JPH10185268A - レンジフード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室内へ給気する外気に含まれる塵埃、虫等の
除去を行うフィルタの取り付け、手入れ、清掃、交換等
を容易に行うことができるレンジフードを提供する。 【解決手段】 フード本体１の天板上に中空幕板を起立
固定し、その中空幕板に外気導入の給気ダクトを接続す
ると共に、該幕板内に取り入れた空気に含まれている塵
埃や虫等を付着除去する給気フィルタ16を着脱自在に装
着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は台所のガスレンジ
（ガスコンロ）や電気レンジ等の調理器具の上方に設置
される局所排気用のレンジフードに係り、詳しくは調理
によって発生する排煙、臭い、蒸気等を屋外に吸引排気
する一方、屋外の新鮮な空気をレンジフードを介して室
内に給気する同時給排式のレンジフードに関する。

【０００２】

【従来の技術】台所の調理器具の上方に設置される局所
排気用のレンジフードは、調理によって発生する燃焼廃
ガス、油煙、臭い、及び蒸気等を吸引して屋外に排気す
る、所謂排気専用のレンジフードが一般的である。しか
しながら、今日の住宅は気密化が進み、透き間風が入る
ようなことはほとんど無く、その為に窓を締め切った状
態でレンジフードを運転した場合、排気が十分に行われ
ず、又、台所（室内）が負圧になり、ドアの開閉に支障
をきたしたりすることがある。勿論、上記した不具合を
解決する手段としては窓を開けるなどして換気を行えば
よいが、ついつい忘れてしまうのが実状である。そこ
で、窓開けなどをしなくとも屋外の新鮮な空気を室内に
導入（給気）できる同時給排式のレンジフードが種々開
発され、実用化されている。その一例を挙げれば、実公
平２−４２９８６号、実公平３−４７１５９号等があ
る。

【０００３】その同時給排式レンジフードにおける給気
の方式としては、レンジフードに設けた室内への給気吹
出し口と屋外とを給気ダクトで連結するだけの自然給気
タイプと、前記給気経路の途中に送風機を設置した強制
給気タイプとがある。そして、上記した何れかの方式で
導入された空気はレンジフードに設けた給気吹出し口か
ら室内に給気されるが、その給気吹出し口はフード本体
の前面開口部を閉鎖する前板の下端、或いはフード本体
の天板上面に設置される中空幕板の前面に開設されてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近は
外気も塵埃や、季節によってはアレルギー症の原因とな
る花粉、更にはＮＯｘその他の有害物質等を含み、清浄
とはいい難くなってきている。又、外気を室内に給気
（導入）する時、季節によっては一緒に蠅や蚊等の侵入
もあり、これらを防止することも考慮しなければならな
い。

【０００５】その為に従来は、給気ダクトの建物外壁側
の開口部に雨よけのカバーとスリット状の防鳥ガラリ及
びこれにネットを組み合わせたものが使用されている
が、それらは外気を取り入れるダクト先端側の外壁側に
配置され、よって前記したフィルタの交換は勿論のこ
と、清掃等の手入れがしにくいのが現状である。しか
も、長期間の給気によってフィルタに塵埃等が付着し、
目詰まりが生じた場合には、外気導入の用を果たさなく
なるといった問題点を有する。

【０００６】本発明は上記した従来の技術が有する問題
点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
室内へ給気する外気に含まれる塵埃、虫等の除去を行う
フィルタの取り付け、手入れ、清掃、交換等を容易に行
うことができるレンジフードを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為に
本発明が講じた技術的手段は、フード本体の天板上面前
部に配置され、フード本体と天井との間に配管されるダ
クトや配線等が使用者の目に入らないように隠蔽すると
同時に、外気を給気ダクトを介して導入し、室内への吸
気吹出し口を有した中空幕板を利用し、その中空幕板の
後面に形成した給気取入口から前面の給気吹出し口に至
る内部の通風路に、取り入れた空気に含まれている塵埃
や虫等を付着除去する給気フィルタを設けた構成を特徴
とする。上記中空幕板への外気の導入は、該中空幕板に
接続される給気ダクトの途中にファンを組み込んで強制
的に外気を吸引導入する強制給気でも、ファンを備えず
室内と室外との圧力差によって外気を導入する自然給気
のいずれでもよい。

