JPH10191067A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH10191067A
JPH10191067A JP8343891A JP34389196A JPH10191067A JP H10191067 A JPH10191067 A JP H10191067A JP 8343891 A JP8343891 A JP 8343891A JP 34389196 A JP34389196 A JP 34389196A JP H10191067 A JPH10191067 A JP H10191067A
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JP
Japan
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image
encoding
pixel
density
image signal
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JP8343891A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Nakada
研一郎 中田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Publication of JPH10191067A publication Critical patent/JPH10191067A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 符号化処理によってモアレが発生することを
防止する。 【解決手段】 入力装置3は、被写体の像を読取って基
本対象画像信号を生成する。基本対象画像信号は、各画
素データ毎に、2値および中間調画像処理回路6,7で
2値および中間調画像に対応する符号化方式でそれぞれ
符号化される。特徴量比較回路8は、基本対象画像信号
の画素の濃度の平均値から、被写体の像が2値画像と多
値および網点画像のいずれであるかを判定する。分布比
較回路10はメモリ12内の参照画像信号と基本対象画
像信号とを比較して、被写体の像が網点画像であるか否
かを判定する。出力制御回路13は、まず特徴量比較回
路8の比較結果から符号化された画素データを出力すべ
き回路を決定し、2値画像処理回路6が選ばれるときだ
け、再度分布比較回路10の比較結果から、再度符号化
された画素データを出力すべき回路を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキャナ装置であ
るような入力装置からの画像信号を符号化して、ファク
シミリ装置の印刷装置であるような出力装置に出力する
ための画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術のファクシミリ装置は、原稿表
面からの反射光を光電変換して原稿表面の原画像を読取
った後、読取り結果を表す電気信号を符号化して、送信
すべき送信信号を生成する。この原画像には、文字画像
および線画を含むような2値画像と、写真画像および網
点画像を含むような中間調画像とがあり、2値画像と中
間調画像とでは、原画像の画素の濃度の変化量が異な
る。このために、受信側のファクシミリ装置で送信信号
から再生される原画像の画質の劣化を防止するために
は、原画像が2値画像であるときと中間調画像であると
きとで、異なる符号化方式を用いて電気信号を符号化す
る必要がある。
【0003】ゆえにファクシミリ装置では、符号化方式
を選択するために、まず前記電気信号に基づいて原画像
内の或る注目画素を含むような任意の大きさの注目領域
を設定し、注目領域内での画素の濃度の平均値を計算す
る。次いで、濃度の平均値が予め定める閾値以上である
か否かを判定して、濃度の平均値が閾値以上であれば中
間調画像であり、閾値未満であれば2値画像であると判
定する。
【0004】このような装置の第1の従来技術として、
特開平5−344330号公報が挙げられる。本公報の
画像領域識別装置では、得られるnライン分の画素デー
タから画素のマトリクスを設定し、マトリクス内での濃
度差を演算して、画像の濃度に関連するエッジを求め
る。このエッジの延長方向と濃度差が連続する方向とが
一致してかつ予め定める長さ以上に延長されるとき、そ
のマトリクスは文字が表示される文字画像領域であると
して識別する。また、第2の従来技術として、特開平5
−328120号公報が挙げられる。本公報の画像読取
り装置では、原稿の画像を読取って得られる画データに
対して文字認識処理を施して文字の有無を検出する。文
字が検出された領域については文字に対応する2値化処
理の符号化方式で符号化し、文字が検出されない領域に
ついては中間調画像に対応する中間調処理の符号化方式
で符号化する。
【0005】上述の網点画像は同一の濃度の画素が連続
して並ぶ確率が少なく、或る走査ライン上の画素列に沿
って各画素の濃度をみるとき、画素単位で濃度が頻繁に
変化する。このために、上述の従来技術の2つの装置の
ように画素の濃度を基準に原画像の種類を識別する場
合、注目領域の大きさ、および注目領域の原画像内での
位置によって、濃度の平均値が大きく異なり、濃度の平
均値が閾値未満になることがある。これによって、網点
画像は中間調画像であるにもかかわらず2値画像である
と識別されてしまうので、網点画像に対応する符号化方
式として2値画像の符号化方式が選択されることがあ
る。
【0006】中間調画像の電気信号を2値画像に対応す
る符号化方式で符号化するとき、生成される送信信号の
信号レベルが過大に増幅されやすいので、受信側のファ
クシミリ装置で再生される画像にモアレが発生すること
がある。モアレは、網点画像の網点の配列と送信信号が
表す画像の画素配列との間に干渉が生じるために送信信
号の信号波形に歪みが生じて発生し、送信信号の信号レ
ベルが増加してその折返し成分の幅が大きくなるほど発
生しやすい。
【0007】図7は、網点画像を読取らせて生成した電
気信号を2値画像の符号化方式で符号化して得られる送
信信号から再生された画像を表す模式図である。この画
像では、元の原画像では白色の領域であった部分40
に、モアレ縞が発生している。また、部分40の外側に
表示される黒丸に掠れが生じる。このように、送信信号
の歪みによって、再生された画像にモアレが生じると、
再生された画像の画質が劣化する。
【0008】さらにまた、第3の従来技術として特開平
5−48891号公報が挙げられる。本公報の画像領域
分離装置では、中間調画像を網点画像と写真画像とのい
ずれであるかを操作者が判断して該装置を切換え、該装
置は文字領域と写真領域または文字領域と網点画像のい
ずれであるかだけを識別する。この装置では、操作者が
網点画像と写真とを識別して装置に指示する必要があ
り、操作が煩わしい。
【0009】また第4の従来技術として、特開平5−6
3973号公報が挙げられる。本公報の画像領域識別装
置では、原稿の初めの数ライン分の画素の濃度レベルの
ヒストグラムを作成し、このヒストグラムを参照して、
文字画像と写真画像との組合わせまたは文字画像と網点
画像との組合わせの原画像のいずれであるかを識別す
る。この装置では、モアレの発生について考慮しておら
ず、また、原稿を読取らせる度にヒストグラムを作成さ
せるので、読取り動作時の装置の作業量が増大する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、符号
化した画像信号を復号して読取らせた画像を再生すると
きに、再生された画像にモアレが生じることを防止する
ことができる画像処理装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、被写体の像を
読取り、複数の画素から成る対象画像を表す対象画像信
号であって、各画素の濃度を表す画素データを含む対象
画像信号を生成する入力手段と、画素データを符号化す
るための相互に異なる複数の符号化方式を有し、前記入
力手段からの対象画像信号に含まれる画素の画素データ
