JPH10197742A - 光ファイバテープコード分岐部の封止構造及びその形成方法 - Google Patents
光ファイバテープコード分岐部の封止構造及びその形成方法Info
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- JPH10197742A JPH10197742A JP9001515A JP151597A JPH10197742A JP H10197742 A JPH10197742 A JP H10197742A JP 9001515 A JP9001515 A JP 9001515A JP 151597 A JP151597 A JP 151597A JP H10197742 A JPH10197742 A JP H10197742A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 樹脂による封止を確実にするとともに、封止
用の樹脂が光ファイバテープコード及び補強コードに浸
透することを防止した光ファイバテープコード分岐部の
封止構造並びにその形成方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバテープコード１から分岐した
複数の光ファイバ心線４に保護チューブ５、抗張力繊維
３及び外皮６を順次被嵌して形成される分岐部Ａを保護
ケース８内で樹脂封止する封止構造であって、前記分岐
部Ａの周囲が室温で１５０００〜２００００ｃｐｓの粘
度を有する第１の樹脂１２の硬化により封止され、更に
保護ケース８内の前記分岐部Ａ以外の領域が室温で３０
００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２の樹脂１３の
硬化により封止されていることを特徴とする光ファイバ
テープコード分岐部の封止構造。
用の樹脂が光ファイバテープコード及び補強コードに浸
透することを防止した光ファイバテープコード分岐部の
封止構造並びにその形成方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバテープコード１から分岐した
複数の光ファイバ心線４に保護チューブ５、抗張力繊維
３及び外皮６を順次被嵌して形成される分岐部Ａを保護
ケース８内で樹脂封止する封止構造であって、前記分岐
部Ａの周囲が室温で１５０００〜２００００ｃｐｓの粘
度を有する第１の樹脂１２の硬化により封止され、更に
保護ケース８内の前記分岐部Ａ以外の領域が室温で３０
００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２の樹脂１３の
硬化により封止されていることを特徴とする光ファイバ
テープコード分岐部の封止構造。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバテープ
コード分岐部の封止構造及びその形成方法に関する。
コード分岐部の封止構造及びその形成方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】光通信システムに使用される光ファイバ
ケーブルを構成する光ファイバテープコードは、光ファ
イバケーブル同士の接続や他の機器への接続に際して、
図２に示すように、光ファイバテープコード１の外皮２
及び抗張力繊維３を剥がして内部の光ファイバ心線４を
露出し、この露出した各光ファイバ心線４を保護チュー
ブ５内に挿通し、更に光ファイバテープコード１と同様
の抗張力繊維３で包囲し、その外周を外皮６で被覆して
補強コード７とされるとともに、光ファイバ心線４並び
に抗張力繊維３、保護チューブ５が露出して分岐してい
る部分Ａ（以下、分岐部Ａと呼ぶ）を保護ケース８に収
容し、この保護ケース８の内部を樹脂９で充填して封止
される。また、光ファイバテープコード１及び補強コー
ド７と保護ケース８との接合部は、接着剤１０により密
封状態で固定される。尚、補強コード７の端部には図示
は省略される光コネクタ等が接続され、他の機器等との
接続が可能となっている。
ケーブルを構成する光ファイバテープコードは、光ファ
イバケーブル同士の接続や他の機器への接続に際して、
図２に示すように、光ファイバテープコード１の外皮２
及び抗張力繊維３を剥がして内部の光ファイバ心線４を
露出し、この露出した各光ファイバ心線４を保護チュー
ブ５内に挿通し、更に光ファイバテープコード１と同様
の抗張力繊維３で包囲し、その外周を外皮６で被覆して
補強コード７とされるとともに、光ファイバ心線４並び
に抗張力繊維３、保護チューブ５が露出して分岐してい
る部分Ａ（以下、分岐部Ａと呼ぶ）を保護ケース８に収
容し、この保護ケース８の内部を樹脂９で充填して封止
される。また、光ファイバテープコード１及び補強コー
ド７と保護ケース８との接合部は、接着剤１０により密
封状態で固定される。尚、補強コード７の端部には図示
は省略される光コネクタ等が接続され、他の機器等との
接続が可能となっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記した分岐部Ａの封
止に使用される樹脂９は、封止性能の観点から保護ケー
ス８内に隙間無く行き渡り、固化することが望ましい。
