JPH10199565A - アルカリ二次電池の製造方法およびその製造方法により製造されたアルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池の製造方法およびその製造方法により製造されたアルカリ二次電池

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JPH10199565A
JPH10199565A JP9004900A JP490097A JPH10199565A JP H10199565 A JPH10199565 A JP H10199565A JP 9004900 A JP9004900 A JP 9004900A JP 490097 A JP490097 A JP 490097A JP H10199565 A JPH10199565 A JP H10199565A
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battery
secondary battery
alkaline secondary
temperature
electrode
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JP9004900A
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Hitoshi Kato
人士 加藤
Takahiro Imai
高広 今井
Kozo Sogabe
幸蔵 曽我部
Naoyoshi Hinotsu
直義 樋之津
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Furukawa Battery Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池特性に優れた電池を短い時間で製造する
ことができるアルカリ二次電池の製造方法および当該製
造方法により製造された電池特性に優れたアルカリ二次
電池を提供する。 【解決手段】 2価のコバルト化合物を添加して成る正
極板とセパレータと負極板とを有する極板群の外装缶へ
の収納、外装缶へのアルカリ電解液の注入、外装缶の封
口による電池の組み立て、および、組み立てた電池に対
する活性化処理から成る一連の工程を経てアルカリ二次
電池を製造する際に、一連の工程の全てにおいて、少な
くとも極板群の温度を30〜60℃に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ二次電池お
よびその製造方法に関し、更に詳しくは、アルカリ二次
電池をより短い時間で製造することができ、しかも、得
られる電池の電池特性が優れているアルカリ二次電池の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニッケル−水素二次電池やニッケル−カ
ドミウム二次電池のようなアルカリ二次電池は、正極の
活物質にNi(OH)2 を使用し、電解液に、例えば、
KOHを主成分とするアルカリ性水溶液を用いるもので
あり、全体として密閉構造になっている。
【0003】上記した密閉型アルカリ二次電池は、概
ね、次のような工程を経て組み立てられ、出荷される。
まず、正極板とセパレータと負極板とから成る極板群を
別のラインで製造し、その極板群が有底の外装缶に収納
される。そして、その外装缶は電解液注入工程に移送さ
れ、そこで、所定のアルカリ電解液が注入される。
【0004】その後、封口工程に移送され、そこで、外
装缶の開口部に絶縁リングを取付け、蓋(封口体)と電
極耳とをスポット溶接したのち封口して電池が組み立て
られる。ついで、組み立てた電池に対しては、活性化処
理が施される。上記活性化処理は、組み立てた電池に対
して所定の電気量を給電する初充電を行ったのち、1〜
2回の充放電を行い、その後、所望時間放置して熟成
(エージング)し、最後に補充電を行うといった一連の
作業により構成されている。この活性化処理により活物
質は活性状態に励起し、以後、その状態が維持されるこ
とによって当該電池は実使用可能となる。
【0005】このように、密閉型アルカリ二次電池の製
造工程は、個々の電池構成部品を組み立てる組立工程
と、組み立てた電池に活性化処理を施す工程とに大別さ
れる。そして、この製造工程は、室温(15〜28℃)
下で進められるのが通例である。ところで、上記した製
