JP2792286B2 - 被検体の弾性定数測定法 - Google Patents

被検体の弾性定数測定法

Info

Publication number
JP2792286B2
JP2792286B2 JP3295746A JP29574691A JP2792286B2 JP 2792286 B2 JP2792286 B2 JP 2792286B2 JP 3295746 A JP3295746 A JP 3295746A JP 29574691 A JP29574691 A JP 29574691A JP 2792286 B2 JP2792286 B2 JP 2792286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
velocity
mode
phase
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3295746A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05133861A (ja
Inventor
幸理 飯塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Ltd
Priority to JP3295746A priority Critical patent/JP2792286B2/ja
Publication of JPH05133861A publication Critical patent/JPH05133861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2792286B2 publication Critical patent/JP2792286B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の薄板(以下、被
検体と総称する)中を伝搬する超音波からヤング率やポ
アソン比などの弾性定数を求める被検体の弾性定数測定
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧延鋼板製造ラインを移動する
圧延鋼板その他の種々の薄板などの被検体の弾性定数を
測定する方法としては、一般に弾性波動である超音波を
用いて測定する方法が代表的な方法であるとされてい
る。
【0003】以上のような被検体のうち、等方性を有す
る被検体の場合、そのヤング率Eおよびポアソン比σは
縦波音速CL、横波音速CSおよび密度ρなどを用いて次の
ような演算式で求めることができる。 E=μ(3λ+2μ)/(λ+μ) ……(1) σ=λ/{2(λ+μ)} ……(2) 但し、λ=ρCL2 −2ρCS2 、μ=ρCS2 である。
【0004】なお、ここで,等方性を示す物体とは測定
された弾性的性質に何ら方向依存性をもたない物体をい
う。無秩序に配向された多くの微結晶の集合体は等方的
であると言える。
【0005】ところで、この方法で適用対象となる薄板
被検体内部を伝搬する超音波は板波と呼ばれている。こ
の板波音速には、超音波の入射角によって決まる位相速
度と実際に被検体内部を伝搬する実速度である群速度と
の2種類が上げられる。この板波(超音波)は被検体内
で速度分散性をもって伝搬する性質があり、伝搬速度,
群速度とともに周波数によって異なるものである。速度
分散性とは、ある板厚、ある位相速度およびある周波数
のとき、伝搬する性質をもっていることをいう。例えば
位相速度を例にとってみると、この位相速度と周波数と
板厚とは一定の関係を満たしている。すなわち、板波は
ある板厚である位相速度のとき、ある周波数でしか伝搬
しないという特徴をもっている。
【0006】図4はかかる関係を表す位相速度曲線を示
す図であって、その横軸は板厚dと周波数fとの積(以
下、fd値と呼ぶ)、縦軸は位相速度を示している。こ
の図4は、位相速度曲線を示しているが、速度分散性を
有する板波はかかる曲線近傍で伝搬する。図中,S0,S1,
S2, …は超音波による被検体の変位が厚み方向に非対称
である非対称モードであってそれぞれ0次,1次,2
次,…モードであり、一方、A0,A1,A2, は超音波による
被検体の変位が対象である対称モードであってそれぞれ
0次,1次,2次,…モードとなっている。
【0007】しかして、以上のような位相速度曲線は、
下記の式を満足する条件を求めることによって決定でき
る。ここで、下記(3)式は非対称モード、(4)式は
