JPH10193626A - 印字ヘッドのキャッピング装置 - Google Patents

印字ヘッドのキャッピング装置

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JPH10193626A
JPH10193626A JP9182833A JP18283397A JPH10193626A JP H10193626 A JPH10193626 A JP H10193626A JP 9182833 A JP9182833 A JP 9182833A JP 18283397 A JP18283397 A JP 18283397A JP H10193626 A JPH10193626 A JP H10193626A
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bag
capping
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淳二 仲原
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles
    • B41J2/16505Caps, spittoons or covers for cleaning or preventing drying out
    • B41J2/16508Caps, spittoons or covers for cleaning or preventing drying out connected with the printer frame

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字ヘッドのキャッピング装置において、簡
単な構成でもってキャップ内空間の圧力変化を吸収で
き、かつ、ノズルの乾燥を防止できるようにする。 【解決手段】 キャップ16aに、キャッピング時に印
字ヘッド2のノズル部分周囲に当接して密閉する当接部
32、及び当接部32で囲まれた位置に変形自在な袋状
部33aを有する変形膜33を形成する。当接部32と
ノズルとの密閉空間内の温度が変化した場合、袋状部3
3aが膨張収縮して圧力を一定に保つ。これにより、印
字ヘッドのメニスカス破壊がなくなり、印字不良発生が
防止される。また、記録装置とは別個に構成し、工場出
荷時等におけるヘッドユニット単体に装着してノズルの
乾燥を防止することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッドのキャ
ッピング装置に関し、特に、印字ヘッドのメニスカスの
破壊を防止し、また出荷時の印字ヘッドを保護するため
の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、印字ヘッドのインク噴射用ノ
ズルの乾燥を防止するために、印字ヘッドに対してキャ
ッピング装置によるキャッピングが行われている。この
キャッピング時、印字ヘッドとキャッピング装置とで密
閉された空間(以下、キャップ内空間という)の温度が
変化すると、キャップ内空間の空気が膨張又は収縮し、
キャップ内空間の圧力が変化する。印字ヘッドのノズル
内のインクの先端は、表面張力でメニスカスを形成して
いるが、このメニスカスは非常に弱い圧力で破壊されて
しまう。温度が上昇してキャップ内空間の圧力が上昇す
ると、空気がメニスカスを破壊し、ノズル内に気泡とな
って入り込み、インクの噴射を阻害する。また、温度が
低下して圧力が下がると、ノズルからインクがキャップ
内に引き込まれ、キャップ内に溜まったインクでノズル
面を濡らし、インクがノズルから噴射する際、噴射方向
が曲がったり、噴射を乱したりする。その結果、温度の
上昇、低下いずれも、印字不良を起こすことになる。し
たがって、キャップ内空間の圧力を、メニスカスが破壊
されない程度の低い圧力に抑える必要がある。このキャ
ップ内空間の圧力を抑える技術として、(1)キャップ
部分にダンパ室を接続してキャップ内空間の圧力変化を
吸収するようにしたキャッピング装置、(2)キャップ
内空間を大気に連通させて圧力変化が生じないようにし
たキャッピング装置等が提案されている。
【0003】また、印字ヘッド又はヘッドユニットの工
場からの出荷時や保存時には、使用開始の際におけるイ
ンクの初期導入をスムーズに行わせるために、印字ヘッ
ドの内部、即ちアクチュエータに形成されているインク
室、及びインク室と接続するマニホールド内にインクの
染料や顔料を除いたインクと同様な特性を有する保存液
が充填されており、この保存液の漏出の防止や、噴射用
ノズルの保護等の目的で、ノズルプレートに対してプロ
テクトゴム等によってキャッピングを行い、インク室及
びマニホールド内を密閉状態に保つようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)のキャッピング装置においては、キャッピング装
置以外の部品(ダンパ室)をキャッピング装置に取り付
ける必要があるため、構成が複雑になり装置が大きくな
るという問題があり、(2)のキャッピング装置におい
ては、ノズルが乾燥しやすいという問題がある。また、
従来のダンパ室においては、該ダンパ室を構成する壁の
一部のみを薄膜にしていたため、変位量が小さく、ダン
パ室が占める容量の割には抑圧効果が低かった。また、
印字ヘッド等の出荷時にノズルプレートをプロテクトゴ
ム等によってキャッピングするようにした場合は、外圧
の変化や、インク室及びマニホールド内の出荷液の気化
による内圧の上昇を原因として、印字ヘッド内部と外界
との圧力差が大きくなり、プロテクトゴム等のリップ部
分から大気連通してしまい、ノズルが乾燥するというこ