造工程において、極板群を外装缶に収納してから活性化
処理が終了するまでの時間(以下、リードタイムとい
う)が短縮すればするほど、電池製造時の生産性は向上
する。すなわち、リードタイムを短縮することにより、
電池の生産性を高めることができる。
【0006】このリードタイムは、組立工程に要する時
間と活性化処理に要する時間との総和であるため、リー
ドタイムを短縮するためには、上記組立工程に要する時
間または/および活性化処理に要する時間を短縮すれば
よい。その場合、組立工程に要する時間にとっては、設
置されている組立ラインの装置能力によって一義的に決
定される要素が強い。しかし、活性化処理に要する時間
はラインの装置能力というよりはむしろラインの稼動条
件に規定されることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、密閉型アル
カリ二次電池に組み込まれる正極(ニッケル極)として
は、最近、ペースト式ニッケル極が広く用いられてい
る。このペースト式ニッケル極は、通常、例えば、正極
活物質として動作するNi(OH)2 の粉末に、CoO
やCo(OH)2 のような2価のコバルト化合物の粉末
を混合し、その混合粉末にカルボキシメチルセルロース
やメチルセルロースなどを溶解して成る増粘剤水溶液を
添加して全体を混練し、粘稠なペースト状活物質合剤を
調製したのち、このペースト状活物質合剤をスポンジ状
のニッケルシートやニッケルフェルトのような3次元網
状構造の導電性基板に充填塗布し、乾燥、圧延処理を順
次行うことにより製造されている。
【0008】前記ペースト式ニッケル極が組み込まれて
いる密閉型アルカリ二次電池に対し、初充電を行うと、
ペースト式ニッケル極に含有されているCoOは、次の
ような挙動を示す。まず、電解液中のOH- との間で、
次式: CoO+OH- →HCoO2 - …(1) で示される溶解反応が徐々に進行してコバルト錯イオン
となって溶出する。
【0009】ついで、上記コバルト錯イオンは、次式: HCoO2 - →CoOOH+e- …(2) で示される酸化反応によりオキシ水酸化コバルトになっ
てニッケル極の中に電析する。なお、Co(OH)2
場合も、同様にオキシ水酸化コバルトになってニッケル
極の中に電析する。
【0010】このオキシ水酸化コバルトは導電性であ
る。そのため、ニッケル極の中には、このオキシ水酸化
コバルトによって、いわば導電マトリックスが形成され
ることになる。その結果、導電性は高まり、もって活物
質の利用率が高くなる。このように、導電マトリックス
が形成されると、当該導電マトリックスが充分な集電機
能を発揮し、初期性能を確保することができるとともに
電池特性の向上に寄与する。このため、上記したような
ペースト式ニッケル極が正極として組み込まれているア
ルカリ二次電池においては、初充電時に(1)、(2)
式の反応を効果的に進行させることが望ましい。つま
り、初充電時に、ニッケル極に含有されている2価のC
o化合物、例えばCoOが(1)式に基づいて迅速にし
かも全量が錯イオン化し、ついでその錯イオンが(2)
式に基づいて酸化されることにより、当該ニッケル極の
中に均一に電析して導電マトリッスクを形成することが
好ましいことになる。
【0011】しかしながら、上記した一連の過程は必ず
しも円滑に進まない。また、(1)式で示した溶解反応
で生成した錯イオン(HCoO2 -)は、電解液内におけ
るイオン移動速度が遅い。そして、初充電時における充
電電流の電流密度が大きいと、(2)式で示した酸化反
応が円滑に進まず、ペースト式ニッケル極では分極増が
引き起こされる。その結果、電析した導電マトリックス
は、デンドライト状であったり、表面が粗面化していた
りして全体が粗雑な形状になり、その表面積は大きくな
る。
【0012】このように、導電マトリックスが粗雑な形
状になると、その導電マトリックスは充分な集電機能の
発揮が困難になるとともに表面積が大きくなっているこ
とにより、その表面活性は高くなり、例えば負荷の連続
接続や自己放電によってペースト式ニッケル極の電位が
低下した場合には、容易に還元反応が起こって機能停止
や容量低下を招くことがある。
【0013】このような問題に対しては、初充電に先立
ち、組み立てた電池を長時間(例えば、5〜24時間)
例えば室温下に放置し、電解液を電極に充分浸透させる
ことにより、(1)式の溶解反応が円滑に進行するよう
