JPH10191656A - インバータ式溶接電源装置 - Google Patents

インバータ式溶接電源装置

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JPH10191656A
JPH10191656A JP28661897A JP28661897A JPH10191656A JP H10191656 A JPH10191656 A JP H10191656A JP 28661897 A JP28661897 A JP 28661897A JP 28661897 A JP28661897 A JP 28661897A JP H10191656 A JPH10191656 A JP H10191656A
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JP
Japan
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welding
circuit
signal
current
time
Prior art date
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JP28661897A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kajiwara
潔 梶原
Koji Kojima
航司 小島
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TETORATSUKU KK
Original Assignee
TETORATSUKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな溶接電流域における電流の立ち上
がり特性を改善し、小さな溶接電流域におけるリップル
成分を最小にする。 【解決手段】 被溶接物15に供給するインバータ式溶
接電源装置において、被溶接物15に供給される溶接電
流を設定する溶接電流設定設定回路18と、インバータ
回路12に流れる電流もしくは溶接トランスの一次側に
流れる電流を検出する電流検出器16と、溶接電流設定
手段18の設定値と電流検出器16で検出された検出値
とを比較し該検出値が設定値に達した時に一致信号を出
力する比較回路17と、比較回路17の出力を設定電流
に応じて所定時間禁止するゲート回路19と、ゲート回
路19を通過する一致信号により電流をオフするパルス
幅制御回路20と、パルス幅制御回路20からのパルス
信号を反転してインバータ回路12に出力する極性反転
回路21とから構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗溶接機に使用
されるインバータ式溶接電源装置に関し、更に詳しく
は、大きな溶接電流域における電流の立ち上がり特性を
改善し、小さな溶接電流域におけるリップル成分を最小
にできるインバータ式溶接電源装置に関するのもであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の抵抗溶接機に使用されるインバー
タ式溶接電源装置は、商用交流を直流に変換し、この直
流をインバータにより一定周波数の高周波のパルス状高
周波交流して溶接トランスの一次側に流すことにより、
その二次側に誘起される溶接用の電流を整流素子により
整流し、溶接電極を介して被溶接物に供給するように構
成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のイン
バータ式溶接電源装置では、直流をインバータによりパ
ルス幅変調した一定周波数のパルス状高周波交流を溶接
トランスに入力して溶接用の電流を生成するものである
ため、溶接電流が大きい時は、パルス状高周波電流のパ
ルス幅が比較的大きく、かつ、このパルス間に相当する
休止期間は小さいので、被溶接物に供給される溶接電流
のリップル分は小さいものとなる。しかしながら、溶接
電流が小さくなってくると、一定周期内でパルス電流が
流れる時間の割合が小さくなり、パルス電流の流れない
休止期間の割合が大きくなってくるため、このパルス幅
の小さいパルス状高周波電流を溶接トランスに入力して
溶接用の電流を生成しても、この溶接電流のリップル分
は大きく、溶接に悪影響を及ぼす問題がある。
【0004】図9は、このような従来の小電流域におけ
るリップルの発生形態を示す説明用波形図であって、同
図(A)はインバータを一定周波数のゲート信号でスイ
ッチングすることにより溶接トランスの一次側に流れる
電流波形を示し、同図(B)はインバータをスイッチン
グすることによりインバータに流れる電流波形を示し、
また、同図(C)は、同図(A)の電流を溶接トランス
の一次側に流すことにより、その二次側に誘起される溶
接電流を整流素子により整流した時の溶接電流波形であ
り、この溶接電流のリップル成分は同図(C)からも明
らかなように大きなものとなる。
【0005】一方、溶接電流を波形制御の観点から見た
場合、最近の被溶接物の多様化に鑑み、アップスロープ
付2段通電方式は勿論のこと、ディケー制御や波尾制御
(ダウンスロープ)方式、あるいはプレヒートで通電路
を確保した後、急峻な立ち上がりの溶接電流を流すなど
の多様な溶接電流の波形制御ができる抵抗溶接機が望ま
れている。しかしながら、上記のような従来の一定周波
数でパルス幅を変化させる、いわゆるパルス幅変調方式
の溶接電源装置では、目標電流に到達する以前に次々と
極性が変化し、しかも周波数からくる電流の立ち上がり
に時間がかかるため、溶接電流を急峻に変化させるのに
限界があり、上述するような多様な溶接電流の波形制御
が可能な抵抗溶接機は実現できない。
【0006】図10は、このような従来の大電流域にお
ける電流立ち上げの状況を示す説明用波形図であって、
同図(A)はインバータを一定周波数のパルス幅制御さ
れたゲート信号でスイッチングすることにより溶接トラ
ンスの一次側に流れる電流波形を示し、同図(C)は溶
接電流の立ち上がりに時間がかかる場合の実際の溶接電
流波形を示し、また、同図(D)は理想の溶接電流波形
を示している。この図10から明らかなように、実際の
溶接電流は同図(C)に示す如くなだらかな立ち上がり
となり、同図(D)に示すような溶接電流の急峻な立ち
