JPH1018880A - 焼料噴射式2サイクル内燃機関 - Google Patents

焼料噴射式2サイクル内燃機関

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JPH1018880A
JPH1018880A JP8170831A JP17083196A JPH1018880A JP H1018880 A JPH1018880 A JP H1018880A JP 8170831 A JP8170831 A JP 8170831A JP 17083196 A JP17083196 A JP 17083196A JP H1018880 A JPH1018880 A JP H1018880A
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JP
Japan
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exhaust
injection
fuel
timing
load
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Application number
JP8170831A
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English (en)
Inventor
Takeo Yoshida
武雄 吉田
Takahiro Suzuki
隆広 鈴木
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/12Other methods of operation
    • F02B2075/125Direct injection in the combustion chamber for spark ignition engines, i.e. not in pre-combustion chamber
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高負荷における性能及び燃費の向上、及び低負
荷における回転安定性及び燃費の向上を図る。 【解決手段】シリンダ側壁243aに排気口254と、
排気ポート253を設け、この排気ポート253に排気
タイミング可変式排気弁390を配置する一方、燃焼室
248をピストン頂部方向から視る時、インジェクタ2
64の噴射孔から燃焼室248に噴射される燃焼噴射流
の投影が排気ポート253の位置と交わるように、イン
ジェクタ264を燃焼室壁に配置し、燃料の噴射により
燃焼室248内に形成される混合気に点火プラグ249
に発生する火花により焼焼開始させる燃料噴射式2サイ
クル内燃機関において、少なくとも所定負荷以上の中高
負荷域において負荷の増加とともに排気タイミングを進
め、かつ燃料噴射量を増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、焼料噴射式2サ
イクル内燃機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2サイクル内燃機関には、例えば、排気
ポートに排気タイミングをスロットル開度に応じ可変す
る排気タイミング可変式排気弁を配置し、低負荷時排気
タイミングを遅らせ、高負荷時排気タイミングを進める
制御をするものがある。これにより、高負荷時多量に発
生する既燃焼の排気ガスを燃焼室より速く排出し、掃気
時の燃焼室内圧力を低くすることにより、新気の充填効
率を上げることによりエンジン性能を向上することがで
きる。
【0003】また、2サイクル内燃機関として、燃焼室
をピストン頂部方向から視る時、インジェクタの噴射孔
から燃焼室内に噴射される燃料噴射流の投影が排気ポー
トの位置と交わるように、インジェクタを燃焼室内に配
置し、燃料の噴射により燃焼室内に形成される混合気に
点火プラグに発生する火花により燃焼開始させる燃料噴
射式2サイクル内燃機関が提案されている。これによ
り、排気口が閉じた時に排気口側のシリンダ壁に到達す
る噴射燃料が、排気口側の高温雰囲気のシリンダ壁によ
り気化し、より確実に混合気を燃焼室内に形成できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、負荷の
増加とともに排気タイミングを進めると、ピストンが排
気口を閉じるタイミングも遅れることになり、噴射する
燃料が排気口から燃焼室外に流出し、燃費や出力が低下
する問題が発生してしまう。また、低負荷域において
は、新気の掃気量が低下するので、掃排気によるガス交
換性が低下し、残留排気ガス量が増加することにより点
火火花によっても着火しない失火が発生する場合があ
る。これにより回転が不安定になり、且つ低速の燃費が
低下する問題が発生してしまう。
【0005】また、排気タイミングが同一である2つの
異なる負荷において、噴射タイミングを同一とすると、
特に噴射量が多い高負荷側において燃焼室内に均一混合
気が点火までに形成しにくくなり、燃焼が排気タイミン
グ前に完了しないことが発生し、出力不足や燃費の低下
する問題が発生してしまう。
【0006】また、低負荷時においては、希簿燃焼、あ
るいは予混合燃焼においても希薄燃焼に近いゆっくりし
た燃焼が排気清浄性の上で効果があることが知られてい
るが、燃料噴射の仕方によっては排気清浄性を悪化して
しまう問題がある。
【0007】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、高負荷における性能及び燃費の向上、及び低負荷
における回転安定性及び燃費の向上を図る燃料噴射式2
