JPH10192684A - 反応性乳化剤及び水性重合体の製造方法 - Google Patents

反応性乳化剤及び水性重合体の製造方法

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JPH10192684A
JPH10192684A JP8350652A JP35065296A JPH10192684A JP H10192684 A JPH10192684 A JP H10192684A JP 8350652 A JP8350652 A JP 8350652A JP 35065296 A JP35065296 A JP 35065296A JP H10192684 A JPH10192684 A JP H10192684A
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JP
Japan
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group
reactive emulsifier
meth
polymer
polymerization
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JP8350652A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kitayama
博昭 北山
Yasuhisa Fukumoto
泰久 福本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系重合での安定性が良好で、得られたエマ
ルジョンから作成された重合体の耐水性等の物性を向上
することができ、またエマルジョンを破壊してポリマー
を取り出す際において排水中に混入する乳化剤の低減、
樹脂の回収性に効果を発揮する反応性乳化剤の提供。 【解決手段】 エポキシ基を含有する総炭素数12〜26の
ジカルボン酸とアリルアルコール又はメタリルアルコー
ルとを反応させることによりエポキシ基を開環し、更に
塩基で中和することにより得られる化合物からなる反応
性乳化剤。この反応性乳化剤の存在下、モノマーを水系
重合して水性重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は反応性乳化剤、及び
この反応性乳化剤を用いた水性重合体の製造方法に関
し、詳しくは、水系重合での安定性が良好で、得られた
エマルジョンから作製された重合体の耐水性等の物性を
向上することができ、またエマルジョンを破壊してポリ
マーを取り出す際において排水中に混入する乳化剤の低
減、樹脂の回収性に効果を発揮する反応性乳化剤、及び
この反応性乳化剤を用いた水性重合体の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
乳化重合等の水系重合においては、乳化剤として、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩
等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアル
キルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、
ポリオキシアルキレンソルビタン等の非イオン界面活性
剤が単独あるいは混合系で用いられている。
【0003】しかしながら、これらの界面活性剤を用い
た場合、得られるポリマーエマルジョンから作成した塗
膜の耐水性等の物性が低下するという問題があった。ま
た、SBR、NBR、ABS等の合成樹脂又は合成ゴム
の製造においてはエマルジョンを破壊してポリマーを取
り出す際に排水中に乳化剤が混入し、排水処理の負荷が
大きくなるという問題があった。
【0004】これらの問題を解決するために反応性乳化
剤を用い、ポリマー中に乳化剤を組み込もうとする技術
がある。反応性乳化剤の構造は疎水基、親水基、反応基
から成り立ち、各部位において様々な構造が提案されて
いる。例えば、反応基の種類ではアリル基又はメタリル
基(以下(メタ)アリル基と略記)を有する反応性乳化
剤(特公平4−65824 号等)、アクリル酸エステル又は
メタクリル酸エステル基(以下(メタ)アクリル酸エス
テル基と略記)を有する反応性乳化剤(特開昭59−1283
53号等) 、マレイン酸基を有する反応性乳化剤(特開昭
51−30282 号等)、β−メチルスチレン基を有する反応
性乳化剤(特開平4−53802 号等)等が知られている。
【0005】しかしながら、反応基がマレイン酸基、β
−メチルスチレン基である場合、使用するモノマーの種
類によっては反応性乳化剤の反応性が低く、上記問題を
充分に解決できないことがあり、反応基が(メタ)アク
リル酸エステル基の場合には反応性が高過ぎるために、
乳化剤自身の保存安定性が低いことや重合時に使用する
モノマーの種類によっては重合中の凝集物量が問題にな
っている。
【0006】また、反応性乳化剤を親水基の種類でみた