とがある。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、簡単な構成でもってキャップ内
空間の圧力変化を吸収することができ、かつ、ノズルを
完全に密閉状態に保って乾燥を防止することができる印
字ヘッドのキャッピング装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明に係る印字ヘッドのキャッピン
グ装置は、インク噴射用のノズルから記録媒体上にイン
クを噴射して印字記録を行う印字ヘッドに対して、該印
字ヘッドの非動作時に、ノズルを密閉状態に覆うキャッ
プ部を有した印字ヘッドのキャッピング装置であって、
キャップ部は、ノズルの周囲に当接され密着される当接
部と、この当接部で囲まれた位置に全面が伸縮又は変形
自在な空間を形成し、キャッピング時の密閉空間内の圧
力変化を吸収するための変形部とを一体的に備えるもの
である。
【0007】上記構成においては、当接部に囲まれた位
置に全面が伸縮又は変形自在に形成された変形部が、キ
ャッピング時の密閉空間内の圧力変化を吸収するので、
キャッピング時の密閉空間内の温度が変化した場合、変
形部が圧力変化を吸収するため、空間内の圧力が常に一
定に保たれる。また、変形部は全体が変形することによ
り密閉空間の容量を可変させるので、比較的大きな圧力
変動にも対応できる。よって、簡単な構成でもって、密
閉空間内の圧力を印字ヘッドのメニスカス破壊圧力より
も常に低く保ち、印字不良を未然に防止することができ
る。また、キャップ内空間を外気と連通させないで圧力
を一定に保つため、ノズル及びインクの乾燥を確実に防
止することができる。
【0008】また、請求項2に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項1に記載の印字ヘッ
ドのキャッピング装置であって、変形部は、キャッピン
グ時の密閉空間内の圧力が印字ヘッドのメニスカス破壊
圧力よりも低くなるように変形し得るものである。
【0009】上記構成においては、変形部は、キャッピ
ング時の密閉空間内の圧力が印字ヘッドのメニスカス破
壊圧力よりも低くなるように変形し得るので、簡単な構
成でもってメニスカス破壊による印字不良を未然に防止
することができる。また、キャップ内空間を外気と連通
させないで圧力を一定に保つため、ノズル及びインクの
乾燥を確実に防止することができる。
【0010】また、請求項3に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項1又は請求項2に記
載の印字ヘッドのキャッピング装置であって、変形部
が、ノズル側に開口し、ノズルと離れる方向に延びる側
壁を有する袋状部を備えるものである。
【0011】上記構成においては、変形部が、ノズル側
に開口し、ノズルと離れる方向に延びる側壁を有する袋
状となっているので、変形部特に側壁が変形又は伸縮し
やすく、わずかな圧力変化にも容易に応答することがで
きる。よって、温度変化に対して、印字不良を一層確実
に防止することができる。
【0012】また、請求項4に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、インク噴射用のノズルから
記録媒体上にインクを噴射して印字記録を行う印字ヘッ
ドに対して、前記ノズルを密閉状態に覆うキャップ部を
有した印字ヘッドのキャッピング装置において、前記キ
ャップ部は、前記ノズルの周囲に当接され密着される当
接部と、この当接部で囲まれた位置に、伸縮又は変形自
在な空間を形成し、キャッピング時の密閉空間内の圧力
変化を吸収するための変形部とを備え、前記変形部は、
前記ノズル側に開口し、前記ノズルと離れる方向に延び
る側壁を有する袋状部を備えるものである。
【0013】上記構成においては、当接部で囲まれた位
置に、伸縮又は変形自在な空間を形成する変形部が、ノ
ズル側に開口しノズルと離れる方向に延びる側壁を有す
る袋状をなすので、圧力変化にともない側壁が変形又は
伸縮しやすく、キャッピング時密閉空間内の温度が変化
した場合、圧力変化を容易に吸収することができ、印字
不良を未然に防止することができる。また、キャップ内
空間を外気と連通させないで圧力を一定に保つため、ノ
ズル及びインクの乾燥を確実に防止することができる。
【0014】また、請求項5に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項3又は請求項4に記
載の印字ヘッドのキャッピング装置であって、変形部
が、袋状部の開口周囲を当接部に接続するフランジ部を
備えるものである。上記構成においては、袋状部を印字
ヘッドのノズルに直接対向する位置に配置することがで
き、その結果、袋状部を大きく形成でき、大きな圧力変
化を容易に吸収することができる。また、袋状部の変形
又は伸縮にともないフランジ部も変形又は伸縮すること
で、圧力変化に対する応答性を高めることができる。
【0015】また、請求項6に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項3又は請求項4に記
載の印字ヘッドのキャッピング装置であって、袋状部
が、当接部と平行な断面において、その内部の面積と同
等の面積を囲みうる最小の輪郭長さよりも大きい輪郭長
さを有するものである。
【0016】上記構成においては、袋状部が、その内部
の面積と同等の面積の図形、例えば円形の外周よりも、
長い輪郭を持っているので、伸縮を少なくして、変形に
よって圧力変化を吸収することができる。つまり、袋の
壁を曲げる等の変形は、伸縮、すなわち袋の壁方向に沿
う弾性に抗する場合に比して小さな力でよく、圧力変化
に対する応答性を高めることができる。また、もとの形
