JP2008032319A - 熱交換型換気装置、換気システム及び建物 - Google Patents

熱交換型換気装置、換気システム及び建物 Download PDF

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【課題】建物内の換気を行なうために適正な空気の流れを作ることが可能な熱交換型換気装置を提供する。
【解決手段】本発明の熱交換型換気装置1Aは、装置本体2が建物100の床下に形成された配管設置空間101に設置される。また、室内給気口3が室内102の床面103に設置され、装置本体2と室内給気口3が、配管設置空間101を経由した給気ダクト30で接続される。更に、室内吸込口4が室内102の天井近くの壁面105に設置され、装置本体2と室内吸込口4が、壁内105a及び配管設置空間101を経由した排気ダクト40で接続される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物の床下に設置され、室内の換気を行う熱交換型換気装置、この熱交換型換気装置を備えた換気システム及び建物に関する。
建物内の換気を行なう換気装置では、外気を室内に給気すると共に、室内の空気を排気する装置本体を、建物の天井に設置する形態のものが提案されている。このように、建物の天井に装置本体を設置する形態の換気装置では、室内に空気を給気する給気口と、室内の空気を吸い込む吸込口も天井に設置されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−281523号公報
従来の換気装置では、天井に装置本体を設置すると共に、給気口や吸込口と装置本体を接続するダクトを天井に設置している。しかし、天井裏の空間は、ダクトを自在に配置するために必要な十分な広さが無く、ダクト配置の自由度が低い。このため、建物内の換気を行なうために適正な空気の流れを作れるような配置で給気口や吸込口を設けることが困難であった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、建物内の換気を行なうために適正な空気の流れを作ることが可能な熱交換型換気装置、換気システム及び建物を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の熱交換型換気装置は、室内の床または床に近接した壁面に設置される室内給気口と給気ダクトを介して接続されると共に、室内給気口が設置された室内と同室または他室の天井に近接した壁面または天井に設置される室内吸込口と排気ダクトを介して接続された装置本体に、外気を吸入し前記室内給気口から室内に給気する給気手段と、室内吸込口から室内の空気を吸入して屋外へ排出する排気手段と、給気手段で吸入した外気と排気手段で吸入した室内の空気との間で熱交換を行う熱交換手段とを備え、装置本体は、建物の床下に形成された配管設置空間に設置され、給気ダクトは、配管設置空間を経由して室内給気口と接続され、排気ダクトは、配管設置空間及び建物の壁内を経由して室内吸込口と接続されることを特徴とする。
本発明の熱交換型換気装置では、屋外から吸入して室内に給気する空気と、室内から吸入して屋外へ排出する空気との間で熱交換を行い、室内に給気する空気を室温に近づけて、室内の換気を行う。
そして、室内給気口が室内の下部に配置され、室内吸込口が室内の上部に配置されることで、室内給気口から給気された新鮮な空気によって、室内の下部から上部へ向けての空気の流れが発生する。
また、室内吸込口を、例えば室内の室内収納部に設置することで、室内収納部を通る空気の流れが発生し、室内の下部から上部へ向けての空気の流れによって、室内だけでなく、室内収納部の換気を行う。
また、本発明の換気システムは、建物内の空気を吸入して屋外へ排気する換気装置と、室内へ給気する外気と屋外へ排気する室内の空気との間で熱交換を行う熱交換型換気装置を備え、熱交換型換気装置は、室内の床または床に近接した壁面に設置される室内給気口と給気ダクトを介して接続されると共に、室内給気口が設置された室内と同室または他室の天井に近接した壁面または天井に設置される室内吸込口と排気ダクトを介して接続された装置本体に、外気を吸入し室内給気口から室内に給気する給気手段と、室内吸込口から室内の空気を吸入して屋外へ排出する排気手段と、給気手段で吸入した外気と排気手段で吸入した室内の空気との間で熱交換を行う熱交換手段とを備え、装置本体は、建物の床下に形成された配管設置空間に設置され、給気ダクトは、配管設置空間を経由して室内給気口と接続され、排気ダクトは、配管設置空間及び建物の壁内を経由して室内吸込口と接続され、所定時間で建物内の空気を入れ替えられるように、換気装置と熱交換型換気装置の換気風量が設定されることを特徴とする。