場合、非イオン性反応性乳化剤(特開昭56−28208 号
等)、アニオン性反応性乳化剤(特公平4−65824 号
等)が数多く提案されている。しかし、非イオン性反応
性乳化剤は重合時の安定性や、生成粒子が粗いことに問
題があり、アニオン性反応性乳化剤中硫酸エステル基や
燐酸エステル基は重合時の安定性は割合良好であるが、
合成樹脂又は合成ゴムに用いた場合、硫酸等の酸による
樹脂の回収性に劣るという欠点があった。
【0007】つまり、従来提案された反応性乳化剤では
重合中の安定性、ポリマーエマルジョンの安定性、ポリ
マーエマルジョンから得られた塗膜の耐水性、耐候性、
接着性、耐熱性などの物性や、合成樹脂又は合成ゴムに
用いた場合の排水負荷低減や樹脂回収性を充分に解決で
きていないのが実情である。
【0008】従って、本発明の課題は、水系重合での安
定性が良好で、得られたエマルジョンから作製された重
合体の耐水性等の物性を向上することができ、またエマ
ルジョンを破壊してポリマーを取り出す際において排水
中に混入する乳化剤の低減、樹脂の回収性に効果を発揮
する反応性乳化剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の技術的課題を解決すべく鋭意研究の結果、本発明を完
成するに到った。即ち、本発明は、エポキシ基を含有す
る総炭素数12〜26のジカルボン酸とアリルアルコール又
はメタリルアルコール(以下(メタ)アリルアルコール
と略記)とを反応させることによりエポキシ基を開環
し、更に塩基で中和することにより得られる化合物から
なることを特徴とする反応性乳化剤、及びこの反応性乳
化剤の存在下、モノマーを水系重合することを特徴とす
る水性重合体の製造方法を提供するものである。
【0010】なお、本発明により製造される水性重合体
の乳化を破壊して得られるSBR、ABS等の樹脂は耐
衝撃性、金型汚れ防止性等の樹脂物性が良好となる。ま
た本発明に係わるエポキシ基を含有する総炭素数12〜26
のジカルボン酸と(メタ)アリルアルコールとを反応さ
せてエポキシ基を開環した化合物もしくはそれを塩基で
中和して得られる化合物は反応性乳化剤としての用途の
他、樹脂改質剤など、様々な分野で利用可能である有用
な物質である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0012】本発明の反応性乳化剤は、エポキシ基を含
有する総炭素数12〜26のジカルボン酸と(メタ)アリル
アルコールとを反応させることによりエポキシ基を開環
し、更に塩基で中和することにより得られる化合物であ
れば、構造を特に限定するわけではないが、例えば、一
般式(I)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R は置換基としてアリルエーテル
基又はメタリルエーテル基(以下(メタ)アリルエーテ
ル基と略記)とヒドロキシ基とを互いに隣会う炭素原子
上に有し、これら以外の置換基を有してもよい炭素数8
〜22の炭化水素基を示し、M は1価又は2価の陽イオン
もしくはそれらの混合基を示し、2個のM は同一でも異
なっていてもよい。)で表される化合物が挙げられる。
【0015】一般式(I)において、R としては、アル
キル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基等の直鎖、分岐
鎖または環状の炭素数8〜22の炭化水素基の互いに隣会
う炭素原子上に(メタ)アリルエーテル基とヒドロキシ
基が結合したもの、更には、これら炭化水素基にハロゲ
ン、カルボキシル基、ニトリル基、アミド基、アミノ基
等の置換基を有する炭化水素基等が挙げられる。
【0016】またM で示される1価又は2価の陽イオン
もしくはそれらの混合基としては、水素原子、アルカリ
金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンもしく
はそれらの混合基が挙げられ、これらの中ではNa、K 、
アンモニウム、低級アミンが好ましく、M が水素原子で
ある場合には他の陽イオンとの混合基で、水素原子の混
合比が5モル%以下のものが好ましい。
【0017】本発明の反応性乳化剤の中では、工業的な
入手のし易さ、反応性乳化剤としての性能を加味した場
合、一般式(II)
【0018】
【化4】
【0019】(式中、R1は水素原子もしくは置換基を有
してもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、R2
は直接結合手又は置換基を有してもよい炭素数1〜20の
2価の炭化水素基を示すが、R1とR2の炭素数の和は6〜
20である。R3及びR4は一方が水素原子、他方が(メタ)
アリル基を示し、M1は水素原子、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アンモニウム、アミンもしくはそれらの混
合基を示し、2個のM1は同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物が好ましい。更には、総炭素数
