JPH10193401A - ホットランナ金型及びホットランナ金型を使用した樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

ホットランナ金型及びホットランナ金型を使用した樹脂成形品の製造方法

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JPH10193401A
JPH10193401A JP551597A JP551597A JPH10193401A JP H10193401 A JPH10193401 A JP H10193401A JP 551597 A JP551597 A JP 551597A JP 551597 A JP551597 A JP 551597A JP H10193401 A JPH10193401 A JP H10193401A
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JP
Japan
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gate
hot runner
temperature
resin
mold
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Application number
JP551597A
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English (en)
Inventor
Satoshi Shimura
吏士 志村
Hitoshi Kawachi
斉 河内
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10193401A publication Critical patent/JPH10193401A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/27Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
    • B29C45/2737Heating or cooling means therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C2045/2683Plurality of independent mould cavities in a single mould

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート部の分離が円滑であって「ゲート残り
不良」が少なく、且つ各成形キャビティに至る樹脂流路
の圧力損失の均一化が可能なホットランナ金型を提供す
る 【解決手段】 ランナ部8は二つの成形キャビティ5,
6につながる平行分岐部15,16を持ち、平行分岐部
15,16には、独立したヒーター58,59と、温度
センサー65,66が設けられている。ランナ部8の平
行分岐部15,16は、互いに異なる温度に制御され、
樹脂の粘度を相違させて流路抵抗を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形に使用す
る金型に関するものであり、特にホットランナ金型の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形は、大量生産に適することか
ら、あらゆる樹脂成形品の成形に広く応用されている。
射出成形には、旧来、コールドランナ金型と称される金
型が使用され、成形キャビティー内へ導くランナ部の溶
融樹脂を成形品と共に固化させ、ランナが成形品と一体
化された状態で成形品を型外に取り出していた。そして
後加工によって樹脂成形品とランナを分離して最終製品
としていた。
【0003】しかし近年では、コールドランナ金型にお
ける後加工を無くし、ランナ部の樹脂を次の成形に利用
するために、ランナ部を加熱保温して当該部分の樹脂を
溶融状態に保つ形式の金型が用いられるようになった。
このような形式の金型は、ホットランナ金型と称され
る。
【0004】ところで射出成形においては、生産性を高
