JPH10194377A - 2重殻タンク建設方法 - Google Patents

2重殻タンク建設方法

Info

Publication number
JPH10194377A
JPH10194377A JP8351504A JP35150496A JPH10194377A JP H10194377 A JPH10194377 A JP H10194377A JP 8351504 A JP8351504 A JP 8351504A JP 35150496 A JP35150496 A JP 35150496A JP H10194377 A JPH10194377 A JP H10194377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
roof
inner tank
side wall
outer tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8351504A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Shimamoto
直樹 島本
Setsuzo Kato
節三 加藤
Hidetoshi Kashima
秀利 鹿島
Toshiharu Hasegawa
敏晴 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP8351504A priority Critical patent/JPH10194377A/ja
Publication of JPH10194377A publication Critical patent/JPH10194377A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外殻と内殻との2重殻を備えて構成される2
重殻タンクの建設方法に関し、十分な品質を確保しなが
ら、工期を短縮できるようにする。 【解決手段】 外槽屋根6,複数の外槽側板を積み上げ
て形成される外槽側壁13及び外槽底部2から構成され
る外殻と、内槽屋根7,複数の内槽側板を積み上げて形
成される内槽側壁14及び内槽底部12,18から構成
される内殻とを備える2重殻タンクの建設方法におい
て、外槽底部2を据え付けるとともに、外槽底部2の上
部に外槽屋根6及び内槽屋根7を搭載する第1工程と、
外槽屋根6を段階的に上昇させ、各段階毎に外槽側板を
据え付け、これに並行して内槽側板を据え付けて、外槽
側壁13及び内槽側壁14を形成する第2工程と、内槽
屋根7を上昇させ、内槽側壁14の上部に据え付ける第
3工程とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外殻と内殻との2
重殻を備えて構成される2重殻タンクの建設方法に関
し、特に、LNGタンク,LPGタンク等の金属2重殻
低温タンクの建設に用いて好適の、2重殻タンク建設方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、LNGタンク,LPGタンク
等の金属2重殻低温タンクをはじめとした2重殻タンク
が建設されているが、例えば金属2重殻低温タンクを建
設する従来の2重殻タンク建設方法について説明する
と、図8は従来の金属2重殻低温タンク建設方法を示す
フローチャートであり、図9〜図17は、その建設方法
の各工程を示す模式図である。
【0003】従来の2重殻タンク建設方法では、概略的
には、複数枚の外槽側板を溶接等により据え付けて外槽
側壁を形成する工程と、次いで、この外槽側壁の上部に
エアレイズ又はジャッキアップにより上昇させた内外槽
屋根を取り付ける工程と、次いで、外槽側壁及び内外槽
屋根により覆われた空間で複数枚の内槽側板を溶接等に
より据え付けて内槽側壁を形成する工程とから構成され
る。
【0004】以下、図8のフローチャートに基づき、適
宜、図9〜図17を参照しながら、さらに詳述する。ま
ず、ステップA10の外槽底板据付工程で、図9に示す
ように、基礎3上に、環状に外槽アニュラ板(外槽アニ
ュラプレート)1Aを据え付けるとともに、その内側に
外槽底板1Bを据え付ける。なお、これらの外槽アニュ
ラ板1Aと外槽底板1Bとにより外槽底部2が形成され
る。
【0005】次に、ステップA20の外槽側板据付工程
で、図9〜図11に示すように、外槽底部2を構成する
外槽アニュラ板1A上に、外槽側板13−1〜13−n
を複数段積み重ねるように据え付けて、外槽側壁13を
形成する。つまり、まず図9に示すように、外槽側壁1
3の最下段を構成する外槽側板13−1を外槽アニュラ
板1A上に据え付け、さらに、図10(a),(b),
(c),図11(a),(b),(c)にそれぞれ示すよう
に、外槽側壁13の2段目を構成する外槽側板13−2
から外槽側壁13のn段目を構成する外槽側板13−n
までを順番に積み重ねて溶接等により固着することによ
り、外槽側板の据え付けが完了し、外槽側壁13が形成
される。
【0006】このステップA20の外槽側板据付工程に
並行して、ステップA30,A40の内槽屋根7及び外
槽屋根6の組立工程も行なう。つまり、ステップA30
で、内槽屋根7を組み立てる。この内槽屋根組立工程で
は、まず、その準備段階として、図10(a)に示すよ
うに、外槽底部2上に、ナックル板組立架台51及び屋
根架台(センタ架台)52を組み立てる。
【0007】次に、図10(b)に示すように、ナック
ル板組立架台51上で、ナックル板4の組立,溶接を行
なう。また、屋根架台52上で、内槽屋根頂部7Aの組
立,溶接を行なう。なお、この内槽屋根頂部7Aは、図
10(b)中に拡大して示すように、複数の内槽屋根頂
部屋根骨7aが地組にて一体化されて形成される。
【0008】そして、図10(c)に示すように、内槽
屋根7及び外槽屋根6を組み立てる際の足場として回転
ステージ60を組み立てるとともに、内部配管61を組
み立てる。さらに、この回転ステージ60上で、図11
(a)に示すように、内槽屋根頂部7Aに連結するよう
に内槽屋根本体7Bを組み立て、内槽屋根7を形成す
