JPH10201473A - フルクトシルアミンオキシダーゼを生産する実質上純粋な微生物 - Google Patents
フルクトシルアミンオキシダーゼを生産する実質上純粋な微生物Info
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Abstract
生産する手段を得るものである。 【解決手段】 フルクトシルアミンオキシダーゼのアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列を有する遺伝子、フルク
トシルアミンオキシダーゼ遺伝子によって形質転換した
遺伝子組換え微生物、当該微生物を培養してなるフルク
トシルアミンオキシダーゼの製造法。 【効果】 フルクトシルアミンオキシダーゼ生産菌株に
由来する染色体DNAライブラリーからフルクトシルア
ミンオキシダーゼ遺伝子の全DNA配列を明確とした新
規なフルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子を分離で
き、該フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子を導入し
た遺伝子組換え微生物を利用することにより、高効率な
フルクトシルアミンオキシダーゼの生産を可能とした。
Description
オキシダーゼを発現する実質上純粋なDNA、フルクト
シルアミンオキシダーゼを生産する実質上純粋な微生物
及びフルクトシルアミンオキシダーゼの製造法に関する
ものである。
(主にリジンのε−アミノ基)を持つ蛋白と結合し、シ
ッフ塩基を形成してアルジミンとなる。この反応は可逆
であり、生じた反応物は不安定であるが、それに続く不
可逆性のアマドリ転移によって、安定したケトアミンと
なる。このような糖化蛋白を総称してフルクトサミンと
呼ぶ。フルクトサミンの60から70%はグリケイテッ
ドアルブミンであると言われている。アルブミンの半減
期が約2週間であることから、フルクトサミンは約2週
間前の血糖値を反映すると言われている。
度は健常人と比較して高いことから、フルクトサミンの
濃度も高くなることが知られている。血糖値は食事の影
響を大きく受けることから、食事の影響を受けないフル
クトサミンは、糖尿病患者の血糖コントロール指標とし
て有用である。フルクトサミンの定量法としては、アフ
ィニティークロマトグラフィー法(Daiabete
s,第29巻、1044−1047ページ、1980
年)、HPLC法(J.Clin.Chem.Cli
n.Biochem.,第19巻、81−87ページ、
1981年)、(FEBS Lett.,第71巻、3
56−360ページ、1976年)等があるが、いずれ
も操作が煩雑な上、精度に問題があった。
ているのがアルカリ溶液中でのフルクトサミンの還元能
を利用してNBT(ニトロブルーテトラゾリウム)を還
元し、ホルマザン生成物の吸光度(550nm)を測定
するものである。この方法は迅速であり、臨床検査に用
いるために種々の分析機で自動化されている。しかし、
試料中の夾雑物質の影響を受けることから特異性が疑問
視されていた。そこで、簡便でかつ夾雑物質の影響を受
けないフルクトサミンを測定する方法が望まれていた。
量法としてコリネバクテリウム(Corynebact
erium)属由来のフルクトシルアミノ酸オキシダー
ゼを用いた方法が報告されている(特開昭61−268
178号公報)。しかしこの方法はα−アミノ酸のアマ
ドリ化合物に対しては作用するがε−アミノ酸に対して
は作用しない(特開平3−155780号公報)。フル
クトサミンは、タンパク質中のε−アミノ酸であるリジ
ン残基に糖が結合したものである(Diabetolo
gia、第26号、93−98ページ、1984年)こ
とから、この方法はフルクトサミンの定量には使用でき
なかった。
マドリ化合物にも作用する酵素として、アスペルギウス
(Aspergillus)属由来のフルクトシルアミ
ンオキシダーゼ(特開平3−155780号公報)、フ
サリウム(Fusarium)属、アクレモニウム(A
cremonium)属、およびデバリオマイセス(D
ebaryomyces)属由来のケトアミンオキシダ
ーゼ(特開平5−192193号公報)が知られてい
る。しかし、いずれも培養に誘導物質としてフルクトシ
ルグリシンやフルクトシルバリンなどのような合成基質
を使用するにもかかわらず酵素生産能は非常に低い。加
えて、真菌類は液体培養を行うと菌体が培地の半分もの
体積になり、また細胞壁が非常に強固であることから、
微量の酵素を精製することは非常に困難である。さら
に、血液中に存在するような低濃度のフルクトサミンを
測定するには多量の酵素が必要であり、本酵素を供給す
る方法として現実的なものではあり得なかった。
キシダーゼにおいてはε−アミノ酸に対する反応性や生
産菌株の酵素生産性が非常に低いことから、ε−アミノ
酸に対して反応性の高い酵素を効率よく生産し、容易に
