JPH10196688A - アンチスキルシム付ディスクブレーキ - Google Patents

アンチスキルシム付ディスクブレーキ

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Publication number
JPH10196688A
JPH10196688A JP324297A JP324297A JPH10196688A JP H10196688 A JPH10196688 A JP H10196688A JP 324297 A JP324297 A JP 324297A JP 324297 A JP324297 A JP 324297A JP H10196688 A JPH10196688 A JP H10196688A
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JP
Japan
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shim
skill
pad
disk rotor
back plate
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Application number
JP324297A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
博史 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH10196688A publication Critical patent/JPH10196688A/ja
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D65/00Parts or details
    • F16D65/0006Noise or vibration control

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスクブレーキにおけるアンチスキルシム
の寿命を延長する。 【解決手段】 アウタパッド16の裏板86にアンチス
キルシム90を、係合爪96,98,100により位置
決めして取り付ける。その取付状態において、裏板86
のトルク伝達面68,70と、アンチスキルシム90の
側端面92,94との位置が一致するようにする。ディ
スクブレーキ作動時に、アウタパッド16がトルク伝達
面68,70のいずれか一方においてマウンティングブ
ラケットのトルク受面に当接するとともに、アンチスキ
ルシム90も側端面92,94のうち対応するものにお
いてトルク受面に当接する。キャリパのリアクション部
からアンチスキルシム90に裏板86の裏面に平行に加
えられる摩擦力が、係合爪96等を介することなく、直
接マウンティングブラケットにより受けられるため、係
合爪96等の損傷が防止され、アンチスキルシム90の
寿命が長くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用等として広
く用いられているディスクブレーキに関するものであ
り、特に、アンチスキルシムを備えたディスクブレーキ
の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキは一般に、一軸線の
まわりに回転するとともにその一軸線を中心とする摩擦
面を備えたディスクロータと、そのディスクロータの
摩擦面に摺接する摩擦材とその摩擦材を裏側から保持す
る裏板とを備えたブレーキパッドと、そのブレーキパ
ッドを押圧部材によってディスクロータの摩擦面に押圧
する押圧装置と、ブレーキパッドを前記一軸線に平行
な方向に移動可能に保持するとともに、押圧装置による
押圧の結果ディスクロータからブレーキパッドに伝達さ
れる連回りトルクをトルク受面で受けるマウンティング
ブラケットとを含むように構成される。押圧装置により
ブレーキパッドがディスクロータに押圧され、その結果
ディスクロータからブレーキパッドに伝達される連回り
トルクがマウンティングブラケットのトルク受面により
受けられることによって、ディスクロータの回転が抑制
されるのであるが、この際、スキルと称される騒音が発
生して人に不快感を与えることがある。そこで、例え
ば、実願昭62−155321号(実開平1−6003
6号)のマイクロフィルムに記載されているように、ア