対象モードである。 tan(K1b )/tan(K2b ) =−(KP2 −K22 2 /(4KP2 K1K2)…(3) tan(K1b )/tan(K2b ) =−(4KP2 K1K2)/(KP2 −K22 2 …(4) 但し、K1={(ω/CL)2 −(ω/CP)2 1/2 K2={(ω/CS)2 −(ω/CP)2 1/2 ω=2πf(ω:角周波数,f:周波数) b=d/2(d:板厚) KP=ω/CP CP:位相速度,CL:縦波音速,CS:横波音速である。
【0008】従って、板波の位相速度CP、板波の周波数
f、板厚dが既知であれば、これら(3)式および
(4)式を満足するように前記縦波音速CL、横波音速CS
を求めた後、この縦波音速CL、横波音速CSを用いて前記
(1)式,(2)式より弾性定数を求めることができ
る。
【0009】ところで、この種の板波の速度分散性超音
波を励起検出する場合、図3に示すような原理構成の装
置が採用されている。同図において、1aは超音波励起
用探触子、1bは超音波検出用探触子、2a,2bはく
さび、3は被検体、4は発振器、5は電圧計、6は接触
媒質である。これら超音波励起用探触子1aによる超音
波入射角と超音波検出用探触子1bの超音波受信角とは
同じθiに設定する。さらに、この図は2個の探触子を
使う透過法の原理を示しているが、1個の探触子を用い
る反射法でも原理的には同じである。ここで、接触式超
音波探触子を用いたものは、位相速度と超音波の入射角
とは一定の関係,つまり下記の(5)式で表すような関
係をもっている。 CP=CW/sinθi ……(5) 但し、CWはくさび2a,2bの音速を表す。従って、上
式から超音波の周波数と入射角との関係を求めることに
より、fd値と位相速度の関係を求めることができる。
なお、板厚dは予め求めておく。
【0010】そこで、従来、かかる原理構成を用いてf
d値と位相速度との関係を求める方法として、次の2つ
の方法を見い出した特許出願が提案されている(特公昭
63−29220号公報)。
【0011】その第1の方法は、超音波の周波数を一定
にした状態で超音波の入射角を可変とする方法である。
具体的には、発振器4の周波数を一定とした状態で超音
波の入射角を可変しながら超音波を被検体3に入射し、
このとき被検体3内部を伝搬してくる板波速度分散性超
音波の強度を電圧計5で観察し、検出強度が最大となる
入射角から位相速度を計算し、周波数と位相速度との関
係を求める方法である。
【0012】次に、第2の方法は、第1の方法と全く逆
の方法であって、超音波の入射角を一定にした状態で周
波数を可変する方法である。この方法は、超音波の入射
角を一定とした状態で発振器4の周波数を可変しながら
超音波を被検体3に入射し、このとき被検体3内部を伝
搬してくる板波速度分散性超音波の強度を電圧計5で観
察し、検出強度が最大となる周波数を求める方法であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような2つの測定法は、測定に際してどの板波モードを
選択すればよいのか不明であこと、また、位相速度,周
波数,板厚から縦波音速および横波音速を求めることが
明確化されておらず、被検体の弾性定数を測定するに際
し未だ実用の域に達していないものである。
【0014】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、板波モードを適切に選択しつつその位相速度,周波
数などから縦波音速および横波音速を正確に求め、ひい
ては被検体の弾性定数を高精度に求め得る被検体の弾性
定数測定法を提供することを目的とする。
【0015】
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項に対応する発明
は、被検体を伝搬する板波超音波A1モードの位相速度
および周波数と適宜な縦波音速初期値とから1次近似横
波音速を求めた後、この1次近似横波音速と板波超音波
S1モードの位相速度および周波数とから1次近似縦波
音速を求め、さらに前記板波超音波A1モードの位相速
度および周波数と前記1次近似縦波音速とから2次近似
横波音速を求め、この2次近似横波音速と前記板波超音
波S1モードの位相速度および周波数とから2次近似縦
波音速を求め、以降,順次次数を上げながら横波音速お
よび縦波音速が収束するまで同様の処理を繰り返し、こ
の収束して得られた横波音速および縦波音速から被検体
の弾性定数を求める被検体の弾性定数測定法である。
【0017】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、測定に際して、被検体を伝