抽出・精製できる微生物の開発が望まれていた。
実情のもとで、フルクトサミンの定量に有用なε−アミ
ノ酸に反応性の高いフルクトシルアミンオキシダーゼを
検索し、この酵素を効率よく生産する微生物を開発し、
さらにこの微生物を用いて該酵素を量産する方法を提供
することを目的としてなされたものである。
達成するために鋭意研究を重ね、自然界および公知の分
離株についてフルクトシルアミンオキシダーゼを産出す
る株を探索した結果、特に真菌類に広く存在することが
わかった。その中で特にフサリウム・オキシスポルム
(Fusarium oxysporum)IFO−9
972のフルクトシルアミンオキシダーゼ生産能が高い
ことがわかった。
素の部分的アミノ酸配列を決定した。そして、該酵素を
生産する微生物由来の染色体DNAライブラリーの中か
ら、該酵素をコードする遺伝子DNAを決定した部分的
アミノ酸配列から設計・合成したDNAプローブを用い
てスクリーニングし、得られたDNA断片から該酵素を
コードしない領域(5’および3’ノンコーディング領
域並びにイントロン)を部位特異的変異法を用いて除去
することで原核生物において遺伝子発現が可能でかつ容
易に発現する構造に変換した後、この遺伝子を用いて発
現ベクターを構築し、例えばエシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)に属する微生物に導入
して形質転換微生物を作出し、これを特に培地中で低温
にて培養することによって、該フルクトシルアミンオキ
シダーゼを効率よく量産することを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
配列の1から440で表されるアミノ酸配列を有するフ
ルクトシルアミンオキシダーゼのアミノ酸配列をコード
する塩基配列を有するDNAによって形質転換されたも
のであることを特徴とするフルクトシルアミンオキシダ
ーゼを生産する実質上純粋な微生物、配列表1のアミノ
酸配列の1から440で表されるアミノ酸配列を有する
フルクトシルアミンオキシダーゼのアミノ酸配列をコー
ドする塩基配列を有することを特徴とするフルクトシル
アミンオキシダーゼを発現する実質上純粋なDNA、配
列表1のアミノ酸配列の1から440で表されるアミノ
酸配列を有するフルクトシルアミンオキシダーゼのアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNAによって
形質転換されたフルクトシルアミンオキシダーゼを生産
する実質上純粋な微生物を培地に培養し、次いでその培
養物からフルクトシルアミンオキシダーゼを採取するこ
とを特徴とするフルクトシルアミンオキシダーゼの製造
法を提供するものである。
おいて使用されるフルクトシルアミンオキシダーゼ生産
菌は、フサリウム・オキシスポルムIFO−9972株
であり、本菌の生産するフルクトシルアミンオキシダー
ゼの性状は以下の通りである。 ・フルクトシルアミンオキシダーゼの活性測定法 ・反応液組成 50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5) 0.03%の4−アミノアンチピリン 0.02%のフェノール 4.5u/mlのパーオキシダーゼ 1mMのZFL(α−カルボベンズオキシ−ε−D−フ
ルクトシル−L−リジン) 上記の反応液1mlを小試験管に入れ、37℃で5分間
予備加温した後、適当に希釈した酵素液0.02mlを
添加して撹拌し、反応を開始する。正確に10分間反応
の後に、0.5%のSDSを2ml添加して反応を停止
し、波長500nmの吸光度を測定する(As)。また
盲検として酵素液のかわりに蒸留水0.02mlを用い
て同一の操作を行って吸光度を測定する(Ab)。この
酵素使用の吸光度(As)と盲検の吸光度(Ab)の吸
光度差(As−Ab)より酵素活性を求める。別にあら
かじめ過酸化水素の標準溶液を用いて吸光度と生成した
過酸化水素量との関係を調べておく。37℃、1分間に
1μMの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義し、
計算式は下記の通りである。 酵素活性(U/ml)=(As−Ab)×1.16×酵
素の希釈率 (1)基質特異性 ZFL 100% D−フルクトシル−L−アラニン 104% ε−D−フルクトシル−L−リジン 81% D−フルクトシル−L−バリン 10% (2)酵素作用 下記に示すように、少なくともα−アミノ酸、ε−アミ
ノ酸のアマドリ化合物を分解して、グルコソンと過酸化
水素および対応するα−アミノ酸、ε−アミノ酸を生成
する反応を触媒する。
たカラムゲル濾過法で、0.2MのNaCl含有0.1
Mのリン酸緩衝液(pH7.0)を溶出液として測定し
た結果、48,000±2,000、SDS−PAGE
では47,000±2,000であった。 (4)等電点 キャリアアンフォライトを用いる焦点電気泳動法によっ