状に戻ろうとする弾性も小さくできるため、密閉空間内
の圧力が高められたり、低められたりする不都合も抑え
ることができる。
【0017】また、請求項7に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項6に記載の印字ヘッ
ドのキャッピング装置であって、袋状部が、当接部と平
行な断面において、ノズルの長手方向に長いほぼ扁平な
形状を有するものである。
【0018】上記構成においては、請求項6に記載の発
明を、成形の容易な扁平な形状によって実現することが
できる。また、袋状部がノズルの長手方向に長いから、
袋状部の扁平な方向の側壁を十分に大きくでき、圧力変
化にともなう変形を容易にできる。
【0019】また、請求項8に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項6に記載の印字ヘッ
ドのキャッピング装置であって、袋状部の壁の少なくと
も一部が、その一端付近をほぼ支点として、袋状部の内
外方向に移動可能である。
【0020】上記構成においては、壁の少なくとも一部
が、その一端付近をほぼ支点として、袋状部の内外方向
に移動することで、その壁がほとんど伸縮することな
く、袋としては大きく変形する。つまり、壁方向に沿う
弾性にほとんど抗することなく、わずかな圧力変化に応
答することができる。もとの形状に戻ろうとする弾性も
わずかであるため、密閉空間内の圧力が高められたり、
低められたりする不都合も少ない。
【0021】また、請求項9に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、請求項8に記載の印字ヘッ
ドのキャッピング装置であって、袋状部が、一対の側壁
のほぼ中央においてその間隔がくびれ、両端においてそ
の間隔が広い形状としたものである。
【0022】上記構成においては、請求項8に記載の発
明を、成形の容易な形状によって実現することができ
る。また一対の側壁の中央が内外方向に移動すること
で、圧力変化に対して袋状部の形状変化が速やかにかつ
広範囲になされ、小さな圧力変化から大きな圧力変化ま
で幅広く対応することができる。
【0023】また、請求項10に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置は、請求項3又は請求項4に
記載の印字ヘッドのキャッピング装置であって、袋状部
が、蛇腹構造を有しているものである。
【0024】上記構成においては、変形部の袋状部が蛇
腹構造となっているので、正圧負圧に関わらず、幅広い
範囲で圧力変動を吸収することができる。
【0025】また、請求項8に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置は、印字ヘッドが複数設けられ
たヘッドユニットの各印字ヘッドのノズルを保護するた
めにヘッドユニットに取り付けられ、各ノズルを密閉状
態にキャッピングする印字ヘッドのキャッピング装置で
あって、ヘッドユニットと結合される結合部と、結合部
材に弾性体を介して複数の印字ヘッド毎に設けられ、一
定の圧力でもって各ノズルの周囲に当接され密着される
ように構成されたキャップ部材とを有しているものであ
る。
【0026】上記構成においては、結合部をヘッドユニ
ットに結合させることにより、複数の印字ヘッドの各ノ
ズルがキャップ部材によりキャッピングされるので、例
えば、ヘッドユニット単位で工場から出荷するとき等
に、ヘッドユニットに設けられている各印字ヘッドのノ
ズルを密閉状態に保って大気との連通を防止し、その乾
燥を防止することができる。また、1度の装着動作によ
り、複数の印字ヘッドの全てのノズルに対して同時にキ
ャッピングを行うことができるので、使い勝手が良い。
【0027】また、請求項12に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置は、請求項11に記載の印字
ヘッドのキャッピング装置であって、各キャップ部材
は、ノズルの周囲に当接され密着される当接部と、この
当接部で囲まれた位置にが伸縮又は変形自在な空間を形
成し、キャッピング時の密閉空間内の圧力変化を吸収す
るための変形部とを一体的に備えたことものである。
【0028】上記構成においては、変形部の伸縮又は変
形による密閉空間内の圧力変化の吸収により外界との圧
力差が吸収されるため、確実に大気との連通を防止する
ことができ、印字ヘッドのノズルの密閉状態の保持及び
その乾燥防止をより確実に行うことができる。
【0029】また、請求項13に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置は、請求項12に記載の印字
ヘッドのキャッピング装置であって、印字ヘッド内に保
存液が充填されているものである。
【0030】上記構成つまり印字ヘッドの出荷時や保存
時に、使用開始の際におけるインクの初期導入をスムー
ズに行わせるために、印字ヘッドの内部に保存液を充填
しているものにおいて、請求項12に記載のキャッピン
グ装置は好適に実施することができ、外圧の変化や内圧
の変化により密閉空間が大気連通してノズルが乾燥して
しまうのを確実に防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態に係
る印字ヘッドのキャッピング装置が備えられたカラーイ
ンクジェットプリンタについて図面を参照して説明す
る。図1は該プリンタを示す斜視図である。カラーイン
クジェットプリンタ(以下、プリンタという)1は、4
色のインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)
を印刷用紙等の記録媒体P上に噴射して印字を行うイン
