JPH10184972A - 比例電磁弁の制御装置 - Google Patents

比例電磁弁の制御装置

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JPH10184972A
JPH10184972A JP34700196A JP34700196A JPH10184972A JP H10184972 A JPH10184972 A JP H10184972A JP 34700196 A JP34700196 A JP 34700196A JP 34700196 A JP34700196 A JP 34700196A JP H10184972 A JPH10184972 A JP H10184972A
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JP
Japan
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current
solenoid valve
proportional solenoid
proportional
coil
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JP34700196A
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English (en)
Inventor
Taku Takii
卓 滝井
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時定数が大きい比例弁コイルでも、比例電磁
弁の弁閉じ性能を損なわずに安定に駆動することがで
き、また駆動電流に十分なディザー波形を実現すること
ができること。 【解決手段】 比例弁コイル2をパルス幅変調電流の積
算量によりデジタル制御する制御装置において、出力段
回路に比例弁コイル2と並列に抵抗4を付加して、同抵
抗4が無い場合に比べて比例弁コイル2の閉鎖回路の時
定数を小さくする。これにより、比例弁コイル2の駆動
電流をオフしたときの電流減少速度が速くなり、比例電
磁弁の閉塞制御が安定化し、またディザー波形に対応す
る駆動電流の追随が安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば射出成形機
の型締装置を開閉する油圧アクチュエータ等に供給する
作動流体を制御し、オン、オフする比例電磁弁の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば油圧作動油の流量を制御す
る比例電磁弁の制御は、同比例電磁弁の作動コイルに流
れる電流を変化させ、この電流に比例する弁開度を得る
ことにより行っていた。この場合の電流は直流である。
【0003】しかし、コンピュータによりプラントや生
産ラインが総合的に制御されるようになり、比例電磁弁
弁の制御として、コンピュータにおいて処理されたデジ
タルな作動油流量の出力信号をD/A変換し、得られた
アナログ信号を直流アンプにより増幅して作動コイルを
制御するものが出現した。
【0004】更に、デジタルな作動油流量の出力信号を
D/A変換せず、パルス幅変調(PWM)信号に変換し
て作動コイルに出力し、比例電磁弁の開度を制御するP
WM制御も現れている。つまり、パルス幅変調電流の積
算量により比例電磁弁の作動コイルをデジタル制御す
る。
【0005】このような比例電磁弁のPWM制御は、デ
ジタル信号により直接に制御を行うことができるので、
回路構成が簡単になるという利点がある。比例電磁弁の
PWM制御の従来例として、特開平2−13709号に
提案されたものを、図8及び図9を参照して以下に概略
的に説明する。
【0006】図8は、燃焼装置の燃料供給量を制御する
比例電磁弁の作動コイルの電流を制御するPWM制御回
路の一例を示す。ここでは、燃料供給量をPWM信号に
変換して出力する機能と、A/D変換機能とを内蔵する
CPU21(中央制御装置)を用いている。そして、C
PU21から出力されるPWM信号を抵抗R1を介してト
ランジスタQのベースに加えると共に、抵抗R2とコンデ
ンサCからなる積分回路22を付加し、トランジスタQ
に直列接続された抵抗Rsの両端電圧Vsを積分回路22で
積分してCPU21にフィードバックする構成となって
いる。図8中、比例電磁弁の作動コイルをPVで示し、
還流ダイオードをDで示す。なお、図8では比例電磁弁
の作動コイルを比例弁コイルと略記してあり、以下の説
明にも、「比例弁コイルPV」を用いる。
【0007】CPU21は燃料供給量(供給指令)とし
て図9に示すように、繰り返し周期がNで、燃料供給量
の大小に応じて、期間Mだけ「H」レベル(ハイレベ