を前記符号化方式に基づいて符号化する符号化手段と、
予め定める複数の画素から成り、画素の濃度の予め定め
られる分布パターンを示す参照画像を表す参照画像信号
であって、前記符号化手段が有する複数の符号化方式の
うちの予め定める特定符号化方式で符号化することが最
も適している参照画像信号を記憶する記憶手段と、前記
入力手段で生成した対象画像信号と前記記憶手段に記憶
される参照画像信号とを比較して、対象画像の画素の濃
度の分布パターンと参照画像の画素の濃度の分布パター
ンとが一致するか否かを判定する分布パターン判定手段
と、前記分布パターン判定手段で画素の濃度の分布パタ
ーンが一致すると判定されたときには、対象画像信号の
画素データを特定符号化方式で符号化し、画素の濃度の
分布パターンが一致しないと判定されたときには、対象
画像信号の画素データを特定符号化方式以外の残余の符
号化方式で符号化するように、前記符号化手段を制御す
る出力制御手段とを含むことを特徴とする画像処理装置
である。本発明に従えば、画像処理装置は、入力手段で
読取られた被写体の像を表す対象画像信号の画素データ
を、符号化手段で符号化して出力する。この画素データ
の符号化方式は複数準備されており、出力制御手段は、
判定手段で判定される画素の濃度の分布パターンの一致
の有無に応じて、いずれか1つの符号化方式を選び、符
号化手段にその符号化方式で画素データを符号化させ
る。この出力制御手段は、たとえば、符号化手段内で各
符号化方式で並列に画素データを符号化させた後に、選
択した符号化方式で符号化された画素データだけを符号
化手段から出力させる構成の手段である。また、符号化
手段での処理動作を行う前に符号化方式を選択して、符
号化手段に選択した符号化方式だけで画素データを符号
化させて出力させる構成の手段であってもよい。入力手
段で読取らせる被写体の像としては、いわゆる多値画像
と2値画像と網点画像があり、2値画像と多値画像およ
び網点画像とは、最適な符号化方式が異なる。読取られ
た原画像の種類に不適な符号化方式で画素データを符号
化して符号化された対象画像信号を生成するとき、符号
化された対象画像信号から再生される対象画像にモアレ
が生じ、再生される対象画像の画質が劣化することがあ
る。このために、画像処理装置は、読取る原画像の種類
を判定して、再生された対象画像にモアレを生じさせな
いような最適な符号化手法を選択する。上述の3種類の
原画像をそれぞれ入力手段で読取らせて対象画像信号を
生成し、該対象画像信号の各画素データを同一の符号化
方式で符号化するとき、対象画像信号の符号化された画
素の濃度の分布パターンがそれぞれ異なる。従来技術の
画像処理装置では、これらの2値化された対象画像信号
から、画像内の画素配列の行または列の予め定める範囲
内の画素の濃度の平均値を演算し、平均値が予め定める
閾値以上であるか否かによって多値画像および網点画像
ならびに2値画像を判定し、判定された原画像の種類に
最適な符号化方式を選択する。このとき網点画像は画像
の画素配列の同一行または列内で頻繁に濃度が変化する
ので、各列の濃度の平均値が閾値未満に低下しやすい。
このために、従来技術の画像処理装置は、網点画像を2
値画像として誤認しやすいので、最適な符号化方式を選
ぶことができないことがある。本発明の画像処理装置で
は、参照画像の画素の濃度の分布パターンと対象画像の
画素の濃度の分布パターンとの比較結果から符号化方式
を選択する。これによって、被写体の像に起因する特徴
のある分布パターン、たとえば網点画像に特有の分布パ
ターンを対象画像内から直接検出することができる。従
って、読取られた原画像の種類を誤認することを防止す
ることができる。また、符号化手段は、対象画像信号を
画素データ単位で符号化する。これによって、たとえば
入力装置の単一回の動作で読取る被写体の像に、相互に
異なる符号化方式が適するべき原画像が複数含まれると
き、各原画像に対応する対象画像の部分を構成する画素
毎に、符号化方式を変更することができる。したがっ
て、たとえば文字と写真とが含まれる原画像を入力装置
の被写体の像として読込ませたとき、文字を表す部分の
画素と写真を表す部分の画素とをそれぞれ適する異なる
符号化方式で符号化させることができる。
【0012】また本発明は、前記参照画像の画素の濃度
の分布パターンは、前記特定符号化方式以外の残余の符
号化方式で画素データを符号化して目視表示したときに
モアレが生じる分布パターンであることを特徴とする。
本発明に従えば、上述の画像処理装置は、上述のような
分布パターンを有する原画像を表す画像信号を参照画像
信号とする。上述のモアレは、たとえば、網点画像を入
力手段で読込ませて生成させた対象画像信号を、2値画
像に対応する符号化方式で符号化したときに、符号化さ
れた対象画像信号に干渉によって信号歪みが生じるため
に発生する。信号歪みを生じた符号化された対象画像信
号を再度復号して目視表示するときには、目視表示され
る画像にモアレが発生するために、画像の画質が劣化す
る。本発明の画像処理装置では、このような原画像の画
素の濃度の分布パターンを参照画像の分布パターンとし
て、判定手段で判定を行わせる。また、参照画像の画素
の濃度の分布パターンを有する被写体の像を読取って生
成される対象画像信号に信号歪みを発生させない符号化
方式が、特定符号化方式として参照画像信号に対応付け
られる。これによって、参照画像の画素の濃度の分布パ
ターンと一致する分布パターンを有する原画像の対象画
像信号の画素データの符号化方式には、この対象画像信
号に信号歪みを発生させない特定符号化方式が確実に選
ばれる。したがって、本発明の画像処理装置では、対象
画像信号を符号化した後に、符号化された対象画像信号
から再生される原画像にモアレが発生することを防止す
ることができる。
【0013】また本発明は、被写体の像を読取り、複数
の画素から成る対象画像を表す対象画像信号であって、
各画素の濃度を表す画素データを含む対象画像信号を生
成する入力手段と、画素データを符号化するための相互
に異なる複数の符号化方式を有し、前記入力手段からの
対象画像信号に含まれる画素の画素データを前記符号化
方式に基づいて符号化する符号化手段と、予め定める複
数の画素から成り、画素の濃度の予め定められる分布パ
ターンを示す参照画像を表す参照画像信号であって、前
記符号化手段が有する複数の符号化方式のうちの予め定
める特定符号化方式で符号化することが最も適している
参照画像信号を記憶する記憶手段と、前記入力手段で生
成した対象画像信号と前記記憶手段に記憶される参照画
像信号とを比較して、対象画像の画素の濃度の分布パタ
ーンと参照画像の画素の濃度の分布パターンとが一致す
るか否かを判定する分布パターン判定手段と、前記入力
手段で生成した対象画像信号から各画素の濃度に関連す
る特徴量を求め、該特徴量に基づいて前記複数の符号化
方式のうちのいずれか1つの符号化方式を選択する選択
手段と、前記選択手段で選択された前記いずれか1つの
符号化方式と前記特定符号化方式とが一致するか否かを
判定する方式判定手段と、前記方式判定手段で符号化方
式が一致すると判定された場合、および前記方式判定手
段で符号化方式が一致しないと判定された場合であって
前記分布パターン判定手段で画素の濃度の分布パターン
が一致すると判定されたときには、対象画像信号の画素
データを特定符号化方式で符号化し、符号化方式が一致
しないと判定された場合であって画素の濃度の分布パタ
ーンが一致しないと判定されたときには、対象画像信号
の画素データを特定符号化方式以外の残余の符号化方式
で符号化するように、前記符号化手段を制御する出力制
御手段とを含むことを特徴とする画像処理装置である。
本発明に従えば、上述の画像処理装置の出力制御手段
は、符号化手段で画素データを符号化するための符号化
方式を決定するとき、2段階の処理動作を行って入力手
段で生成された対象画像信号に最適な符号化方式を決定
する。この場合、たとえば、選択手段で対象画像信号の
画素データを符号化するのに不適な符号化方式を誤って
選びやすい原画像を参照画像として選び、この原画像を
入力手段で読取らせて生成される対象画像信号の画素デ
ータに最適な符号化方式であって、選択手段で選ばれに
