。この場合、回転する構成要素
は、前記走査手段のみであるため、精度の向上が容易と
なる。
【0027】また本発明では、制御手段からの制御信号
に基づいて光偏向手段を制御し、光ビーム出力手段から
出力されて走査手段に入射する複数の光ビームをそれぞ
れ独立に2次元的に偏向させる。このようにして前記走
査手段により反射された複数の光ビームの走査線の湾曲
を補正し、記録シート上に導く。この場合には、走査線
の間隔を一定とし、かつ、長さを同一として、高精度な
画像の記録ができる。
【0028】
【第1実施態様】図1および図2は、本発明の第1実施
態様の原理を説明する図、図3はその出力結果を示す
図、図4は光ビームの軌跡を説明するための図である。
まずこれらの図でこの原理を説明する。ここに3本のレ
ーザビーム#1、#2、#3は前記図17の場合と同様
にY・Z平面上にあってZ軸と平行に入射するものとす
る。
【0029】光走査器2の反射面4が図1の向き(反射
面4の短軸がY軸と一致)にある場合、Z軸に沿って反
射面4の中心に入射したレーザビームL0は、X軸に沿
って反射される。そこで、このレーザビームL0を光走
査器2に対してX軸方向に+θXだけ偏位させると、反
射されたレーザビームL0は、X・Z平面内において、
Z方向に−ΔZだけ変位する。また、レーザビームL0
を光走査器2に対してX軸方向に−θXだけ偏位させる
と、反射されたレーザビームL0はX・Z平面内におい
て、Z方向に+ΔZだけ変位する。
【0030】そこで、光走査器2に入射するレーザビー
ム#1、#2、#3を、それぞれY軸方向(3本のレー
ザビームを含む共通の平面であるY−Z平面に直交する
方向)に所定量離間させた状態でX軸のマイナス方向お
よびプラス方向に所定量偏位させることにより、反射さ
れた各レーザビーム#1、#2、#3をZ軸方向に偏位
させることができる。従って、反射されたレーザビーム
#1、#2、#3を図17Aに示すX−Y平面上の配列
からX軸の回りに略回転させ、図2Aに示すように、Y
軸方向に一定距離離間させて設定することができる。
【0031】同様に、光走査器2の反射面4が図2Bの
向きにある場合において、レーザビーム#1をX軸のプ
ラス方向に所定量偏位させると共に、レーザビーム#3
をX軸のマイナス方向に所定量偏位させることにより、
反射されたレーザビーム#1、#2、#3を図17Cに
示すX−Y平面上の配列からX軸の回りに略回転させ、
図2Bに示すように、Y軸方向に一定距離離間させて設
定することができる。
【0032】なおこの図1、2では中央のレーザビーム
#2は光走査器2の光軸(Z軸)に載るものとして示し
ている。しかし実際には全てのレーザビーム#1、#
2、#3がいずれも光軸(Z軸)から偏位することがあ
り得る。従って本発明では全てのレーザビーム#1、#
2、#3の入射方向をX軸方向に偏向させることによっ
て記録シートS上でこれらによる主走査線を直線に修正
する。また同時に各主走査線の間隔も修正する。
【0033】このように、反射面4に対するレーザビー
ム#1、#2、#3の入射方向をX方向に1次元的に調
整することにより、記録シートS上における各レーザビ
ーム#1、#2、#3の走査線の湾曲を修正してこれら
を直線にすることができる。またこれらの走査間隔を走
査位置によらず一定とすることができる。従って、図3
に示すように、前記各レーザビーム#1、#2、#3に
よって記録シートS上に記録される走査線は、全走査域
に亘り平行となる直線として形成することができる。
【0034】ここで、前記の説明において、中央のレー
ザビーム#2をZ軸上に置きかつビーム間隔が等しいと
した場合を考える。この時図4Aに示すように、光走査
器2の反射面4に入射するレーザビーム#1、#2、#
3のスポットを、記録シートSと共役になる面(共役
面)S′上に射影した場合で考える。前記光走査器2の
回転に伴う前記共役面S′上におけるレーザビーム#1
および#3の軌跡は、図4Bに示すようになる。すなわ
ち光走査器2の角速度をωとして、次式で表される単振
動となる。
【0035】
【数1】 X=−a・cosωt …レーザビーム#1の軌跡 X=a・cosωt …レーザビーム#3の軌跡
【0036】従って、前記の各式に従ってレーザビーム
#1および#3を偏向して光走査器2に導くようにする
ことで、図3に示すように、一定間隔の直線からなる複
数の走査線を形成することができる。
【0037】ここに3本のレーザビーム#1、#2、#
3が共に光軸(Z軸)から順に遠くなるように偏位して
いる場合を考える。図5はレーザビーム#1、#2、#
3を含む平面が光走査器2の光軸(Z軸)を含む場合を
示し、図5(A)はビーム配置をZ軸方向から見た図、
図5(B)はY−Z平面による断面図である。
