JPH10186174A - 光コネクタ - Google Patents

光コネクタ

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JPH10186174A
JPH10186174A JP34426196A JP34426196A JPH10186174A JP H10186174 A JPH10186174 A JP H10186174A JP 34426196 A JP34426196 A JP 34426196A JP 34426196 A JP34426196 A JP 34426196A JP H10186174 A JPH10186174 A JP H10186174A
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housings
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邦彦 藤原
Hitohiro Momotsu
仁博 百津
Yukio Hayashi
幸生 林
Yoshikazu Nomura
義和 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ低コストの光コネクタの開発が求め
られていた。 【解決手段】 光ファイバ1を突き合わせ接続可能に成
端するフェルール2を移動自在に収納する筒状のハウジ
ング21と、該ハウジング21に反力を取ってフェルー
ル2をハウジング21の軸線方向一端部から外方に向け
て付勢するフェルール付勢手段22と、ハウジング21
の外側を囲繞するようにして装着される筒状のカップリ
ング23とを備えてなり、一対のハウジング21の一端
部同士を圧接させて各ハウジング21に収納したフェル
ール2の接合端面8同士が接合させると一方のハウジン
グ21から突設した弾性爪26が他方のハウジングに形
成した係合凹部27と係合してフェルール付勢手段22
の付勢力が前記接合端面8同士の突き合わせ力として作
用するようにした光コネクタ20を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタに係
り、特にフェルールを取り出し可能に保護収納するハウ
ジングを有する光コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ同士を切替可能に接続する光
コネクタとしては、例えば、JISC 5981等に制
定されるような、プラスチック製光コネクタ(以下プラ
スチック光コネクタ。いわゆるMT形光コネクタ:Mech
anically Transferable)が提供されている。図10
は、プラスチック光コネクタの一例を示す。図中符号1
は光ファイバ(光ファイバテープ心線)、2はフェルー
ル(光コネクタプラグ)、3はブーツ、4はガイドピ
ン、5はガイドピン穴、6はクランプスプリングであ
る。このプラスチック光コネクタは、光ファイバ1の先
端に露出させた複数本の裸ファイバ7を、精密金型を用
いて成形した樹脂製フェルール2に形成した光ファイバ
挿入穴9に挿入固定した構造になっている。光ファイバ
挿入穴9は他のフェルール2と突き合わされる接合端面
8に開口し、前記裸ファイバ7は該接合端面8と面一に
精密に位置決めされている。ガイドピン穴5は光ファイ
バ挿入穴9に対する相対位置および平行度が極めて精密
であり、精密な円筒側面を有する金属製ガイドピン4を
一対のフェルール2の対向させた両接合端面8のガイド
ピン穴5、5間に架け渡すようにして挿入することで、
両フェルール2の接合端面8に露出する裸ファイバ7同
士が精密に位置決めされる。そして、両フェルール2の
接合端面8同士を当接させた後、両フェルール2の後端
面10間にクランプスプリング6を嵌込むと、該クラン
プスプリング6のバネ力によって接合端面8間の圧接状
態が維持され、突き合わせられた裸ファイバ7間に所望
の接続損失が安定に確保されるようになっている。
【0003】ところで、前記プラスチック光コネクタ
は、クランプスプリング6の着脱に専用の治具を必要と
するため、作業性に不満があり、接続や接続切替等の作
業を簡便に行うことができる光コネクタの開発が求めら
れていた。また、フェルール2がむき出しになることを
防止するために、キャップ等の保護手段を設ける必要が
あり、扱いが面倒であるといった不満があった。