くい参照画像信号を特定符号化方式として対応付けてお
く。このとき、画像処理装置は、まず、選択手段で特徴
量に基づきいずれか1つの符号化方式を選択し、上述の
方式判定手段での方式判定動作を行う。これと平行し
て、分布パターン判定手段でのパターン判定動作を行
う。出力制御手段は、まず方式判定手段の判定結果から
選択手段が特定符号化方式を選んだか否かを判定する。
特定符号化方式が選ばれるときは、選択手段の選択に誤
りがないものとして、選択手段で選択された符号化方式
をそのまま選ぶ。特定符号化方式以外の残余の符号化方
式を選ばれているとき、符号化方式を誤って選んでいる
可能性があるので、次いで、パターン判定手段の判定結
果から出力制御手段が符号化方式を決定する。これによ
って、出力制御手段は、選択手段で不適な符号化方式を
選択したときでも、パターン判定手段の判定結果に基づ
いて、最適な符号化方式で画素データを符号化するよう
に、符号化手段を制御することができる。また、パター
ン判定手段の判定結果に基づく後段の出力制御動作は、
方式判定手段の判定結果に基づく前段の出力制御動作で
前記残余の符号化方式を選択したときだけ実施される。
ゆえに、選択手段で符号化方式の選択を誤り易い分布パ
ターンを有する原画像だけを、画素の濃度の分布パター
ンによって判定すればよい。これによって、後段の出力
制御動作だけを単独で実施するときと比較して、検出す
るべき画素の濃度の分布パターンの数が減少する。した
がって、記憶手段に記憶させるべき参照画像信号の数を
減少させることができる。また、後段の出力制御動作で
対象画像と参照画像とを比較するパターン比較の比較回
数を減少させることができる。
【0014】また本発明は、前記複数の符号化方式は、
各画素の濃度が2種類の濃度のうちのいずれかである2
値画像を前記入力手段で読取らせて生成された対象画像
信号の画素データを符号化することに最も適している2
値符号化方式と、各画素の濃度が3種類以上の濃度のう
ちのいずれかである多値画像を前記入力手段で読取らせ
て生成された対象画像信号の画素データを符号化するこ
とに最も適している多値符号化方式とを含み、前記参照
画像の画素の濃度の分布パターンは、前記多値画像を疑
似的に表し、多値画像の濃度に応じて1画素の所定濃度
の2つの領域の比率が異なる網点画像を前記入力手段で
読取らせて生成された対象画像の画素の濃度の分布パタ
ーンと一致し、前記特徴量は、相互に隣接する予め定め
る複数の画素の濃度の平均値であり、前記選択手段は、
濃度の平均値が予め定める基準値以上のときに多値符号
化方式を選択し、平均値が基準値未満のときに2値符号
化方式を選択し、前記特定符号化方式は多値符号化方式
であり、前記特定符号化方式以外の前記残余の符号化方
式は2値符号化方式であることを特徴とする。本発明に
従えば、複数の符号化方式として上述の2値符号化方式
および多値符号化方式を準備し、特徴量として画素の濃
度の平均値を用いるとき、参照画像信号の画素の濃度の
分布パターンには、上述の網点画像の画素の濃度の分布
パターンを選ぶ。上述の2種類の符号化方式を有する画
像処理装置では、選択手段は、網点画像を被写体の像と
して読込ませるときに、誤って2値画像に対応する2値
符号化方式を選び易い。このとき、参照画像信号が上述
のように準備されるので、選択手段が2値符号化方式を
選択したときは、出力制御手段によって分布パターン判
定手段からの判定結果に基づいて符号化方式が決定され
る。これによって、網点画像を被写体として得られる対
象画像信号を2値符号化方式で符号化することを防止す
ることができる。したがって、符号化された画素データ
からなる符号化された対象画像信号を目視表示するとき
に、モアレが発生することを防止することができる。
【0015】また本発明は、前記記憶手段には、前記入
力手段が生成した対象画像信号であって、前記特定符号
化方式以外の残余の符号化方式で画素データを符号化し
て目視表示したときにモアレが生じる対象画像信号が、
参照画像信号として記憶されることを特徴とする。本発
明に従えば、画像処理装置は、上述のモアレが発生する
画像を入力手段で読取らせて得た対象画像信号を記憶手
段に記憶させることで、参照画像信号を得る。したがっ
て、上述のモアレが発生する画像から、参照画像信号を
容易に生成させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある画像処理装置1の電気的構成を示すブロック図であ
る。画像処理装置1は、2次元画像である基本対象画像
を表す符号化画像信号を生成して記憶し、その符号化画
像信号に基づいて基本対象画像を再生する。この画像処
理装置1は、たとえばファクシミリ装置で実現される。
【0017】画像処理装置1は、入力装置3、アナログ
/デジタル変換回路4、補正回路5、2値画像処理回路
6、中間調画像処理回路7、特徴量比較回路8、分布比
較回路10、抽出回路11、参照パターン記憶メモリ1
2、出力制御回路13、出力バッファ14、および出力
装置15を含んで構成される。分布比較回路10と抽出
回路11は、参照パターン選択監視回路9に含まれる。
【0018】入力装置3は、被写体の物体像を読取り、
基本対象画像を表す基本対象画像信号を生成する。基本
対象画像はたとえば白黒画像であり、複数の画素が行列
状に配置されて構成される。被写体の物体像はたとえば
紙面に目視表示された原画像であり、原画像には、2値
画像と多値画像と網点画像とのうちの少なくとも1つが
含まれる。
【0019】2値画像と多値画像と網点画像とは、それ
ぞれ予め定める大きさの複数の画素が行列状に配置され
て構成される点が等しく、各画素の濃度の表現形態が異
なる。2値画像の各画素の濃度は、予め定める2種類の
濃度のいずれか一方であり、2種類の濃度の画素はたと
えば白色画素および黒色画素である。多値画像の各画素
の濃度は、3種類以上の複数の濃度のうちのいずれか1
つの濃度であり、3種類以上の濃度の画素は、たとえば
白色から黒色までの間の複数段階の無彩色の画素であ
る。網点画像は、多値画像を疑似的に表示する画像であ
り、各画素に含まれる濃度の異なる2つの領域の面積比
率が、多値画像の画素の3種類以上の濃度に対応して異
なる。濃度の異なる2つの領域は、たとえば白色および
黒色領域である。多値画像および網点画像はいわゆる中
間調画像であって、たとえば写真画像を表示するときに
用いられる。2値画像は、たとえば文字画像を表示する
ときに用いられる。以後、多値画像および網点画像を中
間調画像と総称する。
【0020】入力装置3は、たとえば複数の受光素子が
行列状または直線状に配列されて構成される撮像素子を
有するようなイメージスキャナ装置で実現される。イメ
ージスキャナ装置は、各受光素子で被写体表面からの光
を受光して、各受光素子の画素データを受光素子の配列
に応じて順次的に、アナログ/デジタル変換回路4に出
力する。画素データは、各受光素子での光の受光量に対
応し、対象画像の各画素のを表すデータ信号であり、入
力装置3から出力されるときには、受光量に対応する信
号レベルのアナログ信号である。基本対象画像信号は、
全ての受光素子からの画素データを含む。アナログ/デ
ジタル変換回路4(図面では、「A/D変換回路」と略
称する)は、基本対象画像信号の各画素データを、その
信号レベルに対応する多値のデジタル信号に変換した後
に、補正回路5に与える。
【0021】補正回路5は、予め定める補正手法によっ
て基本対象画像信号を補正して、基本対象画像信号から
信号歪みを除去する。この信号歪みは、たとえば、入力
装置3の回路構造および撮像素子の受光特性に起因して
発生する。またこの信号歪みは、アナログ/デジタル変
換回路4でのアナログ信号からデジタル信号への変換処
理における量子化誤差をも含む。補正手法としては、た
とえばシェーディング処理手法が挙げられる。補正後の
基本対象画像信号は、2値画像処理回路6、中間調画像
処理回路7、特徴量比較回路8、分布比較回路10、お
よび抽出回路11に与えられる。2値および中間調画像
処理回路6,7は、請求項の2値および多値符号化方式
で符号化処理を行う手段であって、符号化手段を構成す
る。