な処置が採られている。しかしながら、このような長時
間放置を活性化処理の前段に組み込むことは、電池性能
の確保という点では有用なことであるが、他方ではリー
ドタイムを長くすることであって、生産性の向上という
課題にとっては不都合である。
【0014】このように、ペースト式ニッケル極が組み
込まれているアルカリ二次電池の製造においては、2価
のCo化合物の利用率を高め、導電マトリックスを均一
に形成して電池特性を向上させることを企図するとリー
ドタイムが長大となり、電池製造における生産性が低下
するという問題がある。本発明は、アルカリ二次電池の
製造における上記した問題を解決し、電池特性に優れた
電池を短い時間で製造することができるアルカリ二次電
池の製造方法および当該製造方法により製造された電池
特性に優れたアルカリ二次電池の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、2価のコバルト化合物を添
加して成る正極板とセパレータと負極板とを有する極板
群の外装缶への収納、前記外装缶へのアルカリ電解液の
注入、前記外装缶の封口による電池の組み立て、およ
び、組み立てた電池に対する活性化処理から成る一連の
工程を経てアルカリ二次電池を製造する際に、前記工程
の全てにおいて、少なくとも前記極板群の温度を30〜
60℃に保持することを特徴とするアルカリ二次電池の
製造方法が提供される。
【0016】また、本発明においては、前記アルカリ二
次電池の製造方法を採用することにより製造された電池
特性に優れたアルカリ二次電池が提供される。本発明の
アルカリ二次電池の製造方法は、極板群を外装缶に収納
するときから活性化処理が終了するまでの間、極板群を
30〜60℃の温度範囲に保持することにより、導電マ
トリックスを均一に且つ迅速に形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、2価のコバルト化合物
を含有するペースト式ニッケル極が組み込まれている密
閉型アルカリ二次電池に適用される。本発明において
は、まず、アルカリ二次電池を構成する電池構成部品お
よびアルカリ電解液が用意される。
【0018】このとき、例えば、円筒型ニッケル−水素
二次電池の場合、電池構成部品としては、極板群、外装
缶、封口体等が用意され、電解液としては、KOHを主
体とするアルカリ性水溶液が用意される。尚、前記極板
群は、ニッケル正極板と、水素吸蔵合金負極板とが、そ
れらの間に電気絶縁性の合成樹脂からなるセパレータを
介在させた形で渦巻状に捲回されることにより形成され
たものである。
【0019】本発明における電池製造の場合、電池の組
み立て、組み立てた電池の活性化処理を行うことは、従
来の電池製造の場合と同じであるが、極板群を外装缶に
収納してから活性化処理が終了するまでの間、少なくと
も極板群は、その温度が30〜60℃に保持されること
を最大の特徴とする。すなわち、組立工程においても極
板群は、30〜60℃の温度に保持されている。そのた
め、次に初充電を実施するときに、極板群の温度はその
時点で既に30〜60℃になっており、また極板群に接
触している電解液もまた30〜60℃の温度になってい
るので、前記した(1)式の反応がただちに進行して活
性化処理が進むことになる。換言すれば、活性化処理に
要する時間のリードタイムに占める割合が大幅に減少す
るのである。
【0020】上記した現象は、組立工程において注入さ
れた電解液は、極板群に接触した時点でその温度が30
〜60℃になるので粘度が低下し、その低粘度になった
電解液が極板群に円滑に浸透して当該極板群を濡らすこ
とになり、もって極板群では、(1)式で示した反応が
起こりやすい状態が形成されるためである。いわば、組
立工程それ自体が活性化処理を進行させるための準備工
程として機能するのである。
【0021】ここで、温度を30℃より低くすると、
(1)式で示した反応はほとんど起こらなくなるので、
上記した作用効果は発揮されず、また60℃より高くす
ると、正負極の酸化が起こりはじめて電池性能の著しい
低下を招くようになる。好ましい温度は、40〜55℃
である。ここで、極板群を上記温度域に保持する方法に
ついて説明する。
【0022】まず、組立工程においては、極板群をはじ
め、他の電池構成部品を30〜60℃の温度に保持して
組み立てる。その場合、所望する温度に管理されている
部品保管箱に各部品を保管しておき、必要に応じてその
保管箱から取り出して組み立てに実使用すればよい。