【0004】前記問題に鑑みて、近年では、いわゆるM
POコネクタ(JIS C 5981等に制定される光
コネクタフェルールをハウジング内部に収納した構造の
光コネクタ)が提供されている。図11および図12は
前記MPOコネクタ11を示す。図12において、この
MPOコネクタ11は、プラスチック光コネクタのフェ
ルール2および該フェルール2の後端部(図12右側)
に突出させたガイドピン4をクランプするピンクランプ
12を筒状のハウジング13に内装支持し、該ハウジン
グ13の後端部を筒状のカップリング14に内装支持
し、カップリング14内に突き合わせ力発生用のスプリ
ング15を収容した構成になっている。フェルール2は
ハウジング13内を前後(図12左右)方向に移動可能
であり、ハウジング13は別途設置されたハウジング用
スプリング16によって前方に付勢されており、フェル
ール2がMPOコネクタ11の奥方に押し込まれた際に
ハウジング13がフェルール2に従動せずにMPOコネ
クタ11の先端位置にあれば、ハウジング13内側にフ
ェルール2全体が入り込んで保護される。図11に示す
ように、カップリング14は光コネクタアダプタ17等
の受け側のハウジングと係脱可能に係合して、該受け側
のハウジングに差し込んだMPOコネクタ11の差し込
み状態を維持する。
【0005】前記MPOコネクタ11によれば、受け側
のハウジングに対して挿抜するだけで、光ファイバ1同
士の接続や接続切替等を簡便に行うことができる。ま
た、フェルール2をハウジング13内に収容保護する構
造になっているので、フェルール2の保護手段を別途講
じる必要が無い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なMPOコネクタ11は、部品点数が多く構成が複雑で
あるため組み立てに手間がかかり、コストも高いといっ
た不満があった。また、図10に示すプラスチック光コ
ネクタに比べてかなり大型になるので、装置に高密度に
実装するには不向きであり、実装密度の向上に限界があ
った。また、専用のアダプタ17を装置に実装した場
合、アダプタ17が深くなるため、フェルール2の接合
端面8の清掃に手間がかかるといった不満があった。こ
のため、このMPOコネクタ11では前記プラスチック
光コネクタの有する問題点の根本的な解決に至らなかっ
た。
【0007】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、(1)部品点数が少なく構成が単純で組み立てが
容易になる、(2)小型化、低コスト化が容易である、
(3)光ファイバ同士の接続や接続切替等の作業を簡便
に行うことができる、(4)フェルールの接合端面の清
掃が容易になる、(5)突き合わせ接続したフェルール
の対をカップリング内に収納して保護することができる
といった効果が得られる光コネクタを提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、光ファイバを突き合わせ接続可能に成端す
るフェルールを移動自在に収納する筒状のハウジング
と、該ハウジングに反力を取って前記フェルールをハウ
ジングの軸線方向一端部から外方に向けて付勢するフェ
ルール付勢手段と、ハウジングの外側を囲繞するように
して装着される筒状のカップリングとを備えてなり、前
記ハウジングは、前記一端部から突出する弾性爪と、前
記一端部にて弾性爪と対向する位置に形成されて一対の
ハウジングの一端部同士を突き合わせた際に対向するハ
ウジングの弾性爪が係脱可能に係合する係合凹部とを備
え、前記カップリングはハウジングの軸線方向に沿って
移動自在に配置され、かつハウジングに反力を取って配
置されたカップリング付勢手段によりハウジング一端部
から外方に向けて付勢されてなり、一対のハウジングの
一端部同士を圧接させて各ハウジングに収納したフェル
ールの接合端面同士が接合させると各ハウジングの弾性
爪が係合凹部と係合してフェルール付勢手段の付勢力が
前記接合端面同士の突き合わせ力として作用し、かつ係
合凹部に係合した弾性爪がカップリング内に収納される
ことを特徴とする光コネクタを前記課題の解決手段とし
た。
【0009】ハウジングは、弾性爪を含めて全体を樹脂
等により一体性成形した部品であることが好ましい。こ
れにより部品点数が減少して低コスト化や製造能率の向
上が可能になる。またハウジングは角筒状等の各種形状
