JPH09250349A - 燃料噴射式内燃機関 - Google Patents

燃料噴射式内燃機関

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JPH09250349A
JPH09250349A JP5964096A JP5964096A JPH09250349A JP H09250349 A JPH09250349 A JP H09250349A JP 5964096 A JP5964096 A JP 5964096A JP 5964096 A JP5964096 A JP 5964096A JP H09250349 A JPH09250349 A JP H09250349A
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JP
Japan
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piston
fuel
opening
cylinder
closest
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JP5964096A
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Takahiro Suzuki
隆広 鈴木
Takeo Yoshida
武雄 吉田
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/02Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving cycles
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
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    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/12Other methods of operation
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    • F02B23/00Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
    • F02B23/08Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
    • F02B23/10Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder
    • F02B23/104Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder the injector being placed on a side position of the cylinder

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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ側壁から燃料を噴射するために設ける
シリンダ側壁開孔を介して、膨張時に爆発力の漏れを防
止して性能向上、ピストンのスカッフィングの防止を図
ることができる。 【解決手段】ピストン245に少なくとも一つ以上の圧
力リング501,502を配置し、シリンダ側壁243
bに燃料を噴射するための開孔500を少なくとも一つ
以上有する燃料噴射式内燃機関において、開孔500の
内最もシリンダヘッド寄りの端部から最もクランク室寄
りの端部までの長さより、圧力リング501,502の
内最もシリンダヘッド寄りの端部から最もクランク室寄
りの端部までの長さの方を大きく、且つピストン245
が上死点近傍にある時、少なくとも圧力リング501,
502の内最もシリンダヘッド寄りの圧力リングが、開
孔500の内最もシリンダヘッド寄りの端部よりシリン
ダヘッド寄りの位置となるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリンダ側壁に
燃料を噴射する開孔を有する燃料噴射式内燃機関に関す
る。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンあるいは4サイクル
エンジンには、例えばインジェクタにより燃料を燃焼室
内に直接噴射して燃焼室内にて空気と混合させ可燃混合
気を形成させるものがある。このインジェクタを用いる
ものとして、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジ
ンがあり、これらのインジェクタには、シリンダ側壁の
噴射孔から燃料をシリンダ内に噴射するするものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、インジェ
クタによりシリンダ側壁の開孔から燃料を噴射する燃料
噴射式内燃機関では、図13に示すようにシリンダボデ
ィのシリンダ側壁にシリンダ内に向けて開いた開孔10
00を設け、この開孔1000にインジェクタ264の
先端部がシリンダ内に露出する程にシリンダ内周直近ま
で挿入し、インジェクタ先端部に設けた噴射孔からシリ
ンダ内に燃料を直接噴射することが行われていた。とこ
ろで、図13に分かるとおり、シリンダは曲率を持つの
で平坦なインジェクタ先端部をシリンダ内周ぎりぎりま
で挿入する様にしても、ピストンの下降行程中ピストン
リングが開孔部を通る時、ピストンリングの上側と下側
が開孔100中のインジェクタ先端部とシリンダ内周と
の間の部分1000aを介して連通してしまう。
【0004】また、シリンダ側壁の途中にインジェクタ
