JP2774779B2 - 自動車用リーンバーンエンジン - Google Patents

自動車用リーンバーンエンジン

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JP2774779B2
JP2774779B2 JP6766995A JP6766995A JP2774779B2 JP 2774779 B2 JP2774779 B2 JP 2774779B2 JP 6766995 A JP6766995 A JP 6766995A JP 6766995 A JP6766995 A JP 6766995A JP 2774779 B2 JP2774779 B2 JP 2774779B2
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太 西岡
徹志 細貝
憲児 岡
秀志 寺尾
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies
    • Y02T10/125
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸発燃料供給手段を備
えた自動車用リーンバーンエンジンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンクから蒸発する燃料が
大気に放出されることを避けるため、蒸発燃料をエンジ
ンの吸気系に導入して燃焼室に供給する蒸発燃料供給手
段を備えたエンジンは従来から知られている。例えば、
特開平4−350352号公報には、加圧用エアポンプ
により圧縮した空気をエアアシスト式インジェクタに送
り、燃料噴射とともに空気噴射を行うエアアシストシス
テムを備えたエンジンにおいて、キャニスタのパージポ
ートを上記加圧用エアポンプの吸気口に接続することに
より、蒸発燃料を上記インジェクタに送るようにした蒸
発燃料処理装置が示されている。また、吸気通路のサー
ジタンク等に蒸発燃料を導くようにしたものも一般に知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃費改善の
ための技術として、エンジンの低速低負荷等の所定運転
領域で空燃比をリーンに設定して、リーンバーン(希薄
燃焼)を行なうリーンバーンエンジンが種々開発されて
いる(例えば特開昭59−208141号公報参照)。
燃費改善の効果を高めるためには、リーン状態での着火
性、燃焼性を向上し、リーン限界(トルク変動が許容限
界となる空燃比)を高め、このリーン限界の近傍の高リ
ーンの空燃比でリーンバーンを行うことが望ましく、こ
のように高リーン化すればNOx排出量の抑制にも有利
となる。
【0004】このようなリーンバーンエンジンで蒸発燃
料処理装置を備えたものは、一般に、リーンバーンを行
う運転領域では燃焼安定性を保つため蒸発燃料を使用し
ないようにしているが、このようにすると、リーン運転
中に、キャニスタに蓄えきれない蒸発燃料が大気に排出
されて実質的な燃費を悪化させる。
【0005】そこで、リーンバーン運転時にも燃焼室へ
の蒸発燃料の供給を行うことが望まれるが、このように
する場合、各気筒に対する蒸発燃料の分配性が良くない
とトルク変動を招き易い。また、リーンバーン状態での
燃焼性向上のためには混合気の成層化を行なうことが効
果的であるが、蒸発燃料の供給によって成層化が損なわ
れるとリーン限界が低下するというような問題がある。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、リーン限界
の近傍の高リーンの空燃比に設定されるような運転領域
でも蒸発燃料を使用するようにして実質的な燃費を改善
し、しかも、このように蒸発燃料を使用しつつ、リーン
バーン時の燃焼安定性を高めるとともに、成層化により
リーン限界を向上することができる自動車用リーンバー
ンエンジンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、エンジンに供給される混合気の空燃比を理論空燃比
よりもリーンで、かつトルク変動が許容限界となる空燃
比の近傍の所定リーン空燃比に設定した運転領域を有す
る自動車用リーンバーンエンジンにおいて、燃料系で発
生する蒸発燃料を各気筒毎の独立吸気通路の各所定位置
にそれぞれ接続された通路に導いて上記各独立吸気通路
に送り込む蒸発燃料供給手段と、燃焼室内にスワールを
生じさせるスワール生成手段と、少なくとも上記所定リ
ーン空燃比の運転領域で上記蒸発燃料供給手段及びスワ
ール生成手段を作動させる制御手段とを設けるととも
に、上記蒸発燃料供給手段が作動状態にあるときに各独
立吸気通路への蒸発燃料の導入が各気筒の吸気行程で行
われるように構成したものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の自動車用リーンバーンエンジンにおいて、上記蒸発燃
料供給手段が、デューティ制御されて蒸発燃料供給量を
調節する制御弁を有するとともに、この制御弁より下流
に拡大室を有するものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の自動車用リーンバーンエンジンにおいて、上
記各独立吸気通路にそれぞれ燃料供給用のインジェクタ
を設け、各インジェクタからの燃料噴射を各気筒の吸気