て4℃、700Vの定電圧で40時間通電した後、分画
し、各画分の酵素活性を測定した結果、pH4.3±
0.2であった。 (5)Km値 50mMのトリス塩酸緩衝液(pH7.5) 0.03%の4−アミノアンチピリン 0.02%のフェノール 4.5u/mlのパーオキシダーゼ を含む反応液中で合成基質ZFLの濃度を変化させて、
ZFLに対するKm値を測定した結果、0.194mM
の値を示した。 (6)至適pH 前記の酵素活性測定法に従い、反応液中の50mMのト
リス−塩酸緩衝液(pH7.5)に代えて100mMの
酢酸緩衝液(pH4.4−5.4)、リン酸緩衝液(p
H5.6−7.9)、トリス−塩酸緩衝液(pH7.3
−8.5)、およびグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH8.0−10.3)の各緩衝液を用いて測定し
た。この結果、pH7.5で最大の活性を示した。 (7)pH安定性 本酵素0.5Uを含有する0.5Mの至適pHを測定す
るときに用いた各種緩衝液0.5mlを40℃、10分
間処理した後、その残存活性を後記の活性測定法に従っ
て測定した。この結果、pH7.0−9.0の範囲で8
0%以上の活性を保持していた。 (8)熱安定性 本酵素0.5Uを0.2Mのトリス−塩酸緩衝液(pH
7.5)で調製し、10分間加熱処理後、その残存活性
を活性測定法に従って測定した。この結果、40℃まで
は残存活性として95%以上を保持した。 (9)至適温度 40mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を用い、
活性測定法に従い、各温度で10分間反応後、0.5%
のラウリル硫酸ナトリウム(以下SDSと略称する)溶
液2mlで反応を停止し、波長500nmで吸光度を測
定した。この結果、50℃で最大の活性を示した。
の性質を(表1)に示し比較した。その結果、分子量に
おいてはコリネバクテリウムsp.由来酵素は88,0
00、アスペルギルスsp.由来酵素は83,000、
フザリウム・オキシスポルムIFO05880由来酵素
は106,000であるのに対し、本発明の酵素の分子
量は48,000であり明らかに違う分子量であった。
至適温度においてコリネバクテリウムsp.由来酵素は
40℃、アスペルギルスsp.由来酵素は40℃、フザ
リウム・オキシスポルムS−1F4由来酵素は45℃、
フザリウム・オキシスポルムIFO05880由来酵素
は33℃であり、本発明の酵素の至適温度は50℃であ
り、明らかに異なっていた。阻害剤においては本発明の
酵素がマンガンイオンやニッケルイオンによって阻害さ
れるの対してフザリウム・オキシスポルムS−1F4由
来酵素やフザリウム・オキシスポルムIFO05880
由来酵素はマンガンイオンとニッケルイオン存在下に1
00%残存活性を示す阻害を受けない性質を有するもの
であった。基質特異性においては本発明酵素はフルクト
シルリジンとフルクトシルバリンに作用し、フルクトシ
ルグリシンには作用しなかった。コリネバクテリウムs
p.由来酵素はフルクトシルリジンに作用しないことか
ら、明らかに本発明酵素とは異なるもので、また血中の
フルクトサミン(リジン残基のε位のアミノ基が糖化さ
れた蛋白)の測定には使用できない。フザリウム・オキ
シスポルムS−1F4由来酵素はフルクトシルバリンに
作用しないことから明らかに本発明酵素とは異なるもの
であり、また血中のヘモグロビンA1C(ヘモグロビンA
1Cは血糖コントロールマーカーで、N末のバリン残基が
糖化されている。)の測定には使用できない。以上の諸
性質における差異が認められ、本酵素は新規な性質のも
のと認められる。
有するフルクトシルアミンオキシダーゼについて精製を
行い、得られた電気泳動的に均一なフルクトシルアミン
オキシダーゼを用い、N末端側アミノ酸配列、シアノゲ
ンブロミドなどを用いて化学的に切断した各ペプチド断
片、およびリシルエンドペプチダーゼやアスパラギニル
エンドペプチダーゼなどプロテアーゼを用いて消化した
各ペプチド断片についてアミノ酸配列を決定し、フルク
トシルアミンオキシダーゼの部分的なアミノ酸配列を決
定する。
発現する遺伝子DNAをクローニングし、遺伝子工学的
に該酵素を発現する形質転換微生物を作出する訳である
が、用いられるフルクトシルアミンオキシダーゼを発現
する遺伝子DNAは、例えば該酵素を生産する微生物由
来の染色体DNAまたはcDNAライブラリーの中か
ら、スクリーニングすることによって得ることができ
る。
ミンオキシダーゼを生産する微生物として、フサリウム
・オキシスポルムIFO−9972が好ましく用いられ
る。このフサリウム・オキシスポルムIFO−9972
から該酵素を発現する遺伝子DNAをスクリーニングす
る方法について説明する。まず、本菌の遺伝子ライブラ
リーを作製するにあたり、染色体DNAライブラリーを
作製する場合、まず、該微生物の染色体DNAを通常用
