JPH10195414A - 付加反応型シリコーン粘着剤組成物 - Google Patents

付加反応型シリコーン粘着剤組成物

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JPH10195414A
JPH10195414A JP248297A JP248297A JPH10195414A JP H10195414 A JPH10195414 A JP H10195414A JP 248297 A JP248297 A JP 248297A JP 248297 A JP248297 A JP 248297A JP H10195414 A JPH10195414 A JP H10195414A
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JP
Japan
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polyorganosiloxane
alkenyl group
hydroxyl groups
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JP248297A
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Nariaki Makino
成昭 牧野
Takashi Kobayashi
敬司 小林
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた粘着力を有する付加反応型シリコーン
粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】 (a)両末端が水酸基で封鎖されたポリ
オルガノシロキサンと分岐状ポリオルガノシロキサン樹
脂とを部分縮合または混合させて得られるポリオルガノ
シロキサン縮合体または混合物を、(b)アルケニル基
含有ジシラザンと反応させて得られる(A)アルケニル
基含有ポリオルガノシロキサン、(B)ポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンおよび(C)白金系触媒を含む
付加反応型シリコーン粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、付加反応型シリコ
ーン粘着剤組成物に関し、さらに詳しくは、水酸基含有
ポリオルガノシロキサンをアルケニル基含有ジシラザン
で処理することを経て得られる、粘着性、特にプローブ
タック、および粘着力の熱安定性に優れた付加反応型シ
リコーン粘着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーン粘着剤は、耐熱性、耐寒性、
耐水性、耐候性、電気絶縁性などに優れ、さらに、一般
の有機系粘着剤では粘着が困難である、ポリイミド、ポ
リアミド、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴ
ムなどに対する粘着性が優れているので、各種用途の粘
着剤として広く用いられている。
【0003】シリコーン粘着剤は、その硬化機構によっ
て、2種類に大別される。うち1種は、有機過酸化物を
硬化触媒として用いるラジカル反応型であり、他の1種
は、ポリオルガノシロキサンのアルケニル基と、ポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンのケイ素−水素結合と
の間の、白金触媒によるヒドロシリル化反応による付加
反応型である。
【0004】ラジカル反応型シリコーン粘着剤は、基材
中に含まれる硬化阻害物質による硬化阻害を起こさない
という利点はあるが、有機過酸化物を分解してラジカル
を発生させるのに高温を要するので、一般に硬化温度が
高く、ポリエチレンテレフタレートフィルムのような耐
熱性の劣る基材に適用することはできない。一方、付加
反応型シリコーン粘着剤は、より低温、短時間の硬化が
可能であり、耐熱性の劣る基材に適用でき、またこれを
用いることにより高い生産効率が得られる。
【0005】粘着剤に対する最近の要求特性が苛酷にな
り、たとえば、粘着力の高温における安定性が求められ
るなど、従来の付加反応型シリコーン粘着剤における、
粘着力およびプローブタックに優れているという特徴だ
けでは、その要求を満たし得ないケースも生じてきてい
る。
【0006】いずれの硬化機構によるシリコーン粘着剤
においても、ベースポリマーとして用いられるポリオル
ガノシロキサンは、直鎖状ポリジオルガノシロキサンと
分岐状ポリオルガノシロキサン樹脂との組み合わせによ
り、凝集力と粘着力やプローブタックとを両立させてい
る。この両種の分子骨格を有するポリオルガノシロキサ
ンは、単に混合させて用いてもよく、部分縮合のような
反応によってあらかじめ結合させたものを用いてもよい