行程で行わせるようにしたものである。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の自動車用リーンバーンエンジンにおいて、上記各独立
吸気通路にそれぞれ燃料供給用のインジェクタを設け、
かつ上記各インジェクタの噴口近傍に燃料微粒化用のエ
アを供給するエア供給通路を設けるとともに、蒸発燃料
を上記エア供給通路に導いて各独立吸気通路に送り込む
ように蒸発燃料供給手段を構成したものである。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の自動車用リーンバーンエンジンにおいて、下流側が分
岐して上記各インジェクタに接続されたエア供給通路の
分岐部より上流側に拡大室としてのチャンバーを介設す
るとともに、このチャンバーに、蒸発燃料を導く通路を
接続したものである。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
のいずれかに記載の自動車用リーンバーンエンジンにお
いて、蒸発燃料を上記各独立吸気通路に送り込む通路の
下流端部にオリフィスを設けたものである。
【0013】
【作用】請求項1に記載のエンジンによると、所定リー
ン空燃比とされる運転領域でも蒸発燃料の供給が行なわ
れて大気への蒸発燃料の排出が抑制されることにより、
実質上の燃費がより一層改善される。しかも、気筒別の
各独立吸気通路に蒸発燃料が送り込まれることにより、
各気筒に対して均等に蒸発燃料が供給されて気筒間の空
燃比のばらつきが小さくなり、リーンバーン運転時のト
ルク変動の増大が抑制される。さらに、リーンバーン運
転時にスワールが生成されるとともに蒸発燃料の導入が
吸気行程で行なわれることにより、混合気の成層化によ
る燃焼性向上にも有利となる。
【0014】この発明において、請求項2に記載のよう
に、デューティ制御されて蒸発燃料供給量を調節する制
御弁より下流に拡大室を有するようにしておけば、上記
制御弁の作動に伴う脈動が上記チャンバーで吸収され、
蒸発燃料の分配性及びコントロール性が向上されること
により、リーンバーン運転時のトルク変動を抑制する作
用が高められる。
【0015】また、請求項3に記載のようにインジェク
タからの燃料噴射を各気筒の吸気行程で行わせるようし
ておくと、リーンバーン運転時に、インジェクタからの
燃料供給および蒸発燃料の導入がともに吸気行程で行な
われることにより、成層化が良好に行なわれて燃焼性が
向上される。
【0016】また、請求項4に記載のように各独立吸気
通路のインジェクタにエアを供給するエア供給通路を設
けるとともに、蒸発燃料を上記エア供給通路に導くよう
にすると、燃料微粒化のためのエア供給通路が蒸発燃料
の供給にも利用され、かつ、ミキシングエアによって蒸
発燃料が希釈されるため、蒸発燃料供給量のコントロー
ルが容易になる。さらに、請求項5に記載のように上記
エア供給通路にチャンバーを介設しておくと、このチャ
ンバー内で蒸発燃料とミキシングエアとが均一に混合さ
れて蒸発燃料の分配性が向上される。
【0017】また、請求項6に記載のように蒸発燃料を
上記各独立吸気通路に送り込む通路の下流端部にオリフ
ィスを設けておくと、上記オリフィスで独立吸気通路側
からの圧力波の伝播が抑制されることにより、気筒間干
渉による蒸発燃料の分配性の悪化が防止される。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
先ず、本発明の一実施例によるリーンバーンエンジンの
概略を図1によって説明する。この図において、1はエ
ンジン本体であり、その各気筒には燃焼室2が形成さ
れ、この燃焼室2には、後に詳述するような第1,第2
の吸気ポート3,4及び第1,第2の排気ポート5,6
が開口し、これらのポート3〜6に吸気弁7,8及び排
気弁9,10が装備されている。
【0019】また、エンジンの吸気系20は、吸気マニ
ホールド21と、その上流側の共通吸気通路30とを備
え、共通吸気通路30には上流側から順にエアクリーナ
31、熱式エアフローセンサ32及びスロットル弁33
が配設されている。さらに、上記スロットル弁33をバ
イパスする吸気バイパス通路34が形成されている。こ
の吸気バイパス通路34は、アイドル時等に吸入空気量
を調節するためのISC通路35と冷間時の吸入空気量
増量のためのエア通路36とを含んでいる。上記ISC
通路35には、デューティ制御されてISC通路35の
空気流量をコントロールするISCバルブ37が設けら
れ、また、上記エア通路36には冷間時に開く温度感応
型バルブ38が設けられている。
【0020】また、吸気系20の下流側の吸気ポート付
近には、各気筒別に燃料を噴射供給するインジェクタ4
0が設けられるとともに、第2吸気ポート4を開閉する
開閉弁41が設けられている。この開閉弁41は負圧応
動式のアクチュエータ42により作動され、これに対す
る駆動系には、吸気マニホールド21のサージタンクか
ら導入した負圧を蓄えるバキュームタンク43と、この
タンク43とアクチュエータ42との間に配置されてア
クチュエータ42に対する負圧の給排を行なう電磁弁4
4等が設けられている。
【0021】上記インジェクタ40は、噴口近傍にミキ
シングエアを供給することにより燃料を微粒化するよう
にした所謂AMI(エアミクスチャータイプインジェク