いられている方法によって抽出した後、適当な制限酵素
で切断して、クローニング用ベクターに連結し、次いで
この組換えベクターを宿主微生物に導入して、104 〜
105 個の形質転換宿主微生物のコロニーからなる染色
体DNAライブラリーを作製する。
合は、全RNAを通常用いられている方法に従って調製
した後、例えばオリゴdTカラムを用いてmRNAを精
製しても良いし、市販のキットを用いて直接mRNAを
調製しても良い。調製したmRNAに適当な制限酵素部
位を有するリンカーやアダプターを付加した後適当なク
ローニング用ベクターに挿入し、上記と同様に宿主微生
物に導入してcDNAライブラリーを作製する。この際
用いられる宿主微生物としては、組換えDNAが安定で
かつ自律的に増殖可能であるものであれば特に制限され
ず、通常の遺伝子組換えに用いられているもの、例えば
エシェリヒア属、バチルス属に属する微生物などが好ま
しく使用される。
としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア属に属する
微生物の場合には、カルシウムイオンの存在下に組換え
DNAの導入を行ってもよいし、コンピテントセル法を
用いてもよく、またバチルス属に属する微生物の場合に
は、コンピテントセル法またはプロトプラスト法などを
用いることができるし、エレクトロポレーション法ある
いはマイクロインジェクション法を用いてもよい。宿主
微生物への所望組換えDNA導入の有無の選択について
は、組換えDNAを構成するベクターの薬剤耐性マーカ
ーや栄養要求性マーカーに基づく選択培地で、該宿主微
生物を培養し、生育する宿主微生物を選択すればよい。
製標品の部分的アミノ酸配列に基づいて種々のオリゴヌ
クレオチドを合成した後、例えばアイソトープで標識し
て標識オリゴヌクレオチドプローブを作製する。次い
で、これらの標識オリゴヌクレオチドプローブを用い、
従来慣用されている方法に従って、前記の染色体DNA
またはcDNAライブラリーの中から、フルクトシルア
ミンオキシダーゼ遺伝子を含むものをスクリーニングす
る。
転換された宿主微生物から、例えばマニアティスらの方
法(Molecular Cloning Secon
dEdition.,Cold Spring Har
bor Laboratory、1989年)などに従
って、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子DNAを
含む組換えベクターを調製することができる。
アミンオキシダーゼ遺伝子を発現用ベクターに組み込ん
で、発現ベクターを構築する。この発現用ベクターとし
ては、宿主微生物で自律的に増殖し得るファージDNA
またはプラスミドDNAから遺伝子組換え用として構築
されたものが適している。前者のファージベクターとし
ては、例えばエシェリヒア・コリを宿主微生物とする場
合には、λgt・λC、λgt・λBなどが用いられ
る。また、プラスミドベクターとしては、エシェリヒア
・コリを宿主微生物とする場合は、例えばpBR32
2、pBR325、pACYC184、pUC12、p
UC18、pUC19、pUC118、pUC119、
pTV119N、pBluescriptSK+、pT
rc99Aなどが用いられる。
合は、例えばpHY300PLKなどを用いればよく、
サッカロミセス属を宿主微生物とする場合は、例えばp
YAC5などを用いればよい。また宿主微生物が原核生
物である場合、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子
を組み込んだ際に効率よく働くプロモーターが上流に存
在するような構造の発現用ベクターが適しており、エシ
ェリヒア・コリを宿主微生物とする場合には、pUC1
2、pUC18、pUC19、pUC118、pUC1
19、pTV119N、pBluescriptSK
+、pTrc99Aなどがこれに合致する。さらに、バ
チルス属を宿主微生物とする場合は、pHY300PL
Kなどが合致する。
ンオキシダーゼ遺伝子DNAを組み込む方法については
特に制限はなく、従来慣用されている方法を用いること
ができる。しかし、該酵素生産菌であるフサリウム・オ
キシスポルムIFO−9972は真核生物であることか
ら、該酵素遺伝子内にイントロンを保持している可能性
がある。イントロンが存在している場合、エシェリヒア
・コリなどの原核生物を宿主として活性発現させるため
にはこのイントロンを除去しなければならない。この場
合は、部位特異的変異法を応用して、イントロンを除去
した後に結合させたいエクソン(タンパクをコードして
いる遺伝子部分)両末端と同じ配列を有する合成DNA
を用いてイントロンを除去すればよい。また、宿主微生
物での遺伝子の発現効率を上昇させるために、部位特異
変異法を用いて低頻度遺伝子コドンを高頻度コドンに変
換する作業が有効である。例えば宿主微生物がエシェリ