【０００８】上記給気フィルタはネット又は不織布など
を耐熱性のＡＢＳ樹脂などの合成樹脂製枠で成型した今
日周知の構造のものである。尚、ネットとして帯電繊維
のものを使用すれば、微細な花粉等の付着除去に有効で
ある。そして、上記給気フィルタは中空幕板内の通風路
に着脱可能に取り付けられ、中空幕板に設けた取り出し
部より取り出し、交換し得るようにしてある。その取り
出し部としては、中空幕板の前面板をネジ止め等によっ
て着脱自在とし、その前面板を取り外して中空幕板の前
面を開放する形態、或いは前面板における給気フィルタ
と対応する部位（範囲）に開閉可能な扉を設ける形態等
が挙げられる。その扉の開閉構造としては、扉の一方端
を蝶番で取り付けた開き戸形式、或いは前面板に沿って
左右又は上下方向にスライドさせる引き戸形式、前面板
と直角に交差する前後方向に抜き差しする嵌め込み形式
等、何れでもよいものである。更に中空幕板の前面板に
孔を開け、その孔を介して給気フィルタ自体を抜き差し
する引き出し形式としてもよい。

【０００９】又、上記中空幕板内の給気フィルタと給気
吹出し口との間には導入した外気を暖めて室内に給気す
るヒータを配置してもよい。上記した中空幕板の通風路
に装着される給気フィルタは該幕板の前面側から着脱す
る形式に限らず左右側面側でもよい。

【００１０】上記の構成によれば、外気が導入される中
空幕板内に給気フィルタが装備されることで、導入され
る空気に含まれる塵埃や虫及びその他の有害物質を付着
除去でき、清浄化した空気を室内に給気することができ
る。そして、その給気フィルタは室内において中空幕板
から簡単に着脱することが可能となり、フィルタの清
掃、手入れ、交換等を容易に行うことができる。しか
も、給気フィルタの下流側にヒータを配置した場合は、
冬期等屋外の空気が冷たい時は暖めて室内に給気でき、
室内の空調を阻害することがない。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を強制
給気の場合について図面に基づいて説明すると、レンジ
フードＡは前面及び下面が開口したフード本体１の内部
に排気用送風機２が収容設置され、フード本体１の前面
開口部に前板３が着脱可能に取り付けられた今日周知の
形態のものである。即ち、フード本体１の内側に下板４
とフィルタ５で排気用送風機２を収容する空間部６が区
画形成され、その空間部６に収容設置される排気用送風
機２の吐出口はフード本体１の天板１a を介して排気ダ
クト７に接続されるように構成されている。

【００１２】又、フード本体１の天板１a の上面には外
気を強制的に給気する給気ボックス８が載置固定されて
いる。その給気ボックス８は、ボリュート形状をしたケ
ーシング８a と、そのケーシング８a 内に収容される多
翼ファン８b とで構成され、前記多翼ファン８b はモー
タ８e によって駆動されるように構成されている。そし
て、給気ボックス８におけるケーシング８a の吸込み口
８c は屋外に連通する給気ダクト９に接続し、給気ボッ
クス８におけるケーシング８a の吐出口８d はフード本
体１の天板１aの上面前部に起立設置される中空幕板10
に連通接続されている。又、前記給気ダクト９の途中に
は該ダクト（通路）を開閉するシャッタ23が取り付けら
れ、レンジフードを使用しない時、外気が室内に流入し
ないようにしてある。

【００１３】中空幕板10は、フード本体１の天板１a 上
面と天井との間に配設される排気ダクト７や、外気を室
内に導入するための給気ダクト９、更に給気ダクトに接
続取り付けられる給気ボックス、或いは電気関係の配線
等が前方から使用者の目に入らないように隠蔽するもの
で、前面が開口した箱状体10a と、その前面開口を閉鎖
する前面板10b とで偏平箱状に形成され、前面板10b は
箱状体10a に止めネジ11で着脱自在に取り付けられてお
り、この着脱される前面板10b が給気フィルタ17の取り
出し部ａとなる。そして、上記中空幕板10の後面の下部
に前記した給気ボックス８の吐出口８dが連通接続され
る給気取入口12が開設され、前面板10b の上部には該中
空幕板10に導入した外気を室内に給気する給気吹出し口
13が開設されている。

