JPH1019855A - 金属薄板の耳率測定方法及び装置 - Google Patents

金属薄板の耳率測定方法及び装置

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JPH1019855A
JPH1019855A JP8176255A JP17625596A JPH1019855A JP H1019855 A JPH1019855 A JP H1019855A JP 8176255 A JP8176255 A JP 8176255A JP 17625596 A JP17625596 A JP 17625596A JP H1019855 A JPH1019855 A JP H1019855A
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克也 高岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高価な測定装置を用いることなく,非破壊
で,板厚ムラや測定装置の設置誤差等の影響を受けにく
く,常に安定した高精度の測定結果を得ることが可能な
金属薄板の耳率測定方法及び装置を提供する。 【解決手段】 超音波板波が金属薄板の面内を,圧延方
向を0゜として,0゜,90゜,及びθ(ただし,0゜
<θ<90゜)の方向に所定の距離だけ伝播した時の伝
播時間をそれぞれ測定し,上記各測定方向の伝播時間の
変化分から,板面内の音速の変化分を表す所定の特徴量
を演算し,予め標準試料を用いて求められた特徴量と耳
率との関係に上記演算された特徴量を当てはめて上記金
属薄板の耳率を求める。また,上記伝播時間の測定に,
板厚変化による速度変化の小さいS0モードの超音波板
波を用いる。また上記θについてプラス方向,及びマイ
ナス方向の伝播時間を測定し,更に上記θを45゜とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,アルミニウム等,
圧延によって製造される金属薄板の耳率を測定するため
の方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】耳率とは,金属薄板を深絞り加工した際
に生ずる絞りの異方性を表す指標である。従来の上記耳
率測定方法について説明する。 (従来技術1)図11に示すように,円形に切り抜かれ
た金属薄板を所定の径のダイス及びポンチによりカップ
形状の深絞り加工を行う。その際,上記金属薄板の端部
は一定の高さにならず山谷が生じるが,これを「絞りカ
ップ耳」あるいは「耳」と呼ぶ。この耳の程度を定量化
したものが「耳率」であり,次のように算出される。金
属薄板の圧延方向を0゜として,時計回りあるいは反時
計回りに角度をとる。角度θ方向に生ずる耳の高さ(カ
ップ底からの高さ)をhθとすると,耳率E(%)は,
【数1】 で与えられる。一般にアルミ圧延板の場合,耳は0°,
90°,180°,270°方向が高くなる場合と,4
5°,135°,225°,315°方向が高くなる場
合の2種類があり,その場合の耳率は,前者がマイナ
ス,後者がプラス(それぞれマイナス耳,プラス耳と呼
ぶ)となる。以上説明した従来技術1は破壊試験による
方法であるが,以下に示す3例は全て非破壊で耳率を測
定する方法である。
【0003】(従来技術2)これは,特開平7−318
540号公報に提案されている耳率測定方法である。以
下にその基本原理と実施方法について簡単に説明する。
上記のような耳が生ずるのは,圧延板が幾つかの「集合
組織」から構成されているためである。この集合組織と
は,多結晶体である金属組織において,結晶方位が特定
の方向に偏っているかどうかを示す指標である。金属板
を塑性変形させた場合,変形が等方的に進むわけではな
く,結晶方位で決まる変形のしやすい方向に進む。集合
組織がある場合,結晶方位が特定方向に揃っているた
め,滑り方向に偏りが生ずることになり,塑性変形が異
方的に進み,その結果として耳が生ずることになる。集
合組織の種類とその程度が異なれば,滑り方向と滑りや
すさが異なるため,圧延板に含まれる集合組織の種類や
比率の変化が耳率の変化となって現れる。また,圧延材
のように集合組織のある材料は,結晶がランダムに配向
した等方的な結晶粒群と,集合組織で決まる特定の配向
を持つ単結晶粒群との混合体であると考えられる。その
うち,等方的な結晶粒群の材料中では,超音波の伝播速
度はその伝播方向によらず一定である。一方,特定の配
向を持つ単結晶粒群の材料中では,超音波の伝播速度は
その伝播方向によって変化する音速異方性を示す。そこ
で,集合組織の種類や比率の変化を,上記音速異方性に
よる材料中の音速変化を用いて検出することによって耳
率を測定しようとするのがこの従来技術2である。材料
中の音速の測定には,図12に示すような集束型超音波
探触子を用いる。図の様に送信用,受信用の探触子対を
3対使用し,それぞれ圧延板面内の圧延方向,45°方
向,圧延直角方向に伝播する超音波の伝播速度を検出す
る。送信用探触子21a,21b,21cから送信され
たパルス状超音波は,被測定板22中に,表面法線に対