ル)になったり、期間M’だけ「H」レベルになったり
するPWM信号を出力する。このうち、例えば期間Mだ
け「H」レベルになるPWM信号が出力されると、これ
が抵抗R1を介してトランジスタQのベースに印加され
て、比例弁コイルPVとトランジスタQと抵抗Rsとの直
列接続回路にPWM電流IPVが流れ、比例電磁弁を期間
Mに対応した開度に調整する。
【0008】この場合、燃料供給量に対応する電流が実
際に比例弁コイルPVに流れているか否かを確認する必
要がある。そのために、積分回路22が設けられてい
る。積分回路22では、抵抗Rsの両端に発生した電圧Vs
(図9も参照)を積分して、CPU21のA/D端子に
入力する。CPU21では、この入力信号をデジタル信
号に変換して、比例弁コイルPVの電流IPVが目標値に
対して大きいか小さいか等を判定し、若し差がある場合
には、その差が零になるようにPWM波形を修正する。
【0009】かくして、図8の従来例によれば出力段回
路が、PWM波形に応じてトランジスタQがオン、オフ
するPWMデジタルアンプという構成であるため、D/
A変換器及び直流アンプが不要となり、構成が著しく簡
単になるという利点がある。また、トランジスタQを飽
和領域で動作させるため、放熱器が不要となって回路基
板のスペースファクタを改善することができるという利
点がある。更に、電源効率をも向上させることができる
という利点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のP
WMデジタルアンプの出力による比例電磁弁の制御で
は、下記(1)(2)のような問題点がある。
【0011】(1)制御対象が比例電磁弁等の大型作動
コイルの場合、その電圧オフのときの時定数が大きくな
って電流の低減速度が遅いため、高周波での電流の周波
数特性が悪くなる。従って、比例電磁弁閉塞(オフ)の
ときのタイミングが不安定となって、例えば比例電磁弁
を通る作動流体によって操作される重量物の移動動作中
に、衝撃や振動を生じる可能性がある。
【0012】(2)比例電磁弁は弁作動部が機械的構成
であるため、弁開度と作動コイルへの入力電流との関係
にはヒステリシス特性があり、この作動ヒステリシスの
影響を避けるため、通常、入力電流にディザーをかけ
る。この場合、ディザーの周波幅はPWM周波幅の10
倍程度、ディザーの電流振幅はヒステリシス幅の数倍が
必要である。しかし、PWMデジタルアンプを利用して
比例電磁弁を駆動する場合、上記従来のPWM制御回路
では出力インピーダンスが不足して、電圧オフのとき電
流の低減速度が遅いため、ディザー波形に対応する電流
の追随性が良くなく、ディザーに必要な電流波形が得ら
れない。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る比
例電磁弁の制御装置は、作動コイルを流れる電流に比例
した弁開度で作動流体の流量又は圧力を制御する比例電
磁弁の制御装置において、同比例電磁弁の作動コイルを
PWM電流の積算値によりデジタル制御するとき、出力
段回路に前記作動コイルと並列に抵抗を付加し、前記比
例電磁弁の作動コイルの電流をオフしたときの電流減少
速度を速くして、前記比例電磁弁の閉塞制御を安定化し
たことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項2の発明に係る比例電磁弁の
制御装置は、作動コイルを流れる電流に比例した弁開度
で作動流体の流量又は圧力を調整し、比例電磁弁の弁開
度と入力電流との作動ヒステリシスを消去する比例電磁
弁の制御装置において、同比例電磁弁の作動コイルをP
WM電流の積算値によりデジタル制御するとき、出力段
回路に前記作動コイルと並列に抵抗を付加し、電流オフ
時の電流減少速度を速くして作動ヒステリシスを消去す
るディザー波形に対応する電流の追随を安定化したこと
を特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面(図1〜図7)を参照
して、本発明の実施の形態について説明をする。
【0016】[第1実施例] 本発明の第1実施例を、
図1〜図6に基づいて説明する。図1は第1実施例に係
る比例電磁弁の制御装置のPWM制御回路図、図2は出
力段回路にインダクタンスが設けられていて、回路に電
流をオンしたときの電流立ち上がり特性図、図3は出力
段回路にインダクタンスが設けられていて、回路の電流
をオフしたときの還流回路(閉鎖回路)における電流下
降特性図である。また、図4はPWM波形を示す図であ
り、同図(ア)は電圧波形、(イ)は電流波形を示す。
図5は図1のPWM制御回路において比例電磁弁の閉塞
時の電流特性を示す図である。また、図6は比例電磁弁