めるために、成形品の多数個取りが行われることが多
い。すなわち金型に複数の成形キャビティを設け、ラン
ナ部を分岐して各成形キャビティに接続し、一度の樹脂
注入作業をもって各成形キャビティに樹脂を充填して成
形を行う。この様な多数個取りを行う構成の金型は、溶
融樹脂を各成形キャビティに均一に充填する為に、各成
形キャビティに至る樹脂流路の圧力損失が均等となる様
に設計することが肝要である。そのために従来技術にお
いては、ゲート部にストレートの部分(ゲートランドと
称される)を設け、このゲート部の長さに長短を設けて
各ランナ部の圧力損失の均一化を図っている。尚、各成
形キャビティに至る樹脂流路の圧力損失の均衡をゲート
バランスと言う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ホットランナ金型にお
いては、成形品とランナ部との分離は、型開き時に、固
化している製品部と溶融状態のランナ部との間のゲート
部を引きちぎる様に切断するものとなるため、ゲート部
を長くすると、成形品とランナ部との分離が悪い。すな
わち樹脂が未硬化の状態の時は、図9(a)の様に成形
キャビティ100内の樹脂101と、ランナ部102内
の樹脂103はゲート部105を介してつながってい
る。そして成形品の取り出しに際しては、成形キャビテ
ィ100内の樹脂101だけが冷却される。しかしなが
ら、ゲート部105の部分は、成形キャビティ100に
近接しており、且つゲート部105の部分は、断面積が
小さくランナ部102に残った樹脂103からの熱の伝
達は少ない。そのため、成形キャビティ100の冷却に
連れてゲート部105の温度も低下し、ゲート部105
内(ゲートランド内)の樹脂は硬化してしまう。
【0006】そして金型を開いて成形品106を取り出
す際、図9(b)の様に、成形品106の表面にゲート
部105の痕跡108が残ってしまう。その結果、製品
面にゲート部の樹脂が大きく残り、いわゆる「ゲート残
り不良」を起こすことがしばしばあり、成型後にこのゲ
ートの痕跡108を取り除かなければならず、手間が生
じるという問題がある。
【0007】そこで本発明は、従来技術の上記した問題
点に注目し、ゲート部の分離が円滑であって「ゲート残
り不良」が少なく、且つ各成形キャビティに至る樹脂流
路の圧力損失の均一化が可能なホットランナ金型を提供
することを課題とするものである。また併せて本発明
は、「ゲート残り不良」が少なく、また樹脂流路の圧力
損失が不均一であることに起因するショートやヒケ等の
不良も少ない射出成形方法の提供を課題とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして上記した目的を達
成するための請求項1に記載の発明は、狭小のゲートを
介して成形キャビティにつながるランナ部を有し、ラン
ナ部内の樹脂を溶融状態に保持する機能を備えたホット
ランナ金型において、ランナ部は複数の分岐部を有し、
各分岐部は個別に温度制御が可能であり、ゲートの長さ
は1mm以下であることを特徴とするホットランナ金型
である。ここで、ゲートの長さとは、ゲートのストレー
トの部分長さを言う。
【0009】本発明のホットランナ金型は、ゲートの長
さが短いので、製品となる部分以外で、樹脂が固化する
部位が小さく、「ゲート残り不良」を起こしにくい。ま
た従来技術のホットランナ金型は、ゲートの長さに長短
を持たせることにより圧力損失の均一化を図っていたの
に対し、本発明では、樹脂流路の温度に変化を与えて樹
脂の粘度を変化させ、圧力損失の均一化を図るものであ
る。すなわち本発明のホットランナ金型では、ランナ部
の分岐部は個別に温度制御が可能である。そのため本発
明のホットランナ金型では、成形キャビティ毎にランナ
部の分岐部、あるいはゲートを通過する樹脂の温度に変
化を持たせることができる。そのため各成形キャビティ
に至る間の樹脂の粘度は相違し、樹脂流路の圧力損失が
変化し、樹脂流路の長さの相違等に起因する圧力損失の
相違を相殺することができる。また、上記の発明は多数
個取りの金型に限らず、1個取りの金型に採用しても構
わない。
【0010】また上記した発明をより改良した請求項2
に記載の発明は、ランナ部の分岐部には、分岐部の主部