【0022】2値画像処理回路6は、基本対象画像信号
の各画素データを予め定める2値符号化処理手法で符号
化して、2値画素データを生成する。2値符号化処理手
法は、いわゆる閾値符号化処理手法であり、具体的に
は、各画素データの値を予め定める閾値でレベル弁別し
て、閾値以上である画素データの値を1に置換え、閾値
未満である画素データの値を0に置換える。2値化画像
処理手法は、上述の2値画像を原画像として読取って得
られる基本対象画像信号を符号化するのに最適な処理手
法である。2値画素データで表される画素の濃度は、2
種類の濃度のいずれか一方、たとえば白色および黒色の
いずれかになる。2値画像処理回路6からの2値画素デ
ータは、出力制御回路13に与えられる。
【0023】中間調画像処理回路7は、基本対象画像信
号の各画素データを予め定める中間調符号化処理手法で
符号化して、多値画像データを生成する。中間調符号化
処理手法は、たとえば誤差拡散処理手法である。中間調
画像処理手法は、上述の中間調画像を原画像として読取
って得られる基本対象画像信号を符号化するのに最適な
処理手法である。多値画素データで表される画素の濃度
は、複数種類の濃度のいずれか1つ、たとえば白色から
黒色までの間で段階的に変化する濃度のうちのいずれか
1つになる。中間調画像処理回路7で得られる多値画素
データは、出力制御回路13に与えられる。
【0024】特徴量比較回路8は、まず、基本対象画像
信号内の画素データの値の特徴量を算出する。この特徴
量は、画素データが表す濃度に関連し、基本対象画像信
号内の全ての画素データについて、各画素データ毎に求
められる。この特徴量としては、たとえば予め定める数
の画素の濃度の平均値が挙げられる。次いで、特徴量比
較回路8は、各画素データの特徴量から、入力装置3で
読取られた原画像の種類を判定し、2値および中間調画
像処理回路6,7のうちから判定された原画像の種類に
対応する符号化処理手法を行う回路を選択する。具体的
には、各画素データの特徴量と予め定める基準特徴量と
を比較し、特徴量が基準特徴量以上のときは、被写体の
物体像が中間調画像であると判定して、中間調画像処理
回路7を選択する。また、特徴量が基準特徴量未満のと
きは、被写体の物体像が2値画像であると判定して、2
値画像処理回路6を選択する。この比較結果を表す特徴
量比較信号は、出力制御回路13に導出される。この特
徴量比較回路8は、請求項目の選択手段である。
【0025】分布比較回路10は、まず、基本対象画像
の画素の濃度の分布パターンと予め定める画素の濃度の
分布パターンである参照パターンとを比較して入力装置
3で読取られた原画像が網点画像であるか否かを判定す
る。次いで、画像の判定結果に基づいて、2値および中
間調画像処理回路6,7のうちから判定された原画像の
種類に対応する符号化処理手法を行う回路を選択する。
具体的には、被写体の物体像が網点画像であると判定さ
れるときは、2値画像処理回路6が選択され、網点画像
ではないと判定されるときは中間調画像処理回路7が選
択される。この比較結果を表す分布比較信号は、出力制
御回路13に導出される。分布比較回路10は、請求項
の分布パターン判定手段である。参照パターンを表す参
照パターン信号は、後述するように、参照パターン記憶
メモリ12に複数記憶される。該メモリ12に記憶され
る参照パターン信号の数は、たとえば10〜99個であ
る。この参照パターン信号が、請求項の参照画像信号に
相当する。
【0026】抽出回路11は、上述の参照パターンと同
一の濃度の分布パターンを含む基本参照画像を入力装置
3で読取らせたときに得られる基本対象画像信号から、
参照パターン信号を生成して、参照パターン記憶メモリ
12に記憶させる。分布比較回路10および抽出回路1
1の詳細な構造および動作は後述する。
【0027】出力制御回路13は、特徴量および分布比
較回路8,10からの特徴量および分布比較信号を参照
して、2値および中間調画像処理回路6,7のうちから
符号化された画素データを出力すべき回路を決定し、決
定された前記いずれか回路からの符号化された画素デー
タを出力バッファ14に与えて記憶させる。出力制御回
路13は、請求項の出力制御手段であり、また方式判定
手段を含む。
【0028】2値および中間調画像処理回路6,7、特
徴量および分布比較回路8,10、および出力制御回路
13での上述の動作を、基本対象画像信号の全画素デー
タに対してそれぞれ実施することで、基本対象画像の各
画素に1対1でそれぞれ対応する2値および多値画素デ
ータのいずれか一方データが、出力バッファ14に記憶
される。これによって、出力バッファ14内には、基本
対象画像信号の全画素データと同数の2値および多値画
素データの前記各いずれか一方データからなる符号化画
像信号が記憶される。また、上述の各回路6〜8,1
0,13での上述の動作を、各画素データ単位で実施す
ることによって、入力装置3で単一回の動作で読取られ
た被写体の物体像の中に、2値画像と多値画像と網点画
像とのうちの2種類以上の原画像が含まれるとき、基本
対象画像のうちで異なる種類の原画像に対応する各部分
の画素の濃度を表す画素データを、原画像の種類に対応
した符号化方式でそれぞれ符号化して、2値または多値
画素データを得ることができる。
【0029】出力装置15は、出力バッファ14内の符
号化画像信号を読出して、各画素の2値または多値画素
データ毎に復号することで、元の基本対象画像信号を得
る。さらに出力装置15は、得られる基本対象画像信号
から基本対象画像を再生する。出力装置15は、たとえ
ばファクシミリ装置の印刷装置で実現され、再生された
基本対象画像は、記録紙の紙面に印刷されて目視表示さ
れる。
【0030】図2は、画像処理装置1の画像処理動作を
説明するためのフローチャートである。入力装置3によ
って2値画像と多値画像と網点画像との少なくとも1種
類の原画像を含む被写体の物体像が読取られ、基本対象
画像信号が生成されると、ステップa1からステップa
2に進む。ステップa2では、アナログ/デジタル変換
回路4で、基本対象画像信号の各画素データがデジタル
信号に変換される、続いて、ステップa3では、補正回
路5で変換後の基本対象画像信号が補正されて、信号歪
みが除去される。続いて、ステップa4では、分布比較
回路10で補正後の基本対象画像信号が2値化され、基
本対象画像内の各画素を処理対象の注目画素として、後
述の比較判定手法で分布パターンの一致の有無が判定さ
れる。また同時に、特徴量比較回路8でも、同一の注目
画素について、画素の特徴量が判定される。続いて、ス
テップa5では、2値および中間調画像処理回路6,7
で、補正後の基本対象画像信号の注目画素の画素データ
に、それぞれ2値および中間調符号化処理が施され、注
目画素の2値および多値画素データが生成される。
【0031】続いて、ステップa6では、出力制御回路
13は、特徴量比較回路8からの特徴量比較信号を参照
して、各注目画素に対する処理動作で特徴量比較回路8
が中間調画像処理回路7を選択するか否かを判断する。
中間調画像処理回路7が選択されるとき、ステップa6
からステップa7に進み、出力制御回路13は、中間調
画像処理回路7から、各注目画素の多値画素データを出
力バッファ14に出力させる。2値画像処理回路6が選
択されるとき、ステップa6からステップa8に進む。
ステップa8では、出力制御回路13は、分布比較回路
10からの分布比較信号を参照して、上述の注目画素に
対する処理動作で分布比較回路10が中間調画像処理回
路7を選択するか否かを判定する。中間調画像処理回路
7が選択されるとき、ステップa8からステップa9に
進み、出力制御回路13は、中間調画像処理回路7か
ら、各注目画素の多値画素データを出力バッファ14に
出力させる。中間調画像処理回路7が選択されないと
き、ステップa8からステップa10に進み、出力制御
回路13は、2値画像処理回路6から2値画素データを
出力バッファ14に出力させる。
【0032】ステップa6〜a10の動作は、基本対象
画像内の各画素を注目画素とするように順次的に変更さ
せて、繰返し実施される。ステップa6〜a10で基本
対象画像の全ての画素について、多値または2値画素デ