の採用が可能である。例えばJIS C5981等に制
定されるプラスチック製光コネクタ(いわゆるMT形光
コネクタ:Mechanically Transferable)を収納するハ
ウジングは角筒状にすることが好ましい。また、ハウジ
ング形状を適宜変更すれば、例えば、JIS C 59
73等に制定されるいわゆるSC形光コネクタのフェル
ール等の各種フェルールを収納することができる。ま
た、ハウジングには、収納したフェルールと係合して該
ハウジングの軸線方向一端部から外方へのフェルールの
移動限界を設定するストッパ等を形成することがより好
ましく、これにより、フェルールがハウジング一端部か
ら落下することを防止することができる。ストッパ等を
設置しない場合には、フェルールとフェルール付勢手段
とを連結しておき、フェルール付勢手段の伸長限界にて
フェルールの落下を防止する。弾性爪としては、樹脂製
のハウジングと一体成形して得た突起である他、ハウジ
ングと別体の金属製バネ材等を別途取り付ける構成も採
用可能である。フェルール付勢手段やカップリング付勢
手段としては、コイルスプリングや板バネ等のバネ類の
他、ゴム等の伸縮性の高い素材などの採用が可能であ
る。カップリングは、充分な強度を有する素材から形成
することが好ましく、これにより、係合凹部に係合した
弾性爪を収納した際に、係合凹部と弾性爪との係合状態
や、突き合わせ接続したフェルールを保護することがで
きる。
【0010】本発明では、請求項2に記載したように、
前記ハウジングは外面に開口する係合凹部と、該係合凹
部よりもハウジング一端部先端に形成されて一対のハウ
ジングの一端部同士を接近させた際に対向するハウジン
グの弾性爪が乗り上げることにより該弾性爪をハウジン
グから離間する方向に弾性変形させる乗り上げ突部とを
備え、前記カップリングは前記乗り上げ突部により弾性
変形された弾性爪が当接されることにより該弾性爪から
ハウジングの軸線方向他端部方向への押圧力が伝達され
る弾性爪当接部を備え、かつ係合凹部と係合した弾性爪
を収納可能に形成されてなり、一対のハウジングの一端
部同士を接近させると乗り上げ突部に乗り上げた弾性爪
がカップリング付勢手段の付勢力に抗して弾性爪当接部
を押圧してカップリングをハウジングの他端部に移動さ
せ、さらに両ハウジングを接近させると弾性爪が乗り上
げ突部を乗り越えて係合凹部と係合すると同時にカップ
リングが対向するハウジング方向に移動して係合凹部と
係合した弾性爪を収納するようにした構成も採用可能で
ある。
【0011】乗り上げ突部としては、ハウジングから突
設した突起等の採用が可能であり、一対のハウジングの
一端部同士を接近させた際に係合凹部に挿入される弾性
爪の移動軌跡上に介在させることで、係合凹部に向けて
接近してくる弾性爪が係合凹部と係合する前に乗り上げ
て一旦ハウジングから離間する方向に弾性変形する。ま
た、乗り上げ突部は、該乗り上げ突部を乗り越えて係合
凹部と係合した弾性爪と干渉しない形状に形成すること
がより好ましい。カップリングには、弾性爪を収納する
溝等を形成することも可能である。また、弾性爪当接部
としては、カップリングの軸線方向端面や、該軸線方向
端部に突設した突起等を採用する。カップリングの可動
範囲は、係合凹部を露出させる位置からハウジングの一
端部方向に移動して係合凹部および弾性爪を収納する位
置まで延在させることが好ましく、これにより、一対の
ハウジングの一端部同士を接近させて両ハウジングの弾
性爪をそれぞれ対向するハウジングの係合凹部に係合さ
せると同時に、両ハウジングに係る両カップリングが互
いに接近あるいは当接して弾性爪のみならずフェルール
をも収納する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の光コネクタの実施の
形態を図1から図4を参照して説明する。なお、図10
と同一の構成部分には同一の符号を付し、その説明を簡
略化する。図1(a)〜(d)中符号20は光コネクタ
であり、多心あるいは単心の光ファイバ1(光ファイバ
心線)を突き合わせ接続可能に成端するフェルール2を
移動自在に収納する細長角筒状のハウジング21と、該
ハウジング21に反力を取って前記フェルール2をハウ
ジング21の軸線方向一端部(図1(a)、(b)、
(d)中右側)から外方に向けて付勢するフェルール付
勢手段22(コイルスプリング)と、ハウジング21の