14から24の直鎖又は分岐のエポキシ化アルキルジカルボ
ン酸から誘導された化合物が特に好ましい。
【0020】本発明において、ジカルボン酸の中和に用
いられる塩基としては、アルカリ金属やアルカリ土類金
属の水酸化物、アンモニア、アミン等の単独またはこれ
らの混合物が挙げられ、また中和物は完全中和物でなく
てもよく、未中和物との混合物でもよい。更に、未中和
物との混合物の場合、未中和物の混合比は5モル%以下
が好ましい。
【0021】本発明の反応性乳化剤の合成方法は特に限
定されないが、一例を挙げると、下記反応式に示すよう
に、まず、一般式(III) で表されるアルケニルジカルボ
ン酸をタングステン酸ナトリウム等の触媒や、過酢酸、
過酸化水素等の過酸化物を用いエポキシ化反応を用い、
一般式 (IV) で表されるエポキシ基を有するジカルボン
酸を得る。続いて、硫酸等の触媒を用いて(メタ)アリ
ルアルコールによりエポキシ基を開環し、一般式(V)
で表される(メタ)アリルエーテルヒドロキシアルキル
ジカルボン酸を得、更に塩基により中和を行うことによ
り、一般式(II)で表される化合物を高収率で容易に得
ることができる。
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R1, R2, R3, R4及びM1は前記の意
味を示す。) ここで原料として用いられる一般式(III) で表されるア
ルケニルジカルボン酸としては、オクテニルコハク酸、
デセニルコハク酸、ウンデセニルコハク酸、ドデセニル
コハク酸、テトラデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコ
ハク酸、オクタデセニルコハク酸等が挙げられる。
【0024】本発明の反応性乳化剤を用いて乳化重合等
の水系重合を行うことのできるモノマーは特に限定され
るものではないが、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、グリシジルメタクリ
レート等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド等のα,β−不飽和カル
ボン酸アミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のα,β−不飽和ニトリル類、スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン誘導体類、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、クロロプレン等のハロゲン含有モノマー類、
ブタジエン、イソプレン等のジエン誘導体類、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート等の架橋性単量体類等が使用され
る。これらのモノマーは、一種または二種以上の混合物
として、水系重合に使用される。
【0025】本発明の反応性乳化剤を用い、モノマーを
水系重合する方法としては公知の乳化重合等の水系重合
方法を使用することができる。重合開始剤としては、従
来公知のものを使用でき、例えば過酸化水素、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、クメン
ヒドロペルオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロ
ペルオキサイド、パラメンタンヒドロペルオキサイド等
の有機系過酸化物、アゾビスジイソブチロニトリル、メ
トキシベンゼンジアゾメルカプトナフタレン等のアゾ系
開始剤等の有機系重合開始剤、あるいは過酸化物や酸化
剤に亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸
第一鉄、糖等の還元剤を併用するレドックス系重合開始
剤等が挙げられる。
【0026】本発明の反応性乳化剤は、通常全モノマー
に対して 0.1〜20重量%、さらに好ましくは 0.2〜5重
量%の範囲で使用される。
【0027】また、本発明の反応性乳化剤は単独でも良
好な水系重合体を得ることができるが、必要により本発
明の反応性乳化剤を二種以上または他の乳化剤や保護コ
ロイド剤を併用してもよい。この場合の他の乳化剤とし
てはドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸エステル塩類、ジアルキルスルホサクシネート
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類等が、保護コ
ロイド剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシ
エチルセルロース等が挙げられる。しかし、乳化重合に
より生成する重合体の耐水性等の物性や排水処理の負荷
を考慮するとこれら他の乳化剤の使用量は全乳化剤の50