【0038】反射面4が図5(B)に実線で示す位置に
あれば、レーザビーム#1〜3は+Y方向に反射され、
反射光#1〜3は−Z方向に順に遠くなるように分離さ
れる。反射面4がπラジアン回転して仮想線で示す位置
にあれば、レーザビーム#1〜3は−Y方向に反射さ
れ、反射光#1〜3は+Z方向に順に遠くなる。
【0039】従ってこの場合にはレーザビーム#1、
2、3のZ軸方向の単振動は、それぞれの振幅をb1、
b2、b3として、b1cosωt、b2cosωt、b3co
sωtで表される。またレーザビーム#1〜3を含む平
面が光軸(Z軸)を含まない場合もあるが、この場合に
は振幅が光走査器2の回転角度(ωt)と共に変化した
り、cosωtの位相が変化する。従ってこれらを考慮し
て単振動の式を表せば足りることであり、本質的に異な
るものではない。
【0040】
【第1実施態様の装置】図6は、第1実施態様の円筒内
面走査型画像記録装置を示す概念図である。この図6に
おいて6(6a、6b、6c)は光ビーム出力手段とし
ての3個のレーザダイオードであり、これらは同一波長
かつ同一強度のレーザビームL(La、Lb、Lc)を
出力する。これらのレーザビームLa、Lb、Lcはそ
れぞれコリメートレンズL1(L1a、L1b、L1
c)、1次元音響光学偏向素子AOD(AODa、AO
Db、AODc)、AOD射出レンズL2(L2a、L
2b、L2c)、0次光カット板P1(P1a、P1
b、P1c)およびコリメートレンズL3(L3a、L
3b、L3c)を介し、合波光学系8により合波され
る。
【0041】なおレーザビームL(La、Lb、Lc)
は、コリメートレンズL1で平行光線にされ、AODで
偏向された後AOD射出レンズL2と0次光カット板P
1で1次回折光だけが選択される。そしてコリメートレ
ンズL3で再び平行光線に戻され合波光学系8に導かれ
る。
【0042】AODは後記するように2値画像信号のオ
ンに伴って所定周波数の超音波がトランスデューサより
発生することにより駆動され、この時の1次回折光が0
次光カット板P1で選択されるものである。なお2値画
像信号がオフの時にはレーザダイオード6の出力がオフ
となる。
【0043】3つのAODは、この実施態様ではそれぞ
れレーザビームLa、Lb、Lcを図2におけるX軸方
向に1次元的に変更させるものである。すなわち前記し
たように3本のレーザビームLa、Lb、Lcは合波光
学系8で合波されるが、AODを前記の周波数で駆動し
た時にはこれらのレーザビームLは共通の平面(図2に
おけるY−Z平面)上に載っている。そしてこの実施態
様では図1〜5で説明した原理に基づいて、AODの駆
動周波数を変調することにより、レーザビームLを前記
共通の平面(Y−Z平面)に直交する方向(X軸方向)
に偏位させ、主走査線の湾曲と間隔を修正するものであ
る。
【0044】合波光学系8は、全反射ミラーMと、偏光
ビームスプリッタPBSと、ビームスプリッタBSとで
形成される。前記レーザダイオード6a、6b、6cは
直線偏光のレーザビームを出力し、これらの偏光方向は
それぞれ図6に矢印で示す方向に設定されている。
【0045】すなわちレーザダイオード6aと6cは、
ビームスプリッタBSおよび全反射ミラーMに対する入
射平面波の電界の振動面が入射面(入射光と反射光を含
む平面)に平行な偏光(P偏光という)となるように、
その取付角度が設定されている。またレーザダイオード
6bは、偏光ビームスプリッタPBSに対する入射平面
波の電界の振動面が入射面に垂直となる偏光(S偏光と
いう)となるように、その取付角度が設定されている。
【0046】そしてレーザビームLa、Lb、Lcはこ
の合波光学系8によりほぼ1つのレーザビームLoに合
波される。なおこの合波されたレーザビームLoは図6
では1本のビームとして表しているが、実際には図2〜
5に示すように、互いに分かれた3本の共軸ではないビ
ームから成るものである。
【0047】この合波レーザビームLoは、さらにビー
ムエキスパンダレンズL4およびL5においてビーム径の
拡大・変更が行われる。その後開口板P2においてフレ
ア光(迷光)の除去と光束径の制御とが行われる。この
ビームLoはドラム(円筒)Dの中心軸に沿ってドラム
D内に導かれる。ドラムDの中心軸上には、光走査器と
してのスピナーSPが設けられている。
【0048】このスピナーSPは中心軸(回転軸)に対
して45°の反射面(図1〜5における反射面4)を持
ち、モータにより高速回転される。なおこのモータには
ロータリーエンコーダENが取付けられ、スピナーSP
の回転角(θ=ωt)が検出される。すなわち所定回転
角ごとに出力されるパルス信号pと、1回転の基準位置
を示す基準位置信号p0とが出力される。なおこのスピ
ナーSPに導かれるビームLは、回転軸上にある集光レ
