JPH0762925A - コンクリート外槽低温タンクの建設工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート外槽低温タンクの建設工期を短
縮できる。 【構成】 コンクリート外槽と金属製内槽とを同時に施
工する。即ち、コンクリート外槽の底部上でコンクリー
ト外槽の側壁工事を行うときに、コンクリート外槽の底
部上で内槽屋根４−３と外槽屋根６−１とを組み立て、
次いで空気により内槽屋根４−３及び外槽屋根６−１を
内槽側板１０−１の１段分だけ浮上させ、内槽屋根４−
３及び外槽屋根６−１をコンクリート外槽の側壁に設け
た窪み８−６に仮置きして、内槽側板１０−１の最下段
を施工し、それからもコンクリート外槽の側壁工事の進
捗に合わせて屋根の浮上、内槽側板の施工を繰り返し行
って、最後に外槽屋根６−１の外周部をコンクリート外
槽の最上部に取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート外槽低温
タンク（ＬＮＧタンク、ＬＰタンク等）の建設工法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のコンクリート外槽低温タンクの建
設工法を図１６〜図２３により説明すると、 （１）先ず図１６に示すように、内外槽屋根骨１をタ
ンク建設場所の周辺で地組する。タンク建設場所に外
槽底部ライニング２を据付ける。屋根支持台３を外槽
底部ライニング２の上にセットする。 （２）次いで図１７に示すように、内外槽の頂部屋根
骨リング・内槽屋根骨リング４を中央の屋根支持台３の
上に据付ける。内槽屋根骨地組ブロック５を各屋根支
持台３の上に据付ける。内槽底板６をタンク内に引き
入れて、仮置きしておく。アニューラー板下のリング
部７の保冷工事を行う。 （３）次いで図１８に示すように、内槽アニューラー
板８を据付ける。内槽屋根骨・屋根板９ａの上に外槽
屋根骨・屋根板９ｂを据え付ける。 （４）次いで図１９に示すように、連結材１０によ
り、内槽屋根骨・屋根板９ａと外槽屋根骨・屋根板９ｂ
とを連結する。内槽側板１段目１１を据え付ける。
この内槽側板１段目１１に内槽屋根骨・屋根板９ａを仮
受けするための架台１２を取付ける。 （５）次いで図２０に示すように、ジャッキアップ架
台１４を据え付ける。屋根支持台３等を撤去して、ジ
ャッキアップの準備をする。 （６）次いで図２１に示すように、内槽屋根骨・屋根
板９ａと外槽屋根骨・屋根板９ｂとをジャッキアップす
る。外槽屋根骨・屋根板９ｂを所定位置に定着した
後、中央部の保冷工事（１７参照）を実施する。 （７）次いで図２２に示すように、屋根開口部から内側
側板１８を入れ込んで、据え付ける。中央部の保冷工
事と並行して内槽底板１９を据え付ける。 （８）次いで図２３に示すように、内槽ナックルプレ
ート２２を略据え付けたら、側部液密保冷及び側部保冷
工事（２０参照）を実施して、屋根開口部を閉鎖する。
屋根保冷を実施する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記図１６〜図２３に
示す従来のコンクリート外槽低温タンクの建設工法で
は、内槽が低温液化ガスを保持する重要な構造部材であ
るため、施工時、雨水に触れさせないようにする必要が
あり、そのため、先ず外槽側壁と屋根とで密閉空間部を
形成して、その中で内槽側板を施工しており、コンクリ
ート外槽低温タンクの建設工期を長引かせるという問題
があった。

【０００４】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、建設工期を短縮できるコ
ンクリート外槽低温タンクの建設工法を提供しようとす
る点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のコンクリート外槽低温タンクの建設工法
は、コンクリート外槽の底部上でコンクリート外槽の側
壁工事を行うときに、コンクリート外槽の底部上で内槽
屋根と外槽屋根とを組み立て、次いで空気により内槽屋
根及び外槽屋根を内槽側板の１段分だけ浮上させ、内槽
屋根及び外槽屋根をコンクリート外槽の側壁に設けた窪
みに仮置きして、内槽側板の最下段を施工し、それから
もコンクリート外槽の側壁工事の進捗に合わせて屋根の
浮上、内槽側板の施工を繰り返し行って、最後に外槽屋
根の外周部をコンクリート外槽の最上部に取付けること
を特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明のコンクリート外槽低温タンクの建設工
法は前記のようにコンクリート外槽と金属製内槽とを同
時に施工する。即ち、コンクリート外槽の底部上でコン
クリート外槽の側壁工事を行うときに、コンクリート外
槽の底部上で内槽屋根と外槽屋根とを組み立て、次いで
空気により内槽屋根及び外槽屋根を内槽側板の１段分だ
け浮上させ、内槽屋根及び外槽屋根をコンクリート外槽
の側壁に設けた窪みに仮置きして、内槽側板の最下段を
施工し、それからもコンクリート外槽の側壁工事の進捗
に合わせて屋根の浮上、内槽側板の施工を繰り返し行っ
て、最後に外槽屋根の外周部をコンクリート外槽の最上
部に取付ける。

