JPH10193536A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

Info

Publication number
JPH10193536A
JPH10193536A JP29803997A JP29803997A JPH10193536A JP H10193536 A JPH10193536 A JP H10193536A JP 29803997 A JP29803997 A JP 29803997A JP 29803997 A JP29803997 A JP 29803997A JP H10193536 A JPH10193536 A JP H10193536A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laminate
decorative sheet
film
layer
polyolefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29803997A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzo Sugita
裕三 杉田
Kazunori Shimada
一紀 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP29803997A priority Critical patent/JPH10193536A/ja
Publication of JPH10193536A publication Critical patent/JPH10193536A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高級感を有し、さらに折り曲げ・張り付け、
真空成形等の2次加工性が良好である化粧シートを得
る。 【解決手段】ポリオレフィン系フィルムと、ポリプロピ
レン100重量部と高密度ポリエチレン2〜50重量部
との組成物よりなるフィルムとを積層した積層体、好ま
しくは、引張弾性率が積層体の流れ方向及び積層体の流
れ方向に対して直角となる方向ともに300〜2000
MPaであり、引張破断伸度が積層体の流れ方向及び積
層体の流れ方向に対して直角となる方向ともに30〜5
00%、さらに少なくとも一方向に降伏点をもたない特
徴を有する積層体、を構成層として含む化粧シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、特定の積層体を構
成層として含む新規な化粧シートに関する。詳しくは、
半透明性及び低光沢性の特性(以下、マット感ともい
う)を有し、さらに折り曲げ、張り付け、真空成形等の
二次加工性が良好である化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧シートは、インテリア建装部
材として数多く使用されている。これら化粧シートを構
成するフィルムには、耐候性、耐汚れ性が必要なため、
ポリ塩化ビニルフィルムが主に使用されてきた。
【0003】しかし、近年、ポリ塩化ビニルフィルムに
含有される可塑剤などの各種有機物や、該フィルムを焼
却する際に発生する塩化水素ガスなどの物質が、環境に
悪影響を与えると指摘されている。そこで、上記ポリ塩
化ビニルフィルムを構成層とした化粧シートに変わる新
規な化粧シートとして、特開平6−16832号公報や
特開平8−34105号公報は、ポリ塩化ビニルをオレ
フィン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系樹脂に代
えた化粧シートが提案されている。
【0004】しかしながら、上記公報で提案されている
ポリオレフィン系フィルムを構成層とした化粧シート
は、化粧シートとしての性質を十分に満足し得るもので
はなかった。たとえば、特開平8−34105号公報に
記載のポリオレフィン系フィルムを構成層として使用し
た化粧シートは、木材などの支持体に貼りつける時に引
き延ばして使用したり、また、真空成形を行うなどの二
次加工を施す際に、降伏点付近で応力の低下が起こり、
ネッキングが生じて外観が不良となりやすく、特に複雑
な形状への二次加工性に問題を有していた。また、特開
平6−16832号公報に記載の結晶性の低いエラスト
マー等を使用したフィルムを構成層としたフィルムは、
ネッキングの発生を低減できても、フィルムが柔らかく
なるために、二次加工時に外観不良が生じやすいという
問題を有していた。
【0005】以上の背景にあって本発明者らは、折り曲
