JPH10196406A - 遠心式ガバナを備えたディーゼルエンジン - Google Patents

遠心式ガバナを備えたディーゼルエンジン

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JPH10196406A
JPH10196406A JP319797A JP319797A JPH10196406A JP H10196406 A JPH10196406 A JP H10196406A JP 319797 A JP319797 A JP 319797A JP 319797 A JP319797 A JP 319797A JP H10196406 A JPH10196406 A JP H10196406A
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JP
Japan
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governor
engine
sleeve
lever
fuel
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Application number
JP319797A
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English (en)
Inventor
Masahiro Nagahama
真裕 長浜
Tatsuyuki Nakamura
達行 中村
Yuzo Umeda
裕三 梅田
Shunichi Manba
俊一 萬羽
Keita Naito
慶太 内藤
Kozo Yoshida
鉱三 吉田
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Engine Equipment That Uses Special Cycles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガバナのコストアップを抑えながら、暖時の
エンジン始動時での排気に混じる黒煙の量を減少させ
る。 【解決手段】 燃料噴射ポンプの燃料調量ラックに連結
したガバナ力入力レバー(7)を、ガバナスプリングを介
して調速レバーに連結し、ガバナ軸(15)にガバナスリー
ブ(14)をスライド移動自在に外嵌する。ガバナスリーブ
(14)の一端面にガバナ力入力レバー(7)を接当させる。
冷時のエンジン始動時には、燃料調量ラックが付勢され
て始動増量位置に位置する。暖時のエンジン始動時に
は、ガバナスリーブ(14)の内部空間(43)に充填したワッ
クス(44)が融解して膨張することで、ガバナ力入力レバ
ー(7)が、ガバナスリーブ(14)によって燃料減量側へ押
され、燃料調量ラックが始動増量位置よりも燃料減量側
へずれた始動増量規制位置へ位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに使用する遠心式ガバナに関しており、特に暖時での
エンジン始動時に、排気に黒煙が混じることを低減する
技術に関するものである。
【0002】
【発明の背景】本発明にかかる遠心式ガバナを備えたデ
ィーゼルエンジンの基本構造は、例えば図5に示すよう
に、次のように構成してある。即ち、上記ガバナ(1)
は、燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量ラック(3)のラック
ピン(4)に連結されたガバナレバーを、ガバナ力(F)
と、ガバナスプリング(5)の張力との釣り合い位置へ揺
動させることにより、上記調量ラック(3)を調量移動さ
せ、負荷変動にかかわらずエンジン回転数を一定に維持
するようになっている。
【0003】つまり、上記ガバナレバーは、スラストレ
バー(6)を介して上記ラックピン(4)に連結されたガバ
ナ力入力レバー(7)と、上記ガバナスプリング(5)の一
端を連結したスプリング力入力レバー(8)とからなり、
それらの入力レバー(7)(8)の下部を、ガバナ室(9)に
架設されたガバナレバー軸(10)によって揺動自在に枢支
してある。
【0004】また、上記ガバナ力入力レバー(7)の下端
の入力端部(13)を、ガバナスリーブ(14)の一端面(図5
中では左側の面)に接当可能にしてある。なお、そのガ
バナスリーブ(14)は、クランクギヤ(図示せず)で駆動さ
れるガバナ軸(15)にスライド移動自在に外嵌してある。
【0005】さらに、ガバナ軸(15)にはウェイトホルダ
(16)を外嵌固定してある。そのウェイトホルダ(16)に
は、図6に示すように、3個のガバナウェイト(17)を揺
動自在に枢支してあり、それらのガバナウェイト(17)の
