JPH10200118A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JPH10200118A
JPH10200118A JP158397A JP158397A JPH10200118A JP H10200118 A JPH10200118 A JP H10200118A JP 158397 A JP158397 A JP 158397A JP 158397 A JP158397 A JP 158397A JP H10200118 A JPH10200118 A JP H10200118A
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thin film
film
semiconductor
manufacturing
film transistor
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JP158397A
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Seiichiro Azuma
清一郎 東
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質な多結晶半導体薄膜、良好な界面、良質
のゲート絶縁膜を同時に形成するプロセスを与える。 【解決手段】 非晶質半導体薄膜上に絶縁膜を形成した
後レーザー照射を行い、該半導体膜をエッチングした後
ゲート絶縁膜を形成する事によって半導体−ゲート絶縁
膜構造を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁体上に形成され
る薄膜トランジスタ、液晶表示装置の表示画素または液
晶駆動回路の構成素子として利用される薄膜トランジス
タの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコン等の半導体膜は薄膜トラ
ンジスタ(以下本願明細書中ではTFTと称する)や太
陽電池に広く利用されている。とりわけ多結晶シリコン
( poly−Si)TFTは高移動度化が可能であり
ながらガラス基板のように透明で絶縁性の基板上に作成
できるという特徴を生かして、液晶表示装置(LCD)
や液晶プロジェクターなどの光変調素子あるいは液晶駆
動用内蔵ドライバーの構成素子として広く用いられ、新
しい市場の創出に成功している。
【0003】電界効果型トランジスタであるTFTの性
能は、当然のことながらゲート絶縁膜の膜質、その能動
部を構成する半導体膜の膜質、そしてこれらゲート絶縁
膜と半導体膜との界面の善し悪しによって決定されてい
る。いうまでもなく高品質の半導体膜、ゲート絶縁膜、
および清浄な界面が得られれば、それに応じた高性能の
TFTが得られる。逆にこれらの要件の全てが同時に満
たされていなければ高性能のTFTは決して実現できな
い。
【0004】ガラス基板上に高性能なTFTを作成する
方法としては高温プロセスと呼ばれる製造方法がすでに
実用化されている。TFTの製造方法として工程最高温
度が1000℃程度の高温を用いるプロセスを一般的に
高温プロセスと呼んでいる。高温プロセスの特徴は、シ
リコンの固相成長により比較的良質のpoly−Siを
作成する事ができることと、熱酸化により良質のゲート
絶縁膜(一般的に二酸化珪素)および清浄なpoly−
Siとゲート絶縁膜の界面を形成できることである。高
温プロセスではこれらの特徴により、高移動度でしかも
信頼性の高い高性能TFTを安定的に製造することがで
きる。しかし、高温プロセスを用いるためにはTFTを
作成する基板が1000℃以上の高温の熱工程に耐え得
る必要がある。この条件を満たす透明な基板は現在のと
ころ石英ガラスしかない。このため昨今のpoly−S
i TFTは総て高価で小さい石英ガラス基板上に作成
されており、コストの問題上大型化には向かないとされ
ている。また、固相成長法では十数時間という長時間の
熱処理が必要であり、生産性が極めて低いとの課題があ
る。また、この方法では基板全体が長時間加熱されてい
る事に起因して基板の熱変形が大きな問題と化し実質的
に安価な大型ガラス基板を使用し得ないとの課題が生じ
ており、これもまた低コスト化の妨げとなっている。
【0005】一方、高温プロセスが持つ上記欠点を解消
し、尚且つ高移動度のpoly−Si TFTを実現し
ようとしているのが低温プロセスと呼ばれる技術であ
る。比較的安価な耐熱性ガラス基板を使うために、工程
最高温度としておおむね600℃以下のpoly−Si
TFT製造プロセスを一般的に低温プロセスと呼ぶ。
低温プロセスでは発振時間が極短時間のパルスレーザー
を用いてシリコン膜の結晶化をおこなう技術が広く使わ
れている。レーザー結晶化とは、ガラス基板上のアモル
ファスシリコン膜に高出力のパルスレーザー光を照射す
ることによって瞬時に溶融させ、これが凝固する過程で
結晶化する性質を利用する技術である。最近ではガラス
基板上のアモルファスシリコン膜にエキシマレーザービ
ームをくり返し照射しながらスキャンすることによって
大面積のpoly−Si膜を作成する技術が広く使われ
るようになった。また、ゲート絶縁膜としてはプラズマ
CVDをもちいた成膜方法で比較的高品質の二酸化珪素
(SiO2)膜が成膜可能となり実用化への見通しが得
られるほどになった。これらの技術によって、現在では
一辺が数十センチほどもある大型のガラス基板上にpo
ly−Si TFTが作成可能となっている。
【0006】しかし、この低温プロセスで安定的に作成
できるTFTは現在のところ移動度で50〜60(cm
2/Vsec)以下のものである。この原因は、ゲート
絶縁膜とpoly−Siの界面形成方法が確立されてい
ないことと、レーザーによって結晶化したpoly−S
i膜の膜質が不十分であることにある。現在では、レー
ザーによって結晶化した後のpoly−Si膜を一旦大
気中に取り出してからゲート絶縁膜を形成するプロセス
が一般的にとられている。すなわち、清浄性が保たれな
ければならないpoly−Siとゲート絶縁膜との界面
は全く積極的にコントロールされていないのである。ま
たレーザー照射で結晶化したpoly−Si膜は、結晶
化時の熱伝導の方向がシリコン膜から基板方向へと一次
元的であるため一般的に結晶粒径が小さい。加えてレー
ザーの照射方法を工夫しなければ結晶粒界や結晶内部に
欠陥等に起因する多数のトラップが形成されるので、こ
れがキャリア寿命を縮め結果として移動度を下げてしま
う。以上の理由により、低温プロセスで作成したTFT
の移動度は単結晶シリコンの移動度に遠く及ばないので
ある。言い換えれば、上記課題である清浄な界面と高品
質なゲート絶縁膜の形成および高品質のpoly−Si
膜の形成の問題を解決出来れば高品質のpoly−Si
TFTは間違いなく実現できるのである。
【0007】上記課題を解決することを目的とした従来
の技術としては以下のようなものがある。 まず、 p
oly−Siとゲート絶縁膜の界面を制御する技術とし
て特開平4−328872、特開平8−78688があ
る。これらの発明は、ゲート絶縁膜(あるいは反射防止
膜)を形成した後レーザー照射をおこなうことを特徴と
している。これによって、poly−Siとゲート絶縁
膜の界面の改質をおこなっている。しかし、前記両発明
では一度レーザー光を照射した絶縁膜をゲート絶縁膜と
して用いている。通常用いられるレーザーは紫外域の波
長のものが多く光子エネルギーが高いため、たとえ絶縁
膜と言えどもTFTのゲート絶縁膜として用いるには問
題になるほどの多くの欠陥がレーザー光の照射によって
生じてしまう。このため、前記発明のように一度レーザ
ー光の照射を受けたゲート絶縁膜をTFTに使っても高
性能のTFTは得られない。
【0008】一方、poly−Siの結晶成長方向をコ
ントロールする方法として例えばAppl.Phys.