本発明の換気システムでは、熱交換型換気装置は、屋外から吸入して室内に給気する空気と、室内から吸入して屋外へ排出する空気との間で熱交換を行い、室内に給気する空気を室温に近づけて、室内の換気を行う。
そして、室内給気口が室内の下部に配置され、室内吸込口が室内の上部に配置されることで、室内給気口から給気された新鮮な空気によって、室内の下部から上部へ向けての空気の流れが発生する。
換気装置は、建物内の所定の箇所から空気を吸入して屋外へ排気する。そして、所定時間で建物内の空気を入れ替えられるように、換気装置と熱交換型換気装置の換気風量を設定することで、建物内の24時間換気が行なわれる。
更に、本発明の建物は、室内へ給気する外気と屋外へ排気する室内の空気との間で熱交換を行う熱交換型換気装置を備えた建物であって、各種配管設備が設置される配管設置空間が床下に形成され、熱交換型換気装置は、配管設置空間に設置される装置本体に、外気を吸入し室内給気口から室内に給気する給気手段と、室内吸込口から室内の空気を吸入して屋外へ排出する排気手段と、給気手段で吸入した外気と排気手段で吸入した室内の空気との間で熱交換を行う熱交換手段とを備え、室内給気口が、室内の床または床に近接した壁面に設置され、配管設置空間を経由した給気ダクトを介して装置本体と接続されると共に、室内吸込口が、室内給気口が設置された室内と同室または他室の天井に近接した壁面または天井に設置され、配管設置空間及び壁内を経由した排気ダクトを介して装置本体と接続されることを特徴とする。
本発明の建物では、床下に各種配管設備を設置するための配管設置空間が形成され、配管設置空間に熱交換型換気装置の装置本体を設置する。また、室内のレイアウトに合わせて室内給気口と室内吸込口を配置し、室内給気口と室内吸込口の配置に合わせて、配管設置空間を経由して給気ダクト及び排気ダクトを設置する。
本発明の熱交換型換気装置によれば、室内の下部から上部へ向けての空気の流れが発生するので、室内全体を換気できるような空気の流れを作り出すことができ、換気能力が向上する。また、新鮮な空気が室内の下部から供給されることで、室内に居る人が新鮮な空気を吸いやすくなるような、空気の流れを作り出すことができる。
また、室内吸込口を、例えば室内の室内収納部に設置することで、空気が淀みやすい空間の換気を行うことができる。
本発明の換気システムによれば、このような熱交換型換気装置を備えることで、機械給気と機械排気による第1種換気システムを実現することができ、常時安定した換気風量を得ることができる。
また、熱交換型換気装置と他の換気装置を連動させて換気を行うことで、建物全体の換気を行うことができる。
本発明の建物によれば、床下に配管設置空間が形成されることで、熱交換型換気装置や給気ダクト及び排気ダクトの配置の自由度が向上し、適正な空気の流れが得られるように、室内給気口と室内吸込口を設置することができる。
以下、図面を参照して本発明の熱交換型換気装置、この熱交換型換気装置を備えた換気システム及び建物の実施の形態について説明する。
<本実施の形態の熱交換型換気装置の構成例>
図1は、本実施の形態の熱交換型換気装置の一例を示す全体構成図、図2は、本実施の形態の熱交換型換気装置の一例を示す内部構成図である。
本実施の形態の熱交換型換気装置1Aは、屋外から吸入して室内に給気する空気と、室内から吸入して屋外へ排出する空気との間で熱交換を行い、室内に給気する空気を室温に近づけて、室内の換気を行う。
ここで、屋外から吸入する空気を外気OA(Outside Air)、室内に給気する空気を給気SA(Supply Air)と称す。また、室内から吸入する空気を還気RA(Return Air)、屋外へ排出する空気を排気EA(Exhaust Air)と称す。
熱交換型換気装置1Aは、図1に示すように、建物100の床下に形成される配管設置空間101に装置本体2が設置される。熱交換型換気装置1Aは、室内102への給気SAが吹き出す室内給気口3が、床面103等の室内102の下部に設置され、装置本体2と室内給気口3が、配管設置空間101を経由する給気ダクト30を介して接続される。