サイクル内燃機関を提供することを目的とする。さら
に、低負荷における排気清浄性の良い燃料噴射式2サイ
クル内燃機関を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シリン
ダ側壁に排気口と、排気ポートを設け、この排気ポート
に排気タイミング可変式排気弁を配置する一方、燃焼室
をピストン頂部方向から視る時、インジェクタの噴射孔
から燃焼室に噴射される燃焼噴射流の投影が前記排気ポ
ートの位置と交わるように、インジェクタを燃焼室壁に
配置し、燃料の噴射により燃焼室内に形成される混合気
に点火プラグに発生する火花により焼焼開始させる燃料
噴射式2サイクル内燃機関において、少なくとも所定負
荷以上の中高負荷域において負荷の増加とともに排気タ
イミングを進める一万、高負荷程燃料噴射量を増加する
とともに、噴射開始タイミングそのものは、前記所定負
荷以上の中高負荷域において、負荷の増加とともに遅ら
せる一方、低負荷時における排気タイミングを前記所定
負荷における排気タイミングより進めるよう制御すると
ともに、低負荷時における噴射開始タイミングを、前記
所定負荷以上の中高負荷域において同一排気タイミング
となる時の噴射開始タイミングより遅らせるよう制御す
る制御手段を備えることを特徴としている。
【0009】これにより、排気口が閉じた時に排気口側
のシリンダ壁に到達する噴射燃料が、排気口側の高温雰
囲気のシリンダ壁により気化し、より確実に混合気を燃
焼室内に形成できる。且つ、所定負荷以上の中高負荷域
において、負荷の増加に合わせて排気タイミングが早く
なり、ピストンにより排気口が閉じられるタイミングが
遅くなってしまうが、噴射開始タイミングも遅れるよう
にするので、噴射される燃料が排気口に到達する時には
排気口を閉じている状態にすることができ、燃料の吹き
抜けを防止できる。また、同一排気タイミングの低負荷
時の噴射開始タイミングより、負荷の大きい中高負荷域
における噴射開始タイミングの方が早いので、噴射燃料
は早く気化し、点火前までに燃焼室内に均一な混合気を
形成できる。これにより、点火後の燃焼が速まり、排気
口が開く前に燃焼を完了できるので、中高負荷域におけ
る性能及び燃費を向上できる。また、低負荷域において
は排気タイミングが早められ、掃排気による充填効率が
向上し、失火が減り回転が安定するとともに、失火が滅
ることによる燃費向上を図ることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、インジェクタに前
記点火プラグ近傍を指向する燃科噴射流を発生させる噴
射孔を設けたことを特徴としている。
【0011】低負荷時における噴射開始タイミングを、
所定負荷以上の中高負荷域において同一排気タイミング
となる時の噴射開始タイミングより遅らせているので、
点火直前において、点火プラグ近傍に濃混合気を形成で
き、点火により希薄燃焼あるいはそれに近い予混合燃焼
が発生する。これにより、噴射燃料は確実に燃焼しCO
2や水蒸気に変化し、排気清浄性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料噴射式2サ
イクル内燃機関を自動二輪車に搭載した実施の形態につ
いて説明する。図1は燃料噴射式2サイクル内燃機関を
自動二輪車に搭載した実施の形態の概略構成図、図2は
燃料噴射式2サイクル内燃機関の縦断面図、図3はシリ
ンダ側壁噴射の燃料及び空気のフローチャート、図4は
排気タイミング及び噴射開始タイミングの特性図、図5
は燃料噴射式2サイクル内燃機関の気筒上部の縦断面
図、図6はインジェクタの断面図、図7はインジェクタ
の先端部の断面図である。
【0013】図中符号201は、乗物の一例であって鞍
乗型車両たる自動二輪車であり、矢印Frはその進行方
向の前方を示している。また、後記する左右とは、前記
前方に向っての方向をいうものとする。また、202は
上記自動二輪車201が走行可能な路面である。自動二
輪車20lは乗物本体である車体203を有している。
また、車体203は車体静止側である車体フレーム20
4を有している。車体フレーム204は、その前端にヘ
ッドパイプ205を有し、このヘッドパイプ205から
後下方に向って左右一対の主フレーム206が延出し、
これら各主フレーム206の各延出端から更に後下方に
向ってそれぞれシートピラーチューブ207が延出して
いる。一方、上記各主フレーム206の前部下面からそ
れぞれ後下方に向ってダウンチューブ208が延出し、
これらダウンチューブ208の延出端とシートピラーチ
ューブ207の延出端とが互いに結合させられている。
【0014】各主フレーム206の後部から後上方に向
ってそれぞれシートレール210が延出し、このシート
レール210は左右一対のバックステー211によって
シートピラーチューブ207に支持されている。各バッ
クステー211とシートピラーチューブ207とが結合
した部分はリヤアームブラケット212とされている。
ヘッドパイプ205にはフロントフォーク214が操向
自在に支承されている。フロントフォーク214の下端
に前輪215が支承され、かつ、この前輪215を上方
から覆うフロントフェンダ216が設けられ、このフロ
ントフェンダ216は同上フロントフォーク214の上
下方向の中途部に固着されている。一方、フロントフォ
ーク214の上端にはハンドル217が取り付けられて
いる。
【0015】リヤアームブラケット212にピボット軸
218によりリヤアーム219が上下揺動自在に枢支さ
れている。リヤアーム219の揺動端に後輪220が支
承され、シートレール210とリヤアーム219との間
に緩衝器221が架設されている。主フレーム206、