外側を囲繞するようにして装着される細長角筒状のカッ
プリング23と、ハウジング21の軸線方向他端部に固
着されて22の反力を確保するスプリング押し24と、該
スプリング押し24に固定されてハウジング21他端部
から引き出された光ファイバ1を引き留めるブーツ25
とを備えている。
【0013】図2(a)〜(c)はハウジング21を示
す。ハウジング21は、全体が樹脂等の成形の容易な材
質から形成された一体成型品であり、弾性爪26、係合
凹部27、ストッパ突起28、ストッパ収納溝29、乗
り上げ突部30を軸線方向一端部に備えている。図2
(a)、(b)に示すように、弾性爪26は、図中符号
31の上壁部の幅方向(図2(b)上下)両端部に一対
対向配置され、それぞれハウジング21の軸線方向一端
部から外方に向けて突設される。図2(a)、(c)に
示すように、係合凹部27は、図中符号32の底板部の
外面(底面)幅方向(図2(a)上下)両端部にて一対
対向形成され、一対の光コネクタ20、20のハウジン
グ21、21の軸線方向一端部同士を接近させた際に、
対向するハウジング21の弾性爪26と係脱可能に係合
する。係合凹部27の近傍には、ハウジング21の軸線
方向一端部側で乗り上げ突起30を併設している。乗り
上げ突起30は3角形状の突起であり、係合凹部27に
係合される弾性爪26がハウジング21軸線方向前後方
向(図2(a)、(c)中左右)に乗り越え可能であ
る。ストッパ突起28は、前記係合凹部27、27の間
の底板部32から、ハウジング21の一端部外方へ向け
て突設される。図2(a)、(b)に示すように、スト
ッパ収納溝29は、弾性爪26、26の間の上壁部31
にてハウジング21の軸線方向に沿って延在形成され、
一対の光コネクタ20のハウジング21の軸線方向一端
部同士を接近させた際に対向するハウジング21のスト
ッパ突起28が挿入される。ストッパ収納溝29の延在
長を調整してストッパ突起28の挿入限界を設定する
と、互いに接近させるハウジング21、21同士の最小
離間距離を設定することができる。したがって、一対の
光コネクタ20、20のハウジング21、21の軸線方
向一端部同士を接近、離間させると、対向させた一方の
ハウジング21の弾性爪26、26、ストッパ突起28
が、他方のハウジング21の係合凹部27、ストッパ収
納溝29、29に対して挿抜される。
【0014】図2(a)、(b)に示すように、上壁部
31の外面中央部には係合爪33を突設している。この
係合爪33は、ハウジング21に装着したカップリング
23の内面中央部に突設した係合壁34と係合すること
で、カップリング23がハウジング21一端部方向へ抜
け出ることを防止している。図2(a)中符号35はス
プリング溝であり、図1(a)に示すように、カップリ
ング23との間にカップリング付勢手段36(コイルス
プリング)を収納する。前記カップリング23はハウジ
ング21の軸線方向に沿って移動自在に配置され、かつ
ハウジング21に反力を取って配置されたカップリング
付勢手段36の付勢力が該カップリング23内面側に突
設した受圧突起23aに作用することで、ハウジング2
1一端部から外方に向けて常時付勢される。図1(a)
中符号37はフェルールストッパであり、フェルール2
後端部に突設したフランジ部38が係合されることで、
ハウジング21一端部から外方へフェルール2が抜け出
ることを規制している。なお、図1(a)において、ハ
ウジング21内では、フェルール2のフランジ部38に
装着したピンクランプ12がハウジング21内面に摺動
しつつ、該ハウジング21の軸線方向両方向に移動自在
になっている。前記フェルール2には、ピンクランプ1
2を介してフェルール付勢手段22の付勢力が作用す
る。また、ハウジング21は、ピンクランプ12を装着
していないフェルール2を収納することも可能である。
この場合、フェルール2にはフェルール付勢手段22の
付勢力が直接的に作用する。
【0015】図3は、スプリング押し24を示す。図3
に示すように、スプリング押し24は、細長形状のスプ
リング受け部39と、該スプリング受け部39の長手方
向一端部(図3左側)に突設されてハウジング21の軸
線方向に固着される固着フランジ40と、スプリング受
け部39の長手方向他端部にて両側に対向突設した位置
決め突起41、41とを備えている。図1(a)に示す
ように、スプリング押し24は、スプリング受け部39