ンチスキルシムをブレーキパッドの裏板と押圧装置の押
圧部材との間に配設し、スキルの発生を抑制することが
従来から行われている。
【0003】しかし、従来のアンチスキルシム付ディス
クブレーキにおいては、アンチスキルシムが損傷し易
く、寿命が短いという問題があった。アンチスキルシム
は、上記のように、押圧部材と裏板との間に配設される
のであるが、常に予定の位置に保たれるように、アンチ
スキルシムと裏板との間にシム位置決め手段が設けられ
るのが普通である。その代表的なものは、アンチスキル
シムに複数の係合爪を設け、それら係合爪を、裏板の外
周側端面と内周側端面(ディスクロータの半径方向に関
して外周側と内周側との端面)とに係合させることによ
って、アンチスキルシムを裏板に対して位置決めするも
のである。裏板の、係合爪との係合部の少なくとも一部
のものは、係合爪の嵌入を許容する切欠とされ、これら
切欠と係合爪との係合により、アンチスキルシムの裏板
に対するディスクロータ周方向(以下、単に周方向と称
する)の相対移動が防止されるのが普通である。
【0004】この種のシム位置決め手段においては、ア
ンチスキルシムに裏板の裏面に平行な方向の大きな力が
加えられた場合には、係合爪に大きな力が作用し、係合
爪が変形したり破断したりする事態が発生する。ブレー
キパッドが押圧部材によりディスクロータに押圧される
際、ブレーキパッドと押圧部材との間に、裏板の裏面に
平行な方向の相対移動(例えば、ディスクロータの周方
向の相対移動や、ブレーキパッドの中心線まわりの相対
回転)が生じることがある。そして、この時期にはアン
チスキルシムは前面において裏板の裏面と摩擦係合し、
裏面において押圧部材の押圧面と摩擦係合しているた
め、アンチスキルシムと裏板との間に両者を裏板の裏面
に平行な方向に相対移動させようとする力が作用する。
この力が係合爪の強度を超える大きさになれば、係合爪
が変形させられ、あるいは破断させられることになるの
である。
【0005】シム位置決め手段には、さらに、アンチス
キルシムの中央部に開口を形成するとともにその開口の
周縁にばり出し加工等により位置決め突部を形成し、そ
の位置決め突部を裏板の裏面の中央部に形成した凹部に
係合させるものや、アンチスキルシムの両側端縁から直
角に延び出す位置決めリブを形成し、その位置決めリブ
を裏板の両側端面に係合させるもの等もある。これらに
おいても、アンチスキルシムに裏板の裏面に平行な方向
の大きな力が加えられれば、位置決め突部や位置決めリ
ブが変形したり破断したりし、アンチスキルシムを新し
いものと交換する必要が生じる。特に、位置決めリブ
が、ブレーキパッドの側端面とマウンティングブラケッ
トのトルク受面との間に介在させられている場合には、
変形した位置決めリブが、ブレーキパッドの側端面とマ
ウンティングブラケットのトルク受面との両方に弾性的
に係合する状態となり、ブレーキパッドの軽快な移動を
妨げて引きずりトルク(ブレーキ解除状態においてブレ
ーキパッドがディスクロータに摺接することにより生じ
るディスクロータの回転抵抗トルク)を増大させるた
め、問題は深刻である。
【0006】また、前記実願昭62−155321号の
マイクロフィルムに記載のアンチスキルシムもそうであ
るように、アンチスキルシムを複数枚の板材を重ね合わ
せた構造とすることも広く行われている。複数枚の板材
の間にゴムや合成樹脂の中間層を形成すると、アンチス
キルシムのスキル防止機能が向上するのであるが、この
種の積層型アンチスキルシムにおいては、前述のよう
に、裏板の裏面に平行な方向の大きな力が加えられた場
合、複数枚の板材間にすべりが生じ、中間層が破壊され
る事態が発生して、この面からアンチスキルシムの寿命
が短くなることもあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用お
よび効果】本発明は、以上の事情を背景として、アンチ
スキルシムの寿命が長いアンチスキルシム付ディスクブ
レーキを得ることを課題としてなされたものであり、こ
の課題は、前記のディスクロータ,のブレーキパッ
ド,の押圧装置およびのマウンティングブラケット
と共に、裏板に対して位置決めされた状態で裏板と押圧
部材との間に配設されたアンチスキルシムを含むアンチ
スキルシム付ディスクブレーキにおいて、裏板とアンチ
スキルシムとの、マウンティングブラケットのトルク受
面に対応する部分の側端面の位置を互いに一致させるこ
とによって解決される。
【0008】このように、裏板とアンチスキルシムと