先端部を位置させ、この先端部とシリンダ内とを一つあ
るいは複数の開孔で連通させ、開孔をシリンダ内への噴
射孔として機能させるものもある。この場合でも、開孔
が大きいとピストンの下降行程中ピストンリングが開孔
部を通る時、ピストンリングの上側と下側が開孔を介し
て連通してしまう。特にインジェクタ先端部近傍からシ
リンダ内壁で上下となる様に複数に分岐した開孔の場
合、上下の開孔を介してピストンリングの上下が連通し
易い。
【0005】このようにピストンリングの上下が連通す
ると、爆発直後の高温、高圧のガスがピストンリングに
よりシールできず、ピストン側面のスカッフィングを引
き起こしたり、性能に悪影響を与える。4サイクルエン
ジンにおいては、更にオイル上がりや排気ガスによるク
ランクケース内オイルの劣化を引き起こしたりする。2
サイクルエンジンにおいても更にクランク室における1
次圧縮比の低下を引き起こし、燃焼ガス漏れに加えて性
能低下を引き起こしてしまう。また、クランク室内のコ
ンロッド等の潤滑必要箇所に高温且つ酸化性の排気ガス
が侵入し、比較的短い時間の運転においても潤滑必要箇
所の損傷を発生させたりする場合が有る。
【0006】この発明はかかる点に鑑みなされたもの
で、シリンダ側壁から燃料を噴射するために設けるシリ
ンダ側壁開孔を介して、膨張時に爆発力の漏れを防止し
て性能向上、ピストンのスカッフィングの防止を図るこ
とができる燃料噴射式内燃機関を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明の燃料噴射
式内燃機関は、ピストンに少なくとも一つ以上の圧力リ
ングを配置し、シリンダ側壁に燃料を噴射するための開
孔を少なくとも一つ以上有する燃料噴射式内燃機関にお
いて、前記開孔の内最もシリンダヘッド寄りの端部から
最もクランク室寄りの端部までの長さより、前記圧力リ
ングの内最もシリンダヘッド寄りの端部から最もクラン
ク室寄りの端部までの長さの方を大きく、且つピストン
が上死点近傍にある時、少なくとも前記圧力リングの内
最もシリンダヘッド寄りの圧力リングが、前記開孔の内
最もシリンダヘッド寄りの端部よりシリンダヘッド寄り
の位置となるようにしたことを特徴としている。シリン
ダ側壁にインジェクタを配置し、燃料を噴射するための
開孔と圧力リングの内最もシリンダヘッド寄りの圧力リ
ングとの位置構成により、最高圧力・最高温度の燃焼ガ
スがインジェクタに作用することがなくなるとともに、
この燃焼ガスがクランク室側に吹き抜けることもなくな
るのでインジェクタのカーボン詰まりが起きにくく、且
つ性能低下を防止できる。
【0008】請求項2記載の発明の燃料噴射式内燃機関
は、前記ピストンが上死点近傍にある時、少なくとも前
記圧力リングの内最もクランク室寄りの圧力リングが、
前記開孔の内最もクランク室寄りの端部よりクランク室
寄りの位置となるようにしたことを特徴としている。シ
リンダ側壁にインジェクタを配置し、燃料を噴射するた
めの開孔と圧力リングの内最もクランク室寄りの圧力リ
ングとの位置構成により、最高圧力・最高温度の燃焼ガ
スがインジェクタに作用することがなくなるとともに、
この燃焼ガスがクランク室側に吹き抜けることをより確
実に防止できる。
【0009】請求項3記載の発明の燃料噴射式内燃機関
は、ピストンに少なくとも二つ以上の圧力リングを配置
し、シリンダ側壁に燃料を噴射するための開孔を少なく
とも一つ以上有する燃料噴射式内燃機関において、上死
点にピストンがある時、開孔の内最もシリンダヘッド寄
りの開孔位置を、前記圧力リングの内最もシリンダヘッ
ド寄りから順に配置される第1の圧力リングと第2の圧
力リングの間となるように配置する一方、最もクランク
室寄りの開孔位置を、前記圧力リングの内最もクランク
室よりのものよりさらにクランク室寄りに配置し、且つ
前記最もシリンダヘッド寄りの開孔のピストン往復動方
向の大きさより、第1の圧力リングの幅の方を大きくし
たことを特徴としている。ピストンに少なくとも二つ以
上の圧力リングを配置した場合にも、シリンダ側壁にイ
ンジェクタを配置し、燃料を噴射するための開孔と圧力
リングとの位置構成により、最高圧力・最高温度の燃焼
ガスがインジェクタに作用することがなくなるととも
に、この燃焼ガスがクランク室側に吹き抜けることもな
くなるのでインジェクタのカーボン詰まりが起きにく
く、且つ性能低下を防止できる。
【0010】請求項4記載の発明の燃料噴射式内燃機関
は、噴射された燃料が気化し混合気となったものに点火
着火させるための点火プラグを配置し、低速低負荷時、
前記ピストンにより開孔の内最もシリンダヘッド寄りの
開孔を覆うタイミングに近い時期に前記開孔を通過して
噴射される燃料が、前記開孔から噴射される噴射流の方
向を点火プラグを指向するようにしたことを特徴として
いる。点火プラグの配置と、開孔を通過して噴射される
燃料のタイミングと噴射方向とにより点火プラグまわり
に濃混合気を形成することで、さらに着火性を向上させ
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の燃料噴射式内燃
機関の実施例について説明する。図1乃至図6は燃料噴
射式内燃機関を自動二輪車に搭載した実施例を示し、図
1は燃料噴射式内燃機関を自動二輪車に搭載した実施例
の概略構成図、図2は燃料噴射式内燃機関の縦断面図、
図3は燃料噴射式内燃機関を後方から見た図、図4はシ
リンダ側壁噴射の燃料及び空気のフローチャートであ
る。
【0012】図中符号201は、乗物の一例であって鞍
乗型車両たる自動二輪車であり、矢印Frはその進行方
向の前方を示している。また、後記する左右とは、前記
前方に向っての方向をいうものとする。また、202は
上記自動二輪車1が走行可能な路面である。自動二輪車
20lは乗物本体である車体203を有している。ま
た、車体203は車体静止側である車体フレーム204
を有している。車体フレーム204は、その前端にヘッ