タ)である。このインジェクタ40に対し、燃料タンク
45から燃料ポンプ46及びフィルター47を介して燃
料を供給する燃料供給通路48、プレッシャレギュレー
タ49が介設されたリターン通路50等からなる燃料供
給系が設けられるとともに、後に詳述するようなミキシ
ングエア供給系及び蒸発燃料供給系が設けられている。
【0022】一方、排気系には、混合気の空燃比に対応
する排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ6
0と、触媒装置61とが設けられている。上記酸素濃度
センサ60は、リーン空燃比の検出も可能なように、排
気ガス中の酸素濃度に略比例した出力が得られるように
なっている。また、上記触媒装置61は、理論空燃比よ
りもリーンな空燃比でもNOxを還元する機能を有する
ものであり、具体的には、当出願人において以前に出願
した特願平5−126552号に記載されている触媒装
置が用いられる。すなわち、この触媒装置61における
触媒は、活性種担持母材に、貴金属が活性種として担持
されたものである。好ましくは、ゼオライトを活性種担
持母材とし、これにIr及びPtを活性種として担持さ
せ、あるいはIr,Pt及びRtを活性種として担持さ
せて形成する。
【0023】また、空燃比制御等のための各種検出要素
としては、上記エアフローセンサ32、酸素濃度センサ
60のほかに、スロットル弁の開度を検出するスロット
ル開度センサ62、スロットル全閉を検出するアイドル
スイッチ63、吸気温を検出する吸気温センサ64、エ
ンジン水温を検出する水温センサ65、エンジンのノッ
キングを検出するノックセンサ66等が設けられ、さら
に点火系のディストリビュータ67には、クランク角信
号を出力するクランク角センサ68、及び気筒判別信号
を出力する気筒判別センサ69が設けられている。
【0024】これらの検出要素からの信号は、エンジン
制御用のコントロールユニット(ECU)70に入力さ
れている。そして、上記コントロールユニット70によ
り上記インジェクタ40からの燃料噴射量及び噴射タイ
ミングが制御され、さらに上記ISCバルブ37、上記
開閉弁41の駆動系における電磁弁44、上記インジェ
クタ40に対するミキシング用エア供給系に設けられた
後記エア制御バルブ51、蒸発燃料供給系に設けられた
後記パージソレノイドバルブ58等もコントロールユニ
ット70によって制御されるようになっている。
【0025】次に、上記リーンバーンエンジンの各部の
具体的構造を説明する。
【0026】図2〜図4はエンジン本体の具体的構造を
示している。これらの図に示すように、エンジン本体1
の各気筒においては、基本的には、第1,第2吸気弁
7,8が開かれたときに第1,第2吸気ポート3,4か
ら燃焼室2内に混合気が吸入され、この混合気がピスト
ン11で圧縮された後に点火プラグ12によって着火、
燃焼させられ、第1,第2排気弁9,10が開かれたと
きに燃焼ガスが第1,第2排気ポート5,6から排出さ
れるようになっている。そして、上記第1吸気ポート
(以下、Pポートという)3にインジェクタ40が設け
られる一方、上記第2吸気ポート(以下、Sポートとい
う)4もしくはその上流の通路(後記S側分岐通路23
s)に、運転状態に応じて開閉制御される開閉弁41が
設けられている。
【0027】上記Pポート3、Sポート4及び開閉弁4
1によりスワール生成手段が構成され、上記開閉弁41
が閉じられたときにPポート3からの吸気により燃焼室
2内にスワールが生成されるようになっている。当実施
例では、タンブル・スワールコントロールバルブとして
の上記開閉弁(以下、TSCバルブという)41が閉じ
られたときに、タンブル(縦渦)とスワール(横渦)と
を複合させた強力な螺旋状の斜めスワールが燃焼室2内
に生成されるように、ポート配置やポート形状等が設定
されている。
【0028】具体的に説明すると、上記Pポート3及び
Sポート4は、吸気流れ方向上流部において略直線状に
延びるストレート部3a,4aと、このストレート部3
a,4aの下流端近傍において下方に湾曲してそれぞれ
の弁座13,14に至る湾曲部3b,4bとによって構
成されている(図3,図4参照)。そして、上記Pポー
ト3及びSポート4におけるそれぞれのストレート部3
a,4aのポート中心線Lp1,Ls1の延長線が、上
記弁座13,14と第1,第2吸気弁7,8の最大リフ
ト時において燃焼室2の中心側に位置する弁端部7a,
8aとの間を通るように設定されている。これにより、
P,Sポート3,4から燃焼室2に供給される吸気の流
通抵抗が低減する。なお、上記ポート中心線Lp1,L
s1の延長線が上記弁座13,14と弁端部7a,8a
との中心を通るように設定するのが最適である。
【0029】上記燃焼室2はペントルーフレンズ型燃焼
室とされており、上記吸気弁7,8と排気弁9,10と
のバルブ挾み角θは30°程度に狭くされ、DOHC直
接駆動タイプの動弁機構(図示せず)によって駆動され
るようになっている。また、第1吸気弁7のバルブ中心
線L1とPポート3のスロート中心線Lp1とのなす角
度(スロートオフセット角α1)は比較的大きく、第2
吸気弁8のバルブ中心線L2とSポート4のスロート中
心線Ls1とのなす角度(スロートオフセット角α2)
は比較的小さく設定されており、例えばα1=30°、
α2=12°とされている。このようにして、Pポート