の、マウンティングブラケットのトルク受面に対応する
部分の側端面の位置を互いに一致させれば、ブレーキ作
動時に、裏板のみならずアンチスキルシムもマウンティ
ングブラケットのトルク受面によって受けられることと
なる。アンチスキルシムに裏板の裏面に平行な方向の大
きな力が加えられても、その力は裏板を介することなく
直接マウンティングブラケットによって受けられるので
ある。したがって、アンチスキルシムが前記係合爪,位
置決め突部,位置決めリブ等の位置決め用係合部を備え
たものである場合に、位置決め用係合部の変形や破断が
良好に防止され、また、アンチスキルシムが積層型であ
る場合に、複数の板材間のすべりが良好に防止されて、
それらに起因するアンチスキルシムの寿命低下が回避さ
れる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車用のディス
クブレーキに適用した場合の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明する。図1ないし図3に示すように、本実
施形態のアンチスキルシム付ディスクブレーキは、中心
線のまわりに回転するディスクロータ10、そのディス
クロータ10の近傍に静止して設けられたマウンティン
グブラケット12、そのマウンティングブラケット12
にディスクロータ10の中心線に平行な方向(以下、単
に軸方向と称する)に移動可能に保持されたキャリパ1
4,アウタパッド16,インナパッド18(アウタパッ
ド16とインナパッド18とをブレーキパッドと総称す
る)等を備えている。マウンティングブラケット12
は、ステアリングナックル,車軸管等、車輪を回転可能
に保持する部材に固定される。一方、ディスクロータ1
0は車輪に固定され、車輪と一体的に回転する。マウン
ティングブラケット12はディスクロータ10の外周部
を跨ぐ鞍形を成しており、ディスクロータ10の外側に
位置するアウタパッド保持部22,内側に位置するイン
ナパッド保持部24,およびそれら両部22,24をデ
ィスクロータ10の外周面より外周側で連結する一対の
連結部26を備えている。
【0010】キャリパ14は、ディスクロータ10の外
周部とその両側のアウタパッド16およびインナパッド
18とを跨ぐ鞍形を成しており、インナパッド18に対
向するシリンダ部32,アウタパッド16に対向するリ
アクション部34,およびそれら両者をディスクロータ
10の外周面より外周側で連結する連結部36を備えて
いる。キャリパ14は、一対の腕部38,40の先端ボ
ス部が、マウンティングブラケット12のインナパッド
保持部24に立設された一対のスライドピン42,44
に摺動可能に嵌合されることにより、マウンティングブ
ラケット12によって軸方向に移動可能に保持されてい
る。シリンダ部32は、シリンダハウジング50とその
内側に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン52とを
備えており、シリンダハウジング50にブレーキ液が供
給されることにより、ピストン52がシリンダハウジン
グ50から押し出され、インナパッド18をディスクロ
ータ10に押圧する。その反力によりリアクション部3
4がアウタパッド16をディスクロータ10に押圧す
る。
【0011】マウンティングブラケット12のアウタパ
ッド保持部22は、図3に最も明瞭に示されているよう
に、一対のパッド保持アーム54と、それらをリアクシ
ョン部34の外方を通って連結する連結部56とを備え
ており、一対のパッド保持アーム54によりアウタパッ
ド16を軸方向に移動可能に保持している。一対のパッ
ド保持アーム54の互いに対向する面はそれぞれトルク
受面58,60とされており、それら両トルク受面5
8,60より内周側(ディスクロータ10の内周側)に
それぞれ係合切欠62,64が形成されている。アウタ
パッド16の両側端には、上記トルク受面58,60に
対応する側端面であるトルク伝達面68,70、および
係合切欠62,64に係合する係合突起72,74が形
成されている。ただし、トルク受面58,60および係
合切欠62,64の内側面は、ステンレス鋼板製のライ
ナ部材76により覆われているため、トルク伝達面6
8,70および係合突起72,74はライナ部材76を
介してトルク受面58,60に当接し、係合切欠62,
64と係合する。各ライナ部材76はばね部78を一体
的に備えており、このばね部78によってアウタパッド