Lett. Vol.68 No.11 March
1996 pp1513〜がある。これは反射防止膜を
設けることによって結晶の成長方向をシリコン膜の膜厚
に垂直な方向(以下この方向を横方向と呼ぶ)にコント
ロールしたものである。これによって結晶粒の大粒径化
が可能となる。しかし我々の実験によれば、確かに大粒
径化は可能であるが上記論文に示されているような1回
のレーザー照射では結晶中の欠陥および粒界に存在する
欠陥は十分回復されず、十分な結晶性のpoly−Si
膜は得られない。また、同論文ではpoly−Siとゲ
ート絶縁膜の界面については全く触れられていないた
め、単に同論文で開示されたプロセスをおこなっても決
して優れた特性のTFTは得られない。
【0009】いずれの従来技術も、poly−Siの優
れた結晶性と高品質のゲート絶縁膜およびこれらの清浄
な界面を同時に形成しうるものではないため、前に述べ
たように決して高性能のTFTを与える製造方法とはな
り得ないものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は上述の
諸課題を鑑み、 poly−Siとゲート絶縁膜の間に
清浄な界面を形成しながら尚且つ高品質のゲート絶縁膜
の形成を実現することと、高品質なpoly−Si膜を
形成することを同時に実現することによって、高性能な
薄膜トランジスタの製造方法を提供する事に有る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に
請求項1記載の発明は、薄膜トランジスタの製造方法に
おいて、能動層となる半導体薄膜上に該半導体物質の化
合物膜を形成した後光ビームの照射をおこない、該半導
体物質の化合物膜をエッチングした後ゲート絶縁膜を形
成する事によって半導体−ゲート絶縁膜構造を形成する
ことを特徴とする。ここで能動層とは、薄膜トランジス
タのゲート、ソース、ドレイン各電極に印可された電圧
に応じてそのコンダクタンスがダイナミックに変化する
ことによって実質的に電流制御をおこなう半導体薄膜層
のことである。ここで半導体薄膜とは例えばシリコン、
ガリウムひ素、ゲルマニウムなどの半導体物質を材料と
して形成した薄膜のことである。ここで該半導体物質の
化合物膜とは前記半導体物質と他の元素との化合物を材
料とした薄膜のことで、たとえば二酸化珪素膜、窒化珪
素膜などがある。
【0012】また上記課題を解決する為に請求項2では
請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記能動層となる半導体薄膜として非単結晶シリコン薄
膜を用いる事を特徴とする。
【0013】また上記課題を解決する為に請求項3では
請求項1または2記載の薄膜トランジスタの製造方法に
おいて、前記半導体物質の化合物膜として二酸化珪素膜
を用いる事を特徴とする。
【0014】また上記課題を解決する為に請求項4では
請求項1、2または3記載の薄膜トランジスタの製造方
法において、前記半導体薄膜と半導体物質の化合物膜の
形成は真空雰囲気を保ちつつ連続的におこなわれる事を
特徴とする。
【0015】また上記課題を解決する為に請求項5では
請求項1、2、3または4記載の薄膜トランジスタの製
造方法において、前記半導体物質の化合物膜はゲート絶
縁膜と同質の絶縁膜である事を特徴とする。ここで同質
とは、絶縁膜の物理的性質が同じ事を意味しており、例
えばゲート絶縁膜を成膜するのと全く同じ方法で成膜す
る事などがそれにあたる。
【0016】また上記課題を解決する為に請求項6では
請求項1、2、3、4または5記載の薄膜トランジスタ
の製造方法において、前記光ビームの照射は同一箇所へ
少なくとも2回以上おこなう事を特徴とする。ここで2
回以上とは、照射する光ビームとしてパルス状に発振す
る光源を用いた場合の事を記しており、パルス発振毎に
照射回数を1回、2回とカウントする事を意味してい
る。
【0017】また上記課題を解決する為に請求項7では
請求項1、2、3、4、5または6記載の薄膜トランジ
スタの製造方法において、前記光ビームとして波長が1
00〜400nmのパルスレーザー光を用いる事を特徴
とする。
【0018】また上記課題を解決する為に請求項8では
請求項1、2、3、4、5、6または7記載の薄膜トラ
ンジスタの製造方法において、前記光ビームの照射エネ
ルギー密度が100〜500mJ/cm2である事を特
徴とする。
【0019】また上記課題を解決する為に請求項9では
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の薄膜
トランジスタの製造方法において、前記光ビームの照射
は、水素、酸素、窒素等のガスまたはこれらのガスをプ
ラズマ化した雰囲気下でおこなう事を特徴とする。
【0020】また上記課題を解決する為に請求項10で
は薄膜トランジスタの製造方法において、能動層となる
半導体薄膜を形成した後該半導体薄膜上に該半導体物質
の化合物膜を形成し、該化合物膜のパターニングをおこ
なった後に光ビームの照射をおこない、該半導体物質の
化合物膜をエッチングした後ゲート絶縁膜を形成する事
によって半導体−ゲート絶縁膜構造を形成することを特
徴とする。
【0021】また上記課題を解決する為に請求項11で
は請求項10記載の薄膜トランジスタの製造方法におい
て、前記能動層となる半導体薄膜として非単結晶シリコ
ン薄膜を用いる事を特徴とする。
【0022】また上記課題を解決する為に請求項12で
は請求項10および11記載の薄膜トランジスタの製造
方法において、前記半導体物質の化合物膜として二酸化
シリコン膜を用いる事を特徴とする。
【0023】また上記課題を解決する為に請求項13で
は請求項10、11または12記載の薄膜トランジスタ
の製造方法において、前記半導体薄膜と半導体物質の化
合物膜の形成は真空雰囲気を保ちつつ連続的におこなわ
れる事を特徴とする。
【0024】また上記課題を解決する為に請求項14で
は請求項10、11、12または13記載の薄膜トラン
ジスタの製造方法において、前記半導体物質の化合物膜
はゲート絶縁膜と同質の絶縁膜である事を特徴とする。
【0025】また上記課題を解決する為に請求項15で
は請求項10、11、12、13または14記載の薄膜
トランジスタの製造方法において、前記光ビームの照射
は同一箇所へ少なくとも2回以上おこなう事を特徴とす
る。
【0026】また上記課題を解決する為に請求項16で
は請求項10、11、12、13、14または15記載
の薄膜トランジスタの製造方法において、前記半導体物
質の化合物膜の膜厚は100nm以下である事を特徴と
する。
【0027】また上記課題を解決する為に請求項17で
は請求項10、11、12、13、14、15または1
6記載の薄膜トランジスタの製造方法において、前記光
ビームとして波長が100〜400nmのパルスレーザ
ー光を用いる事を特徴とする。
【0028】また上記課題を解決する為に請求項18で
は請求項10、11、12、13、14、15、16ま
たは17記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記光ビームの照射エネルギー密度は、前記半導体物質
の化合物膜の無い領域では半導体薄膜の一部分が溶融
し、半導体物質の化合物膜のある領域では前記半導体膜
の全体が溶融するような値である事を特徴とする。ここ
で半導体薄膜の一部が溶融するエネルギー密度の値およ
び半導体膜の全体が溶融するエネルギー密度について説
明する。絶縁体上の半導体薄膜に光ビームを照射する
と、半導体薄膜はこの光ビームを部分的に吸収して温度
上昇を起こす。照射する光ビームのエネルギーを強くし
ていきある値を越えると半導体薄膜の温度がその融点以
上に上昇する。このときのエネルギー以上のエネルギー
照射で一度溶けた半導体薄膜が凝固する過程において結
晶化が起こるので、このエネルギーを結晶化のしきい値
と呼ぶ。この値は膜の組成、基板の種類、照射する光ビ
ームの波長やピークパワーによって異なって来るが、半