して斜めに入射されて発散し,上記被測定板22の表裏
面間で多重反射しながら伝播する。反射を繰り返した超
音波は上記被測定板22から出射し,受信用探触子23
a,23b,23cで受信される。受信された多重反射
波の中から所定の屈折角の反射波を抽出し,その伝播時
間を測定する。上記集束型超音波探触子は,送信用,受
信用共,焦点を被測定板22の表面に一致させているた
め,送受信点が特定され,上記伝播時間から音速を計算
する際に必要な伝播距離が特定できる。こうして求めら
れた上記3方向の伝播速度から所定の評価値を求め,該
評価値を,予め耳率が既知の標準試料によって作成した
評価値と耳率の対応テーブルに当てはめることによって
耳率を求める。
【0004】(従来技術3)これは,特願平7−242
934号に提案されている耳率測定方法である。この方
法が上記従来技術2と異なる主な点は,板厚方向に伝播
する縦波及び横波を用いている点である。以下にその基
本原理と実施方法について簡単に説明する。この耳率測
定方法で使用する超音波送受信装置の配置図を図13に
示す。縦波を例にとると,図13(a)のように,薄板
表面に平行に磁場が印加されるように磁石2個を配置
し,同様に薄板表面と平行になるように送信用コイル及
び受信用コイルを配置する。送信用コイルに対して高周
波バースト波電流を通電すると,薄板表面にコイル電流
と平行で逆向きの渦電流が発生する。この渦電流と印加
磁場との相互作用により,金属原子に対して板厚方向に
ローレンツ力が働き,弾性振動の加振力となる。そして
送信用コイルのバースト波電流に同期して,板厚方向へ
縦波超音波が伝播する。板厚方向に伝播する縦波は,薄
板の表裏面で反射する多重反射波となるが,板表面に垂
直に往復するため,各反射波が重なり合い干渉現象が起
こる。送信用コイルのバースト波電流の周波数fを少し
ずつ変化させて薄板中の超音波の波長λを変化させる
と,半波長λ/2の整数倍が板厚tと等しくなった時に
強め合う干渉が起こり,超音波が強くなる共振が発生す
る。波長λ,縦波音速VL,周波数fの関係は, λ=VL/f であるから,板厚tが分かれば縦波音速VLを求めるこ
とができる。つまり,nを整数,共振波長をλc,共振
周波数をfcとして, t=n(λc/2)=nVL/(2fc) の関係から縦波音速VLを求めることができる。また,
超音波の受信(検出)は,発生と逆の原理によって,受
信用コイルによって行われる。横波については,磁石の
配置(図13(b)参照),及び振動方向の異なる2種
類の波が発生する点で上記縦波の場合と異なるが,その
他は同様である。圧延方向,及び圧延方向に対して直角
方向を振動方向とする横波の共振周波数をそれぞれ検出
する。耳率△eは,次式により算出する。 △e=a0+a1(fc1+fc2)/fc3+a2
(fc1−fc2)/(fc1+fc2) (ここに,fc1:圧延方向を振動方向とする横波の共
振周波数, fc2:圧延直角方向を振動方向とする横波の共振周波
数, fc3:板厚方向を振動方向とする縦波の共振周波数, a0,a1,a2:薄板の材質により定まる係数)
【0005】(従来技術4)これは,特開平4−138
310号公報に提案されている金属薄板の深絞り性評価
装置である。この装置は,金属薄板の深絞り加工での特
性を,超音波を利用してr値によって評価しようとする
ものである。以下にその基本原理と実施方法について簡
単に説明する。音速測定には,超音波板波を利用する。
図14に示すような電磁超音波の送信用プローブ31と
受信用プローブ32を用いて,超音波板波を発生,検出
する。両プローブは,外部磁場発生用の電磁石33及び
金属薄板35の表面に平行に配置されたコイル34から
構成され,両者は所定の距離離れた位置に配置される。
送信用プローブ31のコイル34にパルス電流を流す
と,金属薄板35の表面に渦電流が励起され,電磁石3
3によって金属薄板35の表面に平行に印加された磁場
と該渦電流によって上記金属薄板35に磁歪が生じ,こ
れを加振力にして板波が発生する。受信用プローブ32
直下まで伝播した板波は,送信時と逆の原理により受信
用プローブ32で検出される。送信から受信に至る時間
から板波の伝播時間が算出される。r値を測定するた
め,上記送受信用プローブを,圧延方向,圧延方向に対
して45°方向,90°方向の3方向に配置し,それぞ
れの伝播方向での板波の伝播時間T0,T45,T90
を測定し,次式から平均音速Tを算出する。 T=(T0+2×T45+T90)/4 このTを,予め求めた換算表によりr値に変換する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが,上記従来技
術には,以下に示すような幾つかの問題点があった。 (従来技術1) 破壊検査であるため,測定に時間がかかり,インライ
ン化できない。 ダイスやポンチと被験材との間の潤滑条件等の違いに
より,同一サンプルであっても測定値が変動する。 (従来技術2) 薄板(板厚1mm以下程度)では,斜角入射の多重反
射波を送受信するのが難しい。例えば,反射回数の異な