ータが出力されると、ステップa7,a9,a10から
ステップa11に進み、当該フローチャートの処理動作
を終了する。これによって、各画素データ単位で、2値
および中間調画像処理回路6,7からの2値および多値
画素データのいずれか一方データを選択して出力バッフ
ァ14に出力させ、出力バッファ14内に、符号化画像
信号を生成することができる。
【0033】特徴量比較回路8の特徴量について、以下
に説明する。図3(A)〜(C)は、2値画像と多値画
像と網点画像とを、それぞれ入力装置3で読取らせて生
成した基本対象画像信号に、2値画像処理回路6の2値
符号化処理を施して得られる信号が表す画素の濃度の分
布パターンを表す模式図である。多値調画像および網点
画像と2値画像とは、画素の濃度の変化量がそれぞれ異
なるので、これら3種類の原画像の基本対象画像信号に
2値符号化処理を施して各画素データを2値化すると
き、予め定める大きさの特定画素領域内の画素の濃度の
平均値が異なる。この性質を利用して、特徴量比較回路
8は、予め定める注目画素領域内の画素の濃度の平均値
の変化パターンを特徴量として、原画像の種類を判定す
る。
【0034】特徴量比較回路8での比較判定手法では、
まず、注目画素領域内で各画素の列の濃度の平均値を算
出する。図面では、紙面の縦方向に並ぶ一連の画素の群
を列」、横方向に並ぶ一連の画素の群を「行」と称す
る。続いて、たとえば白色の画素と黒色の画素とをそれ
ぞれ列の画素の数の半数ずつ含む画素の列の画素の濃度
の平均値を閾値とし、各列の濃度の平均値を閾値と比較
する。この比較結果から、濃度の平均値が閾値以上であ
る列の数、および濃度の平均値が閾値以上である列同士
が隣接する列の数を基準にして、原画像の種類を判定す
る。
【0035】たとえば6行6列の36個の画素を含む注
目画素領域を設定するとき、図3(A)に表す2値画像
は、6列ある画素の列のうち、1列の濃度の平均値だけ
が閾値以上であり、残余の5列の濃度の平均値は閾値未
満である。図3(B)に表す多値画像は、6列の画素の
列のうち、4列の濃度の平均値が閾値以上であり、残余
の2列の濃度の平均値が閾値未満である。このように、
2値画像と多値画像の2値化された基本対象画像信号
は、多値画像よりも2値画像のほうが、濃度の平均値が
閾値未満である列の数が多い。また多値画像では、濃度
の平均値が閾値以上である列が複数列隣接する。したが
って上述の列の数および隣接する列の数を注目画素領域
の画素の列の数の半数以上に設定すると、2値画像と多
値画像を濃度の平均値を基準に判定することができる。
【0036】このとき、網点画像を被写体の物体像とし
て得られる基本対象画像信号の最適な符号化方式は、多
値画像と同一の符号化方式なので、上述の手法の比較判
定動作では、多値画像として判定されることが好まし
い。しかしながら2値画像と多値画像とを比較すると、
網点画像の画素は、隣接する画素毎に著しく濃度が異な
る。このために、網点画像は、図3(C)に表すよう
に、同一列内に白色および黒色の画素が交互に配列され
ることがある。このような画素の濃度の分布パターンを
有する画像は、装置の操作者が巨視的に目視するとき、
この網点画像は図3(B)の多値画像と同様の濃度の像
として感じられる。しかしながら、上述の判定手法で判
定すると、3列の濃度の平均値が閾値未満であって、ま
た濃度の平均値が閾値以上である列が隣接するものがな
いので、網点画像が誤って2値画像として判定されるこ
とがある。ゆえに、本実施形態の画像処理装置1の出力
制御回路13では、原画像が2値画像であると判定され
て2値画像処理回路6が選択されるとき、上述の特徴量
を用いる比較判定動作とは別の手法を用いる分布比較回
路10からの分布比較信号に基づいて、被写体の物体像
の原画像の種類を再度判定し、網点画像と2値画像とを
区別する。
【0037】以下に、分布比較回路10での詳細な構造
および動作を説明する。図4は、参照パターン選択監視
回路9の具体的な電気的構成を表すブロック図である。
参照パターン選択監視回路9の分布比較回路10は、比
較回路21,25、閾値記憶回路22、およびバッファ
23,24を含んで構成される。
【0038】補正回路5からの基本対象画像信号は、比
較回路21に与えられる。比較回路21は、基本対象画
像信号の各画素データが表す濃度と予め定める閾値とを
比較して、画素データを2値化する。この2値化動作の
詳細な手法は、2値画像処理回路6での2値化符号化処
理動作と類似し、閾値の値だけ異なり、他の挙動は等し
い。比較回路21の2値化動作で用いられる閾値は、閾
値記憶回路22に記憶される。上述の2値化動作は、た
とえば基本対象画像の各行または各列の画素の画素デー
タ毎に実施される。
【0039】2値化された画素データは、基本対象画像
信号の画素データの並び順と同一の順で、バッファ23
に記憶される。また、参照パターン記憶メモリ12から
読出される参照パターン信号は、バッファ24に記憶さ
れる。
【0040】前述の参照パターン記憶メモリ12には、
複数の参照パターン信号が記憶される。各参照パターン
信号は、予め定める複数の画素からなる画素領域内の画
素の濃度の分布パターンを表す信号であり、各画素の2
値化された画素データを含む。参照パターン信号の画素
データの2値化手法は、後述するように、比較回路21
での2値化手法と等しく、閾値も等しい。この画素領域
は、たとえばN行N列の行列状に配置される画素からな
る。「N」は、任意の数値を表す。
【0041】比較回路25は、まず、バッファ23に記
憶される複数の2値化された画素データのうち、出力制
御回路13で処理対象となる注目画素の2値化された画
素データを含み、予め定める数の2値化された画素デー
タを、対象パターン信号として読出す。この対象パター
ン信号が、請求項の対象画像信号に対応する。予め定め
る複数の2値化された画素データは、基本対象画像内
で、処理対象とする注目画素を中心として、上述の参照
パターン信号の画素領域と同様に画素が配置された画素
領域内の画素の濃度をそれぞれ表すための画素データが
2値化されたものである。すなわち、たとえば注目画素
を中心とするN行N列の画素領域内の全画素の2値化さ
れた画素データである。
【0042】続いて、比較回路25は、この対象パター
ン信号が表す画素の濃度の分布パターンと、バッファ2
4内の参照パターン信号が表す画素の濃度の分布パター
ンとを比較する。具体的には、対象パターン信号の2値
化された各画素データが表す濃度と、参照パターン信号
内の2値化された各画素データが表す濃度とを、画素領
域内で同一位置にある画素の画素データ毎に比較する。
対象パターン信号と参照パターン信号との各画素データ
の表す濃度が、画素領域内の全ての画素で一致すると
き、比較回路25は、注目画素が網点画像を被写体の物
体像とする基本対象画像の画素であると判定し、中間調
画像処理回路7を選択する。対象パターン信号と参照パ
ターン信号との各画素データの表す濃度が画素領域内の
少なくとも1つの画素で異なるとき、比較回路25は、
注目画素が網点画像を被写体の物体像とする基本対象画
像の画素ではないと判定し、2値画像処理回路7を選択
する。この比較判定結果が、前述の分布比較信号とし
て、出力制御回路13に与えられる。
【0043】図5は、分布比較回路10での比較判定動
作を説明するためのフローチャートである。補正回路5
から補正された基本対象画像信号が与えられると、ステ
ップb1からステップb2に進む。ステップb2では、
比較回路21で、基本対象画像信号の各画素データを上
述の任意の閾値を用いて2値化する。続いてステップb
3で、比較回路21は2値化された画素データを順次的
にバッファ23に記憶させる。バッファ23には、M×
M個のメモリエリアが含まれ、各メモリエリアには、単
一の画素の2値化された画素データが記憶される。Mは
任意の数であり、上述の画素領域の行および列の数を表
す任意の数Nよりも大きい。各メモリエリアのバッファ
内の配列を表すアドレスは、基本対象画像の画素の配列
と対応している。表1は、バッファ23のメモリエリア
と、基本対象画像の画素との対応関係を表す表である。
【0044】
【表1】