る。この内槽屋根7は、図11(a)に拡大して示すよ
うに、内槽屋根本体屋根骨7bに内槽屋根本体屋根板7
cを取り付けて形成される。
【0009】次に、ステップA40で、外槽屋根6を組
み立てる。つまり、まず図11(b)に示すように、内
槽屋根頂部7Aの上側に、外槽屋根頂部6Aを組み立て
る。そして、図11(c)に示すように、内槽屋根本体
7Bの上側に、屋根連結材(連結ピース)9を介して外
槽屋根本体屋根骨6bを取り付ける。この外槽屋根本体
屋根骨6bの端部は、外槽屋根頂部6Aに連結する。そ
して、外槽屋根本体屋根骨6bに、外槽屋根本体屋根板
6cを取り付けることにより外槽屋根本体6Bを組み立
てる。
【0010】このような内槽屋根7及び外槽屋根6の組
立に並行して、図11(b)に示すように、底部保冷工
事(リング部)を行なう。つまり、外槽底板1B上の外
周部(外槽アニュラ板1Aに近い部分)に、底部保冷部
材としての保冷コンクリートブロック11を取り付け
る。そして、この保冷コンクリートブロック11上に、
内槽側壁14と内槽底板18との接続部分を構成する内
槽アニュラ板12を取り付ける。
【0011】また、図11(c)に示すように、外槽屋
根本体6Bの端部にはホイスト62を取り付ける。さら
に、内槽屋根頂部7Aの下側に開放点検足場67を取り
付け、その後、屋根架台52及び回転ステージ60を解
体する。また、予め組み立てられていた内部配管61
を、図11(c)に示すように、内槽屋根頂部7Aの直
下まで吊り上げて取り付ける。
【0012】再び、図8に戻るが、このようにして屋根
連結材9を介して内槽屋根6及び外槽屋根7が一体に形
成されたら、ステップA50の工程で、図12(a),
(b)に示すように、これらの内槽屋根6及び外槽屋根
7をエアレイズによって外槽側壁13の上部まで上昇さ
せる。つまり、まずエアレイズの準備(エアレイズ機材
の取付)として、図12(a)に示すように、外槽屋根
7の周端部へのシール材(シート装置)68の取り付
け、外槽屋根7及び外槽側壁13により覆われた空間に
エアを供給するためのブロア63の取り付け等が行なわ
れる。
【0013】また、エアレイズにより上昇させる際の屋
根の傾きを矯正できるようにすべく、外槽屋根7の上部
に、複数の中間ガイドローラ73を介してバランスワイ
ヤ65を取り付ける。そして、ブロア63により外槽屋
根6及び外槽側壁13により覆われた空間にエアを供給
し、エアによる風圧でシート材68を外槽側壁13に押
し付け、外槽側壁13と外槽屋根6とにより形成された
空間を密閉するとともに、このエアによる風圧で、図1
2(b)に示すように、内槽屋根6及び外槽屋根7を上
昇させる。
【0014】なお、図12(a),(b)中、66は耐風
リングであり、タンク建設中の強風等によって外槽側壁
が座屈するのを防止すべく複数取り付けられている。ま
た、64は散水管であり、この散水管64はタンク稼働
後に隣接タンクで火災が発生した場合に、タンクを冷却
するためにタンク本体に水をかける滴火設備である。こ
のようにして、内槽屋根6及び外槽屋根7をエアレイズ
により上昇させた後、外槽屋根6を外槽側壁13の上部
に定着させる。この場合、内槽屋根6は正規の取付位置
よりも上側になるように定着させる。
【0015】その後、エアライズ機材を解体するととも
に、ナックル板組立架台51を解体する。このようにし
て、外槽側壁13,内槽屋根6及び外槽屋根7を取り付
け、これらにより覆われ、雨水の当たらない空間を形成
した後に、ステップA60で、図13(a),(b),
(c)に示すように、複数の内槽側板を積み上げ、溶接
等により据え付けて内槽側壁14を形成する。
【0016】つまり、まず外槽底板1の外周部に取り付
けられた保冷コンクリートブロック11上に、内槽側板
14−1を取り付け、内槽側壁14の最下部を形成す
る。そして、この内槽側壁14の最下部を構成する内槽
側板14−1に、内槽側板14−2〜14−nを1段ず
つ積み上げては溶接等により固着していき、内槽側壁1
4を形成する。
【0017】この際、各内槽側板14−2〜14−nの
積み上げには、ホイスト62を利用する。この内槽側壁
14の形成に並行して、図13(c)に示すように、外
槽側壁13を補強すべく外槽側スティフナ80を取り付
けるとともに、内槽側壁14を補強すべく内槽側スティ
フナ81を取り付ける。なお、この外槽側スティフナ8
0の取付は、内槽側板搭載後に行なう。
【0018】このようにして、内槽側壁14の最上段を
構成する内槽側板14−nを据え付けた後、図14に示
すように、ホイスト62を解体し、屋根吊降ろし準備を
行なう。そして、外槽屋根7及び内槽屋根6を所定の位
置まで下降させて、内槽側壁14の上部と内槽屋根6の
端部とを溶接等により固着する。これに並行して、ステ
ップA70の工程で、図12(b)及び図13(a)に
示すように、底部保冷工事(中央部)を行なう。つま
り、外槽底板1上であって、その中央部(保冷コンクリ
ートブロック11の内側)に底部保冷部材16を敷設す
る。
【0019】そして、ステップA80の工程で、図13
(b)に示すように、内槽底板組立用架台55が組み立
てられ、この内槽底板組立用架台55上で、内槽底板1
8の組立,溶接を行なう。ここで、内槽底板18の組立
を内槽底板組立用架台55上で行なうようにしているの
は、底部保冷部材16による保冷を養生するためであ
る。
【0020】なお、これに並行して、外槽側壁13及び
内槽側壁14の下部には、外槽側壁13及び内槽側壁1
4を介して側ノズルバルブ69を取り付ける。このよう
にして内槽底板18を形成した後、ステップA90で、
図15に示すように、内槽底板18を吊降ろす。このた
め、図13(c)及び図14に示すように、内槽底板1
8の吊降ろし準備を行なう。つまり、内槽側壁14の上
部に、底板吊降ろし用補強70を介して複数本の吊りワ
イヤ58により、内槽底板18を吊り下げる。
【0021】そして、これらの吊りワイヤ58により吊
り下げられた内槽底板18を底部保冷部材16上に吊り
降ろす。その後、図16に示すように、側ノズルバルブ
69を閉止板82により閉止するとともに、作業者の出