る多重反射波が重なり合い,それぞれの分離が不可能な
場合がある。 超音波の伝播経路が,限られた直線上の領域(集束超
音波の入射点と出射点を結び,被験材の表裏面での反射
点を通るジグザグの直線範囲)となるため,局所的な組
織変化の影響を受けやすい。必要とする耳率は,ある程
度の大きさを持った領域内の平均的な値であり,この測
定方法によって得られる耳率とは異なる可能性がある。 (従来技術3) 板厚変動の影響を受けやすい。例えば,観測領域内の
板厚ムラにより,明瞭な共振が発生せず,極端な場合に
は複数の共振ピークが観測される場合がある。また,板
厚ムラの影響を除去するために小さなコイルを用いる
と,集合組織のムラにより,材料の特性を表す耳率を表
現できなくなる。 発振周波数を高精度に変化させることができるバース
ト発振器が必要である。 (従来技術4) r値と耳率とは単純な関係ではなく,r値から耳率を
算出することは難しい。また,圧延方向,圧延方向に対
して45°方向,90°方向の3方向の板波音速平均値
と耳率との間に相関関係はない。 音速測定を圧延方向,圧延方向に対して45°方向,
90°方向の3方向だけで測定する場合,試験材に対す
る測定プローブの設置角度にズレがあると,測定値が変
動しやすい。(上記,については後述する実施の形
態で検証する) 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目
的とするところは,高価な測定装置を用いることなく,
非破壊で,板厚ムラや測定装置の設置誤差等の影響を受
けにくく,常に安定した高精度の測定結果を得ることが
可能な金属薄板の耳率測定方法及び装置を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の方法は,超音波板波が金属薄板の面内を,圧
延方向を0゜として,0゜,90゜,及びθ(ただし,
0゜<θ<90゜)の方向に所定の距離だけ伝播した時
の伝播時間をそれぞれ測定し,上記各測定方向の伝播時
間の変化分から,板面内の音速の変化分を表す所定の特
徴量を演算し,予め標準試料を用いて求められた特徴量
と耳率との関係に上記演算された特徴量を当てはめて上
記金属薄板の耳率を求めることを特徴とする金属薄板の
耳率測定方法として構成されている。また,上記伝播時
間の測定に,板厚変化による速度変化の小さいS0モー
ドの超音波板波を用いることによって,より板厚ムラの
影響を小さくすることができる。またこの時,上記特徴
量(Z)を, Z=K{n(TA +TB )−2T1 − … −2Tn } (ここに, K:定数 n:上記θ方向の伝播時間測定数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
間 Tn :n番目のθ方向の伝播時間) とすることによって,耳率とは関係のないランダム組織
に起因する伝播時間分を相殺した特徴量を得ることがで
きる。また,上記θについてプラス方向,及びマイナス
方向の伝播時間を測定することによって測定器の設置誤
差の影響を低減することができる。その際,上記特徴量
(Z)は, Z=K{n(TA +TB )−(T+1+T-1)− … −(T+n+T-n)} (ここに, K:定数 n:上記±θ方向の伝播時間測定組数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
間 T+ ,T- :それぞれ上記+θ,−θ方向の伝播時間) となる。また,上記伝播時間の変化分に含まれる温度変
化による変化分が上記特徴量の演算において相殺される
ように,上記各方向の伝播時間の測定順序,及び測定時
間間隔を設定することもできる。
【0008】更に,上記θを+45゜,及び−45°と
し,上記特徴量(Z)を, Z=K{(TA +TB )−(T+45 +T-45 )} (ここに, K:定数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
間 T+45 ,T-45 :それぞれ上記+45゜,−45゜方向
の伝播時間) とすることによって,音速異方性の変化をより感度よく
検出することができる。この時,上記各方向の伝播時間
の測定順序を,(1)0°又は90°方向(2)−45
°又は45°方向(3)−45°又は45°の残り方向
(4)0°又は90°の残り方向,或いは,(1)−4
5°又は45°方向(2)0°又は90°方向(3)0
°又は90°の残り方向(4)−45°又は45°の残
り方向とし,上記各方向の伝播時間の測定時間間隔を等
間隔とすることで,上記特徴量(Z)の演算において上
記伝播時間の変化分に含まれる温度変化による変化分が
相殺される。また,上記伝播時間の測定方法として,上
記各伝播方向に伝播する超音波板波の波形を検出し,該
波形と,予め基準試料を用いて検出した基準波形とを用
いて相互相関演算を行い,該演算結果を関数近似して,
最大相関値を与える遅延時間を求め,該遅延時間を上記
伝播時間として用いることによって,高価な測定装置を
用いることなく測定できる。また,上記目的を達成する
ために本発明の装置は,超音波板波が金属薄板の面内
を,圧延方向を0゜として,0゜,90゜,及びθ(た