また、熱交換型換気装置1Aは、室内102から還気RAを吸入する室内吸込口4が、天井104に近い壁面105等の室内102の上部に設置され、装置本体2と室内吸込口4が、壁内105a及び配管設置空間101を経由する排気ダクト40を介して接続される。
次に、図2を参照して、熱交換型換気装置1Aの構成の詳細について説明する。熱交換型換気装置1Aは、装置本体2に給気ファン部20と排気ファン部21と熱交換素子22等を備える。
給気ファン部20は給気手段の一例で、給気ファンモータ20aに回転駆動される多翼ファン20bと、風路を形成する給気ファンケース20cを備える。給気ファンケース20cは、多翼ファン20bの軸方向に沿った上面に吸込口20dが形成されると共に、多翼ファン20bの接線方向に沿った側面に吹出口20eが形成される。これにより、給気ファン部20は、多翼ファン20bが回転駆動されると、吸込口20dから空気を吸い込んで、吹出口20eから排出する空気の流れを生成する。
排気ファン部21は排気手段の一例で、排気ファンモータ21aに回転駆動される多翼ファン21bと、風路を形成する排気ファンケース21cを備える。排気ファンケース21cは、多翼ファン21bの軸方向に沿った上面に吸込口21dが形成されると共に、多翼ファン21bの接線方向に沿った側面に吹出口21eが形成される。これにより、排気ファン部21は、多翼ファン21bが回転駆動されると、吸込口21dから空気を吸い込んで、吹出口21eから排出する空気の流れを生成する。
給気ファン部20と排気ファン部21は、装置本体2の本体ケース23内に、吹出口20eと吹出口21eを反対向きとして、上下方向に重ねて取り付けられる。
熱交換素子22は熱交換手段の一例で、複数の風路が並列して形成される図示しない風路形成部材が、空気の流れる方向を直交する向きとして交互に積層される構成で、隔絶された第1の風路22aと第2の風路22bが交互に形成される。熱交換素子22は、第1の風路22aを通る空気と第2の風路22bを通る空気が混合することなく、熱交換が行われる。
熱交換素子22は、装置本体2の本体ケース23内に、風路形成枠体23aを介して取り付けられる。熱交換素子22は、第1の風路22aの吸込側と、第2の風路22bの吸込側が上側となる向きで取り付けられ、風路形成枠体23aは、熱交換素子22の第1の風路22aの吸込側及び吹出側と、第2の風路22bの吸込側及び吹出側をそれぞれ仕切る。
そして、熱交換素子22の第1の風路22aの吸込側と、給気ファン部20の吹出側となる給気ファンケース20cの吹出口20eが連通する風路が形成される。また、熱交換素子22の第2の風路22bの吹出側と、排気ファン部21の吸込側となる排気ファンケース21cの吸込口21dが連通する風路が形成される。
装置本体2は、本体ケース23の一方の端部に給気ダクト取付部31と排気ダクト取付部41を備える。給気ダクト取付部31は、熱交換素子22の第1の風路22aの吹出側と連通し、図1に示す給気ダクト30が接続される。排気ダクト取付部41は、熱交換素子22の第2の風路22bの吸込側と連通し、図1に示す排気ダクト40が接続される。
また、装置本体2は、本体ケース23の他方の端部に外気吸込ダクト取付部32と還気排出ダクト取付部42を備える。外気吸込ダクト取付部32は、給気ファン部20の吸込側となる給気ファンケース20cの吸込口20dと連通し、図1に示す外気吸込ダクト33が接続される。外気吸込ダクト33は、建物100の外壁106に設置された屋外吸込口33aと接続される。
還気排出ダクト取付部42は、排気ファン部21の吹出側となる排気ファンケース21cの吹出口21eと連通し、図1に示す還気排出ダクト43が接続される。還気排出ダクト43は、建物100の外壁106に設置された屋外排出口43aと接続される。
これにより、外気吸込ダクト取付部32から、給気ファン部20及び熱交換素子22の第1の風路22aを通り、給気ダクト取付部31に連通した外気導入風路34が形成される。また、排気ダクト取付部41から、熱交換素子22の第2の風路22b及び排気ファン部21を通り、還気排出ダクト取付部42に連通した還気排出風路44が形成される。
装置本体2は、熱交換素子22の第1の風路22aの吸込側に給気フィルタ35を備える。また、熱交換素子22の第2の風路22bの吸込側に排気フィルタ45を備える。給気フィルタ35と排気フィルタ45は、風路形成枠体23aに対して着脱自在な構成を有する。