しかし、分岐部Ａでは光ファイバ心線４間の間隔が狭
く、樹脂９をその隙間にまで行き渡たせるためには、こ
の樹脂９はある程度流動性が高い、即ち粘度が低いこと
が必要である。そこで、従来より室温での粘度が３００
０〜５０００ｃｐｓ程度の低粘度のエポキシ樹脂を使用
するのが一般的である。ところで、光ファイバ心線３
は、補強コード７を形成するために抗張力繊維３で包囲
されており、分岐部Ａではその一部が露出している。ま
た、光ファイバテープコード１でも、光ファイバ心線４
はその周囲を抗張力繊維３で包囲されて外皮２で被覆さ
れているのが一般的であり、分岐部Ａでは光ファイバテ
ープコード１の端部１１からも抗張力繊維３が露出して
いる。しかし、この抗張力繊維３は、ケプラ−繊維（商
品名；デュポン社製）に代表されるアラミド繊維が一般
的であるが、この抗張力繊維３は封止用樹脂９として代
表的なエポキシ樹脂との親和性が高く、特に樹脂９の粘
度が低い場合には容易に抗張力繊維３を伝わって光ファ
イバテープコード１並びに補強コード７へと浸透する。
その結果、封止用の樹脂９は光ファイバテープコード１
並びに補強コード７の内部で硬化して光ファイバ心線４
を圧迫し、光伝送特性を低下させる。また、耐屈曲、耐
衝撃にも影響が出る。
止に使用される樹脂９は、封止性能の観点から保護ケー
ス８内に隙間無く行き渡り、固化することが望ましい。
しかし、分岐部Ａでは光ファイバ心線４間の間隔が狭
く、樹脂９をその隙間にまで行き渡たせるためには、こ
の樹脂９はある程度流動性が高い、即ち粘度が低いこと
が必要である。そこで、従来より室温での粘度が３００
０〜５０００ｃｐｓ程度の低粘度のエポキシ樹脂を使用
するのが一般的である。ところで、光ファイバ心線３
は、補強コード７を形成するために抗張力繊維３で包囲
されており、分岐部Ａではその一部が露出している。ま
た、光ファイバテープコード１でも、光ファイバ心線４
はその周囲を抗張力繊維３で包囲されて外皮２で被覆さ
れているのが一般的であり、分岐部Ａでは光ファイバテ
ープコード１の端部１１からも抗張力繊維３が露出して
いる。しかし、この抗張力繊維３は、ケプラ−繊維（商
品名；デュポン社製）に代表されるアラミド繊維が一般
的であるが、この抗張力繊維３は封止用樹脂９として代
表的なエポキシ樹脂との親和性が高く、特に樹脂９の粘
度が低い場合には容易に抗張力繊維３を伝わって光ファ
イバテープコード１並びに補強コード７へと浸透する。
その結果、封止用の樹脂９は光ファイバテープコード１
並びに補強コード７の内部で硬化して光ファイバ心線４
を圧迫し、光伝送特性を低下させる。また、耐屈曲、耐
衝撃にも影響が出る。
【０００４】本発明の目的は、樹脂による封止を確実に
するとともに、封止用の樹脂が光ファイバテープコード
及び補強コードに浸透することを防止した光ファイバテ
ープコード分岐部の封止構造並びにその形成方法を提供
することである。
するとともに、封止用の樹脂が光ファイバテープコード
及び補強コードに浸透することを防止した光ファイバテ
ープコード分岐部の封止構造並びにその形成方法を提供
することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る下記封止構造並びに封止構造の形成方法により達成さ
れる。 （１）光ファイバテープコードから分岐した複数の光フ
ァイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外皮を順次
被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹脂封止す
る封止構造であって、前記分岐部の周囲が室温で１５０
００〜２００００ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂の硬
化により封止され、更に保護ケース内の前記分岐部以外
の領域が室温で３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有す
る第２の樹脂の硬化により封止されていることを特徴と
する光ファイバテープコード分岐部の封止構造。 （２）光ファイバテープコードから分岐した複数の光フ
ァイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外皮を順次
被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹脂封止す
る方法であって、前記分岐部の周囲を室温で１５０００
〜２００００ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂により硬
化封止した後、該分岐部を含めて保護ケース内を室温で
３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２の樹脂で
充填して硬化させることを特徴とする光ファイバテープ
コード分岐部の封止構造の形成方法。 （３）光ファイバテープコードから分岐した複数の光フ
ァイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外皮を順次
被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹脂封止す