だし,0゜<θ<90゜)の方向に所定の距離だけ伝播
した時の伝播時間をそれぞれ測定する伝播時間測定手段
と,上記各測定方向の伝播時間の変化分から,板面内の
音速の変化分を表す所定の特徴量を演算する特徴量演算
手段と,予め標準試料を用いて求められた特徴量と耳率
との関係に上記演算された特徴量を当てはめて上記金属
薄板の耳率を求める耳率算出手段とを具備してなること
を特徴とする金属薄板の耳率測定装置として構成されて
いる。上記本発明の方法である金属薄板の耳率測定方法
は,全てこの装置上で実現可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は本発明を具
体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する
性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の形
態に係る金属薄板の耳率測定装置の概略構成を示すブロ
ック図,図2は本発明の実施の形態に係る金属薄板の耳
率測定装置の送受信プローブの平面図,及び正面図,図
3は上記送信プローブによる超音波板波発生原理を示す
模式図,図4は板波のモードを示す図,図5は板波の変
位分布を示す図,図6は板波の周波数×板厚と音速の関
係を示す図,図7は相互相関演算と関数近似による伝播
時間の算出方法を示す図,図8は音速異方性の測定結果
の例を示す図,図9は耳率の評価結果を示す図,図10
は上記図9において,評価値として4方向の平均遅延時
間を採用した結果を示す図である。本実施の形態に係る
金属薄板の耳率測定装置は,図1に示す如く構成されて
いる。まず,図2及び図3を用いて,送信プローブ1及
び受信プローブ2を用いた超音波板波の送受信方法とそ
の装置構成について説明する。図2は,送信プローブ1
及び受信プローブ2の平面図及び正面図を模式的に示し
たものである。送信プローブ1は,磁石14とメアンダ
コイル15とから構成される。メアンダコイル15は,
図2に示すように被験材13と平行に複数の折り返しに
よって平面的に配置される。また,このメアンダコイル
15と被験材13は,後述するメアンダピッチLの半分
よりも小さな距離をおいて配置される。上記メアンダコ
イル15の上方には磁石14が,その磁場方向が被験材
13の表面に垂直になるように配置される。この時,上
記磁場方向は上向き,下向きのどちらであってもよい。
受信プローブ2は,上記送信プローブ1と全く同様に構
成される。また,上記送信プローブ1と受信プローブ2
は,両者のメアンダコイル15が平行で,且つ両メアン
ダコイルが両者の中心を結ぶ直線と直角になるように配
置される。更に送信プローブ1は,送信側チャンネル切
り替え器7及び電力増幅器6(図2では図示省略)を介
してバースト波発振器5に,受信プローブ2は,受信側
チャンネル切り替え器8及び高周波増幅器9(図2では
図示省略)を介して波形検出器10に,それぞれ接続さ
れる。上記送信プローブ1の正面拡大図である図3を用
いて超音波板波の送受信方法を説明する。送信プローブ
1のメアンダコイル15に,バースト波発振器よりバー
スト波電流が印加されると,図3に示すように,メアン
ダコイル15の各辺では,コイルの折り返しによって交
互に逆方向に電流が流れ,被験材13表面には上記コイ
ル電流と逆向きの渦電流が励起される。この渦電流と磁
場によって被験材13の各位置に図のようなローレンツ
力が働き,超音波板波を発生させる。
【0010】ここで,板波について簡単に説明する。板
波とは,板中の波動のうち,波動ラム波のことであり,
進行方向及び板面に平行な縦波成分と進行方向及び板面
に垂直な横波成分が一体となり波動を形成する。実際の
粒子の振動は縦波成分と横波成分の和で,一般に楕円運
動を行う。板波は対称波(対称S群)と斜対称波(斜対
称A群)に分類される(図4参照)。上記対称,斜対称
波は,更に板中の振動の節によってS0,S1,S2,
A0,A1,A2などのモードに分類できる(図5参
照)。また板波の音速は,板波の周波数fと板厚dの積
fdの関数となる。fdと音速の関係を各モード毎にグ
ラフ化したのが図6である。このグラフから,S0モー
ドは他のモードに比べてfd変化による速度変化が小さ
いことが分かる。特にfd<1(MHz・mm)では,
fd変化によらず一定と見なせる。そのため,S0モー
ドの板波を用いることによって板厚変化(ムラ)に影響
を受けない音速測定が可能となる。本実施の形態による
送受信プローブでは,被験材13上の各位置で図3に示
すようなローレンツ力が働く。この時,板厚d,バース
ト波の周波数f,メアンダピッチL,fdで決まるS0
モードの音速Vとすると, V=fL を満たすf,Lを設定することで,メアンダピッチLを
波長λとするS0モード板波が発生する。また,上記メ
アンダコイル15の折り返し数nを大きくすると,コイ
ルの各辺で発生した板波が干渉し,S0モードのみが強
く発生することになり,感度が向上する。こうして送信
プローブ1直下で発生したS0モード板波は,受信プロ
ーブ2直下まで伝播し,発生と逆の原理によって受信側