シートピラーチューブ207およびダウンチューブ20
8で囲まれた空間に、つまり、車体フレーム204の枠
内に燃料噴射式2サイクル内燃機関であるエンジン22
3が設けられている。エンジン223は2サイクルエン
ジンであって、クランクケース224と、このクランク
ケース224から前上方に突出するシリンダ225を有
し、車体フレーム204に締結具により着脱自在に支持
されている。クランクケース224の後面に動力伝達装
置226が連設され、この動力伝達装置226の出力側
に、後輪220がチェーン伝動機構227により連結さ
れている。
【0016】シリンダ225の後面にはリード弁22
8、吸気マニホールド229および吸気サイレンサ23
1がこの順序で連設されている。吸気マニホールド22
9には吸気量を制御するスロットル弁271が配置され
ている。スロットル弁271の軸部271aに設けたス
ロットルプーリ272はスロットルワイヤ273を介し
てスロットルグリップ274に連結され、スロットルグ
リップ274の操作でスロットル弁271が開閉され
る。スロットルグリップ274はハンドル217に設け
られ、またスロットルグリップ274の操作量を検出す
るスロットル開度センサ275が設けられている。
【0017】シリンダ225の前面には排気管233の
一端が連結され、この排気管233の他端側はダウンチ
ューブ208の下側近傍を通って後方に延び、その後端
に排気マフラ234が連結され、排出口234aから排
気される。
【0018】主フレーム206には燃料タンク235が
支持されている。一方、シートレール210には、シー
ト236が支持されている。また、車体203の後部を
その各側方から覆うサイドカバー237が設けられてい
る。エンジン223の駆動により、その動力が動力伝達
装置226とチェーン伝動機構227等を介し、後輪2
20に伝達されれば、自動二輪車201が路面202上
を前方に向って走行可能とされる。
【0019】エンジン223は、気筒261を有し、エ
ンジン223のクランクケース224内のクランク室2
40にはクランク軸241が収容され、このクランク軸
241はクランクケース224にその軸心回りに回転自
在に支承されている。エンジン223のシリンダ225
は、軸心がほぼ縦向きのシリンダ孔242を有するシリ
ンダボディ243と、このシリンダボディ243の突出
端に取り付けられるシリンダヘッド244とを有してい
る。シリンダ孔242にピストン245が軸方向に摺動
自在に嵌入され、このピストン245はクランク軸24
1にコンロッド246により連結されている。
【0020】ピストン245がシリンダヘッド244に
ある程度接近したとき、シリンダ孔242内でシリンダ
ヘッド244とピストン245で囲まれた空間が燃焼室
248となる。シリンダヘッド244には、点火プラグ
249が取り付けられ、この点火プラグ249の放電部
が燃焼室248に臨んでいる。クランクケース224の
後上部には吸気ポート251が形成され、この吸気ポー
ト251にリード弁228が連通している。シリンダ孔
242周りのシリンダボディ243にはクランク室24
0を燃焼室248に連通させる掃気通路252が形成さ
れ、この掃気通路252の内、燃焼室248に向って開
口する部分が掃気ポート252aとなっている。また、
燃焼室248を排気管233の前端である上流端内の排
気ポート253に連通させる排気口254がシリンダボ
ディ243の前部に形成されている。
【0021】エンジン223は気筒261にインジェク
タ264を有し、このインジェクタ264はシリンダボ
ディ243のシリンダ側壁243aに着脱自在に取り付
けられている。インジェクタ264は、シリンダ側壁2
43aから燃焼室248内に向って、燃料タンク235
から供給される燃料を噴射する。
【0022】このエンジン223は、シリンダ側壁24
3aに排気口254と、排気ポート253を設け、この
排気ポート253に排気タイミング可変式排気弁390
を配置する一方、燃焼室248をピストン頂部方向から
視る時、インジェクタ264の噴射孔264aから燃焼
室248に噴射される燃焼噴射流の投影が排気ポート2
53の位置と交わるように、インジェクタ264を燃焼
室壁に配置し、燃料の噴射により燃焼室248内に形成
される混合気に点火プラグ249に発生する火花により
焼焼開始させる。
【0023】燃料タンク235の下部には燃料コック2
90が設けられ、燃料コック290に燃料フィルタ29
1、燃料供給ポンプ292、燃料配送管293が順に接
続され、燃料配送管293から燃料がインジェクタ26
4に供給される。燃料配送管293にはインジェクタ2
64に供給される燃料の圧力を所定圧に調整する調圧器
294が設けられ、調圧器294、戻し燃料通路295
により余分の燃料は燃料タンク235に戻る。シリンダ
ボディ243の後方で、吸気マニホールド229上方
と、燃料タンク235の下方の間の空間Zに、この空間
Zを利用してインジェクタ264が配置され、小型化で
き、しかも他部材と干渉することが防止され、インジェ
クタ264の保護が可能である。
【0024】点火プラグ249は電子的な点火回路25
6に電気的に接続され、この点火回路256は電子的な
エンジン制御御装置257に接続されている。また、ク
ランク軸241のクランク角を検出するクランク角検出
センサ258が設けられ、このクランク角検出センサ2
58もエンジン制御装置257に接続されている。
【0025】エンジン223の駆動時に、ピストン24
5がクランク軸241側の下死点位置から燃焼室248
側に移動すると、ピストン245によって掃気ポート2
52aと排気口254とがこの順序で閉じられる。ま
た、ピストン245が燃焼室248側に移動すると、ク