上げは望めない。
【0007】また、被溶接物が限定され、かつ電流範囲
が限定される溶接に場合は、これに見合った一定周波数
のインバータ電源を選択すればよい。ところで、近年の
溶接現場では、多種多様の被溶接物が混在し、しかもロ
ボット等に取り付けた溶接トランスは、多数の溶接条件
に対応して小電流から大電流まで広範囲にわたって使用
できるようになっている。しかし、この場合のインバー
タ電源は、システムの要求する大電流側に合わせて選択
されるため、小電流の場合にはどうしてもパルスのON
/OFF期間の比率が小さくなり、リップル成分の多い
溶接電流となってしまう。また、急峻な立ち上がり特性
の溶接電流が要求される場合には、周波数により限定さ
れる立ち上がり速度に限界があり、これを早めるために
制御周波数を下げればよいが、このようにすると小電流
域でのリップル成分が増加するという相反する問題が生
じてしまう。
【0008】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするとろは、大きな溶接電流域における
電流の立ち上がり特性を改善し、小さな溶接電流域にお
けるリップル成分を最小にできるインバータ式溶接電源
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に請求項1の発明は、商用交流を整流した直流を高周波
交流に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路
で変換した高周波交流を溶接トランスの一次側に流すこ
とにより、その二次側に誘起される溶接用の電流を整流
素子により整流して溶接電極を介し被溶接物に供給する
インバータ式溶接電源装置であって、前記被溶接物に供
給される溶接電流値を設定する溶接電流設定手段と、前
記インバータ回路に流れる電流もしくは前記溶接トラン
スの一次側に流れる電流を検出する電流検出手段と、前
記溶接電流設定手段で設定された溶接電流値と前記電流
検出手段で検出された検出値とを比較し該検出値が設定
溶接電流値に達した時に一致信号を出力する比較手段
と、溶接開始指令が発した時点及びパルス幅制御回路の
パルス信号立下り時点から前記溶接電流値に応じて設定
された所定の時間の間、前記比較手段からの一致信号が
送出されないように禁止するとともに該所定の禁止時間
が経過した後は前記一致信号の送出を許可するゲート回
路と、前記ゲート回路を通して前記比較手段から送出さ
れる一致信号の送出時点でローレベルに反転し、該ロー
レベル状態を前記溶接電流値に応じて設定された所定の
休止時間保持させ、該休止時間が経過した時点でハイレ
ベルに反転して該ハイレベル状態を前記一致信号が送出
されるまで継続するパルス信号を生成するパルス幅制御
回路と、前記休止時間が経過する毎に前記パルス幅制御
回路から送出されるパルス信号を反転させて前記インバ
ータ回路の出力の極性が反転されるように前記インバー
タ回路の正、負のゲートに交互に供給する極性反転回路
を備えるものである。請求項2に記載の発明は、前記ゲ
ート回路、前記パルス幅制御回路及び前記極性反転回路
に制御用のタイミング信号を供給するタイミング信号発
生回路を更に備えるものである。本発明においては、比
較手段から出力される一致信号を、タイミング信号発生
回路からの禁止時間を有するゲート制御信号でゲート回
路を制御することにより比較手段から出力される一致信
号を制御することで、溶接電流立ち上がり時の急峻な変
化に対する電流検出手段のオーバーシュートやノイズの
影響を排除し、設定電流値に対応した最小のオン時間を
保証し、また、極性反転回路に送出されるパルス幅制御
回路からのパルス信号に、その極性を反転する際に必要
な休止時間も設定電流値に対して変化させ、最適時間を
確保し得る。従って、溶接電流の小電流域では設定値が
低いため、インバータ回路がオンする期間は小さくな
り、また、溶接電流の大電流域では設定値が高いため、
インバータ回路がオンする期間は大きくなる。これによ
り、溶接電流の小電流域ではインバータ回路のスイッチ
ング周波数が高くなるよう制御され、溶接電流の大電流
域ではインバータ回路のスイッチング周波数が低くなる
よう制御される。これにより、大きな溶接電流域におけ
る電流の立ち上がり特性を改善し、小さな溶接電流域に
おけるリップル成分を最小にできる。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記一致信号が
予め設定した最大許容時間内に出力されない時、該最大
許容時間が経過した後に前記パルス幅制御回路の出力信
号を強制的にオフして極性を反転することを特徴とす
る。本発明においては、最大許容時間が経過した時、パ
ルス幅制御回路の出力信号を強制的にオフして極性を反
転するから、被溶接物を含む二次回路の不具合等により
溶接電流が流れにくくなった状態を長い時間放置される
ことがなくなり、一次電流の急激な上昇を未然に防止す
ることができる。
【0011】請求項4に記載の発明は、タイミング信号
発生回路は、前記パルス幅制御回路からのパルス信号の
立ち下がり時点又は溶接開始指令が発した時点の信号に
よりクリアーされ、溶接開始指令が発した時点から溶接
電流値に応じて設定された所定の禁止時間を計数し、こ
の計数値が所定の禁止時間に達するまでの間、出力をロ
ーレベルに保持する前記ゲート回路のゲート制御信号を
送出する禁止時間カウンタと、前記パルス幅制御回路か
らのパルス信号の立ち下がり時点又は溶接開始指令が発
した時点の信号によりクリアーされ、溶接開始指令が発
した時点から溶接電流値に応じて設定された所定の休止
時間を計数し、この計数値が所定の休止時間に達した時
に出力される信号により前記パルス幅制御回路及び極性
反転回路の動作タイミングを制御する休止時間カウンタ
と、前記パルス幅制御回路からのパルス信号の立ち下が
り時点又は溶接開始指令が発した時点の信号によりクリ
アーされ、溶接開始指令が発した時点から溶接電流値に
応じて予め設定した最大許容時間を計数し、この計数値
が最大許容時間に達した時に出力させる信号を前記パル
ス幅制御回路に出力し、該パルス幅制御回路の出力信号
を強制的にオフする最大許容時間カウンタとから構成さ
れるものである。本発明においては、禁止時間カウンタ
を備えることにより、溶接電流値に応じた禁止時間デー