ドパイプ205を有し、このヘッドパイプ205から後
下方に向って左右一対の主フレーム206が延出し、こ
れら各主フレーム206の各延出端から更に後下方に向
ってそれぞれシートピラーチューブ207が延出してい
る。一方、上記各主フレーム206の前部下面からそれ
ぞれ後下方に向ってダウンチューブ208が延出し、こ
れらダウンチューブ208の延出端とシートピラーチュ
ーブ207の延出端とが互いに結合させられている。
【0013】各主フレーム206の後部から後上方に向
ってそれぞれシートレール210が延出し、このシート
レール210は左右一対のバックステー211によって
シートピラーチューブ207に支持されている。各バッ
クステー211とシートピラーチューブ207とが結合
した部分はリヤアームブラケット212とされている。
ヘッドパイプ205にはフロントフォーク214が操向
自在に支承されている。フロントフォーク214の下端
に前輪215が支承され、かつ、この前輪215を上方
から覆うフロントフェンダ216が設けられ、このフロ
ントフェンダ216は同上フロントフォーク214の上
下方向の中途部に固着されている。一方、フロントフォ
ーク214の上端にはハンドル217が取り付けられて
いる。
【0014】リヤアームブラケット212にピボット軸
218によりリヤアーム219が上下揺動自在に枢支さ
れている。リヤアーム219の揺動端に後輪220が支
承され、シートレール210とリヤアーム219との間
に緩衝器221が架設されている。主フレーム206、
シートピラーチューブ207およびダウンチューブ20
8で囲まれた空間に、つまり、車体フレーム204の枠
内に燃料噴射式内燃機関であるエンジン223が設けら
れている。エンジン223は2サイクルエンジンであっ
て、クランクケース224と、このクランクケース22
4から前上方に突出するシリンダ225を有し、車体フ
レーム204に締結具により着脱自在に支持されてい
る。クランクケース224の後面に動力伝達装置226
が連設され、この動力伝達装置226の出力側に、後輪
220がチェーン伝動機構227により連結されてい
る。
【0015】シリンダ225の後面にはリード弁22
8、吸気マニホールド229および吸気サイレンサ23
1がこの順序で連設されている。吸気マニホールド22
9には吸気量を制御するスロットル弁271が配置され
ている。スロットル弁271の軸部271aに設けたス
ロットルプーリ272はスロットルワイヤ273を介し
てスロットルグリップ274に連結され、スロットルグ
リップ274の操作でスロットル弁271が開閉され
る。スロットルグリップ274はハンドル217に設け
られ、またスロットルグリップ274の操作量を検出す
るアクセル位置センサ275が設けられている。
【0016】シリンダ225の前面には排気管233の
一端が連結され、この排気管233の他端側はダウンチ
ューブ208の下側近傍を通って後方に延び、その後端
に排気マフラ234が連結され、排出口234aから排
気される。
【0017】主フレーム206には燃料タンク235が
支持されている。一方、シートレール210には、シー
ト236が支持されている。また、車体203の後部を
その各側方から覆うサイドカバー237が設けられてい
る。エンジン223の駆動により、その動力が動力伝達
装置226とチェーン伝動機構227等を介し、後輪2
20に伝達されれば、自動二輪車201が路面202上
を前方に向って走行可能とされる。
【0018】エンジン223は、第1〜第3気筒261
〜263を有し、エンジン223のクランクケース22
4内のクランク室240にはクランク軸241が収容さ
れ、このクランク軸241はクランクケース224にそ
の軸心回りに回転自在に支承されている。エンジン22
3のシリンダ225は、軸心がほぼ縦向きのシリンダ孔
242を有するシリンダボディ243と、このシリンダ
ボディ243の突出端に取り付けられるシリンダヘッド
244とを有している。シリンダ孔242にピストン2
45が軸方向に摺動自在に嵌入され、このピストン24
5はクランク軸241にコンロッド246により連結さ
れている。
【0019】ピストン245がシリンダヘッド244に
ある程度接近したとき、シリンダ孔242内でシリンダ
ヘッド244とピストン245で囲まれた空間が燃焼室
248となる。シリンダヘッド244には、点火プラグ
249が取り付けられ、この点火プラグ249の放電部
が燃焼室248に臨んでいる。クランクケース224の
後上部には吸気ポート251が形成され、この吸気ポー
ト251にリード弁228が連通している。シリンダ孔
242周りのシリンダボディ243にはクランク室24
0を燃焼室248に連通させる掃気通路252が形成さ
れ、この掃気通路252の内、燃焼室248に向って開
口する部分が掃気ポート252aとなっている。また、
燃焼室248を排気管233の前端である上流端内の排
気通路253に連通させる排気ポート254がシリンダ
ボディ243の前部に形成されている。
【0020】エンジン223は第1〜第3気筒261〜
263に各1個づつ対応する複数(3つ)のインジェク
タ264を有し、これら各インジェクタ264はシリン
ダボディ243のシリンダ側壁243aに着脱自在に取
り付けられている。これらインジェクタ264は、シリ
ンダ側壁243aから燃焼室248内に向って、燃料タ
ンク235から供給される燃料を噴射する。インジェク
タ264の構造、取付位置や噴射方向および噴射タイミ
ングは前記実施例と同様であるから説明を省略する。
【0021】燃料タンク235の下部には燃料コック2
90が設けられ、燃料コック290に燃料フィルタ29
1、燃料供給ポンプ292、燃料配送管293が順に接
続され、燃料配送管293から燃料分配管296を介し
て燃料が各インジェクタ264に供給される。燃料配送
管293にはインジェクタ264に供給される燃料の圧