ランク室240内が負圧にされる。すると、吸気サイレ
ンサ231を通って、空気である外気259が吸入さ
れ、これが吸気260とされる。
【0026】次に、吸気260が吸気マニホールド22
9とリード弁228とを通ってクランク室240内に吸
入される。これが「吸入行程」である。
【0027】一方、掃気ポート252aと排気口254
とが閉じられた後、更に、ピストン245が燃焼室24
8側へ移動すれば、この燃焼室248に既にインジェク
タ264で噴射されていたあるいは及び本行程中に噴射
される燃料が気化し空気と混合して形成される混合気が
圧縮される。これが「圧縮行程」である。
【0028】ピストン245が上死点に達する直前で、
クランク角検出センサ258により検出される所望のク
ランク角のときに、つまり、所望の点火時期に、エンジ
ン制御装置257により制御された点火回路256から
の出力信号で、点火プラグ249の放電部が放電する。
すると、混合気が着火、燃焼させられて気体が膨張し、
これにより、ピストン245が上記上死点を越えた後、
クランク室240側に押し戻される。これが「爆発行
程」である。
【0029】ピストン245のクランク室240側への
移動により、クランク室240内に吸入されていた空気
が予圧縮される。リード弁228はこのときのクランク
室240内の圧力で閉弁させられている。
【0030】ピストン245がクランク室240側へ移
動する途中で、まず、排気口254が開かれる。する
と、排気口254を通し、混合気の既燃ガスが排気とし
て排気口254を通って燃焼室248から排出される。
これが「排気行程」である。そして、排気は排気管23
3内の排気ポート253を通って外部に排出される。
【0031】ピストン245がクランク室240側に移
動して排気口254が開かれると、これに続いて掃気ポ
ート252aが開かれる。すると、クランク室240内
で予圧縮されていた空気が掃気通路252を通って燃焼
室248に流入させられ、この空気が燃焼室248に残
留している既燃ガスの一部を排気口254に押し出すと
共に、空気が燃焼室248に充満する。これが「掃気行
程」である。この「掃気行程」は、ピストン245が下
死点位置に戻った後、再び上死点位置へ移動し、排気ポ
−ト252aを閉じる直前まで続く。この「掃気行程」
の途中から「圧縮行程」の初期、ピストン245がイン
ジェクタ264を閉じるまでの期間にインジェクタ26
4から燃料が噴射される。
【0032】上記状態から、ピストン245が再び燃焼
室248側に移動し、以下、各行程が繰り返されて、ク
ランク軸241が回転させられる。このクランク軸24
1を通しエンジン223が動力を出力し、この動力は、
動力伝達装置226やチェーン伝動機構227等を介し
て後輪220に伝えられる。
【0033】燃焼室248から排気口254へ排気を排
出させるときの排気タイミングを調整して、エンジン性
能を向上させる排気タイミング調整装置279が設けら
れている。排気タイミング調整装置279は、排気口2
54の上部側に設けられる排気タイミング可変式排気弁
390を有している。この排気タイミング可変式排気弁
390で、排気口254の上部開口が開閉され、排気口
254の上部開口縁の位置が上下方向で可変とされる。
排気タイミング可変式排気弁390を作動させるのはサ
ーボモータ等のアクチュエータ265であって、このア
クチュエータ265は制御手段を構成するエンジン制御
装置257に接続されている。
【0034】エンジン223の回転数、つまり、クラン
ク軸241の回転数を検出するエンジン回転数センサ2
67が設けられ、このエンジン回転数センサ267はス
ロットル開度センサ275とともにエンジン制御装置2
57に接続されている。
【0035】図4(a)にスロットル開度と排気タイミ
ングの関係をエンジン速度をパラメータとして図示し
た。また、図4(b)に排気タイミングと噴射開始タイ
ミングの関係をスロットル開度すなわち負荷域をパラメ
ータとして図示した。
【0036】スロットル開度センサ275の検出信号に
より、エンジン223が所定負荷A以上の中高負荷域で
あると判断された場合には、負荷が大きい程、エンジン
制御装置257により制御されるアクチュエータ265
の作動により排気タイミング可変式排気弁390がより
大きく開動作させられて、排気口254の上部開口縁が
より上方に位置させられる。
【0037】すると、排気タイミングがより早くなり、
これにより中高負荷域でのエンジン性能が向上する。な
お、排気タイミングが早くなると、それにつれてピスト
ン245の上昇中、排気口254を閉じるタイミングが
遅れる。逆に、所定負荷に近くなる程アクチュエータ2
65が閉動作されて、排気口254の上部開口縁が下方
に位置させられる。すると、排気タイミングが遅くな
る。これにより、中高負荷城における排気ガスと新気の
ガス交換性が向上し、エンジン性能が向上する。さら
に、エンジン制御装置257はエンジン回転数センサ2
67の検出信号をうけ、同一負荷における排気タイミン
グを補正する。すなわち、スロットル開度が大きい程早
まる排気タイミングを、エンジン回転数が大きい程、さ
らに早めるように補正する。これにより、エンジン回転
数が高くなるに従い、排気ガスと新気のガス交換性が低
下するのを防止し、エンジン性能を維持あるいは向上す
る。
【0038】また、排気タイミングが早められるにつれ
て、噴射タイミングを遅らせるようにしているので、噴
射された燃料は、ピストン245が上昇し排気口254
を閉じた後、排気口254に到達する。これにより、排
気口254からの吹き抜け量が滅少する。そして、排気
口254近傍の高温の雰囲気において気化し、燃焼室2