更に、装置本体2は、熱交換素子22の上側の本体ケース23に蓋部23bを備える。蓋部23bは本体ケース23に対して開閉可能な構成で、蓋部23bを開けることで、装置本体2の上側から、給気フィルタ35及び排気フィルタ45の交換が可能となっている。
<本実施の形態の換気システムの構成例>
図3及び図4は、本実施の形態の換気システムの一例を示す全体構成図で、図3は、本実施の形態の換気システムの各構成の配置を示す建物の模式的な平面図、図4は、換気システムの各構成の配置を示す建物の模式的な側面図である。
本実施の形態の換気システム5Aは、図1及び図2で説明した熱交換型換気装置1Aと、浴室換気装置6を備える。
熱交換型換気装置1Aは、図1で説明したように、建物100の床下に形成される配管設置空間101に装置本体2が設置されると共に、室内給気口3が室内102の下部である例えば床面103に設置され、室内吸込口4が室内102の上部である天井104に近い壁面105に設置される。
そして、装置本体2と室内給気口3が、配管設置空間101を経由する給気ダクト30を介して接続され、装置本体2と室内吸込口4が、壁内105a及び配管設置空間101を経由する排気ダクト40を介して接続される。
ここで、換気を行う室内102として、部屋102a(リビングルーム)、部屋102b(和室)、部屋102c,102d(寝室等)のように、複数の部屋がある場合、例えば各部屋毎に、室内給気口3と室内吸込口4が設置される。
このため、給気ダクト30に分岐チャンバ30aを接続して、室内給気口3を設置する部屋の数に合わせて給気ダクト30を複数本に分岐する。また、排気ダクト40に分岐チャンバ40aを接続して、室内吸込口4を設置する部屋の数に合わせて排気ダクト40を複数本に分岐する。
更に、室内吸込口4の設置場所は、例えばリビングルームである部屋102aでは、天井104に近い壁面105とする。これに対して、例えば和室である部屋102bでは、室内吸込口4の設置場所は、室内収納部110としての押入れ110aの天井104に近い壁面111aとする。また、例えば寝室等である部屋102c,102dでは、室内吸込口4の設置場所は、室内収納部110としてのクローゼット110bの天井104に近い壁面111bとする。
そして、室内給気口3の設置場所は、室内吸込口4に対して部屋の対角線上等、部屋の一方の端部側に室内給気口3が配置され、室内給気口3の設置箇所からなるべく遠い他方の端部側に室内吸込口4が配置されるように設定される。
浴室換気装置6は換気装置の一例で、浴室107の天井107aに設置される。浴室換気装置6は、装置本体の下面に取り付けられるフロントパネル60から浴室107内の空気を吸い込み、排気ダクト61を介して屋外排出口61aから屋外へ排出する図示しない換気ファンを備える。
浴室換気装置6は、浴室107の空気、及び図示しないガラリやドアアンダーカットGを介して他室の空気を吸入して屋外へ排出することで、建物100内の換気を行う。
また、サニタリ空間である洗面脱衣所108及びトイレ109の天井に設置した副吸込口7と副吸込ダクト70を介して接続され、洗面脱衣所108及びトイレ109の換気を行う。
なお、浴室換気装置6は、フロントパネル60から浴室107内の空気を吸い込み、浴室107内に循環させる図示しない循環ファンと、ヒータ等を備え、浴室107の暖房や、浴室107及び衣類等の乾燥を行う機能を有している。
<本実施の形態の換気システムの制御構成例>
図5は、本実施の形態の換気システムの制御系の一例を示す制御ブロック図である。換気システム5Aは、1台の操作部50の操作で、浴室換気装置6と熱交換型換気装置1Aが制御される。
浴室換気装置6は、図示しない換気ファン等を駆動するファンモータ51と、ヒータ52等が、操作部50での操作に従って制御部53により制御される。
また、熱交換型換気装置1Aは、図2で説明した給気ファンモータ20aと排気ファンモータ21a等が、操作部50での操作に従って制御部53により制御され、制御部53は、操作部50での操作に従って、熱交換型換気装置1Aの動作と浴室換気装置6の動作を連動させる。
ここで、制御部53は、浴室換気装置6に備える構成でも良いし、操作部50に備える構成でも良い。また、制御部を浴室換気装置6と熱交換型換気装置1Aのそれぞれに備え、通信を行って動作を連動させても良い。
操作部50で選択して、制御部53で実行される浴室換気装置6と熱交換型換気装置1Aを連動させた運転モードとしては、例えば、24時間換気運転モードと急速換気運転モードを設けている。