出力端部(18)を、上記ガバナスリーブ(14)の他端面(図
5中では右側の面)に接当可能にしてある。
【0006】そして、エンジンの運転に伴って上記ガバ
ナ軸(15)が回転駆動されると、ガバナウェイト(17)に遠
心力が発生する。すると、ガバナウェイト(17)が上記ウ
ェイトホルダ(16)の外側へ傾斜し、ガバナウェイト(17)
の出力端部(18)でガバナスリーブ(14)を図5中の左方へ
押すことで、いわゆるガバナ力(F)が発生する。そのガ
バナ力(F)で上記ガバナ力入力レバー(7)の入力端部(1
3)が図5中の左方へ付勢され、それに伴って上記調量ラ
ック(3)が、上記スラストレバー(6)を介して燃料減量
側(L)へ付勢される。
【0007】一方、上記スプリング力入力レバー(8)
は、上記ガバナスプリング(5)の張力で図5中の左方へ
付勢されており、上記ガバナ力入力レバー(7)は、トル
クアップ装置(19)を介して上記スプリング力入力レバー
(8)によって図5中の左方[燃料増量側(R)]へ付勢され
る。
【0008】また、上記スラストレバー(6)にはスター
トスプリング(20)を連結してあり、そのスタートスプリ
ング(20)の張力で、エンジン始動時には上記調量ラック
(3)を、燃料噴射量が最大となる始動増量位置(St)へ位
置させるようになっている(図9の状態)。
【0009】一方、上記ガバナスプリング(5)の他端を
調速レバー(21)に連結してあり、その調速レバー(21)
を、上記ガバナ(1)の機壁(22)に揺動自在に枢支された
調速用軸(23)の内端部に固定してある。その調速用軸(2
3)の外端部には、図7に示すように、調速操作具(24)と
速度制限用アーム(25)とが固定されており、上記調速操
作具(24)を操作することで上記調速レバー(21)が揺動し
て上記ガバナスプリング(5)の張力が変更される。
【0010】また、上記スラストレバー(6)には停止レ
バー受部(26)を設けてあり、図8に示すように、その停
止レバー受部(26)には、停止レバー(27)に設けた揺動端
部(28)が接当可能になっている。
【0011】上記停止レバー(27)は、上記機壁(22)に揺
動自在に枢支された停止用軸(30)の内端部に固定してあ
り、その停止用軸(30)の外端部には停止操作具(31)と回
転制限用アーム(32)とが固定してある。そして、上記停
止操作具(31)を操作することで上記停止レバー(27)が揺
動し、その停止レバー(27)の揺動端部(28)で上記スラス
トレバー(6)の停止レバー受部(26)が燃料減量側(L)へ
強制的に押して、上記調量ラック(3)を燃料無噴射位置
(Sp)[図9参照]まで移動させることにより燃料噴射が停
止する。
【0012】なお、上記速度制限用アーム(25)は、低速
制限ボルト(34)と高速制限ボルト(35)とで揺動可能範囲
を設定してあり、また、上記回転制限用アーム(32)は、
回転制限ボルト(36)で揺動可能範囲を設定してある。
【0013】
【従来の技術】通常、エンジン温度が高い暖時では、エ
ンジン始動に必要な燃料噴射量が冷時よりも少なくて済
む。このため、従来、上述のガバナにおいて、暖時での
上記調量ラック(3)の始動増量位置(St)を冷時よりも燃
料減量側(L)へ位置させて、エンジン始動時での排気に
混じる黒煙の量を減少させたものが知られている。
【0014】つまり、この種の従来技術としては、例え
ば特開平3−267535号公報に示すものがある。これは、
図10に示すように、エンジン温度を検出する温度セン
サ(90)と、調量ラック(3)の端部(91)に対向する機壁(2
2)に配置したソレノイド(92)と、上記温度センサ(90)の
検出結果に基づいて上記ソレノイド(92)の作動ロッド(9
3)を進退させる制御部(94)とを設けてある。
【0015】そして、エンジン温度が高いときには、図
10の二点鎖線図に示すように、上記ソレノイド(92)の
作動ロッド(93)を進出させて上記調量ラック(3)の燃料
増量側(R)[図12中では左方向]への移動を規制するこ
とによって、暖時での始動増量位置(St)が冷時よりも燃
料減量側(L)へ位置するようにしてある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
技術では、温度センサ(90)とソレノイド(92)と制御部(9
4)とを設けることになるが、これらは比較的高価である
うえ、それらの間での配線に手間がかかり、ガバナのコ
ストアップを招いてしまう。
【0017】また、上記ソレノイド(92)は比較的かさ張
るため、そのソレノイド(92)の取り付け箇所の確保が煩
わしいことになる。本発明は、ガバナのコストアップを
抑えながら、エンジン始動時での排気に混じる黒煙の量
を減少させることを目的とする。さらに、上記目的に加