を加熱する主ヒーターと、ゲート近傍を加熱するゲート
ヒーターを有し、前記主ヒーターとゲートヒーターは個
別に制御可能であることを特徴とする請求項1記載のホ
ットランナ金型である。
【0011】本発明は、ランナ部の分岐部をより精密に
温度調節するための構成である。すなわちホットランナ
金型においては、成形品の取り出しに際して成形キャビ
ティ部分が冷却される一方、成形キャビティに隣接する
ランナ部は、加熱保温される。この様に、ホットランナ
金型では、冷却される部位と、加熱される部位とが近接
しているため、ランナ部の各部を均等な温度とすること
は困難である。そこで本発明は、分岐部の主部を加熱す
る主ヒーターと、ゲート近傍を加熱するゲート近傍ヒー
ターを装備し、これらを別々に制御することによって、
ランナ部の温度を均一化するものである。特に本発明で
は樹脂流路の圧力損失に最も影響の大きいゲート近傍に
ゲートヒーターを有するものであるため、ゲートの温度
調節を精密に行うことが可能であり、圧力損失のより一
層の均一化が可能である。
【0012】またさらに上記した発明に改良を加えた発
明は、主ヒーターの近傍と、ゲートヒーターの近傍にそ
れぞれ単独の温度センサーが設けられていることを特徴
とする請求項2記載のホットランナ金型である。
【0013】本発明のホットランナ金型では、主ヒータ
ーの近傍と、ゲートヒーターの近傍にそれぞれ個別の温
度センサーを備えるため、ランナ部の温度は均一化され
る。
【0014】また上記した金型を樹脂成形品の製造方法
に適用した発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の
ホットランナ金型を使用し、ランナ部の分岐部の温度を
相違させた状態で射出成形することを特徴とするホット
ランナ金型を使用した樹脂成形品の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下更に、本発明の実施形態につ
いて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態のホッ
トランナ金型の断面図である。図2は、図1の円内の拡
大断面図である。図3は、本発明の第二の実施形態のホ
ットランナ金型の断面図である。図4は、図3の円内の
拡大断面図である。図5は、比較例の金型の図2に相当
する部位での拡大断面図である。図6は、本発明のホッ
トランナ金型のゲート部における樹脂の固化状態を示す
断面図である。図7は、本発明の第一の実施形態のホッ
トランナ金型のランナ部の温度分布を示すグラフであ
る。図8は、本発明の第二の実施形態のホットランナ金
型のランナ部の温度分布を示すグラフである。図9は、
従来技術のホットランナ金型のゲート部における樹脂の
固化状態を示す断面図である。
【0016】図1において、1は本発明の実施形態のホ
ットランナ金型を示す。本実施形態のホットランナ金型
1は、いわゆる二個取りの金型であり、下水用継手を二
個同時に成形するものである。ホットランナ金型1の構
造を具体的に説明すると、次の通りである。すなわちホ
ットランナ金型1は、大きく、移動側2と固定側3とに
分けられる。移動側2は、固定側3と一体となって下水
用継手を成形する成形キャビティ5,6を形成するもの
であり、下水用継手の片側形状の窪みが設けられてい
る。二つの成形キャビティ5,6の内、図面右側の成形
キャビティ5は、操作側の成形キャビティであり、図面
左側の成形キャビティ6は、反操作側の成形キャビティ
である。
【0017】一方、ホットランナ金型1の固定側3で
は、移動側2と対抗する面に、移動側2と同様の下水用
継手の片側形状の窪みが設けられている。また当該面に
対して背面側に相当する面には、射出成形機のノズル
(図示せず)が当節するスプルーブッシュ7が設けられ
ている。そして固定側3の内部には、成形キャビティ
5,6とスプルーブッシュ7をつなぎ、樹脂の注入路と
なるランナ部8が設けられている。
【0018】本実施形態のホットランナ金型1は、前記
した様に二個取りの金型であり、二つの成形キャビティ
5,6を有するものであることから、ランナ部8は、途
中で二路に分岐されている。すなわちランナ部8は、ス
プルーブッシュ7から直線的に金型開き方向に延びて一