クジェット式の4個の印字ヘッド2を備え、各印字ヘッ
ド2はその先端面(ノズル面)2aに、インクを噴射す
る複数のノズルを開口させており、印字時に直線的に往
復駆動されるキャリッジ3上に保持されている。4個の
印字ヘッド2はヘッドホルダ4と一体に設けられ、1個
のヘッドユニットが構成されており、また、各印字ヘッ
ド2に4色のインクを供給するインクカートリッジ5
a,5b,5c,5dがキャリッジ3に着脱自在に搭載
される。キャリッジ3は、その前部がキャリッジ軸7に
軸支され、このキャリッジ軸7に沿って移動可能とされ
ている。キャリッジ3の後部はガイドプレート8上にス
ライド自在に支持されている。キャリッジ3の往復移動
は、キャリッジモータ9によりベルト10を介して駆動
される。
【0032】印字ヘッド2と対面する位置にはプラテン
ローラ11が設けられている。このプラテンローラ11
は、ラインフィードモータ(図示なし)の駆動力がプラ
テンギヤ12により伝達されることで駆動される。記録
媒体Pはプラテンローラ11により印字ヘッド2に対向
する位置まで搬送され、印字が行われる。プラテンロー
ラ11の側方には、パージ装置15が設けられている。
印字ヘッド2は、その使用中に内部に気泡が発生した
り、吐出面上にインクの液滴が付着することにより、吐
出不良を起こすことがあるので、これを解消し良好な吐
出状態に回復させるためにパージ装置15がある。ま
た、このパージ装置15は、印字ヘッド2あるいはイン
クカートリッジ5a〜5dを変換した際にも駆動され、
カートリッジ内のインクが印字ヘッド2のノズルまで円
滑に供給されるように機能する。
【0033】パージ装置15は、各印字ヘッド2のノズ
ル面2aに選択的に密着する吸引キャップ20を備え
る。吸引キャップ20がノズル面2aに密着していると
き、ポンプ17が発生させる負圧により、印字ヘッド2
のノズルから内部の気泡や不良インク等を吸引して印字
ヘッド2を回復させる。吸引された不良インクは貯留部
18へ送られる。吸引キャップ20の側方には、印字ヘ
ッド2のノズル面2aのワイピングを行うワイパ21が
設けられている。
【0034】上記吸引キャップ20等の駆動機構につい
て図3を参照して説明する。図3は吸引キャップ20等
の駆動機構を示す側面図である。パージ装置15はポン
プカムギヤ25を介してラインフィードモータの駆動力
が伝達されることで駆動される。ポンプカムギヤ25に
は、吸引キャップ20を印字ヘッド2の方向に移動させ
るためのカム25aが設けられている。吸引キャップ2
0には、カム25aに摺動してカム25aの形状に従っ
て吸引キャップ20を移動させる係合部(図示なし)が
設けられている。また、印字ヘッド2への吸引キャップ
20のキャッピング圧を一定に保つためのバネ20aが
備えられている。ポンプ17もポンプカムギヤ25の回
転により駆動される。ポンプカムギヤ25は、ワイパ2
1(図1参照)等を移動させるためにも使用される。
【0035】パージ装置15の側方には印字ヘッド保護
用のキャッピング装置16が設けられている。図2はキ
ャッピング装置16及び吸引キャップ20部分を示す正
面図である。キャッピング装置16は、4個の印字ヘッ
ドのノズル面2aに対してキャッピングを行うために各
々のノズル面用に4個のキャップ16a,16b,16
c,16dが設けられている。このキャッピング装置1
6は、キャリッジ3がキャッピングポジションまで移動
してきた時に印字ヘッド2のノズル面2aに当接する方
向に図示しない公知のカム手段により移動するように構
成されている。これにより、ノズル部分が密閉されてノ
ズル及びインクの乾燥が防止される。
【0036】次に、キャッピング装置16に備えられる
キャップ16a〜16d(いずれも同等の構成であるの
で代表して16a)について図4乃至図6を参照して説
明する。図4はキャップ16aを示す斜視図、図5
(a)は図4のA−A面での断面図、(b)はB−B面
での断面図、図6はC−C面での断面において内部構造
のみを示す図である。キャップ16aはブチルゴム等の
弾性材料からなる。キャップ16aのベース部30に
は、キャップ機構に取り付ける際の位置決めのために凸
部31、及び、キャッピング時に印字ヘッド2の全ノズ
ルを囲んでノズル面2aに当接して密閉するリブ状突起
の当接部32が形成されている。当接部32で囲まれた
位置には、変形自在に形成された変形膜(変形部)33
が形成されている。
【0037】変形膜33は、袋状部33aと、その袋状
部の開口部の外周に広がったフランジ部33bとからな
り、キャップのベース部30と一体に形成されている。
袋状部33aは、その開口部を印字ヘッド2のノズル列
と対向し、側壁を印字ヘッドから離れる方向に延ばして
いる。フランジ部33bは当接部32の内側全面にわた
って位置し、外縁を当接部32に接続している。袋状部
33aとフランジ部33bは、伸縮又は変形しやすいよ
うにベース部33,当接部32よりも十分に薄く形成さ
れている。袋状部33aは、当接部32と平行な断面に
おいて、複数のノズルがなす列の長手方向に長いほぼ扁
平な形状に形成されている。さらに袋状部33aは、図
4,6に示すように、一対の側壁のほぼ中央部33a−
1を相互に平行に接近し、両端33a−2を中央の間隔
よりも大きい直径のほぼ円形とし、直線状の中央部33
a−1と円形部33a−2とを傾斜辺33a−3で結ん
だ形状とし、袋状部の内部空間を中央でくびれ、両端に
おいて広い形状としている。これにより直線状の中央部
33a−1は、図6に示すように、傾斜辺33a−3の
両端をほぼ支点として袋状部の内外方向に移動すること
ができるようにしている。
【0038】上記変形膜33の変形動作について図6,
7を参照して説明する。図7(a)は、当接部32とノ