ンズL6によって、ドラムDの内周面あるいは記録シー
トSに合焦する。
【0049】図6において符号10は制御手段であり、
このスピナーSPの回転角θに同期してAODを制御す
る。12はこの制御手段10がAODを制御する際に、
主走査線の湾曲と間隔の修正量を設定するための修正手
段である。この修正手段12は、例えば記録シートSに
出力した主走査線の出力結果を見て、その湾曲の大きさ
および間隔から前記図4(b)および図5に示した半径
a、b1〜b3やこれら半径の周期的変動量などを手操作
で入力する。
【0050】図7は制御手段10の回路構成例を示す図
である。この図7において14はクロック回路であり、
エンコーダENがスピナーSPの一定回転角度ごとに出
力するパルス信号pと基準位置信号poとに基づいて、
制御クロック信号CL(CLa、CLb、CLc)を出
力する。16(16a、16b、16c)は3個の余弦
波生成回路であり、対応する制御クロック信号CLに同
期する余弦波信号X(Xa、Xb、Xc)を出力する。
【0051】これらの余弦波信号Xは前記したように、
主走査線の湾曲と間隔を修正するために、レーザビーム
LをX軸方向に偏位させるためにAODの駆動周波数に
付加する修正量となるものである。これらの余弦波信号
Xの振幅a、b1、b2、b3や、これら振幅の周期的
変化などに関するデータは、修正手段12から予め入力
されるものである。
【0052】18(18a、18b、18c)は電圧制
御発振器(VCO)であり、余弦波信号Xの電圧変化に
対応して周波数が変化する周波数変調信号F(Fa、F
b、Fc)を出力する。この信号Fは、それぞれ別々に
増幅器(AMP)24(24a、24b、24c)で増
幅された後、対応するAODに導かれる。
【0053】20は2値画像信号生成回路であり、図示
しない画像処理回路から入力される画像信号に基づい
て、3本のレーザビームLで記録する3本の主走査線を
書込むための2値画像信号を出力する。これらの2値画
像信号はレーザダイオード6(6a、6b,6c)に入
力される。この結果各レーザダイオード6は、2値画像
信号がオンの時にレーザビームを射出し、各AODは、
レーザビームLの一次回折光がY−Z平面上からX軸方
向に余弦波信号Xに対応する修正量だけ偏位させるよう
に偏向させる。
【0054】この結果記録シートSには図3に示すよう
な直線状の3本の主走査線を等間隔に記録させることが
できる。なおこの図3はスピナーSPが半回転(0〜π
ラジアン)することにより描かれる範囲だけを示してい
る。3本の主走査線の長さが異なるのは、3本のレーザ
ビームLのスピナーSPの回転軸(光軸Z軸)からの偏
位量が異なるためである。
【0055】このように長さが異なる主走査線は、クロ
ック回路14が出力するクロック信号CL(CLa、C
Lb、CLc)に位相差を付与することにより同一長さ
にすることができる。図8はこのために用いるクロック
補正回路26を示す。この回路26はクロック回路14
に含まれる。
【0056】この図8において28はPLL回路であ
り、エンコーダENが出力するパルス信号pに基づいて
位相同期信号を出力する。30は基本クロック信号生成
回路であり、PLL回路28が出力する位相同期信号
と、エンコーダENから導かれた基準位置信号poとに
基づいて基本クロック信号Bを生成する。
【0057】32はカウンタであり、この基本クロック
信号Bをカウントする。34はルックアップテーブル
(LUT)であり、カウンタ32のカウント値に従って
3本のレーザビームL(#1、#2、#3)を制御する
制御クロック信号CLa、CLb、CLcの遅延量を予
めメモリしている。これらの遅延量は各レーザビームL
の光軸(Z軸)からの偏位量とスピナーSPの回転角に
より変化する。
【0058】36(36a、36b、36c)は遅延回
路であり、基本クロック信号BをLUT34によって求
めた遅延量だけ遅延させて制御クロック信号CLa、C
Lb、CLcを出力する。これらの制御クロック信号C
Lは前記2値画像信号生成回路20(図7)に送られ、
この信号CLに同期して2値画像信号が各レーザダイオ
ード6に出力されるものである。
【0059】
【第1実施態様の動作】第1実施態様の円筒内面走査型
画像記録装置は、基本的には、以上のように構成される
ものであり、次にその動作について説明する。
【0060】光ビーム出力手段としてのレーザダイオー
ド6から画像情報に応じてオン/オフ制御されて出力さ
れた3本のレーザビームLは、それぞれの音響光学素子
AODによってX軸方向に偏向される(図5参照)。3
本のレーザビームLは次いで合波光学系8により合波さ
れた後、集光レンズL6を介して光走査器であるスピナ
ーSPに導入される。スピナーSPは、Z軸を中心とし