の長手方向他端部側をハウジング21の他端部から一端
部に向けて挿入し、固着フランジ40をハウジング21
の他端部に固着することで、ハウジング21内の所定位
置に固定される。スプリング受け部39は、ハウジング
21内に挿入すると同時に両位置決め突起41、41が
ハウジング21内面と当接することによりハウジング2
1内に位置決めされる。固着フランジ40をハウジング
21に固着する手段としては、ハウジング21他端部へ
の嵌合や、図示しない弾性爪等による係止等が採用可能
であり、ハウジング21に対して離脱可能な構成である
ことがより好ましい。スプリング受け部39は、フェル
ール付勢手段22が嵌め込まれるスプリング取付溝42
を有している。ハウジング21の正しい位置でスプリン
グ押し39を固定すると、スプリング取付溝42に嵌め
込んだフェルール付勢手段22がハウジング21の中心
軸線上に位置される。また、スプリング受け部39およ
び固着フランジ40には、図示しない光ファイバ挿通穴
が貫通され、この光ファイバ挿通穴を介して、ハウジン
グ21に収納したフェルール2に係る光ファイバ1がハ
ウジング21他端部から後方に引き出される。固着フラ
ンジ40にはブーツ25が固定される図示しないブーツ
固定穴が形成され、嵌合や接着等の手段によりブーツ2
5が固定される。
【0016】次に、本実施の形態の光コネクタ20の作
用および効果を図4から図9を参照して説明する。本実
施の形態では、一対の光コネクタ20、20のハウジン
グ21、21の一端部同士を互いに圧接してフェルール
2、2の接合端面8、8同士を接合することで、一対の
光ファイバ1、1同士を突き合わせ接続する。光ファイ
バ1、1同士を接続するには、まず、図4に示すよう
に、一方の光コネクタ20のフェルール2のガイドピン
穴5、5にガイドピン4、4を挿入しておき、他方の光
コネクタ20のフェルール2のガイドピン穴5、5は空
にしておく。ガイドピン4を挿入するフェルール2には
予めピンクランプ12を装着しておき、ガイドピン穴
5、5に挿入したガイドピン4をピンクランプ12にて
クランプ保持する。セットされたガイドピン4、4は、
フェルール2の接合端面8から突出している。したがっ
て、図4の状態では、フェルール2の接合端面8の清掃
が容易である。
【0017】次いで、図5に示すように、光コネクタ2
0、20のハウジング21、21の一端部同士を対向さ
せて接近させ、両ハウジング21、21のストッパ突起
28、28を互いに対向する相手側のハウジング21の
ストッパ収納溝29、29(図2(a)参照)に挿入
し、フェルール2から突出されたガイドピン4、4を他
方のフェルール2のガイドピン穴5、5に挿入する。こ
の際、両光コネクタ20、20においては、ストッパ突
起28、28をストッパ収納溝29、29に挿入すれば
両フェルール2、2が位置決めされるので、ガイドピン
4、4をガイドピン穴5、5に挿入する作業が容易にな
される。
【0018】光コネクタ20、20同士をさらに接近さ
せると、まず、図6に示すように、フェルール2、2の
接合端面8、8同士が接合されてガイドピン4、4がガ
イドピン穴5、5に深く刺さり、次いで、図7に示すよ
うに、各ハウジング21の弾性爪26、26が対向する
ハウジング21の乗り上げ突部30、30に乗り上げて
ハウジング21外面から離間する外側方向に弾性変形さ
れる。この時、弾性変形した弾性爪26、26はカップ
リング23の軸線方向端面が当接するので、光コネクタ
20、20同士がさらに継続して接近されることで、こ
れら弾性爪26、26によってカップリング付勢手段3
6の付勢力に抗してカップリング23がハウジング21
他端部方向に移動される。カップリング23にて、弾性
爪26、26が当接される部分は、請求項2記載の弾性
爪当接部23bとして機能する。なお、この弾性爪当接
部としては、カップリング23から突設した突起等を採
用することも可能である。
【0019】光コネクタ20、20同士をさらに継続し
て接近させると、図8に示すように、弾性変形された弾
性爪26、26が乗り上げ突部30を乗り越え、カップ
リング23の移動によって係合凹部27、27が露出さ
れると同時に、該係合凹部27、27に弾性爪26、2
6が入り込んで係合する。これにより、ハウジング2
1、21同士の離間が規制され、両ハウジング21、2
1に内蔵のフェルール付勢手段22、22の付勢力がフ