げ・張り付け、真空成形等の2次加工性が良好である、
ポリオレフィン系フィルムを構成層として含む化粧シー
トを提案した(特願平8−158534号)。
【0006】一方、化粧シートをインテリア建装部材と
して使用する際、高級感を付与することが要求される場
合がある。しかしながら、上記特願平8−158534
号記載のポリオレフィン系フィルムを構成層として含む
化粧シートは、比較的高透明・高光沢であるために、高
級感に欠けるといった問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、折り曲げ、複雑な形状への張り付け等の二次加
工性が良好であり、かつ高級感としてマット感を有した
化粧シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の物性を
有する、ポリオレフィン系フィルムと特定の組成を有す
るフィルムとの積層体を化粧シートの構成層、特に透明
被覆フィルムとして用いることで、上記課題が達成し得
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、ポリオレフィン系フィル
ムと、ポリプロピレン100重量部と高密度ポリエチレ
ン2〜50重量部との組成物よりなるフィルムとを積層
した積層体を構成層として含む化粧シートである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の化粧シートに使用される
ポリオレフィン系フィルムの原料は、公知のポリオレフ
ィンが特に制限なく使用できる。その中でも結晶性ポリ
オレフィンが好ましく、結晶化度が5%以上、より好ま
しくは20%以上、さらに好ましくは30%以上の結晶
性ポリオレフィンが好適である。上記ポリオレフィンの
結晶化度が5%より低い場合は、該フィルムの弾性率が
低くなり、得られる化粧シートが柔らかくなり過ぎるた
め、支持体に化粧シートを貼り付ける際にシワ等の発生
により外観不良を生じやすくなるため好ましくない。上
記ポリオレフィンを例示すると、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン等のα−オレフィン単独重合体、上
記α−オレフィン同士のランダム又はブロック共重合
体、上記α−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン
以外の単量体とα−オレフィンとの共重合体、またはこ
れら重合体の混合物等が挙げられる。その中でも、上記
した結晶化度を勘案すると、プロピレン単独重合体、エ
チレンに基づく単量体単位が20モル%以下のプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体、ポリプロピレン成分及
びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むエ
チレンに基づく単量体単位が40モル%以下のブロック
共重合体が好適である。
【0011】ここで、上記のα−オレフィン以外の単量
体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、無水マレイン
酸、ビニルアルコール、メタクリル酸、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等を挙げることができる。ま
た、上記ポリオレフィンにおいて、α−オレフィン以外
の単量体の割合は、本発明の効果を勘案すると10モル
%以下が好ましい。
【0012】上記ポリオレフィンの製造方法は、公知の
方法が何ら制限なく使用でき、例えば、TiCl3、担持
型TiCl3、メタロセン系触媒等の公知のポリオレフィ
ン用重合触媒を用いて、上記した単量体を重合する方法
が挙げられる。また、上記触媒を用いて重合した後、過
酸化物などで分解する方法をおこなってもよい。
【0013】また、上記ポリオレフィンには、公知の添
加剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化
核剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、離型剤、顔
料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解
剤、金属不活性剤、汚染防止材、抗菌剤等を発明の効果
が損なわれない範囲で添加することができる。
【0014】本発明に用いられるポリプロピレンは、特
に制限されることなく公知のものが使用でき、たとえ