る方法であって、前記分岐部を保護ケース内に収容した
後、室温で１５０００〜２００００ｃｐｓの粘度を有す
る樹脂を加熱により流動性を高めた状態で保護ケース内
に充填し、硬化させることを特徴とする光ファイバテー
プコード分岐部の封止構造の形成方法。
る下記封止構造並びに封止構造の形成方法により達成さ
れる。 （１）光ファイバテープコードから分岐した複数の光フ
ァイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外皮を順次
被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹脂封止す
る封止構造であって、前記分岐部の周囲が室温で１５０
００〜２００００ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂の硬
化により封止され、更に保護ケース内の前記分岐部以外
の領域が室温で３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有す
る第２の樹脂の硬化により封止されていることを特徴と
する光ファイバテープコード分岐部の封止構造。 （２）光ファイバテープコードから分岐した複数の光フ
ァイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外皮を順次
被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹脂封止す
る方法であって、前記分岐部の周囲を室温で１５０００
〜２００００ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂により硬
化封止した後、該分岐部を含めて保護ケース内を室温で
３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２の樹脂で
充填して硬化させることを特徴とする光ファイバテープ
コード分岐部の封止構造の形成方法。 （３）光ファイバテープコードから分岐した複数の光フ
ァイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外皮を順次
被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹脂封止す
る方法であって、前記分岐部を保護ケース内に収容した
後、室温で１５０００〜２００００ｃｐｓの粘度を有す
る樹脂を加熱により流動性を高めた状態で保護ケース内
に充填し、硬化させることを特徴とする光ファイバテー
プコード分岐部の封止構造の形成方法。
【０００６】本発明によれば、高粘度と低粘度の２種類
の樹脂で封止する構成では、封止用樹脂との親和性が高
い抗張力繊維の周囲を粘度の高い樹脂を用いて封止する
ことにより、樹脂が抗張力繊維を伝わって光ファイバテ
ープコードや補強コードに浸透することを防止するとと
もに、高粘度の樹脂による封止部分の外側領域を含めて
保護ケース内部に粘度の低い（流動性の高い）樹脂を充
填するため、樹脂が保護ケース内部の全体に行き渡た
り、良好な樹脂封止を実現できる。また、高粘度の樹脂
のみで封止する構成では、光ファイバテープコードや補
強コードへの浸透を防止できる利点を享受しつつ、加熱
してある程度流動性を高めた上で保護ケース内に充填さ
れるため、樹脂が分岐部及び保護ケース内部の全体に行
き渡り、良好な樹脂封止が実現できる。
の樹脂で封止する構成では、封止用樹脂との親和性が高
い抗張力繊維の周囲を粘度の高い樹脂を用いて封止する
ことにより、樹脂が抗張力繊維を伝わって光ファイバテ
ープコードや補強コードに浸透することを防止するとと
もに、高粘度の樹脂による封止部分の外側領域を含めて
保護ケース内部に粘度の低い（流動性の高い）樹脂を充
填するため、樹脂が保護ケース内部の全体に行き渡た
り、良好な樹脂封止を実現できる。また、高粘度の樹脂
のみで封止する構成では、光ファイバテープコードや補
強コードへの浸透を防止できる利点を享受しつつ、加熱
してある程度流動性を高めた上で保護ケース内に充填さ
れるため、樹脂が分岐部及び保護ケース内部の全体に行
き渡り、良好な樹脂封止が実現できる。
【０００７】
【発明の好適な実施形態】以下、本発明の光ファイバテ
ープ分岐部の封止構造及びその形成方法に関して図面を
参照して詳細に説明する。本発明が封止対象とする光フ
ァイバテープ分岐部そのものの構造は特に制限されるも
のでは無く、従来よりこの種の分岐部として提案、実用
化されているものを対象とすることができる。勿論、図
２に示される分岐部Ａの構造も対象範囲内である。即
ち、本発明において分岐部とは、光ファイバテープコー
ド１と補強コード７との間で、光ファイバ心線４、保護
チューブ５及び抗張力繊維３等が露出している部分一般
を示す。
ープ分岐部の封止構造及びその形成方法に関して図面を
参照して詳細に説明する。本発明が封止対象とする光フ
ァイバテープ分岐部そのものの構造は特に制限されるも
のでは無く、従来よりこの種の分岐部として提案、実用
化されているものを対象とすることができる。勿論、図
２に示される分岐部Ａの構造も対象範囲内である。即
ち、本発明において分岐部とは、光ファイバテープコー
ド１と補強コード７との間で、光ファイバ心線４、保護