導体薄膜の融点はそれぞれの結晶状態によってほぼ一義
的に決まっているので、これら外的条件が決まればある
一定の値として決まり、これは一般的に膜厚に依存しな
い。照射する光エネルギーを更に強くしていくと、半導
体薄膜の膜厚方向にたいして溶融する深さが徐々に深く
なり、ある値で膜全体が溶融するようになる。膜全体が
溶融すると結晶化の際に過冷却現象が起こり、半導体薄
膜はアモルファス化するか微結晶化するかどちらかの結
果となる。以上のように、照射する光ビームのエネルギ
ー密度によって半導体薄膜の溶融状態が異なる。従っ
て、ここで半導体薄膜の一部分が溶融するような値とは
結晶化のしきい値エネルギー密度より高く、尚且つ膜全
体が溶融してアモルファス化または微結晶化するエネル
ギー密度より低いエネルギー密度のことを示す。また半
導体薄膜の全体が溶融する値とは、前記アモルファス化
または微結晶化を起こすエネルギー密度より強い値を示
す。半導体物質の化合物膜は一般的に反射防止膜の役割
を果たすので、照射する光ビームのエネルギー密度は一
定でも、この反射防止膜の無い領域では半導体薄膜が膜
厚方向に部分的に溶融し、反射防止膜のある領域では半
導体薄膜が膜厚方向に全体が溶融するような条件が存在
する。
【0029】また上記課題を解決する為に請求項19は
請求項10、11、12、13、14、15、16、1
7または18記載の薄膜トランジスタの製造方法におい
て、前記半導体物質の化合物膜のパターニングは、前記
半導体薄膜の能動層に対応する領域の全てかまたは一部
分を覆うようにおこなわれている事を特徴とする。ここ
で薄膜トランジスタの能動層に対応する領域とは、以降
の工程を経た後薄膜トランジスタの能動層となる部分に
対応する領域のことを示す。半導体物質の化合物膜を形
成しパターニングをおこなう時点では通常能動層となる
半導体薄膜はパターニングされる前のベタ膜の状態であ
るので、ここでは後に能動層となる予定領域のことを示
している。一部分とは、半導体薄膜の全領域のうち後に
能動層となる領域のうちの一部分を示す。
【0030】また上記課題を解決する為に請求項20は
請求項10、11、12、13、14、15、16、1
7、18または19記載の薄膜トランジスタの製造方法
において、前記半導体物質の化合物膜のパターニング
は、幅を20ミクロン以下とするライン状の形状におこ
なわれている事を特徴とする。ここでライン状とは少な
くとも長方形の形であって長辺と短辺がある形状のこと
を示す。またここで幅とは上記長方形の短辺の長さのこ
とを示す。
【0031】また上記課題を解決する為に請求項21は
請求項20記載の薄膜トランジスタの製造方法におい
て、前記半導体物質の化合物膜のパターニングは、幅方
向と薄膜トランジスタの能動層のチャネル長方向が平行
である事を特徴とする。ここで幅方向とは長方形にパタ
ーニングされた半導体物質の化合物膜の短辺方向を示
す。またここで薄膜トランジスタの能動層のチャネル長
方向とはトランジスタに流れる電流の向きと平行な方向
を示す。
【0032】また上記課題を解決する為に請求項22は
請求項20または21記載の薄膜トランジスタの製造方
法において、前記半導体物質の化合物膜のパターニング
は、当該領域に形成される薄膜トランジスタのゲート電
極の幅より細い幅でおこなわれる事を特徴とする。ここ
で当該領域に形成される薄膜トランジスタとは、パター
ニングされた半導体物質の化合物膜直下にある半導体薄
膜を能動層として後にその領域に形成される薄膜トラン
ジスタを示す。ここでゲート電極の幅とは、トランジス
タの能動層のチャネル長方向平行な方向のゲート電極の
長さを示す。
【0033】また上記課題を解決する為に請求項23は
請求項10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21または22記載の薄膜トラ
ンジスタの製造方法において、前記光ビーム照射時に、
前記能動層となる半導体層が室温より高温に加熱された
状態である事を特徴とする。
【0034】また上記課題を解決する為に請求項24は
請求項10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21、22または23記載の薄
膜トランジスタの製造方法において、記光ビームの照射
は、水素、酸素、窒素等のガスまたはこれらのガスをプ
ラズマ化した雰囲気下でおこなう事を特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて詳述する。ここでは前述の清浄な界面
と高品質の絶縁膜を形成する方法と、これに加えて高品
質なpoly−Si膜とを同時形成する方法について述
べる。図1に工程を追うごとの構造を図示する。
【0036】(1.半導体薄膜の形成)本願発明の実施
のためには通常、基板(101)の上に下地保護膜(1
02)を形成しその上に半導体薄膜(103)を形成す
るので、この一連の形成方法について説明する。
【0037】本発明を適応し得る基板(101)として
は金属等の導電性物質、シリコン・カーバイト(Si
C)やアルミナ(Al23 )や窒化アルミニウム(A
lN)等のセラミック材料、溶融石英やガラス等の透明
または非透明絶縁性物質、シリコンウェーハー等の半導
体物質、並びにそれを加工したLSI基板等が可能であ
る。半導体膜は基板上に直接又は下地保護膜や下部電極
等を介して堆積する。
【0038】下地保護膜(102)としては酸化硅素膜
(SiOX :0<x≦2)や窒化硅素膜(Si3 N
x :0<x≦4)等の絶縁性物質が挙げられる。TF
Tなどの薄膜半導体装置を通常のガラス基板上に作成す
る場合の様な半導体膜への不純物制御が重要である時、
ガラス基板中に含まれているナトリウム(Na)等の可
動イオンが半導体膜中に混入しない様に下地保護膜を形
成した後に半導体膜を堆積する事が好ましい。同じ事情
は各種セラミック材料を基板として用いる場合にも通ず
る。下地保護膜はセラミック中に添加されている焼結助
材原料などの不純物が半導体部に拡散及び混入するのを
防止するのである。金属材料などの導電性材料を基板と
して用い、且つ半導体膜が金属基板と電気的に絶縁され
ていなければならない場合には、絶縁性を確保する為に
当然下地保護膜は必要不可欠である。更に半導体基板や
LSI素子上に半導体膜を形成する時にはトランジスタ
間や配線間の層間絶縁膜が同時に下地保護膜でもある。
【0039】下地保護膜はまず基板を純水やアルコール
などの有機溶剤で洗浄した後、基板上に常圧化学気相堆
積法(APCVD法)や低圧化学気相堆積法(LPCV
D法)、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等の
CVD法或いはスパッター法等で形成する。 下地保護膜
として酸化硅素膜を用いる場合、常圧化学気相堆積法で
は基板温度を250℃程度から450℃程度としてモノ
シラン(SiH4 )や酸素を原料として堆積し得る。
プラズマ化学気相堆積法やスパッター法では基板温度は
室温から400℃程度である。下地保護膜の膜厚は基板
からの不純物元素の拡散と混入を防ぐのに十分な厚さが
必要で、その値は最小で100nm程度以上である。ロ
ット間や基板間のばらつきを考慮すると200nm程度
以上が好ましく、300nm程度あれば保護膜としての
機能を十分に果たし得る。下地保護膜がIC素子間やこ
れらを結ぶ配線等の層間絶縁膜を兼ねる場合には、通常
400nmから600nm程度の膜厚となる。絶縁膜が
余りにも厚くなると絶縁膜にストレスに起因するクラッ
クが生ずる。その為最大膜厚は2μm程度が好ましい。
生産性を考慮する必要が強い場合、絶縁膜厚は1μm程
度が上限である。
【0040】次に半導体薄膜(103)について説明す
る。本発明が適用される半導体膜としてはシリコン(S
i)やゲルマニウム(Ge)等の四族単体の半導体膜の
他に、シリコン・ゲルマニウム(Six Ge1−x
:0<x<1)やシリコン・カーバイド(Six C
1−x :0<x<1)やゲルマニウム・カーバイド