ヒア・コリであれば、アルギニンをコードするエシェリ
ヒア・コリでの低頻度遺伝子コドンAGGを、同じくア
ルギニンをコードする高頻度コドンであるCGGなどに
変換する操作が一般的に行われる。また、フルクトシル
アミンオキシダーゼ遺伝子を発現用ベクターに組み込む
に先だって、遺伝子の上流部と下流部に部位特異変異法
やPCR法を用いて、適当な制限酵素認識部位を作成し
ておくことも一般的な手法である。そして、適当な制限
酵素を用いて、前記のフルクトシルアミンオキシダーゼ
遺伝子DNAを含む組換えベクター及び発現用ベクター
を処理し、それぞれフルクトシルアミンオキシダーゼ遺
伝子を含むDNA断片及びベクター断片を得た後、それ
ぞれの接着末端をアニーリング後、適当なDNAリガー
ゼを用いて結合させることによって、発現ベクターが得
られる。
記のフルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子DNAを含
む組換えプラスミドとして分離したpFOD1とプラス
ミドベクターpTV119Nから得られ、pFOD7と
命名されたものであり、その構成の模式図は図1に示す
とおりである。このようにして、構築された発現ベクタ
ーをエシェリヒア・コリに属する微生物に導入し、該宿
主微生物を形質転換させればフルクトシルアミンオキシ
ダーゼを生産する実質上純粋な微生物が得られる。発現
ベクターの導入及び選択方法については前述した方法を
用いて行う。
pFOD7によって形質転換されたエシェリヒア・コリ
に属する微生物は、エシェリヒア・コリDH1・pFO
D7(微工研寄託、FERM P−15943)と命名
される。このようにして得られた形質転換微生物の培養
は、該微生物の生育に必要な炭素源や窒素源などの栄養
源や無機成分などを含む培地中において行うことができ
る。
ンプン、ショ糖、モラッセス、デキストリンなどが、窒
素源としては、例えばペプトン、肉エキス、カゼイン加
水分解物、コーンスチープリカー、硝酸塩、アンモニウ
ム塩などが、無機成分としては、例えばナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、亜鉛、
マンガン、鉄などの陽イオンや塩素、硫酸、リン酸など
の陰イオンを含む塩が挙げられる。
方法、例えば通気撹拌培養、振盪培養、回転培養、静置
培養などの方法によって行うことができるが、本発明に
関しては、数々の検討を行った結果、エシェリヒア・コ
リの至適生育温度である37℃よりも低い28℃以下好
ましくは25℃で、12時間から60時間程度培養する
方法が好ましく用いられる。
離処理などの手段によって菌体を集め、次いで酵素処
理、自己消化、フレンチプレス、超音波処理などによっ
て細胞を破壊して目的とする酵素を含有する抽出液を得
る。この抽出液から、該酵素を分離、精製するには、例
えば、塩析、脱塩、イオン交換樹脂による吸脱着処理な
どを行ったのち、さらに吸着クロマトグラフィー、ゲル
濾過、電気泳動法などによって精製すればよけ、この精
製酵素について適宜、ショ糖、グリセロール、アミノ酸
等の安定化剤を0.1〜5%添加して凍結乾燥してもよ
い。
ンオキシダーゼの酵素活性及び物理化学的性質を調べる
ことによって、該形質転換微生物がフルクトシルアミン
オキシダーゼの産生能を有することが確認された。した
がって、本発明において用いたフルクトシルアミンオキ
シダーゼを発現する遺伝子DNAは、配列表1のアミノ
酸配列の1から440で表されるアミノ酸配列をコード
する塩基配列を有し、かつその塩基配列が配列表1の塩
基配列の1から1320で表される塩基配列であること
が明らかである。
ンオキシダーゼは、例えば血清中のフルクトサミン定量
などの臨床用酵素として有用である。なお、本発明明細
書に記載の塩基配列の記号及びアミノ酸配列の記号は、
当該分野における慣用略号に基づくもので、それらの例
を以下に列記する。また、すべてのアミノ酸はL体を示
すものとする。
り詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例中、常法に従い、と記
述した操作は、例えばマニアティスらの方法(T.ma
niatis.,et al.,Molecular
Cloning Second Edition.,C
old Spring Harbor Laborat
ory、1989年)や、市販の各種酵素、キット類に
添付された手順に従えば実施できるものである。また、
実験に使用した組換えDNA実験酵素試薬(制限酵素な
ど)、プラスミドDNA、キット類は特に指摘しない限
り宝酒造株式会社より購入したものである。
FO−9972菌株を2%のグルコース(和光純薬社
製)、2%の酵母エキス(極東製薬工業社製)から成
り、pH5.5に調整した培地100mlにて28℃で
3日間振盪培養した後、この培養液を高速冷却遠心機
(トミーCX−250型)を用い、6500rpm(7
660G)で10分間遠心分離処理して、菌体を集菌し