【0045】上述の表1の単一の矩形領域が、バッファ
23の単一のメモリエリアを表す。矩形領域の文字
(α,β)は、そのメモリエリアに記憶される2値化さ
れた画素データが表す画素が、基本対象画像の画素配列
内で第α行第β列に属する画素であることを表す。α、
βは1以上M以下の整数である。以後の説明では、画素
領域が5行5列の25個の画素を含むものとする。ま
た、第N行第5列の画素(N,5)を注目画素とし、対
象パターン信号が画素(N+2,3)〜(N+2,
7),(N+1,3)〜(N+1,7),(N,3)〜
(N,7),(N−1,3)〜(N−1,7),(N−
2,3)〜(N−2,7)の2値化された画素データか
らなる場合を例とする。この対象パターン信号の各画素
の2値化された画素データを表2に表す。表2の各矩形
領域は、上述のバッファ23のメモリエリアを表し、こ
の紙面上で中心の矩形領域は、画素(N,5)のメモリ
エリアに相当する。
【0046】
【表2】
【0047】再び図5を参照する。続いて、ステップb
4では、参照パターン記憶メモリ12から参照パターン
信号を読出し、バッファ24に記憶させる。表3は、バ
ッファ24に記憶される参照パターン信号の一例を表す
表である。バッファ24はN行N列のN×N個のメモリ
エリアを有し、参照パターン信号の2値化された各画素
データが、参照パターンでの配列と同一の行および列に
属する各メモリエリアに記憶される。すなわち、参照パ
ターンは、表3の「1」,「0」がそれぞれ記入された
矩形領域の分布パターンと一致する。参照パターンで
は、「1」,「0」がそれぞれ記入された矩形領域、す
なわち白色画素と黒色画素とは同一行および同一列に3
つ以上連続して配置されないことがわかる。
【0048】
【表3】
【0049】再び図5を参照する。続いて、ステップb
5では、比較回路25で、まず、バッファ23に記憶さ
れる上述の対象パターン信号と、バッファ24に記憶さ
れる上述の参照パターン信号とを比較して、分布パター
ンの一致の有無を判定する。表2と表3とを比較する
と、各表内で同一位置にある矩形領域内の値が全て一致
することがわかる。このように、バッファ23の一部分
のメモリエリアとバッファ24の各メモリエリアとをそ
れぞれ比較することで、前述したように、画素領域内で
同一位置にある画素の2値化された画素データを比較す
ることができる。また、ステップa4,b5の動作は、
参照パターン記憶メモリ12に複数の参照パターン信号
が記憶されるとき、バッファ24に記憶される参照パタ
ーン信号を順次的に交換して繰返し実施され、各参照パ
ターン信号と対象画像信号とを比較していずれか1つの
参照パターン信号と対象パターン信号とが一致するとき
に、分布パターンが一致すると判定する。
【0050】続いて、ステップb6で、比較回路25は
分布パターンの一致の有無から2値および中間調画像処
理回路6,7を選択し、選択結果を表す分布比較信号を
導出して、ステップb7で当該フローチャートを終了す
る。
【0051】上述の参照パターン信号は、参照パターン
記憶メモリ12内に複数準備される。各参照パターン信
号が表す画素の濃度の分布パターンは、各参照パターン
信号毎に異なる。参照パターン信号の分布パターンは、
上述の特徴量比較回路8での比較判定手法で原画像の種
類を誤認しやすく、また不適な符号化処理手法で符号化
すると出力装置15で再生される基本対象画像にモアレ
が発生するような原画像の画素の濃度の分布パターンが
選ばれる。原画像の種類を誤認しやすい画素の濃度の分
布パターンとしては、上述したように、網点画像の画素
の濃度の分布パターンが挙げられる。
【0052】本実施形態の画像処理装置1の出力制御回
路13は、まず、上述の特徴量比較回路8からの特徴量
比較信号を参照して、基本対象画像が多値画像および網
点画像と2値画像とのいずれであるかに対応して、符号
化された画素データを出力するべき画像処理回路を決定
する。続いて、選択された画像処理回路が2値画像処理
回路6であるとき、上述の理由で網点画像と2値画像と
を誤認している可能性があるので、分布比較回路10か
らの分布比較信号を参照して、再度の原画像の種類を判
定し、その判定結果から符号化された画素データを出力
するべき画像処理回路を再度決定する。このときには、
上述したように、網点画像に対応する濃度の分布パター
ンと基本対象画像信号の濃度の分布パターンとを直接比
較する。図3(A),(C)を比較してわかるように、
2値画像と網点画像とは、画素の濃度の分布パターンが
異なる。ゆえに、網点画像と2値画像とをを確実に判定
することができる。したがって、符号化画像信号から基
本対象画像を再生するときに、再生された基本対象画像
にモアレが発生して、画質が劣化することを防止するこ
とができる。
【0053】参照パターン信号として参照パターン記憶
メモリ12に記憶される濃度の分布パターンは、たとえ
ば上述の理由から、出力装置15で再生される対象画像
にモアレが発生するような原画像の画素の濃度の分布パ
ターンが選ばれる。このような画像を基本参照画像と称
する。基本参照画像は、たとえば特徴量比較回路8の比
較判定手法で原画像の種類を誤認しやすいと予想される
ような画素の濃度の分布パターンの原画像を、従来技術
の画像処理装置で読取らせて符号化画像信号を生成させ
た後に再度目視表示したときに、モアレの発生が確認さ
れた原画像が選ばれる。このような原画像は、たとえば
網点画像であって、上述の図3(C)に表す画素の濃度
の分布パターンを有する画像である。この従来技術の画
像処理装置は、上述の本実施形態の画像処理装置1から
参照パターン選択監視回路9および参照パターン記憶メ
モリ12を除去した装置であって、図2のフローチャー
トからステップa8,a10の動作を除去した画像処理
動作を行う装置である。
【0054】参照パターン信号を生成して参照パターン
記憶メモリ12に記憶させる生成記憶手法を以下に説明
する。この生成記憶手法は、上述の画像処理動作とは別
の動作モードで実施される。この動作モードでは、入力
装置3、アナログ/デジタル変換回路4、補正回路5、
抽出回路11、および参照パターン記憶メモリ12が作
動し、他の構成部品6〜8,13〜15の動作は停止さ
れる。
【0055】参照パターン信号の生成記憶動作では、画
像処理装置1の操作者は、入力装置3に参照パターンを
含むような上述の基本参照画像を被写体の物体像として
読取らせ、基本参照画像の基本対象画像信号を生成させ
る。この基本参照画像の基本対象画像信号は、アナログ
/デジタル変換回路4でデジタル信号に変換され、さら
に補正回路5で補正された後に、抽出回路11に与えら
れる。
【0056】再び図4を参照する。参照パターン選択監
視回路9の抽出回路11は、比較回路31、閾値記憶回
路32,バッファ33,35、および参照パターン選択
回路34を含んで構成される。
【0057】比較回路31は、閾値記憶回路32内の閾
値と基本参照画像の基本対象画像信号の各画素データと
を比較して、2値化された各画素データを生成する。こ
の2値化手法は、分布比較回路10の比較回路21での
2値化手法と等しく、閾値記憶回路32内の閾値も、閾
値記憶回路22内の閾値と等しい。基本参照画像の各画
素の2値化された画素データは、基本参照画像の画素の
配列を保ったままバッファ33に記憶される。
【0058】参照パターン選択回路34は、バッファ3
3に記憶される基本参照画像の各画素の2値化された画
像データのなかから、参照パターン信号を抽出する。具
体的には、基本参照画像の画素配列をN行N列の画素領
域単位で順次的に区切り、各画素領域内の全画素の2値
化された画素データが表す画素の濃度の分布パターンの
うちで、基本参照画像内で出現頻度が大きい分布パター
ンを複数抽出する。これら抽出されたパターンを表す画
素領域内の画素の2値化された画素データを、参照パタ
ーン信号として読出し、バッファ35に一時的に記憶し
た後に、参照パターン記憶メモリ12に記憶させる。
【0059】このように抽出される参照パターン信号
は、特に網点画像に特有な画素の濃度の分布パターンを
表し、参照パターン信号が表す画素領域内の画素の濃度
の平均値が、前述の基準平均値未満になるようなパター