が、高温における凝集力を得るために、両者を反応させ
て用いることが行われている。反応には、触媒としてア
ルカリ金属水酸化物やアミン類を用いる方法、アンモニ
ア水溶液を用いる方法(特開平1−185382号公
報)などが知られている。
【0007】付加反応型シリコーン粘着剤の場合、前述
の直鎖状ポリジオルガノシロキサンおよび分岐状ポリオ
ルガノシロキサン樹脂の、単に混合するタイプでは両者
の、また、あらかじめ反応させて用いる場合には少なく
ともその一方の分子中に、ポリオルガノハイドロジェン
シロキサンとの付加反応にあずかるアルケニル基を存在
させることが必要である。このような例として、特開昭
51−127132号公報には、両末端にビニル基を含
有するポリジオルガノシロキサンと、アルケニル基含有
ポリオルガノシロキサン樹脂とを主成分とするシリコー
ン粘着剤組成物が開示され;また特開昭64−3317
6号公報には、アルケニル基含有ポリジオルガノシロキ
サンと、水酸基含有量を1重量%以下に制御したポリオ
ルガノシロキサン樹脂を主成分とするシリコーン感圧接
着剤組成物が開示されている。これらの方法において
は、いずれもアルケニル基を有する1種または2種のポ
リオルガノシロキサンを中間原料として用いる必要があ
る。これらはアルケニル基を有するシロキサンオリゴマ
ーを他のシロキサンオリゴマーと共重合させることによ
って得られるが、アルケニル基を必要としないラジカル
反応型シリコーン粘着剤用の中間体と、二系列の中間原
料ポリオルガノシロキサンを並列に生産することは、生
産効率上きわめて煩雑になる。
【0008】特開昭61−108682号公報には、ケ
イ素原子に結合した水酸基を有する分岐状ポリオルガノ
シロキサン樹脂と、同様の水酸基を末端基として有する
ポリジオルガノシロキサンからなるシリコーン感圧接着
剤のベースポリマーに残存する水酸基をトリオルガノシ
リル単位に置換することにより、該感圧接着剤の重ね剪
断接着力を改良するために、トリオルガノシリルアミン
またはヘキサオルガノジシラザンを用いる技術が開示さ
れている。しかし、このような反応を、付加反応型シリ
コーン粘着剤のベースポリマーの製造に用いることは開
示されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的低温、短時間の加熱で硬化しうるという付加反応型シ
リコーン粘着剤の特徴を生かしながら、優れた粘着力や
プローブタック、特に粘着力の熱安定性に優れていると
いう特徴を有するシリコーン粘着剤組成物を提供するこ
とである。本発明のもう一つの目的は、上記の粘着特性
を有する付加反応型シリコーン粘着剤組成物を、ラジカ
ル反応型シリコーン粘着剤の中間原料である水酸基含有
ポリオルガノシロキサンから得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、水酸基含有ポリ
オルガノシロキサンをアルケニル基含有ジシラザンで処
理して得られるアルケニル基含有ポリオルガノシロキサ
ンを、付加反応型シリコーン粘着剤のベースポリマーと
して用いることにより、その目的を達成しうることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、 (A)(a)(1)一般式:
【化2】 (式中、R1 は、たがいに同一でも異なっていてもよ
い、脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水素基を表
し;mは500〜10,000の数である)で示され、
両末端が水酸基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン
と、(2)R1 3SiO1/2 単位とSiO4/2 単位からな
り(式中、R1 は前述のとおり)ケイ素原子に結合した
水酸基を有する分岐状ポリオルガノシロキサン樹脂とを
部分縮合または混合させて得られた、分子中に0.7〜
1.7重量%の水酸基を有するポリオルガノシロキサン
の縮合体または混合物100重量部を; (b)一般式:R23 2SiNHSiR3 22(式中、R
2 はたがいに同一でも異なっていてもよいアルケニル基
を表し;R3 はたがいに同一でも異なっていてもよい1
価の炭化水素基を表す)で示されるアルケニル基含有ジ
シラザン0.1〜3.0重量部と反応させて得られるア
ルケニル基含有ポリオルガノシロキサン; (B)ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なく
とも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(A)のアルケニル基1個に対する該水素原子の量が
1.0〜30個になる量;および (C)白金系触媒 触媒量を含む付加反応型シリコーン
粘着剤組成物に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の付加反応型シリコーン粘