チューブ５及び抗張力繊維３等が露出している部分一般
を示す。
【０００８】本発明の分岐部封止構造は、図１に示すよ
うに、分岐部Ａの周囲を室温で１５０００〜２００００
ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂１２により封止すると
ともに、この分岐部Ａを含めて保護ケース８の内部全体
を室温で３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２
の樹脂１３で充填して封止することを特徴とする。第１
の樹脂１２は、その粘度が高いほど光ファイバテープ１
や補強コード７への浸透性が低くなるが、一方において
流動性が低下して光ファイバ心線４間の隙間等に樹脂が
入り込まず、硬化後に空洞となり好ましくない。本発明
では、光ファイバテープコード１や補強コード７への浸
透性が低く、かつ適度な流動性を兼ね備える粘度とし
て、室温で１５０００〜２００００ｃｐｓであることを
見い出した。一方、第２の樹脂１３の粘度は、従来より
この種の封止構造に使用される樹脂の粘度の範囲であ
る。また、第１及び第２の樹脂１２，１３の種類として
は、従来と同様にエポキシ樹脂を好適に使用することが
できる。
うに、分岐部Ａの周囲を室温で１５０００〜２００００
ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂１２により封止すると
ともに、この分岐部Ａを含めて保護ケース８の内部全体
を室温で３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２
の樹脂１３で充填して封止することを特徴とする。第１
の樹脂１２は、その粘度が高いほど光ファイバテープ１
や補強コード７への浸透性が低くなるが、一方において
流動性が低下して光ファイバ心線４間の隙間等に樹脂が
入り込まず、硬化後に空洞となり好ましくない。本発明
では、光ファイバテープコード１や補強コード７への浸
透性が低く、かつ適度な流動性を兼ね備える粘度とし
て、室温で１５０００〜２００００ｃｐｓであることを
見い出した。一方、第２の樹脂１３の粘度は、従来より
この種の封止構造に使用される樹脂の粘度の範囲であ
る。また、第１及び第２の樹脂１２，１３の種類として
は、従来と同様にエポキシ樹脂を好適に使用することが
できる。
【０００９】封止に際して、第１の樹脂１２は例えば刷
毛による塗布を行い、硬化させる。塗布に際して、雰囲
気温度が低い等の理由により、流動性が不十分で光ファ
イバ心線４間の隙間等に十分に樹脂１２が入り込まない
ような場合には、加熱により樹脂２の流動性を高めても
よい。また、第２の樹脂１３による封止は、従来の方法
に従って第１の樹脂１２が硬化した後に、保護ケース８
の内部全体に行き渡るように充填し、硬化させることが
行われる。
毛による塗布を行い、硬化させる。塗布に際して、雰囲
気温度が低い等の理由により、流動性が不十分で光ファ
イバ心線４間の隙間等に十分に樹脂１２が入り込まない
ような場合には、加熱により樹脂２の流動性を高めても
よい。また、第２の樹脂１３による封止は、従来の方法
に従って第１の樹脂１２が硬化した後に、保護ケース８
の内部全体に行き渡るように充填し、硬化させることが
行われる。
【００１０】以上の如く封止された分岐部Ａは、抗張力
繊維３と接触する樹脂が粘度の高い（流動性の低い）樹
脂１２であるため、抗張力繊維３を伝わって光ファイバ
テープコード１や補強コード７への樹脂の浸透が実質的
に無くなり、封止による光ファイア心線４の伝送損失の
低下を招くことがない。
繊維３と接触する樹脂が粘度の高い（流動性の低い）樹
脂１２であるため、抗張力繊維３を伝わって光ファイバ
テープコード１や補強コード７への樹脂の浸透が実質的
に無くなり、封止による光ファイア心線４の伝送損失の
低下を招くことがない。
【００１１】本発明は、また、高粘度の樹脂のみを用い
て分岐部Ａを封止する方法を提供する。即ち、分岐部Ａ
を保護ケース８内に収容した後、上記第１の樹脂１２を
加熱により流動性を高めた状態で保護ケース８内に充填
し、硬化させるものである。粘度の高い第１の樹脂１２
を加熱してその流動性を高めることにより、光ファイバ
心線４間の隙間等にも該樹脂が入り込み、硬化後に空洞
部及び気泡を生じることが無く、封止性能の低下を防ぐ
ことができる。このようにして形成された分岐部Ａの封
止構造は、図２と同様に、分岐部Ａを含めた保護ケース
８の内部全体が同一種の樹脂、但しこの場合第１の樹脂
１２で充填硬化された形態となる。
て分岐部Ａを封止する方法を提供する。即ち、分岐部Ａ
を保護ケース８内に収容した後、上記第１の樹脂１２を
加熱により流動性を高めた状態で保護ケース８内に充填
し、硬化させるものである。粘度の高い第１の樹脂１２
を加熱してその流動性を高めることにより、光ファイバ
心線４間の隙間等にも該樹脂が入り込み、硬化後に空洞
部及び気泡を生じることが無く、封止性能の低下を防ぐ
ことができる。このようにして形成された分岐部Ａの封
止構造は、図２と同様に、分岐部Ａを含めた保護ケース
８の内部全体が同一種の樹脂、但しこの場合第１の樹脂
１２で充填硬化された形態となる。
【００１２】ここで、加熱条件としては、第１の樹脂に