入りや資材の搬出入のための工事口71を閉鎖する(内
槽抜板閉鎖)。
【0022】また、内槽底板18と内槽アニュラ板12
とを亀甲回り溶接により取り付ける。さらに、頂部ノズ
ル,バルブ,安全弁等72も取り付ける。なお、内槽側
壁14の検査を行なった後に、内槽側板組立用足場を解
体する。このようにして金属2重殻低温タンクを建設し
た後に、ステップA100で、各種検査を行なう。
【0023】つまり、図17に示すように、まずタンク
内に注水し、アンカープレートを固定し、耐圧試験,水
張試験を行ない、その後、タンク内の水を排水した後
に、気密試験を行なう。また、側部及び頂部を保冷した
後に、内外槽間の足場を解体し、外槽抜板閉鎖する。こ
れに並行して、タンクの塗装も行なわれる。その後、O
2 パージ,クールダウンがなされ、完成する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な金属2重殻低温タンクには、例えば低温液化ガス等が
入れられるが、この低温液化ガス等を直接接触しながら
保持するのは内槽側壁14である。このため内槽側壁1
4の耐久性を考慮すると、内槽側壁14を構成する内槽
側板の溶接が重要になり、特に、内槽側板の溶接時に
は、雨水が当たらないようにする必要がある。
【0025】このため、従来の金属2重殻低温タンクの
建設方法では、上述のように、まず最初に、外槽側壁1
3及び外槽屋根7の据え付けを完了させておき、これら
の外槽側壁13及び外槽屋根7によって覆われて、雨水
が当たらないようになった空間を確保し、この雨水の当
たらないようにした空間内で、内槽側板の溶接等により
固着して内槽側壁14を形成するようにしている。
【0026】したがって、建設工程としては、まず外槽
側板を据え付けるとともに、外槽屋根7及び内槽屋根6
を据え付け、これらの据え付けが完了した後に、内槽側
板の据え付けを行なうことになる。内槽側壁14は上述
のように極めて重要な部位であり、慎重な工事を要する
ことから、内槽側壁14の施工自体に時間を要し、外槽
側壁13及び内槽屋根6,外槽屋根7の据え付け完了後
に、内槽側壁14を施工したのでは、工期が長くなると
いう課題がある。
【0027】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、十分な品質を確保しながら、工期を短縮でき
るようにした、2重殻タンク建設方法を提供することを
目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の2重殻タンク建設方法は、外槽屋根,複数の
外槽側板を積み上げて形成される外槽側壁から構成され
る外殻と、内槽屋根,複数の内槽側板を積み上げて形成
される内槽側壁から構成される内殻とを備える2重殻タ
ンクの建設方法において、該外槽屋根及び該内槽屋根を
組み立てる第1工程と、該外槽屋根を段階的に上昇さ
せ、各段階毎に該外槽側板を据え付け、これに並行して
該内槽側板を据え付けて、該外槽側壁及び該内槽側壁を
形成する第2工程と、該内槽屋根を上昇させ、該内槽側
壁の上部に据え付ける第3工程とから構成されることを
特徴としている。
【0029】このような構成により、外槽側壁と内槽側
壁とを並行して据え付けることができ、効率的に作業を
行なえる。請求項2記載の本発明の2重殻タンク建設方
法は、外槽屋根,複数の外槽側板を積み上げて形成され
る外槽側壁及び外槽底部から構成される外殻と、内槽屋
根,複数の内槽側板を積み上げて形成される内槽側壁及
び内槽底部から構成される内殻とを備える2重殻タンク
の建設方法において、該外槽底部を据え付けるととも
に、該外槽底部の上部に該外槽屋根及び該内槽屋根を搭
載する第1工程と、該外槽屋根を段階的に上昇させ、各
段階毎に該外槽側板を据え付け、これに並行して該内槽
側板を据え付けて、該外槽側壁及び該内槽側壁を形成す
る第2工程と、該内槽屋根を上昇させ、該内槽側壁の上
部に据え付ける第3工程とから構成されることを特徴と
している。
【0030】このような構成により、外槽側壁と内槽側
壁とを並行して据え付けることができ、効率的に作業を
行なえる。請求項3記載の本発明の2重殻タンク建設方
法は、請求項1又は2記載の方法において、該第2工程
において、該内槽側板の据え付けを、該外槽屋根と該外
槽側壁とにより覆われた空間内で行なうことを特徴とし
ている。
【0031】このような構成により、内槽側壁を据え付
ける際に、より確実に、内槽側壁に雨水が当たらないよ
うになる。請求項4記載の本発明の2重殻タンク建設方
法は、請求項1〜3のいずれかに記載の方法において、
該第2工程において、該外槽屋根をジャッキアップによ
り段階的に上昇させ、該第3工程において、該内槽屋根
をエアレイズにより上昇させることを特徴としている。
【0032】このような構成により、外槽屋根を必要な
分だけ段階的に上昇させることができるとともに、その
位置を保持することができる。また、内槽屋根を容易に
上昇させることができる。
【0033】
【発明の実施形態】以下、図面により、本発明の実施の
形態について説明する。図1〜図7は本発明の一実施形
態にかかる2重殻タンク建設方法を説明するためのもの
であり、図1は、本2重殻タンク建設方法を示すフロー
チャートであり、図2〜図7は、本2重殻タンク建設方
法の各工程を示す模式図である。なお、本実施形態にか
かる2重殻タンクは、LNGタンク,LPGタンク等の
金属2重殻低温タンクである。
【0034】以下、本2重殻タンク建設方法について、
図1のフローチャートを参照しながら説明し、適宜、図
2〜図7を参照することとする。本建設方法の概略を説
明すると、本方法では、図1に示すステップS10〜S
50を中心とした第1工程,ステップS100〜S13
0,S170を中心とした第2工程,ステップS18
0,S190からなる第3工程を備えて構成される。次
に、これらの各ステップを中心に順番に説明する。
【0035】まず、第1工程として、ステップS10
で、図2に示すように、基礎3上に、環状に外槽アニュ
ラ板(外槽アニュラプレート)1Aを据え付けるととも