力を所定圧に調整する調圧器294が設けられ、調圧器
294、戻し燃料通路295により余分の燃料は燃料タ
ンク235に戻る。シリンダボディ243の後方で、吸
気マニホールド229上方と、燃料タンク235の下方
の間の空間Zに、この空間Zを利用して燃料分配管29
6およびインジェクタ264が配置され、小型化でき、
しかも他部材と干渉することが防止され、インジェクタ
264、燃料分配管296の保護が可能である。
【0022】点火プラグ249は電子的な点火回路25
6に電気的に接続され、この点火回路256は電子的な
エンジン制御御装置257に接続されている。また、ク
ランク軸241のクランク角を検出するクランク角検出
センサ258が設けられ、このクランク角検出センサ2
58もエンジン制御装置257に接続されている。
【0023】エンジン223の駆動時に、ピストン24
5がクランク軸241側の下死点位置(図2中二点鎖線
図示)から燃焼室248側に移動すると、ピストン24
5によって掃気ポート252aと排気ポート254とが
この順序で閉じられる。また、ピストン245が燃焼室
248側に移動すると、クランク室240内が負圧にさ
れる。すると、吸気サイレンサ231を通って、空気で
ある外気259が吸入され、これが吸気260とされ
る。
【0024】次に、吸気260が吸気マニホールド22
9とリード弁228とを通ってクランク室240内に吸
入される。これが「吸入行程」である。
【0025】一方、掃気ポート252aと排気ポート2
54とが閉じられた後、更に、ピストン245が燃焼室
248側へ移動すれば、この燃焼室248に既にインジ
ェクタ264で噴射されていたあるいは及び本過程中に
噴射される燃料が気化し空気と混合して形成される混合
気が圧縮される。これが「圧縮行程」である。なお、前
記「吸入工程」は、「圧縮工程」中にも同時に行われ
る。
【0026】ピストン245が上死点に達する直前で、
クランク角検出センサ258により検出される所望のク
ランク角のときに、つまり、所望の点火時期に、エンジ
ン制御装置257により制御された点火回路256から
の出力信号で、点火プラグ249の放電部が放電する。
すると、混合気が着火、燃焼させられて気体が膨張し、
これにより、ピストン245が上記上死点を越えた後、
クランク室240側に押し戻される。これが「爆発行
程」である。
【0027】ピストン245のクランク室240側への
移動により、クランク室240内に吸入されていた空気
が予圧縮される。リード弁228はこのときのクランク
室240内の圧力で閉弁させられている。
【0028】ピストン245がクランク室240側へ移
動する途中で、まず、排気ポート254が開かれる。す
ると、排気ポート254を通し、混合気の既燃ガスが排
気として排気ポート254を通って燃焼室248から排
出される。これが「排気行程」である。そして、排気は
排気管233内の排気通路253を通って外部に排出さ
れる。
【0029】ピストン245がクランク室240側に移
動して排気ポート254が開かれると、これに続いて掃
気ポート252aが開かれる。すると、クランク室24
0内で予圧縮されていた空気が掃気通路252を通って
燃焼室248に流入させられ、この空気が燃焼室248
に残留している既燃ガスの一部を排気ポート254に押
し出すと共に、空気が燃焼室248に充満する。これが
「掃気行程」である。この「掃気行程」は、ピストン2
45が下死点位置に戻った後、再び上死点位置へ移動
し、掃気ポ−ト252aを閉じる直前まで続く。前記排
気行程の後半期と掃気行程の前半期は重複して同時に実
施されるので、先行程を合わせて「掃排気行程」とも言
われる。「掃気行程」の途中からピストン245が排気
ポート254を閉じる時から始まる「圧縮行程」の初
期、ピストン245がインジェクタ264を閉じるまで
の期間にインジェクタ264から燃料が噴射される。
【0030】前記状態から、ピストン245が再び燃焼
室248側に移動し、以下、各行程が繰り返されて、ク
ランク軸241が回転させられる。このクランク軸24
1を通しエンジン223が動力を出力し、この動力は、
動力伝達装置226やチェーン伝動機構227等を介し
て後輪220に伝えられる。
【0031】燃焼室248から排気ポート254へ排気
を排出させるときの排気タイミングを調整して、エンジ
ン性能を向上させる排気タイミング調整装置279が設
けられている。排気タイミング調整装置279は、排気
ポート254の上部側に設けられる排気タイミング調整
弁390を有している。この排気タイミング調整弁39
0で、排気ポート254の上部開口が開閉され、排気ポ
ート254の上部開口縁の位置が上下方向で可変とされ
る。排気タイミング調整弁390を作動させるのはサー
ボモータ等のアクチュエータ265であって、このアク
チュエータ265はエンジン制御装置257に接続され
ている。
【0032】エンジン223の回転数、つまり、クラン
ク軸241の回転数を検出するエンジン回転数センサ2
67が設けられ、このエンジン回転数センサ267はエ
ンジン制御装置257に接続されている。
【0033】エンジン回転数センサ267の検出信号に
より、エンジン223が高速域であると判断されたとき
には、エンジン制御装置257により制御されたアクチ
ュエータ265の作動により排気タイミング調整弁39
0が開動作させられて、排気ポート254の上部開口縁
が上方に位置させられる。すると、排気タイミングが早
くなり、これによって高速域でのエンジン性能が向上す
る。
【0034】一方、エンジン223が中、低速域である
と判断されたときには、アクチュエータ265が閉動作
させられて、排気ポート254の上部開口縁が下方に位
置させられる。すると、排気タイミングが遅くなり、こ
れによって中、低速域でのエンジン性能が向上する。こ
の低速時、排気タイミングを遅くするが、その分噴射開
始のタイミングを早めることが可能であり、この場合