ズル面2aとの密閉空間内の温度が低下した場合の変形
膜33の状態を示す断面図、(b)は該温度が上昇した
場合の変形膜33の状態を示す断面図である。当接部3
2とノズル面2aとの密閉空間内の温度が変化すると、
それに伴って空間内の空気が膨張収縮する。変形膜33
はこの膨張収縮に応じて変形し、空間内の圧力を一定に
保つ。具体的には、空間内温度が低下したときは、空間
の体積が小さくなるので、図7(a)に示すように、袋
状部33aはしぼむ。空間内温度が上昇したときは、空
間の体積が大きくなるので、図6に二点鎖線で示し図7
(b)にも示すように、袋状部33aは膨らむ。
【0039】このように、本実施形態のキャッピング装
置16によれば、キャッピング時の密閉空間内の温度が
変化した場合、変形膜33が変形し、温度変化に伴う空
間の圧力変化を吸収するので、空間内の圧力が一定に保
たれる。よって、空間内圧力は印字ヘッドのノズル先端
のインク面すなわちメニスカスの表面張力よりも常に低
く保たれる。圧力上昇によって、メニスカスを破壊して
ノズル内に空気が気泡となって侵入し、気泡がインクの
噴射を阻害するということがない。また、圧力低下によ
って、ノズルからキャップ内にインクを吸引し、キャッ
プ内に溜まったインクでノズル面2aを濡らし、インク
がノズルから噴射する際、噴射方向が曲がったり、噴射
を乱したりすることがなくなり、良好な印字結果が得ら
れる。また、キャップ内空間を外気と連通させないで圧
力を一定に保つことができるため、ノズル及びインクの
乾燥を確実に防止することができる。
【0040】なお、本発明は上記実施形態に限られず種
々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、
キャップ16aはブチルゴム等からなるものとされてい
るが、キャップ16aの材質は特に限定されるものでは
なく、変形膜33が伸縮又は変形自在であり、キャッピ
ング時の密閉空間内の圧力変化を吸収し得るように形成
できる材質であれば構わない。但し、変形膜33自体を
伸縮させるものは、伸長もしくは収縮しているときに変
形膜が発生させる元の形状に戻ろうとする力(復帰力)
の分だけ、密閉空間内の圧力を高めたり低めたりしてし
まう。よって、この場合、復帰力が小さいものがよい。
しかし、好ましくは、膜自体を伸縮させずに変形させ
て、変形膜33が形成する空間の体積が増減するように
設定するのがよい。
【0041】そのためには、袋状部33aが、当接部3
2と平行な断面において、その内部の面積を囲みうる最
小の輪郭長さよりも大きい輪郭長さを有するようにす
る。例えば、袋状部33aが印字ヘッド2側に開放した
半球状、又は円筒状で先端が半球状に構成されている場
合、圧力上昇によって、袋状部は、壁方向に沿った弾性
に抗して伸長しなければならず、きわめて柔軟な材料を
選定する必要がある。袋状部33aが、その内部の面積
と同等の面積の図形、例えば円形の外周よりも、長い輪
郭を持っていることによって、材料自体の伸縮を少なく
して、曲げ等の変形によって袋の内容積を変えることが
できる。つまり、袋の壁を曲げる等の変形は、伸縮、す
なわち袋の壁方向に沿う弾性に抗する場合に比して小さ
な力でよいから、圧力変化に対する応答性を高めること
ができる。また、もとの形状に戻ろうとする弾性も小さ
くできるため、密閉空間内の圧力が高められたり、低め
られたりする不都合も抑えることができる。
【0042】この形状は簡単には、上記実施の形態に示
したように、袋状部33aを、ほぼ扁平な形状とするこ
とで実現することができる。この形状によって、袋状部
の扁平な方向の側壁を十分に大きくできるため、側壁が
圧力変化にともない容易に変形するようになる。また簡
単な形状であるから、金型によるベース部30と一体の
成形も容易となる。さらに好ましくは、袋状部33a
は、上記のように直線状の中央部33a−を、図6に示
すように、傾斜辺33a−3の両端をほぼ支点として袋
状部の内外方向に移動するように構成することで、支点
部分の裏表で材料のわずかな屈曲があるものの直線状の
中央部33a−1、傾斜辺33a−3の各壁はほとんど
伸縮することなく、袋としては大きく変形することがで
きる。つまり、壁方向に沿う弾性にほとんど抗すること
なく、わずかな正圧及び負圧の変化にも応答することが
できる。また、この形状は、また前後方向に分離する金
型によって成形することができるから、容易に実現する
ことができる。
【0043】変形膜33の形状は、上記の形状のみでな
く、種々の形状で実施可能である。例えば、フランジ部
33bは全面が変形可能でなく、当接部32に近いとこ
ろは剛体であってもよい。さらに、図8に示すように、
袋状部33aを、印字ヘッドに対し接近離隔する方向に
伸縮可能な蛇腹構造とすることもできる。
【0044】本発明に係るキャッピング装置の他の実施
形態について説明する。上記のキャッピング装置16は
プリンタ1に備え付けられるものとされているが、プリ
ンタ1とは別個に、印字ヘッドのヘッドユニットを単独
で保管し、又は出荷するときに使用されるキャッピング
装置としてもよい。このキャッピング装置を図9乃至図
11に示す。図9はこのキャッピング装置の上面図、図
11は同正面図、図11は同側断面図である。キャッピ
ング装置50は、プリンタ1とは別個の装置として用意
されるものであり、プリンタ1に組み込まれる前の状態
のヘッドユニット、例えば、ヘッドユニットの工場から
の出荷時等に印字ヘッド2のノズル面を保護するため
に、ヘッドユニットの印字ヘッド2側に装着され、ヘッ
ドユニットをプリンタ1に組み込むときには取り外され
るものである。キャッピング装置50は、ヘッドユニッ
トの複数の印字ヘッド2部分を覆い、ヘッドユニットと
結合するカバーケース(結合部)51と、カバーケース