に、その内側に外槽底板1Bを据え付ける。なお、これ
らの外槽アニュラ板1Aと外槽底板1Bとにより外槽底
部2が形成される。この外槽底部2は2重殻タンクの外
殻を構成する。
【0036】次に、ステップS20で、以下に示すよう
に、内外槽屋根ブロック8を搭載する。つまり、まず図
3(a)に示すように、外槽底部2上の周端部にナック
ル板組立架台51を据え付けるとともに、その中央部に
センタ架台(屋根架台)52を据え付ける。なお、図3
は外槽屋根及び内槽屋根の組立,溶接を説明するための
模式図である。
【0037】次に、ナックル板組立架台51上で、内槽
ナックル板4の組立,溶接を行なう。また、センタ架台
52上に、図3(b)に示すように、内外槽棟リング5
を介して一体形成された内槽屋根頂部7Aと外槽屋根頂
部6Aとを配置する。そして、内槽屋根本体7Bと外槽
屋根本体6Bとが複数の屋根連結材9により一体に連結
されてなる複数の内外槽屋根ブロック8を、円形状の内
外槽棟リング5の周りに、図示しないクレーンに連結さ
れたワイヤ53によって吊降ろして搭載する。ここで、
屋根連結材9は型鋼であり、溶接又はボルトで結合され
るもので、内外槽屋根の間隙を確保するための仮設材で
ある。
【0038】なお、本実施形態では、屋根の組立工程を
より短縮すべく外槽屋根本体6Bと内槽屋根本体7Bと
が一体連結された内外槽屋根ブロック8を用いている
が、従来技術で示したように、内槽屋根7側と外槽屋根
6側とをそれぞれ単独に組み立てるようにしてもよい。
次に、ステップS30で、図3(c)に示すように、外
槽屋根6の組立,溶接を行なう。つまり、内外槽棟リン
グ5を構成する外槽屋根頂部6Aに、内外槽屋根ブロッ
ク8を構成する外槽屋根本体6Bを溶接等により固着す
るとともに、内外槽棟リング5の周りに搭載された複数
の内外槽屋根ブロック8の外槽屋根本体6A間を溶接等
により連結して、外槽屋根6を組み立てる。なお、この
外槽屋根6は2重殻タンクの外殻を構成する。
【0039】また、内外槽棟リング5を構成する内槽屋
根頂部7Aに、内外槽屋根ブロック8を構成する内槽屋
根本体7Bを溶接等により固着するとともに、内外槽棟
リング5の周りに搭載された複数の内外槽屋根ブロック
8の内槽屋根本体7B間を溶接等により連結して、内槽
屋根7も組み立てる。なお、この内槽屋根7は2重殻タ
ンクの内殻を構成する。
【0040】さらに、外槽屋根6と内槽屋根7とを連結
する屋根連結材9の切断又は取り外しを行なう〔図4
(a)参照〕。これは、外槽屋根6を内槽屋根7と切り
離して、外槽屋根6のみをジャッキアップするようにす
るためである。つまり、本2重殻タンク建設方法では、
後述するように、外槽側壁13と内槽側壁14とを同時
に据え付けるようにしているため、内外槽屋根ブロック
8をエアレイズにより上昇させることが困難であり、ま
た内外槽屋根ブロック8のままでは重量がありすぎてジ
ャッキアップすることが困難であるからである。
【0041】ここで、外槽屋根6の周端部には、図4
(a)に示すように、内槽側板組立用ホイスト62を取
り付ける。また、内槽屋根7の周端部には、内槽ナック
ル板4を溶接等により固着する。また、センタ架台52
上で組み立てられたタンク内センタステージ10も内槽
屋根頂部7Aに取り付ける。そして、外槽屋根6及び内
槽屋根7を組み立てた後、センタ架台52を解体する。
【0042】これに並行するように、ステップS40
で、図3(c)に示すように、外槽底部を構成する外槽
アニュラ板2上に、外槽側壁13の最下段(1段目)を
構成する外槽側板13−1を据え付けるとともに、この
外槽側板13−1に積み上げるように、外槽側壁13の
2段目を構成する外槽側板13−2を据え付ける。この
ように、外槽側壁13の1段目及び2段目を構成する外
槽側板13−1,13−2を先に据え付けるようにして
いるのは、外槽側壁13の据え付けを内槽側板14の据
え付けよりも1,2段先行して行なうようにするためで
ある。なお、この外槽側板の先行据え付け数はこれに限
られない。
【0043】そして、ステップS50で、外槽側壁13
の最上段を構成する外槽側板13−nを組み立てる。こ
のようにして、第1工程を終えたら、第2工程への準備
を行なう(ステップS90,S60〜S80)。つま
り、ステップS60で、外槽底板1上に、その外周に沿
って、底部保冷部材としての保冷コンクリートブロック
11を据え付ける底部保冷工事を行なう。
【0044】この場合、保冷コンクリートブロック11
は環状に据え付けられるため、この底部保冷工事をリン
グ部保冷ともいう。ここで、保冷コンクリートブロック
11としては、これにかかる圧縮荷重が大きいことを考
慮して、パーライトコンクリートブロックを用いる。次
に、ステップS70で、保冷コンクリートブロック11
上に、内槽アニュラ板(内槽アニュラプレート)12を
組み立て、据え付ける。
【0045】この内槽アニュラ板12の内周には、後述
するように内槽底板18が溶接等により固着され、この
内槽アニュラ板12及び内槽底板18によって内槽底部
が形成され、この内槽底部が2重殻タンクの内殻を構成
する。また、この内槽アニュラ板12上には内槽側板が
据え付けられる。一方、ステップS90で、図4(a)
に示すように、外槽側壁13及び内槽側壁14の据え付
けの準備を行なう。なお、この据付準備は、内槽アニュ
ラ板12の据え付けに並行して行なう。
【0046】つまり、外槽屋根13を上昇させるために
ジャッキアップ架台54を設置する。また、ナックル架
台51を内槽側板用ナックル架台51Aに組み替える。
そして、外槽屋根6,外槽側板13−1,13−2,1
3−nで覆われた空間で、内槽側壁の最下段(1段)を
構成する内槽側板14−1を据え付ける(ステップS8
0)。なお、この内槽側板14−1は、ここでは外槽側
板13−1,13−2よりも高さが高いものとして形成
される。
【0047】なお、図7(a)に示すように、外槽側壁
の最下段及び2段目の部分には、資材等を搬入する工事
口71が設けられているとともに、外槽屋根6の内側に
は、内槽側壁組立用ホイスト62が取り付けられてい
る。これに並行して、外槽側壁13の最上段を構成する