光ファイバ心線４間の隙間等に入り込める程度の流動性
を付与できる条件であれば、加熱温度や加熱時間等に特
に制限はない。但し、温度が高過ぎると第１の樹脂１２
の流動性も高く成りすぎ、従来の低粘度の樹脂と同様
に、抗張力繊維３を伝わって光ファイバテープコード１
や補強コード７への浸透が起こる可能性がある。加熱温
度としては、６０℃程度を一例として挙げることができ
る。また、加熱方法も特に制限されるものではなく、例
えば第１の樹脂を予め加熱しておき、これを保護ケース
８の内部全体に流し込む方法や、第１の樹脂を分岐部Ａ
を含めてほぼ保護ケース８の内部全体を覆うように塗布
した後、保護ケース８もしくは樹脂１２を加熱する方法
等を採ることができる。
光ファイバ心線４間の隙間等に入り込める程度の流動性
を付与できる条件であれば、加熱温度や加熱時間等に特
に制限はない。但し、温度が高過ぎると第１の樹脂１２
の流動性も高く成りすぎ、従来の低粘度の樹脂と同様
に、抗張力繊維３を伝わって光ファイバテープコード１
や補強コード７への浸透が起こる可能性がある。加熱温
度としては、６０℃程度を一例として挙げることができ
る。また、加熱方法も特に制限されるものではなく、例
えば第１の樹脂を予め加熱しておき、これを保護ケース
８の内部全体に流し込む方法や、第１の樹脂を分岐部Ａ
を含めてほぼ保護ケース８の内部全体を覆うように塗布
した後、保護ケース８もしくは樹脂１２を加熱する方法
等を採ることができる。
【００１３】
【発明の効果】本発明によれば、高粘度と低粘度の２種
類の樹脂で封止する構成では、封止用樹脂との親和性が
高い抗張力繊維の周囲を粘度の高い樹脂を用いて封止す
ることにより、樹脂が抗張力繊維を伝わって光ファイバ
テープコードや補強コードに浸透することを防止すると
ともに、高粘度の樹脂による封止部分の外側領域を含め
て保護ケース内部に粘度の低い（流動性の高い）樹脂を
充填するため、樹脂が保護ケース内部の全体に行き渡た
り、良好な樹脂封止が実現できる。また、高粘度の樹脂
のみで封止する構成では、光ファイバテープコードや補
強コードへの浸透を防止できる利点を享受しつつ、加熱
してある程度流動性を高めた上で保護ケース内に充填さ
れるため、樹脂が分岐部及び保護ケース内部の全体に行
き渡り、良好な樹脂封止が実現できる。以上のように、
本発明によれば、封止性能に優れるとともに、光伝送特
性の低下のない光ファイバテープコード分岐部を提供す
ることができる。
類の樹脂で封止する構成では、封止用樹脂との親和性が
高い抗張力繊維の周囲を粘度の高い樹脂を用いて封止す
ることにより、樹脂が抗張力繊維を伝わって光ファイバ
テープコードや補強コードに浸透することを防止すると
ともに、高粘度の樹脂による封止部分の外側領域を含め
て保護ケース内部に粘度の低い（流動性の高い）樹脂を
充填するため、樹脂が保護ケース内部の全体に行き渡た
り、良好な樹脂封止が実現できる。また、高粘度の樹脂
のみで封止する構成では、光ファイバテープコードや補
強コードへの浸透を防止できる利点を享受しつつ、加熱
してある程度流動性を高めた上で保護ケース内に充填さ
れるため、樹脂が分岐部及び保護ケース内部の全体に行
き渡り、良好な樹脂封止が実現できる。以上のように、
本発明によれば、封止性能に優れるとともに、光伝送特
性の低下のない光ファイバテープコード分岐部を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の分岐部封止構造を示す一部断面図であ
る。
る。
【図２】従来の分岐部封止構造を示す一部断面図であ
る。
る。
Ａ 分岐部 １ 光ファイバーテープコード ３ 高張力繊維 ４ 光ファイバ心線 ７ 補強コード ８ 保護ケース ９ 樹脂 １０ 接着剤 １２ 第１の樹脂（高粘度） １３ 第２の樹脂（低粘度）
Claims (3)
- 【請求項１】 光ファイバテープコードから分岐した複
数の光ファイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外
皮を順次被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹
脂封止する封止構造であって、前記分岐部の周囲が室温
で１５０００〜２００００ｃｐｓの粘度を有する第１の
樹脂の硬化により封止され、更に保護ケース内の前記分
岐部以外の領域が室温で３０００〜５０００ｃｐｓの粘
度を有する第２の樹脂の硬化により封止されていること
を特徴とする光ファイバテープコード分岐部の封止構
造。 - 【請求項２】 光ファイバテープコードから分岐した複
数の光ファイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外
皮を順次被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹
脂封止する方法であって、前記分岐部の周囲を室温で１
５０００〜２００００ｃｐｓの粘度を有する第１の樹脂
により硬化封止した後、該分岐部を含めて保護ケース内
を室温で３０００〜５０００ｃｐｓの粘度を有する第２
の樹脂で充填して硬化させることを特徴とする光ファイ
バテープコード分岐部の封止構造の形成方法。 - 【請求項３】 光ファイバテープコードから分岐した複
数の光ファイバ心線に保護チューブ、抗張力繊維及び外