重量%以下、好ましくは20重量%以下が好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明の反応性乳化剤の合成例、及び
水性重合体の製造実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの合成例及び実施例に限定され
るものではない。尚、例中、%は特記しない限り重量基
準である。
【0029】合成例1 攪拌機、冷却器を備えた1リットルのガラス製反応器に
タングステン酸ナトリウム2水和物5g、40%燐酸水溶
液7g、10%過酸化水素水 240g、30%ヘキサデシルト
リメチルアンモニウムクロライド水溶液4g、下記式
(VI) で表される2−(2'−オクタデセニル)コハク酸
100g、ジクロロエタン300 gを仕込み、65℃に昇温し
た。2時間反応を行ったのちに、冷却し、水層の除去を
行った。水洗、乾燥後、得られたエポキシ化オクタデセ
ニルコハク酸96gを攪拌機、冷却器を備えた1リットル
のガラス製反応器に仕込み、アリルアルコール 100g、
濃硫酸2gを添加し、65℃で2時間反応を行った。水洗
して硫酸を除去し、乾燥を行った。得られた下記式(VI
I) で表される2−(2'−ヒドロキシ−3'−アリルエー
テルオクタデシル)コハク酸と下記式(VIII)で表される
2−(3'−ヒドロキシ−2'−アリルエーテルオクタデシ
ル)コハク酸の混合物を1N水酸化カリウムで中和し、
目的の下記式(IX)で表される2−(2'−ヒドロキシ−3'
−アリルエーテルオクタデシル)コハク酸ジカリウムと
下記式(X)で表される2−(3'−ヒドロキシ−2'−ア
リルエーテルオクタデシル)コハク酸ジカリウムの混合
物を得た。
【0030】
【化6】
【0031】合成例2 2−(2'−オクタデセニル)コハク酸の代わりに、2−
(2'−テトラデセニル)コハク酸を用いる以外は合成例
1と同様な方法で、下記式(XI)で表される2−(2'−ヒ
ドロキシ−3'−アリルエーテルテトラデシル)コハク酸
ジカリウムと下記式(XII) で表される2−(3'−ヒドロ
キシ−2'−アリルエーテルテトラデシル)コハク酸ジカ
リウムの混合物を得た。
【0032】
【化7】
【0033】合成例3 2−(2'−オクタデセニル)コハク酸の代わりに2−
(2'−ヘキサデセニル)コハク酸を用いる以外は合成例
1と同様な方法で、下記式(XIII)で表される2−(2'−
ヒドロキシ−3'−アリルエーテルヘキサデシル)コハク
酸ジカリウムと下記式(XIV) で表される2−(3'−ヒド
ロキシ−2'−アリルエーテルヘキサデシル)コハク酸ジ
カリウムの混合物を得た。
【0034】
【化8】
【0035】合成例4 2−(2'−オクタデセニル)コハク酸の代わりに2−
(2'−ドデセニル)コハク酸を用いる以外は合成例1と
同様な方法で、下記式(XV)で表される2−(2'−ヒドロ
キシ−3'−アリルエーテルドデシル)コハク酸ジカリウ
ムと下記式(XVI)で表される2−(3'−ヒドロキシ−2'
−アリルエーテルドデシル)コハク酸ジカリウムの混合
物を得た。
【0036】
【化9】
【0037】合成例5 水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いる以
外は合成例4と同様な方法で、下記式(XVII)で表される
2−(2'−ヒドロキシ−3'−アリルエーテルドデシル)
コハク酸ジナトリウムと下記式(XVIII) で表される2−
(3'−ヒドロキシ−2'−アリルエーテルドデシル)コハ
ク酸ジナトリウムの混合物を得た。
【0038】
【化10】
【0039】合成例6 水酸化カリウムの代わりにアンモニアを用いる以外は合
成例4と同様な方法で、下記式(XIX) で表される2−
(2'−ヒドロキシ−3'−アリルエーテルドデシル)コハ
ク酸ジアンモニウムと下記式(XX)で表される2−(3'−
ヒドロキシ−2'−アリルエーテルドデシル)コハク酸ジ
アンモニウムの混合物を得た。
【0040】
【化11】
【0041】合成例7 アリルアルコールの代わりにメタリルアルコールを用い
る以外は合成例4と同様な方法で、下記式(XXI) で表さ
れる2−(2'−ヒドロキシ−3'−メタリルエーテルドデ
シル)コハク酸ジカリウムと下記式(XXII)で表される2
−(3'−ヒドロキシ−2'−メタリルエーテルドデシル)
コハク酸ジカリウムの混合物を得た。
【0042】
【化12】
【0043】合成例8 アリルアルコールの代わりにメタリルアルコールを用い
る以外は合成例6と同様な方法で、下記式(XXIII) で表
される2−(2'−ヒドロキシ−3'−メタリルエーテルド
デシル)コハク酸ジアンモニウムと下記式(XXIV)で表さ
れる2−(3'−ヒドロキシ−2'−メタリルエーテルドデ
シル)コハク酸ジアンモニウムの混合物を得た。
【0044】
【化13】
【0045】実施例1〜4及び比較例1〜6 本発明の反応性乳化剤を用いて下記の重合処方−1によ
り乳化重合を行い、水性重合体を得た。得られた水性重
合体の重合安定性及び機械的安定性と、この水性重合体
から得られたフィルムの耐水性を下記方法により評価し