は、より確実に予混合燃焼を可能とする。即ち、低速時
ピストン速度が遅くなるのに合わせて、燃料が排気ポー
ト254より流出しないように、噴射開始タイミングを
遅らせると、噴射流がピストン頂部に衝突する時、噴流
の拡がりは狭い。しかし、排気ポート254の上部開口
端が下方に移動させられる分、噴射開始のタイミングを
早めても燃料の流出がない、且つ早めることにより、ピ
ストン頂部の広い範囲に噴射燃料が衝突可能であり、ピ
ストン245との熱交換性を向上できる。
【0035】エンジン223には排気弁開度調整装置2
80が備えられ、排気通路253の開度を調整し、低負
荷あるいは及び低速時これを流れる排気の流量を抑制す
る排気弁281を有している。この排気弁281を作動
させるのはサーボモータ等のアクチュエータ282であ
って、このアクチュエータ282は制御装置391と接
続されている。
【0036】また、エンジン223には燃焼室圧力セン
サ300およびノックセンサ301が備えられ、燃焼室
圧力センサ300により燃焼室圧力が所定以上になる
と、点火タイミングを遅らせる。また、ノックセンサ3
01でノッキングが発生すると、振動を検知して点火タ
イミングを遅らせてノッキングの発生を防止し、ノッキ
ングの発生しなくなると元の点火タイミングに戻すよう
に制御する。
【0037】また、エンジン223にはクランク室圧力
センサ302、吸気管圧力センサ303、吸気管温度セ
ンサ304、排気管圧力センサ306、排気管温度セン
サ307が備えられ、これらのセンサからの情報に基づ
きエンジン制御装置257が点火タイミング、噴射タイ
ミング、噴射期間やオイル供給装置308等の制御を行
なう。
【0038】次に、この第1実施例に用いられるインジ
ェクタの構造を説明する。図5はインジェクタの断面図
である。
【0039】インジェクタ264はインジェクタハウジ
ング350を有し、このインジェクタハウジング350
の後端部には蓋体351が嵌合され、さらにインジェク
タハウジング350内にはコイル352を備えたコア3
53が配置されている。蓋体351は樹脂性のキャップ
354で覆われ、キャップ354のコネクタ354aに
コア353に接続したリード線355が設けられ、この
リード線355がコネクタ354aで駆動電源側と接続
される。蓋体351にはパイプ356が挿入され、蓋体
351の燃料入口351aから供給された燃料は、パイ
プ356を介してインジェクタハウジング350内の燃
料室357に導かれる。
【0040】インジェクタハウジング350の先端部に
ニードルハウジング358がニードルストッパ359を
介して嵌合され、シール体360でシールされている。
ニードルハウジング358の先端部にはノズル361が
一体に設けられ、このノズル361にはインジェクタ2
64における噴射孔である噴射通路361aが形成され
ている。
【0041】ニードルハウジング358内にはニードル
362が移動可能に配置され、ニードル362には可動
体363が固定されている。ニードル362には切欠に
より燃料通路362aが形成され、ニードルストッパ3
59には切欠により燃料通路359aが形成され、可動
体363にも燃料通路363aが形成されている。蓋体
351と可動体363との間に圧縮スプリング364が
配置され、この圧縮スプリング364で可動体363を
介してニードル362がニードルハウジング358の弁
座358aを常に閉じる方向へ付勢され、噴射通路36
1aを閉じ燃料噴射できない状態になっている。コア3
53に配置されたコイル352に電源を与えると、コイ
ル352による電磁力で可動体363が圧縮スプリング
364に抗して吸引されて弁座を開く方向へ移動し、噴
射通路361aを開き、燃料噴射が行なわれる。このと
きニードル362に形成したストッパフランジ362b
がニードルストッパ359に当接して位置規制される。
【0042】インジェクタ264は、調圧弁にて圧力調
整され、調圧圧力P0が600〜650KPa(キロパ
スカル)に調圧されるので、ニ−ドル362が弁座35
8aを押圧する時、ニ−ドルハウジング358内の燃料
溜まり358bの燃料圧力P1も同じ600〜650K
Pa(キロパスカル)となる。ニ−ドル362が弁座3
58aから離れる程、インジェクタ264内を流れる流
速が増し、圧力降下により燃料溜まり358bの圧力が
低下する。燃料溜まり358bの圧力は、ニ−ドル36
2と弁座358aとの間を通過する時さらに圧力降下す
るので、噴射通路361aの燃料圧力P2は、燃料溜ま
り358bの燃料圧力P1の約1/2程度となる。
【0043】インジェクタ264から燃焼室29内に燃
料を噴射する燃料噴射時の下記するシリンダ側壁に設け
られた開孔(シリンダ内への噴射孔)500の圧力は、
噴射通路361aの燃料圧力P2とほぼ同じになるの
で、ニ−ドル362が最大開度位置にて圧力P2を、3
00KPa〜1000KPaとし、この圧力P2により
噴射速度を、10m/s〜30m/sとすることが可能
である。
【0044】即ち、噴射通路361aの圧力P2と燃焼
室248内圧との差圧に、300KPa〜1000KP
aに基づく流速で燃料が燃焼室248へ噴射される。こ
の時の流速が、10m/s〜30m/s、望ましくは2
0m/s程度になるように各部の圧力降下あるいは調圧
弁が設定される。
【0045】次に、この第1実施例に用いられるインジ
ェクタの取付構造を説明する。図6はエンジンの縦断面
図、図7はインジェクタの取付部の拡大図である。
【0046】エンジン223のシリンダボディ243は
シリンダ側壁243bに燃料を噴射する下向きの噴射孔
となる開孔500を有しており、インジェクタ264の
ノズル361から噴射される燃料は開孔500の出口5
00aからシリンダ内にピストン245の頭部245a
方向に噴射される。
【0047】シリンダ側壁243bに形成されシリンダ
243c内に臨む開孔500の出口500aの上端50