メアンダコイル15に電流を誘起する。この誘起電流を
超音波信号として検出する。以上説明した送信プローブ
1及び受信プローブ2が4対,図1に示すように被験材
13上に配置される。各送受信プローブ対は,送信プロ
ーブ1と受信プローブ2が同一距離となるように,更に
各送信プローブ1と受信プローブ2を結ぶ直線が同一点
で交差するように配置される。各送受信プローブ対は,
圧延方向を0°として,0゜,90゜,及び±45°方
向に配置される。
【0011】続いて,図1を用いて,本実施の形態に係
る耳率測定装置の処理手順を説明する。まず,超音波板
波の音速測定方向(伝播方向)を決定し,チャンネル切
り替え信号発生器3から信号が出力される。この信号に
より送信側チャンネル切り替え器7,及び受信側チャン
ネル切り替え器8が作動し,対象となる送受信プローブ
対が選択される。同時に上記信号によって耳率算出器1
1に測定方向が指示され,またトリガ信号発生器4から
トリガ信号が出力される。上記トリガ信号を受けたバー
スト波発振器5は,所定の周波数のバースト波電流を出
力し,電力増幅器6で増幅される。上記増幅されたバー
スト波電流は,送信側チャンネル切り替え器7で選択さ
れた送信プローブ1に印加され,上述した原理によって
被験材13にS0モード板波を送信する。被験材13を
伝播した板波は,受信側チャンネル切り替え器8で選択
された受信プローブ2でバースト電流として検出され,
高周波増幅器9で増幅された後,波形検出器10に出力
される。波形検出器10では,トリガ信号発生器4から
のトリガ信号を基準時間として検出波形をA/D変換に
よってサンプリングし,予め記憶してある基準波形との
相互相関演算を実行し,その最大値を与える遅延時間T
を算出する。(以上の手順で使用した各装置が伝播時間
測定手段にあたる) ここで,上記基準波形とは,例えば次のようにして検出
した波形である。まず,被験材と同一板厚の基準板を用
意する。どれか1つの送受信プローブ対を選択し,その
板波伝播方向が基準板の圧延方向と一致するように基準
板を設置する。この状態で取り込まれた板波波形を,こ
の送受信プローブの基準波形とする。この作業を全ての
送受信プローブ対に対して行い,各送受信プローブ対の
基準波形として4波形を記憶する。こうして記憶された
各送受信プローブ対の基準波形を,上記相互相関演算時
に使用する。
【0012】こうして,上記相互相関演算によって,サ
ンプリング時間△t毎の相関値が得られるが,上記△t
毎の相関値からそのまま上記遅延時間Tを求めると,そ
れは△tの分解能しか得られないことになる。しかし,
実際の耳率変化に対応する遅延時間変化(音速変化)は
僅かである。例えば,0.3mm厚のアルミ冷延板の場
合,耳率1%の変化に対応する遅延時間の変化は,伝播
距離55mmとして,10〜20nsec程度である。
50MHzのA/D変換を行う場合の上記分解能は20
nsecであるため,この場合1%単位の耳率しか得ら
れないことになる。そこで,測定分解能を上げるため
に,板波周波数を高周波にすると共に,信号検出装置の
精度を上げることが考えられる。電磁超音波法による板
波周波数の高周波化には,励起信号の高周波化と送信コ
イルの小型化(メアンダピッチを狭くする)が必要とな
る。しかしこの場合,装置費用が高価になり,またコイ
ル製作が困難になる等の問題が生ずる。また,高周波に
見合った高速なA/D変換装置が必要となり,ここでも
装置費用が高価になってしまう。そこで,図7に示すよ
うに,基準波形と測定波形の相互相関演算を行い,最大
値を与える遅延時間を関数近似によって求めることで,
低価格の装置で実現可能な比較的低周波の板波を用い
て,伝播時間の変化を高精度でしかも安定して測定する
ことが可能である。
【0013】以上説明した処理を,チャンネル設定を変
更することによって上記4方向全ての伝播方向について
行う。耳率算出器11(特徴量演算手段及び耳率算出手
段にあたる)では,各チャンネル,つまり各伝播方向の
遅延時間Tn(n=1〜4)を用い,次式によって評価
値Zを計算する。 Z=K{(TA +TB )−(T+45 +T-45 )} ‥‥‥‥ (1) (ここに, K:定数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
間 T+45 ,T-45 :それぞれ上記+45゜,−45゜方向
の伝播時間) 伝播時間そのものには,耳率変化とは関係のない等方性
のランダム組織による伝播時間が含まれているため,伝
播時間の絶対値そのものは耳率とは相関関係はない。し
たがって上記(1)式によって,ランダム組織に起因す
る伝播時間分を相殺している。更に,±45°方向の遅
延時間を加算することによって,送受信プローブの設置
誤差による遅延時間の誤差を打ち消しているが,これら
についての詳細は後述する。上記評価値Zを,予め耳率
が既知の標準試料によって作成した評価値Zと耳率の対
応テーブルに当てはめることによって耳率推定値を求
め,表示器12にて表示する。
【0014】次に,実際に上記耳率測定装置を使用した
測定例について説明する。試験材13として,板厚0,