ば、プロピレン単独重合体、エチレンに基づく単量体単
位が15モル%以下ののエチレン−プロピレンランダム
共重合体、エチレンおよび1−ブテンに基づく単量体単
位が1〜10モル%のエチレン−プロピレン−ブテンラ
ンダム共重合体、炭素数が4〜8のα−オレフィンに基
づく単量体単位を1〜10モル%含有するプロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体等の1種または2種以
上の混合物が好適に使用できる。
【0015】また、上記ポリプロピレンの13C−NMR
によるmmmmペンタッド分率は、0.80〜0.97
であることが好適であり、上記ポリプロピレンの230
℃におけるメルトフローレート(以下MFRと記す)
は、製膜性を勘案すれば0.1〜30g/10分、さら
に好ましくは0.5〜15g/10分の範囲であること
が好適である。
【0016】一方、本発明に用いられる高密度ポリエチ
レンは、特に制限されることなく公知のものが使用でき
る。
【0017】上記高密度ポリエチレンの密度は、0.9
45g/cm3以上であることが好ましく、0.945
〜0.97g/cm3であることがより好ましい。
【0018】また、上記高密度ポリエチレンの190℃
におけるMFRは、0.05〜2.0g/10分である
ものが、フィルムに不透明性を付与する上で好ましい。
【0019】本発明で用いられるポリプロピレンと高密
度ポリエチレンとの組成物における高密度ポリエチレン
の配合量は、ポリプロピレン100重量部に対して1〜
50重量部であることが必要であり、2〜40重量部で
あることがより好ましい。上記高密度ポリエチレンの配
合量が1重量部より少ない場合は、透明性が高過ぎるた
め高級感を付与することができず好ましくない。一方、
上記高密度ポリエチレンの配合量が50重量部より多い
場合は、製膜性が低下するため好ましくない。
【0020】また、上記組成物には、公知の添加剤、酸
化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、分散剤、塩素補足剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロ
ッキング防止剤、スリップ剤、離型剤、顔料、有機物充
填材、無機物充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活
性剤、汚染防止材、抗菌剤等を発明の効果が損なわれな
い範囲で添加することができる。
【0021】本発明で用いられる上記組成物の製造方法
は、公知の方法が何ら制限なく採用でき、たとえば、ポ
リプロピレンと高密度ポリエチレンとを溶融混練し組成
物とする方法、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンと
を単にブレンドして組成物とする方法が挙げられる。こ
の中でも、ブレンド性、組成物の押出特性等を勘案する
と、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとを溶融混練
し組成物とする方法が好適である。
【0022】本発明で用いられる積層体は、少なくとも
上記ポリオレフィン系フィルムと、上記ポリプロピレン
と高密度ポリエチレンとの組成物よりなるフィルムとの
積層体であることが必要である。すなわち、上記積層体
において、上記ポリオレフィン系フィルムは折り曲げ、
複雑な形状への張り付け等の二次加工性を付与するため
必要であり、一方、上記ポリプロピレンと高密度ポリエ
チレンとの組成物よりなるフィルムは、高級感としてマ
ット感を付与するために必要である。さらに、両フィル
ムを積層することにより、初めて本発明の目的を達成す
ることができる。
【0023】上記ポリオレフィン系フィルムもしくは上
記ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとの組成物より
なるフィルムのみの単層フィルムの場合、上記単層フィ
ルムが本発明で規定する物性を満たしていたとしても、
本発明が目的とする折り曲げ、複雑な形状への張り付け
等の二次加工性と、高級感としてのマット感とを兼ね備
えることができないので好ましくない。
【0024】本発明で用いられる積層体の厚みは、一般
的には5〜250μmの範囲で適宜選択され、15〜2
00μmであることが好ましい。
【0025】上記積層体中の上記ポリプロピレンと高密
度ポリエチレンとの組成物よりなるフィルムの厚みは、
一般的には2〜200μmの範囲で適宜選択され、3〜
150μmであることが好ましい。