た。
(pH5.5)、100mMのエチレンジアミン4酢酸
(以下EDTAと略称する)(pH8.0)及び15%
のシュクロースからなる溶液20ml中に懸濁し、最終
濃度が2mg/mlとなるようにノボザイム(ノボノル
ディスク社製)を加え、25℃で30分間処理して菌株
の細胞壁を破壊した。
製)水溶液1mlを加えて、37℃で20分間処理した
後、これに等量のフェノール:クロロホルム=1:1混
合液を加え、10000rpm(12080G)で10
分間遠心分離処理して水相を回収した。この水相に2倍
量のエタノールを静かに重層し、ガラス棒でゆっくり撹
拌しながら、DNAをガラス棒にまきつかせて分離した
後、10mMのトリス−塩酸(pH8.0)及び1mM
のEDTAからなる溶液20mlで溶解し、次いでこれ
に等量のフェノール:クロロホルム=1:1混合液を加
え、前記と同様に処理して水相を分取した。
えて前記の方法でもう一度DNAを分離した後、10m
Mのトリス−塩酸(pH8.0)及び1mMのEDTA
からなる溶液2mlに溶解した。
ライブラリーの作製>実施例1で得られたフサリウム・
オキシスポルムIFO−9972染色体5μgを30単
位の制限酵素BglIIを用い、常法に従って37℃で
2時間切断処理した。また、5μgのプラスミドベクタ
ーpUC119を30単位の制限酵素BamHIを用
い、常法に従って37℃で2時間切断処理した。さらに
5’末端を脱リン酸化するために、反応液に1単位のア
ルカリ性ホスファターゼを加えて65℃で2時間処理し
た。
NA溶液を混合し、この混合液に等量のフェノール:ク
ロロホルム=1:1混合液を加えて処理した後、遠心分
離処理によって水相を分取した。次いで、この水相に1
/10量の3Mの酢酸ナトリウム溶液を加え、さらに2
倍量のエタノールを加えて遠心分離処理することによっ
てDNAを沈澱させた後、減圧乾燥した。
ゲースを用い、常法に従って16℃で16時間ライゲー
ションを行った。次に、これを常法に従いコンピテント
細胞としたエシェリヒア・コリDH1(ATCC338
49)[F−、recA1、endA1、gyrA9
6、thi−1、hsdR17(rk−、mk+)、S
upE44、relA1、λ−](T.maniati
s.,et al. Molecular Cloni
ng:Cold Spring Harbor,504
−506ページ、1982年)にトランスフォーメーシ
ョンし、これをアンピシリン50μg/ml含有3.7
%のBHI寒天培地(DIFCO社製)にて、37℃で
一昼夜培養し、約8000株の形質転換微生物を得て、
フサリウム・オキシスポルムIFO−9972遺伝子ラ
イブラリーとした。
シルアミンオキシダーゼ精製標品のリシルエンドペプチ
ダーゼ処理断片、及びアスパラギニルエンドペプチダー
ゼ処理断片のアミノ酸配列を調べたところ、配列表2か
ら7のアミノ酸配列で表される6領域のアミノ酸配列が
決定された。
塩基配列を予想した。この予想された塩基配列には種々
の組合せが考えられるので、組合せの数が少ない部分の
オリゴヌクレオチドを設計した。すなわち、配列表2の
アミノ酸配列の59番目のPheから65番目のAsp
をコードする20塩基のDNA配列を予想し、64通り
の全ての塩基配列を有するDNAが混在するオリゴヌク
レオチドFOD1を設計し、外部機関(BEX社)に合
成依頼して作成した。FOD1のDNA配列を配列表8
に示した。
ド50ngを370キロベクレルの[γ−32P]ATP
(アマシャムジャパン社製)の存在下、8.5単位のT
4ポリヌクレオチドキナーゼを用い、常法に従って37
℃で30分間反応させて、放射性同位元素32Pを取り込
ませ、放射性オリゴヌクレオチドプローブを作製した。
スクリーニング>実施例2で得たフサリウム・オキシス
ポルムIFO−9972遺伝子ライブラリー、すなわち
平板寒天培地上のアンピシリン耐性コロニーの上に、ナ
イロンメンブレンフィルター(アマシャムジャパン社
製、ハイボンド−N+)を重ね、フィルター上に該コロ
ニー菌体の一部を移行させた後、このフィルターをアル
カリ変性溶液(1.5MのNaCl、0.5NのNaO
H)中に5分間浸し、さらに中和溶液(0.5Mのトリ
ス−塩酸(pH7.0)、3MのNaCl)に5分間浸
漬後、乾燥させた。
熱し、菌体中にあったプラスミドDNAをフィルターに
固定した。さらに、このフィルターをプレハイブリダイ
ゼーション溶液(1.8MのNaCl、0.18Mのク
エン酸ナトリウム、0.05%の二リン酸ナトリウム、
0.1%のSDS、0.1%のフィコール、0.1%の
ポリビニルピロリドン、0.1%のウシ胎児血清アルブ
ミン(以下BSAと略称する)(シグマ社製)、0.0
1%のサケ精子DNA(ベーリンガー・マンハイム社
製))に浸し、37℃で一昼夜プレハイブリダイゼーシ
ョンを行った。
ョン溶液(1.8MのNaCl、0.18Mのクエン酸
ナトリウム、0.05%の二リン酸ナトリウム、0.1