て回転する反射面4によりレーザビームLoを反射偏向
し、記録シートSに導く。そして、記録シートS上に
は、図3に示すように、一定の間隔かつ直線状の3本の
走査線により画像が形成される。
【0061】次に、制御手段10の動作について、図
7、8、9に基づき詳細に説明する。図9は前記クロッ
ク補正回路26のタイミング図である。
【0062】まずスピナーSPに設けられたエンコーダ
ENからのパルス信号pおよび主走査開始位置を求める
ための基準位置信号poとに基づき、クロック回路14
は、制御クロック信号CLを余弦波信号生成回路16
a、16b、16cに供給する。余弦波信号生成回路1
6a、16b、16cは、余弦波電圧信号を各VCO1
8a、18b、18cに供給する。
【0063】前記VCOは、前記余弦波電圧信号Xを周
波数変調信号Fに変換する。この変換された周波数変調
信号Fは、増幅器24a、24b、24cを介して音響
光学素子AODa、AODb、AODcに供給され、2
値画像信号によりオン/オフ制御されたレーザービーム
Lを偏向する。この場合、音響光学素子AODは、前記
周波数変調信号Fに基づいてレーザビームLa、Lb、
Lcを図2あるいは図5に示すX軸方向に偏向する。
【0064】今中央のレーザビームLbが光軸(Z軸)
上にあり、各レーザビームLa、Lb、Lcの間隔が一
定とすれば、スピナーSPの反射面4に導かれたレーザ
ビームLaとLcは、前記スピナーSPの回転動作に同
期して、図4Bに示すようにX軸方向に単振動すること
になる。その時両レーザビームLa、Lcは位相が互い
に180°(πラジアン)ずれた状態で図4Bに示すよ
うに単振動することになる。
【0065】なおこの時にはレーザビームLbは、単振
動することなく、記録シートS上に導かれる。そして、
記録シートSには、図3に示すように、間隔が一定に制
御されたレーザビーム#1、#2、#3が導かれ、画像
の記録が行われる。この場合、前記間隔は、増幅器24
a、24b、254cで設定される増幅率によって容易
に調整することができる。
【0066】3本のレーザビームL(#1、#2、#
3)が全て光軸(Z軸)から偏位している場合には、3
本のレーザビームLは全て単振動する。従ってこの場合
は3本のレーザビームLは全て余弦波信号生成回路16
a、16b、16cによってX軸方向に偏向されること
が必要であることは勿論である。
【0067】ここで、各レーザビーム#1、#2、#3
をX軸方向にのみ偏向するように制御した場合、図3に
示すように、走査開始位置および走査終了位置が異なる
ことから、各走査線の長さが異なり、その差が大きい場
合には、画像の歪みが視認されてしまうおそれがある。
しかしながら、このような不具合は、図8に示す制御ク
ロック補正回路26によって生成される制御クロック信
号CLa、CLb、CLcにより2値画像信号の出力タ
イミングを調整することで解消することができる。
【0068】すなわちエンコーダENから送られるパル
ス信号pは、PLL回路28によって位相制御され、位
相同期信号が生成される。この位相同期信号は、基本ク
ロック信号生成回路30に供給され、ここで前記エンコ
ーダENから供給される主走査開始タイミングを示す基
準位置信号poにより決まるタイミングで、図9に示す
基本クロック信号Bが生成される。前記基本クロック信
号Bは、カウンタ32によってカウントされると共に、
遅延回路36a、36b、36cに供給される。カウン
タ32によってカウントされた基本クロック信号Bのカ
ウント値は、ルックアップテーブル34に供給される。
【0069】ルックアップテーブル34は、前記カウン
ト値に応じて、すなわち、レーザビーム#1、#2、#
3の記録シートSに対する走査位置に応じて、予め設定
された遅延量設定信号を各遅延回路36a、36b、3
6cに供給する。前記各遅延回路36a、36b、36
cは、前記遅延量設定信号に基づき、基本クロック信号
生成回路30からの基本クロック信号Bを所定量遅延さ
せ、制御クロック信号CLa、CLb、CLcとして2
値画像信号生成回路20に供給する。
【0070】この場合、前記制御クロック信号CLa
は、レーザビーム#1により記録シートS上に記録され
る2値画像信号の出力タイミングを制御する信号であ
り、図9に示すように、ルックアップテーブル34から
の遅延量設定信号に基づき、遅延回路36aが2値画像
信号による画像の記録開始時期を基本クロック信号Bよ
りもTd1だけ遅延させ、かつ、記録終了時期を基本ク
ロック信号Bの主走査終了のタイミング(m番目のクロ
ック信号)に合わせて設定する。なお、この制御クロッ
ク信号CLaの各パルスの間隔は、ルックアップテーブ
ル48からの遅延量設定信号により、できるだけ等間隔
となるように設定する。