え、上記ガバナの設計変更を抑えることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
[請求項1の発明]請求項1の発明は、上記の目的を達
成するために図5のような基本構造において、例えば図
1に示すように、次のように構成したものである。即
ち、温度によって変形する熱変形手段をガバナスリーブ
(14)に配置し、熱変形手段が所定温度以上になっている
暖時でのエンジン始動時には、その暖時での形状の熱変
形手段によって、ガバナレバーを始動用付勢手段(20)の
付勢力に抗して燃料減量側(L)へ押すことにより、燃料
調量ラック(3)を始動増量位置(St)よりも燃料減量側
(L)へずれた始動増量規制位置(SSt)へ位置させ、熱変
形手段が所定温度より低くなっている冷時でのエンジン
始動時には、燃料調量ラック(3)が、冷時での形状の熱
変形手段で制限されることなく始動用付勢手段(20)の付
勢力で始動増量位置(St)に位置するように構成したもの
である。
【0019】[請求項2の発明]請求項2の発明は、上
記の目的を達成するために上記請求項1の発明の構成に
おいて、例えば図1に示すように、次のように構成した
ものである。ガバナスリーブ(14)を2つの筒部(41)(42)
で構成し、それらの筒部(41)(42)によってガバナスリー
ブ(14)内に内部空間(43)を形成し、所定温度以上で融解
するワックス(44)を内部空間(43)内に充填し、ワックス
(44)が所定温度以上になっている暖時でのエンジン始動
時には、ワックス(44)が融解して膨張することによっ
て、一方の筒部(41)が、内部空間(43)の密封状態を維持
しながら、他方の筒部(42)に対してガバナ軸(15)の軸方
向へ相対移動することで、ガバナスリーブ(14)が、ガバ
ナレバーを前記始動用付勢手段(20)の付勢力に抗して燃
料減量側(L)へ押して、上記調量ラック(3)を前記始動
増量規制位置(SSt)へ位置させ、ワックス(44)が所定温
度より低くなっている冷時でのエンジン始動時には、ワ
ックス(44)が凝固して収縮することによって、燃料調量
ラック(3)が、ガバナスリーブ(14)で制限されることな
く始動用付勢手段(20)の付勢力で始動増量位置(St)に位
置するように構成したものである。
【0020】[請求項3の発明]請求項3の発明は、上
記の目的を達成するために上記請求項1の発明の構成に
おいて、例えば図3と図4とに示すように、次のように
構成したものである。ガバナスリーブ(14)の少なくとも
一方の端面側に座金(46)を配置し、その座金(46)に熱変
形手段を設け、ガバナスリーブ(14)を、座金(46)を介し
てガバナレバーあるいはガバナウェイト(17)と接当させ
るように構成し、暖時でのエンジン始動時には、その暖
時での形状の熱変形手段によって、座金(46)が、燃料調
量ラック(3)を始動用付勢手段(20)の付勢力に抗して前
記始動増量規制位置(SSt)へ位置させるように構成した
ものである。
【0021】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]請求項1の発明は、次の作用効果を
奏する。 エンジンの壁などからの熱伝導やエンジン周囲の外
気の熱などによって、熱変形手段が所定温度以上になっ
ている暖時でのエンジン始動時には、その暖時での形状
の熱変形手段により、ガバナレバーが始動用付勢手段(2
0)の付勢力に抗して燃料減量側(L)へ押されることによ
り、燃料調量ラック(3)が始動増量位置(St)よりも燃料
減量側(L)へずれた始動増量規制位置(SSt)へ位置す
る。これにより、少ない燃料噴射量でもエンジン始動が
容易な暖時には、エンジン始動時の燃料噴射量が抑えら
れ、排気に混じる黒煙の量が減少する。
【0022】そして、熱変形手段自体の変形を利用して
燃料調量ラック(3)を始動増量規制位置(SSt)へ位置さ
せるので、上述した従来技術の温度センサやソレノイド
などを設ける必要がない。従って、上記従来技術では必
要だったソレノイドなどへの配線作業が省けるうえ、比
較的高価なソレノイドなどを設けずに済む分、エンジン
製造のコストアップを抑えることができる。また、冷時
でのエンジン始動時には、燃料調量ラック(3)が、冷時
での形状の熱変形手段で制限されることなく始動用付勢
手段(20)の付勢力で始動増量位置(St)に位置するので、
確実なエンジン始動が担保される。
【0023】 上述した従来技術では、上記ソレノイ
ドを機壁(22)に設置するため、ガバナ(1)の他の部品
(例えばスタートスプリング)などと、上記ソレノイドと
の干渉を考慮しながらガバナ(1)を設計する必要がある
のに対し、熱変形手段をガバナスリーブ(14)に配置した