また、浴室換気装置6単体での運転モードとしては、暖房運転モードと乾燥運転モード等を設けている。このため、操作部50は、例えば図3に示す洗面脱衣所108に設置される。なお、操作部50で選択できる運転モードは、上記例に限るものではない。
<本実施の形態の建物の構成例>
次に、図1〜図4を参照して、本実施の形態の建物100について説明する。建物100は、上述したように、床下に配管設置空間101が形成される。配管設置空間101は、上水管や排水管等を任意の場所に配置できるようにして、室内102のレイアウトを自由に変更できるように設けられる。
このため、建物100の構造体100aに対して床面103が脚部103aにより所定の高さで支持されて、床面103の下に、配管設置空間101を形成している。
熱交換型換気装置1Aは、装置本体2を例えば床面103から吊り下げる形態で、配管設置空間101に設置される。ここで、装置本体2の設置位置の床面103には、図2で説明した蓋部23bに対応して開閉可能な点検蓋103bを備え、床面103の点検蓋103bを開けることで、装置本体2の蓋部23bを開閉できるようにする。
<本実施の形態の熱交換型換気装置及び換気システムの動作例>
次に、各図を参照して、本実施の形態の熱交換型換気装置1A及び換気システム5Aで実行される換気動作の一例について説明する。
まず、熱交換型換気装置1Aによる換気動作について説明する。熱交換型換気装置1Aは、給気ファンモータ20aを駆動することで、給気ファン部20の多翼ファン20bが回転駆動されると、外気導入風路34を通る空気の流れが生じ、外気OAが屋外吸込口33aから外気吸込ダクト33を介して装置本体2に吸い込まれる。
装置本体2に吸い込まれた外気OAは、熱交換素子22の第1の風路22aを通り、装置本体2から給気ダクト30を介して室内給気口3へと送られ、室内給気口3から給気SAとして吹き出す。
また、熱交換型換気装置1Aは、排気ファンモータ21aを駆動することで、排気ファン部21の多翼ファン21aが回転駆動されると、還気排出風路44を通る空気の流れが生じ、還気RAが室内吸込口4から排気ダクト40を介して装置本体2に吸い込まれる。
装置本体2に吸い込まれた還気RAは、熱交換素子22の第2の流路22bを通り、装置本体2から還気排出ダクト43に送られ、屋外排出口43aから排気EAとして排出される。
上述したように、熱交換素子22は、第1の風路22aを外気OAが通り、第2の風路22bを還気RAが通る。これにより、室内の空気を屋外へ排気しながら、外気が室温に近づけられて室内に給気され、室内102の換気が行われる。
ここで、室内給気口3が床面103等の室内102の下部に配置され、室内吸込口4が天井104に近い壁面105等の室内102の上部に配置されることで、熱交換型換気装置1Aで換気動作を行うと、室内給気口3から給気された新鮮な空気によって、室内102の下部から上部へ向けての空気の流れが発生する。
また、室内吸込口4を押入れ110aやクローゼット110b等の室内収納部110に設置する構成では、室内給気口3から給気された新鮮な空気は、押入れ110aやクローゼット110bと部屋を仕切る上部の壁面112に設置したガラリ112aや、押入れ110aやクローゼット110bの扉113の上部に設置した図示しないガラリ等を通り、押入れ110aやクローゼット110b内から室内吸込口4へと吸い込まれる。
次に、熱交換型換気装置1Aと浴室換気装置6を連動させた換気システム5Aによる換気動作について説明する。図5に示す操作部50で、24時間換気運転モードの実行を選択する図示しないボタンが押されると、制御部53は、熱交換型換気装置1Aの給気ファンモータ20aと排気ファンモータ20bを制御して、熱交換型換気装置1Aによる換気動作を行う。ここで、熱交換型換気装置1Aによる換気動作は上述した通りである。
また、制御部53は、浴室換気装置6のファンモータ51を制御して、浴室換気装置6による換気動作を行う。
浴室換気装置6で換気動作を行うと、フロントパネル60から浴室107内の空気が吸い込まれ、排気ダクト61を介して屋外排出口61aから屋外へ排出される。
また、浴室107内の空気が吸い込まれることで、浴室ドア107bに備えた図示しないガラリやドアアンダーカットGを介して他室の空気が浴室107内から浴室換気装置6へ吸い込まれ、屋外に排出される。
更に、洗面脱衣所108及びトイレ109の天井に設置した副吸込口7から、副吸込ダクト70を介してサニタリ空間内の空気が浴室換気装置6へ吸い込まれ、屋外に排出される。