【0026】本発明の化粧シートは、上記積層体を構成
層として使用することにより、本発明の目的を達成する
ことができるが、その中でも、特に上記積層体が下記の
ような特性を持つことにより、容易に二次加工性の良好
な化粧シートを得ることができる。
【0027】即ち、積層体の引張弾性率は、積層体の流
れ方向(以下、MD方向と記す)および積層体の流れ方
向に対して直角となる方向(以下、TD方向と記す)と
もに300〜2000MPaであることが好ましく、5
00〜1500MPaであることがより好ましい。引張
弾性率が300MPaより小さい場合は、得られる化粧
シートが柔らかくなり過ぎるため、支持体に貼り付ける
際にシワ等の発生により外観不良を生じやすくなるため
に好ましくない。また、引張弾性率が2000MPaよ
り大きい場合は、化粧シートの柔軟性が不足し、支持体
との密着性低下によりシワ等の外観不良を生じやすくな
るだけでなく、エンボス加工等の二次加工性も低下する
ために好ましくない。
【0028】また、積層体の引張破断伸度がMD方向、
TD方向共に30〜500%であることが好ましく、よ
り好ましくは100〜500%、さらに好ましくは15
0〜500%である。引張破断伸度が30%より小さい
場合、得られる化粧シートの引張破断伸度も不足するた
め、支持体に張り付ける等の二次加工の際に、シートが
支持体形状に沿ってのびにくく、シートが破れたり、支
持体との密着不良を生じやすくなるだけでなく、さらに
真空成形性をも低下するため好ましくない。一方、引張
破断伸度が500%より大きい場合、得られる化粧シー
トを支持体に張り付ける際に、シートが局部的に伸ばさ
れ外観不良を生じやすくなるために好ましくない。
【0029】さらに、積層体をJIS−K7113に準
じた引張試験した際、少なくとも一方向に降伏点をもた
ないことが好ましく、さらにはMD方向、TD方向とも
降伏点をもたないことがより好ましい。両方向に降伏点
を有する積層体を用いた化粧シートは、Vカット加工等
の折り曲げ加工を行う際にシートがネッキングを起こ
し、外観不良を生じやすくなるため好ましくない。
【0030】本発明において、上記積層体の製造方法
は、特に制限されず、代表的な方法を例示すれば、各層
を構成する樹脂を共押出してその後、一軸あるいは二軸
に延伸する方法、または一層の樹脂を溶融押出して一軸
延伸し、その上に他層の樹脂を溶融押出して上記一軸延
伸の方向とほぼ直角方向に延伸する方法等が挙げられ、
その中でも、各層を構成する樹脂を共押出してその後、
一軸あるいは二軸に延伸する方法が好適である。
【0031】また、延伸方法としては、縦または横一軸
延伸方法、縦横逐次二軸延伸方法、同時二軸延伸方法、
圧延方法、カレンダー成形により成膜したシートを引き
続き少なくとも一方向に延伸する方法等が挙げられる
が、MD方向及びTD方向の物性のバランス、及び厚薄
精度を勘案すると、縦横逐次二軸延伸方法が好ましい。
【0032】さらに、延伸後に延伸温度より幾分高めの
温度でリラックスさせると、低熱収縮性を付与すること
ができ好ましい。
【0033】上記延伸方法の延伸条件としては、特に制
限されないが、上記特性を容易に満足させるためには、
面積延伸倍率が1.1〜30倍であることが好ましい。
特に、適度な剛性と柔軟性及び伸度を付与するために
は、面積延伸倍率で4〜25倍での延伸がより好まし
い。面積延伸倍率が1.1より低いと、得られる化粧シ
ートの引張弾性率が低く、ネッキングが生じたり、ネッ
キングが生じない場合でも、化粧シートが柔らかくなり
すぎるために、二次加工時に積層体が局伸びし、当該用
途には好ましくない。面積延伸倍率が30倍を越える
と、得られる化粧シートの引張強度が高くなり、引張伸
度が低くなるために、二次加工する際に、該シートが破
れるなどの外観不良を生じやすくなるため好ましくな
い。
【0034】また、MD方向、TD方向のそれぞれの延
伸倍率は、少なくとも一方向に降伏点をもたなくなるよ
うに、1.1〜10倍の範囲で適宜選択される。その中
でも特に、MD、TD方向の物性バランスを取り、柔軟
性、弾性を付与しさらに伸度を付与するためには、MD
方向、TD方向とも、2〜6倍での延伸が好ましく、さ
らに3〜5倍がより好ましい。
【0035】本発明の化粧シートの構成は、上記ポリオ
レフィン系フィルムと上記ポリプロピレンと高密度ポリ
エチレンとの組成物よりなるフィルムとの積層体を構成
層として含む構造であれば特に制限されない。
【0036】通常、化粧シートは、例えば、基材フィル
ム層と印刷層とよりなる構成、図1に示すように、基材
フィルム層1、印刷層2及び透明被覆フィルム層3より