(Gex C1−x :0<x<1)等の四族元素複合
体の半導体膜、ガリウム・ヒ素(GaAs)やインジウ
ム・アンチモン(InSb)等の三族元素と五族元素と
の複合体化合物半導体膜、またはカドミウム・セレン
(CdSe)等の二族元素と六族元素との複合体化合物
半導体膜等がある。或いはシリコン・ゲルマニウム・ガ
リウム・ヒ素(Six Gey Gaz Asz :x
+y+z=1)と云った更なる複合化合物半導体膜やこ
れらの半導体膜にリン(P)、ヒ素(As)、アンチモ
ン(Sb)などのドナー元素を添加したN型半導体膜、
或いはホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)、インジウム(In)等のアクセプター元素を
添加したP型半導体膜に対しても本発明は適応可能であ
る。これら半導体膜はAPCVD法やLPCVD法、P
ECVD法等のCVD法、或いはスパッター法等や蒸着
法等のPVD法で形成する。半導体膜としてシリコン膜
を用いる場合、LPCVD法では基板温度を400℃程
度から700℃程度としてジシラン(Si26)などを
原料として堆積し得る。PECVD法ではモノシラン
(SiH4)などを原料として基板温度が100℃程度
から500℃程度で堆積可能である。スパッター法を用
いる時には基板温度は室温から400℃程度である。こ
の様に堆積された半導体膜の初期状態(as−depo
sited状態)は非晶質や混晶質、微結晶質、或いは
多結晶質等様々な状態があるが、本願発明にあっては初
期状態はいずれの状態であっても構わない。尚本願明細
書中では非晶質の結晶化のみならず、多結晶質や微結晶
質の再結晶化をも含めて総て結晶化と呼ぶ。半導体膜の
膜厚はそれをTFTに用いる時には20nm程度から1
00nm程度が適している。
【0041】(2.絶縁膜形成)次に前記半導体薄膜上
に絶縁膜(104)を形成する工程について説明する。
この絶縁膜は反射防止膜としての機能と、半導体薄膜の
欠陥低減、界面形成のための原材料としての機能が要求
される。絶縁膜が反射防止膜として機能するためには膜
の屈折率が1に近い値であることが必要である。従っ
て、この絶縁膜としては例えばSiO2、SiNなどが
適している。 また、もう一つの目的である半導体薄膜
の欠陥低減、界面形成のためにはゲート絶縁膜と同等の
高品質な絶縁膜であることが必要となる。加えて、先に
成膜した半導体膜との相性があるので、成膜方法に注意
が必要であると同時にその材料は慎重に選ぶ必要があ
る。例えば、半導体膜(103)としてシリコンを選ん
だ場合、絶縁膜(104)としてはSiO2が最適であ
ることが実験でわかった。この絶縁膜の成膜方法として
は、CVD法やPVD法などが挙げられる。ここでこの
絶縁膜と半導体膜を連続成膜する事ができれば理想的で
ある。連続成膜とは真空状態を維持したままで前記2種
類の膜を成膜する事である。更に望ましくは、下地保護
膜(102)をも含めた半導体薄膜(103)、絶縁膜
(104)の全てを真空状態を保ちつつ連続的に成膜す
る事が理想的である。
【0042】(3.絶縁膜のパターニングと光ビーム照
射)次に絶縁膜(104)のパターニングをおこなう。
例えば図2(図1(D)の平面図)に示した様にパター
ニングをおこなう。絶縁膜のパターニングをおこなった
後に光ビーム照射することによって結晶の横方向成長を
促す事ができる。半導体膜の横方向結晶成長について図
2を用いて説明する。図2の104で示すように絶縁膜
をパターニングし、半導体膜103が露出した領域(1
08)と絶縁膜104によって覆われた領域(109)
を作る。この状態で絶縁膜のある側から光ビームを照射
する(図1(E))。絶縁膜を適当な形状及び厚さにす
る事によって、実効的に反射防止膜として機能させる事
ができる。こうすることによって、絶縁膜104のある
領域下の半導体膜109はない領域108より実効的に
強い光ビーム照射が行われる事になる。この照射する光
ビームの条件を適当に選ぶ事によって、絶縁膜下の半導
体薄膜109の溶融時間が、絶縁膜104のない領域下
の半導体薄膜108の溶融時間より長い条件を作り出す
事ができる。こうすると、先に結晶化を始めた半導体膜
108を結晶成長の種として109の領域では結晶の横
方向成長が起こる(図1(F)、図3)。具体的には図
3(図1(F)の平面図)に示すように、半導体膜の領
域109が領域108と接する部分を始点とし中心部分
に向けて結晶成長が起こる。これによって結晶の基本構
造を決定する事ができる。このような横方向結晶成長は
従来技術で開示されている。
【0043】しかしながら、単に横方向結晶成長を促し
ただけでは優れた特性のTFTは決して得られない。本
発明は、更に光ビーム照射を行なう事によって従来にな
い極めて高性能のTFTが作成される事を見出し、その
原因が結晶中や粒界の欠陥の低減および半導体膜と絶縁
膜の間の清浄な界面形成とを同時に可能ならしめたため
である事を開示するものである。従って、これは単に従
来技術の組み合わせではなく、結晶の横方向成長に加え
て、結晶中、結晶粒界の欠陥の低減、清浄な界面の同時
形成、高品質の絶縁膜の形成という4つの基本的プロセ
スが行われる事によってはじめて得られる複合的な技術
の結果であり、その結果がこれまでのTFT特性から飛
躍的に進歩を可能ならしめたものである。具体的な方法
としては、適当なエネルギーの光ビームを同一ヶ所に少
なくとも2回、望ましくは10回程度照射するとよい。
最初の光ビーム照射では結晶の横方向成長を促し、この
結晶を元結晶として更に光ビームの照射を行なう事によ
って結晶中や結晶粒界の欠陥を低減し、これまでにない
極めて高品質の結晶性半導体膜が得られる。たとえば半
導体膜がアモルファスシリコンで、反射低減膜として
SiO2膜をもちいると、結晶化したpoly−Si中
の欠陥を酸素が有効に終端する効果が得られ極めて高品
質のpoly−Si膜が得られる。加えて、このような
複数回の光ビーム照射によって結晶化半導体膜の高品質
化と同時に清浄な界面形成がおこることがわかった。光
ビームの照射によって、一旦横方向成長した半導体膜は
再び高温状態、あるいは部分溶融の状態になる。このた
め、特に絶縁膜とpoly−Siの界面では再結晶化、
原子配列の再構成によるSiO2との結合の形成が複数
回繰り返され、これによって結晶と絶縁膜の界面はもっ
ともエネルギー状態の低い理想的な状態に落ち着く結果
となる。実験によると、半導体膜として非晶質の薄膜を
用いるのがもっとも良い事が判った。これは元々の原子
配列が遠距離秩序のないランダムなものであるため、結
晶化と界面形成が同時に起る際に原子再配列の自由度が
大きいためである。ただし、後述の様にここで光ビーム
を一旦照射した絶縁膜をそのままゲート絶縁膜として使
うのではなく、一度この絶縁膜をうまくエッチングし、
新たにゲート絶縁膜を成膜するプロセスを加える必要が
ある。従って、(結晶の横方向成長を促すプロセス)+
(結晶中、結晶粒界の欠陥を低減するプロセス)+(清
浄な粒界の同時形成)+(絶縁膜剥離後のゲート絶縁膜
成膜)という4プロセスが組み合わされてはじめてTF
T特性の飛躍的向上がはかられるのである。図4に実験
の結果得られたTFT特性の一例を示す。図中401は
1回のレーザー照射によって結晶の横方向成長のみによ
って作成したTFTのゲート電圧−ドレイン電流特性、
図中402は本発明の前記プロセスによって作成したT
FTの特性である。結晶の横方向成長のみでは移動度が
約80(cm2/Vsec)程度の高性能化にとどまっ
ていたものが、本発明の製造方法によって移動度200
(cm2/Vsec)をこえる飛躍的高性能のTFT製
造が可能となった。
【0044】ここで光ビームについて説明する。光ビー
ムは半導体薄膜(103)表面で強く吸収され、その直
上、直下の絶縁膜(102、104)にはほとんど吸収
されないことが望まれる。従ってこの光ビームとしては
紫外域またはその近傍の波長を持つキセノンランプやエ
キシマレーザー、アルゴンイオンレーザー等が好まし