タの設定が容易になり、また、休止時間カウンタを備え
ることにより、溶接電流値に応じた休止時間データの設
定が容易になり、さらに、最大許容時間カウンタを備え
ることにより、溶接電流値に応じた最大許容時間データ
の設定が容易になるとともに、時間と共に変化する設定
電流値に対したも、常に最適なタイミングを確保でき
る。
【0012】請求項5に記載の発明は、前記比較回路が
前記溶接トランスの一次電流の一方の極性についてのみ
比較動作し、その時のパルス幅を記憶し、前記比較回路
を動作させない極性側では、前記記憶したパルス幅で駆
動回路を動作させ、溶接トランスの一次電流のパルス幅
を正、負同一幅となるようしたことを特徴とする。本発
明においては、溶接トランスの一次電流の極性によるア
ンバランスが解消され、偏磁に対しても予防効果を発揮
できる。
【0013】請求項6に記載の発明は、前記溶接トラン
スの二次側に流れる溶接電流を検出する溶接電流検出手
段を有し、この溶接電流検出手段の検出値をディジタル
信号に変換して予め設定した設定値と比較し、該検出値
と設定値の偏差がゼロになるように前記設定手段の設定
値を変化させることを特徴とする。本発明においては、
溶接トランスの巻数比を係数として、溶接電流を制御す
ることができる。
【0014】請求項7に記載の発明は、前記溶接電極間
の電圧を検出する電圧検出手段を有し、この電圧検出手
段の検出値をディジタル信号に変換して予め設定した設
定値と比較し、該検出値と設定値の偏差がゼロになるよ
うに前記設定手段の設定値を変化させることを特徴とす
る。本発明においては、溶接トランスの巻数比と被溶接
物の抵抗値を係数として、溶接電極間電圧を制御するこ
とができる。
【0015】請求項8に記載の発明は、前記溶接電流検
出手段の検出値と前記電圧検出手段の検出値との積であ
る電力をディジタル信号に変換して予め設定した設定値
と比較し、該検出値と設定値の偏差がゼロになるように
前記設定手段の設定値を変化させることを特徴とする。
本発明においては、溶接トランスの巻数比と被溶接物の
抵抗値を係数として、電圧と電流との積である電力を制
御することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明にかかる第1の実施の形
態を示すインバータ式溶接電源装置の全体の構成図、図
2は図1における比較回路、ゲート回路、パルス幅制御
回路及びCPUを含む溶接電流設定回路の具体例を示す
回路図、図3は極性反転回路、タイミング信号発生回路
の具体例を示す回路図である。
【0017】図1において、R,S,Tは三相交流電源
の入力端子、10は三相入力端子R,S,Tに接続され
た整流回路であり、この整流回路10は三相交流を全波
整流して直流に変換する。11は整流回路10の出力端
間に並列に接続した平滑用コンデンサ、12は平滑用コ
ンデンサ11の両端に並列に接続されたインバータ回路
である。このインバータ回路12は平滑化された直流を
高周波の交流に変換するもので、パワートランジスタT
R1〜TR4をブリッジに接続することにより構成され
る。13は溶接トランスであり、この溶接トランス13
の一次巻線13Aの両端はインバータ回路12の出力端
に接続されている。また、溶接トランス13の二次巻線
13Bの両端には整流用のダイオードD1,D2を介し
て一方の溶接電極14Aが接続され、さらに、二次巻線
13Bの中間タップには他方の溶接電極14Bが接続さ
れている。15は溶接電極14Aと14Bにより挟持さ
れた被溶接物である。
【0018】また、図1において、16はパワートラン
ジスタTR1〜TR4のスイッチング動作に伴いインバ
ータ回路12に流れる電流を検出する電流検出器(電流
検出手段)であり、この電流検出器16で検出されたイ
ンバータ電流は電圧に変換されて比較回路17に入力さ
れる。18は被溶接物15に供給される溶接電流を設定
し、該溶接電流に比例する直流電圧を発生させる溶接電
流設定回路であり、この溶接電流設定回路18から出力
される電圧は比較回路17に入力される。比較回路17
は電流検出器16で検出した検出電圧と溶接電流設定回
路18で設定した設定電圧値とを比較し、検出電圧が設
定電圧値に一致した時に一致信号をゲート回路19に出
力する。ゲート回路19は、後述するタイミング信号発
生回路22から溶接開始指令が発した時点から溶接電流
値に応じて設定された所定の時間の間、電流検出器16
からの一致信号が送出されないように禁止するととも
に、この所定の禁止時間が経過した後は一致信号の送出
を許可する構成になっている。
【0019】20はパルス幅制御回路であり、このパル
ス幅制御回路20は、ゲート回路19を通して比較回路
17から送出される一致信号の送出時点でローレベルに
反転し、このローレベル状態を溶接電流値に応じて設定
された所定の休止時間の間保持させ、この休止時間が経
過した時点でハイレベルに反転して該ハイレベル状態を
前記一致信号が送出されるまで継続するパルス信号20
aを生成する。このパルス信号20aは極性反転回路2
1に供給される。極性反転回路21は、上記休止時間が
経過する毎にパルス幅制御回路20から送出されるパル
ス信号20aを反転させてインバータ回路12の出力の
極性が反転されるように該インバータ回路12のトラン
ジスタTR1とTR4及びTR2とTR3のベースに交
互に供給する構成になっている。タイミング信号発生回
路22は、ゲート回路19、パルス幅制御回路20及び
極性反転回路21を溶接に最適なタイミングで制御する
もので、このタイミング信号発生回路22から発生する
それぞれのタイミング信号をゲート回路19、パルス幅
制御回路20及び極性反転回路21に供給して、それぞ
れを最適なタイミングで制御することにより、インバー
タ回路12のパワートランジスタTR1〜TR4を駆動
する信号を駆動回路23に出力する。
【0020】図2において、比較回路17は演算増幅器
から構成される。この演算増幅器17の非反転入力端に
は電流検出器16の検出電圧VINが入力され、また、演
算増幅器17の反転入力端にはD−Aコンバータ181
から出力される設定電圧VFが入力される。ゲート回路
19は、比較回路17からの一致信号を一方の入力とす
るANDゲートから構成され、このANDゲートの他方
の入力端にはタイミング信号発生回路22から送出され