3のみから吸気が行なわれるときには傾斜角(シリンダ
中心線とのなす角度)γが35°〜55°の渦流Sが生
成されるようになっている。また、Sポート4は燃焼室
2内にタンブルTを生成するようになっている。
【0030】また、上記両吸気弁7,8は、それぞれ、
弁軸部7b,8bと傘部7c,8cとからなり、傘部7
c,8cの下面が燃焼室2の天井面と平行となるように
配置されている。第1吸気弁7のバルブ傘角(傘部の下
面と上面のなす角)β1は第2吸気弁8のバルブ傘角β
2よりも大きく設定されている。これにより、バルブリ
フト時における第1吸気弁7とPポート3のスロート部
との間の流路が第2吸気弁8とSポート4のスロート部
との間の流路よりも狭くなり、従って、Pポート3側で
は吸気流速が高められ、Sポート4側では流量が確保さ
れる。
【0031】さらに、Pポート3の出口下部にはポート
エッジ15が形成され、かつ、燃焼室2における第1吸
気弁7回りにはスキッシュエリア16が形成されてお
り、これらによってPポート3から排気弁側への吹出流
速が高められるようになっている。
【0032】このような燃焼室、吸気ポートの構造によ
ると、Pポート3からの吸気によってタンブルとスワー
ルとを複合させた強力な渦流が得られること等により、
燃焼速度が遅くなる傾向があるリーンバーン状態でも、
均一混合気形成と燃焼速度向上とが両立されて良好な燃
焼状態が得られる。
【0033】つまり、図6に示すように、スワールは、
吸気から圧縮行程前半にかけての乱れ強さが大きくて、
混合気均一化の効果が大きいが、圧縮行程後期の乱れ強
さは小さくなり、逆にタンブルは、圧縮行程前半の乱れ
強さは小さいが圧縮行程後期の乱れ強さが大きくなる。
そして、上記の吸気ポート構造による場合は、スワール
とタンブルとの両方の利点が得られて吸気行程から圧縮
行程までにわたる平均乱流強度が高められる。図5はス
ワール比Sr が3.3の場合と4.2の場合とにつき、
スワール傾斜角(スワールの中心線とシリンダ中心線と
のなす角)γと平均乱流強度Rとの関係を示しており、
この図に示すように、スワール比Srを約3以上とする
とともにスワール傾斜角γを35°〜55°の範囲と
し、特に望ましくは45°とすることにより、平均乱流
強度が大幅に高められ、混合気均一化及び燃焼速度が向
上される。
【0034】ここで、上記スワール比の定義及び求め方
を説明しておく。上記スワール比とは、一般的には気筒
内の混合気(吸入空気)の横渦の旋回数をエンジン回転
数で割った値で定義される。
【0035】そして、混合気の横渦の旋回数は、例えば
図7に示すようなボア径がDであるエンジンにおいて
は、シリンダヘッド下面F1 から1.75Dの距離だけ
下方の位置F2 にインパルススワールメータ80を配置
し、このインパルススワールメータ80に作用するトル
ク(インパルススワールメータトルク)を検出し、この
インパルススワールメータトルクに基づいてよく知られ
た手法で算出する。なお、図7において、F3 は下死点
位置にあるピストン11の頂面を示している。
【0036】インパルススワールメータトルクは、次の
ような手順で測定する。すなわち、上記F2 の位置にイ
ンパルススワールメータ80を配置し、ピストン頂面に
作用するスワールのエネルギーをインパルススワールメ
ータ80で再現させることによって、通常時においてピ
ストン頂面付近にどの程度の旋回エネルギーが存在する
かを測定する。インパルススワールメータ80は多数の
ハニカムを備えていて、インパルススワールメータ80
にスワールが作用すると、各ハニカムにそれぞれスワー
ル流れ方向の力が作用し、各ハニカムにかかる力を積算
することによって全体に作用するインパルススワールメ
ータトルクGを算出する。
【0037】より詳しくは、吸気弁が開いてから下死点
までの期間は燃焼室2内に混合気が吸入されていると仮
定すると、この期間中は混合気が燃焼室2の内周面に沿
って旋回し、その旋回速度が下死点位置で最大となる。
従って、吸気弁が開き始めてから下死点までの各クラン
ク各毎の角運動量を積算すれば、スワール比が求まるこ
とになる。かかる知見に基づいて、本例においては、ス
ワール比Srを次の(1)式及び(2)式によって算出するよ
うにしている。
【0038】
【数1】 Sr=ηv・{D・S・∫(cf・Nr・dα)}/{n・d2・(∫cf・dα)2} ……(1) Nr=8・G/(M・D・V0) ……(2) ただし、Srはスワール比、ηvは体積効率(ηv=
1)、Dはボア径、Sはストローク、nは吸気弁数、d
はスロート径、cfは各バルブリフトに対する流量係数、
Nrは各バルブリフトに対する無次元リグスワール値、
αはクランク角、Gはインパルススワールメータトル
ク、Mは吸気行程中にシリンダ内に充填された空気の質
量、V0は速度ヘッドである。
【0039】なお、上記(2)式は、次のような手順で導
き出される。
【0040】
【数2】G=I・ωr ……(3) I=M・D2/8 ……(4) (4)を(3)に代入 G=M・D2・ωr/8 ……(5) (5)より D・ωr=8・G/(M・D) ……(6) ところで Nr=D・ωr/V0 ……(7) (6)を(7)に代入 Nr=8・G/(M・D・V0) ただし、Iは吸気行程終期(ピストン下死点)における
シリンダ内の空気の慣性モーメント、ωrはリグスワー
ル値である。
【0041】また、図2〜図4に示す構造によると上記