なる構成が一般的である。
【0037】本発明の化粧シートにおいて、上記積層体
は、特に上記構成の透明被覆フィルム層として、好適に
使用される。
【0038】また、図2に示すように、本発明の化粧シ
ートは、上記基本構成に加えて、他の公知の構造が特に
制限なく採用される。例えば、ワイピング塗装4、表面
保護層5を設けることも可能である。
【0039】かかるワイピング塗装の代表的な方法を例
示すれば、表面に木目調などの印刷層を有する基材フィ
ルム層の該印刷層に透明被覆フィルム層を熱時ラミネー
トもしくはドライラミネート等によって貼り合わせ、該
透明被覆フィルム層の表面に導管エンボス加工を行い、
その導管部に着色インキを挿入した後に拭き取る方法が
挙げられる。また、透明保護層は、ウレタン、ポリオレ
フィン等の透明部材を公知の方法によってコーティング
することによって形成される。
【0040】本発明において、透明被覆フィルム層の厚
みは、特に限定されるものではないが、50〜200μ
mが好適である。
【0041】本発明の化粧シートは、基材フィルム層上
に印刷層があるのが一般的であるが、該印刷層は、必要
に応じて省略することもできる。
【0042】また、透明被覆フィルム層を構成する積層
体においても、適宜着色を行うことも可能であり、ま
た、該透明被覆フィルム層の表面に更に、印刷層を形成
することもできる。
【0043】さらに、エンボス加工を施した導管部に着
色インキを挿入して拭き取るワイピング塗装を施しても
よく、さらに、表面にウレタンや各種熱硬化型や光硬化
型のエマルジョン等の透明保護層をコーティングする方
法、オレフィン系フィルムを熱接着により貼り合わせる
方法、ポリオレフィンを押出ラミネートする方法等で、
表面保護層を付与しても良い。
【0044】このようにして成形された化粧シートは、
公知の用途に特に制限なく使用できる。例えば、合板、
鋼板、アルミ板、パーティクルボード、MDF(中質繊
維板)、無機物ボード(石膏ボード等)、コンクリート
壁、樹脂製ボード、発泡体、断熱体、またこれらの混成
体、混合体等の支持体に接着剤を介して該化粧シートを
貼りつけて化粧板とすることができる。
【0045】上記支持体に貼りつける方法としては、平
貼り、ラッピング加工、Vカット法、真空成形法等を挙
げることができ、また平貼りには、手貼りや、プレス貼
り、ローラー貼り、ローラープレスによる貼り合わせ等
を挙げることができる。また、これ以外の方法を用いて
支持体に貼りつけても何ら問題はない。
【0046】このようにして得られた化粧板の用途は特
に限定されないが、テレビキャビネット、ステレオスピ
ーカーボックス、ビデオキャビネット、各種収納家具、
ユニット家具等の家電製品や家具製品、ドア、ドア枠、
窓枠、廻縁、巾木、開口枠、等の住宅部材、厨房、収納
家具扉等の家具部材、床材、天井材、壁紙等の建材商
品、自動車内装材、家電品、文具、オフィス用品等の用
途に好適に使用できる。
【0047】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、透明被覆フィル
ム層等の構成層として特定の樹脂組成物層を積層した積
層体を用いることにより、無ネッキング性、適度な柔軟
性および引張伸度を付与することにより二次加工性に優
れ、さらに高級感としてマット感が付与されたポリオレ
フィン系化粧シートとなる。
【0048】
【実施例】以下に、本発明を具体的に説明するために実
施例および比較例を掲げるが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。なお、以下の実施例および比
較例において、フィルム原料として使用したポリオレフ
ィン系樹脂は、表1に示すものである。
【0049】
【表1】
【0050】また、以下の実施例及び比較例において用
いた測定方法は次の方法により実施した。
【0051】(1)ペンタッド分率(mmmm値)およ
び共重合組成 日本電子社製のJNM−GSX−270(13C−核共鳴
周波数67.8MHz)を用い、次の条件で測定した。
【0052】 測定モード: 1H−完全デカップリング パルス幅 : 7.0マイクロ秒(C45度) パルス繰り返し時間: 3秒 積算回数 : 10000回 溶媒 : オルトジクロルベンゼン/重ベンゼンの
混合溶媒(90/10容量%) 試料濃度 : 120mg/2.5ml溶媒 測定温度 : 120℃ この場合、mmmmペンタッド分率は、13C−NMRス
ペクトルのメチル基領域における分裂ピークの測定によ
り求めた。また、メチル基領域のピークの帰属は、A.