搬する板波超音波の位相速度曲線の特性変化に着目して
A1モードとS1モードを適切に選択することができ、
A1モードおよびS1モードの位相速度および周波数を
各々求めることにより、それらの値を用いて正確に横波
音速および縦波音速を算出することが可能となる。よっ
て、ここで正確に求められた横波音速および縦波音速な
どを用いて前記(1)式および(2)式に基づいて被検
体の弾性定数を高精度に求めることができる。
【0018】
【実施例】以下、被検体の弾性定数測定法の実施例につ
いて説明する。
【0019】先ず、本発明者において前記(3)式およ
び(4)式によって求められる図4に示す位相速度曲線
について詳細に検討し、かつ、繰り返し実験を行った結
果、次のようなことを見い出すに至った。
【0020】すなわち、薄板を伝搬する板波超音波A1
モードの位相速度曲線に関し、横波音速を変化させたと
き、当該横波音速の変化に伴ってA1モードの位相速度
曲線が大きく変化するが、縦波音速を変化させた場合に
はその位相速度曲線は殆んど変化しない。このことは、
横波音速を測定するに際し、A1モードを選択し、当該
A1モードの位相速度と周波数を求めれば、横波音速を
精度よく求めることが可能である。
【0021】一方、薄板を伝搬する板波超音波S1モー
ドの位相速度曲線に関し、縦波音速を変化させたとき、
当該縦波音速の変化に伴ってS1モードの位相速度曲線
が大きく変化するが、横波音速を変化させた場合にはそ
の位相速度曲線は殆んど変化しない。ゆえに、縦波音速
を測定するに際し、S1モードを選択し、当該S1モー
ドの位相速度と周波数を求めれば、縦波音速を精度よく
求めることができる。従って、以上のようにして求めた
横波音速と縦波音速とを用いれば、薄板の弾性定数を正
確に求めることができる。
【0022】因みに、図1は縦波音速を5%ずつ変化さ
せながら計算により求めた位相速度曲線の図であり、図
2は横波音速を5%ずつ変化させながら計算により求め
た位相速度曲線の図である。
【0023】これらの図のうち、図1から明らかなよう
に、A1モードは縦波音速を変化させてもあまり変化し
ないが、S1モードの位相速度が速い部分では縦波音速
が変化させるとその変化に応じて大きく変化しているこ
とが分かる。それに対し、図2では、A1モードは横波
音速が変化すると大きく変化するが、S1モードは位相
速度が速い部分では横波音速が変化してもあまり変化し
ない。このことは、A1モードの測定は横波音速の決定
に適しており、S1モードでは位相速度の速い部分の測
定が縦波音速の決定に適していることが理解できる。
【0024】このS1モードの位相速度の速い範囲は縦
波音速より速い範囲である。実際に、被検体の弾性定数
を測定する場合、おおよその縦波音速は容易に知り得る
ので、S1モードで測定する位相速度の範囲を知ること
ができる。
【0025】次に、横波音速,縦波音速を演算によって
求める例について説明する。先ず、前記(3)式,
(4)式は位相速度CP、板波周波数f、板厚d、縦波音
速CL、横波音速CSの5つの変数から成り立っている。そ
のうち、位相速度CP、板波周波数fは板波の測定で求め
ることができ、また板厚dは厚さ計などで求めることが
できる。従って、変数は縦波音速CLと横波音速CSだけと
なる。
【0026】そこで、初めに、A1モードの位相速度CP
a と周波数faとを測定する。板厚dは予め厚さ計などを
用いて測定する。そして、得られたCPa ,fa,dは予め
メモリなどに保存しておく。このA1モードは、縦波音
速が変化しても殆んど変化しないことを利用すると、縦
波音速CLには適宜な縦波音速初期値を定め、同様にメモ
リなどに保存する。
【0027】しかる後、前記各測定値CPa ,fa,d,縦
波音速初期値などを用いて前記(4)式が成り立つよう
に横波音速を数値計算により探すことにより、横波音速
を求めることができ、この横波音速を1次近似横波音速
とする。
【0028】次に、S1モードの位相速度CPs 、周波数
fsを測定し、既に求めた1次近似横波音速を用いて
(4)式が成立するように縦波音速を数値計算により探
すことにより、縦波音速を求めることができる。この縦
波音速を1次近似縦波音速とする。この1次近似縦波音
速は適当な値である初期値に比べてより真値に近い。
【0029】さらに、1次近似縦波音速とA1モードと
のCPa ,faから前記(4)式を用いて横波音速を求め、
これを2次近似横波音速とする。この2次近似横波音速
は、1次近似横波音速に比べると縦波音速により正確な