着剤組成物に用いられる(A)成分のアルケニル基含有
ポリオルガノシロキサンは、(a)ポリオルガノシロキ
サン縮合物に(b)アルケニル基含有ジシラザンを反応
させて得られ、該組成物においてベースポリマーとして
機能する。上記(a)は、(1)両末端が水酸基で封鎖
されたポリジオルガノシロキサンと、(2)分岐状ポリ
オルガノシロキサン樹脂とを部分縮合させるか、単に混
合することによって得られる。
【0013】(1)の水酸基末端ポリジオルガノシロキ
サンは、一般式:
【化3】 (式中、R1 およびmは前述のとおり)で示される。R
1 としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシルなどのアルキル基;フェニルなどのアリ
ール基;および2−フェニルエチル、2−フェニルプロ
ピルなどのアラルキル基が例示され、耐熱性、耐寒性、
耐水性、耐候性、電気的性質のようなシリコーンの特徴
を最もバランスよく示し、また重合度の割合に低い粘度
を示すことから、その85モル%以上がメチル基である
ことが好ましく、特殊な場合を除いて、実質的にすべて
がメチル基であることがさらに好ましい。さらに耐熱
性、耐寒性もしくは耐放射線性が必要な場合、または一
般の有機系粘着剤と併用する場合には、R1 の一部とし
てフェニル基を用いるのが有効である。
【0014】mは500〜10,000の範囲であり、
2,000〜8,000が好ましい。500未満では、
被膜が硬くて粘着性に乏しく、10,000を越えるも
のは、製造が困難であり、また粘度が著しく高くなって
取扱いにくい。該ポリジオルガノシロキサンの25℃に
おける粘度は、通常5,000cP以上、好ましくは10
0,000cP以上であり、さらに好ましくは超高粘性の
シリコーン生ゴム状である。
【0015】(2)の分岐状ポリオルガノシロキサン樹
脂は、R1 3SiO1/2 単位とSiO4/2 単位からなるポ
リシロキサンであり(R1 は前述のとおり)、Rとして
はメチル、エチル、プロピルのようなアルキル基;およ
びフェニルのようなアリール基が例示される。合成が容
易なことからメチル基が好ましいが、(1)との部分縮
合によって得られる(a)成分にフェニル基を導入し
て、耐熱性、耐寒性、耐放射線性などを付与するため
に、(2)分岐状ポリオルガノシロキサン樹脂としてフ
ェニル基を有するものを用いてもよい。(2)のR1 3
iO1/2 単位とSiO4/2 単位の比は、SiO4/2 単位
1モルに対してR3 SiO1/2 単位が通常0.5〜1.
3モルであり、好ましくは0.7〜1.2モルである。
0.5モル未満では粘着力が極端に低下し、1.3モル
を越えると凝集力が低下する。さらに、該分岐状ポリオ
ルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した水酸基を分
子中に少なくとも1個有している。
【0016】(a)ポリオルガノシロキサンの縮合体ま
たは混合物を形成するには、(1)の100重量部に対
して(2)を通常60〜250重量部用いる。(2)が
60重量部未満では凝集力が乏しく、250重量部を越
えると粘着力が低下する。このような(a)の形成は、
(1)と(2)を単に混合してもよく、両者のケイ素原
子に結合した水酸基どうしの部分縮合反応によって、
(1)と(2)を結合させてもよいが、高温における優
れた凝集力が得られることから、部分縮合反応によって
結合させることが好ましい。
【0017】部分縮合反応は、トルエン、キシレンのよ
うな有機溶媒の存在下に、アルカリ金属水酸化物、アン
モニア水溶液、アミン類のような公知の触媒を用いて、
たとえば溶媒の還流温度において、縮合によって生ずる
水を除去しながら行うことができる。
【0018】(1)と(2)から部分縮合または混合に
よって得られた(a)は、ケイ素原子に結合した水酸基
を、分子中に0.7〜1.7重量%含有しているものが
好適である。
【0019】(b)は、一般式R23 2SiNHSiR
3 22(式中、R2 およびR3 は前述のとおり)で示され
るアルケニル基含有ジシラザンであり、(a)のケイ素
原子に結合した水酸基と反応して、(a)にアルケニル
基含有トリオルガノシロキシ基を導入して(A)アルケ
ニル基含有ポリオルガノシロキサンを合成するための反
応剤である。R2 としては、ビニル、アリル、ブテニル
などが例示され、分子中の2個のR2 はたがいに同一で
も異なっていてもよいが、合成が容易なことからビニル
基が好ましい。R3 としては、メチル、エチル、プロピ
ルのようなアルキル基;フェニルのようなアリール基が
例示され、たがいに同一でも異なっていてもよく、その
一部または全部として、ビニル、アリル、ブテニルのよ
うなアルケニル基であってもよい。合成が容易で、
(a)との反応性が優れていることから、メチル基が好
ましい。
【0020】(b)の使用量は、(a)100重量部に
対して0.1〜3.0重量部、好ましくは0.1〜2.