ンが選ばれる。入力装置3で得られる基本対象画像信号
の画素の濃度の分布パターンは極めて多いので、参照パ
ターン信号の数が多いほど対象パターン信号と参照パタ
ーン信号との分布パターンが一致する確率が大きくな
り、特徴量比較回路8での濃度の平均値を用いた比較動
作で誤認された網点画像を確実に判定することができ
る。このために、参照パターン記憶メモリ12には、上
述の条件を満たす分布パターンを表す参照パターン信号
が、該メモリ12の記憶容量に応じて、できる限り多数
記憶されることが好ましい。また、上述の分布比較回路
10は、複数の参照パターン信号について、各参照パタ
ーン信号と対象画像信号とをそれぞれ比較する。1回の
画像処理動作で対象画像信号と比較される参照パターン
信号は、画像処理装置1全体の単一の被写体に対する画
像処理動作に要する時間が過大にならない程度の数であ
って、可能な限り多数であることが好ましい。
【0060】図6は、抽出回路11における参照パター
ン信号の抽出動作を説明するためのフローチャートであ
る。補正回路5から補正された基本対象画像信号が与え
られると、ステップc1からステップc2に進む。ステ
ップc2では、比較回路31で、基本対象画像信号の各
画素データを上述の任意の閾値を用いて2値化する。続
いてステップc3で、2値化された画素データを順次的
にバッファ33に記憶させる。バッファ33の詳細な構
造はバッファ23と同一であり、詳細な説明は省略す
る。表4は、バッファ23のメモリエリアと、基本対象
画像の画素との対応関係を表す表である。この表の矩形
領域および矩形領域内の文字の意味は、表1と同一であ
る。
【0061】
【表4】
【0062】再び図6を参照する。続いて、ステップc
4では、参照パターン選択回路34は、バッファ33内
に記憶される2値化された画素データが表す画素の濃度
の分布パターンのうちで、出現頻度の大きい分布パター
ンを抽出する。濃度の分布パターンは、バッファ33内
では、画素データの値が0のメモリエリアと画素データ
の値が1のメモリエリアとの配列パターンで表される。
出現頻度の大きい配列パターンは、基本参照画像が網点
画像であるとき、上述の表3に示すような配列である。
この配列は、たとえば画素(6,3)〜(6,7),
(5,3)〜(5,7),(4,3)〜(4,7),
(3,3)〜(3,7),(2,3)〜(2,7),か
ら成る画素領域に現れる。
【0063】続いて、ステップc5で、参照パターン選
択回路34は、バッファ33内の基本参照画像の2値化
された画素データの中から、出現頻度が大きい濃度の分
布パターンを表す複数の画素データの組合わせを、バッ
ファ33上での相互の位置を保ったまま読出し、バッフ
ァ35に転送する。このとき、単一の基本参照画像の2
値化された画素データのうちから、濃度の分布パターン
が異なる前記画素データの組合わせを複数抽出する。抽
出される分布パターンの数は、たとえばN個である。複
数の画素データの組合わせを転送すると、ステップc6
で当該フローチャートを終了する。これによって、装置
1の操作者は、単一の基本参照画像を入力装置3に読取
らせるだけで、参照パターン記憶メモリ12に複数の濃
度の分布パターンを表す参照パターン信号を複数記憶さ
せることができる。
【0064】この参照パターン信号の抽出動作は、たと
えば補正回路5と分布比較回路10の比較回路21との
間の導線36と、導線36と比較回路31とを接続する
導線37との接続点38にスイッチを介在させ、このス
イッチを導通するときだけ実施される。この抽出動作を
含む参照パターン信号の生成記憶動作は、画像処理装置
1を製造する工場でだけ実施され、画像処理装置1が一
般の消費者に販売された後には、上述のスイッチを常に
遮断状態に固定して、抽出回路11を使用できないよう
にしておいてもよい。
【0065】本実施形態の画像処理装置1では、上述の
特徴量比較回路8での選択手法は、上述の濃度の平均値
以外のパラメータを特徴量とする手法であってもよい。
このとき、上述の参照パターン信号の画素の濃度の分布
パターンは、特徴量比較回路8の比較判定手法で原画像
の種類を誤認しやすく、誤った符号化手法で符号化され
た後に目視表示するときにモアレが発生する原画像の画
素の濃度の分布パターンが選ばれる。
【0066】また本実施形態の画像処理装置1では、画
素データの符号化処理を行う回路は、2値および中間調
画像処理回路の2つだけであるが、さらに符号化方式の
種類を増加させ、符号化処理を行う回路を3つ以上に増
加させてもよい。
【0067】さらにまた、本実施形態の画像処理装置1
では、2値および中間調画像処理回路6,7にそれぞれ
画素データを符号化させた後に、両回路6,7から出力
される2値および多値画素データのいずれか一方データ
を選択して出力バッファ14に出力させるが、被写体の
物体像の原画像の種類の判定と、画像処理回路の選択と
を符号化処理の前に行い、選択された画像処理回路だけ
に符号化処理を行わせて、該画像処理回路からの符号化
された画素データを出力バッファ14に出力させるよう
にしてもよい。
【0068】さらにまた、本実施形態の画像処理装置1
では、符号化画像信号は出力装置15で目視表示される
が、この符号化画像信号を、たとえば公衆電話回線を介
して、画像処理装置1の出力装置15以外の印刷装置お
よび表示装置に与え、これら印刷装置および表示装置で
目視表示させてもよい。したがって、画像処理装置1か
ら出力装置15を除去してもよい。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像処理
装置は、対象画像信号の画素データを符号化する符号化
方式を、参照画像の画素の濃度の分布パターンと対象画
像の画素の濃度の分布パターンとの一致の有無の判定結
果に基づいて決定する。これによって、対象画像信号の
画素の濃度の分布パターンのうちで、読取られる被写体
の像の原画像の種類に起因し、或る特定符号化方式を最
適な符号化方式とするような特徴のある分布パターンを
直接検出して、被写体の像の種類を判定することができ
る。したがって、不適な符号化方式を選ぶことを確実に
防止することができる。また符号化手段は、対象画像信
号を画素データ単位で符号化するので、被写体の像の中
に最適な符号化方式が異なる複数の原画像が複数含まれ
るとき、原画像に対応する対象対象画像の部分を構成す
る画素毎に、符号化方式を変更することができる。これ
によって、2値および中間調画像を含むような被写体の
対象画像信号の画素データの符号化方式として、2値及
び中間調画像にそれぞれ対応する部分毎に、それぞれ最
適な符号化方式を自動的に選ぶことができる。
【0070】また本発明によれば、参照画像信号と関連
しない残余の符号化方式で符号化した後に目視表示した
場合にモアレが発生する原画像の画素の濃度の分布パタ
ーンを参照画像信号とする。これによって、上述のモア
レが発生する画像が入力装置で読取られるとき、その画
素の濃度の分布パターンから上述の原画像を判定して、
特定符号化方式で画素データを符号化させることができ
る。したがって、符号化された画素データからなる符号
化画像信号を再度目視表示するときに、その画像にモア
レが発生して画質が劣化することを防止することができ
る。
【0071】さらにまた本発明によれば、上述の画像処
理装置は、符号化方式を決定するとき、パラメータの異
なる2段階の出力制御動作を行う。上述の分布パターン
の一致の有無をパラメータとする後段の出力制御動作
は、特徴量をパラメータとする前段の出力制御動作で選
択が誤る可能性のある符号化方式が選ばれたときだけ実
施される。これによって、特徴量を用いる出力制御動作
で誤った符号化方式を選択したときでも、参照画像信号
を用いる出力制御動作で再度符号化方式を選択し直し
て、最適な符号化手段を決定することができる。また、
後段の参照画像信号を用いる出力制御動作では、前段の
出力制御動作で符号化方式の選択を誤り易い原画像だけ
を画素の濃度の分布パターンによって判定すればよいの
で、参照画像信号の数を減少させることができる。した
がって、少ない数の参照画像信号でも検出するべき画素
の濃度の分布パターンを確実に検出することができる。