24時間換気運転モードでは、所定時間で建物100内の空気が入れ替えられるように、熱交換型換気装置1Aの換気風量と浴室換気装置6の換気風量が設定される。表1に換気風量の一例を示す。
Figure 2008032319
本例では、熱交換型換気装置1Aで換気動作を行うことで、各室内給気口3から室内102へと吹き出す給気SAの量に対して、熱交換型換気装置1Aで換気動作を行うことで、室内102から各室内吸込口4で吸入されて排出される排気EAの量、及び浴室換気装置6で換気動作を行うことで、浴室107等から吸入されて排出される排気EAの量の合計が同等となるように、換気風量が設定される。
このため、熱交換型換気装置1Aでは、表1に示すような換気風量が得られるように、給気ファン部20の給気ファンモータ20aと排気ファン部21の排気ファンモータ21aの回転数が制御される。また、浴室換気装置6では、表1に示すような換気風量が得られるように、図示しない換気ファンのファンモータ51の回転数が制御される。
更に、24時間換気運転モードに加えて、短時間で建物100内の空気を入れ替える急速換気運転モードを設けても良い。急速換気運転モードでは、熱交換型換気装置1Aによる給気量と、熱交換型換気装置1A及び浴室換気装置6による排気量の合計を、24時間換気運転モード時より増加させる。なお、表1に示す換気風量は一例であり、他の値であっても良い。
さて、熱交換型換気装置1Aは、室内に新鮮な空気を給気するため及び熱交換素子22の目詰まりを防止するために、給気フィルタ35と排気フィルタ45を備えている。これら給気フィルタ35と排気フィルタ45は、所期の性能を発揮するために定期的に洗浄や交換をする必要がある。
給気フィルタ35と排気フィルタ45の交換作業は、床面103の点検蓋103bを開け、装置本体2の蓋部23bを開けることで行われる。なお、蓋部23bを開けることで、熱交換素子22の交換を行うことも可能となっている。
<本実施の形態の熱交換型換気装置、換気システム及び建物の効果例>
本実施の形態の建物100では、床下のほぼ全体に配管設置空間101が形成され、本実施の形態の熱交換型換気装置1Aは、配管設置空間101に装置本体2を設置すると共に、室内給気口3と接続される給気ダクト30及び室内吸込口4と接続される排気ダクト40を、配管設置空間101を経由させている。
配管設置空間101は、上水管や排水管等を任意の場所に配置できるように、各種配管を取り回すための十分な高さを有しており、これにより、給気ダクト30及び排気ダクト40の配置の自由度が向上し、室内給気口3と室内吸込口4が、部屋102a等の1つの室内102でなるべく遠い位置となるような配置が可能となる。
また、熱交換型換気装置1Aでは、室内給気口3が床面103等の室内102の下部に配置され、室内吸込口4が天井104に近い壁面105等の室内102の上部に配置されることで、室内102の下部から上部へ向けての空気の流れが発生する。
これにより、室内全体を換気できるような空気の流れを作り出すことができ、換気能力が向上する。また、新鮮な空気が室内102の下部から供給されることで、室内102に居る人が新鮮な空気を吸いやすくなるような、理想的な空気の流れを作り出すことができる。
更に、室内給気口3を床面103等に設置することで、床面103に近い室内102の下層部分での換気及び対流ができ、空気の淀みが抑制される。
また、冷たい空気は、そのままの塊として降下する性質があることで、従来のように、天井から給気を行う構成では、冷たい空気の塊が人に当たること等によって寒さを感じるコールドドラフトが発生することがあったが、室内給気口3を床面103等に設置することで、冷たい空気の塊が降下することがなく、徐々に暖められて上昇していくことから、コールドドラフトを抑制することができる。
更に、従来のように、天井から給気と排気を行う構成では、給気された空気が室内を十分に循環することなく排気されてしまうショートカットが発生することがあったが、室内給気口3を床面103等に設置すると共に、室内吸込口4を天井近くの壁面105に設置することで、給気口と吸込口の距離が離れ、ショートカットを抑制することができる。
また、室内吸込口4を押入れ110aやクローゼット110b等の室内収納部110に設置することで、室内給気口3から給気された新鮮な空気は、押入れ110aやクローゼット110b内を通って室内吸込口4から吸い込まれる。