51に複数の印字ヘッド2毎に設けられ、上記のキャッ
プ16a乃至16dと同等の構成でなるキャップ52a
乃至52dとからなる。
【0045】カバーケース51は、その両側面にアーム
51aを有し、アーム51aの先端部内側には、ヘッド
ホルダ4と掛止するための突出部51bが設けられてい
る。また、キャップ52a乃至52dは、それぞれベー
ス部30、凸部31、当接部32及び変形膜(変形部)
33を有し、これらベース部30等はベース53a乃至
53dに取り付けられている。このベース53a乃至5
3dは、それぞれがバネ(弾性体)55によってカバー
ケース51に、ベース53a乃至53dの配列面と直交
する方向に移動可能に取り付けられている。このよう
に、キャップ52a乃至52dがそれぞれバネ55によ
ってカバーケース51に取り付けられていることで、キ
ャップ52a乃至52dにより、印字ヘッド2の各ノズ
ルを同等の圧力でキャッピングすることができる。ま
た、キャップ52a乃至52のそれぞれについてバネ5
5を設けることによって、各ノズルに対するキャッピン
グのバラツキをなくすことができるので、印字ヘッド2
の全てのノズルを確実に密閉状態にすることができる。
なお、バネ55によるキャップ52a乃至52dの支持
は、プリンタにおけるキャップ機構にも適用される。キ
ャップ52a乃至52d及びバネ55は、プリンタにお
けるキャップ機構と共通部品を使用することができる。
【0046】図12はキャッピング装置50をヘッドユ
ニット4に取り付けた状態を示す斜視図、図13は同側
断面図である。キャッピング装置50のヘッドユニット
への装着時には、両側部のアーム51aによってヘッド
ホルダ4の側面を挟むようにしながら、印字ヘッド2に
対して押し込み、ヘッドホルダ4の側面に設けられた図
示しない凹部と、両アーム51aの突出部51bとが弾
性係合されるようにして装着される。このようにして、
キャッピング装置50がヘッドユニットに取り付けられ
ることによって、印字ヘッド2のノズル列がキャッピン
グ装置50で覆われ、印字ヘッド2の各ノズルはキャッ
プ52a乃至52dによって密閉状態とされる。なお、
カバーケース51の上下に形成された突部51eは、キ
ャッピング装置50をヘッドユニットに装着したとき、
図13に示すように、印字ヘッド2を囲むカバー部材4
1の上下に対向し、キャッピング装置50が上下にずれ
るのを防止する。
【0047】ヘッドユニット単体で工場から出荷すると
きには、印字ヘッド2内の複数のインク室、インクカー
トリッジからのインクをインク室に分配するマニホール
ド42に、保存液が充填される。印字ヘッド2の前面す
なわちノズル面2aは上記のようにキャッピング装置5
0によって密閉され、マニホールド42の後端開口は第
2のキャップ部材43を装着して密閉される。
【0048】このキャッピング装置50によれば、ヘッ
ドユニット単体で工場から出荷するとき等に、印字ヘッ
ド2の各ノズルを密閉状態に保ってノズルの乾燥を防止
することができ、また、外圧の変化や、印字ヘッド2内
のインク室及びマニホールドに充填されている保存液の
気化による内圧の上昇を原因とする、印字ヘッド2内部
と外界との圧力差が変形膜3によって吸収されるので、
圧力差によって印字ヘッド2内部と外界とが連通してし
まうことをなくすことができる。また、キャッピング装
置50の装着は両アーム51aをヘッドユニット4の側
面に沿って押し込むだけでよいので、きわめて簡単に装
着することができ、キャッピング装置50を装着するこ
とで、4個の印字ヘッド2の全てのノズルに対して同時
にキャッピングを行うことができるので、使い勝手が良
い。
【0049】上記のキャッピング装置50には、4個の
印字ヘッド2に対応させて、4個のキャップ52a乃至
52dが設けられているが、この構成には限定されず、
例えば、1個のキャップのみが設けられるものとし、1
個の印字ヘッドのノズルに対してキャッピングを行うも
のとしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明に係
る印字ヘッドのキャッピング装置によれば、変形部がキ
ャッピング時の密閉空間内の圧力変化を吸収するので、
キャッピング時の密閉空間内の温度が変化した場合、変
形部が圧力変化を吸収するため、簡単な構成でもって、
空間内の圧力を常に一定に保ち、メニスカス破壊による
印字不良の発生を未然に防止することができる。また、
変形部は全体が変形することにより密閉空間の容量を可
変させるので、比較的大きな圧力変動にも対応すること
が可能になる。さらに、キャップ内空間を外気と連通さ
せないで圧力を一定に保つため、ノズル及びインクの乾
燥を確実に防止することができる。
【0051】また、請求項2に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、変形部は、キャッピ
ング時の密閉空間内の圧力が印字ヘッドのメニスカス破
壊圧力よりも低くなるように変形し得るので、簡単な構
成でもってメニスカス破壊による印字不良を未然に防止
することができる。さらに、キャップ内空間を外気と連
通させないで圧力を一定に保つため、ノズル及びインク
の乾燥を確実に防止することができる。
【0052】また、請求項3に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、変形部が、ノズル側
に開口し、ノズルと離れる方向に延びる側壁を有する袋
状部を備えるので、変形部特に側壁が変形又は伸縮しや
すく、わずかな圧力変化にも容易に応答することができ
る。よって、温度変化に対して、印字不良を一層確実に
防止することができる。