【0071】また制御クロック信号CLbは、レーザビ
ーム#2により記録シートS上に記録される2値画像信
号の出力タイミングを制御する信号であり、図9に示す
ように、ルックアップテーブル34からの遅延量設定信
号に基づき、遅延回路36bが2値画像信号による画像
の記録開始時期を基本クロック信号BよりもTd2だけ
遅延させ、かつ、記録終了時期を基本クロック信号Bの
主走査終了のタイミング(m番目のクロック信号)より
もTd2だけ遅延させて設定する。なお、この制御クロ
ック信号CLbの各パルスの間隔は、ルックアップテー
ブル34からの遅延量設定信号により、できるだけ等間
隔となるように設定する。
【0072】さらに、制御クロック信号CLcは、レー
ザビーム#3により記録シートS上に記録される2値画
像信号の出力タイミングを制御する信号であり、図9に
示すように、ルックアップテーブル34からの遅延量設
定信号に基づき、遅延回路36cが2値画像信号による
画像の記録開始時期を基本クロック信号Bの主走査開始
時期と同じに設定し、かつ記録終了時期を基本クロック
信号Bの主走査終了のタイミング(m番目のクロック信
号)よりもTd3だけ遅延させて設定する。なお、この
制御クロック信号CLcの各パルスの間隔は、ルックア
ップテーブル34からの遅延量設定信号により、できる
だけ等間隔となるように設定する。
【0073】この場合、隣り合う走査線間の遅延位置が
重なると、網点の周期との間にビートを発生して画像上
のムラとなるおそれがあるので、ルックアップテーブル
34の遅延量設定信号は、各走査線間でランダムとなる
ように設定することが望ましい。
【0074】以上のようにして設定された制御クロック
信号CLa、CLb、CLcは、2値画像信号生成回路
20に供給され、図9に示す各タイミングで2値画像信
号を各レーザダイオード6a、6b、6cに出力する。
この場合、前記2値画像信号に基づいて変調されたレー
ザビーム#1、#2、#3は、レーザビーム#3と同一
の記録範囲(図3参照)において、画像を記録シートS
に記録することになる。従って、主走査方向の画像の記
録範囲が同一で、かつ、歪みのない高精度な画像を形成
することができる。
【0075】ところで、上記した第1実施態様では、記
録シートS上におけるレーザビーム#1、#2、#3に
よる走査線長の相違をそれぞれの記録タイミングを調整
することで無くしているが、次に示す第2実施態様のよ
うにすることで、走査線の間隔および長さを一定とする
こともできる。なお、第2実施態様において、第1実施
態様と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その
詳細な説明は省略する。
【0076】
【第2実施態様】図10〜13は、本発明の第2実施態
様の原理を説明する図である。この実施態様は3本のレ
ーザビームL(#1、#2、#3)が共通の平面上に無
くしかもいずれも光軸(Z軸)上に無い場合に、各レー
ザビームLをそれぞれ独立に2次元的に偏向させるもの
である。
【0077】まず、光走査器2の反射面4が図10Aの
向き(反射面4の短軸がY軸と一致)にある場合、Z軸
に沿って反射面4の中心に入射するレーザビームLoを
光走査器2に対して入射方向をX軸方向に−θXだけ偏
位させると、反射されたレーザビームLoは、X軸に直
交する所定の面内において、Z方向に+ΔZだけ偏位す
る。
【0078】また図10Bに示すように、レーザビーム
Loを光走査器2に対してY軸方向に+θYだけ偏位さ
せると、反射されたレーザビームLoは、X軸に直交す
る所定の面内において、Y方向に+Δyだけ偏位する。
従って図10Cに示すように、レーザビームLoをX、
Y軸方向にθXYだけ偏位させることにより、反射された
レーザビームLoを記録シートS上で2次元的に変位さ
せることができる。
【0079】そこで、レーザビーム#1をX軸のマイナ
ス方向およびY軸のプラス方向の所定量偏位させると共
に、レーザビーム#3をX軸のプラス方向およびY軸の
マイナス方向に所定量偏位させることにより、反射され
たレーザビーム#1、#2、#3の記録シートS上の集
光点を、図17Aに示すX−Y平面上の配列から図11
Aに示すX−Z平面上でZ軸方向に沿う配列に修正する
ことができる。
【0080】同様に、光走査器2の反射面4が図11B
の向きにある場合において、レーザビーム#1をX軸の
プラス方向およびY軸のプラス方向に所定量偏位させる
と共に、レーザビーム#3をX軸のマイナス方向および
Y軸のマイナス方向に所定量偏位させることにより、反
射されたレーザビーム#1、#2、#3の集光点を図1
7Cに示すX−Y平面上でZ軸方向に沿う配列から図1
1Bに示すX−Z平面上の配列に修正することができ
る。