48内に均一混合気を形成する。
【0039】一方、エンジン233が所定負荷A以下の
低負荷域であると判断された時には、負荷の小さい程排
気タイミングが早くされる。しかも、この低負荷域にお
いては、エンジン回転数が大きい程、さらに早めるよう
に補正する。これにより、エンジン回転数が低くなる程
排気タイミングを早めるように補正する。これにより、
負荷の低下により掃気量が低下しても、掃気通路252
からの新気の掃気流逮を高めることができ、既燃焼ガス
量を減少しつつ、新気の充填効率を向上する。これによ
り、点火による温合気の着火性を向上させることができ
る。しかも、所定負荷以上の中高負荷域における同一排
気タイミングと同一排気タイミングとなる低負荷域にお
ける噴射開始タイミングは、中高負荷域における噴射開
始タイミングより遅らされる。逆に言えば、低負荷域に
おける排気タイミングと同一排気タイミングとなる所定
負荷以上の中高負荷域における噴射開始夕イミングは、
低負荷域における噴射開始タイミングより進められる。
これにより、中高負荷域において確実な予混合燃焼が可
能となる。且つ、低負荷域においては、ピストン245
に衝突後燃焼室248の上部に指向、あるいは直接点火
プラグ249を指向する燃料噴射流が、点火直前の点火
プラグ249近傍に濃混合気を形成するので、希薄燃焼
あるいは予混合燃焼状態にあっても、希簿燃焼に近い燃
焼にし、排気清浄性を向上できる。
【0040】なお、図4(a)に図示した通り、中高負
荷域においては高負荷になる程、低負荷域においては負
荷が減少する程、エンジン回転数による補正量の差を大
きくした。
【0041】エンジン223には排気弁開度調整装置2
80が備えられ、排気ポート253の開度を調整し、低
負荷あるいは及び低速時これを流れる排気の流量を抑制
する排気弁281を有している。この排気弁281を作
動させるのはサーボモータ等のアクチュエータ282で
あって、このアクチュエータ282は制御装置391と
接続されている。
【0042】また、エンジン223には燃焼室圧力セン
サ300およびノックセンサ301が備えられ、燃焼室
圧力センサ300により燃焼室圧力が所定以上になる
と、点火タイミングを遅らせる。また、ノックセンサ3
01でノッキングが発生すると、振動を検知して点火タ
イミングを遅らせてノッキングの発生を防止し、ノッキ
ングの発生しなくなると元の点火タイミングに戻すよう
に制御する。
【0043】また、エンジン223にはクランク室圧力
センサ302、吸気管圧力センサ303、吸気管温度セ
ンサ304、排気管圧力センサ306、排気管温度セン
サ307が備えられ、これらのセンサからの情報に基づ
きエンジン制御装置257が点火タイミング、噴射タイ
ミング、噴射期間やオイル供給装置308等の制御を行
なう。
【0044】次に、インジェクタ264の構造、取付位
置や噴射方向および噴射タイミングについて図5に基づ
いて説明する。
【0045】シリンダボディ243及びシリンダヘッド
244には、ウォータジャケット950,951が形成
され、ウォータジャケット950,951を流れる冷却
水で排気タイミング可変式排気弁390及びインジェク
タ264を冷却する。また、シリンダボディ243に形
成された掃気通路252は、主掃気口252a1を有す
る主掃気通路252a及び副掃気口252b1を有する
副掃気通路252bからなっている。
【0046】ピストン245はスリーブ520に摺動可
能に設けられ、このピストン245には第1のリング溝
245a及び第2のリング溝245bが上下に形成さ
れ、第1のリング溝245aに第1のピストンリング5
21が、第2のリング溝245bに第2のピストンリン
グ522が係合されている。シリンダ側壁243aには
インジェクタ264がキャップ523を介して設けら
れ、キャップ523の前側と後側はそれぞれシール体5
24,525でシールされている。インジェクタ264
の先端部264aはスリーブ520に形成されて開口部
520aに臨むように配置され、このインジェクタ26
4の取付位置は次のように設定される。
【0047】シリンダ側壁243aのシリンダ周方向の
内、排気口254に対向する半分の領域、且つシリンダ
長手方向で排気口254よりシリンダヘッド244寄り
にインジェクタ264を配置している。シリンダ上端2
43bより取付位置までの距離をAとし、下死点にピス
トン245が位置する時のピストン頂部外周部までのシ
リンダ上端243bよりの距離をLとする時、ピストン
外周に少なくとも1つのピストンリングを嵌合させるリ
ング溝を設け、ピストン245が上死点にある時のシリ
ンダ上端243bよりリング溝の下端位置までの距離を
RSとする時、この実施例では、ピストン245が上死
点にある時のシリンダ上端243bより第1のピストン
リング521が嵌合する第1のリング溝245aの下端
位置までの距離をRSとする時、 RS<A<0.3L としている。
【0048】また、シリンダ上端243bより排気口2
54までの距離をESとする時、 0.35ES<A<0.65ES としている。
【0049】このように、所定の位置にインジェクタ2
64を取り付けることで、爆発行程の初期においてピス
トン245によりインジェクタ264ヘの熱負荷を低下
させつつ、且つ、従来のものより、長い噴射可能域を確
保可能である。
【0050】また、インジェクタ264から上下2つの
燃料噴射が行なわれ、下向噴射流Xは、主にピストン2
45の下死点から上死点ヘの上昇中のピストン頂部24
5cを目がけて燃料が噴射され、上向噴射流Yは点火プ
ラグ249を指向して燃料噴射が行なわれる。インジェ
クタ264からの噴射流Xがピストン頂部245cに衝
突後反射飛散し、ピストン頂部245cを冷却し、且つ