外槽側板13−n(これは、ステップS50で組立済の
ものである)を、外槽屋根6の外周端部に据え付ける
〔図4(a)参照〕。これは、外槽屋根6と外槽側板1
3−nとにより傘を作り、この傘で覆って雨が当たらな
いようにした空間で、後述する内槽側板の組立,溶接及
び底部保冷工事を行なうようにするためである。
【0048】このようにして、準備工程を行なった後
に、第2工程として、以下に示すようにして、外槽側壁
13及び内槽側壁14を並行して据え付ける。ここで、
図4を参照するが、この図4は本2重殻タンク建設方法
の外槽側壁13及び内槽側壁14の据付工程を説明する
ための模式図である。なお、外槽側壁13は2重殻タン
クの外殻を構成し、内槽側壁14は2重殻タンクの内殻
を構成する。
【0049】つまり、ステップS100からステップS
130までの処理を繰り返して、外槽側壁13の3段目
を構成する外槽側板13−3から(n−1)段目を構成
する外槽側板13−(n−1)までの据え付けと、内槽
側壁14の2段目を構成する内槽側板14−2から(n
−1)段目を構成する内槽側板14−(n−1)までの
据え付けを行なう。
【0050】すなわち、まずステップS100で、図4
(b)及び図7(b)に示すように、外槽屋根6をジャ
ッキアップにより上昇させる。これにより、外槽側壁1
3の2段目を構成する外槽側板13−2と外槽屋根6に
据え付けた外槽側壁13の最上段を構成する外槽側板1
3−nとの間に、図7(b)中、仮想線で示すように、
外槽側板13−3を取り付けることができるだけの隙間
を形成する。
【0051】そして、ステップS110で、工事口71
を通じて外槽側板13−3を搬入して、図7(c)に示
すように、上記隙間に外槽側板13−3を仮止めする。
さらに、仮止めされた外槽側板13−3の溶接前の位置
合わせ、溶接、溶接後のグラインダ仕上げ、非破壊検査
等を行なう。一方、これに並行して、ステップS120
で、工事口71から内槽側壁14の2段目を構成する内
槽側板14−2を搬入し、内槽側壁組立用ホイスト62
に接続されたワイヤ90により、この内槽側板14−2
を吊り上げ、内槽側板14−1の上部に配置して仮止め
する。
【0052】そして、仮止めされた内槽側板14−2の
溶接前の位置合わせ、溶接、溶接後のグラインダ仕上
げ、非破壊検査等を行ない、外槽側板13−3を据え付
けるとともに、内槽側板14−2を据え付ける。このよ
うに、外槽側板13−3及び内槽側板14−2に関する
溶接前の位置合わせ、溶接、溶接後のグラインダ仕上
げ、非破壊検査等を並行して行なうことにより、工期の
大幅な短縮を図ることができることになる。
【0053】ここで、まず外槽側板13−3及び内槽側
板14−2を搬入し仮止めし、その後に、外槽側板13
−3及び内槽側板14−2の溶接前の位置合わせ、溶
接、溶接後のグラインダ仕上げ、非破壊検査等を行なう
ようにしているのは、外槽屋根6をジャッキアップする
ことにより形成された隙間を外槽側板13−3によって
閉鎖して、少なくとも内槽側板14−2の溶接等の際
に、溶接箇所への雨水の当たるおそれを確実に回避する
ためである。
【0054】これにより、従来と同様の内槽側壁14の
施工環境を実現でき、内槽側板の十分な品質を確保する
ことができる。そして、ステップS130で、外槽側壁
13及び内槽側壁14の所定の据付が完了したか、即
ち、外槽側板13−(n−1)及び内槽側板14−(n
−1)までの据付が完了したかを判定する。
【0055】ここでは、まだ外槽側壁13の3段目を構
成する外槽側板13−3及び内槽側壁14の2段目を構
成する内槽側板14−2の据え付けしか行なっていない
ため、当然、外槽側板13−(n−1)及び内槽側板1
4−(n−1)の据付は完了していないと判定され、ス
テップS100に戻る。そして、ステップS100で、
図7(d)に示すように、外槽側板13−3及び内槽側
板14−2の上段を据え付けるべく、外槽屋根6をジャ
ッキアップし、ステップS110及びステップS120
で、外槽側板13−4及び内槽側板14−3の据え付け
を行なう。
【0056】このようなステップS100からステップ
S130までの処理を、外槽側板13−(n−1)の据
付及び内槽側板14−(n−1)の据付が完了するまで
繰り返す。
【0057】この場合、外槽屋根6のジャッキアップは
段階的に行なわれ、各段階で外槽側板13−(n−1)
の据付及び内槽側板14−(n−1)の据付が行なわれ
る。ここで、図4(c)は、外槽側壁13のk段目を構
成する外槽側板13−kまで据え付け、内槽側壁14の
k段目を構成する内槽側板14−kまで据え付けた状態
を示している。
【0058】一方、ステップS130で、外槽側板13
−(n−1)及び内槽側板14−(n−1)の据付が完
了したと判定された場合は、ステップS170に進み、
内槽側壁14の最上段を構成する内槽側板14−nを据
え付ける。このようにして内槽側壁14を形成した後、
第3工程に進む。つまり、ステップS180で、図5に
示すように、内槽屋根7を、エアレイズによって内槽側
壁14の上部まで上昇させる。
【0059】すなわち、内槽側壁14を形成した後、内
槽屋根7の周端部にシート状のシール材17を取り付
け、この内槽側壁14と内槽屋根7とにより形成された
空間に、図示しないブロアによりエアを供給する。これ
により、エアによる風圧でシート材17が内槽側壁14
に押し付け、内槽側壁14と内槽屋根7とにより形成さ
れた空間を密閉するとともに、このエアによる風圧で内
槽屋根7を上昇させる。
【0060】この場合、内槽屋根7の上側に、複数の中
間ガイドローラ57を介してバランスワイヤ56を取り
付け、このバランスワイヤ56により外槽屋根6に吊る
すようにしており、これにより、内槽屋根7をエアレイ
ズにより上昇させる際に、内槽屋根7の傾きを矯正でき
るようにしている。そして、ステップS190で、図6
に示すように、内槽屋根7を、内槽側壁14の上部に溶
接等により定着させる。その後、ナックル板組立架台は
解体するとともに、エアレイズ機材を解体して第3工程
を完了する。
【0061】なお、上述のような外槽側板13及び内槽