28〜0.32mmのアルミ冷延板を用いる。メアンダ
ピッチ4mm,送受信プローブの間隔55mmとし,圧
延方向を基準として10°ピッチで伝播方向を順次変え
ながら遅延時間を測定した結果が図8である。耳率の異
なる3種類の被験材について測定している。この測定で
は,相互相関演算を行う際の基準波形として,各被験材
の圧延方向の測定波形を用いている。したがって圧延方
向を伝播方向としたときの遅延時間が全て0(nse
c)となっている。3つのグラフを比較すると,同一伝
播方向における各被験材間の遅延時間の差を見ると,伝
播方向が45°付近で最も差が大きくなっており,耳率
変化に伴う遅延時間の変化がこの45°付近の遅延時間
に顕著に現れているのが分かる。したがって,圧延方向
を基準として45°方向の遅延時間を用いることによっ
て,最も感度よく音速異方性の変化を検出できる。な
お,上記遅延時間を求めるにあたって,基準波形として
3種類の被験材に同一の波形を用いると,図8のグラフ
の形状は変わらないものの,数nsec程度の範囲で各
グラフが上下にシフトする。これは,図8は圧延方向を
基準とした板波伝播時間の相対的変化を示しているが,
伝播時間の絶対値(或いは平均値)は各被験材毎に異な
っていることを示している。後述するように,耳率測定
に必要なのは伝播時間の相対的変化であり,伝播時間の
絶対値或いは平均値は耳率とは相関関係はない。また,
上記と同じ,メアンダピッチ4mm,送受信プローブの
間隔55mmの条件で,複数の被験材で4方向の伝播方
向における遅延時間を測定し,上記(1)式を用いて評
価値Zを求めた結果が図9である。横軸には上記従来技
術1の方法によって求めた耳率をとっている。明確な相
関関係が見られ,この関係をテーブルにすることで,評
価値Zから耳率を推定することができる。なお,図9に
おける各値のバラツキは,上記従来技術1による耳率測
定の誤差が原因と考えられる。同一サンプルで複数回測
定した結果,評価値Zの繰り返し誤差は±4nsec程
度,耳率の誤差が±1.5%程度であり,上記各値のバ
ラツキは,上記従来技術1による耳率測定の誤差が原因
と考えるのが妥当である。
【0015】次に,送受信プローブの設置誤差(設置角
度のズレ)の影響を考える。図9の結果から,耳率1%
の変化が,評価値Zでは25nsec程度の変化として
検出される。図8から送受信プローブの設置角度のズレ
1°による遅延時間の測定値変化量を見てみると,圧延
方向(0°),板幅方向(90°)では,その点が極値
点となっているためほぼ0であり,45°方向付近では
1.5nsec程度である。仮に送受信プローブの設置
角度が圧延方向から5°ずれていたとすると,伝播方向
45°での遅延時間変化は7.5nsecとなり,これ
を図9を用いて単純に耳率換算すると,およそ0.3%
になる。しかし,±45°を測定することにより,送受
信プローブの設置角度ズレによる遅延時間の変化を互い
に打ち消しあい,上記評価値Zは殆ど変化しない。例え
ば,図8の耳率+4.7(%)のグラフにおいて,45
°方向の遅延時間は約42nsecとなるが,送受信プ
ローブの設置角度が圧延方向から−5°ずれていたとす
ると,実際の50°方向の遅延時間を測定するため,+
45°方向の遅延時間は約36nsecと測定してしま
う。しかし,上記グラフは圧延方向に対して対称である
ため,この場合−45°方向の遅延時間は実際の−40
°方向の遅延時間,つまり約47nsecと測定するた
め,結果的に上記評価値Zは殆ど変化しない。したがっ
て,±45°を測定することにより,送受信プローブの
設置誤差がある場合の耳率測定精度を向上することがで
きる。また,図9で用いた被験材に対して,従来技術4
で提案されている3方向伝播時間の音速平均と耳率の関
係を調べると,図10のようになる。このように音速平
均と耳率とは単純な相関関係にないことがわかる。
【0016】以上説明した耳率測定装置において,更
に,被験材の温度変化による耳率測定精度の劣化を防止
するための方法について説明する。例として,冷間圧延
直後のアルミ板での耳率測定を考える。冷間圧延直後の
アルミ板の温度は100〜200°C程度まで上昇して
おり,それが時間と共に室温まで低下していく。材料中
の音速は温度の関数でもあるため,材料温度の低下と共
に音速も変化する。本実施の形態のように送受信プロー
ブを順次切り換えて各方向の板波伝播時間(遅延時間)
を測定する場合,上記のような急激な材料温度変化時に
測定を行うと,測定される各遅延時間には耳率による変
化分と材料温度による変化分が含まれることになり,こ
れが耳率測定精度の劣化を引き起こす原因となる。以下
に,温度変化が耳率測定精度に与える影響の度合いを示
す。例えば,アルミ棒中音速の場合では,195°C→
−1°Cの温度変化で,音速は4974m/s→507
1m/s,つまり−2.4%程度変化する(超音波探傷
法,日刊工業新聞社)。また,50°C→室温(約30
°C)に対する音速変化の実測値は0.2%程度であっ
た。通常のアルミ冷延板が示す圧延面内の音速異方性が
0.6%程度,耳率差1%に相当する音速変化量が0.