ピストン頂部245cで熱交換し気化が促進される。ま
た、上向噴射流Yは燃焼室249全体をできる限り均一
混合気とする作用があり、円滑な燃焼が可能である。
【0051】特に、始動時及び低負荷域においては、ピ
ストン温度が低く、スロットルバルブが絞られており掃
気流に起因する筒内流動も小さいので、X,Yの噴射流
のうち一方のみでは燃焼室249全体を均一混合気とす
ることは可能である。しかし、両噴射流X,Yにより均
一混合気を形成するので、より円滑な燃焼が可能であ
る。
【0052】また、上向噴射流Yにより、始動時シリン
ダ上方部に配置される点火プラグ249まわりに確実に
可燃混合気を形成するので始動性が向上する。
【0053】インジェクタ264から燃焼室248内に
燃料を噴射する噴射速度を、10m/s〜30m/sと
している。即ち、噴射流X,Yの流速は、10m/s〜
30m/sとされる。噴射流X,Yのいわゆる貫徹力を
燃料の拡散に必要とされる範囲で低く設定し、また燃料
圧力を低く設定している。
【0054】また、インジェクタ264から燃焼室24
8内に燃料を噴射する燃料噴射時の噴射孔の上流部の圧
力を、300KPa(キロパスカル)〜1000KPa
(キロパスカル)としている。
【0055】このように、インジェクタ264から燃焼
室248内に燃料を噴射する噴射速度を、10m/s〜
30m/sとすることで、燃料噴射後、ピストン頂部2
45cに到達するまでに十分な時間が確保でき、噴射燃
料の気化が促進できる。また、早くから燃料を噴射して
も、燃料が排気口254へ侵入することが防止される。
【0056】さらに、ピストン頂部245cを指向させ
る噴射流Xが掃気流により気筒内に発生するタンデム流
により乱される程、遅くはないため、ピストン頂部24
5cでの熱交換が可能で、噴射燃料の気化がより促進で
きる。
【0057】また、インジェクタ264から燃焼室24
8内に燃料を噴射する燃料噴射時の噴射孔の上流部の圧
力を、300KPa〜1000KPaとし、この圧力に
より噴射速度を、10m/s〜30m/sとすることが
可能である。
【0058】インジェクタ264は副掃気口252b1
よりシリンダヘッド244寄りに配置され、反射前の下
向噴射流Xは排気口254方向、ピストン頂部245c
を指向しており、排気口254がピストン245で閉じ
られた後は確実にピストン頂部245cに当たり、ピス
トン頂部245cで熱交換される。
【0059】下向噴射流Xの先端が排気口254に到達
する前に排気口254が閉じるように噴射開始タイミン
グを設定している。下向噴射流Xの先端面をX1で示
す。下向噴射流Xの全てをピストン245が排気口25
4を閉じる前にピストン頂部245cにぶつけるもので
は、跳ね返り後の噴射流の先端が排気口254に到達す
る前に排気口254が閉じ、このように噴射開始のタイ
ミングは設定される。
【0060】このように、インジェクタ264の配置
は、噴射位置が従来技術よりシリンダヘッド244寄り
であり、噴射はより長い距離を飛翔する。この間に、燃
料は燃焼室248内の熱的雰囲気と熱交換し、ピストン
頂部245c等に衝突する前にも熱交換させることがで
きる。
【0061】次に、図1乃至図5の実施例に用いられる
インジェクタの構造を、図6及び図7に基づいて説明す
る。
【0062】インジェクタ264はインジェクタハウジ
ング350を有し、このインジェクタハウジング350
の後端部には蓋体351が嵌合され、さらにインジェク
タハウジング350内にはコイル352を備えたコア3
53が配置されている。蓋体351は樹脂性のキャップ
354で覆われ、キャップ354のコネクタ354aに
コア353に接続したリード線355が設けられ、この
リード線355がコネクタ354aで駆動電源側と接続
される。蓋体351にはパイプ356が挿入され、蓋体
351の燃料入口351aから供給された燃料は、パイ
プ356を介してインジェクタハウジング350内の燃
料室357に導かれる。
【0063】インジェクタハウジング350の先端部に
ニードルハウジング358がニードルストッパ359を
介して嵌合され、シール体360でシールされている。
ニードルハウジング358の先端部にはノズル361が
嵌合され、このノズル361には噴射通路361aが形
成され、さらに噴射通路361aに連通して上向き噴射
孔361bと下向き噴射孔361cが形成されている。
上向き噴射孔361bの直径D1より下向き噴射孔36
1cの直径D2が大きく形成され、上向き噴射孔361
bより下向き噴射孔361cからの燃料噴射量が多く設
定される。
【0064】ニードルハウジング358内にはニードル
362が移動可能に配置され、ニードル362には可動
体363が固定されている。ニードル362には切欠に
より燃料通路362aが形成され、ニードルストッパ3
59には切欠により燃料通路359aが形成され、可動
体363にも燃料通路363aが形成されている。蓋体
351と可動体363との間に圧縮スプリング364が
配置され、この圧縮スプリング364で可動体363を
介してニードル362がニードルハウジング358の弁
座358aを常に閉じる方向へ付勢され、噴射通路36
1aを閉じ燃料噴射できない状態になっている。コア3
53に配置されたコイル352に電源を与えると、コイ
ル352による電磁力で可動体363が圧縮スプリング
364に抗して吸引されて弁座を開く方向へ移動し、噴
射通路361aを開き、燃料噴射が行なわれる。このと
きニードル362に形成したストッパフランジ362b
がニードルストッパ359に当接して位置規制される。
【0065】インジェクタ264は、調圧弁にて圧力調
整され、調圧圧力P0が600〜650KPa(キロパ