ェルール2、2間の突き合わせ力として作用するので、
光ファイバ1、1間に目的の接続損失を安定に確保する
ことができる。
【0020】また、弾性爪26、26が係合凹部27、
27と係合すると同時に、弾性爪26、26からカップ
リング23への押圧力の伝達が停止するので、図9に示
すように、カップリング付勢手段36の付勢力によっ
て、カップリング23がハウジング21一端部方向に移
動し、係合凹部27、27に係合した弾性爪26、26
を外側から覆う。これにより、弾性爪26、26がハウ
ジングとカップリング23との間に挟み込まれて弾性変
形が規制されるので、弾性爪26、26と係合凹部2
7、27との係合状態が維持される。なお、両光コネク
タ20、20のカップリング23、23が互いにほぼ当
接する位置に移動した場合には、これらカップリング2
3、23によって接続状態のフェルール2、2が保護収
納されるので、光ファイバ1、1同士の接続状態を確実
に維持することができる。
【0021】フェルール2、2同士の接続状態を解除す
る場合には、カップリング23をカップリング付勢手段
36の付勢力に抗してハウジング21他端部方向に移動
して弾性爪26、26を露出させ、係合凹部27、27
から弾性爪26、26を引き抜き、両光コネクタ20、
20を互いに離間させる。これにより、両光コネクタ2
0、20が図4の状態に戻り、光ファイバ1、1同士の
接続状態を簡便に解除することができる。なお、他の光
コネクタ20と接続していない光コネクタ20は、光コ
ネクタ20と同様の構成のダミーの光コネクタと接続す
ることで、フェルール2を保護することができる。
【0022】したがって、この光コネクタ20によれ
ば、部品点数が少なく、構成が単純であるので、簡便に
組み立てることができ、しかも小型化や低コスト化が可
能である。小型化の結果、複数集合させて装置等に実装
する場合には実装密度が向上する。また、一対の光コネ
クタ20、20のハウジング21、21の一端部同士を
互いに突き合わせるようにして圧接させるだけで、フェ
ルール2、2によって成端された光ファイバ1、1同士
を簡便に突き合わせ接続することができ、接続の作業能
率が大幅に向上する。また、カップリング23を移動し
て弾性爪26、26と係合凹部27、27との係合を解
除し、両光コネクタ20、20を互いに離間させるだけ
で、光ファイバ1、1同士の接続状態を簡便に解除する
ことができ、しかも、その直後から次の接続作業を実施
することができるので、光ファイバ1、1同士の接続切
替の作業能率を向上することができる。
【0023】なお、ハウジングは、複数対のフェルール
の突き合わせ接続に対応するべく、例えばフェルールを
複数収納可能な内部構成とすることも可能である。ま
た、ハウジングやカップリングは、本実施の形態に記載
した構成に限定されず、各種構成、形状に形成すること
が可能であることは言うまでも無く、例えば、係合凹部
と弾性爪との係合状態を解除するための手段をカップリ
ングやハウジングに設置した構成も、本発明の光コネク
タは含む。また、図4から図9では、光コネクタ20、
20同士を接続する場合について示したが、この光コネ
クタ20は、弾性爪26が係合可能な係合凹部を有する
光コネクタアダプタ等の各種ハウジングに対しても接続
可能であり、この場合でも光コネクタ20、20同士を
接続する場合と同様の作用および効果が得られる。この
光コネクタ20に対応する光コネクタアダプタは、光コ
ネクタ20の小型化に鑑みて小型化が可能であるから、
装置に装着した場合の実装密度が向上する。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の光
コネクタによれば、光ファイバを突き合わせ接続可能に
成端するフェルールを収納する筒状のハウジングと、該
ハウジングに反力を取って前記フェルールをハウジング
の軸線方向一端部から外方に向けて付勢するフェルール
付勢手段と、ハウジングの外側を囲繞するようにして装
着されかつハウジングの軸線方向に移動自在である筒状
のカップリングとを備えてなり、一対のハウジングの一
端部同士を圧接させて各ハウジングに収納したフェルー
ルの接合端面同士が接合させると各ハウジングの弾性爪
が対向するハウジングに形成した係合凹部と係合してフ
ェルール付勢手段の付勢力が前記接合端面同士の突き合
わせ力として作用し、かつ係合凹部に係合した弾性爪が