【0081】このように、反射面4に対するレーザビー
ム#1および#3の入射方向を2次元的に調整すること
により、記録シートS上における各レーザビーム#1、
#2、#3のスポットを常時Z軸方向に配列することが
できる。従って図12に示すように、前記各レーザビー
ム#1、#2、#3によって記録シートS上に記録され
る走査線を、全走査域にわたって平行な直線として形成
することができると共に、その走査線長を同一とするこ
とができる。
【0082】ここで、前記の説明において、中央のレー
ザビーム#2をZ軸上に置き、かつ3本のレーザビーム
#1、#2、#3が共通の平面上にあり、ビーム間隔が
等しい場合を考える。この時に図13Aに示すように、
光走査器2の反射面4に入射するレーザビーム#1、#
2、#3のスポットを、記録シートSと共役となる面
S′上に射影した場合、前記光走査器2の回転に伴う前
記共役面S′上におけるレーザビーム#1および#3の
軌跡は、図13Bに示すように、光走査器2の角速度を
ωとして、次式で表される円となる。
【0083】
【数2】 X=−a・cosωt レーザビーム#1の軌跡 Y=−a・sinωt レーザビーム#1の軌跡 X=a・cosωt レーザビーム#3の軌跡 Y=a・sinωt レーザビーム#3の軌跡
【0084】従って、前記の各式に従ってレーザビーム
#1および#3を偏向して光走査器2に導くようにする
ことで、図12に示すように、一定間隔からなる複数の
走査線を形成することができる。
【0085】ここで3本のレーザビーム#1、#2、#
3がいずれもZ軸上になく、かつ同一平面上になく、ビ
ーム間隔も一定でない場合を考える。図14はこの場合
のビーム配置の一例をZ軸方向から見た図である。この
ように各レーザビーム#1、#2、#3がZ軸(光走査
器2の回転軸、光軸)からそれぞれc1、c2、c3離
れ、かつ位相差をもっているものとする。
【0086】この場合には前記図13Bに対応する共役
面上のビーム軌跡は同心円となる。従って3つのレーザ
ビーム#1、#2、#3に対してそれぞれ半径と位相が
異なる円の方程式が得られる。これらの式に従って各レ
ーザビーム#1、#2、#3をそれぞれ偏向させて光走
査器2に導くようにすれば、図12に示すような一定間
隔からなる3本の直線からなる主走査線が得られる。
【0087】なお光走査器2の中心がその回転に伴って
Z軸の回りを回転することがあり得る。この場合には図
13Bに対応する共役面上のビーム軌跡は楕円などの形
状になるが、この時も前記の式が変わるだけであって、
本質的に異なるものではない。
【0088】この第2の実施態様は図6に示した前記第
1の実施態様と略同一の構成とすることができ、異なる
点はAODが二次元に偏向できるものであることであ
る。これら2次元に偏向可能なAODは、図15に示す
制御手段100により駆動される。この図15では説明
を簡単にするため1つのAODaのみの駆動回路を示す
が、実際にはこの図15と同様な回路が他のAODb、
AODcに対して別々に設けられる。
【0089】この図15において116a(A)は正弦
波信号生成回路、116a(B)は余弦波信号生成回路
である。112は修正手段であり、前記したように主走
査線を等間隔かつ等長の直線とするために必要なX方向
およびY方向の偏向量を設定する。
【0090】118a(A)、118a(B)は、それ
ぞれ正弦波信号生成回路116a(A)の出力電圧と余
弦波信号生成回路116a(B)の出力電圧に対応した
周波数を出力する電圧制御発振器(VCO)である。発
振器118a(A)の出力は増幅器(AMP)124a
(A)を介してAODaのX軸方向の偏向電極に入力さ
れる。なお2値画像信号生成回路20が出力する2値画
像信号はレーザダイオード6をオン・オフさせる。
【0091】発振器118a(B)の出力は増幅器(A
MP)124a(B)を介してAODaのY軸方向の偏
向電極に入力される。同様に他のAODb、AODcに
もそれぞれX軸方向およびY軸方向の偏向を行うための
高周波信号が入力される。
【0092】
【他の実施態様】図16は他の実施態様の概念図であ
る。この実施態様は3つのAOD(AODa、AOD
b、AODc)のうちの1つAODaを、合波光学系8
の下流側に移したものである。
【0093】従ってこのAODaの駆動周波数に、光走
査器2(スピナーSP)の偏心や合波レーザビームLの
光学系(レンズL4、L5、L6など)などの経時変
化、温度変化による狂いを修正する補正を付加すること
により、合波レーザビームLを容易に補正できる。ここ
にAODは一次元の偏向をするものでもよいし(前記第
1実施態様)、二次元の偏向を行うものもよい(前記第
2実施態様)。
【0094】またこの図16の実施態様では修正手段2