い。また、半導体薄膜を高温に加熱すると同時に基板へ
のダメージを防ぐためには大出力でしかも極短時間のパ
ルス発振であることが必要となる。従って、上記光ビー
ムの中でも特にキセノン・クロライド(XeCl)レー
ザー(波長308nm)やクリプトンフロライド(Kr
F)レーザー(波長248nm)等のエキシマ・レーザ
ーが最も適している。 次にこれらのレーザー光の照射
方法について述べる。レーザーパルスの強度半値幅は1
0ns程度から500ns程度の極短時間である。レー
ザー照射は基板を室温(25℃)程度から400℃程度
の間とし、水素、酸素、窒素雰囲気中乃至は背景真空度
が10−4Torr程度から10−9Torr程度の真
空中、或いは水素や微量のモノシラン等を含有している
還元性雰囲気、ヘリウムやアルゴン等の不活性雰囲気、
または水素、酸素、窒素などのガスプラズマ中の活性種
雰囲気下にて行う。中でも、酸素雰囲気中においてレー
ザー照射を行う事によって、一旦溶融した極めて活性な
半導体薄膜の欠陥のターミネートが有効に行われる。レ
ーザー照射の一回の照射面積は対角5mm□程度から6
0mm□程度の正方形または長方形状である。結晶の横
方向成長を促す場合、所望の領域を一度のレーザー照射
でカバーできるようにする事が望ましい。例えば、液晶
表示装置を構成するTFTの領域が対角5cm内に限ら
れていればこれ以上の大きさのビームを用いるのが最適
である。なぜならば、結晶の横方向成長を促す照射エネ
ルギー密度はある範囲を持っているため、これより強く
ても弱くても問題となるからである。従って、すくなく
とも最初の1発目を照射するときは所望の領域全体を同
じエネルギー密度でおこなうのが最も望ましい。
【0045】しかしながら、現実には照射レーザーのス
ポットサイズは小さいので後述のビーム走査法を適用し
ても同様の効果は得られる。
【0046】前述の薄膜トランジスタの製造方法では、
反射防止膜を兼ねた絶縁膜のパターニングをおこなった
後光ビームの照射をおこなったが、半導体膜とゲート絶
縁膜界面の改善効果はパターニングをおこなわずに光ビ
ームの照射をおこなっても得られる。例えば、まず非晶
質シリコンを半導体膜として成膜する。これをレーザー
や固相成長で結晶化し以降の工程に進んでもよいが、こ
こでは非晶質シリコンを半導体膜として用いる場合を示
す。この後、反射防止膜兼界面形成膜としてゲート絶縁
膜と同等の膜質の絶縁膜(例えばSiO2膜)を形成す
る。次にこの半導体膜−絶縁膜構造に絶縁膜の側からエ
キシマレーザーを照射する。レーザー照射の一回の照射
面積は5mm□程度から20mm□程度の正方形状であ
り(例えば8mm□)、各照射毎に照射領域を1%程度
から99%程度ずらして行く(例えば50%:先の例で
は4mm)。最初に水平方向(Y方向)に走査した後、
次に垂直方向(X方向)に適当量ずらせて、再び水平方
向に所定量ずつずらせて走査し、以後この走査を繰り返
して基板全面に第一回目のレーザー照射を行う。この第
一回目のレーザー照射エネルギー密度は50mJ/cm
2程度から600mJ/cm2程度の間が好ましい。第
一回目のレーザー照射が終了した後、必要に応じて第二
回目のレーザー照射を全面に施す。第二回目のレーザー
照射を行う場合、そのエネルギー密度は一回目より高い
値が好ましく、100mJ/cm2程度から1000m
J/cm2程度の間としても良い。走査方法は第一回目
のレーザー照射と同じで正方形状の照射領域をY方向と
X方向に適当量ずらせて走査する。更に必要に応じてエ
ネルギー密度をより高くした第三回目或いは第四回目の
レーザー照射を行う事も可能で有る。こうした多段階レ
ーザー照射法を用いるとレーザー照射領域端部に起因す
るばらつきを完全に消失させる事が可能に成る。多段階
レーザー照射の各回目の照射に限らず通常の一段階照射
でも、レーザー照射は総て半導体膜に損傷が入らぬエネ
ルギー密度で行う。これ以外にも照射領域形状を幅10
0μm程度以上で長さが数10cm程度のライン状と
し、このライン状レーザー光を走査して結晶化を進めて
も良い。この場合各照射毎のビームの幅方向の重なりは
ビーム幅の5%程度から95%程度とする。ビーム幅が
100μmでビーム毎の重なり量が90%で有れば、一
回の照射毎にビームは10μm進むので同一点は10回
のレーザー照射を受ける事と成る。通常半導体膜を基板
全体で均一に結晶化させるには少なくとも5回程度以上
のレーザー照射が望まれるので、照射毎のビームの重な
り量は80%程度以上が求められる。高い結晶性の多結
晶膜を確実に得るには同一点が10回程度から30回程
度の照射が行われる様に重なり量を90%程度から97
%程度へと調整するのが好ましい。このようなレーザー
照射方法をもちいることで、結晶化シリコン膜の均一
性、膜質の向上と同時に、清浄なシリコンとSiO2
面の形成も同時進行的におこなわれる。しかる後に、前
述の絶縁膜をエッチングする。その後ゲート絶縁膜を成
膜することによって薄膜トランジスタの半導体膜−ゲー
ト絶縁膜を形成する方法も従来の製造方法に比べると極
めて効果がおおきい。更に大面積の領域をレーザー光を
スキャニングする事によってカバーできるので、大面積
化が容易である。
【0047】(4.絶縁膜のエッチングとゲート絶縁膜
形成)従来の技術では一度光ビームを照射した絶縁膜を
TFTのゲート絶縁膜として用いているが、前にも述べ
たようにこれには大きな問題がある。比較的短波長の光
ビームは絶縁膜中に多くの欠陥を発生させる。従ってこ
の絶縁膜104をそのままゲート絶縁膜に使ったのでは
高性能のTFTは作製出来ない。そこで本発明の製造方
法では光ビームを照射した絶縁膜をエッチングする点に
おいて従来技術と異なる。本発明は一度光ビームを照射
することによって膜質が劣化した絶縁膜と良好な界面部
分のエッチングレートに差があることを利用し、エッチ
ング終点を最適化する事によって良好な界面を最大限に
用いる事を特徴とする。例えば絶縁膜としてSiO2
用いた場合、フッ酸の希釈液を用いてウエットエッチン
グを行う。エッチング終了時間をパラメータとしてプロ
セス最適化をおこない、良好な界面を最大限残すように
エッチング時間を設定する(図1(G))。この後、ゲ
ート絶縁膜110を成膜する(図1(H))。ゲート絶
縁膜の成膜方法としては、ECRプラズマCVD法、平
行平板プラズマCVD法などがある。このように一度光
ビームを照射した絶縁膜をエッチングし、改めてゲート
絶縁膜を成膜する事によって極めて良好な半導体−ゲー
ト絶縁膜構造が完成するのである。
【0048】(5.以降の工程)引き続いてゲート電極
111となる薄膜をPVD法或いはCVD法などで堆積
する(図1(I))。この材質は電気抵抗が低く、35
0℃程度の熱工程に対して安定である事が望まれ、例え
ばタンタル、タングステン、クロム等の高融点金属がふ
さわしい。また、イオンドーピングによってソース、ド
レインを形成する場合、水素の茶ねリングを防止するた
めにこのゲート電極の膜厚がおよそ700nm程度必要
になる。前記高融点金属の中で700nmもの膜厚で成
膜しても膜ストレスによるクラックが生じない材料とな
ると、タンタルが最もふさわしい。ゲート電極となる薄
膜を堆積後パターニングを行い、引き続いて半導体膜に
不純物イオン注入を行ってソース・ドレイン領域11
2、113を形成する(図1(I))。この時ゲート電
極がイオン注入のマスクと成って居るので、チャンネル
はゲート電極下のみに形成される自己整合構造となる。
不純物イオン注入は質量非分離型イオン注入装置を用い
て注入不純物元素の水素化物と水素を注入するイオン・
ドーピング法と、質量分離型イオン注入装置を用いて所
望の不純物元素のみを注入するイオン打ち込み法の二種
類が適応され得る。イオン・ドーピング法の原料ガスと
しては水素中に希釈された濃度0.1%程度から10%
程度のホスフィン(PH3)やジボラン(B26)等の
注入不純物元素の水素化物を用いる。イオン打ち込み法
では所望の不純物元素のみを注入した後に引き続いて水
素イオン(プロトンや水素分子イオン)を注入する。前