16を半径方向外向きに付勢し、係合突起72,74を
係合切欠62,64の半径方向内向きの面に弾性的に押
しつけている。
【0012】アウタパッド16は、図2に最も明瞭に示
されているように、ディスクロータ10の外周部に形成
されている摩擦面80,82の一方に対向する摩擦材8
4と、その摩擦材84の裏面に接着されて摩擦材84を
裏側から保持する鋼板製の裏板86とを備えており、上
記トルク伝達面68,70,係合突起72,74等は裏
板86に形成されている。この裏板86とリアクション
部34との間にはアンチスキルシム90が配設されてい
る。アンチスキルシム90は、図4に最も明瞭に示され
ているように、裏板86の裏面のほぼ全体を覆う形状を
有しており、特に、両側端面92,94は裏板86の両
トルク伝達面68,70とそれぞれ同じ平面上に位置す
るようにされている。
【0013】アンチスキルシム90は、外周縁の中央部
に1個、内周縁の両側部に1個ずつ、合計3個の係合爪
96,98,100を備えている。係合爪98,100
は、図6および図7に示されているように、アンチスキ
ルシム90の板面にほぼ直角な方向に曲げられており、
裏板86の内周側端面104に係合する。係合爪96も
同様のものであるが、係合爪98,100が裏板86の
内周側端面104に単純に係合するに過ぎないのに対
し、係合爪96は図4に示されているように、裏板96
の外周側端面106の中央部に形成された係合切欠10
8に係合し、アンチスキルシム90と裏板86との周方
向の相対位置を決める機能を果たす。これによって、ア
ンチスキルシム90は裏板86の裏面に平行なあらゆる
方向に関して位置決めされることとなる。
【0014】アンチスキルシム90は、図8に拡大して
示されているように、JISのSPCC−1相当の冷間
圧延鋼板から成る外板110と、JISのSUS301
−CSP(3/4H)相当のばね用ステンレス鋼板から
成る内板112とが積層されたものであり、前記係合爪
96,98,100等は、図7に最も明瞭に示されてい
るように、外板110と一体にプレス加工により形成さ
れている。また、内板112の内周縁の両側端部から
は、図4,5および7から明らかなように、それぞれ1
個ずつの係合突部114が外側へ突出させられており、
この係合突部114が外板110の内周縁に係合させら
れることにより、内板112が外板110に対して外周
側へずれることが防止されている。
【0015】上記外板110と内板112とは、アクリ
ル系耐熱粘着剤から成る中間層118により互いに結合
されている。また、外板110の裏面にはNBR系(ニ
トリルブタジエンゴム系)のゴムから成るゴム層120
が形成され、その上にグラファイトコーティングから成
る摩擦軽減層122が形成されている。さらに、内板1
12と裏板86との間の、図4に二点鎖線のハッチング
で示す領域には、スキル音を抑制することを目的に鳴き
止め用のグリスが塗布されている。124は内板112
を厚さ方向に貫通して形成された複数の長穴であり、こ
れらの長穴124と外板110の内側面とによって複数
のグリス溜が形成されている。以上はアウタパッド16
側について説明したが、インナパッド18側についても
実質的に同様な構成となっている。したがって、インナ
パッド18側については図示および詳細な説明は省略
し、インナパッド18側の対応する各部分はアウタパッ
ド16側と同じ符号で表すこととする。ただし、アンチ
スキルシムをアウタパッド16側とインナパッド18側
とで同じにすることは不可欠ではなく、例えば、インナ
パッド18側のアンチスキルシムを、単層の板材にゴム
層を形成したものとすることも可能である。
【0016】以上のように構成されたアンチスキルシム
付ディスクブレーキの作動時には、シリンダ部32への
ブレーキ液の供給に伴ってピストン52とリアクション
部34とが、それぞれアンチスキルシム90を介してイ
ンナパッド18およびアウタパッド16をディスクロー
タ10の摩擦面82,80に押圧する。その結果、ディ
スクロータ10から両パッド18,16に連回りトルク
が伝達されるが、この連回りトルクは両パッド18,1
6のトルク伝達面68,70の一方(ディスクロータ1
0の回転方向、すなわち車両の進行方向によって決ま
る)とトルク受面58,60の一方との当接により、マ
ウンティングブラケット12により受けられるため、両
パッド18,16は回転せず、ディスクロータ10の回
転が抑制されることとなる。その際、ディスクブレーキ