尚、電解液の場合は、例えば、所望温度に管理されてい
る貯留タンクに貯留しておき、必要に応じて、その所定
量を注入工程時に実使用すればよい。
【0023】その場合、電解液の使用量は、通常1ml
程度であって、その熱容量は極板群または電池全体の熱
容量に比べて非常に小さいので、電解液の注入による極
板群の温度に与える影響は事実上無視できる。しかし、
この電解液も30〜60℃で保管されていることが好ま
しい。次に、組立工程において組み立てられた電池は、
直ちに活性化処理工程に送られ、活性化処理が施され
る。そのとき、電池全体の温度を30〜60℃に保持す
ることにより、極板群も30〜60℃の温度範囲に保持
される。
【0024】活性化処理工程では、まず、組み立てられ
た電池が、給電手段を備える充電トレイにセットされ初
充電が行われる。このとき、当該電池は、加熱保持手段
により30〜60℃の温度範囲に保持された状態で初充
電が行われる。当該電池を前記温度範囲に加熱保持する
手段としては、対象物を加熱保持できるものであれば格
別限定されるものではなく、例えば、充電トレイに取付
けられたヒーター、あるいは電池を効果的に加熱できる
位置に配置された赤外線ヒーターなどがあげられる。こ
の場合、当該電池は、前記ヒーターにより、所定温度に
加熱保持される。
【0025】次に、初充電が終了した電池は、引き続
き、充放電、エージング、補充電が施される。ここで、
電池の組み立ておよび活性化処理といった一連の作業
は、電池製造ラインを稼動することにより行われるが、
電池構成部品および組み立てられた電池が、この製造ラ
イン上を移動する途中で、これらの温度が30〜60℃
の温度範囲を外れる場合がある。このような不都合を回
避するために、例えば、製造ラインを耐熱性の塩化ビニ
ル板を用いて囲い込み、当該製造ラインの略全体を覆
い、この中を30〜60℃に保温し、電池製造ラインの
雰囲気を前記温度範囲にすることが好ましい。電池製造
ラインを保温する手段としては、例えば、電池製造室内
に設けられたエアコンディショナーの吹き出し口から
の、所望温度に調節された吹き出し風を前記囲いの中に
導き、電池製造ラインの雰囲気温度を30〜60℃に調
整することが好ましい。
【0026】尚、以上の説明では、円筒型の密閉アルカ
リ二次電池についてのみ説明してきたが、本発明はこれ
に限られるものではなく、角型の密閉アルカリ二次電池
にも採用することができる。
【0027】
【実施例】
実施例1〜4 Co:1.0重量%およびZn:5重量%を固溶するNi
(OH)2 粉末95重量部とCoO粉末5重量部とを混
合し、ここに、1%カルボキシメチルセルロース水溶液
35重量部を投入したのち混練して正極活物質ペースト
を調製した。そして、このペーストを発泡ニッケル板に
充填し、乾燥,圧延,裁断を順次行って、寸法が縦40
mm、横70mm、厚さ0.7mmのペースト式ニッケ
ル極にした。
【0028】このペースト式ニッケル極1枚において、
CoOの全量をCoOOH(3価のコバルト)に酸化す
るために必要な理論電気量は80mAhである。一方、
MmNi5 (Mmはミッシュメタル)のNiの1部をC
o,Mn,Alなどで置換したMmNi5 系水素吸蔵合
金を用いて常法により水素吸蔵合金電極を製造し、前記
ペースト式ニッケル極を正極とし、前記水素吸蔵合金電
極を負極にしてこれらの間に親水化ポリオレフィン不織
布から成るセパレータを介在させ捲回して円筒状の極板
群を形成した。そして、当該極板群と、外装缶,封口
体,絶縁板,ガスケット等他の電池構成部品とを部品供
給箱に入れ、表1に示した電池構成部品温度(30〜6
0℃)で加熱保持した。また、比重1.30のKOHを主
体とする電解液を貯留タンクに投入し、表1に示した温
度に加熱保持した。
【0029】以上のようにして所定温度とした電池構成
部品と電解液とを用いて常法によりAAサイズ,定格容
量1100mAh のニッケル−水素二次電池を組み立て
た。組立後、当該電池を、直ちに活性化処理工程に送
り、ヒーターを備える充電トレイにセットし、以下に示
すようにして活性化処理を行った。すなわち、まず、組
立後の電池を表1に示す活性化処理工程における電池温
度に加熱保持しながら0.2CmAで定格容量の150
%になるまで初充電を行った。そして、初充電終了後の
各電池につき、それぞれ表1に示す活性化処理工程にお
ける電池温度(30〜60℃)に保持しながら、10時