【００１４】そして、前記中空幕板10の内部には後面に
開設した給気取入口12の上側孔縁よりも上側に位置させ
て仕切板14が水平に架設されて該中空幕板内部が上下二
室に区画され、その仕切板14に下室から上室へ空気を案
内する通孔15が開設されている。尚、通孔15は図面では
前側の縁が無いものを示したが、前側に縁を設けその縁
が前面板10b の裏面と密着するようにした方が空気の漏
れを防止することができる。そして、その通孔15より下
流側、即ち仕切板14の上面には前記通孔15の孔縁に沿っ
て給気フィルタ17を水平に支持するフィルタ受け枠16が
形成されると共に、そのフィルタ受け枠16はその前面板
10b と対向する前側は開放されて該フィルタ受け枠16に
対して給気フィルタ17を箱状体10a の前面開口より抜き
差しし得るように構成されている。

【００１５】上記したフィルタ受け枠16に装着される給
気フィルタ17は、ネット又は不織布等17a を耐熱性のＡ
ＢＳ樹脂などの合成樹脂製枠17b で成型した今日周知の
構造のもので、この給気フィルタ17は前記した前方が開
放されたフィルタ受け枠16に前方から差し込み装着す
る。尚、ネットとして静電気を帯びた繊維（帯電繊維）
（例えば、住友スリーエム株式会社の帯電エアフィルタ
素材、商標「フィルタレット」）からなるフィルタを使
用すれば、空気中に浮遊するミクロの塵、微細な花粉等
を吸着除去することができ、室内へ給気する空気の浄化
を一層高めることができる。更に、給気フィルタ17を構
成するネットまたは不織布等17a に脱臭部材、例えば活
性炭の顆粒を添着したものを使用して、塵埃の除去と同
時に臭いを除去するようにしても良い。

【００１６】又、前記した仕切板14には給気フィルタ17
より下流側に位置させて浄化された空気を加熱するヒー
タ18が前記給気フィルタ17から離間して取り付けられて
いる。このヒータ18は冬期外の冷たい空気をそのまま清
浄化して室内に給気すると、折角暖房機器で空調されて
いる室内の空気を阻害することになるため、清浄化した
空気をヒータ18で暖めて室内に給気するものである。
尚、ヒータを給気フィルタ17より下流側、即ち清浄化し
た空気を暖めるようにしたのは、ヒータ18に塵埃が付着
すると場合に因っては発火・火災の虞れがあり、又、ヒ
ータは通常でも安全上清掃・点検が必要で、更に心理的
にも給気フィルタ17よりも下流側にあることが望ましい
理由からである。

【００１７】上記した実施の形態は外気の導入をファン
を装備した給気ボックスを介在して行う強制給気の構成
について説明したが、外気の導入は室内と屋外の圧力差
によって行う自然給気でもよく、その場合前記した実施
の形態で給気ボックス内の送風機を外した構成、或いは
給気ボックスを介さず直接給気ダクトを中空幕板10の給
気取入口12に接続してもよいものである。その場合、給
気ダクトの位置が中空幕板に対して常に一定の位置に対
応するとは限らず、レンジフードの設置現場によって異
なるため、中空幕板10の後面に形成する給気取入口12を
図４に示すように複数個（図面では３個）をハーフカッ
トで形成し、給気ダクト９の位置に応じて選択し、打ち
抜いてダクトを接続するようにしてもよい。

【００１８】又、中空幕板10と配管された給気ダクト９
を接続する場合、中空幕板10の後面に開設する給気取入
口12の中心と給気ダクト９の中心が常に合致するとは限
らず、多少ズレるのが一般的であり、そうした場合に両
者の芯ズレをカバーして容易に接続するためには図５に
示すような構成を採用することができる。その構成は、
中空幕板10の給気取入口12に挿通できる接続管19の一端
に、給気取入口12内のどの位置に芯ズレしても該給気取
入口12を塞ぐことができるフランジ19’を設け、その接
続管19の他端を配管設置された給気ダクト９内にパッキ
ン20を介して密着嵌合接続する。

【００１９】図６は中空幕板10内に装備される給気フィ
ルタ17を取り外したりする取り出し部ａの他の実施例
で、前面板10b における給気フィルタ17と対応する部位
に窓孔21を開設し、その窓孔21に扉22の一側を蝶番で取
り付けて開閉自在に構成する。尚、前面板10b に開設し
た窓孔21を開閉する扉22は図示した開き戸形式に限られ
るものではなく、引き戸形式、或いは前後方向に抜き差
しする嵌込み形式としてもよいものである。