述の如くMOS界面やゲート絶縁膜を安定に保つ為に
は、イオン・ドーピング法にしろイオン打ち込み法にし
ろイオン注入時の基板温度は350℃以下である事が好
ましい。一方注入不純物の活性化を350℃以下の低温
にて常に安定的に行うには(本願ではこれを低温活性化
と称する)、イオン注入時の基板温度は200℃以上で
ある事が望ましい。トランジスタのしきい値電圧を調整
する為にチャンネル・ドープ行うとか、或いはLDD構
造を作成すると云った様に低濃度に注入された不純物イ
オンを低温で確実に活性化するには、イオン注入時の基
板温度は250℃以上で有る事が必要となる。この様に
基板温度が高い状態でイオン注入を行うと、半導体膜の
イオン注入に伴う結晶壊破の際に再結晶化も同時に生
じ、結果としてイオン注入部の非晶質化を防ぐ事が出来
るのである。即ちイオン注入された領域は注入後も依然
として結晶質として残り、その後の活性化温度が350
℃程度以下と低温で有っても注入イオンの活性化が可能
に成る訳で有る。CMOS TFTを作成する時はポリ
イミド樹脂等の適当なマスク材を用いてNMOS又はP
MOSの一方を交互にマスクで覆い、上述の方法にてそ
れぞれのイオン注入を行う。
【0049】ソース、ドレイン形成後ソース・ドレイン
上にコンタクトホールを開孔し、ソース・ドレイン取り
出し電極114、115と配線をPVD法やCVD法な
どで形成して薄膜トランジスタが完成する(図1
(J))。
【0050】(実施例1)本発明の実施例を図5にそっ
て説明する。本発明で用いられる基板及び下地保護膜に
関しては前述の説明に準ずるが、ここでは基板の一例と
して300mm×300mmの正方形状汎用無アルカリ
ガラス501を用いる(図5(A))。まず基板501
上に絶縁性物質である下地保護膜502を形成する(図
5(B))。ここでは基板温度を150゜CとしてEC
R−PECVD法にて200nm程度の膜厚を有する酸
化硅素膜を堆積する。次に後に薄膜トランジスタの能動
層と化す真性シリコン膜等の半導体膜を堆積する(図5
(C))。半導体膜の厚みは50nm程度で有る。本例
では高真空型LPCVD装置を用いて、原料ガスで有る
ジシラン(Si26)を200SCCM流し、425℃
の堆積温度で非晶質シリコン膜503を堆積する。まず
高真空型LPCVD装置の反応室を250℃とした状態
で反応室の内部に複数枚(例えば17枚)の基板を表側
を下向きとして配置する。こうした後にターボ分子ポン
プの運転を開始する。ターボ分子ポンプが定常回転に達
した後、反応室内の温度を約1時間掛けて250℃から
425℃の堆積温度に迄上昇させる。昇温開始後の最初
の10分間は反応室にガスを全く導入せず真空中で昇温
を行ない、しかる後純度が99.9999%以上の窒素
ガスを300SCCM流し続ける。この時の反応室内に
おける平衡圧力は、3.0×10−3Torrで有る。
堆積温度に到達した後、原料ガスであるジシラン(Si
26)を200SCCM流すと共に、純度が99.99
99%以上の希釈用ヘリウム(He)を1000SCC
M流す。堆積開始直後の反応室内圧力は凡そ0.85T
orrで有る。堆積の進行と共に反応室内の圧力は徐々
に上昇し、堆積終了直前の圧力は凡そ1.25Torr
と成る。斯様に堆積したシリコン膜503は基板の周辺
部約7mmを除いた286mm角の領域内に於いて、そ
の膜厚変動は±5%以内で有る。
【0051】非晶質シリコン膜形成後、絶縁膜504を
形成する(図5(C))。本例ではECR−PECVD
法で基板温度を100℃として50nmの酸化硅素膜を
堆積する。
【0052】次に光ビームの照射をおこなう(図5
(D))。本例ではキセノン・クロライド(XeCl)
のエキシマ・レーザー(波長:308nm)を照射す
る。レーザーパルスの強度半値幅(時間に対する半値
幅)は45nsである。レーザー照射は基板501を室
温(25℃)とし、酸素ガス雰囲気中(99.999%
O2、1気圧)で行なう。勿論基板を加熱した状態でレ
ーザー照射することで結晶の横方向成長距離を長距離化
する事が出来るので、必要なトランジスタサイズに応じ
て基板加熱を行なう場合もある。一回のレーザー照射面
積は8mm角の正方形状で、照射面でのエネルギー密度
は160mJ/cm2である。このレーザー光を90%
ずつ重ねつつ(つまり照射するごとに0.8mmづつ)
相対的にずらしながら照射を繰り返す(図6参照)。こ
うして一辺300mmの基板全体のアモルファスシリコ
ンを結晶化する。同様な照射方法を用いて2回目のレー
ザー照射を行う。2回目のエネルギー密度は180mJ
/cm2で有る。これをくり返し、3回目、4回目と約
20mJ/cm2づつ照射エネルギー密度を上昇させな
がら最終的には300mJ/cm2のエネルギー密度の
照射をおこないレーザー照射を終了する。
【0053】この後、絶縁膜504をエッチングする
(図5(F))。エッチング液としてはフッ酸、硝酸系
の混合液をもちいる。エッチングレートから求められる
エッチング時間を基準として、最適エッチング時間を決
定する。
【0054】エッチング後に残ったpoly−Si膜を
フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、後
にトランジスタの能動層となる半導体膜をアイランド状
に形成する(図5(F))。半導体膜形成後、CVD法
やPVD法などでゲート絶縁膜505を形成する(図5
(F))。絶縁膜形成に当たり様々な製造方法が考えら
れるが、絶縁膜形成温度は350℃以下が好ましい。こ
れはMOS界面やゲート絶縁膜の熱劣化を防ぐ為に重要
である。同じ事は以下の総ての工程に対しても適用され
る。ゲート絶縁膜形成後の総ての工程温度は350℃以
下に押さえられる事が好ましい。こうする事により高性
能な薄膜半導体装置を容易に、且つ安定的に製造出来る
からである。本例ではECR−PECVD法で基板温度
を100℃として120nmの酸化硅素膜を堆積する。
【0055】引き続いてゲート電極506となる薄膜を
PVD法或いはCVD法などで堆積する(図5
(G))。通常はゲート電極とゲート配線は同一材料に
て同一工程で作られる為、この材質は電気抵抗が低く、
350℃程度の熱工程に対して安定である事が望まれ
る。本例では膜厚が600nmのタンタル薄膜をスパッ
タ法により形成する。タンタル薄膜を形成する際の基板
温度は180℃であり、スパッタガスとして窒素ガスを
6.7%含むアルゴンガスを用いる。斯様に形成したタ
ンタル薄膜は結晶構造がα構造と成っており、その比抵
抗は凡そ40μΩcmである。ゲート電極となる薄膜を
堆積後パターニングを行い、引き続いて半導体膜に不純
物イオン注入を行ってソース・ドレイン領域507及び
チャンネル領域508を形成する(図5(G))。この
時ゲート電極がイオン注入のマスクと成って居るが故、
チャンネルはゲート電極下のみに形成される自己整合構
造となる。イオン・ドーピング法の原料ガスとしては水
素中に希釈された濃度0.1%程度から10%程度のホ
スフィン(PH3)やジボラン(B26)等の注入不純
物元素の水素化物を用いる。本例ではNMOS形成を目
指し、イオン・ドーピング装置を用いて、水素中に希釈
された濃度5%のホスフィン(PH3)を加速電圧10
0keVで注入する。PH3+やH2+イオンを含むの全
イオン注入量量は1×1016cm-2である。
【0056】次に層間絶縁膜509をCVD法或いはP
VD法で形成する(図5(H))。本例ではTEOS
(Si−(O−CH2−CH34)と酸素(O2)、水
(H2O)を原料気体とし、希釈気体としてアルゴンを
用いて基板表面温度300℃で500nmの膜厚に成膜
する。イオン注入と層間絶縁膜形成後、350℃程度以
下の適当な熱環境下にて数十分から数時間の熱処理を施
して注入イオンの活性化及び層間絶縁膜の焼き締めを行
う。この熱処理温度は注入イオンを確実に活性化する為
にも250℃程度以上が好ましい。又層間絶縁膜を効能
的に焼き締めるには300℃以上の温度が好ましい。通
常ゲート絶縁膜と層間絶縁膜とではその膜品質が異なっ