間放置後、0.5CmAで5時間充電、5分間放置後、
0.4CmAで4時間放電したのち24時間のエージン
グを行い、最後に1.1CmAで1時間の補充電を行っ
た。
【0030】ここで、上記電池製造において、極板群を
外装缶に収納してから、活性化処理が終了するまでの時
間を測定し、これを電池製造におけるリードタイムとし
た。そして、後述する比較例4のリードタイムに対する
相対値を電池製造におけるリードタイムの比として表1
に併記した。尚、以上の電池製造を行った電池製造ライ
ンにおいては、当該製造ラインを耐熱性の塩化ビニル板
で囲い込み、当該製造ラインの略全体を覆い、この中に
エアコンディショナーの吹き出し口からの、所望温度に
調節された吹き出し風を導き、電池製造ラインの雰囲気
温度を表1に示す温度にした。
【0031】ついで、以上の活性化処理が終了した各電
池につき、室温(20℃)における下記の仕様での電池
特性を調べた。放電容量(mAh):0.1Cの充電電流で15
0%の過充電を行い、1時間の休止後、0.2Cの放電電
流で電池電圧が1.0Vになるまでの放電を1サイクルと
する充放電サイクルを行い、3サイクル目の容量を測定
した。
【0032】容量回復率(%):各電池に抵抗値5Ωの
抵抗を接続し、24時間放電を継続した。そして、2時
間休止したのち、前記放電容量の測定と同一の条件で容
量を測定し、得られた容量測定値を最初の容量で除算し
てその百分率を容量回復率とした。この値が大きいもの
ほど、ペースト式ニッケル極の導電マトリックスは還元
反応に対して安定であることを表す。
【0033】電池内圧(kgf/cm2):各電池に圧力センサ
ーを取付け、1Cの充電電流で定格容量に対する450
%の過充電を行い、このときの電池内圧を測定した。こ
の値が小さいものほど、負極(水素吸蔵合金)は劣化し
ておらず、過充電時における酸素ガスの吸収性に優れて
いることを示す。
【0034】以上の結果を一括して表1に示した。 比較例1〜3 表1に示す温度条件下で組み立てた電池を以下に示す条
件で活性化処理したことを除いては実施例1と同様にし
てニッケル−水素二次電池を製造した。そして得られた
電池に対し、実施例1と同様にして放電容量、容量回復
率、電池内圧を測定した。その結果を表1に併記した。
また、実施例1と同様に、極板群を外装缶に収納してか
ら、活性化処理が終了するまでの時間を測定し、電池製
造におけるリードタイムを求めた。そして、後述する比
較例4のリードタイムに対する相対値を電池製造におけ
るリードタイムの比として、その結果を表1に併記し
た。
【0035】活性化処理条件:表1に示す電池温度で初
充電を行った各電池につき、10時間放置後、それぞれ
20℃、25℃、65℃にて、0.5CmAで5時間充
電、5分間放置後、0.4CmAで4時間放電したのち
24時間のエージングを行い、その後、1.1CmAで
1時間の補充電を行った。
【0036】尚、電池製造ラインの雰囲気温度は、実施
例1と同様にエアコンディショナーにより調節し、表1
に示す温度にした。 比較例4 表1に示す温度条件下(電池構成部品温度20℃、電解
液温度20℃、雰囲気温度15〜20℃といった室温
域)で組み立てた電池に対して、活性化処理を行う前に
20℃で10時間放置したことを除いては比較例1と同
様にしてニッケル−水素二次電池を製造した。そして、
得られた電池に対し、実施例1と同様にして放電容量、
容量回復率、電池内圧を測定した。その結果を表1に併
記した。
【0037】また、上記電池製造において、極板群を外
装缶に収納してから、活性化処理が終了するまでの時間
(リードタイム)を測定した。そして、この比較例4の
リードタイムを電池製造におけるリードタイムの基準と
した。すなわち、比較例4のリードタイムを1として、
それに対する各電池の相対値を表1の電池製造における
リードタイムの比の欄に記載した。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、製造工程におけ
る温度を30〜60℃に管理した実施例1〜4の電池
は、活性化処理前の放置が必要ないため電池製造におけ
るリードタイムが短くなっている。しかも、電池特性に
も優れている。これは、製造工程における温度を30〜
60℃の範囲に保持したので、活性化処理前に放置を行
わなくても、(1)式に示すCoOの溶解反応が円滑に
進行し、効率良くコバルト錯イオンの酸化反応を進行さ
せることができ導電マトリックスを均一に形成できたこ