スカル)に調圧されるので、ニ−ドル362が弁座35
8aを押圧する時、ニ−ドルハウジング358内の燃料
溜まり358bの燃料圧力P1も同じ600〜650K
Pa(キロパスカル)となる。ニ−ドル362が弁座3
58aから離れる程、インジェクタ264内を流れる流
速が増し、圧力降下により燃料溜まり358bの圧力が
低下する。燃料溜まり358bの圧力は、ニ−ドル36
2と弁座358aとの間を通過する時さらに圧力降下す
るので、噴射通路361aの燃料圧力P2は、燃料溜ま
り358bの圧力P1の約1/2程度となる。
【0066】この噴射通路361aの燃料圧力P2は、
インジェクタ264から燃焼室29内に燃料を噴射する
燃料噴射時の噴射孔361b,361cの上流部の圧力
であり、ニ−ドル362が最大開度位置にて圧力P2
を、300KPa〜1000KPaとし、この圧力P2
により噴射速度を、10m/s〜30m/sとすること
が可能である。
【0067】即ち、噴射通路361aの圧力P2と燃焼
室248内圧との差圧に、300KPa〜1000KP
aに基づく流速で燃料が燃焼室248へ噴射される。こ
の時の流速が、10m/s〜30m/s、望ましくは2
0m/s程度になるように各部の圧力降下あるいは調圧
弁が設定される。
【0068】次に、図8及び図9に基づいて請求項1及
び請求項2記載の発明について説明する。図8はインジ
ェクタの燃料噴射を示す概略平面図、図9はインジェク
タの燃料噴射の制御ブロック図である。
【0069】請求項1記載の発明の燃料噴射式2サイク
ル内燃機関は、燃料をインジェクタ264から燃焼室2
48内に噴射し、この噴射により燃焼室248内に形成
される混合気に点火プラグ249に発生させる火花によ
り燃焼開始させる。インジェクタ264は、図8に示す
ように、排気口254に対向する反対側半分のシリンダ
側壁243aに配置される。即ち、インジェクタ264
は中心面L3より副掃気口252b1側に配置される。
排気ガスを排出する排気口254には、排気タイミング
可変式排気弁390が配置されている。
【0070】また、インジェクタ264は、図7に示す
ように噴射通路361aを挟んで、図中上下の位置に上
向き噴射孔361bと下向き噴射孔361cが形成され
ている。シリンダをピストン頂部方向から視る時、ピス
トン頂部245cを指向する下向き噴射孔361cから
の噴射流Xの投影が排気口254の位置と交わってい
る。
【0071】噴射孔361bと下向き噴射孔361cは
いずれも真円であり、噴射孔361bより下向き噴射孔
361cが大径に形成され、これによりピストン頂部2
45cを指向する噴射流Xの燃料量が、インジェクタ2
64より上方を指向する噴射流Yの燃料量より多く、燃
焼時の熱が滞留しホットスポットとなっているため、ピ
ストン頂部245cを指向する噴射流の燃料の気化がよ
り確実に促進される。
【0072】下向き噴射孔361cが真円であり、図8
に示す平面において、ピストン頂部245cにおける噴
射流Xの衝突部はWで示すことができ、ピストン頂部2
45cを指向する噴射流Xの全てがピストン頂部245
cと衝突し、ピストン頂部245cを指向する噴射流X
の燃料の気化がより確実に促進される。なお、衝突部W
の前端R1、後端R2は、ピストン245の上昇にとも
ない、インジェクタ264の方に移動する。なお、噴射
流361b,361cは、真円でなくともよい。
【0073】制御手段であるエンジン制御装置257
は、図9に示すように、スロットル開度センサ275か
らのスロットル開度情報と、エンジン回転数センサ26
7からのエンジン回転数情報に基づき、点火回路25
6、インジェクタ264及び排気タイミング可変式排気
弁390を制御し、高負荷時、噴射量を増加すべく燃料
噴射期間を長くして燃料噴射量を増加するとともに、噴
射開始タイミングそのものは、図4(a)に示すように
負荷の増加とともに遅らせる。
【0074】このように、ピストン頂部245cを指向
する下向き噴射孔361cからの噴射流の投影が排気口
254の位置と交わっており、しかも高負荷時、噴射量
を増加すべく燃料噴射期間を長くして燃料噴射量を増加
するとともに、噴射開始タイミングそのものは、負荷の
増加とともに遅らせることで、排気口254からの新気
の吹き抜け量が軽減して高負荷時における性能及び燃費
を向上させることができる。
【0075】図10及び図11は燃料噴射式2サイクル
内燃機関の他の実施の形態を示す図である。この実施の
形態では、インジェクタ264の配置及び制御は、図1
乃至図9の実施の形態と同様に構成されるが、排気ポー
ト253の上方位置に副排気ポート900が形成され、
この副排気ポート900に排気タイミング可変式排気弁
390が配置されている。排気タイミング可変式排気弁
390は、所定負荷A以下の低負荷において、負荷の低
下とともに副排気ポート900をより大きく開き、排気
タイミングを進角し、新気の充填効率を向上しつつ既燃
焼残留ガス量を減らして失火を防止できる。また、排気
タイミング可変式排気弁390は、所定負荷Aより大き
い所定中負荷B以上の中高負荷域において負荷の増加と
ともに副排気ポート900をより大きく開き、排気タイ
ミングを進角L、排気の排出性を向上することによりエ
ンジン出力を向上できる。また、中高負荷域においてエ
ンジン回転数が大きい程、副排気ポート900をより大
きく開くように補正し、低負荷域においては、エンジン
回転数が小さい程、副排気ポート900をより大きく開
くように補正する。これによりよりエンジン性能、燃
費、回転安定性、排気清浄性を向上することができる。
【0076】なお、図11(a)にスロットル開度と排
気タイミング可変式排気弁390の弁開度の関係をエン