12は自動で制御手段200に対する修正係数などの入
力を行うようにした。すなわちドラムDには主走査線を
検出する光ビーム位置検出手段としてのセンサ212A
を設けた。そしてこのセンサ212Aの出力により、修
正手段212は主走査線の湾曲の大きさ、周期や、間隔
を検出し、前記の偏向量を決めるための式に用いる係数
や変数を求めるものである。
【0095】このような自動による修正は、装置の電源
投入時、一定時間の経過時など予め決めた時点で自動で
行うようにすることができる。また適宜の時点でオペレ
ータが自動修正を指示するスイッチを押すことにより、
行うようにしてもよい。
【0096】なお前記の第2実施例では、AODは1つ
の音響光学素子によりX軸、Y軸方向に対する偏向およ
び画像情報に応じた変調を実現するように構成した。し
かしX軸方向とY軸方向に対する偏向を行う2つの1次
元音響光学素子を組合せて用いることも可能である。ま
た、各実施態様において、音響光学素子を用いる代わり
に、電気光学素子を用いてもよい。また4本以上のレー
ザビームを生成し、これらを本発明に従って独立に偏向
させて画像を記録することもできる。
【0097】また音響光学素子AODによるレーザビー
ム#1、#2、#3の偏向量を切り換え可能に構成すれ
ば、画像の解像度が可変である円筒内面走査型画像記録
装置を得ることができる。さらに、余弦波信号生成回路
16a、116a(B)や正弦波信号生成回路116a
(A)から出力される各信号に対して補正信号を加える
ことにより、集光レンズLoの収差、光走査器2の反射
面4の歪み、光走査器2の回転軸の振れや、光走査器2
の回転軸に対してレーザビーム#1、#2、#3が斜め
に、あるいはオフセットして入射する場合の走査線の歪
み等を補正できることも前記した通りである。
【0098】
【発明の効果】このように請求項1の発明によれば、可
動部が走査手段のみであるため、機械的な調整が不要と
なり精度を容易に向上させることができる。また装置全
体をコンパクトに構成することが可能となる。さらに、
各光ビームを1次元的に偏向させるから、走査線の湾曲
を修正して直線とし、かつ走査線の間隔も調節すること
ができる。このため電気的な制御によって容易に高精度
な画像記録を実現することができる。
【0099】また請求項2の発明では、複数の全ての光
ビームをそれぞれ独立に2次元的に偏向させることによ
り、走査線を直線化すると共にこれらの間隔および長さ
を同時に調整することができる。
【0100】さらにこれらの発明によれば、従来の1本
の光ビームを光走査器で偏向して画像を記録するタイプ
から本発明の複数本の光ビームを用いるタイプに容易に
拡張することも可能である。しかも、光ビームの本数の
増加、特に3本以上の増加が容易であるため、例えば、
走査手段の回転数を低く設定し、走査による記録精度の
信頼性を向上させることも可能となる。
【0101】光偏向手段は、合波光学系により集められ
る前のそれぞれ独立に分かれた光ビームをそれぞれ偏向
するように各光ビームごとに設けた光偏向素子で構成す
ることができる(請求項3)。これらの光偏向素子のう
ちの1つを、合波光学系より下流側の1本の集合された
光ビームを偏向する位置に移してもよい(請求項4)。
この場合には、光走査器などの経時的変化や温度変化な
どによる影響を、この移した1つの光偏向素子によって
補正することができて都合が良い。
【0102】制御手段には、主走査線の記録結果から主
走査線の湾曲と間隔とを修正するための修正手段を設け
るのがよい(請求項5)。例えば記録シートに出力され
た記録結果を見て、各主走査線の湾曲の程度や間隔の不
揃いの程度を測定し、手作業で修正係数を入力するよう
に構成することができる。円筒内面に主走査線の湾曲や
間隔を検出するための光ビーム検出手段を設けておき、
この検出結果に基づいて自動で修正を行うようにしても
よい(請求項6)。光偏向素子は音響光学素子とするこ
とができる(請求項7)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様の原理説明図
【図2】本発明の第1実施態様の原理説明図
【図3】本発明の第1実施態様による記録シート上の主
走査線の記録結果説明図
【図4】第1実施態様における記録シートと共役な面上
における光ビームの軌跡の説明図
【図5】光ビームの他の配置例を説明する図
【図6】円筒内面走査型画像記録装置の第1実施態様の
構成図
【図7】円筒内面走査型画像記録装置の第1実施態様の
回路構成図
【図8】図7に示す制御回路における制御クロック信号
生成回路の構成図
【図9】制御クロック信号のタイミングチャート
【図10】本発明の第2実施態様の原理説明図
【図11】本発明の第2実施態様の原理説明図
【図12】本発明の第2実施態様による記録シート上の