1%程度であることを考えると,実際にあり得る温度変
化が,耳率測定値に無視できない程度の影響を与えるこ
とが予想される。
【0017】そこで,以上のような被験材の温度変化に
よる耳率測定精度の劣化を防止するため,各方向の板波
伝播時間の測定順序,及びその測定時間間隔を以下のよ
うにする。 (1)各方向の板波伝播時間の測定順序を, 0°又は90°方向 −45°又は45°方向 −45°又は45°方向の残り方向 0°又は90°方向の残り方向 あるいは, −45°又は45°方向 0°又は90°方向 0°又は90°方向の残り方向 −45°又は45°方向の残り方向 とする。 (2)上記各方向の測定時間間隔を等間隔とする。以上
の方法による効果を説明する。簡単のため,材料温度の
低下速度を一定と考え,温度変化による音速変化も一定
と考えると,上記のように等間隔で測定される遅延時間
に含まれる変化分のうち,温度変化によるものは,上記
番目の測定を0sec,番目をδsec,番目を
2δsec,番目を3δsecとおくことができる。
そこで,上記(1)式を用いて特徴量Zを求める際,温
度変化による変化分は, (0+3δ)−(δ+2δ)=0 となり,温度変化による遅延時間の変化分は相殺され
る。したがって,各方向の板波伝播時間の測定順序,及
びその測定時間間隔を上記のようにすることで,被験材
の温度変化による耳率測定精度の劣化を防止することが
できる。
【0018】以上説明したように,本実施の形態に係る
金属薄板の耳率測定装置では,板波伝播時間の変化を測
定することにより,非破壊で耳率を測定することができ
る。使用する板波は,S0モードに限定しているため,
波形分離は不要であり,また発生装置が単純化できる。
また,板波によって被験材の広い領域を伝播経路として
いるため,局所的な組織変化による影響の少ない,平均
的な耳率を得ることができる。また,板波音速は,実際
の金属薄板の板厚変動である10μm程度ではほぼ一定
と考えてよく,板厚変動の影響をほとんど受けない耳率
測定が可能である。また,板波伝播方向として,圧延方
向,板幅方向以外に,耳率変化に伴う伝播時間の変化が
最も顕著に現れる45°方向を測定し,更に±両方向を
測定することによって,送受信プローブの設置誤差の影
響を低減し,感度よく耳率測定を行うことが可能とな
る。更に,評価値Zを求める上記(1)式では,耳率と
関係のないランダム組織に起因する伝播時間分を相殺
し,耳率測定に必要な伝播時間の相対的変化によって耳
率を測定することができる。
【0019】
【実施例】上記実施の形態では,各測定方向に対して一
対の送受信プローブを設置し,チャンネル切り替えによ
って各送受信プローブを切り替えて測定しているが,一
対の送受信プローブのみを用い,チャンネル切り替え器
によって上記送受信プローブの設置角度を変更できるよ
うにしてもよい。また,送受信プローブの磁石とメアン
ダコイルの構成は,被験材がアルミ板のように非磁性体
の場合,磁石とメアンダコイルによって被験材をはさむ
配置であってもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によって,
高価な測定装置を用いることなく,非破壊で,板厚ムラ
や測定装置の設置誤差等の影響を受けにくく,常に安定
した高精度の測定結果を得ることが可能な金属薄板の耳
率測定方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る金属薄板の耳率測
定装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の実施の形態に係る金属薄板の耳率測
定装置の送受信プローブの平面図,及び正面図。
【図3】 上記送信プローブによる超音波板波発生原理
を示す模式図。
【図4】 板波のモードを示す図。
【図5】 板波の変位分布を示す図。
【図6】 板波の周波数×板厚と音速の関係を示す図。
【図7】 相互相関演算と関数近似による伝播時間の算
出方法を示す図。
【図8】 音速異方性の測定結果の例を示す図。
【図9】 耳率の評価結果を示す図。
【図10】 上記図9において,評価値として4方向の
平均遅延時間を採用した結果を示す図。
【図11】 従来技術1に係る耳率測定装置を示す図。
【図12】 従来技術2に係る耳率測定装置を示す図。
【図13】 従来技術3に係る耳率測定装置を示す図。
【図14】 従来技術4に係る耳率測定装置を示す図。
【符号の説明】
1…送信プローブ 2…受信プローブ 3…チャンネル切り替え信号発生器 4…トリガ信号発生器 5…バースト波発振器 6…電力増幅器 7…送信側チャンネル切り替え器 8…受信側チャンネル切り替え器 9…高周波増幅器 10…波形検出器 11…耳率算出器 12…表示器 13…被験材 14…磁石 15…メアンダコイル

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波板波が金属薄板の面内を,圧延方
    向を0゜として,0゜,90゜,及びθ(ただし,0゜