とを示している。
【0040】これに対し、比較例1,2の電池は、容量
回復率が低下している。これは、長時間の負荷抵抗の接
続によりペースト式ニッケル極の電位が低下して、導電
マトリックスの還元反応が起こっていることを示してい
る。すなわち、製造工程における温度を30℃未満とす
ると、(1)式および(2)式の反応が円滑に進行せ
ず、導電マトリックスが粗雑な形状になるため、その表
面活性は高くなり、容易に還元反応が起こってしまった
ためであると考えられる。
【0041】比較例3の電池は、容量回復率が低く、電
池内圧が高くなっている。このことは、過充電により正
極より発生した酸素ガスが、通常ならば負極の水素吸蔵
合金に吸収されるところを、吸収されず、外装缶内に蓄
積されたことを示している。これは、製造工程における
電池の温度が65℃と高いため、水素吸蔵合金電極の酸
化が進行し、水素吸蔵合金が劣化してしまったためであ
ると考えられる。
【0042】比較例4の電池は、電池特性は、実施例1
〜4の電池と略同等に優れているが、電池製造における
リードタイムが長大である。このことは、室温域(20
℃)で(1)式、(2)式の反応を円滑に進めるために
は、初充電前に長時間放置を行うことが必要であること
を示している。このことから、本発明の製造方法は、比
較例4の電池を得るための製造方法(従来方法)に比
べ、生産性に優れているといえる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
アルカリ二次電池の製造方法は、極板群が外装缶に収納
されるときから活性化処理が終了するまでの間極板群を
30〜60℃の温度範囲に保持しているので以下に示す
ような効果を奏する。すなわち、組立工程において電解
液を極板へ充分に浸透させることができるため、組立工
程から活性化処理工程の初集電に移行した際、すぐさま
(1)式の反応を進行させることができる。そして、初
充電時には、(2)式で示す反応を効率よく進めること
ができ、CoOの利用率を高めることができる。このた
め初充電前の放置が必要なくなる。したがって、リード
タイムを短縮することができ、電池製造における生産性
を向上させることができる。
【0044】また、本発明においては、(1)、(2)
式の反応を円滑に進めることができるので、導電マトリ
ックスを均一に安定した状態で形成することができる。
このため、得られる電池は、放電容量が高く、しかも、
導電マトリックスの還元反応が起こりにくく、容量の低
下が抑制されている。このように、本発明は、得られる
電池の特性を阻害することなく電池製造におけるリード
タイムを大幅に短縮することができるものであり、その
工業的価値は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋之津 直義 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2価のコバルト化合物を添加して成る正
    極板とセパレータと負極板とを有する極板群の外装缶へ
    の収納、前記外装缶へのアルカリ電解液の注入、前記外
    装缶の封口による電池の組み立て、および、組み立てた
    電池に対する活性化処理から成る一連の工程を経てアル
    カリ二次電池を製造する際に、前記工程の全てにおい
    て、少なくとも前記極板群の温度を30〜60℃に保持
    することを特徴とするアルカリ二次電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルカリ二次電池の製造
    方法を採用することにより製造されたアルカリ二次電
    池。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006252831A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Toyota Motor Corp 二次電池の製造方法、二次電池の制限治具、二次電池の充放電装置、及び二次電池の充電装置
US11342543B2 (en) 2017-11-30 2022-05-24 Lg Energy Solution, Ltd. Apparatus and method for activating battery cell

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