カップリング付勢手段の付勢力によって移動されたカッ
プリング内に収納される構成としたことにより、以下の
ような優れた効果を奏する。 (1)極めて小型に形成することができ、適宜必要箇所
に容易に実装することができ、汎用性が高い。また、多
数集合させた場合、従来品の光コネクタに比べて実装密
度を向上することができる。 (2)弾性爪と係合凹部との係脱により一対のハウジン
グを分離、一体化させるだけで、これらハウジングに収
納したフェルール同士を突き合わせ接続および接続解除
することができ、フェルールによって成端された光ファ
イバ同士の接続や接続切替等の作業性が向上し、作業時
間が短縮する。 (3)別途固定用の部品を設置すること無く、フェルー
ルをそのまま収納することができる。 (4)部品点数が少なく、構造が単純であるので、製造
に有利であり、低コスト化することができる。 (5)弾性爪と係合凹部とを係合させると同時に、ハウ
ジングに設置したフェルール付勢手段の付勢力が接合し
たフェルール同士の突き合わせ力として作用し、フェル
ールによって成端された光ファイバ間に目的の接続損失
を安定かつ確実に得ることができる。 (6)接続状態を解除しておくことで、フェルール付勢
手段の作用によってフェルールがハウジングの一端部近
傍に位置するので、フェルール接合端面の清掃等の作業
性が向上する。 (7)接続解除時には、カップリング付勢手段の付勢力
によってカップリングがハウジング一端部近傍に押し出
され、このカップリングによりフェルールが保護され
る。 (8)接続作業後に、カップリング付勢手段の付勢力に
よってカップリングがハウジング一端部近傍に押し出さ
れ、係合凹部に係合した弾性爪がカップリングに内に収
納され、係合凹部からの離脱が防止されるので、接続状
態の光ファイバ間の接続損失を安定かつ確実に維持する
ことができる。
【0025】請求項2記載の光コネクタによれば、一対
のハウジングの一端部同士を接近させると、対向するハ
ウジングの一端部に形成した乗り上げ突部に乗り上げた
弾性爪が、カップリングに確保した弾性爪当接部をカッ
プリング付勢手段の付勢力に抗して押圧してカップリン
グをハウジングの他端部に移動させ、さらに両ハウジン
グを接近させると弾性爪が乗り上げ突部を乗り越えて係
合凹部と係合すると同時にカップリングが対向するハウ
ジング方向に移動して係合凹部と係合した弾性爪を収納
するようにした構成により、以下のような優れた効果を
奏する。 (9)係合凹部と弾性爪とが係合した直後に、ハウジン
グ一端部近傍に押し出されたカップリングにより弾性爪
を収納するので、係合凹部からの弾性爪の離脱をカップ
リングにより防止することができ、フェルール間の突き
合わせ力を安定に維持することができる。カップリング
とハウジングとの間に弾性爪を挟み込む構成であれば、
弾性爪の離脱防止効果が一層向上する。 (10)(7)記載のカップリングによるフェルールの
保護や、(9)記載の係合凹部と弾性爪との係合状態の
維持は、弾性爪が係合凹部と係合すると同時に、カップ
リング付勢手段の付勢力によってカップリングが自動的
に移動してなされるので、別途作業が不要であり、接続
の作業能率が大幅に向上する。 (11)弾性爪と係合凹部とを係合した後に移動したカ
ップリングの、対向するハウジングの方向への移動量が
大きい場合には、接続状態のフェルール対の全体をカッ
プリング内に保護収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光コネクタの実施の形態を示す図で
あって、(a)は平断面図、(b)は下面図、(c)は
側面図、(d)は正面図である。
【図2】 図1の光コネクタのハウジングを示す図であ
って、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は下面
図である。
【図3】 図1の光コネクタのハウジングに組み込むス
プリング押しおよびスプリングを示す分解平面図であ
る。
【図4】 本実施の形態の光コネクタの作用を示す図で
あって、ガイドピンのセット状態を示す正面図である。
【図5】 本実施の形態の光コネクタの作用を示す図で
あって、一方の光コネクタのフェルールにセットしたガ
イドピンを他方の光コネクタのフェルールのガイドピン
穴に挿入する作業を示す正面図である。
【図6】 本実施の形態の光コネクタの作用を示す図で
あって、両光コネクタのフェルール同士を突き合わせ接