ている。その為に層間絶縁膜形成後二つの絶縁膜にコン
タクトホールを開ける際、絶縁膜のエッチング速度が違
って居るのが普通である。斯様な条件下ではコンタクト
ホールの形状が下方程広い逆テーパー状に成ったり或い
は庇が発生して仕舞い、その後電極形成した時に電気的
な導通がうまく取れない所謂接触不良の原因となる。層
間絶縁膜を効能的に焼き締めるとこうした接触不良の発
生を最小限に止められるので有る。本例では露点が80
℃の水蒸気を含んだ酸素雰囲気1気圧下にて300℃1
時間の熱処理を施す。単純な熱処理に比べ、水蒸気を露
点で35℃程度から100℃程度含んだ酸素含有気体
(酸素濃度は25%程度から100%が好ましい)雰囲
気下で圧力を0.5気圧程度から1.5気圧程度として
100℃程度から400℃程度の温度で熱処理を30分
程度から6時間程度行うと、酸化膜(下地保護膜、ゲー
ト絶縁膜、層間絶縁膜等)の膜質改善が進み、高電圧や
高電流下でも安定に動作する信頼性の高いトランジスタ
が得られる。層間絶縁膜形成後ソース・ドレイン上にコ
ンタクトホール510を開孔し、ソース・ドレイン取り
出し電極511と配線をPVD法やCVD法などで形成
して薄膜トランジスタが完成する(図5(I))。
【0057】(実施例2)本発明の第2の実施例を図7
にそって説明する。基板701及び下地保護膜702に
ついては実施例1とまったく同様の基板、成膜方法をも
ちいる(図7(A))。次に下地保護膜702のパター
ニングをおこなう。このパターニングは、後に形成する
絶縁膜をパターニングする際のアライメントをとるため
のもので、後にトランジスタの能動層となる部分に良好
なpoly−Siおよびpoly−SiとSiO2の界
面を形成するために必ず必要となる工程である。勿論、
絶縁膜のパターニングの際にアライメントができればよ
いので、半導体膜703をパターニングしてアライメン
トマークを設けてもいっこうに構わない。
【0058】次に後に薄膜トランジスタの能動層と化す
不純物がドープされていない真性シリコン膜等の半導体
膜703を堆積する(図7(B))。半導体膜の厚みは
50nm程度である。成膜方法は実施例1とまったく同
じである。
【0059】次に絶縁膜704(反射防止膜とpoly
−Siの高品質化、界面形成の機能を兼ねている)を成
膜(図7(C))、パターニングする(図7(D))。
絶縁膜の厚さは約50nmで、成膜方法は実施例1とま
ったく同様である。絶縁膜のパターニングは図8(A)
に示すように行なう(図8(A)は図7(D)の平面図
である)。前述の下地保護膜のアライメントに合わせて
絶縁膜をパターニングすることによって、後に能動層と
なる部分を覆うように絶縁膜を形成する事ができる。後
に能動層となるpoly−Siのアイランドパターンが
図8(A)中に点線で示されている部分である。つまり
図8(A)704の様に絶縁膜をパターニングすること
によって、能動層となる部分801に良質のpoly−
Si膜、清浄な界面を形成するのである。ここで絶縁膜
のパターニングの形状をライン状にする事によって、結
晶の横方向成長の方向をコントロールできる。仮にこれ
が正方形であると、各辺から結晶成長が起こるので結晶
成長方向を一方向に統一できない結果となる。ライン状
の形状にパターニングすると、図7(F)または図8
(B)の709に示すようにソース、ドレイン側から能
動層の内側に向かって結晶成長が起こる。この結果チャ
ネル長方向にたいして平行に結晶成長方向を制御する事
ができる。また、このライン幅としては20ミクロン以
下が望ましい。これ以上であると結晶の横方向成長が維
持しきれず、能動層の中心部に微結晶領域が生じてしま
うためである。本実施例では絶縁膜パターンの幅802
は3ミクロンとした。また、このライン状の絶縁膜パタ
ーンの幅は、ゲート電極の幅より小さくする事でリーク
電流の低減を図る事ができる。図8(B)にあるように
ゲート電極711の幅803が絶縁膜の幅802より大
きい事によって、結晶の横方向成長領域709とソー
ス、ドレイン領域712、713との間に比較的高抵抗
の領域804が形成できる。これはLDD等のTFT構
造における低ドープ領域と等価的に同じ働きをする。こ
れにより、トランジスタのオフ状態での電界集中を緩和
しリーク電流を低減する事が出来るのである。
【0060】次に光ビームの照射をおこなう(図7
(E))。レーザー照射の方法は実施例1で述べたもの
と全く同じである。ここで、必要なトランジスタのサイ
ズに応じて基板加熱を行うのも有効である。結晶の横方
向成長距離を大きくして、チャネル長の比較的ながいT
FTを作製する場合には基板を400℃程度まで加熱す
るとよい。
【0061】この後、絶縁膜704をエッチングする
(図7(G))。エッチング液としてはフッ酸、硝酸系
の混合液をもちいる。エッチングレートから求められる
エッチング時間を基準として、最適エッチング時間を決
定する。
【0062】エッチング後に残ったpoly−Si膜を
フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、後
にトランジスタの能動層となる半導体膜をアイランド状
に形成する。半導体膜形成後、CVD法やPVD法など
でゲート絶縁膜710を形成する(図7(H))。本例
ではECR−PECVD法で基板温度を100℃として
120nmの酸化硅素膜を堆積する。
【0063】引き続いてゲート電極711となる薄膜を
堆積後パターニングを行い、引き続いて半導体膜に不純
物イオン注入を行ってソース・ドレイン領域712、7
13を形成する(図7(I))。この時ゲート電極がイ
オン注入のマスクと成って居るが故、チャンネルはゲー
ト電極下のみに形成される自己整合構造となる。イオン
・ドーピング法の原料ガスとしては水素中に希釈された
濃度0.1%程度から10%程度のホスフィン(P
3)やジボラン(B26)等の注入不純物元素の水素
化物を用いる。本例ではNMOS形成を目指し、イオン
・ドーピング装置を用いて、水素中に希釈された濃度5
%のホスフィン(PH3)を加速電圧100keVで注
入する。PH3+やH2+イオンを含むの全イオン注入量
量は1×1016cm-2である。
【0064】ソース、ドレイン形成後、コンタクトホー
ルを開口し、ソース、ドレイン取り出し電極となる金属
膜をスパッターリング法によって成膜する。本実施例で
はアルミニウムをスパッタリング方で成膜し、パターニ
ングをおこないソース、ドレイン取り出し電極714、
715を形成した。図8(B)は完成したTFT図7
(J)の平面図を示したものである。
【0065】以上述べて来た様に本願発明に依れば、安
価な汎用ガラス基板を用いようとも極めて高品質な結晶
性半導体膜、清浄な界面、高品質のゲート絶縁膜が同時
に実現可能となり、この技術を適応する事で高性能な薄
膜トランジスタや太陽電池と云った薄膜半導体装置が製
造されるので有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜トランジスタの製造方法を示した
工程断面図。
【図2】図1(D)の平面図。
【図3】結晶の横方向成長を示した模式図。
【図4】本発明により作製したTFTの電圧−電流特
性。
【図5】本発明の薄膜トランジスタの製造方法を示した
工程断面図。
【図6】レーザー照射方法を示した図。
【図7】本発明の薄膜トランジスタの製造方法を示した
工程断面図。
【図8】本発明の薄膜トランジスタの製造方法の一部を
示した工程平面図。
【符号の説明】
101...基板 102...下地絶縁膜 103...半導体膜 104...絶縁膜 110...ゲート絶縁膜 111...ゲート電極 109...能動層領域に対応する半導体結晶 112、113...ソース、ドレイン領域 114、115...ソース、ドレイン電極

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に能動層となる半導体薄膜を形成
    し、 該半導体薄膜上に該半導体物質の化合物膜を形成し、し