0重量部である。0.1重量部未満では、(A)に必要
な量のアルケニル基を導入することができず、3.0重
量部を越えると、硬化後の架橋密度が高くなり、粘着特
性が低下する。また、このような(b)との反応で、
(a)中に存在する、ケイ素原子に結合した水酸基の1
0モル%以上がシリル化されることが好ましい。このこ
とによって、得られた(A)成分にR23 2SiO1/2
単位を0.1〜2.0モル導入することが好ましく、そ
のことによって、(B)成分との間のヒドロシリル化反
応で、シリコーン粘着剤に十分な粘着力と凝集力を付与
することができる。
【0021】(a)と(b)との反応は、両者を室温で
撹拌するだけでも容易に行えるが、40〜100℃に加
熱して反応させることが、反応を短時間に完結させるた
めに好ましい。この温度範囲において、反応時間は30
分〜1時間でよい。反応によりアンモニアが副生し、こ
のアンモニアが系内に残存すると、シリコーン粘着剤を
硬化させる際の硬化反応を阻害し、また該粘着剤の耐熱
性、電気絶縁性などに悪影響を与える。したがって、反
応の際に窒素ガスのような不活性ガスを吹き込むか、反
応終了後に、窒素ガスを吹込むことにより、アンモニア
を完全に除去することが好ましい。
【0022】(B)成分のポリオルガノハイドロジェン
シロキサンは、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中
に少なくとも3個有し、このSi−H結合が、(A)成
分中のアルケニル基との間の付加反応により、網状の分
子構造を形成させて、組成物を硬化させる。(B)成分
中のケイ素原子に結合した有機基としては、メチル、エ
チル、プロピルのようなアルキル基;フェニル基などが
例示され、合成および取扱いの容易なことから、メチル
基が好ましい。(A)成分にフェニル基が存在する場
合、該(A)成分との相溶性を考慮して、一部にフェニ
ル基を導入してもよい。(B)成分のシロキサン骨格構
造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、
25℃における粘度は5〜500cPの範囲が好ましい。
5cP未満では保存中に揮発しやすく、500cPを越える
と合成および取扱いが困難になる。
【0023】(B)成分の配合量は、(A)成分中のア
ルケニル基1個に対して、ケイ素原子に結合した水素原
子が1.0〜30個になる量である。この量が1.0個
未満または30個を越える場合は、良好な粘着性を有す
る粘着剤層が得られない。
【0024】(C)成分の白金系触媒は、(A)成分中
のアルケニル基と(B)成分中のSi−H結合との間の
ヒドロシリル化反応を促進させる触媒である。(C)成
分としては、白金のほか;塩化白金酸、塩化白金酸とア
ルコールの反応生成物、白金−オレフィン錯体;白金−
ビニルシロキサン錯体、白金−リン錯体などが例示さ
れ、触媒効果から白金化合物が好ましい。
【0025】(C)成分の配合量は、触媒としての有効
量であり、(A)成分と(B)成分の合計量に対して、
白金原子として通常1〜500ppm 、好ましくは1〜3
00ppm である。1ppm 未満では硬化が遅くて実用上不
利であり、500ppm を越えても硬化速度は向上せず、
経済性および組成物の安定性のうえで好ましくない。
【0026】本発明に用いられる粘着剤組成物は、特に
(1)と(2)との部分縮合を行う場合は溶媒の存在下
でなされる。また組成物の調製および基材への塗布も、
通常、溶媒の存在する状態でなされる。溶媒としては、
トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサンのような炭化水素系溶媒;
テトラクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素系溶
媒;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのような
ケトン系溶媒;およびそれらの混合物が例示される。部
分縮合を溶媒の還流条件で行い、その間に生成した水を
系外に除去して、縮合反応を進行させるには、トルエン
またはキシレンを用いることが好ましい。
【0027】該組成物には、必要に応じて、本発明の機
能を損なわない範囲で、公知の添加剤を配合してもよ
い。このような添加剤としては、煙霧質シリカのような
無機質充填剤、ベンガラのような顔料、染料、2−メチ
ル−3−ブチン−2−オールのような硬化抑制剤、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オンのような光増感剤などが例示される。
【0028】粘着剤組成物は、(A)〜(C)成分およ
び必要に応じて配合する他の成分を、好ましくは硬化遅
延剤の存在下に、均一に混合することによって調製し、
常温または低温下に単一容器で保存することができる。
また、たとえば(A)成分の一部と(B)成分とを含む
混合物、および(A)成分の一部と(C)成分とを含む
混合物をそれぞれ調製して別途に保存し、使用直前に混
合して粘着剤組成物としてもよい。
【0029】粘着剤組成物を、溶媒の存在下に、ドクタ
ーブレード、ナイフコーターなどを用いて、基材の表面
に処理し、乾燥した後、さらに必要に応じて100〜1
40℃で数分間の加熱により硬化させて、粘着剤層を形
成させることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によって、従来の付加反応型シリ
コーン粘着剤に比べて粘着力およびプローブタックに優
れ、そのうえ、粘着力の熱安定性に優れた、付加反応型
シリコーン粘着剤が得られる。しかも、本発明の付加反
応型シリコーン粘着剤組成物は、ラジカル反応型シリコ
ーン粘着剤と同じ水酸基含有ポリオルガノシロキサンを
中間原料として得られるので、本発明は、シリコーン粘
着剤全体の工程の合理化にも寄与する。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部は重
量部を示す。本発明は、これらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0032】実施例1 両末端が水酸基で封鎖され、平均重合度5,000の超
高粘性ポリジメチルシロキサン100部と、SiO4/2
単位1.0モルに対して(CH3)3 SiO1/2単位0.