のディザー制御時のPWM波形を示す図であり、同図
(ア)は電圧波形、(イ)は電流波形を示す。
【0017】図1のPWM制御回路は、射出成形機の型
盤締付装置等の油圧シリンダに供給する作動油流量を制
御する比例電磁弁の作動コイルの電流を制御する回路の
一例として示している。図1において、本例のPWM制
御回路はCPU(中央制御装置)1と、スイッチング用
トランジスタ3と、抵抗4からなる。比例電磁弁の作動
コイル(以下、比例弁コイルと記す)2はトランジスタ
3の出力端と直列に接続される。抵抗4はトランジスタ
3がオフしたときの電流遮断による電圧の急騰を避ける
ため、出力段回路にて比例弁コイル2に並列に接続付加
してあり、閉鎖回路(還流回路)を構成する。また、こ
の閉鎖回路には、一方向のみ電流の還流を可能にするた
めにフライバックダイオード5を挿入してある。更に、
比例弁コイル2とトランジスタ3との直列接続回路を流
れる電流Iを検出するために、電流センサ7を同直列接
続回路に設けてある。
【0018】比例弁コイル2は容量Lのインダクタンス
と、値rの内部抵抗(比例弁コイルの抵抗分)6を有し
ている。本実施例では、一例として、下記仕様を持つ比
例電磁弁を制御対象として説明する。 インダクタンスL=80mH(ミリヘンリー) 内部抵抗値r=10Ω(オーム) 印加電圧V=30v(ボルト) 電流範囲IL〜IH=0.1A〜1A(アンペア)
【0019】上記比例電磁弁の仕様から、本実施例で
は、抵抗4の抵抗値Rtを50Ω(オーム)と設定して
いる。この抵抗値Rtの範囲の決定等については、後で
説明する。
【0020】CPU1は作動油流量をPWM(パルス幅
変調)信号に変換して出力する機能と、A/D変換機能
とを内蔵する。図4(ア)に、CPU1が出力するPW
M信号の例を示す。即ち、作動油流量に対応する繰り返
し周期がNで、作動油流量の大小に応じて、期間Mだけ
「H(ハイ)」レベルになったり、期間M’又は期間
M”だけ「H」レベルになったりするPWM信号を出力
する。なお、図4(ア)では、M’>M>M”としてい
る。
【0021】このうち、例えば、期間Mだけ「H」レベ
ルになるPWM信号が出力されると、この信号がトラン
ジスタ3のベースに印加され、比例弁コイル2、トラン
ジスタ3及び内部抵抗6の直列接続回路にPWM電流I
が流れて、比例弁コイル2を期間Mに対応した開度に調
整する。即ち、比例コイル2をPWM電流Iの積算量に
よりデジタル制御する。
【0022】この時、比例弁コイル2に作動油流量に対
応する電流が実際に流れているか否かを確認する必要が
ある場合は、電流センサ7で上記直列接続回路(2、
3、6)の電流Iを検出してCPU1のA/D端子に入
力する。
【0023】CPU1は、電流センサ7からの電流検出
信号をデジタル信号に変換して、比例弁コイル2の電流
Iが目標値に対して大きいか小さいかを判定し、若し、
差がある場合には、その差が零になるようにPWM波形
を修正する。
【0024】このように、出力段回路がPWM波形に応
じてトランジスタ3をオン、オフするデジタルアンプの
構成であるため、D/A変換器及び直流アンプが不要で
あり、構成が著しく簡単になる。また、トランジスタ3
を飽和領域で動作させるため、放熱器が不要となる。更
に、トランジスタ3がオフしたときは、電流遮断による
電圧の急騰を避けるために設けた抵抗4とフライバック
ダイオード5とが結合した閉鎖回路により、電流が時間
とともに減少する。
【0025】ここで、電流減少速度について説明をす
る。
【0026】一般に、コイル等のインダクタンスと抵抗
とが結合している回路の電流は、電流をオンしたときは
図2に示すように立ち上がり、電流をオフしたときは図
3に示すように下降する。その計算式は、下記数1〜数
3となる。
【0027】即ち、回路をオンしたときの立ち上がりの
電流をI1とすれば、このオン電流I1は数1で与えられ、
図2に示される。
【0028】
【数1】 I1=(V/r)[1−exp{(−r/L)t}] ・・・数1
【0029】また、閉鎖回路に付加抵抗が無く、抵抗は
比例弁コイル2の内部抵抗6(値r)のみの場合は、回
路をオフしたときにフライバックダイオード5を通って
還流し且つ下降する電流をI2とすれば、このオフ電流I2
は数2で与えられ、図3に破線で示される。
【0030】
【数2】 I2=(V/r)exp{(−r/L)t} ・・・数2
【0031】更に、閉鎖回路に抵抗4(値Rt)を付加
した場合、回路をオフしたときに抵抗4とフライバック
ダイオード5を通って還流し且つ下降する電流をI3とす
れば、このオフ電流I3は数3で与えられ、図3に実線で
示される。
【0032】
【数3】 I3=(V/r)exp{(−(Rt+r)/L)t} ・・・数3
【0033】以上のことから、図1のデジタルアンプは