【0053】また、請求項4に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、キャップ部が、ノズ
ルの周囲に当接され密着される当接部と、この当接部で
囲まれた位置に、伸縮又は変形自在な空間を形成し、キ
ャッピング時の密閉空間内の圧力変化を吸収するための
変形部とを備え、変形部が、ノズル側に開口し、ノズル
と離れる方向に延びる側壁を有する袋状部を備えるの
で、圧力変化にともない側壁が変形又は伸縮しやすく、
キャッピング時密閉空間内の温度が変化した場合、圧力
変化を容易に吸収することができ、印字不良を未然に防
止することができる。また、キャップ内空間を外気と連
通させないで圧力を一定に保つため、ノズル及びインク
の乾燥を確実に防止することができる。
【0054】また、請求項5に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、変形部が、袋状部の
開口周囲を当接部に接続するフランジ部を備えるので、
袋状部を印字ヘッドのノズルに直接対向する位置に配置
することができ、その結果、袋状部を大きく形成でき、
大きな圧力変化を容易に吸収することができる。また、
袋状部の変形又は伸縮にともないフランジ部も変形又は
伸縮することで、圧力変化に対する応答性を高めること
ができる。
【0055】また、請求項6に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、袋状部が、当接部と
平行な断面において、その内部の面積と同等の面積を囲
みうる最小の輪郭長さよりも大きい輪郭長さを有するの
で、伸縮を少なくして、変形によって圧力変化を吸収す
ることができ、圧力変化に対する応答性を高めることが
できる。また、もとの形状に戻ろうとする弾性も小さく
できるため、密閉空間内の圧力が高められたり、低めら
れたりする不都合も抑えることができる。
【0056】また、請求項7に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、袋状部が、当接部と
平行な断面において、ノズルの長手方向に長いほぼ扁平
な形状を有するので、袋状部の扁平な方向の側壁を十分
に大きくでき、圧力変化にともなう変形を容易にでき
る。
【0057】また、請求項8に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、袋状部の壁の少なく
とも一部が、その一端付近をほぼ支点として、袋状部の
内外方向に移動可能であるので、その壁がほとんど伸縮
することなく、袋としては大きく変形する。つまり、壁
方向に沿う弾性にほとんど抗することなく、わずかな圧
力変化に応答することができる。もとの形状に戻ろうと
する弾性もわずかであるため、密閉空間内の圧力が高め
られたり、低められたりする不都合も少ない。
【0058】また、請求項9に記載の発明に係る印字ヘ
ッドのキャッピング装置によれば、袋状部が、一対の側
壁のほぼ中央においてその間隔がくびれ、両端において
その間隔が広い形状としたものであるので、圧力変化に
対して袋状部の形状変化が速やかにかつ広範囲になさ
れ、小さな圧力変化から大きな圧力変化まで幅広く対応
することができる。
【0059】また、請求項10に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置によれば、袋状部が、蛇腹構
造を有しているので、正圧負圧に関わらず、幅広い範囲
で圧力変動を吸収することができる。
【0060】また、請求項11に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置によれば、複数の印字ヘッド
の各ノズルを全て同等の圧力でキャッピングすることが
できる。また、各ノズルに対するキャッピングのバラツ
キをなくすことができるので、複数の印字ヘッドの各ノ
ズルを確実に密閉状態にすることができる。さらに、1
度の装着動作により、複数の印字ヘッドの各ノズルに対
して同時にキャッピングを行うことができるので、使い
勝手が良い。
【0061】また、請求項12に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置によれば、変形部の伸縮又は
変形による密閉空間内の圧力変化の吸収により外界との
圧力差が吸収されるため、確実に大気との連通を防止す
ることができ、印字ヘッドのノズルの密閉状態の保持及
びその乾燥防止をより確実に行うことができる。
【0062】また、請求項13に記載の発明に係る印字
ヘッドのキャッピング装置によれば、は、ノズル内に保
存液が充填されているので、上記のキャッピング装置を
適用するのに好適で、外圧の変化や内圧の変化により密
閉空間が大気連通してノズルが乾燥してしまうのを確実
に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る印字ヘッドのキャッ
ピング装置が備えられたプリンタを示す斜視図である。
【図2】上記キャッピング装置及び吸引キャップ部分を
示す正面図である。
【図3】吸引キャップ及びワイパの駆動機構を示す側面
図である。
【図4】キャッピング装置に備えられるキャップを示す
斜視図である。
【図5】(a)は図4のA−A面での断面図、(b)は
B−B面での断面図である。
【図6】図4のC−C面での断面において内部構造のみ
を示す図である。
【図7】(a)は当接部とノズルとの密閉空間内の温度
が低下した場合の変形膜の状態を示す断面図、(b)は
該温度が上昇した場合の変形膜の状態を示す断面図であ
る。
【図8】キャップの変形例を示す断面図であり、(a)
は通常時の変形膜の状態を示す断面図、(b)は当接部
とノズルとの密閉空間内の温度が低下した場合の変形膜
の状態を示す断面図、(c)は該温度が上昇した場合の