た。結果を表1に示す。なお、従来の乳化剤を用いた例
を比較例として表1に併記した。
【0046】<重合処方−1>温度計、攪拌機、冷却
器、窒素導入管、滴下ロートを備えた 0.5リットルのガ
ラス製反応器に乳化剤1g、水 149g、n−ブチルアク
リレート(n−BA)5g、過硫酸カリウム 0.2gを仕
込んだ。反応系内を窒素置換し、攪拌を行いながら昇温
した。70℃になった時点から3時間かけてn−BA95g
の滴下を行った。滴下終了後80℃に昇温し、2時間熟成
を行った。
【0047】<重合安定性>重合終了後のポリマーラテ
ックスを 100メッシュ金網で濾過し、濾過残渣を水洗
後、 105℃、200mmHg で一晩乾燥後、秤量し、使用した
モノマー量に対する重量%で表示した。
【0048】<機械的安定性>100 メッシュ金網で濾過
後のポリマーラテックス50gをマロン法機械的安定度試
験機にて10kg、 1000rpmの条件で5分間回転させ、生成
した凝集物を 100メッシュ金網で濾過し、濾過残渣を水
洗後、 105℃、200mmHg で一晩乾燥後、秤量し、重合物
に対する重量%で表示した。
【0049】<耐水性(フィルム白化テスト)>100 メ
ッシュ金網で濾過後のポリマーラテックスを76×26mmス
ライドグラス上に厚さ 125μに広げ、 100℃、5分間成
膜し、室温まで冷却して試験片とした。皮膜の付着した
スライドグラスを、8ポイント活字の新聞紙を下に備え
た室温の水を含むシャーレの中に浸漬し、活字が読めな
くなるまでの時間を測定した。
【0050】
【表1】
【0051】
【化14】
【0052】実施例5〜8及び比較例7〜11 本発明の反応性乳化剤を用いて下記の重合処方−2によ
り乳化重合を行い、水性重合体を得た。得られた水性重
合体の重合安定性を実施例1と同様の方法により、また
樹脂回収性及び全有機炭素(TOC)を下記の方法で評
価した。結果を表2に示す。なお、従来の乳化剤を用い
た例を比較例として表2に併記した。
【0053】<重合処方−2>温度計、攪拌機、冷却器
を備えた1リットルのオートクレーブに乳化剤5g、水
200g、パラメンタンヒドロペルオキサイド 0.1g、硫
酸第1鉄7水和物0.05g、エチレンジアミンテトラアセ
ティックアシッド(EDTA)0.07g、ドデシルメルカ
プタン 0.2g、3燐酸ナトリウム12水和物 0.8g、スチ
レン30gを仕込んだ。続いて、液化ブタジエン70gを仕
込み、空気を除去した後、攪拌を行いながら5℃まで昇
温した。5℃になった時点から重合転化率67〜73%まで
反応を行い、重合停止剤を加え重合を停止した。続いて
減圧下で残ったモノマーの除去を行った。
【0054】<樹脂回収性>100メッシュ金網で濾過後
のポリマーラテックス2gを 105℃、200mmHg で一晩乾
燥後、秤量し、ポリマーラテックス中の樹脂量を算出し
た。次に、濾過後のポリマーラテックス20gに0.1mol/
リットルの硫酸水溶液6mlを加え、室温にて3時間放置
した。生成した重合体を 100メッシュ金網で濾過し、濾
過残渣を水洗後、105 ℃、200mmHg で一晩乾燥後、秤量
し、回収出来た樹脂量を求めた。これらの値から下記式
により樹脂回収性を測定した。
【0055】
【数1】
【0056】<全有機炭素(TOC)>100メッシュ金
網で濾過後のポリマーラテックス20gに0.1mol/リット
ルの硫酸水溶液6mlを加え、室温にて3時間放置した。
生成した重合体を 100メッシュ金網で濾過後、濾過液の
TOCを島津製作所製TOC−500を用いて測定し
た。
【0057】
【表2】
【0058】注)*1〜*3は表1と同じ 実施例9〜10及び比較例12〜13 本発明の反応性乳化剤を用いて下記の重合処方−3によ
り乳化重合を行い、水性重合体を得た。得られた水性重
合体の重合安定性、樹脂回収性及び全有機炭素(TO
C)を下記の方法で評価した。結果を表3に示す。な
お、従来の乳化剤を用いた例を比較例として表3に併記
した。
【0059】<重合処方−3>ステンレス製オートクレ
ーブに、乳化剤を3g、過硫酸カリウム0.15g、酢酸ナ
トリウム 0.3g、イオン交換水 300g、ジビニルベンゼ
ン0.12gを仕込み、窒素によりオートクレーブ内を置換
した。次いで、ブタジエン 150gを圧入した後、反応温
度65℃にて30時間攪拌して重合を行った。その後、未反
応のブタジエンを減圧除去し、ブタジエンラテックスを
得た(1段階)。このゴム質ラテックスを高圧ホモジナ
イザー(イズミフードマシナリ社製)を用い圧力30〜70
kg/cm2 で処理を行った。ステンレス製オートクレーブ
に、上記の肥大化ゴム質ラテックスを 350g、乳化剤
1.5g、イオン交換水 200g、硫酸第一鉄 0.005g、E
DTA0.01g、ロンガリット 0.3gを仕込み、オートク
レーブの窒素置換を行った。攪拌下、60℃に昇温し、ア
クリロニトリル25g、スチレン75g、ドデシルメルカプ
タン 0.6g、t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.2g