の構成要素の振動がアンチスキルシム90により抑制さ
れ、スキルの発生が良好に回避される。
【0017】上記のようにアンチスキルシム付ディスク
ブレーキが作動する際には、ピストン52やリアクショ
ン部34とアンチスキルシム90との間の摩擦力によ
り、アンチスキルシム90に裏板86の裏面に平行な方
向の大きな力が加えられることがあるが、この力はアン
チスキルシム90の側端面92,94のいずれか一方が
トルク受面58,60の一方と当接することにより、マ
ウンティングブラケット12により受けられる。したが
って、係合爪96,98,100に大きな力が作用し
て、これらが変形したり、破断したりすることが良好に
防止される。また、ブレーキパッドの側端面に係合する
位置決めリブを有する前述のアンチスキルシムに比較し
て、位置決めリブの変形によりブレーキパッドの軽快な
移動が妨げられる恐れがない利点がある。位置決めリブ
を有するアンチスキルシムも位置決めリブにおいてマウ
ンティングブラケットのトルク受面に当接するため、一
見、本発明と同様の効果が得られそうであるが、実際に
は位置決めリブの変形が発生し、そのためにアンチスキ
ルシムの寿命が短くなってしまう。それに対し、アンチ
スキルシム90は平板状の側端部においてトルク受面5
8,60に当接するため変形し難く、また、万一僅かに
変形してもアウタパッド16やインナパッド18の軽快
な移動を妨げることがないため、長く使用することがで
きるのである。
【0018】さらに、本実施形態においては、アンチス
キルシムにおける外板110と内板112との分離が良
好に回避される効果が得られる。従来は、アンチスキル
シムの外板と内板とを結合している中間層に大きな剪断
力が作用して、外板と内板とが分離してしまう恐れがあ
ったのであるが、本実施形態においては、外板110と
内板112とが共に、それぞれの側端面(アンチスキル
シム90の側端面92,94)においてトルク受面5
8,60に当接することによって、中間層118に大き
な剪断力が加えられることが回避され、外板110と内
板112とに分離が良好に防止されるのである。結局、
従来のアンチスキルシム付ディスクブレーキにおいて
は、係合爪の変形,破断や外板と内板との分離等により
アンチスキルシムが使用に耐えなくなり、そのために寿
命が短くなってしまうことがあったのに対し、本実施形
態においては、アンチスキルシムの寿命を従来より長く
することができるのである。
【0019】以上の説明から明らかなように、本実施形
態のディスクブレーキはいわゆるキャリパ浮動型であ
り、キャリパ14が押圧装置を構成し、その構成要素で
あるピストン52とリアクション部34とが押圧部材と
して機能する。それに対して、マウンティングブラケッ
トのディスクロータの両側に位置する部分にシリンダ部
が形成され、両シリンダ部のピストンによってアウタパ
ッドおよびインナパッドがそれぞれディスクロータに押
圧されるいわゆるキャリパ固定型あるいはオポーズド型
と称される型式のディスクブレーキに本発明を適用する
ことも可能である。この場合には、一対のシリンダ部が
押圧装置を構成し、一対のピストンが押圧部材として機
能することとなる。
【0020】また、上記実施形態においは、アウタパッ
ド16側とインナパッド18側との両方に対して本発明
が適用されていたが、いずれか片側についてのみ本発明
を適用することも可能である。例えば、アウタパッド1
6側においては、リアクション部34がアウタパッド1
6の両側部に当接するため、必然的にアンチスキルシム
90もアウタパッド16の裏板86のほぼ全体を覆う広
さを有するものとされるが、インナパッド18側におい
ては、ピストン52がインナパッド18の中央部のみに
当接するため、アンチスキルシムがインナパッド18の
裏板86の中央部のみを覆うものとされることがあり、
その場合には、インナパッド18については本発明を適
用せず、アウタパッド16側についてのみ適用してもよ
いのである。
【0021】また、前記実施形態においては、アンチス
キルシム90の両側端面が、裏板86のトルク伝達面6
8,70とディスクロータ10の周方向において一致さ
せられ、ディスクロータ10が正逆いずれの方向に回転
する場合でも本発明の効果が得られるようにされていた
が、ディスクロータが一方向にのみ回転する場合には、
アンチスキルシムのトレーリング側(ディスクロータ1
0の回転方向に関して下流側)の側端面のみを裏板のト
ルク伝達面と一致させてもよい。車両用のディスクブレ