これにより、空気が淀みやすい空間の換気が行われ、室内102だけでなく、建物100内で従来は十分に換気が行えなかったような空間の換気も可能となり、建物全体で理想的な換気が可能となる。
更に、押入れ110aやクローゼット110b内に空気の流れが生じることで、押入れ110aやクローゼット110b内の壁面や、衣類等の収納物にカビが発生すること等を抑制することができる。
また、熱交換型換気装置1Aは、建物100の床下の配管設置空間101に設置されることで、フィルタ類の交換や各種点検作業を、床面103の点検蓋103bを開けることで行える。
これにより、熱交換型換気装置1Aの各種点検作業を、脚立等の踏み台に乗って行う必要が無くなって、作業が容易になると共に安全性も向上する。従って、保守を行うサービスマンではない一般のユーザでも、容易にフィルタ等の洗浄や交換作業を行うことができる。
本実施の形態の換気システム5Aでは、室内102への給気は、熱交換型換気装置1Aによって室内給気口3から行われる。これにより、建物100の外壁106に、屋外と室内を直接連通させる吸込グリルを設置する必要がない。
従って、機械給気と機械排気による第1種換気システムを実現することが可能で、常時安定した換気風量を得ることができる。
また、熱交換型換気装置1Aと浴室換気装置6を連動させて換気を行い、換気風量を制御することで、リビングルーム等の室内102だけでなく、浴室107と、洗面脱衣所108等のサニタリ空間を含めた建物100全体の24時間換気を行うことができる。
また、熱交換型換気装置1Aと浴室換気装置6を連動させて換気風量を制御し、給気量と排気量が同等となるように給排気のバランスを取ることで、24時間換気動作で室内負圧によりドアに荷重がかかり、ドアの開閉がしづらくなる等の問題を解消することができる。
また、吸込グリルを設置しないことで、屋外と直接繋がるような音の侵入経路が無くなり、騒音が低減される。なお、室内102と屋外とは、各種ダクトを介して連通することになるが、ダクトには音の減衰効果があることから、ダクトを介して進入する騒音も低減されている。
<本実施の形態の熱交換型換気装置、換気システム及び建物の変形例>
上述したように、本実施の形態の熱交換型換気装置1Aでは、給気ファン部20と排気ファン部21を独立したファンモータで駆動することで、給排気風量を設定できるようした。これに対して、給気ダクト取付部31や排気ダクト取付部41等のダクトジョイントに、風路を開閉する電動ダンパを備えて、ダンパの開度で風量を調整する構成としても良い。このような構成では、給気ファン部と排気ファン部を単一のファンモータで駆動することも可能となる。
なお、本実施の形態の換気システム5Aでは、熱交換型換気装置1Aを浴室換気装置6と連動させることとしたが、レンジフード等の他の換気装置と連動させても良い。
図5は、本実施の形態の熱交換型換気装置の変形例を示す構成図である。変形例の熱交換型換気装置1Bでは、外気吸込ダクト取付部32等の装置本体2の外部にフィルタボックス24を備える。
装置本体2の外部にフィルタボックス24を備えることで、装置本体2内の給気フィルタ35等に虫等が付かないようにして、装置本体2の清掃が容易に行なえるようになる。なお、フィルタボックス24は、排気ダクト取付部41等の排気側に備える構成としても良い。
本発明は、集合住宅等の24時間換気システムに適用される。
本実施の形態の熱交換型換気装置の一例を示す全体構成図である。 本実施の形態の熱交換型換気装置の一例を示す内部構成図である。 本実施の形態の換気システムの一例を示す全体構成図である。 本実施の形態の換気システムの一例を示す全体構成図である。 本実施の形態の換気システムの制御系の一例を示す制御ブロック図である。 本実施の形態の熱交換型換気装置の変形例を示す構成図である。
符号の説明
1A・・・熱交換型換気装置、2・・・装置本体、3・・・室内給気口、4・・・室内吸込口、5A・・・換気システム、6・・・浴室換気装置、7・・・副吸込口、20・・・給気ファン部、20a・・・給気ファンモータ、21・・・排気ファン部、22・・・熱交換素子、23・・・本体ケース、23b・・・蓋部、24・・・フィルタボックス、30・・・給気ダクト、31・・・給気ダクト取付部、32・・・外気吸込ダクト取付部、33・・・外気吸込ダクト、33a・・・屋外吸込口、34・・・外気導入風路、35・・・給気フィルタ、40・・・排気ダクト、41・・・排気ダクト取付部、42・・・還気排出ダクト取付部、43・・・還気排出ダクト、43a・・・屋外排出口、44・・・還気排出風路、45・・・排気フィルタ、60・・・フロントパネル、61・・・排気ダクト、61a・・・屋外排出口、70・・・副吸込ダクト、100・・・建物、101・・・配管設置空間、102・・・室内、103・・・床面、104・・・天井、105・・・壁面、105a・・・壁内、106・・・外壁、107・・・浴室、108・・・洗面脱衣所、109・・・トイレ、110・・・室内収納部、110a・・・押入れ、110b・・・クローゼット