の混合物を5時間で滴下した。その後、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド 0.1gを添加し、70℃で2時間熟成
を行った(2段階)。
【0060】<重合安定性>1段階及び2段階での重合
終了後のポリマーラテックスを 100メッシュ金網で濾過
し、濾過残渣を水洗後、 105℃、200mmHg で一晩乾燥
後、秤量し、使用したモノマー量に対する重量%で表示
した。
【0061】<樹脂回収性>1.5%硫酸水溶液 250gを
攪拌しながら上記で合成したABS重合体ラテックス 3
75gを添加した。30分攪拌後、濾過し樹脂析出物を得
た。この重合体析出物を 0.1N水酸化ナトリウム水溶液
300gにて攪拌洗浄後、濾過を行った。更にイオン交換
水 300gにて2回水洗、濾過、乾燥を行い、ABS重合
体パウダーを得た。使用したポリマーラテックス中の樹
脂量に対する回収できた樹脂量の割合(重量%)を樹脂
回収率とした。
【0062】<全有機炭素(TOC)>樹脂回収性の測
定時に生成した濾液を全て回収し、そのTOCを島津製
作所製TOC−500にて測定した。
【0063】
【表3】
【0064】注)*3:表1の*3と同じ
【0065】
【化15】
【0066】
【発明の効果】本発明の反応性乳化剤を用いると、乳化
重合安定性が良好で、得られたエマルジョンから作成さ
れた重合体フィルムの耐水性が良好である。また、エマ
ルジョンを破壊してポリマーを取り出す際に排水中に混
入する有機物の低減と樹脂回収性に効果を発揮する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を含有する総炭素数12〜26の
    ジカルボン酸とアリルアルコール又はメタリルアルコー
    ル(以下(メタ)アリルアルコールと略記)とを反応さ
    せることによりエポキシ基を開環し、更に塩基で中和す
    ることにより得られる化合物からなることを特徴とする
    反応性乳化剤。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化1】 (式中、R は置換基としてアリルエーテル基又はメタリ
    ルエーテル基(以下(メタ)アリルエーテル基と略記)
    とヒドロキシ基とを互いに隣会う炭素原子上に有し、こ
    れら以外の置換基を有してもよい炭素数8〜22の炭化水
    素基を示し、M は1価又は2価の陽イオンもしくはそれ
    らの混合基を示し、2個のM は同一でも異なっていても
    よい。)で表される化合物からなる請求項1記載の反応
    性乳化剤。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、M が水素原子、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミ
    ンもしくはそれらの混合基である請求項2記載の反応性
    乳化剤。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表される化合物が、一般
    式(II) 【化2】 (式中、R1は水素原子もしくは置換基を有してもよい炭
    素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、R2は直接結合手
    又は置換基を有してもよい炭素数1〜20の2価の炭化水
    素基を示すが、R1とR2の炭素数の和は6〜20である。R3
    及びR4は一方が水素原子、他方が(メタ)アリル基を示
    し、M1は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
    アンモニウム、アミンもしくはそれらの混合基を示し、
    2個のM1は同一でも異なっていてもよい。)で表される
    化合物である請求項2記載の反応性乳化剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の反
    応性乳化剤の存在下、モノマーを水系重合することを特
    徴とする水性重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 水系重合が乳化重合である請求項5記載
    の製造方法。
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CN114702656A (zh) * 2022-06-07 2022-07-05 欧尚元(天津)有限公司 一种二氧化碳基聚乳酸共聚物及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114702656A (zh) * 2022-06-07 2022-07-05 欧尚元(天津)有限公司 一种二氧化碳基聚乳酸共聚物及其制备方法
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