7モルの構成比の両単位からなる水酸基含有分岐状ポリ
メチルシリロキサン樹脂100部とを、トルエン133
部に加えて撹拌し、両ポリシロキサンを完全に溶解させ
てトルエン溶液を得た。この溶液に、水酸化ナトリウム
を固形分に対して3ppm 添加し、撹拌しつつトルエンの
還流温度に6時間保って両ポリシロキサンの水酸基を脱
水縮合させ、生成した水を系外に除去した。ついで、固
形分に対して10ppm のリン酸を加えて中和し、放冷し
て、ポリメチルシロキサンの部分縮合体のトルエン溶液
を得た。該縮合体中のケイ素原子に結合した水酸基の量
は1.2重量%であった。
【0033】上記の縮合体溶液100部をとり、1,3
−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン
0.3部を加えて、撹拌しつつ50℃に昇温して1時間
撹拌を続け、白濁した状態の反応生成物を得た。窒素ガ
スを通しながら70℃に昇温して、アンモニアを留去
し、放冷後、トルエンによって固形分濃度を60重量%
に調製し、25℃における見掛け粘度が100,000
cPのアルケニル基含有ポリメチルシロキサンのトルエン
溶液を得た。
【0034】上記のアルケニル基含有ポリメチルシロキ
サンのトルエン溶液100部を、トルエン60部で希釈
した後、平均重合度が60で、中間シロキサン単位が
(CH3)HSiO単位からなるα,ω−トリメチルシリ
ルポリメチルハイドロジェンシロキサン0.3部を配合
し、ついで白金−ビニルシロキサン錯体を、系中のシロ
キサンに対する白金原子の量として100ppm になる量
配合して、シリコーン粘着剤処理液を調製した。
【0035】実施例2 両末端が水酸基で封鎖され、(CH3)2 SiO単位90
モル%と(C65)2SiO単位10モル%からなる平
均重合度4,500の超高粘性直鎖状ポリメチルフェニ
ルシロキサン100部、およびSiO4/2 単位1.0モ
ルに対して(CH3)3 SiO1/2 単位0.8モルの構成
比で、該両単位からなる水酸基含有分岐状ポリメチルシ
ロキサン樹脂100部を、トルエン133部に溶解させ
て、両ポリシロキサンのトルエン溶液を得た。これを、
実施例1と同様に両ポリシロキサンの部分縮合を行い、
分子中にケイ素原子に結合した水酸基1.2重量%を有
するポリメチルフェニルシロキサン縮合体のトルエン溶
液を得た。
【0036】上記溶液100部に対する1,3−ジビニ
ル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンの添加量
を1.1部とした以外は実施例1と同様にして、ビニル
基の導入を行い、25℃における見掛け粘度が60,0
00cPで、濃度60%のアルケニル基含有ポリメチルフ
ェニルシロキサンのトルエン溶液を得た。これに、実施
例1に用いたポリオルガノハイドロジェンシロキサンと
白金−ビニルシロキサン錯体とを、同様の量と手順で配
合して、粘着剤処理液を調製した。
【0037】比較例 両末端が水酸基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン
として、両末端が水酸基で封鎖され、(CH3)2 SiO
単位99.7モル%と(CH3)(CH2 =CH)SiO
単位0.3モル%からなる平均重合度5,000の超高
粘性直鎖状ポリメチルビニルシロキサンを用いた以外は
実施例1と同様にして、トルエン溶液中で、上記の直鎖
状ポリメチルビニルシロキサンと分岐状ポリメチルシロ
キサン樹脂とを縮合させた。その結果、分子中にケイ素
原子に結合した水酸基1.2重量%を有する縮合体の、
見掛け粘度100,000cPで、濃度60%のトルエン
溶液を得た。これに、実施例1に用いたポリメチルハイ
ドロジェンシロキサンと白金−ビニルシロキサン錯体と
を、同様の量と手順で配合して、粘着剤処理液を調製し
た。
【0038】粘着テープの作成 上記の実施例1、2および比較例で得られたそれぞれの
粘着剤処理液を、厚さ50μm の芳香族ポリアミドフィ
ルムに塗布し、120℃で2分間加熱して硬化させ、粘
着剤の塗工厚さが50μm の粘着テープを得た。