次ランナ9を構成し、途中から左右に分岐し、垂直分岐
部12,13を構成している。そして垂直分岐部12,
13の先端側は、さらに金型開き方向に向かって曲が
り、平行分岐部15,16を経て成形キャビティ5,6
へと連通している。平行分岐部15,16の成形キャビ
ティ5,6への開口端、すなわちゲート部19は、図2
の様にテーパー状となっており、ゲート部19にはスト
レート部分は無い。
【0019】本実施形態のホットランナ金型1の固定側
3は、主として金型の製造上の制約から5つの部材の組
み合わせによって構成されている。すなわちホットラン
ナ金型1の固定側3は、本体部30、裏蓋部31、マニ
ホールド部32、及びノズル形状部33,34によって
構成されている。ここで本体部30は、一つの表面に前
記した成形キャビティ5,6の一部が形成され、その裏
面側には大きな空洞部37が形成されている。また当該
空洞部37の底面、すなわち空洞部37内に於ける成形
キャビティ5,6の背面側には、成形キャビティ5,6
と連通する孔40,41が設けられている。当該孔4
0,41は、円筒形であるが、成形キャビティ5,6ヘ
開口部は狭い。
【0020】裏蓋部31は、中央に孔45が設けられた
板体である。マニホールド部32は、ブロック状の部材
であり、一方の面の中央に円柱状の突起47が設けら
れ、他方の面には、二つの円柱状窪み48,49が形成
されている。円柱状の突起47には、前記したスプルー
ブッシュ7が設けられ、ブロック状の部位の内部に前記
した垂直分岐部12,13と、平行分岐部15,16の
一部が形成されている。そして平行分岐部15,16
は、円柱状窪み48,49内に開いている。
【0021】ノズル形状部33,34は、円筒状をして
いて、その中間部分であって後部よりの部位にフランジ
46が設けられている。またノズル形状部33,34の
先端には、テーパが設けられていて、先細に作られてい
る。ノズル形状部33,34には、軸方向の中心に貫通
穴が設けられており、この貫通穴が平行分岐部15,1
6として機能する。
【0022】本実施形態のホットランナ金型1の固定側
3は、本体部30の背面側の孔40,41にノズル形状
部33,34の先端側が挿入され、さらに本体部30の
空洞部37にマニホールド部32が配置されていて、マ
ニホールド部32の円柱状窪み48,49にはノズル形
状部33,34の後端側が挿入されている。また本体部
30の背面に裏蓋部31が取り付けられ、裏蓋部31の
孔45にマニホールド部32の突起47が嵌合してい
る。その結果、マニホールド部32の突起47に設けら
れたスプルーブッシュ7は、外部に開き、マニホールド
部32内の垂直分岐部12,13及び平行分岐部15,
16と、ノズル形状部33,34の孔が連通し、一連の
ランナ部8を構成する。
【0023】そしてホットランナ金型1の固定側3に
は、この一連のランナ部8内の樹脂を加熱保温するため
のヒーターと、このヒーターの温度を制御するための温
度センサーが内蔵されている。まずヒーターの位置から
説明すると、マニホールド部32の突起47の周囲に、
ヒーター50が配されている。またマニホールド部32
の本体部分にも、その断面に対して正6角配置となるよ
うに3層にヒーター51,52,53が各2本ずつ内蔵
されている。また本実施形態のホットランナ金型1は、
平行分岐部15,16を個別に温度制御することができ
る様に、ノズル形状部33,34に、それぞれ独立した
ヒーターが内蔵されている。ノズル形状部33,34に
内蔵されるヒーターは、各2個であり、具体的には、フ
ランジ部の周囲にヒーター56,57が内蔵され、さら
にノズル形状部33,34の本体部30に挿入された部
分の周囲についてもヒーター58,59が設けられてい
る。
【0024】一方温度センサーは、各ヒーター50,5
1,52,53,56,57に対応する位置に設けられ
ている。すなわちヒーター50に対応して、マニホール
ド部32の突起47部分に温度センサー60が挿入され
ている。ヒーター51,52,53に対応してマニホー
ルド部32の本体部分に温度センサー61が挿入されて
いる。ノズル形状部33,34については、平行分岐部
15,16を個別に温度制御することができる様に、個
別に、二個づつの温度センサーが内蔵されている。すな