    <θ<90゜)の方向に所定の距離だけ伝播した時の伝
    播時間をそれぞれ測定し,上記各測定方向の伝播時間の
    変化分から,板面内の音速の変化分を表す所定の特徴量
    を演算し,予め標準試料を用いて求められた特徴量と耳
    率との関係に上記演算された特徴量を当てはめて上記金
    属薄板の耳率を求めることを特徴とする金属薄板の耳率
    測定方法。
  2. 【請求項2】 上記伝播時間の測定に,S0モードの超
    音波板波を用いてなる請求項1記載の金属薄板の耳率測
    定方法。
  3. 【請求項3】 上記θについてプラス方向,及びマイナ
    ス方向の伝播時間を測定する請求項1及び2記載の金属
    薄板の耳率測定方法。
  4. 【請求項4】 上記特徴量(Z)が, Z=K{n(TA +TB )−2T1 − … −2Tn } (ここに, K:定数 n:上記θ方向の伝播時間測定数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
    間 Tn :n番目のθ方向の伝播時間) である請求項1又は2記載の金属薄板の耳率測定方法。
  5. 【請求項5】 上記特徴量(Z)が, Z=K{n(TA +TB )−(T+1+T-1)− … −(T+n+T-n)} (ここに, K:定数 n:上記±θ方向の伝播時間測定組数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
    間 T+ ,T- :それぞれ上記+θ,−θ方向の伝播時間) である請求項3記載の金属薄板の耳率測定方法。
  6. 【請求項6】 上記伝播時間の変化分に含まれる温度変
    化による変化分が上記特徴量の演算において相殺される
    ように,上記各方向の伝播時間の測定順序,及び測定時
    間間隔を設定してなる請求項1〜5のいずれかに記載の
    金属薄板の耳率測定方法。
  7. 【請求項7】 上記θが45゜で,上記特徴量(Z)
    が, Z=K{(TA +TB )−(T+45 +T-45 )} (ここに, K:定数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
    間 T+45 ,T-45 :それぞれ上記+45゜,−45゜方向
    の伝播時間) である請求項3記載の金属薄板の耳率測定方法。
  8. 【請求項8】 上記伝播時間の変化分に含まれる温度変
    化による変化分が上記特徴量の演算において相殺される
    ように,上記各方向の伝播時間の測定順序を,(1)0
    °又は90°方向(2)−45°又は45°方向(3)
    −45°又は45°の残り方向(4)0°又は90°の
    残り方向,或いは,(1)−45°又は45°方向
    (2)0°又は90°方向(3)0°又は90°の残り
    方向(4)−45°又は45°の残り方向とし,上記各
    方向の伝播時間の測定時間間隔を等間隔とする請求項7
    記載の金属薄板の耳率測定方法。
  9. 【請求項9】 上記伝播時間の測定方法が,上記各伝播
    方向に伝播する超音波板波の波形を検出し,該波形と,
    予め基準試料を用いて検出した基準波形とを用いて相互
    相関演算を行い,該演算結果を関数近似して,最大相関
    値を与える遅延時間を求め,該遅延時間を上記伝播時間
    として用いてなる請求項1〜8のいずれかに記載の金属
    薄板の耳率測定方法。
  10. 【請求項10】 超音波板波が金属薄板の面内を,圧延
    方向を0゜として,0゜,90゜,及びθ(ただし,0
    ゜<θ<90゜)の方向に所定の距離だけ伝播した時の
    伝播時間をそれぞれ測定する伝播時間測定手段と,上記
    各測定方向の伝播時間の変化分から,板面内の音速の変
    化分を表す所定の特徴量を演算する特徴量演算手段と,
    予め標準試料を用いて求められた特徴量と耳率との関係
    に上記演算された特徴量を当てはめて上記金属薄板の耳
    率を求める耳率算出手段とを具備してなることを特徴と
    する金属薄板の耳率測定装置。
  11. 【請求項11】 上記θが45゜で,上記特徴量(Z)
    が, Z=K{(TA +TB )−(T+45 +T-45 )} (ここに, K:定数 TA ,TB :それぞれ上記0゜,90゜の方向の伝播時
    間 T+45 ,T-45 :それぞれ上記+45゜,−45゜方向
    の伝播時間) である請求項10記載の金属薄板の耳率測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184079A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Olympus Corp 超音波プローブ及び超音波処置装置、並びに、それらの製造方法

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