るゲート制御信号22aが入力される。このゲート制御
信号22aは溶接開始指令が発した時点から溶接電流値
に応じて設定された所定の時間、ANDゲートをオフ状
態に保持するためのもので、溶接の開始に伴い、電流検
出器16のオーバシュートやノイズにより瞬時的に溶接
電流設定回路18の設定値を超える電流が検出された時
の誤動作による一致信号の送出を禁止し、極端に短い時
間で溶接電流がオフされないようにする。また、上記設
定された所定の時間が経過した後はANDゲートを開
き、溶接電流が設定値に達した時点で比較回路17から
の一致信号をパルス幅制御回路20に出力する。パルス
幅制御回路20は、D−フリップフロップで構成され、
このD−フリップフロップはタイミング信号発生回路2
2から送出されるプリセット信号22bによりセットさ
れ、この時点からD−フリップフロップのQ出力をハイ
レベルに反転し、そして、ゲート回路19を通して比較
回路17から送出される一致信号がクロックとして入力
された時点でQ出力をローレベルに反転するパルス信号
20aを生成し出力する。また、このD−フリップフロ
ップはタイミング信号発生回路22から送出される溶接
開始信号22cが加わる毎にクリアーされる。
【0021】CPU24はインバータ回路12を制御す
るもので、上記タイミング信号発生回路22の機能を備
えるとともに、このCPU22にはパワートランジスタ
TR1〜TR4を駆動する駆動回路23が接続され、さ
らに、アップスロープ付2段通電、ディケー制御や波尾
制御(ダウンスロープ)方式、あるいはプレヒートで通
電路を確保した後、急峻な立ち上がりの溶接電流を流す
などの多様な溶接電流の波形制御を可能にする溶接電流
設定データを記憶するRAM25が接続され、溶接電流
設定指令によりRAM25から読み出された溶接電流設
定データはCPU24を介してD−Aコンバータ181
に入力される。このD−Aコンバータ181、CPU2
4及びRAM25は溶接電流設定回路18を構成する。
【0022】図3において、極性反転回路21は、タイ
ミング信号発生回路22から送出されるプリセット信号
22bをクロックとするD−フリップフロップ211
と、D−フリップフロップ211のQ出力を一方の入力
とし、パルス幅制御回路20からのパルス信号20aを
他方の入力とするANDゲート212と、D−フリップ
フロップ211のQ出力を反転するNOTゲート213
の出力を一方の入力とし、パルス幅制御回路20からの
パルス信号20aを他方の入力とするANDゲート21
4とから構成されている。
【0023】タイミング信号発生回路22は、パルス幅
制御回路20からのパルス信号20aの立ち下がり時点
又は溶接開始指令が発した時点の信号によりクリアーさ
れ、溶接開始指令が発した時点から溶接電流値に応じて
設定された所定の禁止時間を計数し、この計数値が所定
の禁止時間に達するまでの間、出力をローレベルに保持
するゲート制御信号22aを送出する禁止時間カウンタ
221と、パルス幅制御回路20からのパルス信号20
aの立ち下がり時点又は溶接開始指令が発した時点の信
号によりクリアーされ、溶接開始指令が発した時点から
溶接電流値に応じて設定された所定の休止時間を計数
し、この計数値が所定の休止時間に達した時に信号を出
力する休止時間カウンタ222及び該休止時間カウンタ
222からの信号を反転しプリセット信号としてパルス
幅制御回路20及び極性反転回路21に出力するNOT
ゲート223と、パルス幅制御回路20からのパルス信
号20aの立ち下がり時点又は溶接開始指令が発した時
点の信号によりクリアーされ、溶接開始指令が発した時
点から溶接電流値に応じて予め設定した最大許容時間を
計数し、この計数値が最大許容時間に達した時に信号を
出力する最大許容時間カウンタ224及び最大許容時間
カウンタ224からの信号を反転しクリアー信号22c
としてパルス幅制御回路20に出力し、パルス幅制御回
路20の出力信号を強制的にオフするNORゲート22
5とから構成されている。
【0024】さらに、タイミング信号発生回路22は、
溶接開始指令信号の立ち下がりを検出する微分回路22
6、パルス幅制御回路20のパルス信号の立ち下がりを
検出する微分回路227、この微分回路226及び22
7の出力信号を反転しクリアー信号として各カウンタ2
21,222及び224に供給するNORゲート228
を備える。また、禁止時間カウンタ221の禁止時間設
定データ、休止時間カウンタ222の休止時間設定デー
タ及び最大許容時間カウンタ224の最大許容時間設定
データはRAM25からCPU24及びデータバス24
1を通してそれぞれのカウンタ221,222及び22
4にプリセットされる構成になっている。
【0025】禁止時間カウンタ221の禁止時間設定デ
ータ、休止時間カウンタ222の休止時間設定データ、
及び最大許容時間カウンタ224の最大許容時間設定デ
ータは、図4に示すように、各種の溶接電流値に応じて
設定されたテーブルに構成され、各設定データを溶接電
流値に応じてテーブルから選択的に読み出することによ
りそれぞれのカウンタ221,222及び224にプリ
セットされる。
【0026】次に、上記のように構成された本実施の形
態の動作について、図5を参照して説明する。まず、溶
接電流設定回路18に被溶接物15の溶接に必要な溶接
電流の設定値を設定する。この場合、CPU24の入力
装置(図示省略)を操作することにより溶接電流設定指
令を入力し、この設定指令に応じた溶接電流設定データ
をRAM23から読み出してD−Aコンバータ181に
入力し、このD−Aコンバータ181から溶接電流に比
例する、図2に示す波形の設定値用の直流電圧VF を出
力して比較回路17に入力する。インバータ回路12に
電流が流れていない初期状態では、電流検出器16の出
力は0Vであり、比較回路17の出力も0V、すなわち
「L」レベルとなっている。
【0027】かかる状態で、図示省略の入力装置が操作
されることにより、溶接開始指令信号(図5(A)参
照)が入力されると、タイミング信号発生回路22から
のクリアー信号22cによりパルス幅制御回路20のD
−フリップフロップがクリアーされるとともに、微分回
路226からのクリアー信号(図5(B)参照)により
各カウンタ221,222,224をクリアーすると同
時にクロックによりカウントを開始する。これに伴い、