走査線の説明図
【図13】第2実施態様における記録シートと共役な面
上における光ビームの軌跡の説明図
【図14】光ビームの他の配置例を説明する図
【図15】円筒内面走査型画像記録装置の第2実施態様
の回路構成図
【図16】円筒内面走査型画像記録装置の他の実施態様
の構成図
【図17】光ビームの偏向制御を行わない場合の説明図
【図18】光ビームの偏向制御を行わない場合に形成さ
れる走査線の説明図
【符号の説明】
2 走査手段としての光走査器 6 光ビーム出力手段としてのレーザダイオード 8 合波光学系 10、100、200 制御手段 12、112、212 修正手段 212A 光ビーム位置検出手段としてのセンサ AOD 光偏向手段としての音響光学素子 SP 光走査器としてのスピナー D ドラム S 記録シート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒内面に保持された記録シートを画像
    情報に応じて変調された複数本の光ビームで走査し、画
    像を記録する円筒内面走査型画像記録装置において;前
    記複数本の光ビームを出力する光ビーム出力手段と;前
    記複数の光ビームを前記円筒の中心軸上にほぼ沿わせて
    導く合波光学系と;前記円筒の中心軸を回転軸とする反
    射面を有し、前記複数本の光ビームを回転する前記反射
    面により反射することで、前記記録シート上を主走査す
    る走査手段と;前記複数の光ビームを全て独立して1次
    元的に偏向させ、前記記録シート上で副走査方向の変位
    を生じさせる光偏向手段と;前記光偏向手段による前記
    記録シート上での前記複数の光ビームの変位位置を、前
    記反射面の回転に同期させて制御する制御手段と;を備
    えることを特徴とする円筒内面走査型画像記録装置。
  2. 【請求項2】 円筒内面に保持された記録シートを画像
    情報に応じて変調された複数本の光ビームで走査し、画
    像を記録する円筒内面走査型画像記録装置において;前
    記複数本の光ビームを出力する光ビーム出力手段と;前
    記複数の光ビームを前記円筒の中心軸上にほぼ沿わせて
    導く合波光学系と;前記円筒の中心軸を回転軸とする反
    射面を有し、前記複数本の光ビームを回転する前記反射
    面により反射することで、前記記録シート上を主走査す
    る走査手段と;前記複数本の光ビーム全てをそれぞれ独
    立に2次元的に偏向させ、前記記録シート上で主走査方
    向および副走査方向の変位を生じさせる光偏向手段と;
    前記光偏向手段による前記記録シート上での前記複数の
    光ビームの変位位置を、前記反射面の回転に同期させて
    制御する制御手段と;を備えることを特徴とする円筒内
    面走査型画像記録装置。
  3. 【請求項3】 光偏向手段は、合波光学系により合波さ
    れる前の互いに分かれた各光ビームをそれぞれ偏向する
    複数の光偏向素子を有する請求項1または2の円筒内面
    走査型画像記録装置。
  4. 【請求項4】 光偏向手段は、合波光学系により合波さ
    れる前の互いに分かれた光ビームのうち1本を除いた他
    の光ビームを偏向する光偏向素子と、前記光学系により
    合波された複数の光ビームを偏向する1つの光偏向素子
    とを備える請求項1または2の円筒内面走査型画像記録
    装置。
  5. 【請求項5】 制御手段は、複数本の光ビームにより記
    録シート上に出力された複数の主走査線に基づいて各主
    走査線の湾曲と間隔とを修正するための修正手段を有す
    る請求項1〜4のいずれかの円筒内面走査型画像記録装
    置。
  6. 【請求項6】 円筒内面に光ビームの主走査線にほぼ沿
    って設けた光ビーム位置検出手段と、この光ビーム位置
    検出手段の検出結果に基づいて各主走査線の湾曲と間隔
    とを修正する修正手段とを備える請求項1〜4のいずれ
    かの円筒内面走査型画像記録装置。
  7. 【請求項7】 光偏向素子は、音響光学素子である請求
    項3または4の円筒内面走査型画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004163936A (ja) * 2002-11-07 2004-06-10 Xerox Corp Rosシステムにおける走査線非線形の補正
CN112292609A (zh) * 2018-06-14 2021-01-29 松下知识产权经营株式会社 物体检测装置以及光检测器

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