わちヒーター56,57に対応してノズル形状部33,
34のフランジ46に温度センサー62,63が挿入さ
れている。更にヒーター58,59に対応してノズル形
状部33,34のゲート近傍に温度センサー65,66
が挿入されている。これらの温度センサーは、いずれも
測温抵抗体や、熱電対を利用した公知の構造のものが採
用可能である。
【0025】本実施形態のホットランナ金型1は、各ヒ
ーター50,51,52,53,56,57,58,5
9は、それぞれに対応する温度センサー60,61,6
2,63,65,66で検知される温度が所定の設定温
度となる様に制御される。そして本実施形態のホットラ
ンナ金型1のランナ部8の平行分岐部15,16、特に
平行分岐部15,16の先端部位たるノズル形状部3
3,34には独立したヒーター56,57,58,59
が配置され、さらにこれらのヒーター56,57,5
8,59に対応して四個の温度センサー62,63,6
5,66が内蔵されているので、本実施形態のホットラ
ンナ金型1では、ランナ部8の平行分岐部15,16
は、別々の温度に設定することが可能である。またラン
ナ部8の平行分岐部15,16は、ランナ部8の他の部
分とも異なる温度とすることができる。上記したホット
ランナ金型1の主要諸元をまとめると、表1の通りであ
る。
【0026】
【表1】
【0027】本実施形態のホットランナ金型1は、ゲー
ト部19が極めて短く、実質上ゲートランドが無いの
で、成形された製品にゲート残りが生じない。またラン
ナ部8の平行分岐部15,16を個別に温度制御するこ
とができるので、各成形キャビティに至る樹脂流路の温
度を異なるものとすることができ、圧力損失を補正する
ことが可能であり、各成形キャビティ5,6に均等に樹
脂を充填することができる。
【0028】以上の実施形態では、ノズル形状部33,
34に二組のヒーター56,57,58,59と、温度
センサー62,63,65,66を設けたものである
が、ランナの平行分岐部15,16に一組だけのヒータ
ーと温度センサーを設ける構成でも良い。逆に三組以上
のヒーターと温度センサーを設ける構成は、より奨励さ
れる。より多数のヒーターと温度センサーを設ける場合
には、平行分岐部15,16の主だった部位を加熱保温
する主ヒーターの他に、ゲート近傍だけを集中的に加熱
保温するゲートヒーターを設け、それぞれ単独に主ヒー
ター用の温度センサーとゲートヒーター用の温度センサ
ーを設ける構成が推奨される。この理由は、ゲート部1
9は、狭小であって他の部分に比べて圧力損失が著しく
高く、当該部分を通過する際の樹脂の温度は、圧力損失
の変化に与える影響が特に大きいためである。またもう
一つの理由は、ゲート部19の近傍部分は、成形キャビ
ティ5,6に直接的に接する部位であり、成形キャビテ
ィ5,6の温度の影響を受けやすいためである。
【0029】図3に示すホットランナ金型70は、主ヒ
ーター71,72とゲートヒーター73,74を設けた
例を示すものである。ホットランナ金型70で、先の実
施形態と同一の部分には、同一の番号を付して、重複し
た説明を省略する。ホットランナ金型70が先の実施形
態と異なる点は、ヒーターを主ヒーター71,72とゲ
ート近傍ヒーター73,74に分割し、それぞれ単独に
主ヒーター用温度センサー75,76とゲート近傍ヒー
ター用温度センサー77,78を設けた点である。ホッ
トランナ金型70のその他の構成は、前記したホットラ
ンナ金型1と同一である。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例及び、従来技術と比較
した実験例について説明する。本発明の実施例として、
図1に示したホットランナ金型1を製造した。また比較
例として、図5の様に、ゲート部の長さが2mmであっ
て、他の構成は、全て同一であるホットランナ金型1を
製造した。そして、両ホットランナ金型を使用し、原料
に硬質塩化ビニル樹脂(TG815 徳山積水工業株式
会社製)を用いて射出成形を行い成形品のゲート高さを
測定した。実施例および比較例において成形品のゲート
高さは、表2の通りであった。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示すように、本発明の実施例の様に