休止時間カウンタ222の計数値が図5(C)に示すよ
うに休止時間設定値(T2)に達すると、図5(D)に
示すプリセット信号22bが送出され、このプリセット
信号22bがパルス幅制御回路20のD−フリップフロ
ップに加わることによりプリセットされ、D−フリップ
フロップのQ出力、即ちパルス幅制御回路20のパルス
信号20aは図5(E)に示すように「H」レベルとな
る。このパルス信号20aは極性反転回路21を通して
駆動回路23に出力され、この駆動回路23によりイン
バータ回路12を駆動する。
【0028】一方、禁止時間カウンタ221からは、溶
接開始指令によりクリアーされた時点から溶接電流値に
応じて設定された所定の禁止時間T3を計数し、この計
数値が所定の禁止時間T3に達するまでの間、出力をロ
ーレベルに保持し、禁止時間T3が経過した時点(図5
(C)参照)から、一致信号が送出することでパルス幅
制御回路20のQ出力がローレベルに反転して禁止時間
カウンタ221がクリアーされるまでの間出力をハイレ
ベルに保持する、図5(F)に示すゲート制御信号22
aが出力され、このゲート制御信号22aはゲート回路
19に入力される。そして、禁止時間T3の経過後に、
インバータ電流が図5(G)に示すようにD−Aコンバ
ータ回路181の設定値に達すると、比較回路17から
図5(H)に示す一致信号が出力される。この一致信号
がゲート回路19を通してパルス幅制御回路20に入力
されると、そのパルス信号20aは図5(E)に示すよ
うにローレベルに反転される。これに伴い、インバータ
電流も図5(G)に示すようにオフされる。同時にパル
ス信号20aがローレベルに反転されることにより、そ
の立ち下がりを微分する微分回路227からの信号によ
り各カウンタ221,222,224はクリアーされ、
クロックにより再びカウントを開始する。これに伴い、
休止時間カウンタ222の計数値が図5(C)に示すよ
うに休止時間T2に達すると、図5(D)に示すプリセ
ット信号22bが送出され、このプリセット信号22b
がパルス幅制御回路20のD−フリップフロップに加わ
ることによりプリセットされ、D−フリップフロップの
Q出力、即ちパルス幅制御回路20のパルス信号20a
は、図5(E)に示すように再び「H」レベルとなる。
以下、同様の動作を繰り返す。
【0029】上記の動作により、図5(E)に示すパル
ス幅制御回路20からのパルス信号20aが極性反転回
路21に加えられると、そのD−フリップフロップ21
1のQ出力は図5(J)に示すようになり、また、AN
Dゲート212の出力は図5(K)に示すようになり、
さらに、ANDゲート214の出力は図5(L)に示す
ようになる。この結果、図5(K)及び図5(L)に示
す信号が駆動回路23に出力されることにより、インバ
ータ回路12のパワートランジスタTR1とTR4、及
びパワートランジスタTR2とTR3が交互にオン、オ
フされ、これに伴うインバータ電流は、整流回路10−
パワートランジスタTR1−溶接トランス13の一次巻
線13A−パワートランジスタTR4−整流回路10の
経路、または整流回路10−パワートランジスタTR3
−溶接トランス13の一次巻線13A−パワートランジ
スタTR2−整流回路10の経路で流れ、この電流が流
れ始めると電流検出器16の出力電圧は上昇していく。
ここで、溶接トランス13と溶接電極14A、14B及
び被溶接物15を含む回路は、抵抗Rとインダクタンス
LのR−L直列回路で近似できるから、インバータ回路
12に流れるインバータ電流はL/Rの時定数で立ち上
がってくる。そして、電流検出器16の出力電圧VINが
D−Aコンバータ181の直流電圧VFと一致すると、
比較回路17から一致信号が出力され、上述の動作を繰
り返す。また、このような動作は、被溶接物15に応じ
て設定された通電時間に達するまで繰り返し行われる。
【0030】なお、パワートランジスタTR1、TR4
及びTR2、TR3には、図示省略したスナーバ回路が
付加されているため、これらパワートランジスタがオフ
する時のスパイク電圧はスナーバ回路により吸収され、
定常のオフ状態となる。
【0031】次に、請求項5に記載した一方の極性につ
いてのみ比較回路17を動作させ、その時の出力パルス
幅を記憶しておき、他極性側は、それと同一のパルス幅
で駆動する方式について説明する。入力装置から起動指
令が入力されると、CPU24はパルス幅制御回路20
のD−フリップフロップにプリセット信号を入力し、同
時にパルス幅計測用カウンタ(図示せず)をアップカウ
ントとしてスタートさせる。そして、駆動回路23から
はパワートランジスタTR1,TR4をオンに、パワー
トランジスタTR2,TR3をオフにする信号を出力す
る。これにより、溶接トランス13の一次巻線に電流が
流れ始め、その電流値が設定値に達すると比較回路17
から一致信号が出力される。この時、ゲート回路19は
CPU24からのゲート制御信号により開かれているた
め、比較回路17からの一致信号はパルス幅制御回路2
0のD−フリップフロップに入力され、そのQ出力はハ
イレベルからローレベルに反転することにより決まるパ
ルス幅の信号がCPU24に出力される。
【0032】パルス信号がローレベルに反転するとパル
ス幅計測用カウンタがストップし、タイミング信号発生
回路22の動作に移り、パワートランジスタTR1,T
R4をオフにする。そして、インバータ回路12が安定
に反転するための休止時間T2を確保した後、パワート
ランジスタTR2、TR3をオンにする信号を駆動回路
23に出力する。同時に、先に使用したパルス幅計測用
カウンタをダウンカウントにセットし、前のパルス幅の
信号を計測したカウント値から順次ダウンカウントし
て、0になった時点でパワートランジスタTR2、TR
3をオフにする。そして、インバータ回路12が安定に
反転するための休止時間T2を確保した後、パルス幅制
御回路20のD−フリップフロップをプリセットし、ゲ
ート回路19を開き、再びパルス幅計測用カウンタをア
ップカウンタとしてスタートさせ、パワートランジスタ
TR1、TR4をオンにする。以下、同様な動作が被溶
接物15に応じて設定された通電時間に達するまで繰り
返し行われる。
【0033】次に、被溶接物15を含む二次側の異常で
インバータ電流が所定時間内に規定の溶接電流値に立ち
上がらず、比較回路17から一致信号が出力されない場