【0072】また本発明によれば、上述の画像処理装置
で2値画像ならびに多値画像および網点画像を被写体の
像とする場合で符号化方式を決定するとき、まず画素の
濃度の平均値で原画像の種類を判定して符号化方式を選
択し、2値画像の符号化方式が選ばれるときには、分布
パターンの一致の有無を用いて符号化方式を決定する。
これによって、2値画像と多値画像および網点画像と
を、誤りなく区別して符号化方式を選ぶことができる。
したがって、符号化後の画素データからなる画像信号を
目視表示するときに、モアレが発生して画像の画質が劣
化することを防止することができる。
【0073】さらにまた本発明によれは、参照画像信号
は、入力手段で読取らせて得る参照画像信号を符号化た
後に再度目視表示したときにモアレが発生する原画像
を、入力手段で読取らせて得られる。したがって、参照
画像信号を容易に準備することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である画像処理装置1の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置1の画像処理動作を説明するため
のフローチャートである。
【図3】2値画像と多値画像と網点画像とを被写体の物
体像とするときに生成される基本対象画像信号を、2値
画像処理回路6で符号化した符号化画像信号が表す画素
の濃度の分布パターンを表す模式図である。
【図4】参照パターン選択監視回路9の具体的な電気的
構成を示すブロック図である。
【図5】分布比較回路10の比較判定動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図6】抽出回路11の抽出動作を説明するためのフロ
ーチャートである。
【図7】従来技術の画像処理動作で符号化された後に再
生された網点画像である。
【符号の説明】
1 画像処理装置 3 入力装置 6 2値画像処理回路 7 中間調画像処理回路 8 特徴量比較回路 10 分布比較回路 11 抽出回路 12 参照パターン記憶メモリ 13 出力制御回路 14 出力バッファ 15 出力装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の像を読取り、複数の画素から成
    る対象画像を表す対象画像信号であって、各画素の濃度
    を表す画素データを含む対象画像信号を生成する入力手
    段と、 画素データを符号化するための相互に異なる複数の符号
    化方式を有し、前記入力手段からの対象画像信号に含ま
    れる画素の画素データを前記符号化方式に基づいて符号
    化する符号化手段と、 予め定める複数の画素から成り、画素の濃度の予め定め
    られる分布パターンを示す参照画像を表す参照画像信号
    であって、前記符号化手段が有する複数の符号化方式の
    うちの予め定める特定符号化方式で符号化することが最
    も適している参照画像信号を記憶する記憶手段と、 前記入力手段で生成した対象画像信号と前記記憶手段に
    記憶される参照画像信号とを比較して、対象画像の画素
    の濃度の分布パターンと参照画像の画素の濃度の分布パ
    ターンとが一致するか否かを判定する分布パターン判定
    手段と、 前記分布パターン判定手段で画素の濃度の分布パターン
    が一致すると判定されたときには、対象画像信号の画素
    データを特定符号化方式で符号化し、画素の濃度の分布
    パターンが一致しないと判定されたときには、対象画像
    信号の画素データを特定符号化方式以外の残余の符号化
    方式で符号化するように、前記符号化手段を制御する出
    力制御手段とを含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記参照画像の画素の濃度の分布パター
    ンは、前記特定符号化方式以外の残余の符号化方式で画
    素データを符号化して目視表示したときにモアレが生じ
    る分布パターンであることを特徴とする請求項1記載の
    画像処理装置。
  3. 【請求項3】 被写体の像を読取り、複数の画素から成
    る対象画像を表す対象画像信号であって、各画素の濃度
    を表す画素データを含む対象画像信号を生成する入力手
    段と、 画素データを符号化するための相互に異なる複数の符号
    化方式を有し、前記入力手段からの対象画像信号に含ま
    れる画素の画素データを前記符号化方式に基づいて符号
    化する符号化手段と、 予め定める複数の画素から成り、画素の濃度の予め定め
    られる分布パターンを示す参照画像を表す参照画像信号
    であって、前記符号化手段が有する複数の符号化方式の
    うちの予め定める特定符号化方式で符号化することが最
    も適している参照画像信号を記憶する記憶手段と、 前記入力手段で生成した対象画像信号と前記記憶手段に
    記憶される参照画像信号とを比較して、対象画像の画素
    の濃度の分布パターンと参照画像の画素の濃度の分布パ
    ターンとが一致するか否かを判定する分布パターン判定
    手段と、 前記入力手段で生成した対象画像信号から各画素の濃度
    に関連する特徴量を求め、該特徴量に基づいて前記複数
    の符号化方式のうちのいずれか1つの符号化方式を選択
    する選択手段と、 前記選択手段で選択された前記いずれか1つの符号化方
    式と前記特定符号化方式とが一致するか否かを判定する
    方式判定手段と、 前記方式判定手段で符号化方式が一致すると判定された
    場合、および前記方式判定手段で符号化方式が一致しな
    いと判定された場合であって前記分布パターン判定手段
    で画素の濃度の分布パターンが一致すると判定されたと
    きには、対象画像信号の画素データを特定符号化方式で
    符号化し、符号化方式が一致しないと判定された場合で
    あって画素の濃度の分布パターンが一致しないと判定さ
    れたときには、対象画像信号の画素データを特定符号化
    方式以外の残余の符号化方式で符号化するように、前記
    符号化手段を制御する出力制御手段とを含むことを特徴
    とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の符号化方式は、各画素の濃度
    が2種類の濃度のうちのいずれかである2値画像を前記
    入力手段で読取らせて生成された対象画像信号の画素デ
    ータを符号化することに最も適している2値符号化方式
    と、各画素の濃度が3種類以上の濃度のうちのいずれか
    である多値画像を前記入力手段で読取らせて生成された
    対象画像信号の画素データを符号化することに最も適し
    ている多値符号化方式とを含み、 前記参照画像の画素の濃度の分布パターンは、前記多値
    画像を疑似的に表し、多値画像の濃度に応じて1画素の
    所定濃度の2つの領域の比率が異なる網点画像を前記入
    力手段で読取らせて生成された対象画像の画素の濃度の
    分布パターンと一致し、 前記特徴量は、相互に隣接する予め定める複数の画素の
    濃度の平均値であり、前記選択手段は、濃度の平均値が
    予め定める基準値以上のときに多値符号化方式を選択
    し、平均値が基準値未満のときに2値符号化方式を選択
    し、 前記特定符号化方式は多値符号化方式であり、前記特定
    符号化方式以外の前記残余の符号化方式は2値符号化方
    式であることを特徴とする請求項3記載の画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記記憶手段には、前記入力手段が生成
    した対象画像信号であって、前記特定符号化方式以外の
    残余の符号化方式で画素データを符号化して目視表示し
    たときにモアレが生じる対象画像信号が、参照画像信号
    として記憶されることを特徴とする請求項1または3記
    載の画像処理装置。
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