    かる後に、該半導体薄膜及び該化合物膜に光ビームの照
    射を行う工程と、 該化合物膜をエッチングする工程と、 該化合物膜をエッチングした後にゲート絶縁膜を形成す
    る工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記能動層となる半導体薄膜は非単結晶シ
    リコン薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】前記半導体物質の化合物膜は二酸化珪素膜
    からなることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜
    トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】前記半導体薄膜と半導体物質の化合物膜の
    形成は真空雰囲気を保ちつつ連続的におこなわれる事を
    特徴とする請求項1、2または3記載の薄膜トランジス
    タの製造方法。
  5. 【請求項5】前記半導体物質の化合物膜はゲート絶縁膜
    と同質の絶縁膜である事を特徴とする請求項1、2、3
    または4記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】前記光ビームの照射は同一箇所へ少なくと
    も2回以上おこなう事を特徴とする請求項1、2、3、
    4または5記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】前記光ビームとして波長が100〜400
    nmのパルスレーザー光を用いる事を特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6記載の薄膜トランジスタの
    製造方法。
  8. 【請求項8】前記光ビームの照射エネルギー密度が10
    0〜500mJ/cm2である事を特徴とする請求項
    1、2、3、4、5、6または7記載の薄膜トランジス
    タの製造方法。
  9. 【請求項9】前記光ビームの照射は、水素、酸素、窒素
    等のガスまたはこれらのガスをプラズマ化した雰囲気下
    でおこなう事を特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7または8記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 【請求項10】薄膜トランジスタの製造方法において、
    能動層となる半導体薄膜を形成した後該半導体薄膜上に
    該半導体物質の化合物膜を形成し、該化合物膜のパター
    ニングをおこなった後に光ビームの照射をおこない、該
    半導体物質の化合物膜をエッチングした後ゲート絶縁膜
    を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  11. 【請求項11】前記半導体薄膜として非単結晶シリコン
    薄膜を用いる事を特徴とする請求項10記載の薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
  12. 【請求項12】前記半導体物質の化合物膜として二酸化
    珪素膜を用いる事を特徴とする請求項10または11記
    載の薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】前記半導体薄膜と半導体物質の化合物膜
    の形成は真空雰囲気を保ちつつ連続的におこなわれる事
    を特徴とする請求項10、11または12記載の薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】前記半導体物質の化合物膜はゲート絶縁
    膜と同質の絶縁膜である事を特徴とする請求項10、1
    1、12または13記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  15. 【請求項15】前記光ビームの照射は同一箇所へ少なく
    とも2回以上おこなう事を特徴とする請求項10、1
    1、12、13または14記載の薄膜トランジスタの製
    造方法。
  16. 【請求項16】前記半導体物質の化合物膜の膜厚は10
    0nm以下である事を特徴とする請求項10、11、1
    2、13、14または15記載の薄膜トランジスタの製
    造方法。
  17. 【請求項17】前記光ビームとして波長が100〜40
    0nmのパルスレーザー光を用いる事を特徴とする請求
    項10、11、12、13、14、15または16記載
    の薄膜トランジスタの製造方法。
  18. 【請求項18】前記光ビームの照射エネルギー密度は、
    前記半導体物質の化合物膜の無い領域では半導体薄膜の
    一部分が溶融し、半導体物質の化合物膜のある領域では
    前記半導体膜の全体が溶融するような値である事を特徴
    とする請求項10、11、12、13、14、15、1
    6または17記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  19. 【請求項19】前記半導体物質の化合物膜のパターニン
    グは、前記半導体薄膜の能動層に対応する領域の全てか
    または一部分を覆うようにおこなわれている事を特徴と
    する請求項10、11、12、13、14、15、1
    6、17または18記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  20. 【請求項20】前記半導体物質の化合物膜のパターニン
    グは、幅を20ミクロン以下とするライン状の形状にお
    こなわれている事を特徴とする請求項10、11、1
    2、13、14、15、16、17、18または19記
    載の薄膜トランジスタの製造方法。
  21. 【請求項21】前記半導体物質の化合物膜のパターニン
    グは、幅方向と薄膜トランジスタの能動層のチャネル長
    方向が平行となるようにおこなわれている事を特徴とす
    る請求項20記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  22. 【請求項22】前記半導体物質の化合物膜のパターニン
    グは、当該領域に形成される薄膜トランジスタのゲート
    電極の幅より細い幅でおこなわれる事を特徴とする請求
    項20または21記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  23. 【請求項23】前記光ビーム照射時に、前記能動層とな
    る半導体層が室温より高温に加熱された状態である事を
    特徴とする請求項10、11、12、13、14、1
    5、16、17、18、19、20、21または22記
    載の薄膜トランジスタの製造方法。
  24. 【請求項24】前記光ビームの照射は、水素、酸素、窒
    素等のガスまたはこれらのガスをプラズマ化した雰囲気
    下でおこなう事を特徴とする請求項10、11、12、
    13、14、15、16、17、18、19、20、2
    1、22または23記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006100804A (ja) * 2004-09-01 2006-04-13 Semiconductor Energy Lab Co Ltd レーザ処理装置、レーザ処理方法及び半導体装置の作製方法
JP2009267148A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置及びその作製方法

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