のようにスワール比及びスワール傾斜角が設定されるこ
とで平均乱流強度が高められることに加え、P,Sポー
ト3,4の形状、角度、バルブ傘角β1,β2等が前述
のように設定されることにより、Pポート3からの吸気
流速が高められるとともに、流量係数が小さく抑えら
れ、充填効率の向上にも寄与する。
【0042】なお、着火性を阻害しない範囲で燃焼速度
を高めるため、平均乱流強度は1.5〜2.5m/sとす
ることが好ましい。また、リーンバーン状態での燃焼時
間の短縮化のため、燃焼室2はS/V比が小さくなる形
状を選定し、可及的に火炎伝播距離を短くするコンパク
ト燃焼室とする。
【0043】図8は、図1中に示したエアミクスチャー
タイプインジェクタ(AMI)40に対するミキシング
エア供給系及び蒸発燃料供給系を示している。この図に
おいて、複数気筒(例えば4気筒)の各独立吸気通路
(実施例ではPポート)に対してそれぞれインジェクタ
40が設置され、これらのインジェクタ40に対するミ
キシングエア供給系にはエア制御バルブ51を備えたA
MI用エア供給通路52が設けられている。このAMI
用エア供給通路52は、上流側が前記吸気バイパス通路
34に接続され(図1参照)、下流側が分岐して各イン
ジェクタ40に接続されている。上記エア制御バルブ5
1はアイドル時に閉じ、それ以外のときにエアをインジ
ェクタ40に供給するようになっている。
【0044】さらに上記AMI用エア供給通路52に
は、エア制御バルブ51をバイパスするバイパス通路5
3が接続され、このバイパス通路53にはアイドル時に
微量エアを流すオリフィス54が設けられている。
【0045】また、蒸発燃料供給系(蒸発燃料供給手
段)は、蒸発燃料を各気筒毎の独立吸気通路の各所定位
置にそれぞれ接続された通路に導いて上記各独立吸気通
路に送り込むように構成され、当実施例では、AMI用
エア供給通路52を利用して蒸発燃料を各独立吸気通路
に送り込むようになっている。
【0046】具体的に説明すると、上記蒸発燃料供給系
は、キャニスタ56(図1参照)から延びるパージ通路
57を備え、このパージ通路57に、デューティ制御さ
れて蒸発燃料供給量を調節する制御弁としてのパージソ
レノイドバルブ58が設けられている。上記パージ通路
57はAMI用エア供給通路52の分岐点上流に形成さ
れたチャンバー55に接続されている。このような通路
構成により、上記チャンバー55より下流のAMI用エ
ア供給通路52が蒸発燃料流通経路の一部に兼用され、
蒸発燃料流通経路の途中に上記チャンバー55からなる
拡大室が介在するようになっている。そして、燃料タン
ク等において発生しキャニスタ56にトラップされた蒸
発燃料は、上記パージソレノイドバルブ58が開かれた
ときにパージ通路57、チャンバー55及びAMI用エ
ア供給通路52を通って各インジェクタ40に導かれ、
吸気行程中に燃料噴霧とともに各独立吸気通路に送り込
まれ、各気筒の燃焼室2に供給される。
【0047】図9及び図10は、上記インジェクタ40
の具体的構造を示している。これらの図において、エン
ジンのシリンダヘッド1aには、上記Pポート3に連通
するインジェクタ取付孔400が形成され、このインジ
ェクタ取付孔400にインジェクタ40が嵌合されてい
る。このインジェクタ40の先端側部分401は噴口を
囲繞するように筒状に形成され、この先端側部分401
と上記インジェクタ取付孔400の周壁との間に環状の
エア導入空間402が形成されるとともに、このエア導
入空間402と外部のエア供給通路とを連通するエア導
入ポート403がシリンダヘッド1aに形成されてい
る。さらに、上記インジェクタ40の先端側部分401
には、その内側の噴口前方の空間と上記エア導入空間4
02とを連通する連通孔404が放射状に配設され、こ
の連通孔404にオリフィス405が形成されている。
【0048】そして、上記インジェクタ40の噴口から
上記Pポート3へ向けて所定タイミングで燃料が噴射さ
れるとともに、噴口前方の空間に吸気負圧が作用したと
きに、上記エア導入空間402に導入されたエアが上記
オリフィス405から噴口前方の空間に噴出し、このエ
アにより噴射燃料がミキシングされる。また当実施例で
は、前記パージソレノイドバルブ58(図8参照)が開
かれたときに、蒸発燃料も上記エア導入空間402に導
入されて上記オリフィス405から噴出するようになっ
ている。
【0049】上記オリフィス405は、本来の機能とし
てはミキシングエアの流速を高めて燃料の微粒化を促進
するものであるが、当実施例では、蒸発燃料を上記各独
立吸気通路に送り込む通路の下流端部に位置するオリフ
ィスとして、後述のように吸気脈動を遮断する機能も有
する。
【0050】また、図1中に示したコントロールユニッ
ト70による空燃比の制御、インジェクタ40からの燃
料噴射タイミングの制御、上記スワール生成手段の制御
及び蒸発燃料供給手段の制御は、次のように行われる。
【0051】空燃比の制御としては、特定運転領域で、
空燃比が希薄燃焼限界(トルク変動が許容限界となる空
燃比)の近傍の所定リーン空燃比となるように設定され
る。例えば、図11に示すように、エンジンの低,中速
域においてスロットル全閉の領域(アイドル域または全
閉減速域)を除く低負荷域から所定負荷までの運転領域
では、空燃比が理論空燃比よりもリーン(λ>1)に設
定され、特にこのリーン運転領域のうちの大部分の領域