0bは、ピストン245が上死点時のピストン245の
トップのピストンリング501以下で、かつ排気ポート
254の上端254aより上の位置に設けられている。
排気ポート254の上端254aは、排気タイミング調
整弁390の端部390aによって開閉され、排気タイ
ミングが可変可能になっている。この実施例では、開孔
500の出口500aは、ピストン245が上死点時の
トップのピストンリング501と、セカンドのピストン
リング502の間に位置し、しかもこの上死点近辺に位
置する開孔500の出口500aがピストンリング50
1の幅より小さな径D1に形成されている。
【0048】シリンダ側壁243bの内、シリンダヘッ
ド244寄りの位置にインジェクタ264を取り付ける
ことで、ピストン245による圧縮行程中より遅い時期
まで燃料を噴射することができるので、噴射時間を長く
取ることができる。しかも、圧縮により昇温した空気中
に噴射するので気化が速い。この実施例において、低負
荷時においてはピストン245が出口500aを塞ぐ寸
前に燃料が噴射されるので、噴射される燃料はピストン
245の頂部245aで反射し、点火プラグ249を指
向する。出口500aが合面243aに近いので、反射
後の燃料は点火プラグ249まで短い距離を飛翔し、点
火プラグ249が点火されるピストン245が上死点あ
るいはその近傍にある時、点火プラグ249まわりに濃
混合気を形成するので着火性が良い。
【0049】しかも、点火プラグ249が点火されるピ
ストン245が上死点あるいはその近傍にある時、出口
500aはトップの圧力リングであるピストンリング5
01よりは下にあり、高い爆発力を伴った高温、高圧の
燃焼ガスが出口500aから開孔500内に侵入しない
ので、燃焼室248内への噴射孔となる開孔500がカ
ーボン詰まりとなることはない。また、燃焼ガスがイン
ジェクタ264に到達し、インジェクタ264の噴射孔
である噴射通路361aや、弁座358aをカーボン詰
まりさせることはない。しかも、点火後出口500aを
通過するトップのピストンリング501は幅が出口50
0aの径D1より大きいので、ピストンリング501が
出口500aを通過中においても、ピストンリング50
1とピストンリング502の間の空間と燃焼室248と
が連通することがない。これに加え第2の圧力リングで
あるピストンリング502があるので燃焼ガスがクラン
ク室側に吹き抜けることがなく、ピストン245のスカ
ート部245bがシリンダ243c内周に焼きつく所謂
スカッフィングが発生せず、また爆発力をより確実にピ
ストン245に伝えることができるので性能向上ができ
る。
【0050】次に、インジェクタの第2実施例の取付構
造を説明する。図8はインジェクタの取付部の拡大図で
ある。この第2実施例では、シリンダボディ243がシ
リンダ側壁243bに燃料を噴射する下向きの開孔50
0と上向きの開孔600を有しており、インジェクタ2
64のノズル361から噴射される燃料は開孔500の
出口500aからシリンダ243c内のピストン245
の頭部方向に噴射され、開孔600の出口600aから
シリンダ243c内の点火プラグ249方向に噴射され
る。
【0051】シリンダ側壁243bに形成されシリンダ
243c内に臨む開孔500の出口500aの上端50
0bは、ピストン245が上死点時のピストン245の
セカンドのピストンリング502以下で、かつ掃気ポー
ト252aの上端の間に設けられている。
【0052】シリンダ側壁243bに形成されシリンダ
243c内に臨む上向きの開孔600の出口600aの
上端600bは、ピストン245が上死点時のピストン
245のトップのピストンリング501以下で、トップ
のピストンリング501と、セカンドのピストンリング
502の間に位置し、シリンダ側壁243bの内、シリ
ンダヘッド244寄りの位置にインジェクタ264を取
り付けることで、ピストン245による圧縮行程中より
遅い時期まで燃料を噴射することができるので、噴射期
間を長く取ることができる。しかも、圧縮により昇温し
た空気中に噴射するので気化が早い。この実施例におい
て、低負荷時においてはピストン245が点火プラグ2
49を指向する出口600aを塞ぐ寸前に燃料が噴射さ
れるので、噴射される燃料は点火プラグ249を指向し
て燃焼室248内を飛翔する。出口600aが合面24
3aに近いので、燃料は点火プラグ249まで短い距離
を飛翔し、点火プラグ249が点火されるピストン24
5が上死点あるいはその近傍にある時、点火プラグ24
9まわりに濃混合気を形成するので着火性が良い。
【0053】しかも、点火プラグ249が点火されるピ
ストン245が上死点あるいはその近傍にある時、出口
600aはトップの圧力リングであるピストンリング5
01よりは下にあり、高い爆発力を伴った高温、高圧の
燃焼ガスが出口600aから開孔600内に侵入しない
ので、燃焼室248内への噴射孔となる開孔600及び
これに連通する開孔500がカーボン詰まりとなること
はない。また、燃焼ガスがインジェクタ264に到達
し、インジェクタ264の噴射孔である噴射通路361
aや、弁座358aをカーボン詰まりさせることはな
い。
【0054】その後ピストン243がクランク室240
方向に下降する時、第2の圧力リングであるピストンリ
ング502が開孔500の出口500aを、ピストンリ
ング501が前記出口600a、続いて前記出口500
aを通過して行く。図8(b)に示すように出口600
aの上端600bと出口500aの下端500cの間の
距離をW1、ピストンリング501の上端501aとピ
ストンリング502の下端502aとの間の距離をW2
とする時、W1<W2になるように設定されているの
で、ピストンリング501が出口600aをまさに通過
しようとしている時、ピストンリング502の下端50
2aは出口500aを通過完了しているので、燃焼室2