値を用いているので、より正確に値となる。さらに、2
次近似横波音速とS1モードとのCPs,fsから前記(3)
式を用いて縦波音速を求め、これを2次近似縦波音速と
する。このようにして順次高次の演算処理を繰り返して
いくと、横波音速,縦波音速は一定の値に収束し、正確
な値を求めることができる。
【0030】次に、本発明方法を用いて厚さ1mmのアル
ミニウム板の弾性定数を求める具体例について説明す
る。なお、かかる弾性定数の測定に関しては、図3の装
置を用いて板波の位相速度と周波数とを求めるものとす
る。この図において1aは超音波励起用探触子、1bは
超音波検出用探触子、2a,2bはくさび、3は被検
体、4は発振器、5は電圧計、6は接触媒質である。
【0031】従って、以上のような構成であれば、発振
器4から連続的な正弦波を発生して超音波励起用探触子
1aに供給する。この探触子1aはその正弦波周波数の
超音波を発振するが、この超音波はくさび2aおよび接
触媒質6を介して被検体3に伝達される。この被検体3
内部では超音波が板波として伝搬し、接触媒質6および
くさび2bを通って超音波検出用探触子1bに到達す
る。そして、当該探触子1bにおいて受波された超音波
が電気信号に変換され、その変換された超音波受信強度
が電圧計5に測定される。
【0032】ここで、各モードの位相速度および周波数
は次のようにして決定する。先ず、位相速度は前記
(5)式を用いてくさびの角度から求めることができ、
また周波数については、くさびの角度を一定とし、か
つ、発振器4の周波数を可変しながら被検体伝搬の板波
の強度を電圧計5で観察し、その最大強度時の周波数を
もって板波周波数として求めることが可能である。
【0033】さて、第1の具体的な実施例として、例え
ばくさびの角度θi を20°としたときのA1モードと
S1モードとの測定例について述べる。今、くさびの音
速CWを2453m/sとすると、前記(5)式にくさび
の音速CWを適用すれば位相速度CPa,CPs は7172m/
sとなる。一方、前述の方法から電圧計5の強度最大時
の板波周波数を求めており、このときのA1モードの周
波数faを2.42MHz、SIモードの周波数fsは3.
15MHzである。
【0034】従って、この値を用いて縦波音速CL、横波
音速CSを求めることができる。先ず、縦波音速の初期値
を6000m/sとする。この値の根拠は、一般にアル
ミニウムの縦波音速は6000m/s近傍だからであ
る。そこで、この縦波音速初期値を利用し、d=1mm、
CP=7172m/s、CL=6000m/s、f=2.4
2MHzの条件の下に、前記(4)式を満足させるよう
に横波音速を求めると、3169.691m/sとな
る。この値が1次近似横波音速である。
【0035】次に、この値を利用し、d=1mm、CP=7
172m/s、CS=3169.691m/s、f=3.
15MHzの条件の下に、前記(3)式を満足するよう
に縦波音速を求めると、6398.465m/sとな
る。この値が1次近似縦波音速である。さらに、かかる
値を利用し、d=1mm、CP=7172m/s、CL=63
98.465m/s、f=2.42MHzの条件の下
に、前記(4)式を満足するように横波音速を求める
と、3147.341m/sとなる。以後、同様に得ら
れる縦波音速、横波音速を計算していくと、表1に示す
ように一定の値に収束する。
【0036】
【表1】
【0037】そして、以上のようにして得られた値を基
づいて作成した位相速度曲線が図4に示すものである。
図中,点1はA1モードの測定点、点2はS1モードの
測定点である。実線は、縦波音速、横波音速の収束値か
ら求めた位相速度計算値である。測定点と計算値とは一
致しており、本発明方法によって被検体の縦波音速およ
び横波音速が求められることを確認できる。
【0038】次に、第2の具体的な実施例として、例え
ばくさびの角度θi を29°としたときのA1モードを
測定し、第1の具体的な実施例で測定したS1モードを
使用した場合について説明する。この場合、位相速度CP
a は5060m/s、cps は7172m/sである。ま
た、A1モード板波の周波数はfaは3.89MHzであ
った、そこで、これらの値から縦波音速CL、横波音速CS
を求めるものとすると、縦波音速初期値を6000m/
sとし、d=1mm、CP=5060m/s、CL=6000
m/s、f=3.89MHzの条件の下に、前記(4)
式が成り立つ横波音速を求めると、3150.701m
/sとなる。次に、この値を利用し、d=1mm、CP=7
172m/s、CS=3150.701m/s、f=3.