である特定運転領域で、希薄燃焼限界の近傍の所定リー
ン空燃比とされる。この場合、当実施例では上記スワー
ル生成手段によって生成されるスワールや上記AMIに
よる燃料の微粒化等でリーバーン状態での燃焼性が高め
られるとともに、後記タイムドインジェクションによっ
て混合気の成層化が行われること等で希薄燃焼限界が2
5程度にまで高められ、これに対応して上記特定運転領
域における空燃比は22程度に設定される。
【0052】なお、リーン領域のうちで上記特定運転領
域以外の領域では、空燃比を一定範囲内(例えば19〜
22)で運転状態に応じて変更し、また、アイドル域や
リーン領域よりも高負荷側、高速側では空燃比を理論空
燃比(λ=1)もしくはこれよりリッチ(λ<1)と
し、全閉減速域では燃料カットとすればよい。
【0053】インジェクタからの燃料噴射タイミングの
制御としては、各気筒毎に所定のタイミングで燃料を噴
射する所謂シーケンシャル・タイムド・インジェクショ
ンが行なわれ、燃焼室内の混合気をほぼ均一化しつつ点
火プラグ回りの混合気を他の部分と比べて多少濃くする
ように、吸気行程の所定時期に燃料が噴射される。望ま
しくは、点火プラグ回りの混合気が濃くなりすぎてNO
xの増大を招くようなことがないように成層化度合が調
整され、具体的にはATDC60°までの期間内に噴射
が行なわれるようになっている。
【0054】スワール生成手段の制御としては、少なく
とも上記所定リーン空燃比とされる特定運転領域で、上
記TSCバルブ41がスワールを生成する状態(閉状
態)に作動される。例えば、図11中に示すように、T
SCバルブ41の開閉切換えのラインがリーン領域の高
速側の限界ラインとほぼ一致するように設定され、この
開閉切換えのラインより低速側ではTSCバルブ41が
閉じられ、高速側ではTSCバルブ41が開かれるよう
になっている。
【0055】また、上記蒸発燃料供給手段の制御として
は、少なくとも所定リーン空燃比の運転領域で蒸発燃料
供給状態に作動され、例えば空燃比がリーンとされる領
域と理論空燃比とされる領域とを含む運転領域で、所定
のパージ実行条件成立時に蒸発燃料供給状態とされる。
すなわち、上記パージソレノイドバルブ58は、所定の
パージ実行条件成立時(例えば空燃比のフィードバック
制御中で、かつ、エンジン水温が所定温度以上のとき)
に駆動され、所定のパージ量が得られるようにエンジン
の運転状態に応じて制御される。なお、リーンバーン制
御中は、理論空燃比設定の燃料領域におけるよりもパー
ジ量が少なく、かつ、その減量度合いが低吸入空気量側
ほど大きくなるように、エアフローセンサ32の出力お
よびエンジン回転数に応じてパージソレノイドバルブ5
8が制御される。
【0056】以上のような当実施例のリーンバーンエン
ジンによると、上記特定運転領域で、空燃比が希薄燃焼
限界の近傍の所定リーン空燃比に設定されて、リーンバ
ーンが行われることにより、この運転領域での燃費が大
幅に改善される。この場合、上記スワール生成手段のT
SCバルブ41が閉じられて燃焼室内にスワールが生成
されるとともに、インジェクタ40からの燃料噴射タイ
ミングが上記のように制御されて、適度の成層化が行わ
れることにより、リーンバーン状態での着火性及び燃焼
性が高められる。さらに、上記インジェクタ40にAM
Iが用いられ、このインジェクタ40にミキシングエア
が供給されることにより燃料が微粒化され、これによっ
ても燃焼性が向上される。
【0057】そして、このような所定リーン空燃比とさ
れる特定運転領域でも、上記蒸発燃料供給系から蒸発燃
料の供給が行われることにより、実質上の燃費がより一
層改善される。つまり、従来では一般にリーン領域では
燃焼安定性を保つため蒸発燃料を使用しないようにして
いるが、このようにすると、キャニスタ56に蓄えきれ
ない蒸発燃料が大気に排出されて実質的な燃費を悪化さ
せ、とくに広範囲の領域でリーンバーンが行われる場合
には蒸発燃料の排出量が増加してしまうが、上記のよう
にリーン領域でも蒸発燃料を使用すれば蒸発燃料の排出
量を減少させることができる。
【0058】しかも、上記蒸発燃料供給系は、上記各イ
ンジェクタ40とこれに対するAMI用エア通路52を
利用して、気筒別の各独立吸気通路に蒸発燃料を送り込
むようにしているため、各気筒に対して均等に蒸発燃料
が供給され、リーン状態において有効にパージを行なう
ことができる。
【0059】この作用を図12によって説明する。この
図は、各気筒における空燃比のばらつきを、理論空燃比
の場合と所定リーン空燃比(A/F=22)の場合とに
ついて示すものであり、この図のように、一般的に理論
空燃比よりリーン状態の方が空燃比のばらつきが大きく
なる傾向がある。そして、例えば吸気マニホールドに蒸
発燃料を供給する等の従来の一般的な手法による場合
(各気筒の空燃比を一点鎖線でつないで示す)、気筒間
に空燃比のばらつきが生じ、特にリーン状態で空燃比の
ばらつきが大きくなって定常サージラインを超え、トル
ク変動を招く。これに対し、当実施例の蒸発燃料供給系
による場合(各気筒の空燃比を実線でつないで示す)、
気筒間の空燃比のばらつきが小さく、リーン状態でも、
定常サージラインを超えることがない。従って、リーン
状態でも大きなトルク変動を生じることなく有効に蒸発
燃料を供給することができる。
【0060】また、上記各独立吸気通路への蒸発燃料の