ゲートランドを無くすと、成形品に残るゲートの高さが
低くなることが理解される。また比較例のゲートランド
が2mmであるところから、ゲートの長さが1mmを越
えると、ゲート残り不良が起こることが理解できる。こ
れは、従来技術の説明で述べた様に、比較例1の様にゲ
ートが長いと、ゲートランド部の樹脂が固化し、樹脂製
品と一部化してゲート残り不良となるためである。それ
に対し実施例1のようにゲート部19を極めて短く設定
し、ゲートランドを実質上無くすと、ゲート部19の樹
脂の容量はゲートからランナ部8に向かって増加するの
で、成形キャビティ5,6の冷却時にゲート部19から
少しランナ部8に入った直後の部位では樹脂が固化せ
ず、ゲート部19の樹脂固化部を少なく抑えることがで
きるからである。この為に、本実施例では成形品に残る
ゲートの高さを低く抑えることができる。
【0033】次に、実施例1における樹脂流路の圧力損
失(ゲートバランス)について検討する。本発明におい
ては、樹脂流路の圧力損失はゲートランド長の変更を用
いずに、ランナ部8の平行分岐部12,13の温度に相
違を持たせて調整する。すなわちゲート部19の樹脂温
度を相違させ、樹脂粘度を変更することによりゲート部
19における圧力損失を調整し、樹脂流路の圧力損失を
補正するものである。
【0034】樹脂流路の圧力損失の指標として、製品重
量を用いる。上記した実施例1のホットランナ金型1を
使用し、原料に硬質塩化ビニル樹脂(TG815 徳山
積水工業株式会社製)を使用し、表3の「実施例」のホ
ットランナ温度条件で射出成形を行った。すなわち操作
側の成形キャビティ5に至る樹脂流路と、反操作側の成
形キャビティ6に至る樹脂流路の温度に差を持たせた状
態で射出成形を行った。また比較例として、操作側の成
形キャビティ5に至る樹脂流路と、反操作側の成形キャ
ビティ6に至る樹脂流路の温度を同一に設定して射出成
形を行った。射出成形に使用した金型は、実施例のもの
と同一のものを使用した。
【0035】
【表3】
【0036】そして両者の成形サンプルの重量を測定し
たところ、表4の通りであった。
【0037】
【表4】
【0038】この実験結果から、本実施例のホットラン
ナ金型1は、樹脂流路の温度を相違させることにより、
樹脂流路の圧力損失を補正することができ、複数の成形
キャビティに樹脂を均等に注入することができることが
理解できる。
【0039】また上記した実験では、二つの成形キャビ
ティで成形された成形品は、重量が略等しいものの、操
作側の成形キャビティ5で成形された成形品に一部、樹
脂焼けが発生した。そして反操作側のゲート温度を下げ
てゲートバランスを調整すると、反操作側に、ゲート部
樹脂温度低下によるコールドスラッグ等の外観不良を生
じ、二律背反する問題点が生じた。
【0040】そこでこの問題の原因を追求するために、
ホットランナ金型1の、操作側の成形キャビティ5に至
るランナ部8の、ゲート周辺部分の温度分布を測定した
ところ、図7の通りであった。すなわちホットランナ金
型1では、ゲート(0mm)からランナ部8の軸方向の
温度分布は、相当のばらつきがあり、ゲートバランスを
とるために最も重要と考えられるゲート部近傍の温度を
約10℃上昇させるためには、ノズル形状部33の中程
では最大約15℃の温度上昇を伴うことが判明し、当該
部分で樹脂が変質することが分かった。
【0041】次に前記した第二の実施形態のホットラン
ナ金型70を使用し、温度条件を前記した表3の実施例
の欄と同一として射出成形を行った。なお、第二の実施
形態のホットランナ金型70は、前述の様に、ノズル形
状部33,34に、主ヒーター71,72とゲートヒー
ター73,74を有し、かつ主ヒーターとゲートヒータ
ー71,72,73,74がそれぞれ単独に温度センサ
ー75,76及び75,76を有する。そして主ヒータ
ー71,72は、温度センサー75,76で検知される
温度が表3の実施例の温度となる様に制御し、ゲートヒ
ーター73,74は、温度センサー77,78で検知さ
れる温度が表3の実施例の温度となる様に制御した。そ
の結果、樹脂焼けの問題は解消した。また両者の成形サ
ンプルの重量を測定したところ、前述の表5の結果を得
た。
【0042】