15MHzの条件の下に、前記(3)式が成立する縦波
音速を求めると、6418.013m/sとなる。以
後、第1の実施例と同様に計算を進めると、次の表2の
ように一定の値に収束した。
【0039】
【表2】
【0040】従って、ここで得られた横波音速,縦波音
速は第1の実施例で求めた値とほぼ等しく、第2の実施
例のようにA1モードとS1モードの位相速度が異なっ
ていても、被検体の縦波音速および横波音速が求められ
ることを確認できる。
【0041】因みに、以上のようにして得られた音速CL
=6423m/s、CS=3146m/sと密度ρ=26
90kg/m3 とから、ヤング率Eは71.46GPa、
ポアソン比σは0.3422となり、一般に知られる
値,つまりE=70.3GPa、σ=0.345(国立
天文台編 理科年表 1989年)に近い値であり、本
発明方法によって被検体の弾性定数を測定できることが
容易に確かめられた。
【0042】従って、以上のような実施例の方法によれ
ば、薄板を伝搬する板波超音波A1モードの位相速度曲
線に関し、横波音速を変化させたとき、当該横波音速の
変化に伴ってA1モードの位相速度曲線が大きく変化す
るが、縦波音速を変化させた場合にはその位相速度曲線
は殆んど変化しないこと、また板波超音波S1モードの
位相速度曲線に関し、縦波音速を変化させたとき、当該
縦波音速の変化に伴ってS1モードの位相速度曲線が大
きく変化するが、横波音速を変化させた場合にはその位
相速度曲線は殆んど変化しないこという特性を考慮しつ
つ、横波音速の測定時にA1モードを選択し、縦波音速
の測定時にS1モードを選択し、それぞれのA1モード
およびS1モードの位相速度と周波数とを求めれば、前
記(3)式および(4)式から正確に横波音速および縦
波音速を正確に測定でき、さらにこれら横波音速および
縦波音速から前記(1)式および(2)式を用いて高精
度に被検体の弾性定数を求めることができ、ひいては被
検体の異方性を評価するために役立つものである。
【0043】なお、上記実施例では、超音波の励起検出
に接触型の超音波探触子を用いたが、渦電流を利用して
電磁誘導的に超音波を励起検出する電磁超音波法やレー
ザーの熱により被検体に超音波を励起する一方、その励
起超音波を干渉計を用いて検出するレーザー超音波法な
どの非接触超音波計測法を用いても容易に実施できる。
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施できる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、板
波モードを適切に選択しつつそれらモードの位相速度,
周波数などから被検体の縦波音速および横波音速を正確
に求めることができ、さらにこれら被検体の縦波音速お
よび横波音速から高精度に被検体の弾性定数を決定で
き、かつ、被検体の異方性をも評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる弾性定数測定法を説明するた
めに縦波音速を変化させた場合の位相速度曲線図。
【図2】 本発明に係わる弾性定数測定法を説明するた
めに横波音速を変化させた場合の位相速度曲線図。
【図3】 被検体の弾性定数を測定する装置の構成図。
【図4】 板波の測定結果と検算結果との関係を説明す
る図。
【符号の説明】
1a…超音波励起用探触子、1b…超音波検出用探触
子、2a,2b…くさび、3…被検体、4…発振器、5
…電圧計、6…接触媒質。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体を伝搬する板波超音波A1モード
    の位相速度および周波数と適宜な縦波音速初期値とから
    1次近似横波音速を求めた後、この1次近似横波音速と
    板波超音波S1モードの位相速度および周波数とから1
    次近似縦波音速を求め、さらに前記板波超音波A1モー
    ドの位相速度および周波数と前記1次近似縦波音速とか
    ら2次近似横波音速を求め、この2次近似横波音速と前
    記板波超音波S1モードの位相速度および周波数とから
    2次近似縦波音速を求め、以降,順次次数を上げながら
    横波音速および縦波音速が収束するまで同様の処理を繰
    り返し、この収束して得られた横波音速および縦波音速
    から被検体の弾性定数を求めることを特徴とする被検体
    の弾性定数測定法。
JP3295746A 1991-11-12 1991-11-12 被検体の弾性定数測定法 Expired - Lifetime JP2792286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3295746A JP2792286B2 (ja) 1991-11-12 1991-11-12 被検体の弾性定数測定法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3295746A JP2792286B2 (ja) 1991-11-12 1991-11-12 被検体の弾性定数測定法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05133861A JPH05133861A (ja) 1993-05-28
JP2792286B2 true JP2792286B2 (ja) 1998-09-03

Family

ID=17824630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3295746A Expired - Lifetime JP2792286B2 (ja) 1991-11-12 1991-11-12 被検体の弾性定数測定法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2792286B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101650172B1 (ko) * 2015-05-13 2016-08-23 한양대학교 산학협력단 종파 및 횡파의 속도 측정 장치 및 방법

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5072789B2 (ja) * 2008-09-19 2012-11-14 新日本製鐵株式会社 レーザ超音波法による材料中の縦波と横波の音速の計測方法及び装置