皮を順次被嵌して形成される分岐部を保護ケース内で樹
脂封止する方法であって、前記分岐部を保護ケース内に
収容した後、室温で１５０００〜２００００ｃｐｓの粘
度を有する樹脂を加熱により流動性を高めた状態で保護
ケース内に充填し、硬化させることを特徴とする光ファ
イバテープコード分岐部の封止構造の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00151597A JP3349643B2 (ja) | 1997-01-08 | 1997-01-08 | 光ファイバテープコード分岐部の封止構造及びその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00151597A JP3349643B2 (ja) | 1997-01-08 | 1997-01-08 | 光ファイバテープコード分岐部の封止構造及びその形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10197742A true JPH10197742A (ja) | 1998-07-31 |
| JP3349643B2 JP3349643B2 (ja) | 2002-11-25 |
Family
ID=11503633
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00151597A Expired - Fee Related JP3349643B2 (ja) | 1997-01-08 | 1997-01-08 | 光ファイバテープコード分岐部の封止構造及びその形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3349643B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1361465A1 (en) * | 2002-05-07 | 2003-11-12 | Corning Cable Systems LLC | High performance, flexible optical fiber furcation |
| JP2008500578A (ja) * | 2004-05-24 | 2008-01-10 | コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー | 複合成形中間分岐点を有する配線ケーブル組立体 |
| WO2017110114A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 株式会社フジクラ | 光ファイバケーブル分岐部材及び光ファイバケーブル分岐構造 |
| US20180196211A1 (en) | 2017-01-10 | 2018-07-12 | Fujikura Ltd. | Optical fiber cord and method of manufacturing optical fiber cord |
-
1997
- 1997-01-08 JP JP00151597A patent/JP3349643B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| WO2017110114A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2017-06-29 | 株式会社フジクラ | 光ファイバケーブル分岐部材及び光ファイバケーブル分岐構造 |
| JPWO2017110114A1 (ja) * | 2015-12-25 | 2018-07-12 | 株式会社フジクラ | 光ファイバケーブル分岐部材及び光ファイバケーブル分岐構造 |
| US10725261B2 (en) | 2015-12-25 | 2020-07-28 | Fujikura Ltd. | Optical fiber-cable branch member and optical fiber-cable branch structure |
| US20180196211A1 (en) | 2017-01-10 | 2018-07-12 | Fujikura Ltd. | Optical fiber cord and method of manufacturing optical fiber cord |
| JP2018112607A (ja) * | 2017-01-10 | 2018-07-19 | 株式会社フジクラ | 光ファイバコードおよび光ファイバコードの製造方法 |
| US10371911B2 (en) | 2017-01-10 | 2019-08-06 | Fujikura Ltd. | Optical fiber cord and method of manufacturing optical fiber cord |
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| JP3349643B2 (ja) | 2002-11-25 |
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