【００２０】図７は給気フィルタ17を取り外したりする
取り出し部ａの他の実施例で、中空幕板10の前面板10b
に差し込み孔23を開設し、その差し込み孔23に対して引
き出し形状に形成した給気フィルタ24を該幕板10の前方
から抜き差しするようにする。この場合は、給気フィル
タ24を直接着脱できるため、清掃、交換、手入れ等を容
易に行うことができる。尚、この実施の形態の場合も中
空幕板10の内部には前記した通孔15を開設した仕切板14
が配置されるいる。

【００２１】上記の構成により、給気ボックス８に装備
したファン８b の駆動によって外気は給気ダクト９を介
して中空幕板10に導入されるが、その中空幕板10内に装
備した給気フィルタ17で導入した空気中に含まれている
塵埃や花粉、虫等が付着除去され、清浄化された空気が
中空幕板10の前面に開設された給気吹出し口13から室内
に給気される。そして、中空幕板10内に装備した給気フ
ィルタ17は、中空幕板に設けた取り出し部ａより簡単に
取り外すことができ、該フィルタの清掃、手入れ、交換
を容易に行うことができる。従って、フィルタの機能を
長期に亘って維持することができる。又、給気フィルタ
より下流側にヒータを配置した場合は、清浄化した空気
を暖めて室内に給気できるため、室内の空調を阻害する
ことがない。

【００２２】

【発明の効果】本発明のレンジフードは請求項１、２、
３に記載の構成により、外気を清浄化して室内に給気す
ることができる。そして、その清浄化する給気フィルタ
はフード上面に取り付けられる中空幕板内に着脱自在に
装着されており、中空幕板に設けた取り出し部から取り
出せるため、フィルタの清掃、手入れ、交換等を容易に
行うことができる。又、請求項４に記載の構成により、
清浄化した空気を暖めて室内に給気できるため、室内の
空調を阻害することがなく、冬期も安心して給気でき
る。しかも、そのヒータは給気フィルタよりも下流側に
配置されているため、該ヒータに塵埃が付着することは
なく、従って発火・火災の心配がなく、清掃・点検も容
易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るレンジフードの実施の形態の一例
を示す縦断側面図である。

【図２】中空幕板の前面板を外して内部を示す分解斜視
図である。

【図３】図１をフードの裏側から見た斜視図である。

【図４】中空幕板に給気ダクトを直接接続する形態を示
す斜視図である。

【図５】中空幕板に給気ダクトを直接接続する場合の接
続構造を示す部分拡大断面図である。

【図６】中空幕板に設ける取り出し部の他の実施例を示
す斜視図である。

【図７】給気フィルタを引き出し形式とした実施の形態
を示す斜視図である。

【符号の説明】

Ａ…レンジフード １…フード本体 ２…排気用送風機 ９…給気ダクト 10…中空幕板 12…給気取入口 13…給気吹出し口 17，24…給気フィルタ 18…ヒータ ａ…取り出し部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 調理によって発生した排煙、臭い、蒸気
   等を屋外に吸引排気する一方、その排気に見合う屋外の
   新鮮な空気を室内に給気する給気機構としてフード本体
   の天板上面前部に該フード本体の天板上面と天井との間
   に配管されるダクト或いは配線等を隠蔽する中空幕板を
   配置し、その中空幕板の後面に屋外に連通する給気ダク
   トを接続する給気取入口を設け、中空幕板の前面に室内
   への給気吹出し口を設けた同時給排式のレンジフードに
   おいて、前記給気取入口から給気吹出し口に至る中空幕
   板の内部を通風路とし、該通風路に、取り入れた空気に
   含まれている塵埃や虫等を付着除去する給気フィルタを
   設け、更に前記中空幕板に給気フィルタの取り出し部を
   設けたことを特徴とするレンジフード。
2. 【請求項２】 上記取り出し部が、中空幕板の着脱自在
   な前面板である請求項１記載のレンジフード。
3. 【請求項３】 上記取り出し部が、中空幕板の前面板に
   おける給気フィルタと対応する部位に設けた開閉自在な
   扉である請求項１又は２に記載のレンジフード。
4. 【請求項４】 上記中空幕板内の給気フィルタと該幕板
   に開設した給気吹出し口との間の通風路にヒータを配設
   した請求項１乃至３の何れかに記載のレンジフード。