ことにより、ガバナ(1)の他の部品との干渉がなく、ガ
バナ設計の自由度を増すことができるうえ、熱変形手段
がガバナ外にはみ出さず、ガバナ(1)がかさ張ることを
防止できる。
【0024】[請求項2の発明]請求項2の発明は、次
の作用効果を奏する。 ガバナスリーブ(14)内の内部空間(43)にワックス(4
4)を充填して、そのワックス(44)の熱による融解、膨張
に伴う変形で、ガバナレバーを燃料減量側(L)へ押すよ
うにしたので、従来のガバナ(1)のガバナスリーブ(14)
を請求項2の発明のガバナスリーブ(14)に変更するだけ
で、上述の請求項1の発明の効果を奏することができ
る。従って、本発明の効果を奏するガバナ設計の手間を
低減することができる。
【0025】[請求項3の発明]請求項3の発明は、次
の作用効果を奏する。 ガバナスリーブ(14)の端面側に配置した座金(46)に
熱変形手段を設けたので、従来のガバナ(1)のガバナス
リーブ(14)に上記座金(46)を配置するだけで、上述の請
求項1の発明の効果を奏することができる。つまり、従
来のガバナ(1)の製造に上記座金(46)の取付作業を追加
するだけで、上述の請求項1の発明の効果を奏するガバ
ナ(1)を製造できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の遠心式ガバナを備
えたディーゼルエンジンの実施の第1形態について図1
と図2とを用いて説明する。図1は上記第1形態を示す
要部縦断面図、図2は上記第1形態の作用を説明するた
めの模式図である。なお、以下の各形態において、ガバ
ナ全体の構造は、上述した基本構造(図5)と同一である
ため、上記基本構造と異なる点のみを説明する。
【0027】この第1形態では、図1に示すように、以
下の構成を有する。ガバナスリーブ(14)を内外2つの筒
部(41)(42)で構成してあり、それらの筒部(41)(42)によ
ってガバナスリーブ(14)内に内部空間(43)を密封形成し
てある。その内部空間(43)内に、所定温度以上で融解し
て膨張(変形)するワックス(44)を充填してある。
【0028】また、上記外側筒部(41)の端面(41a)は、
ガバナ力入力レバー(7)の下端の入力端部(13)に接当可
能になっており、上記内側筒部(42)の端面(42a)は、ガ
バナウェイト(17)の出力端部(18)に接当可能になってい
る。
【0029】そして、上記外側筒部(41)は、ワックス(4
4)が融解したときの膨張力によって上記内側筒部(42)の
周壁に沿って燃料減量側(L)[図1中の左方]へスライド
移動し(図1中の二点鎖線図の状態)、ガバナ力入力レバ
ー(7)の入力端部(13)を燃料減量側(L)へ押す。なお、
上記外側筒部(41)は、上記内側筒部(42)に設けたストッ
パー(45)に当接することにより、そのスライド移動が規
制される。
【0030】また、上記外側筒部(41)と上記内部筒部(4
2)との間にシール材(図示せず)を配設密封することで、
上記外側筒部(41)のスライド移動時などに、ワックス(4
4)がガバナスリーブ(14)外へ漏れないようにしてある。
【0031】続いて、上記第1形態の作用を説明する。
エンジンが冷えている冷時でのエンジン始動時には、上
記ワックス(44)は凝固して収縮しており、これによって
上記外側筒部(41)は燃料増量側(R)へ位置する(図1中
の実線図の状態)。このとき、燃料調量ラック(3)は、
図2に示すように、始動増量位置(St)に位置してあり、
この始動増量位置(St)でエンジンが始動される。
【0032】一方、エンジンが暖まっている暖時でのエ
ンジン始動時には、そのエンジンの熱やエンジン周囲の
暖められた外気の熱が、エンジンの壁などを介してガバ
ナスリーブ(14)へ伝わって上記ワックス(44)が所定温度
以上になっており、これによってワックス(44)は融解し
て膨張している。
【0033】すると、そのワックス(44)の膨張によっ
て、上記外側筒部(41)が燃料減量側(L)へ位置しており
(図1中の二点鎖線図の状態)、その外側筒部(41)の端面
(41a)によって上記ガバナ力入力レバー(7)の入力端部
(13)が、スタートスプリング(20)の張力に抗して燃料減
量側(L)へ押される。
【0034】つまり、暖時でのエンジン始動時には、ガ
バナスリーブ(14)によってガバナ力入力レバー(7)の燃
料増量側(R)への移動が規制され、上記調量ラック(3)
は、上記始動増量位置(St)よりも燃料減量側(L)へずれ
た始動増量規制位置(SSt)へ位置する(図2参照)。
【0035】このように、少ない燃料噴射量でエンジン
始動可能な暖時のときには、上記調量ラック(3)が始動
増量規制位置(SSt)へ位置して燃料噴射量を減少させた
状態でエンジン始動が行われる。これにより、暖時での