ジン速度をパラメータとして図示した。また、図11
(b)に排気タイミング可変式排気弁390の弁開度と
噴射開始タイミングの関係をスロットル開度すなわち負
荷域をパラメータとして図示した。
【0077】なお、更に、以上の実施の形態において、
点火プラグ249において両サイクル火花を発生してい
るが、燃料を噴射しないことにより燃焼しない失火サイ
クルにおいて火花を発生させないようにしても良い。
【0078】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明で
は、排気口が閉じた時に排気口側のシリンダ壁に到達す
る噴射燃料が、排気口側の高温雰囲気のシリンダ壁によ
り気化し、より確実に混合気を燃焼室内に形成できる。
且つ、所定負荷以上の中高負荷域において、噴射開始タ
イミングも遅れるので、噴射される燃料が排気口に到達
する時には排気口を閉じている状態にすることができ、
燃料の吹き抜けを防止できる。また、噴射燃料は早く気
化し、点火前までに燃焼室内に均一な混合気を形成で
き、点火後の燃焼が速まり、排気口が開く前に燃焼を完
了できるので、中高負荷域における性能及び燃費を向上
できる。また、低負荷域においては排気タイミングが早
められ、掃排気による充填効率が向上し、失火が減り回
転が安定するとともに、失火が滅ることによる燃費向上
を図ることができる。
【0079】請求項2記載の発明は、低負荷時における
噴射開始タイミングを、所定負荷以上の中高負荷域にお
いて同一排気タイミングとなる時の噴射開始タイミング
より遅らせ、点火直前において、点火プラグ近傍に濃混
合気を形成でき、点火により希薄燃焼あるいはそれに近
い予混合燃焼が発生することにより、噴射燃料は確実に
燃焼しCO2や水蒸気に変化し、排気清浄性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射式2サイクル内燃機関を自動二輪車に
搭載した実施の形態の概略構成図である。
【図2】燃料噴射式2サイクル内燃機関の縦断面図であ
る。
【図3】シリンダ側壁噴射の燃料及び空気のフローチャ
ートである。
【図4】排気タイミング及び噴射開始タイミングの特性
図である。
【図5】燃料噴射式2サイクル内燃機関の気筒上部の縦
断面図である。
【図6】インジェクタの断面図である。
【図7】インジェクタの先端部の断面図である。
【図8】インジェクタの燃料噴射を示す概略平面図であ
る。
【図9】インジェクタの燃料噴射の制御ブロック図であ
る。
【図10】燃料噴射式2サイクル内燃機関の他の実施の
形態を示す図である。
【図11】排気弁開度すなわち排気タイミング及び噴射
開始タイミングの特性図である
【符号の説明】
245 ピストン 245c ピストン頂部 248 燃焼室 249 点火プラグ 254 排気口 257 エンジン制御装置(制御手段) 264 インジェクタ 261c 噴射孔 390 排気タイミング可変式排気弁 X 噴射流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 9/04 F02D 9/04 H C 13/02 13/02 G A 41/04 335 41/04 335C F02M 61/14 310 F02M 61/14 310H 310S 61/18 320 61/18 320C 360 360J 69/04 69/04 P 69/10 69/10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ側壁に排気口と、排気ポートを設
    け、この排気ポートに排気タイミング可変式排気弁を配
    置する一方、燃焼室をピストン頂部方向から視る時、イ
    ンジェクタの噴射孔から燃焼室に噴射される燃焼噴射流
    の投影が前記排気ポートの位置と交わるように、インジ
    ェクタを燃焼室壁に配置し、燃料の噴射により燃焼室内
    に形成される混合気に点火プラグに発生する火花により
    焼焼開始させる燃料噴射式2サイクル内燃機関におい
    て、少なくとも所定負荷以上の中高負荷域において負荷
    の増加とともに排気タイミングを進める一万、高負荷程
    燃料噴射量を増加するとともに、噴射開始タイミングそ
    のものは、前記所定負荷以上の中高負荷域において、負
    荷の増加とともに遅らせる一方、低負荷時における排気
    タイミングを前記所定負荷における排気タイミングより
    進めるよう制御するとともに、低負荷時における噴射開
    始タイミングを、前記所定負荷以上の中高負荷域におい
    て同一排気タイミングとなる時の噴射開始タイミングよ
    り遅らせるよう制御する制御手段を備えることを特徴と
    する焼料噴射式2サイクル内燃機関。
  2. 【請求項2】インジェクタに前記点火プラグ近傍を指向
    する燃科噴射流を発生させる噴射孔を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の燃料噴射式2サイクル内燃機
    関。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8453438B2 (en) 2007-09-28 2013-06-04 Honda Motor Co., Ltd. Exhaust control device for vehicle engine
JP2017044174A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 燃料噴射弁

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