ーキにおいては、車両の前進,後退に伴ってディスクロ
ータが正逆両方向に回転するが、主たる回転方向は車両
の前進方向に対応する正方向であるため、ディスクロー
タの正方向回転時におけるトレーリング側にのみ本発明
を適用してもよい。
【0022】さらに、単層型のアンチスキルシムであっ
てブレーキパッドの裏板に係合する位置決め用係合部を
有するものを備えたディスクブレーキ、あるいは積層型
のアンチスキルシムであって位置決め用係合部が損傷す
る恐れがないものを備えたディスクブレーキにそれぞれ
本発明を適用することも可能であり、前者においては位
置決め用係合部の損傷を回避し得る効果、後者において
は複数枚の板材の分離を回避し得る効果がそれぞれ得ら
れる。その他、いちいち例示することはしないが、特許
請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変形を施した態様
で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるアンチスキルシム付
ディスクブレーキを一部断面にして示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】上記アンチスキルシム付ディスクブレーキの正
面図である。
【図4】上記アンチスキルシム付ディスクブレーキのア
ンチスキルシムおよびアウタパッドの正面図である。
【図5】上記アンチスキルシムの平面図である。
【図6】上記アンチスキルシムの側面図である。
【図7】図6におけるB部拡大図である。
【図8】図6におけるA部拡大図である。
【符号の説明】
10:ディスクロータ 12:マウンティングブラケ
ット 14:キャリパ 16:アウタパッド 18:インナパッド 32:
シリンダ部 34:リアクション部 52:ピスト
ン 58,60:トルク受面 68,70:トルク
伝達面 80,82:摩擦面 84:摩擦材 8
6:裏板 90:アンチスキルシム 92,94:側端面 9
6,98,100:係合爪 110:外板 11
2:内板 118:中間層 120:ゴム層 122:摩擦軽減層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸線のまわりに回転するとともにその
    一軸線を中心とする摩擦面を備えたディスクロータと、 そのディスクロータの摩擦面に摺接する摩擦材とその摩
    擦材を裏側から保持する裏板とを備えたブレーキパッド
    と、 そのブレーキパッドを押圧部材によって前記ディスクロ
    ータの摩擦面に押圧する押圧装置と、 前記ブレーキパッドを前記一軸線に平行な方向に移動可
    能に保持するとともに、前記押圧装置による押圧の結果
    前記ディスクロータからブレーキパッドに伝達される連
    回りトルクをトルク受面で受けるマウンティングブラケ
    ットと、 前記裏板に対して位置決めされた状態でその裏板と前記
    押圧部材との間に配設されたアンチスキルシムとを含
    み、前記押圧装置により前記ブレーキパッドが前記ディ
    スクロータの摩擦面に押圧されることによりディスクロ
    ータの回転が抑制されるととともに、アンチスキルシム
    によりスキルの発生が抑制されるアンチスキルシム付デ
    ィスクブレーキにおいて、 前記裏板と前記アンチスキルシムとの、前記マウンティ
    ングブラケットのトルク受面に対応する部分の側端面の
    位置を互いに一致させたことを特徴とするディスクブレ
    ーキ。
JP324297A 1997-01-10 1997-01-10 アンチスキルシム付ディスクブレーキ Pending JPH10196688A (ja)

Priority Applications (1)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8348025B2 (en) 2008-11-28 2013-01-08 Ray Arbesman Piston-side brake shim
KR101316170B1 (ko) * 2006-08-29 2013-10-08 기아자동차주식회사 차량의 디스크브레이크용 브레이크패드 커버심
JP2018021617A (ja) * 2016-08-04 2018-02-08 株式会社Subaru 車輪構造

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