%のSDS、0.1%のフィコール、0.1%のポリビ
ニルピロリドン、0.1%のBSA、0.002%のエ
シェリヒア・コリ由来トランスファーRNA(ベーリン
ガー・マンハイム社製))に浸した後、実施例3で得ら
れた放射性オリゴヌクレオチドプローブを加え、37℃
で24時間ハイブリダイゼーションを行った。
8MのNaCl、0.18Mのクエン酸ナトリウム、
0.05%の二リン酸ナトリウム)でフィルターを3回
洗浄した後、42℃の洗浄液に10分間浸し、余分なプ
ローブを洗い落とした。ついで、フィルターを風乾後、
X線フィルム(富士写真フィルム社製、NewRXO−
H)に重ね、遮光下−80℃で24時間オートラジオグ
ラフィーを行った。
ティブシグナルを示すコロニーを確認した。該コロニー
をフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA
を含む形質転換体エシェリヒア・コリDH1・pFOD
1と命名した。
エシェリヒア・コリDH1・pFOD1を、3.7%の
BHI培地にて37℃で一昼夜培養した後、常法に従っ
てフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA
を含む組み換えプラスミドpFOD1を抽出した。該プ
ラスミド中のフサリウム・オキシスポルムIFO−99
72染色体由来の部位のDNA配列をジデオキシ法(S
cience、第214巻、1205−1210ペー
ジ、1981年)により決定し、フルクトシルアミンオ
キシダーゼをコードする全DNAが含まれていることを
確認すると共に、その全塩基配列を決定した。
キシダーゼ遺伝子がコードするアミノ酸配列は、実施例
3で決定したフルクトシルアミンオキシダーゼの6種の
部分アミノ酸配列とも完全に一致した。さらに配列表1
のDNA配列の78番目のTと79番目のCの間に、4
8bpのイントロンが存在することが判明した。
ーゼ発現用プラスミドの作製>フルクトシルアミンオキ
シダーゼの遺伝子中のイントロンをクンケルの部位特異
変異法(Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.第82巻、488ページ、1985年)により
除去するために、DNA変異用オリゴヌクレオチドプラ
イマーFOD2を設計し、外部機関(BEX社)に合成
依頼して作成した。FOD2のDNA配列を配列表9に
示した。また、実施例5で得られたプラスミドpFOD
1を部位特異変異用実験キットMutan−K(宝酒造
社製)に添付されたエシェリヒア・コリCJ236株に
常法に従って導入し、添付のマニュアルに従って1本鎖
DNA状のpFOD1を調製した。この2μgの一本鎖
DNA状のpFOD1を鋳型DNAとし、1μgのFO
D2を変異用プライマーとして、Mutan−Kを用
い、添付のマニュアルに従って部位特異変異を行い、イ
ントロンを除いたDNA鎖を含有するプラスミドを合成
した。
エシェリヒア・コリBMH71−18mutS株に常法
に従って導入し、組換え菌体数コロニーから組換えプラ
スミドを抽出し、10単位の制限酵素SalIで、添付
のマニュアルに従って37℃で2時間切断処理し、0.
7%アガロースゲル電気泳動で分析し、新たにSalI
部位が導入されているプラスミドを確認、選択した。
・コリDH1株に形質転換し、組換えプラスミドを抽出
し、SalI部位が導入されていることを確認した。以
上により得たプラスミドをpFOD2と命名した。次に
フルクトシルアミンオキシダーゼ構造遺伝子の上流と下
流に制限酵素認識部位をクンケルの部位特異変異法によ
り導入するために、オリゴヌクレオチドFOD3とFO
D4を設計し、それぞれ外部機関(BEX社)に合成依
頼して作成した。FOD3のDNA配列を配列表10
に、FOD4のDNA配列を配列表11に示した。ま
た、プラスミドpFOD2を部位特異変異用実験キット
Mutan−Kに添付されたエシェリヒア・コリCJ2
36株に常法に従って導入し、添付のマニュアルに従っ
て一本鎖DNA状のpFOD2を調製した。この2μg
の一本鎖DNA状のpFOD2を鋳型DNAとし、1μ
gのFOD3と1μgのFOD4を変異用プライマーと
して、Mutan−Kを用い、添付のマニュアルに従っ
て部位特異変異を行い、NcoIとHindIIIの認
識部位が追加されたDNA鎖を含有するプラスミドを合
成した。
エシェリヒア・コリBMH71−18mutS株に常法
に従って導入し、組換え菌体数コロニーから組換えプラ
スミドを抽出し、10単位の制限酵素NcoIとHin
dIIIで、添付のマニュアルに従って37℃で2時間
切断処理し、0.7%アガロースゲル電気泳動で分析
し、新たにNcoIとHindIIIの認識部位が導入
されているプラスミドを確認、選択した。以上により得
たプラスミドをpFOD3と命名した。
素NcoI及びHindIIIそれぞれ10単位で添付
のマニュアルに従って37℃で2時間切断処理し、0.