合について説明する。この場合は、図5の二次側の異常
期間に示すように、最大許容時間カウンタ224は、パ
ルス幅制御回路20からのパルス信号20aの立ち下が
り時点又は溶接開始指令が発した時点の信号によりクリ
アーされ、溶接開始指令が発した時点から溶接電流値に
応じて予め設定した最大許容時間T4を計数し、この計
数値が最大許容時間T4に達すると、図5(I)に示す
信号を送出する。この信号をクリアー信号22cとして
パルス幅制御回路20に加えることにより、パルス幅制
御回路20の出力信号を強制的にオフする。これによ
り、被溶接物を含む二次回路の不具合等により溶接電流
が流れにくくなった状態を長い時間放置されることがな
くなり、一次電流の急激な上昇を未然に防止することが
できる。
【0034】図7は、溶接電流に比例する設定電圧VF
と電流検出器16からのインバータ電流に比例する検出
電圧VINとを比較回路17で比較し、一致した時点でイ
ンバータ回路12のパワートランジスタTR1,TR4
オフし、休止時間T2が経過した後、パワートランジス
タTR2,TR3をオンさせることにより得られる溶接
トランス13の一次側電流波形の発生タイミング図であ
る。この図7において、T1はパワートランジスタのオ
ン期間であり、T2はオフ期間(休止期間)である。ま
た、T3は溶接電流の初期時において、溶接電流の立ち
上がり時のオーバーシュートやノイズにより電流検出器
16が検出した電流値が設定値を超えることで一致信号
が送出されても、この一致信号の送出を阻止するための
禁止時間であり、この禁止時間T3を有するゲート制御
信号をゲート回路19にに加えることにより、溶接電流
の立ち上がり時のオーバーシュートやノイズによる誤動
作を防止し、各極性毎の最小のオン時間を確保する。ま
た、このような略矩形状の電流が溶接トランス13の一
次側に流れると、溶接トランス13の二次側には同様波
形の溶接電流が誘起され、この電流はダイオードD1,
D2により整流されて溶接電極14A,14Bを介し被
溶接物15に供給され、被溶接物15を溶接する。
【0035】次に、溶接電流が時間の経過と共に変化す
る場合について説明する。この場合は、CPU24の入
力装置(図示省略)を操作することにより溶接電流設定
指令を入力し、この設定指令に応じ時間の経過と共に変
化する溶接電流設定データをRAM25から読み出して
D−Aコンバータ181に入力し、このD−Aコンバー
タ181から時間の経過と共に変化する溶接電流に比例
する波形の設定値用の直流電圧VF を出力して比較回路
17に入力する。比較回路17では、時間の経過と共に
変化する溶接電流に比例する波形の設定電圧VF と電流
検出器16からのインバータ電流に比例する検出電圧V
INとを比較し、検出電圧VINが設定電圧VF に一致すれ
ば電流検出器16から一致信号がゲート回路19及びパ
ルス幅制御回路20に出力される。これにより、パルス
幅制御回路20で生成されたパルス信号を極性反転回路
21に出力することで駆動回路23を動作させ、インバ
ータ回路12を動作させる。インバータ回路12の出力
電流は、検出電圧VINが設定電圧VF に達する毎に正方
向の極性から負方向の極性、または負方向の極性から正
方向の極性に休止時間T2を確保した状態で反転する。
従って、溶接電流の小電流域では、設定電圧VF が低い
ため、インバータ回路12のパワートランジスタTR
1,TR4またはTR2,TR3がオンする期間T1は
小さくなり、また、溶接電流の大電流域では、設定電圧
VF が高いため、インバータ回路12のパワートランジ
スタTR1,TR4またはTR2,TR3がオンする期
間T1は大きくなる。
【0036】即ち、溶接電流の小電流域ではインバータ
回路用パワートランジスタのスイッチング周波数が高く
なるよう制御され、溶接電流の大電流域ではパワートラ
ンジスタのスイッチング周波数が低くなるよう制御され
る。図6は、溶接電流の大きさに応じてインバータ回路
用パワートランジスタのスイッチング周波数を自動的に
制御することにより得られる電流波形図の一例を示す。
同図において、(A)は溶接トランスの一次側に流れる
電流波形を示し、(B)はインバータをスイッチングす
ることによりインバータに流れる電流波形を示し、ま
た、(C)は(A)の電流を溶接トランスの一次側に流
すことにより、その二次側に誘起される溶接用の電流を
整流素子により整流した時の溶接電流波形である。この
図6(C)に示すように、整流された後の小電流域にお
ける溶接電流のリップル成分は極めて小さくなり、高品
位の溶接電流を供給することができる。また、溶接電流
を緩やかなスロープ状に大きくしたり、または小さくし
たり、あるいは溶接電流を急峻な階段状に変化させたり
する場合でも、これら溶接電流の設定を自由に行うこと
ができるとともに、これら設定値に対しても溶接電流を
確実に追従制御させることができる。
【0037】上記図1に示す実施の形態では、インバー
タ回路12の入力側に電流検出器16を設けた場合につ
いて説明したが、インバータ回路12の出力側に溶接ト
ランス13の一次側電流を検出する電流検出器26を設
け、この電流検出器26で検出した電流を整流回路27
により整流し、この整流電流に比例した電圧を比較回路
17に入力することにより、上記と同様に行うことがで
きる。
【0038】次に、図8により本発明の第2の実施の形
態について説明する。図8は本発明の第2の実施の形態
におけるインバータ式溶接電源装置の要部の構成図であ
る。この図8において、図1と同一の構成要素には同一
符号を付してその説明を省略し、図1と異なる部分を重
点に述べる。この第2の実施の形態において、特徴とす
る部分は溶接電流と被溶接物の抵抗との積である電圧
値、または、この電圧値と溶接電流のと積である電力を
利用して溶接電流を制御するところにある。
【0039】このために、CPU24に接続したRAM
25に設定値として電圧または電力を設定する。そし
て、溶接トランス13の二次側ラインに溶接電流検出器
28を設け、さらに、溶接電極14A,14Bに接続す
ることにより溶接電流と被溶接物の抵抗との積である電
圧を検出する電圧検出器29を設け、この溶接電流検出
器28及び電圧検出器29には波形整形回路30,31
をそれぞれ接続し、この波形整形回路30により溶接電