側板14の据付(第2工程)に並行して、ステップS1
40で、図4(b)に示すように、内槽屋根7の下側に
回転ステージ15を溶接等により固着して据え付けるこ
とにより、内槽屋根7を組み立てる。ここで、回転ステ
ージ15を内槽屋根7の下側に据え付けるのは、後述す
る底部保冷工事と並行して、内槽屋根7の非破壊検査を
行なうためであり、この回転ステージ15は、タンクの
開放点検時の屋根裏足場としても利用できるため、永久
設備としている。
【0062】次に、ステップS150で、図4(c)に
示すように、底部保冷工事(中央部)を行なう。つま
り、外槽底板1上であって、保冷コンクリートブロック
11の内側の中央部に底部保冷部材16を敷設する。こ
こで、底部保冷部材16としては、フォームグラスやパ
ーライトコンクリートブロック等の断熱材が用いられ
る。
【0063】さらに、ステップS160で、内槽底板組
立用架台55が組み立てられ、この内槽底板組立用架台
55上で、内槽底部18を構成する内槽底板18Aの組
立,溶接を行なう〔図5参照〕。なお、内槽底板18A
は2重殻タンクの内殻を構成する。そして、ステップS
200で、図6に示すように、内槽底板組立用架台55
上で組み立てられた内槽底板18Aを吊降ろす。つま
り、内槽側壁14の上部に複数本の吊ワイヤ58を取り
付け、これらの吊ワイヤ58により内槽底板18Aを吊
り下げ、内槽底板組立用架台55を解体して、底部保冷
部材18上に吊り降ろすことによって、内槽底板18A
を底部保冷部材18上に据え付ける。
【0064】なお、従来技術で図13(c),図14,
図15を参照しながら説明したように、底板吊降ろし用
補強70を介して複数本の吊りワイヤ58により内槽底
板18を吊り下げ、内槽底板18Aを底部保冷部材18
上に吊り降ろすようにしてもよい。そして、ステップS
210で、内槽底板18Aと内槽アニュラ板12とを亀
甲回り溶接により固着する。
【0065】さらに、ステップS220で、内槽抜板を
閉鎖することによって工事口を閉鎖する。その後、ステ
ップS230で、2重殻タンクの各種検査を行なう。つ
まり、まずタンク内に注水し、アンカープレートを固定
し、耐圧試験,水張試験を行ない、さらに、排水した後
に、気密試験を行なう。
【0066】このような試験を終了し、側部及び頂部を
保冷した後に、内外槽間の足場を解体し、外槽抜板閉鎖
する。なお、これに並行して、タンクの塗装も行なわれ
る。その後、O2 パージ,クールダウンがなされ、2重
殻タンクが完成する。本発明の一実施形態にかかる2重
殻タンク建設方法は、上述のようにして行なわれるた
め、以下のような作用,効果がある。
【0067】つまり、各外槽側板の溶接前の位置合わ
せ、溶接、溶接後のグラインダ仕上げ、非破壊検査等の
工程と、各内槽側板の溶接前の位置合わせ、溶接、溶接
後のグラインダ仕上げ、非破壊検査等の工程とを並行し
て行なうことができるため、工期の大幅な短縮を図るこ
とができるという利点がある。また、外槽屋根6に外槽
側壁13の最上段を構成する外槽側板13−nを溶接等
により固着して傘のようなものを作り、雨水が当たらな
いようにした状態で、各内槽側板の溶接等の作業を行な
うことができ、各内槽側板の溶接部については、従来と
同等の品質を確保できる。
【0068】この場合、それぞれの外槽側板及び内槽側
板を搬入した後、取付位置に仮止め等しておけば、従来
と同様の内槽側板の施工環境を確保することができ、従
来と同様の品質を確実に確保することができる。また、
外槽屋根6をジャッキアップにより上昇させるようにし
ているため、外槽屋根6を必要な分だけ段階的に上昇さ
せることができるとともに、その位置を保持することが
できるため、外槽側壁及び内槽側壁の据え付けを容易に
行なうことができるという利点もある。また、外槽屋根
6及び外槽側板13−nのみをジャッキアップするため
ジャッキの負担が少ない。
【0069】さらに、内槽屋根7をエアレイズにより上
昇させるようにしているため、内槽屋根7を容易に上昇
させることができるという利点がある。なお、本実施形
態の2重殻タンク建設方法では、外槽側壁13の側板及
び内槽側壁14の側板を搬入し仮止めした後に、外槽側
板及び内槽側板の溶接等を並行して行なうようにしてお
り、少なくとも、内槽側板の溶接時には外槽側板でジャ
ッキアップ後の隙間を塞いで溶接部に雨水が当たるおそ
れを確実に回避できるようにしているが、外槽屋根6及
び外槽側板13−nのみにより、内槽側板に雨が当たる
のを完全に防ぐことができるならば、外槽側板及び内槽
側板の仮止め及び溶接等を全て並行して、即ち、特に順
番をつけることなく行なうようにしてもよい。
【0070】例えば、ジャッキアップにより上昇させる
ことにより形成される隙間よりも、外槽側壁13と内槽
側壁14との間隔が十分に大きい場合は、内槽側板の溶
接時等に雨が当たる心配はないと考えられるため、外槽
側板及び内槽側板の据付工程の全てを並行して行なうよ
うにしてもよい。また、本実施形態の2重殻タンク建設
方法では、外槽屋根6に外槽側壁13の最上段を構成す
る外槽側板13−nを取り付けたものをジャッキアップ
し、外槽側板を下側から積み上げていくようにして外槽
側壁13を形成するようにしているが、外槽屋根6に取
り付けた外槽側板13−nの下側に順次外槽側板を取り
付け、外槽屋根6及びこれに取り付けられた外槽側板の
全体をジャッキアップするようにして外槽側壁を形成す
るようにしてもよい。なお、この場合、内槽側板は下側
から順次据え付けていく必要がある。
【0071】これにより、溶接すべき内槽側板よりも下
側にジャッキアップによる隙間が形成され、外槽屋根6
及び外槽側板により形成される大きな傘により、溶接を
行なう内槽側板等を完全に覆うことができるため、内槽
側板に雨が当たる心配がなく、外槽側板及び内槽側板の
据え付けを同時に行なうことができる。また、本実施形
態の2重殻タンク建設方法は、LNGタンク,LPGタ
ンク等の金属2重殻低温タンクの建設方法として説明し
ているが、これに限られるものではなく、広く2重殻構