7%アガロースゲル電気泳動で約1.4kbのFOD遺
伝子を含むDNA断片を分離回収した。一方、5μgの
エシェリヒア・コリ宿主プラスミドベクターpTV11
9Nを前記と同様に切断し、50mMのトリス−塩酸
(pH8.0)存在下に、1単位のアルカリ性フォスフ
ァターゼを加え、65℃で2時間処理した。
例2と同様にライゲーション、トランスフォーメーショ
ンを行い、50μg/mlのアンピシリンを含有する
3.7%のBHI寒天培地にまき、25℃で一昼夜培養
した。このようにして、プラスミドベクターpTV11
9NのNcoI及びHindIII部位にフルクトシル
アミンオキシダーゼ遺伝子を含む約1.4kbのDNA
断片が挿入されたプラスミドpFOD7を保持する形質
転換微生物を取得し、実施例3の方法で組換えプラスミ
ドpFOD7を得た。
ダーゼの活性発現>実施例6で作製したプラスミドpF
OD7を保持する形質転換微生物をアンピシリン50μ
g/ml及び1mMのIPTG(イソプロピル−β−D
−チオガラクトピラノシド)を含有する3.7%のBH
I培地にて37℃で一昼夜培養した後、培養液を150
00rpmで1分間遠心分離処理して沈澱を回収した。
この沈澱に、該培養液と同量の10mMのトリス−塩酸
(pH8.0)を加え、超音波破砕を行った。
り、前記に示した酵素活性測定法にてフルクトシルアミ
ンオキシダーゼ活性を定量した。なお、比較のためにp
TV119Nのみをトランスフォーメーションしたエシ
ェリヒア・コリDH1の破砕液についても前記と同様の
処理を行い、フルクトシルアミンオキシダーゼ活性を測
定した。その結果、プラスミドpFOD7を保持した形
質転換微生物での活性は0.08U/mlであったが、
pTV119Nを持つものの活性は検出できなかった。
これより、フルクトシルアミンオキシダーゼ活性をもつ
形質転換体が得られていることが確認された。この形質
転換体をエシェリヒア・コリDH1・pFOD7(Es
cherichia coli・DH1・pFOD7)
(微工研寄託、FERM P−15943)と命名し
た。
ンオキシダーゼを単離・精製し、発現蛋白の理化学的性
質を確認し、フサリウム・オキシスポルムIFO−99
72のフルクトシルアミンオキシダーゼと同一であるこ
とを確認した。
ルムIFO−9972由来の染色体DNAライブラリー
から、フルクトシルアミンオキシダーゼを発現する遺伝
子DNAをスクリーニングし、これを用いて構築された
発現ベクターを例えばエシェリヒア・コリに属する微生
物に導入することによって、得られた形質転換微生物は
効率よくフルクトシルアミンオキシダーゼを生産するこ
とができる。
ルアミンオキシダーゼの全アミノ酸配列及びこのアミノ
酸をコードする遺伝子DNAの塩基配列が決定できたの
で、該酵素の基質及び補酵素特異性の変換や耐熱性の向
上などのプロテインエンジニアリングが可能となった。
図である。図中の「fod」はフルクトシルアミンオキ
シダーゼ遺伝子を、「ap」はアンピシリン耐性遺伝子
を、「lac」はβ−ガラクトシダーゼ遺伝子由来プロ
モーター配列を、「ori」はプラスミド複製起点を示
す。また、「NcoI」、「HindIII」は制限酵
素認識部位を、「pTV119N」、「F.oxysp
orum DNA」はプラスミドの各領域の由来を示
す。
Claims (10)
- 【請求項1】 配列表1のアミノ酸配列の1から440
で表されるアミノ酸配列を有するフルクトシルアミンオ
キシダーゼのアミノ酸配列をコードする塩基配列を有す
るDNAによって形質転換されたものであることを特徴
とするフルクトシルアミンオキシダーゼを生産する実質
上純粋な微生物。 - 【請求項2】 形質転換された微生物が、エシェリヒア
・コリに属する微生物である請求項1記載の微生物。 - 【請求項3】 形質転換されたエシェリヒア・コリに属
する微生物が、プラスミドpFOD7によって形質転換
された微生物である請求項1記載の微生物。 - 【請求項4】 形質転換されたエシェリヒア・コリに属
する微生物が、エシェリヒア・コリDH1・pFOD7
(微工研寄託、FERM P−15943)である請求
項1記載の微生物。 - 【請求項5】 配列表1のアミノ酸配列の1から440
で表されるアミノ酸配列を有するフルクトシルアミンオ
キシダーゼのアミノ酸配列をコードする塩基配列を有す
ることを特徴とするフルクトシルアミンオキシダーゼを
発現する実質上純粋なDNA。 - 【請求項6】 DNAが、配列表1の塩基配列の1から
1320で表される塩基配列を有する請求項5記載のD
NA。 - 【請求項7】 配列表1のアミノ酸配列の1から440
で表されるアミノ酸配列を有するフルクトシルアミンオ
キシダーゼをコードする塩基配列を有するDNAによっ
て形質転換された微生物であるフルクトシルアミンオキ
シダーゼを生産する実質上純粋な微生物を培地に培養
し、次いでその培養物からフルクトシルアミンオキシダ
ーゼを採取することを特徴とするフルクトシルアミンオ
キシダーゼの製造法。 - 【請求項8】 形質転換された微生物が、エシェリヒア
属に属するフルクトシルアミンオキシダーゼを生産する
実質上純粋な微生物である請求項7記載のフルクトシル
アミンオキシダーゼの製造法。 - 【請求項9】 形質転換された微生物が、エシェリヒア
・コリDH1・pFOD7(微工研寄託、FERM P
−15943)である請求項7記載のフルクトシルアミ
ンオキシダーゼの製造法。 - 【請求項10】 培養において28℃以下で培養する請
求項7記載のフルクトシルアミンオキシダーゼの製造
法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7407783B2 (en) | 2002-09-24 | 2008-08-05 | Arkray Inc | Fructosylamine oxidase |
-
1997
- 1997-01-20 JP JP710197A patent/JP3775873B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (9)
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CN100430488C (zh) * | 2001-01-31 | 2008-11-05 | 旭化成制药株式会社 | 测定糖化蛋白质的组合物 |
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