【０００７】

【実施例】次に本発明のコンクリート外槽低温タンクの
建設工法を図１〜図１５により説明する。 （１）先ず図１に示すように、鋼管杭１−１を円周方
向外側に向かって打設する。鋼管杭１−１打設後、基
礎底版に相当する部分を掘削する。 （２）次いで図２に示すように、基礎底版に相当する
部分に型枠を組み立て、鉄筋２−１を組み立てる。基
礎底版に相当する部分にコンクリート２−２を打設す
る。 （３）次いで図３に示すように基礎底版３−４を形成し
たら、その上に外槽底部ライナー３−１を据え付ける。
外槽の側部コンクリート（１段目）３−２を打設す
る。外槽底部ライナー３−１の中央部に据付架台３−
３を組み立てる。 （４）次いで図４に示すように、据付架台３−３の上
に内槽頂部４−１を組み立てる。外槽の側部コンクリ
ートを２段〜３段まで打設したら、内槽ナックル４−２
を組み立てる。内槽屋根４−３を組み立てる。 （５）次いで図５の（ａ）に示すように、コンクリート
養生後、足場５−１を外槽の側部コンクリートの上部に
移動させ、（ｂ）に示すように地組された鉄筋及び周方
向鋼材シース５−２を建込んで接続し、（ｃ）に示すよ
うに内側及び外側の型枠５−３を組み立て、セパレータ
により型枠５−３を固定し、（ｄ）に示すように、ポン
プ車５−４によりコンクリートを打設する。それからも
（ａ）〜（ｄ）の作業を繰り返し行って、外槽の側部コ
ンクリート５−５を打設する。 （６）次いで図６に示すように、内槽屋根４−３上で
外槽屋根６−１を組み立てる。側部コンクリート６−
２を打設する。 （７）次いで図７の（ａ）に示すように、エアーレイズ
装置７−１を組み立て、（ｂ）に示すように外槽の側部
コンクリート８−１を打設する。なおエアーレイズ装置
７−１は、エアーシール８−２と、ハンガービーム８−
３と、同ハンガービーム８−３の上下端部に取付けた屋
根傾斜防止用車輪８−４と、ハンガー８−５とにより構
成されており、ハンガー８−５を外槽の側部コンクリー
トの内面に設けた窪み８−６（窪み８−６の下部に設け
た鋼板８−７）に乗せることにより、内槽屋根４−３及
び外槽屋根６−１の自重を支持するようになっている。 （８）次いで図８に示すように、内槽屋根４−３及び
外槽屋根６−１をエアーレイズし、内槽側板の１段分だ
け浮上させて、内槽屋根４−３及び外槽屋根６−１を窪
み８−６に仮置する。なお窪み８−６は、局部的に設け
られており、若干のエアー洩れはあるが、内槽屋根４−
３及び外槽屋根６−１の浮上には問題ないが、エアーシ
ールが窪み８−６にくる前に、充填材により窪み８−６
を無くすことも可能である。 （９）次いで図９に示すように、開口部から内槽アニ
ュラ１０−２及び内槽側板１０−１（最下段）を入れ込
んで、組み立てる。１２−１は保冷ブロックである。 （１０）次いで図１０に示すように、外槽側壁工事の
進捗に合わせて、内槽屋根４−３及び外槽屋根６−１を
エアーレイズして、順次浮上させる。その都度、内槽
側板１０−１（最下段）にその上の内槽側板１０−２を
順次組み立てる。外槽側部ライナー１１−３を溶接す
る。 （１１）次いで図１１に示すように、開口部から底部
保冷材内槽底板を入れ込んで、組み立てる。 （１２）次いで図１２に示すように、内槽底板１３−
１をチエーンブロック１３−２等により下ろす。 （１３）次いで図１３の（ａ）（ｂ）に示すように、
内槽屋根４−３及び外槽屋根６−１を所定位置まで浮上
させたら、外槽屋根６−１を外槽の側部コンクリート
（ＰＣ側部コンクリート）の上部１４−２に固定する。 （１４）次いで図１４に示すように外槽の側部コンクリ
ートの開口部１５−１を密閉する。外槽の側部コンク
リート（防液堤）１５−２にプレストレスを導入する。
ゴンドラ１５−３に乗る作業員より、冷熱抵抗緩和材
１５−４を取付ける。 （１５）次いで図１５に示すように内槽屋根４−３及
び外槽屋根６−１にノズル１６−１を取付ける。水漲
テスト、内槽の気密テストを行う。内外槽間にパーラ
イト１６−３を充填する。