変形膜の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るキャッピング装置
の上面図である。
【図10】上記キャッピング装置の正面図である。
【図11】上記キャッピング装置の側断面図である。
【図12】上記キャッピング装置をヘッドユニットに取
り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】上記キャッピング装置をヘッドユニットに取
り付けた状態を示す側断面図である。
【符号の説明】
2 印字ヘッド 16a,16b,16c,16d キャップ(キャップ
部) 16,50 キャッピング装置 32 当接部 33 変形膜(変形部) 33a 袋状部 51 カバーケース(結合部) 52a,52b,52c,52d キャップ(キャップ
部) 55 バネ(弾性体)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク噴射用のノズルから記録媒体上に
    インクを噴射して印字記録を行う印字ヘッドに対して、
    該印字ヘッドの非動作時に、前記ノズルを密閉状態に覆
    うキャップ部を有した印字ヘッドのキャッピング装置に
    おいて、 前記キャップ部は、前記ノズルの周囲に当接され密着さ
    れる当接部と、この当接部で囲まれた位置に全面が伸縮
    又は変形自在な空間を形成し、キャッピング時の密閉空
    間内の圧力変化を吸収するための変形部とを一体的に備
    えることを特徴とする印字ヘッドのキャッピング装置。
  2. 【請求項2】 前記変形部は、キャッピング時の前記密
    閉空間内の圧力が印字ヘッドのメニスカス破壊圧力より
    も低くなるように変形し得るものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の印字ヘッドのキャッピング装置。
  3. 【請求項3】 前記変形部は、前記ノズル側に開口し、
    前記ノズルと離れる方向に延びる側壁を有する袋状部を
    備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    印字ヘッドのキャッピング装置。
  4. 【請求項4】 インク噴射用のノズルから記録媒体上に
    インクを噴射して印字記録を行う印字ヘッドに対して、
    前記ノズルを密閉状態に覆うキャップ部を有した印字ヘ
    ッドのキャッピング装置において、 前記キャップ部は、前記ノズルの周囲に当接され密着さ
    れる当接部と、この当接部で囲まれた位置に、伸縮又は
    変形自在な空間を形成し、キャッピング時の密閉空間内
    の圧力変化を吸収するための変形部とを備え、前記変形
    部は、前記ノズル側に開口し、前記ノズルと離れる方向
    に延びる側壁を有する袋状部を備えることを特徴とする
    印字ヘッドのキャッピング装置。
  5. 【請求項5】 前記変形部は、前記袋状部の開口周囲を
    前記当接部に接続するフランジ部を備えることを特徴と
    する請求項3又は請求項4に記載の印字ヘッドのキャッ
    ピング装置。
  6. 【請求項6】 前記袋状部は、前記当接部と平行な断面
    において、その内部の面積を囲みうる最小の輪郭長さよ
    りも大きい輪郭長さを有することを特徴とする請求項3
    又は請求項4に記載の印字ヘッドのキャッピング装置。
  7. 【請求項7】 前記袋状部は、前記当接部と平行な断面
    において、前記ノズルの長手方向に長いほぼ扁平な形状
    を有することを特徴とする請求項6に記載の印字ヘッド
    のキャッピング装置。
  8. 【請求項8】 前記袋状部の側壁の少なくとも一部は、
    その一端付近をほぼ支点として、袋状部の内外方向に移
    動可能であることを特徴とする請求項6に記載の印字ヘ
    ッドのキャッピング装置。
  9. 【請求項9】 前記袋状部は、一対の側壁のほぼ中央に
    おいてその間隔がくびれ、両端においてその間隔が広い
    形状としたことを特徴とする請求項8に記載の印字ヘッ
    ドのキャッピング装置。
  10. 【請求項10】 前記袋状部は、蛇腹構造を有している
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の印字ヘ
    ッドのキャッピング装置。
  11. 【請求項11】 印字ヘッドが複数設けられたヘッドユ
    ニットの各印字ヘッドのノズルを保護するためにヘッド
    ユニットに取り付けられ、各ノズルを密閉状態にキャッ
    ピングする印字ヘッドのキャッピング装置であって、 前記ヘッドユニットと結合される結合部と、前記結合部
    材に弾性体を介して前記複数の印字ヘッド毎に設けら
    れ、一定の圧力でもって前記各ノズルの周囲に当接され
    密着されるように構成されたキャップ部材とを有してい
    ることを特徴とする印字ヘッドのキャッピング装置。
  12. 【請求項12】 前記各キャップ部材は、前記ノズルの
    周囲に当接され密着される当接部と、この当接部で囲ま
    れた位置に全面が伸縮又は変形自在な空間を形成し、キ
    ャッピング時の密閉空間内の圧力変化を吸収するための
    変形部とを一体的に備えたことを特徴とする請求項11
    に記載の印字ヘッドのキャッピング装置。
  13. 【請求項13】 前記印字ヘッドは、該印字ヘッド内に
    保存液が充填されていることを特徴とする請求項12に
    記載の印字ヘッドのキャッピング装置。
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