48が開孔600、開孔500を介してピストンリング
502よりクランク室240側と連通することがない。
これにより爆発行程中燃焼ガスがクランク室240側に
吹き抜けることがなく、ピストン245のスカート部2
45bがシリンダ243c内周に焼き付く所謂スカッフ
ィングが発生せず、また爆発力をより確実にピストン2
45に伝えることができるので性能向上ができる。高温
且つ酸化性の燃焼ガスが吹き抜けがないことによりコン
ロッド246の小端、大端の潤滑性能低下を防止するこ
ともできる。また、掃気行程に先行してクランク室24
0が圧縮されるにあたって、クランク室の圧力が低下す
ることがない。よって掃気性能が低下しエンジン性能が
低下することがない。
【0055】なお、図6、図7に示す実施例においては
W1に相当するD1より、ピストンリング501の上端
とピストンリング502の下端との間の距離W2との比
較においては、D1<W2であり、ピストン245が上
死点にある時もし仮に出口500aがピストンリング5
02よりクランク室側に位置する場合であっても、燃焼
ガスの吹き抜けが起こることはない。また、図6、図7
に示す実施例においては、ピストン245が上死点にあ
る時出口500aはピストンリング502よりシリンダ
ヘッド244側にあるので、これによっても燃焼ガスの
吹き抜けが起こることはない。D1がピストンリング5
01の幅より小さいことにより、より確実に吹き抜けを
防止できるのである。
【0056】図9は、上記2つの2サイクルエンジンに
おける噴射及び点火タイミングを示す図である。横軸は
クランク角であり、e1にて下降するピストン245が
出口500a(図6の第1の実施例において)あるいは
出口600a(図8の第2の実施例において)を燃焼室
248内に露出し、b1にて下降するピストン245が
排気ポート254を開し始め、そしてa1にて下降する
ピストン245が掃気ポート252を開し始める。一
方、a2にて上昇するピストン245が掃気ポート25
2を閉完了し、b2にて上昇するピストン245が排気
ポート254を閉完了し、e1にて上昇するピストン2
45が出口500a(図6の第1の実施例において)あ
るいは出口600a(図8の第2の実施例において)を
覆い終わる。すなわち、A1が掃気ポート252の開期
間、B1が排気ポート254の開期間、そしてE1が燃
料噴射可能期間を示している。INhは高速高負荷にお
ける燃料噴射期間を、SPhは同高速高負荷における点
火プラグ249への高圧火花電流を流すタイミングを示
している。IN1は低速低負荷における燃料噴射期間
を、SP1は同低速低負荷における点火プラグ249へ
の高圧火花電流を流すタイミングを示している。
【0057】図10は4サイクルエンジンにおける実施
例である。図中、701は吸気通路、702は吸気弁、
703は排気通路、704は排気弁である。ピストン2
45にはシリンダヘッド244側から第1の圧力リング
であるピストンリング501、第2の圧力リングである
ピストンリング502、そしてオイルリング503が配
置されている。シリンダ側壁243bには開孔1000
が設けられ、この開孔にインジェクタ264が挿され、
シリンダ243c内に露出可能とされている。インジェ
クタ264に設けられた下方を指向する噴射孔264a
とシリンダヘッド244方向である上方を指向する噴射
孔264bが設けられている。インジェクタの弁座が開
とされると各噴射孔264a、264bから開孔100
0内を飛翔して燃焼室248内に到り、さらにそれぞれ
の方向に飛翔する。
【0058】インジェクタ264の位置はシリンダヘッ
ド244とシリンダブロック243との合面からLの距
離にある。この距離はピストン245のストロークの1
/2よりは小さい。すなわち、噴射孔264aを点火プ
ラグ249方向に近づけることができる。この実施例に
おいて、開孔1000の径Dは、ピストンリング501
の上端とピストンリング502の下端との間の距離W2
より小さく設定してあるので、ピストン245が下降す
る爆発燃焼行程において吸き抜けが起こらない。
【0059】図11はこの実施例における噴射及び点火
のタイミングチャートである。704Aは吸気弁の開リ
フト曲線、702Aは吸気弁のリフト曲線である。排気
弁の閉じ終わる前に吸気弁が開し始める。その他の符号
は図10のものと同じである。
【0060】低速低負荷時、噴射孔264bより燃焼室
248上方に指向して飛翔する燃料は点火プラグ249
近傍に濃混合気を形成するので着火性を向上するととも
に、上記するように全運転領域における爆発燃焼行程に
おいて吹き抜けが起こらず、性能向上を図り、且つオイ
ルの劣化を防止することができる。また、ピストン24
5の上昇過程において発生するオイル消費量の増大を阻
止することができる。
【0061】図12の実施例においては、図12(a)
に示すように開孔500,600,700がシリンダ2
43cに直交に開口する方向に形成され、一方図12
(b)に示すように3つの圧力リングからなるピストン
リング501,502,503と1つのオイルリングか
らなるピストンリング504が形成される場合でも、開
孔500の出口の上端と開孔700の出口の下端の間の
距離をW1、ピストンリング501の上端とピストンリ
ング503の下端との間の距離をW2とする時、W1<
W2になるように設定されているので、同様にピストン
245が下降する爆発燃焼行程において吸き抜けが起こ
らない。
【0062】なお、インジェクタを用いるものとして、
ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンに同様に適
用することができる。
【0063】
【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明
は、シリンダ側壁にインジェクタを配置し、燃料を噴射
するための開孔と圧力リングの内最もシリンダヘッド寄