【表5】
【0043】この実験結果から、ホットランナ金型70
を使用すると、ライナ部8の内部で有害な温度上昇をさ
せずにゲート部の温度調整が可能となり、樹脂焼けが発
生すること無しに圧力損失の補正をすることができるこ
とが分かる。
【0044】次に前記したホットランナ金型1と同様
に、ホットランナ金型70についても、操作側の成形キ
ャビティ5に至るランナ部8の、ゲート周辺部分の温度
分布を測定したところ、図8の通りであった。図8に示
した結果から明らかな様に、主ヒーター71,72の他
にゲートヒーター73,74を設け、主ヒーター71,
72の近傍と、ゲートヒーター73,74の近傍にそれ
ぞれ単独の温度センサー75,76,77,78を設け
て温度制御を行うと、ゲート部近傍の温度を約10℃上
昇する場合に、ノズル部の温度は最大でも約4℃程度の
温度上昇に抑えることができた。
【0045】
【発明の効果】本発明のホットランナ金型は、ゲート残
り不良が少なく、且つ樹脂の充填が均一であって、ヒケ
等も少ない樹脂成形品を製造することができる効果があ
る。特に請求項2、3のホットランナ金型では、樹脂焼
けの発生も抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態のホットランナ金型の
断面図である。
【図2】図1の円内の拡大断面図である。
【図3】本発明の第二の実施形態のホットランナ金型の
断面図である。
【図4】図3の円内の拡大断面図である。
【図5】比較例の金型の図2に相当する部位での拡大断
面図である。
【図6】本発明のホットランナ金型のゲート部における
樹脂の固化状態を示す断面図である。
【図7】本発明の第一の実施形態のホットランナ金型の
ランナ部の温度分布を示すグラフである。
【図8】本発明の第二の実施形態のホットランナ金型の
ランナ部の温度分布を示すグラフである。
【図9】従来技術のホットランナ金型のゲート部におけ
る樹脂の固化状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ホットランナ金型 5, 6 成形キャビティ 8 ランナ部 11,12 垂直分岐部 15,16 平行分岐部 19 ゲート部 33,34 ノズル形状部 50 ヒーター 51,52,53ヒーター 56,57 ヒーター 58,59 ヒーター 60 温度センサー 61 温度センサー 62,63 温度センサー 65,66 温度センサー 70 ホットランナ金型 71,72 主ヒーター 73,74 ゲートヒーター 75,76 主ヒーター用温度センサー 77,78 ゲートヒーター用温度センサー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 狭小のゲートを介して成形キャビティに
    つながるランナ部を有し、ランナ部内の樹脂を溶融状態
    に保持する機能を備えたホットランナ金型において、ラ
    ンナ部は複数の分岐部を有し、各分岐部は個別に温度制
    御が可能であり、ゲートの長さは1mm以下であること
    を特徴とするホットランナ金型。
  2. 【請求項2】 ランナ部の分岐部には、分岐部の主部を
    加熱する主ヒーターと、ゲート近傍を加熱するゲートヒ
    ーターを有し、前記主ヒーターとゲートヒーターは個別
    に制御可能であることを特徴とする請求項1記載のホッ
    トランナ金型。
  3. 【請求項3】 主ヒーターの近傍と、ゲートヒーターの
    近傍にそれぞれ単独の温度センサーが設けられているこ
    とを特徴とする請求項2記載のホットランナ金型。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のホッ
    トランナ金型を使用し、ランナ部の分岐部の温度を相違
    させた状態で射出成形することを特徴とするホットラン
    ナ金型を使用した樹脂成形品の製造方法。
JP551597A 1997-01-16 1997-01-16 ホットランナ金型及びホットランナ金型を使用した樹脂成形品の製造方法 Pending JPH10193401A (ja)

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