Claims (6)

  1. 室内の床または床に近接した壁面に設置される室内給気口と給気ダクトを介して接続されると共に、前記室内給気口が設置された室内と同室または他室の天井に近接した壁面または天井に設置される室内吸込口と排気ダクトを介して接続された装置本体に、
    外気を吸入し前記室内給気口から室内に給気する給気手段と、
    前記室内吸込口から室内の空気を吸入して屋外へ排出する排気手段と、
    前記給気手段で吸入した外気と前記排気手段で吸入した室内の空気との間で熱交換を行う熱交換手段とを備え、
    前記装置本体は、建物の床下に形成された配管設置空間に設置され、
    前記給気ダクトは、前記配管設置空間を経由して前記室内給気口と接続され、
    前記排気ダクトは、前記配管設置空間及び前記建物の壁内を経由して前記室内吸込口と接続される
    ことを特徴とする熱交換型換気装置。
  2. 前記室内給気口は、室内の一方の端部側に設置されると共に、前記室内吸込口は、前記室内給気口が設置された室内の他方の端部側に設置され、室内の下部から上部へ向けて、室内を通過する換気経路が構成される
    ことを特徴とする請求項1記載の熱交換型換気装置。
  3. 前記室内吸込口は、室内の室内収納部に設置される
    ことを特徴とする請求項1または2記載の熱交換型換気装置。
  4. 建物内の空気を吸入して屋外へ排気する換気装置と、
    室内へ給気する外気と屋外へ排気する室内の空気との間で熱交換を行う熱交換型換気装置を備え、
    前記熱交換型換気装置は、
    室内の床または床に近接した壁面に設置される室内給気口と給気ダクトを介して接続されると共に、前記室内給気口が設置された室内と同室または他室の天井に近接した壁面または天井に設置される室内吸込口と排気ダクトを介して接続された装置本体に、
    外気を吸入し前記室内給気口から室内に給気する給気手段と、
    前記室内吸込口から室内の空気を吸入して屋外へ排出する排気手段と、
    前記給気手段で吸入した外気と前記排気手段で吸入した室内の空気との間で熱交換を行う熱交換手段とを備え、
    前記装置本体は、建物の床下に形成された配管設置空間に設置され、
    前記給気ダクトは、前記配管設置空間を経由して前記室内給気口と接続され、
    前記排気ダクトは、前記配管設置空間及び前記建物の壁内を経由して前記室内吸込口と接続され、
    所定時間で建物内の空気を入れ替えられるように、前記換気装置と前記熱交換型換気装置の換気風量が設定される
    ことを特徴とする換気システム。
  5. 前記換気装置は、浴室に設置され、浴室及び浴室を介して他の室内から空気を吸入し、屋外へ排出する浴室換気装置である
    ことを特徴とする請求項4記載の換気システム。
  6. 室内へ給気する外気と屋外へ排気する室内の空気との間で熱交換を行う熱交換型換気装置を備えた建物であって、
    各種配管設備が設置される配管設置空間が床下に形成され、
    前記熱交換型換気装置は、
    前記配管設置空間に設置される装置本体に、
    外気を吸入し室内給気口から室内に給気する給気手段と、
    室内吸込口から室内の空気を吸入して屋外へ排出する排気手段と、
    前記給気手段で吸入した外気と前記排気手段で吸入した室内の空気との間で熱交換を行う熱交換手段とを備え、
    前記室内給気口が、室内の床または床に近接した壁面に設置され、前記配管設置空間を経由した給気ダクトを介して前記装置本体と接続されると共に、
    前記室内吸込口が、前記室内給気口が設置された室内と同室または他室の天井に近接した壁面または天井に設置され、前記配管設置空間及び壁内を経由した排気ダクトを介して前記装置本体と接続される
    ことを特徴とする建物。
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