【0039】評価 このようにして得られた粘着テープについて、下記の測
定法により粘着力、凝集力およびプローブタックを測定
することによって、粘着特性を評価した。
【0040】粘着力 ステンレス板(SUS304)の表面を280番耐水研
磨紙で磨いて、幅25mmの粘着テープを、粘着剤層が該
ステンレス板の研磨面に接するように重ね、荷重2kgの
ゴムローラーを用いて貼り合わせ、室温で3時間放置し
た。この試片を引張試験機によって180°方向に0.
3m/min の速度で引張り、粘着力を測定した。
【0041】凝集力 上記と同様のステンレス板の表面に、粘着剤層が25mm
×25mmの面積で接するように、上記と同様の粘着テー
プを重ね、80℃のオーブン中で20分間養生した後、
テープの下端に1kgの荷重を垂直にかけ、24時間後に
テープがずれた距離を測定した。ただし、その間におも
りが落下したときは、それまでの経過時間を記録した。
【0042】プローブタック 粘着テープを、デジタルポリケンプローブタックテスタ
ーTMI80−02−01(株式会社東洋精機製作所、
商品名)を用いて、接着時間1秒、荷重100g/cm2
接着面積0.2cm2 、剥離速度10mm/sの条件で剥離さ
せ、プローブタックを測定した。
【0043】耐熱性 粘着力の試験と同様に、粘着テープをステンレス板に重
ね、250℃に24時間加熱した後、室温まで冷却し
た。冷却後、粘着テープの表面を観察し、また粘着力の
測定を行った。
【0044】評価結果 これらの評価方法による評価結果を、表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示すように、本発明の付加反応型シ
リコーン粘着剤は、優れた粘着特性を示し、特に粘着
力、プローブタックおよび耐熱性が、従来の付加反応型
シリコーン粘着剤よりも優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)(1)一般式: 【化1】 (式中、R1 は、たがいに同一でも異なっていてもよ
    い、脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水素基を表
    し;mは500〜10,000の数である)で示され、
    両末端が水酸基で封鎖されたポリジオルガノシロキサン
    と、(2)R1 3SiO1/2 単位とSiO4/2 単位からな
    り(式中、R1 は前述のとおり)ケイ素原子に結合した
    水酸基を有する分岐状ポリオルガノシロキサン樹脂とを
    部分縮合または混合させて得られた、分子中に0.7〜
    1.7重量%の水酸基を有するポリオルガノシロキサン
    の縮合体または混合物100重量部を; (b)一般式:R23 2SiNHSiR3 22(式中、R
    2 はたがいに同一でも異なっていてもよいアルケニル基
    を表し;R3 はたがいに同一でも異なっていてもよい1
    価の炭化水素基を表す)で示されるアルケニル基含有ジ
    シラザン0.1〜3.0重量部と反応させて得られるア
    ルケニル基含有ポリオルガノシロキサン; (B)ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なく
    とも3個有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン
    (A)のアルケニル基1個に対する該水素原子の量が
    1.0〜30個になる量;および (C)白金系触媒 触媒量を含む付加反応型シリコーン
    粘着剤組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016079409A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 コスメディ製薬株式会社 シリコン粘着性美容シート

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