導入が吸気行程で行われることにより、成層化にも有効
となる。特に、空燃比がフィードバック制御されている
ときにパージが行われるとそのパージ量に応じて燃料噴
射量が減少し、シーケンシャル・タイムド・インジェク
ションにおいては吸気行程で噴射される燃料が減少する
こととなるが、成層化が損なわれることはない。つま
り、AMI用エア通路52に送りこまれる蒸発燃料は、
ミキシングエアとともに吸気行程中の負圧で燃焼室に吸
入される。従って、図13中に示すように、吸気行程で
の燃料噴射とほぼ同じタイミングで蒸発燃料が燃焼室に
供給され、燃料噴射量の減少分が補われる。そして、こ
のように吸気行程中に噴射燃料及び蒸発燃料が供給され
るとともに、スワール生成手段によってスワールが生成
されることにより、成層化状態が良好に維持される。
【0061】さらに、上記AMI用エア通路52を利用
して蒸発燃料の供給が行われることにより、蒸発燃料供
給系の構造が簡略化されるとともに、ミキシングエアに
よって蒸発燃料が希釈されるため、蒸発燃料の過剰供給
が防止され、蒸発燃料供給量が比較的少ないときでも蒸
発燃料供給量のコントロールが容易になる。また、蒸発
燃料供給系のパージ通路57がAMI用エア供給通路5
2の途中に設けられたチャンバー55に接続されている
ことにより、このチャンバー55内で蒸発燃料とミキシ
ングエアとが均一に混合されて蒸発燃料の分配性が向上
される。さらに、デューティ制御される上記パージソレ
ノイドバルブ58の作動に伴う脈動が上記チャンバー5
5で吸収され、これによっても蒸発燃料の分配性及びコ
ントロール性が向上される。
【0062】また、蒸発燃料が導かれるエアーミクスチ
ャータイプインジェクタ40には、エア及び蒸発燃料が
噴出する部分にオリフィス405が形成されていること
により、気筒間干渉による蒸発燃料の分配性の悪化を防
止する作用も得られる。つまり、各独立吸気通路と蒸発
燃料を通す通路とにわたって吸気負圧による圧力波が伝
播すると、気筒間干渉によって蒸発燃料の分配性が悪化
する可能性があるが、上記オリフィス405で圧力波の
伝播が抑制されることにより、蒸発燃料の分配性の悪化
が防止されることとなる。
【0063】なお、上記実施例では、各インジェクタ4
0及びこれに対するエア供給通路52を利用して蒸発燃
料を各独立吸気通路に送り込むように蒸発燃料供給系を
構成しているが、蒸発燃料供給系を上記インジェクタ4
0等とは別個に構成し、パージ通路の下流側を分岐させ
て各独立吸気通路に接続するようにしてもよい。このよ
うにする場合にも、パージソレノイドバルブより下流の
パージ通路に、パージソレノイドバルブの作動に伴う脈
動を吸収する拡大室を設けておくことが望ましく、ま
た、各独立吸気通路に接続されるパージ通路下流端部
に、気筒間干渉による蒸発燃料の分配性の悪化を防止す
るためのオリフィスを設けておくことが好ましい。
【0064】その他の各部の構造及び空燃比等の制御も
上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で変更して差し支えない。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明は、リーンバーンエ
ンジンにおいて、蒸発燃料を各気筒毎の独立吸気通路の
各所定位置にそれぞれ接続された通路に導く蒸発燃料供
給手段と、スワール生成手段と、少なくとも所定リーン
空燃比の運転領域で上記蒸発燃料供給手段及びスワール
生成手段を作動させる制御手段とを設けるとともに、各
独立吸気通路への蒸発燃料の導入が各気筒の吸気行程で
行われるように構成しているため、上記所定リーン空燃
比で運転されているときにも蒸発燃料の供給を行なうよ
うにしながら、このときの気筒間の空燃比のばらつきを
小さくしてトルク変動の増大を抑制し、かつ、混合気の
成層化による燃焼性向上を図ることができる。従って、
希薄燃焼限界近傍のリーン空燃比で運転されているとき
でも蒸発燃料の供給を効果的に行なうことができる。
【0066】この発明において、インジェクタからの燃
料噴射および蒸発燃料の導入をともに吸気行程で行なう
ようにすると、リーンバーン運転時の成層化をより一層
良好に行なうことができる。
【0067】また、各独立吸気通路にそれぞれインジェ
クタを設け、かつ各インジェクタにエアを供給するエア
供給通路を設けるとともに、蒸発燃料を上記エア供給通
路に導くようにすると、上記エア通路を利用して蒸発燃
料の供給を行なうことができるとともに、リーンバーン
運転時の蒸発燃料の供給のコントロール性を向上するこ
とができる。
【0068】また、蒸発燃料供給手段の制御弁下流に拡
大室を設けておくと蒸発燃料の分配性を向上することが
できる。さらにまた、蒸発燃料を各独立吸気通路に送り
込む通路の下流端部にオリフィスを設けておくことによ
っても、蒸発燃料の分配性を向上することができる。そ
して、このように蒸発燃料の分配性を向上することによ
り、気筒間の空燃比のばらつきに起因したトルク変動を
抑制する作用を高め、リーンバーン運転時における蒸発
燃料の供給をより一層効果的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリーンバーンエンジンの一実施例を示
す概略図である。
【図2】燃焼室構造を示す概略平面図である。
【図3】第1吸気ポート側の概略断面図である。
【図4】第2吸気ポート側の概略断面図である。