JP5058109B2 (ja) * 2008-09-19 2012-10-24 新日本製鐵株式会社 レーザ超音波法による材料中の縦波と横波の音速の計測方法及び装置
JP5419677B2 (ja) * 2009-12-24 2014-02-19 新日鐵住金株式会社 ポアソン比の計測方法、及び、計測装置
KR101452441B1 (ko) * 2013-10-23 2014-10-24 한양대학교 산학협력단 레이저 초음파를 이용한 재료의 기계적 거동 측정방법 및 측정장치
CN114428119B (zh) * 2022-01-20 2023-11-21 重庆大学 一种用于反演各向异性特征的复合材料弹性常数的方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5766355A (en) * 1980-10-09 1982-04-22 Kawasaki Steel Corp Method for deciding aggregation organization of steel plate and material property depending upon aggregation organization by means of on-line system
JPS61274256A (ja) * 1985-05-30 1986-12-04 Hitachi Constr Mach Co Ltd 超音波による固体の弾性定数測定方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101650172B1 (ko) * 2015-05-13 2016-08-23 한양대학교 산학협력단 종파 및 횡파의 속도 측정 장치 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05133861A (ja) 1993-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
França et al. All-optical measurement of in-plane and out-of-plane Young's modulus and Poisson's ratio in silicon wafers by means of vibration modes
Clorennec et al. Local and noncontact measurements of bulk acoustic wave velocities in thin isotropic plates and shells using zero group velocity Lamb modes
Hirao et al. Electromagnetic acoustic resonance and materials characterization
Kawashima Nondestructive characterization of texture and plastic strain ratio of metal sheets with electromagnetic acoustic transducers
Crecraft Ultrasonic measurement of stresses
Nikitina et al. An ultrasonic method for measuring stresses in engineering materials
US5299458A (en) Nondestructive ultrasonic evaluation of formability of metallic sheets
JP2792286B2 (ja) 被検体の弾性定数測定法
JP4795925B2 (ja) 超音波厚さ測定方法および装置
JPS6156450B2 (ja)
Kinra et al. Diffraction of Rayleigh waves in a half‐space. II. Inclined edge crack
Ting et al. Measurement of ultrasonic dispersion by phase comparison of continuous harmonic waves
JP2626361B2 (ja) 超音波の位相速度曲線決定法およびその装置
JP3895865B2 (ja) レーザー超音波法による塑性歪み比を測定する方法及び装置
Lematre et al. Determination of elastic parameters in isotropic plates by using acoustic microscopy measurements and an optimization method
Hirao et al. Resonance acoustoelasticity measurement of stress in thin plates
JP4617540B2 (ja) 超音波特性測定方法、音響異方性測定方法及び音響異方性測定装置
JP2001343366A (ja) 金属薄板の結晶粒測定方法及び装置
JP2004053382A (ja) 薄膜の厚さ測定方法
Murayama Non-destructive evaluation of formability in cold rolled steel sheets using the SH0-mode plate wave by electromagnetic acoustic transducer
Predoi et al. Recent results about Lamb waves reflection at the free edge of an elastic layer
JP3898329B2 (ja) 超音波顕微鏡によるlsaw伝搬特性測定方法
JP3037897B2 (ja) 金属薄板の耳率測定方法
JP4087730B2 (ja) 応力異方性検出方法および応力診断方法
Fernández et al. Elastic constants determination by direct measurement of the beat wavelength between A0 and S0 Lamb modes with pulsed TV holography