造のタンクの建設に適用できるものである。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1,2記載
の本発明の2重殻タンク建設方法によれば、内槽側壁の
据付と外槽側壁の据付とを並行して行なうことができる
ため、内槽側壁の十分な品質を確保しながら、工期を大
幅に短縮できるという利点がある。
【0073】請求項3記載の本発明の2重殻タンク建設
方法によれば、外槽屋根及び外槽側壁により覆われた空
間で内槽側壁を形成するため、内槽側壁の十分な品質を
より確実に確保することができるという利点がある。請
求項4記載の本発明の2重殻タンク建設方法によれば、
外槽屋根をジャッキアップにより上昇させるようにして
るため、外槽屋根を必要な分だけ段階的に上昇させるこ
とができるとともに、その位置を保持することができる
ため、外槽側壁及び内槽側壁の据え付けを容易に行なう
ことができるという利点がある。また、内槽屋根をエア
レイズにより上昇させるようにしているため、内槽屋根
を容易に上昇させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法の外槽底板据付工程を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法における外槽屋根及び内槽屋根の組立工程を示す模
式図であり、(a)はその準備工程、(b)は内外槽屋
根ブロック搭載工程、(c)は外槽屋根及び内槽屋根溶
接工程をそれぞれ示している。
【図4】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法における外槽側壁及び内槽側壁の据付工程を示す模
式図であり、(a)はその準備工程、(b),(c)は
外槽屋根のジャッキアップ,外槽側壁及び内槽側壁の据
付工程をそれぞれ示している。
【図5】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法における内槽側壁のエアレイズ工程を示す模式図で
ある。
【図6】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法の内槽底板吊降ろし工程を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる2重殻タンク建設
方法の内槽側壁及び外槽側壁の据付工程の一例を示す模
式図である。
【図8】従来の2重殻タンク建設方法を示すフローチャ
ートである。
【図9】従来の2重殻タンク建設方法の外槽底板据付工
程を示す模式図である。
【図10】従来の2重殻タンク建設方法の外槽側壁据付
工程及び屋根組立準備工程を示す模式図であり、(a)
は架台組立工程、(b)は内槽ナックルプレート及び内
槽頂部の組立工程、(c)は回転ステージ組立工程をそ
れぞれ示している。
【図11】従来の2重殻タンク建設方法の外槽側壁,外
槽屋根及び内槽屋根の組立工程を示す模式図であり、
(a)は外槽側壁,内槽屋根本体及び内槽屋根頂部の組
立工程、(b)は外槽側壁及び外槽屋根頂部の組立工
程、(c)は外槽側壁及び外槽屋根本体の組立工程をそ
れぞれ示している。
【図12】従来の2重殻タンク建設方法の外槽屋根及び
内槽屋根のエアレイズ工程を示す模式図であり、(a)
はその開始状態、(b)はその終了状態をそれぞれ示し
ている。
【図13】従来の2重殻タンク建設方法の内槽側壁据付
工程を示す模式図であり、(a)は1段目据付工程、
(b)は2段目据付工程、(c)は最終段据付工程をそ
れぞれ示している。
【図14】従来の2重殻タンク建設方法の外槽屋根及び
内槽屋根の吊降ろし工程を示す模式図である。
【図15】従来の2重殻タンク建設方法の内槽底板吊降
ろし工程を示す模式図である。
【図16】従来の2重殻タンク建設方法の内槽抜板閉鎖
工程を示す模式図である。
【図17】従来の2重殻タンク建設方法の注水工程を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 外槽底板(外槽底部,外殻) 2 外槽アニュラ板(外槽底部,外殻) 3 基礎 4 ナックル板 5 内外槽棟リング 6 外槽屋根(外殻) 6A 外槽屋根頂部 6B 外槽屋根本体 7 内槽屋根(内殻) 7A 内槽屋根頂部 7B 外槽屋根本体 8 内外槽屋根ブロック 9 屋根連結材 10 タンク内センタステージ 11 保冷コンクリートブロック 12 内槽アニュラ板(内殻) 13 外槽側壁(外殻) 13−1〜13−n 外槽側板 14 内槽側壁(内殻) 14−1〜14−n 内槽側板 15 回転ステージ 16 底部保冷部材 17 シール材 18 内槽底板(内殻) 51 ナックル架台 52 センタ架台 53 ワイヤ 54 ジャッキアップ架台 55 底部据付架台 56 バランスワイヤ 57 中間ガイドローラ 58 内槽底板吊ワイヤ 60 回転ステージ 61 内部配管 62 ホイスト 63 ブロア(送風機) 64 散水管 65 ワイヤ 66 耐風リング 67 開放点検足場 68 シール材(シール装置) 69 側ノズルバルブ 70 底板吊降ろし用補強 71 工事口 72 頂部ノズル,バルブ,安全弁等 80 外槽側スティフナ 81 内槽側スティフナ 82 閉止板 90 ワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 敏晴 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外槽屋根,複数の外槽側板を積み上げて
    形成される外槽側壁から構成される外殻と、内槽屋根,
    複数の内槽側板を積み上げて形成される内槽側壁から構
    成される内殻とを備える2重殻タンクの建設方法におい
    て、 該外槽屋根及び該内槽屋根を組み立てる第1工程と、 該外槽屋根を段階的に上昇させ、各段階毎に該外槽側板
    を据え付け、これに並行して該内槽側板を据え付けて、
    該外槽側壁及び該内槽側壁を形成する第2工程と、 該内槽屋根を上昇させ、該内槽側壁の上部に据え付ける
    第3工程とから構成されることを特徴とする、2重殻タ
    ンク建設方法。