流検出器28で検出した溶接電流を波形整形し、かつ波
形整形回路31により電圧検出器29で検出した電圧を
波形整形した後、それぞれの溶接電流及び電圧をA−D
コンバータ31によりディジタル信号に変換してCPU
24に入力する。このCPU24では、演算処理により
予め設定したRAM25の設定電圧または設定電力と比
較し、この偏差がゼロになるように溶接電流設定回路を
構成するD−Aコンバータ181への設定データを変化
させる。これにより、上記第1の実施の形態と同様に溶
接電流を制御することができる。
【0040】この場合、直接的に制御するのはインバー
タ回路12の電流であるが、溶接トランス13の巻数比
と被溶接物15の抵抗値を係数として、溶接電流または
溶接電極14A,14B間電圧を制御することができ
る。また、電圧と電流との積である電力を制御すること
ができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、比
較手段から出力される一致信号を、タイミング信号発生
回路からの禁止時間を有するゲート制御信号でゲート回
路を制御することにより比較手段から出力される一致信
号を制御することで、溶接電流立ち上がり時の急峻な変
化に対する電流検出手段のオーバーシュートやノイズの
影響を排除し、設定電流値に対応した最小のオン時間を
保証し、また、極性反転回路に送出されるパルス幅制御
回路からのパルス信号に、その極性を反転する際に必要
な休止時間も設定電流値に対して変化させ、最適時間を
確保し得る構成にしたから、溶接電流の小電流域では設
定値が低いため、インバータ回路がオンする期間は小さ
くなり、また、溶接電流の大電流域では設定値が高いた
め、インバータ回路がオンする期間は大きくなる。これ
により、溶接電流の小電流域ではインバータ回路のスイ
ッチング周波数が高くなるよう制御され、溶接電流の大
電流域ではインバータ回路のスイッチング周波数が低く
なるよう制御されるから、大きな溶接電流域における電
流の立ち上がり特性を改善し、小さな溶接電流域におけ
るリップル成分を最小にできる。
【0042】また本発明によれば、最大許容時間が経過
した時、パルス幅制御回路の出力信号を強制的にオフし
て極性を反転するから、被溶接物を含む二次回路の不具
合等により溶接電流が流れにくくなった状態を長い時間
放置されることがなくなり、一次電流の急激な上昇を未
然に防止することができる。また本発明によれば、タイ
ミング信号発生回路を禁止時間カウンタ、休止時間カウ
ンタ及び最大許容時間カウンタから構成し、禁止時間カ
ウンタを備えることにより、溶接電流値に応じた禁止時
間データの設定が容易になり、また、休止時間カウンタ
を備えることにより、溶接電流値に応じた休止時間デー
タの設定が容易になり、さらに、最大許容時間カウンタ
を備えることにより、溶接電流値に応じた最大許容時間
データの設定が容易になるとともに、時間と共に変化す
る設定電流値に対したも、常に最適なタイミングを確保
できる。
【0043】また本発明によれば、比較回路が溶接トラ
ンスの一次電流の一方の極性についてのみ比較動作し、
その時のパルス幅を記憶し、比較回路を動作させない極
性側では、前記記憶したパルス幅で駆動回路を動作さ
せ、溶接トランスの一次電流のパルス幅を正、負同一幅
となるようしたので、溶接トランスの一次電流の極性に
よるアンバランスが解消され、偏磁に対しても予防効果
を発揮できる。また本発明によれば、溶接トランスの二
次側に流れる溶接電流を検出する溶接電流検出手段を有
し、この溶接電流検出手段の検出値をディジタル信号に
変換して予め設定した設定値と比較し、該検出値と設定
値の偏差がゼロになるように溶接電流設定手段の設定値
を変化させることにより、溶接トランスの巻数比を係数
として、溶接電流を制御することができる。
【0044】また本発明によれば、溶接電極間の電圧を
検出する電圧検出手段を有し、この電圧検出手段の検出
値をディジタル信号に変換して予め設定した設定値と比
較し、該検出値と設定値の偏差がゼロになるように溶接
電流設定手段の設定値を変化させることにより、溶接ト
ランスの巻数比と被溶接物の抵抗値を係数として、溶接
電極間電圧を制御することができる。また本発明によれ
ば、溶接電流検出手段の検出値と前記電圧検出手段の検
出値との積である電力をディジタル信号に変換して予め
設定した設定値と比較し、該検出値と設定値の偏差がゼ
ロになるように溶接電流設定手段の設定値を変化させる
ことにより、溶接トランスの巻数比と被溶接物の抵抗値
を係数として、電圧と電流との積である電力を制御する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施の形態を示すインバ
ータ式溶接電源装置の全体の構成図である。
【図2】図1における比較回路、ゲート回路、パルス幅
制御回路、CPU及び溶接電流設定回路の具体例を示す
回路図である。
【図3】図1における比較回路、パルス幅制御回路を含
めた極性反転回路及びタイミング信号発生回路の具体例
を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態における各設定電流値に対
する禁止時間、休止時間、最大許容時間の設定テーブル
の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるインバータ
式溶接電源装置の動作説明用タイムチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態における溶接電流の
大きさに応じてインバータ回路用パワートランジスタの
スイッチング周波数を自動的に制御することにより得ら
れる電流波形図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における溶接トラン
スの一次側電流波形の発生タイミング図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるインバータ
式溶接電源装置の要部の構成図である。
【図9】従来の小電流域におけるリップルの発生形態を
示す説明用波形図である。
【図10】従来の大電流域における電流立ち上げの状況
を示す説明用波形図である。
【符号の説明】