Zambelli et al[Macromolec
ules 13,267(1980)]に従って行っ
た。
【0053】(2)引張伸度(引張破断伸度) 試料を10mm幅の短冊状に切断し、測定長を40mm
として引張試験機によって引張速度300mm/分、チ
ャート速度300mm/分でチャート紙に記録した。破
断点の伸度(%)を読み取った。
【0054】(3)剛性(引張弾性率) 試料を10mm幅の短冊状に切断し、測定長を20mm
として引張試験機によって引張速度20mm/分、チャ
ート速度2000mm/分で立上がり角度をチャート紙
に記録した。基点より20mmの点で垂線を引き、接線
との交点の強度を読み取り、下式により引張弾性率を算
出した。
【0055】引張弾性率(kg/mm2)=〔強度(k
g)×試料長(mm)×チャート速度(mm/分)〕÷
〔引張り速度(mm/分)×20mm×フィルム厚み
(mm)×フィルム幅(mm)〕 (4)透明性(ヘイズ) JIS K6714に準拠して測定した。
【0056】(5)表面光沢 JIS K7105に準拠して測定した。
【0057】(6)ネッキング性 得られた化粧シートから、幅100mm、長さ200m
mのサンプルを切り出し、図2(a)に示す木製の基盤
表面に両面テープで貼り付けた後、23℃下該基盤面を
直角に折り曲げた。その後積層シートを基盤から取り外
し、折り曲げ部分の厚み(t)と折り曲げられていない
部分の厚み(t0)を測定し、t/t0の値を算出した。
【0058】(7)ドローダウン性 クランプ枠(500mm×500mm)に化粧シートを
挟んで、遠赤外線ヒーターを300℃に設定し、フィル
ムを上下から加熱した。フィルム中央部の加熱前の位置
から、垂れ下がり最下点までの長さを測定し、表2に従
って評価した。
【0059】
【表2】
【0060】(8)成形性 トレー(縦200mm、横250mm、高さ20mm)
を真空圧空成形した際の容器の間仕切り部分(幅3m
m、高さ15mm)の高さ15mmを100%とし、各
条件の成形品の間仕切り部分の高さから、成形性を表3
に従って評価した。
【0061】
【表3】
【0062】(9)DSCによる主ピークの測定 約5〜6mgの試料を評量後、アルミパンに封入し、示
差熱量計にて20ml/minの窒素気流中で室温から
235℃まで昇温し、この温度で10分間保持し、次い
で10℃/minで室温まで冷却する。この後、昇温速
度10℃/minで得られる融解曲線により、主ピーク
の温度を測定した。
【0063】(10)密度 ASTM D1505に準拠して測定した。
【0064】実施例1〜4 表1に示した樹脂を表4に示した構成で、多層Tダイ押
出し機を用いて、280℃で加熱溶融下シート状に押出
し、チルロール上で冷却固化した後、表4に示した延伸
倍率で、加熱ロール延伸機によりMD方向に延伸し、続
いてテンター横延伸機でTD方向に延伸した。得られた
フィルムを被覆フィルム、ホモポリプロピレン(MF
R:0.5 DSCピーク温度:161℃)から成る厚
さ100μmのグラビヤ印刷により木目調印刷を施した
無延伸フィルムを基材フィルムとし、印刷面を挟んでド
ライラミネート法を用いて積層し、被覆フィルム上に導
管エンボス(木目調エンボス)加工を行い、化粧シート
を得た。得られた積層フィルムの厚み、ヘイズ、グロ
ス、引張伸度、引張弾性率、降伏点、得られた化粧シー
トのグロス、ネッキング性、ドローダウン性、真空圧空
成形における成形性を測定し、結果を表4に示した。
【0065】実施例5 単層Tダイ押出し機を用いること以外は、実施例1と全
く同様にして、延伸フィルムを得た。また、表1、4に
示した樹脂、構成でをTダイ押出し機を用いて、280
℃で加熱溶融下押出し、チルロール上で冷却固化させ、
無延伸フィルムを得た。
【0066】延伸フィルムと無延伸フィルムをドライラ
ミネート法を用いて積層し、積層フィルムを得た。得ら
れた積層フィルムを被覆フィルムとすること以外、実施
例1全く同様にして、化粧シートを得、評価を行った。
結果を表4に示した。
【0067】比較例1〜3 表1に示した樹脂を用いること、延伸倍率を表4に示し
たように変えること以外は実施例1と全く同様に製膜
し、化粧シートを得、評価を行った。結果を表4に示し
た。
【0068】高密度ポリエチレンの添加のないもの或い
は添加量が少ない樹脂組成物を使用して得られた化粧シ
ートは、透明性、光沢性があり、マット感が不充分なも
のであった。
【0069】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧シートの代表的な態様を示す断
面図である。
【図2】 本発明の化粧シートの代表的な態様を示す断
面図である。
【符号の説明】 1 基材フィルム層 2 印刷層 3 透明被覆フィルム層 4 ワイピング塗装 5 表面保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン系フィルムと、ポリプロピ
    レン100重量部と高密度ポリエチレン2〜50重量部
    との組成物よりなるフィルムとを積層した積層体を構成
    層として含むことを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】引張弾性率が積層体の流れ方向及び積層体
    の流れ方向に対して直角となる方向ともに300〜20
    00MPaであり、引張破断伸度が積層体の流れ方向及
    び積層体の流れ方向に対して直角となる方向ともに30
    〜500%、さらに少なくとも一方向に降伏点をもたな
    いことを特徴とする請求項1記載の積層体を構成層とし
    て含む化粧シート。
  3. 【請求項3】化粧シートが基材フィルム層、印刷層およ
    び被覆フィルム層からなり、該被覆フィルム層が請求項
    1ないし請求項2記載の積層体である化粧シート。
JP29803997A 1996-11-13 1997-10-30 化粧シート Pending JPH10193536A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29803997A JPH10193536A (ja) 1996-11-13 1997-10-30 化粧シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-302262 1996-11-13