エンジン始動時に排気に混ざる黒煙の量を減少できる。
【0036】次に、本発明の遠心式ガバナを備えたディ
ーゼルエンジンの実施の第2形態について図3とを用い
て説明する。図3(a)は上記第2形態を示す要部縦断面
図、図3(b)は上記第2形態にかかる座金をA方向から
見た図である。
【0037】ガバナスリーブ(14)の一方の端面側[図3
(a)中では左側]には、ドーナツ状にそれぞれ形成した
座金(46)と受皿(47)とを配置してあり、それらの座金(4
6)と受皿(47)とは、上記受皿(47)内に上記座金(46)を嵌
め込んだ状態でガバナ軸(15)にスライド移動自在に外嵌
してある。
【0038】また、上記座金(46)は、ガバナ力入力レバ
ー(7)の入力端部(13)に接当可能にしてあるとともに、
上記受皿(47)での開口部[図3(a)中の左側]に設けた規
制部(49)によってガバナ軸(15)の軸方向への移動を規制
されている。なお、上記受皿(47)は、図3(a)中の右側
面を上記ガバナスリーブ(14)に接当させている。
【0039】また、上記座金(46)には、図3(b)に示す
ように、その周縁に沿って4つのバイメタル(48)を配置
してある。それらのバイメタル(48)は、温度上昇ととも
に熱変形して湾曲の度合いを増すように構成してある。
そして、その熱変形したバイメタル(48)によって、ガバ
ナ力入力レバー(7)が、上記座金(46)を介して燃料減量
側(L)へ押される。これにより、暖時でのエンジン始動
時には、上述の第1形態と同様に、上記調量ラック(3)
は上記始動増量規制位置(SSt)へ位置する。
【0040】次に、本発明の遠心式ガバナを備えたディ
ーゼルエンジンの実施の第3形態について図4とを用い
て説明する。図4は上記第3形態を示す図である。
【0041】この第3形態は、上述の第2形態とほぼ同
様の構成をなしており、異なる点は、上記受皿(47)を省
略するとともに、上記バイメタル(48)に代えて板状の形
状記憶合金(50)を配置した点である。
【0042】つまり、冷時でのエンジン始動時には、ス
タートスプリング(20)の張力によって座金(46)がガバナ
力入力レバー(7)を介して図4中の右方向へ押されるこ
とで、上記形状記憶合金(50)が図4中の右側へ圧縮さ
れ、これによって上記座金(46)は図4中の実線図の状態
に位置する。なお、このとき、上述の第1形態や第2形
態と同様に、上記調量ラック(3)は上記始動増量位置(S
t)している。
【0043】そして、上記座金(46)に所定温度以上の熱
が加わると、上記形状記憶合金(50)が熱変形して上記座
金(46)を図4の左方向へ押圧し、この座金(46)によって
ガバナ力入力レバー(7)が、スタートスプリング(20)の
張力に抗して燃料減量側(L)へ押される。つまり、暖時
でのエンジン始動時には、上述の第1形態や第2形態と
同様に、上記調量ラック(3)は上記始動増量規制位置(S
St)へ位置する。
【0044】なお、上述の第2形態や第3形態では、上
記座金(46)をガバナスリーブ(14)の左端面側に配置した
が、上記座金(46)をガバナスリーブ(14)の右端面側に配
置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遠心式ガバナを備えたディーゼルエン
ジンの実施の第1形態を示す要部縦断面図である。
【図2】上記第1形態の作用を説明するための模式図で
ある。
【図3】本発明の遠心式ガバナを備えたディーゼルエン
ジンの実施の第2形態を示す図であり、図3(a)は上記
第2形態の要部縦断面図、図3(b)は上記第2形態にか
かる座金を図3(a)中のA方向から見た図である。
【図4】本発明の遠心式ガバナを備えたディーゼルエン
ジンの実施の第3形態を示す要部縦断面図である。
【図5】ガバナの基本構造を示す縦断面図である。
【図6】主にウェイトホルダに枢支されたガバナウェイ
トを示す図である。
【図7】主に調速操作具や停止操作具を示す図である。
【図8】主に停止レバーとスラストレバーとの関係を示
す斜視図である。
【図9】燃料調量ラックが始動増量位置にある状態を示
す模式図である。
【図10】従来の課題を説明するための図である。
【符号の説明】
1…ガバナ、2…燃料噴射ポンプ、3…燃料調量ラッ
ク、5…ガバナスプリング、7…ガバナ力入力レバー、
8…スプリング力入力レバー、14…ガバナスリーブ、15
…ガバナ軸、17…ガバナウェイト、20…スタートスプリ
ング(始動用付勢手段)、21…調速レバー、41…外側筒
部、42…内側筒部、43…内部空間、44…ワックス、46…
座金、L…燃料減量側、St…始動増量位置、SSt…始動