りの圧力リングとの位置構成により、最高圧力・最高温
度の燃焼ガスがインジェクタに作用することがなくなる
とともに、この燃焼ガスがクランク室側に吹き抜けるこ
ともなくなるのでインジェクタのカーボン詰まりが起き
にくく、且つ性能低下を防止できる。
【0064】請求項2記載の発明は、シリンダ側壁にイ
ンジェクタを配置し、燃料を噴射するための開孔と圧力
リングの内最もクランク室寄りの圧力リングとの位置構
成により、最高圧力・最高温度の燃焼ガスがインジェク
タに作用することがなくなるとともに、この燃焼ガスが
クランク室側に吹き抜けることをより確実に防止でき
る。
【0065】請求項3記載の発明は、ピストンに少なく
とも二つ以上の圧力リングを配置した場合にも、シリン
ダ側壁にインジェクタを配置し、燃料を噴射するための
開孔と圧力リングとの位置構成により、最高圧力・最高
温度の燃焼ガスがインジェクタに作用することがなくな
るとともに、この燃焼ガスがクランク室側に吹き抜ける
こともなくなるのでインジェクタのカーボン詰まりが起
きにくく、且つ性能低下を防止できる。
【0066】請求項4記載の発明は、点火プラグの配置
と、開孔を通過して噴射される燃料のタイミングと噴射
方向とにより点火プラグまわりに濃混合気を形成するこ
とで、さらに着火性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射式内燃機関を自動二輪車に搭載した実
施例の概略構成図である。
【図2】燃料噴射式内燃機関の縦断面図である。
【図3】燃料噴射式内燃機関を後方から見た図である。
【図4】シリンダ側壁噴射の燃料及び空気のフローチャ
ートである。
【図5】第1実施例のインジェクタの断面図である。
【図6】エンジンの縦断面図である。
【図7】インジェクタの取付部の拡大図である。
【図8】インジェクタの取付部の他の実施例の拡大図で
ある。
【図9】2サイクルエンジンにおける噴射及び点火タイ
ミングを示す図である。
【図10】4サイクルエンジンにおける実施例である。
【図11】4サイクルエンジンの実施例における噴射及
び点火のタイミングチャートである。
【図12】他の実施例におけるインジェクタの開孔とピ
ストンリングとの関係を示す図である。
【図13】インジェクタの取り付けを示す図である。
【符号の説明】
252a 掃気ポート 264 インジェクタ 500 噴射孔 500a 噴射孔500の出口 500b 噴射孔500の上端 501,502 ピストンリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンに少なくとも一つ以上の圧力リン
    グを配置し、シリンダ側壁に燃料を噴射するための開孔
    を少なくとも一つ以上有する燃料噴射式内燃機関におい
    て、前記開孔の内最もシリンダヘッド寄りの端部から最
    もクランク室寄りの端部までの長さより、前記圧力リン
    グの内最もシリンダヘッド寄りの端部から最もクランク
    室寄りの端部までの長さの方を大きく、且つピストンが
    上死点近傍にある時、少なくとも前記圧力リングの内最
    もシリンダヘッド寄りの圧力リングが、前記開孔の内最
    もシリンダヘッド寄りの端部よりシリンダヘッド寄りの
    位置となるようにしたことを特徴とする燃料噴射式内燃
    機関。
  2. 【請求項2】前記ピストンが上死点近傍にある時、少な
    くとも前記圧力リングの内最もクランク室寄りの圧力リ
    ングが、前記開孔の内最もクランク室寄りの端部よりク
    ランク室寄りの位置となるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の燃料噴射式内燃機関。
  3. 【請求項3】ピストンに少なくとも二つ以上の圧力リン
    グを配置し、シリンダ側壁に燃料を噴射するための開孔
    を少なくとも一つ以上有する燃料噴射式内燃機関におい
    て、上死点にピストンがある時、開孔の内最もシリンダ
    ヘッド寄りの開孔位置を、前記圧力リングの内最もシリ
    ンダヘッド寄りから順に配置される第1の圧力リングと
    第2の圧力リングの間となるように配置する一方、最も
    クランク室寄りの開孔位置を、前記圧力リングの内最も
    クランク室よりのものよりさらにクランク室寄りに配置
    し、且つ前記最もシリンダヘッド寄りの開孔のピストン
    往復動方向の大きさより、第1の圧力リングの幅の方を
    大きくしたことを特徴とする燃料噴射式内燃機関。
  4. 【請求項4】噴射された燃料が気化し混合気となったも
    のに点火着火させるための点火プラグを配置し、低速低
    負荷時、前記ピストンにより開孔の内最もシリンダヘッ
    ド寄りの開孔を覆うタイミングに近い時期に前記開孔を
    通過して噴射される燃料が、前記開孔から噴射される噴
    射流の方向を点火プラグを指向するようにしたことを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の燃料
    噴射式内燃機関。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101832208A (zh) * 2010-04-29 2010-09-15 天津环洁汽车能源有限公司 用于内燃机的低压燃料缸内喷射装置
JP2012241521A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Nippon Soken Inc 燃料噴射システム
JP2013007320A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 低速2サイクルガスエンジン

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