JP30226296 1996-11-13
JP29803997A JPH10193536A (ja) 1996-11-13 1997-10-30 化粧シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10193536A true JPH10193536A (ja) 1998-07-28

Family

ID=26561349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29803997A Pending JPH10193536A (ja) 1996-11-13 1997-10-30 化粧シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10193536A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000202976A (ja) * 1999-01-18 2000-07-25 Mitsubishi Electric Corp 装飾部材の製造方法及びエレベ―タ用装飾パネル
JP2009262532A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
WO2020075565A1 (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 大日本印刷株式会社 透明性樹脂フィルム、化粧板及び化粧板の製造方法
JP2020062880A (ja) * 2018-10-12 2020-04-23 大日本印刷株式会社 透明性樹脂フィルム、化粧板及び化粧板の製造方法
JP2020131456A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 藤森工業株式会社 加飾フィルム、および、その加飾フィルムを貼着してなる成形品
JP2020163830A (ja) * 2019-03-27 2020-10-08 大日本印刷株式会社 透明性樹脂フィルム、化粧材、及び、化粧材の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000202976A (ja) * 1999-01-18 2000-07-25 Mitsubishi Electric Corp 装飾部材の製造方法及びエレベ―タ用装飾パネル
JP2009262532A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート
EP2172335A3 (en) * 2008-03-31 2010-11-24 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Decorative sheet
WO2020075565A1 (ja) * 2018-10-12 2020-04-16 大日本印刷株式会社 透明性樹脂フィルム、化粧板及び化粧板の製造方法
JP2020062880A (ja) * 2018-10-12 2020-04-23 大日本印刷株式会社 透明性樹脂フィルム、化粧板及び化粧板の製造方法
CN112839807A (zh) * 2018-10-12 2021-05-25 大日本印刷株式会社 透明性树脂膜、装饰板和装饰板的制造方法
JP2020131456A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 藤森工業株式会社 加飾フィルム、および、その加飾フィルムを貼着してなる成形品
JP2020163830A (ja) * 2019-03-27 2020-10-08 大日本印刷株式会社 透明性樹脂フィルム、化粧材、及び、化粧材の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8613824B2 (en) Multi-layer, substantially polyvinyl chloride- and polyolefin-free composite film
JP2022033172A (ja) 二軸配向ポリプロピレン系フィルムの製造方法
JPWO2018180164A1 (ja) 二軸配向ポリプロピレンフィルム
JP2000094609A (ja) 化粧シート用被覆フィルムおよび化粧シート
JP4332198B2 (ja) プロピレン系樹脂発泡積層平板からなる通い箱素材
JP6500699B2 (ja) 延伸フィルム
JPH10235818A (ja) 化粧シート
JPH10193536A (ja) 化粧シート
JP4146557B2 (ja) プロピレン系樹脂発泡積層平板の製造方法
JP6870525B2 (ja) 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JPH10748A (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡積層板及びその成形体
JP4551102B2 (ja) 積層体
JP3335114B2 (ja) 積層シート
JPH11170455A (ja) 積層発泡シート
JP3335115B2 (ja) 積層シート
JPH11277694A (ja) 化粧シート
JP6950341B2 (ja) 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JP3438958B2 (ja) 積層シート
JP6874621B2 (ja) 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法
JP3359017B2 (ja) 加飾性熱可塑性樹脂シート
JPH10193539A (ja) 化粧シート
JP3295338B2 (ja) 積層シート
JPH10193537A (ja) 化粧シート
JP2000246845A (ja) アクリル系樹脂積層体とその製造方法、および積層構造体
JP3534531B2 (ja) 積層シート