続する作業を示す正面図である。
【図7】 本実施の形態の光コネクタの作用を示す図で
あって、一方の光コネクタのハウジングから突設した弾
性爪を他方の光コネクタのハウジングに形成した乗り上
げ突部に乗り上げさせた状態を示す正面図である。
【図8】 本実施の形態の光コネクタの作用を示す図で
あって、一方の光コネクタのハウジングから突設した弾
性爪を他方の光コネクタのハウジングに形成した係合凹
部に係合させた状態を示す正面図である。
【図9】 本実施の形態の光コネクタの作用を示す図で
あって、弾性爪と係合凹部とを係合した後、カップリン
グが移動して弾性爪を収納した状態を示す正面図であ
る。
【図10】 従来例の光コネクタを示す図であって、プ
ラスチック光コネクタ(MT形光コネクタ)を示す分解
斜視図である。
【図11】 従来例の光コネクタを示す図であって、M
POコネクタを示す斜視図である。
【図12】 図11のMPOコネクタの正断面図であ
る。
【符号の説明】
1…光ファイバ(光ファイバ心線)、2…フェルール、
8…接合端面、20…光コネクタ、21…ハウジング、
22…フェルール付勢手段(コイルスプリング)、23
…カップリング、23b…弾性爪当接部、26…弾性
爪、27…係合凹部、30…乗り上げ突部、36…カッ
プリング付勢手段(コイルスプリング)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 義和 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ(1)を突き合わせ接続可能
    に成端するフェルール(2)を移動自在に収納する筒状
    のハウジング(21)と、 該ハウジングに反力を取って前記フェルールをハウジン
    グの軸線方向一端部から外方に向けて付勢するフェルー
    ル付勢手段(22)と、 ハウジングの外側を囲繞するようにして装着される筒状
    のカップリング(23)とを備えてなり、 前記ハウジングは、前記一端部から突出する弾性爪(2
    6)と、前記一端部にて弾性爪と対向する位置に形成さ
    れて一対のハウジングの一端部同士を突き合わせた際に
    対向するハウジングの弾性爪が係脱可能に係合する係合
    凹部(27)とを備え、 前記カップリングはハウジングの軸線方向に沿って移動
    自在に配置され、かつハウジングに反力を取って配置さ
    れたカップリング付勢手段(36)によりハウジング一
    端部から外方に向けて付勢されてなり、 一対のハウジングの一端部同士を圧接させて各ハウジン
    グに収納したフェルールの接合端面(8)同士が接合さ
    せると各ハウジングの弾性爪が係合凹部と係合してフェ
    ルール付勢手段の付勢力が前記接合端面同士の突き合わ
    せ力として作用し、かつ係合凹部に係合した弾性爪がカ
    ップリング内に収納されることを特徴とする光コネクタ
    (20)。
  2. 【請求項2】 前記ハウジングは外面に開口する係合凹
    部と、該係合凹部よりもハウジング一端部先端に形成さ
    れて一対のハウジングの一端部同士を接近させた際に対
    向するハウジングの弾性爪が乗り上げることにより該弾
    性爪をハウジングから離間する方向に弾性変形させる乗
    り上げ突部(30)とを備え、 前記カップリングは前記乗り上げ突部により弾性変形さ
    れた弾性爪が当接されることにより該弾性爪からハウジ
    ングの軸線方向他端部方向への押圧力が伝達される弾性
    爪当接部(23b)を備え、かつ係合凹部と係合した弾
    性爪を収納可能に形成されてなり、 一対のハウジングの一端部同士を接近させると乗り上げ
    突部に乗り上げた弾性爪がカップリング付勢手段の付勢
    力に抗して弾性爪当接部を押圧してカップリングをハウ
    ジングの他端部に移動させ、さらに両ハウジングを接近
    させると弾性爪が乗り上げ突部を乗り越えて係合凹部と
    係合すると同時にカップリングが対向するハウジング方
    向に移動して係合凹部と係合した弾性爪を収納すること
    を特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
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