10 整流回路 12 インバータ回路 13 溶接トランス 13A 一次巻線 13B 二次巻線 15 被溶接物 16 電流検出器(電流検出手段) 17 比較回路(比較手段) 18 溶接電流設定回路(溶接電流設定手段) 181 D−Aコンバータ 19 ゲート回路 20 パルス幅制御回路 21 極性反転回路 22 タイミング信号発生回路 221 禁止時間カウンタ 222 休止時間カウンタ 224 最大許容時間カウンタ 23 駆動回路 24 CPU 25 RAM 26 電流検出器(電流検出手段) 28 溶接電流検出器(溶接電流検出手段) 29 電圧検出器(電圧検出手段) 30、31 波形整形回路 32 A−Dコンバータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流を整流した直流を高周波交流に
    変換するインバータ回路と、前記インバータ回路で変換
    した高周波交流を溶接トランスの一次側に流すことによ
    り、その二次側に誘起される溶接用の電流を整流素子に
    より整流して溶接電極を介し被溶接物に供給するインバ
    ータ式溶接電源装置であって、 前記被溶接物に供給される溶接電流値を設定する溶接電
    流設定手段と、 前記インバータ回路に流れる電流もしくは前記溶接トラ
    ンスの一次側に流れる電流を検出する電流検出手段と、 前記溶接電流設定手段で設定された溶接電流値と前記電
    流検出手段で検出された検出値とを比較し該検出値が設
    定溶接電流値に達した時に一致信号を出力する比較手段
    と、 溶接開始指令が発した時点及びパルス幅制御回路のパル
    ス信号立下り時点から前記溶接電流値に応じて設定され
    た所定の時間の間、前記比較手段からの一致信号が送出
    されないように禁止するとともに該所定の禁止時間が経
    過した後は前記一致信号の送出を許可するゲート回路
    と、 前記ゲート回路を通して前記比較手段から送出される一
    致信号の送出時点でローレベルに反転し、該ローレベル
    状態を前記溶接電流値に応じて設定された所定の休止時
    間保持させ、該休止時間が経過した時点でハイレベルに
    反転して該ハイレベル状態を前記一致信号が送出される
    まで継続するパルス信号を生成するパルス幅制御回路
    と、 前記休止時間が経過する毎に前記パルス幅制御回路から
    送出されるパルス信号を反転させて前記インバータ回路
    の出力の極性が反転されるように前記インバータ回路の
    正、負のゲートに交互に供給する極性反転回路と、 を備えることを特徴とするインバータ式溶接電源装置。
  2. 【請求項2】 前記ゲート回路、前記パルス幅制御回路
    及び前記極性反転回路に制御用のタイミング信号を供給
    するタイミング信号発生回路を更に備える請求項1また
    は2記載のインバータ式溶接電源装置。
  3. 【請求項3】 前記一致信号が予め設定した最大許容時
    間内に出力されない時、該最大許容時間が経過した後に
    前記パルス幅制御回路の出力信号を強制的にオフするこ
    とを特徴とする請求項1記載のインバータ式溶接電源装
    置。
  4. 【請求項4】 タイミング信号発生回路は、前記パルス
    幅制御回路からのパルス信号の立ち下がり時点又は溶接
    開始指令が発した時点の信号によりクリアーされ、溶接
    開始指令が発した時点から溶接電流値に応じて設定され
    た所定の禁止時間を計数し、この計数値が所定の禁止時
    間に達するまでの間、出力をローレベルに保持する前記
    ゲート回路のゲート制御信号を送出する禁止時間カウン
    タと、前記パルス幅制御回路からのパルス信号の立ち下
    がり時点又は溶接開始指令が発した時点の信号によりク
    リアーされ、溶接開始指令が発した時点から溶接電流値
    に応じて設定された所定の休止時間を計数し、この計数
    値が所定の休止時間に達した時に出力される信号により
    前記パルス幅制御回路及び極性反転回路の動作タイミン
    グを制御する休止時間カウンタと、前記パルス幅制御回
    路からのパルス信号の立ち下がり時点又は溶接開始指令
    が発した時点の信号によりクリアーされ、溶接開始指令
    が発した時点から溶接電流値に応じて予め設定した最大
    許容時間を計数し、この計数値が最大許容時間に達した
    時に出力させる信号を前記パルス幅制御回路に出力し、
    該パルス幅制御回路の出力信号を強制的にオフする最大
    許容時間カウンタとから構成される請求項2または3記
    載のインバータ式溶接電源装置。
  5. 【請求項5】 前記比較回路は前記溶接トランスの一次
    電流の一方の極性についてのみ比較動作し、その時のパ
    ルス幅を記憶し、前記比較回路を動作させない極性側で
    は、前記記憶したパルス幅で駆動回路を動作させ、溶接
    トランスの一次電流のパルス幅を正、負同一幅となるよ
    うしたことを特徴とする請求項1記載のインバータ式溶
    接電源装置。
  6. 【請求項6】 前記溶接トランスの二次側に流れる溶接
    電流を検出する溶接電流検出手段を有し、この溶接電流
    検出手段の検出値をディジタル信号に変換して予め設定
    した設定値と比較し、該検出値と設定値の偏差がゼロに
    なるように前記溶接電流設定手段の設定値を変化させる
    ことを特徴とする請求項1記載のインバータ式溶接電源
    装置。
  7. 【請求項7】 前記溶接電極間の電圧を検出する電圧検
    出手段を有し、この電圧検出手段の検出値をディジタル
    信号に変換して予め設定した設定値と比較し、該検出値
    と設定値の偏差がゼロになるように前記溶接電流設定手
    段の設定値を変化させることを特徴とする請求項1記載
    のインバータ式溶接電源装置。
  8. 【請求項8】 前記溶接電流検出手段の検出値と前記電
    圧検出手段の検出値との積である電力をディジタル信号
    に変換して予め設定した設定値と比較し、該検出値と設
    定値の偏差がゼロになるように前記設定手段の設定値を
    変化させることを特徴とする請求項1記載のインバータ
    式溶接電源装置。
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