  2. 【請求項2】 外槽屋根,複数の外槽側板を積み上げて
    形成される外槽側壁及び外槽底部から構成される外殻
    と、内槽屋根,複数の内槽側板を積み上げて形成される
    内槽側壁及び内槽底部から構成される内殻とを備える2
    重殻タンクの建設方法において、 該外槽底部を据え付けるとともに、該外槽底部の上部に
    該外槽屋根及び該内槽屋根を搭載する第1工程と、 該外槽屋根を段階的に上昇させ、各段階毎に該外槽側板
    を据え付け、これに並行して該内槽側板を据え付けて、
    該外槽側壁及び該内槽側壁を形成する第2工程と、 該内槽屋根を上昇させ、該内槽側壁の上部に据え付ける
    第3工程とから構成されることを特徴とする、2重殻タ
    ンク建設方法。
  3. 【請求項3】 該第2工程において、該内槽側板の据え
    付けを、該外槽屋根と該外槽側壁とにより覆われた空間
    内で行なうことを特徴とする、請求項1又は2記載の2
    重殻タンク建設方法。
  4. 【請求項4】 該第2工程において、該外槽屋根をジャ
    ッキアップにより段階的に上昇させ、 該第3工程において、該内槽屋根をエアレイズにより上
    昇させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに
    記載の2重殻タンク建設方法。
JP8351504A 1996-12-27 1996-12-27 2重殻タンク建設方法 Withdrawn JPH10194377A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8351504A JPH10194377A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 2重殻タンク建設方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8351504A JPH10194377A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 2重殻タンク建設方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10194377A true JPH10194377A (ja) 1998-07-28

Family

ID=18417743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8351504A Withdrawn JPH10194377A (ja) 1996-12-27 1996-12-27 2重殻タンク建設方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10194377A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100993225B1 (ko) 2010-05-03 2010-11-10 박상태 다수 격벽을 구비한 원통형 저장탱크 및 그 제조방법
JP2017210743A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 川崎重工業株式会社 平底円筒型タンクにおける内槽の施工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100993225B1 (ko) 2010-05-03 2010-11-10 박상태 다수 격벽을 구비한 원통형 저장탱크 및 그 제조방법
JP2017210743A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 川崎重工業株式会社 平底円筒型タンクにおける内槽の施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6127459B2 (ja) 円筒型タンクの構築方法
US4651401A (en) Method of erecting large cylindrical storage tanks with a plurality of vertical plate bodies arranged inside one another
JPH10194377A (ja) 2重殻タンク建設方法
JPH0762924A (ja) コンクリート外槽低温タンクの建設工法
JP3888564B2 (ja) 地中構造物の構築方法
KR101978405B1 (ko) 육상용 액화가스 저장탱크의 시공방법
JPH07253196A (ja) コンクリート外槽低温タンクの建設工法
WO2023127641A1 (ja) 三重殻タンクの施工方法
JP2000297476A (ja) ドーム構造物の構築方法
JPH0518495A (ja) 地下式貯槽の構築工法
WO2023127637A1 (ja) 三重殻タンクの施工方法
JP2727337B2 (ja) 複数殼貯槽の施工法
JPH108626A (ja) 屋根ドームの建設工法
JPH09281268A (ja) 原子力発電所タービン建屋の建設工法
JPH04203593A (ja) 二重殻タンクの内槽底板昇降方法
JP2631452B2 (ja) 地下式貯槽の屋根構築方法
JPH06212829A (ja) タンクの屋根構築方法
JPH0711807A (ja) 低温地下タンクの建設工法
JPS6026910B2 (ja) 平底円筒タンクの施工方法
JPH0762925A (ja) コンクリート外槽低温タンクの建設工法
JPH04203594A (ja) 二重殻タンクの内槽底板据付方法
JPH09317250A (ja) 建築現場用チューブ式テントとその設置方法
JPH0123630B2 (ja)
JPH0559737A (ja) 鉄筋コンクリート躯体への断熱貫通孔の構築方法
JPH07102822A (ja) タンク屋根の建造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040302