【０００８】

【発明の効果】本発明のコンクリート外槽低温タンクの
建設工法は前記のようにコンクリート外槽と金属製内槽
とを同時に施工する。即ち、コンクリート外槽の底部上
でコンクリート外槽の側壁工事を行うときに、コンクリ
ート外槽の底部上で内槽屋根と外槽屋根とを組み立て、
次いで空気により内槽屋根及び外槽屋根を内槽側板の１
段分だけ浮上させ、内槽屋根及び外槽屋根をコンクリー
ト外槽の側壁に設けた窪みに仮置きして、内槽側板の最
下段を施工し、それからもコンクリート外槽の側壁工事
の進捗に合わせて屋根の浮上、内槽側板の施工を繰り返
し行って、最後に外槽屋根の外周部をコンクリート外槽
の最上部に取付けるので、コンクリート外槽低温タンク
の建設工期を短縮できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わるコンクリート外槽低温タンクの
建設工法の一実施例の第１工程を示す説明図である。

【図２】同建設工法の第２工程を示す説明図である。

【図３】同建設工法の第３工程を示す説明図である。

【図４】同建設工法の第４工程を示す説明図である。

【図５】同建設工法の第５工程を示す説明図である。

【図６】同建設工法の第６工程を示す説明図である。

【図７】同建設工法の第７工程を示す説明図である。

【図８】同建設工法の第８工程を示す説明図である。

【図９】同建設工法の第９工程を示す説明図である。

【図１０】同建設工法の第１０工程を示す説明図であ
る。

【図１１】同建設工法の第１１工程を示す説明図であ
る。

【図１２】同建設工法の第１２工程を示す説明図であ
る。

【図１３】同建設工法の第１３工程を示す説明図であ
る。

【図１４】同建設工法の第１４工程を示す説明図であ
る。

【図１５】同建設工法の第１５工程を示す説明図であ
る。

【図１６】従来実施されているコンクリート外槽低温タ
ンクの建設工法の第１工程を示す説明図である。

【図１７】同建設工法の第２工程を示す説明図である。

【図１８】同建設工法の第３工程を示す説明図である。

【図１９】同建設工法の第４工程を示す説明図である。

【図２０】同建設工法の第５工程を示す説明図である。

【図２１】同建設工法の第６工程を示す説明図である。

【図２２】同建設工法の第７工程を示す説明図である。

【図２３】同建設工法の第８工程を示す説明図である。

【符号の説明】

４−３ 内槽屋根 ６−１ 外槽屋根 ８−６ 窪み １０−１ 内槽側板（最下段） １０−２ 〃 １４−２ コンクリート外槽

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 良和 神奈川県横浜市中区錦町12番地 菱日エン ジニアリング株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンクリート外槽の底部上でコンクリー
   ト外槽の側壁工事を行うときに、コンクリート外槽の底
   部上で内槽屋根と外槽屋根とを組み立て、次いで空気に
   より内槽屋根及び外槽屋根を内槽側板の１段分だけ浮上
   させ、内槽屋根及び外槽屋根をコンクリート外槽の側壁
   に設けた窪みに仮置きして、内槽側板の最下段を施工
   し、それからもコンクリート外槽の側壁工事の進捗に合
   わせて屋根の浮上、内槽側板の施工を繰り返し行って、
   最後に外槽屋根の外周部をコンクリート外槽の最上部に
   取付けることを特徴としたコンクリート外槽低温タンク
   の建設工法。