【図5】平均乱流強度の特性図である。
【図6】スワールとタンブルの比較を示す図である。
【図7】スワールについての測定手段及び測定の手法を
示す説明図である。
【図8】インジェクタに対するエア供給系及び蒸発燃料
供給系を示す図である。
【図9】エアミクスチャータイプインジェクタの具体的
構造を示す断面図である。
【図10】上記インジェクタの一部切欠斜視図である。
【図11】空燃比制御領域をエンジン回転数とスロット
ル開度とに対応させて示す図である。
【図12】蒸発燃料供給による空燃比のばらつきを示す
図である。
【図13】燃料噴射及びパージ供給のタイミングを示す
図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 燃焼室 3,4 吸気ポート 5,6 排気ポート 7,8 吸気弁 9,10 排気弁 40 インジェクタ 41 開閉弁 52 エア供給通路 57 パージ通路 58 パージソレノイドバルブ 70 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 25/08 301 F02M 25/08 301U (72)発明者 堀 保義 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 西岡 太 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 細貝 徹志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 岡 憲児 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 寺尾 秀志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 藤本 操 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 原田 政樹 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−101600(JP,A) 特開 平8−144872(JP,A) 特開 平5−133261(JP,A) 特開 平4−133261(JP,A) 実開 昭60−39759(JP,U) 実公 昭60−19966(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 25/08 F02D 41/00 - 41/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに供給される混合気の空燃比を
    理論空燃比よりもリーンで、かつトルク変動が許容限界
    となる空燃比の近傍の所定リーン空燃比に設定した運転
    領域を有する自動車用リーンバーンエンジンにおいて、
    燃料系で発生する蒸発燃料を各気筒毎の独立吸気通路の
    各所定位置にそれぞれ接続された通路に導いて上記各独
    立吸気通路に送り込む蒸発燃料供給手段と、燃焼室内に
    スワールを生じさせるスワール生成手段と、少なくとも
    上記所定リーン空燃比の運転領域で上記蒸発燃料供給手
    段及びスワール生成手段を作動させる制御手段とを設け
    るとともに、上記蒸発燃料供給手段が作動状態にあると
    きに各独立吸気通路への蒸発燃料の導入が各気筒の吸気
    行程で行われるように構成したことを特徴とする自動車
    用リーンバーンエンジン。
  2. 【請求項2】 上記蒸発燃料供給手段は、デューティ制
    御されて蒸発燃料供給量を調節する制御弁を有するとと
    もに、この制御弁より下流に拡大室を有することを特徴
    とする請求項1記載の自動車用リーンバーンエンジン。
  3. 【請求項3】 上記各独立吸気通路にそれぞれ燃料供給
    用のインジェクタを設け、各インジェクタからの燃料噴
    射を各気筒の吸気行程で行わせるようにしたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の自動車用リーンバーン
    エンジン。
  4. 【請求項4】 上記各独立吸気通路にそれぞれ燃料供給
    用のインジェクタを設け、かつ上記各インジェクタの噴
    口近傍に燃料微粒化用のエアを供給するエア供給通路を
    設けるとともに、蒸発燃料を上記エア供給通路に導いて
    各独立吸気通路に送り込むように蒸発燃料供給手段を構
    成したことを特徴とする請求項1記載の自動車用リーン
    バーンエンジン。
  5. 【請求項5】 下流側が分岐して上記各インジェクタに
    接続されたエア供給通路の分岐部より上流側に拡大室と
    してのチャンバーを介設するとともに、このチャンバー
    に、蒸発燃料を導く通路を接続したことを特徴とする請
    求項4記載の自動車用リーンバーンエンジン。
  6. 【請求項6】 蒸発燃料を上記各独立吸気通路に送り込
    む通路の下流端部にオリフィスを設けたことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の自動車用リーンバ
    ーンエンジン。
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