増量規制位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 35/00 310 F02D 35/00 310Q (72)発明者 萬羽 俊一 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 内藤 慶太 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内 (72)発明者 吉田 鉱三 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺 製造所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動自在のガバナレバーを、ガバナスプ
    リング(5)を介して調速レバー(21)に連結し、 ガバナ軸(15)にガバナスリーブ(14)をスライド移動自在
    に外嵌し、 そのガバナスリーブ(14)の一端面側に上記ガバナレバー
    を接当させるとともに、上記ガバナスリーブ(14)の他端
    面側にガバナウェイト(17)を接当させ、 燃料噴射ポンプ(2)の燃料調量ラック(3)を上記ガバナ
    レバーに連結し、 始動用の付勢手段(20)で上記調量ラック(3)を始動増量
    位置(St)に向けて付勢するように構成した遠心式ガバナ
    を備えたディーゼルエンジンにおいて、 温度によって変形する熱変形手段を上記ガバナスリーブ
    (14)に配置し、 上記熱変形手段が所定温度以上になっている暖時でのエ
    ンジン始動時には、その暖時での形状の熱変形手段によ
    って、上記ガバナレバーを上記始動用付勢手段(20)の付
    勢力に抗して燃料減量側(L)へ押すことにより、上記調
    量ラック(3)を上記始動増量位置(St)よりも燃料減量側
    (L)へずれた始動増量規制位置(SSt)へ位置させ、 上記熱変形手段が上記所定温度より低くなっている冷時
    でのエンジン始動時には、上記調量ラック(3)が、上記
    冷時での形状の熱変形手段で制限されることなく上記始
    動用付勢手段(20)の付勢力で上記始動増量位置(St)に位
    置するように構成した、 ことを特徴とする遠心式ガバナを備えたディーゼルエン
    ジン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遠心式ガバナを備えた
    ディーゼルエンジンにおいて、 前記ガバナスリーブ(14)を2つの筒部(41)(42)で構成
    し、それらの筒部(41)(42)によって上記ガバナスリーブ
    (14)内に内部空間(43)を形成し、所定温度以上で融解す
    るワックス(44)を上記内部空間(43)内に充填し、 上記ワックス(44)が所定温度以上になっている暖時での
    エンジン始動時には、上記ワックス(44)が融解して膨張
    することによって、一方の筒部(41)が、上記内部空間(4
    3)の密封状態を維持しながら、他方の筒部(42)に対して
    上記ガバナ軸(15)の軸方向へ相対移動することで、上記
    ガバナスリーブ(14)が、前記ガバナレバーを前記始動用
    付勢手段(20)の付勢力に抗して燃料減量側(L)へ押し
    て、上記調量ラック(3)を前記始動増量規制位置(SSt)
    へ位置させ、 上記ワックス(44)が所定温度より低くなっている冷時で
    のエンジン始動時には、上記ワックス(44)が凝固して収
    縮することによって、上記調量ラック(3)が、上記ガバ
    ナスリーブ(14)で制限されることなく上記始動用付勢手
    段(20)の付勢力で上記始動増量位置(St)に位置するよう
    に構成した、 ことを特徴とする遠心式ガバナを備えたディーゼルエン
    ジン。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の遠心式ガバナを備えた
    ディーゼルエンジンにおいて、 前記ガバナスリーブ(14)の少なくとも一方の端面側に座
    金(46)を配置し、その座金(46)に熱変形手段を設け、上
    記ガバナスリーブ(14)を、上記座金(46)を介して前記ガ
    バナレバーあるいは前記ガバナウェイト(17)と接当させ
    るように構成し、 前記暖時でのエンジン始動時には、その暖時での形状の
    熱変形手段によって、上記座金(46)が、上記調量ラック
    (3)を上記始動用付勢手段(20)の付勢力に抗して前記始
    動増量規制位置(SSt)へ位置させるように構成した、 ことを特徴とする遠心式ガバナを備えたディーゼルエン
    ジン。
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