トランジスタ3のオンとオフにより電流制御されるの
で、図2のtA−tB期間のオン電流と、図3のtC−tD
期間のオフ電流とを繰り返すとすれば、比例弁コイル2
の電流Iは、(1)抵抗が比例弁コイル2の内部抵抗6
(値r)のみの場合は、「図2のA点からB点への漸増
→図3のC点からD点への漸減→図2のA点からB点へ
の漸増」を繰り返し(B点とC点は電流値が同じで、D
点とA点も電流値が同じ)、(2)抵抗4(値Rt)を
追加した場合は、「図2のA点からB点への漸増→図3
のC’点からD’点への漸減→図2のA点からB点への
漸増」を繰り返す(B点とC’点は電流値が同じで、
D’点とA点も電流値が同じ)。
【0034】このような電流変化を図4(ア)に示すP
WM波形に合わせると、同図4(イ)に示すようなPW
M電流波形となる。但し、図4(イ)中、破線で示した
ものは比例弁コイル2の内部抵抗6のみの場合の電流波
形、実線で示したものは抵抗4を追加した場合の電流波
形である。
【0035】図3の実線の特性(I3)から判るように、
比例弁コイル2の閉鎖回路に抵抗4を追加挿入すること
により、電流漸減の時間tC'−tD'が抵抗4の無い場合
(t C−tD)に比べて短くなり、周波数特性の高い制御
が可能となる。つまり、時定数の大きい大型比例電磁弁
の作動コイルでも、閉塞性能を損なわずに、デジタルア
ンプで駆動することができる。
【0036】例えば、L=80mH、r=10Ωの場
合、比例弁コイル2に並列の抵抗4が無いと、時定数は
L/r=0.08/10sec=8msecであるが、Rt=50Ω
の抵抗4を追加すると、時定数はL/(Rt+r)で約
1.33msec(=0.08/60sec)となり、高周波数特性が向上
し、電流減少速度が改善される。この改善度合いは、付
加抵抗値Rtが大きい程、顕著である。
【0037】図5は比例電磁弁(比例弁コイル2)を閉
塞するときのプログラム電流I4を、上記PWM制御回路
のオフ電流I2、I3と重ねて表示している。抵抗が少ない
場合のオフ電流I2ではプログラム電流I4の減少速さをフ
ォロー(追随)できないため、比例電磁弁をタイムリー
に閉じることができず、例えば射出成形機の型締付装置
の型盤の操作に使用した場合、型盤が停止位置を外れて
金型が激突する可能性を生じる。
【0038】しかし、抵抗4(値Rt)を付加挿入した
ときのオフ電流I3は、プログラム電流I4の減少速さに十
分に対応して追随することができ、型盤が停止位置を外
れる虞は無くなる。
【0039】次に、ディザー波形に対応する電流追随性
の安定化について、図6を参照して説明する。
【0040】図6は、プログラムされたディザー電流Id
(同図(イ)の一点鎖線)と、このディザー電流Idに対
応してCPU1より発信されるPWM信号(同図
(ア))とにより、比例弁コイル2の抵抗の少ない場合
の閉鎖回路に流れる電流I2’(同図(イ)の破線)と、
抵抗4(値Rt)を付加挿入してあるときの電流I3
(同図(イ)の実線)とを対比した図である。
【0041】図6から判るように、抵抗の少ない場合の
閉鎖回路に流れる電流I2’は電流減少速度が遅いので、
破線で示したように、プログラムされたディザー電流Id
から離れてしまう。従って、電流センサ7により電流値
をフィードバックしても、安定したディザー電流は得ら
れない。
【0042】これに対し、閉鎖回路に抵抗4を付加挿入
してあれば、実線で示した電流I3’のように電流減少速
度が速くなるので、、プログラムされたディザー電流Id
に追随することが可能であり、ディザーの目的とする比
例電磁弁の開度と電流との作動ヒステリシスによる流量
の誤差をカバーすることができる。
【0043】[第2実施例]次に、本発明の第2実施例
を、図7に基づいて説明する。図7は第2実施例に係る
比例電磁弁の制御装置のPWM制御回路図である。
【0044】図7において、本例の制御装置では、PW
M制御回路の出力段回路がブリッジ回路である。即ち、
PWM制御回路はCPU(中央制御装置)11と、ブリ
ッジ回路を構成するスイッチング用トランジスタ3A、
3A’、3B及び3B’と、高抵抗4(値Rt)からな
る。このブリッジ回路の出力端に、内部抵抗6(値r)
を有する比例弁コイル2が接続される。
【0045】本例の基本的な作用動作は第1実施例と同
様であり、CPU11は先のCPU1と同様、作動油流
量をPWM信号に変換してブリッジ回路のスイッチング
用トランジスタ3A、3A’、3B及び3B’のベース
に出力する機能と、ディザー機能とを共に内蔵する。
【0046】ただし、本例のPWM制御回路では、CP
U11はブリッジ回路の出力段の対になったトランジス
タ3A、3A’及びトランジスタ3B、3B’の全てを
オフにして比例弁コイル2及びその内部抵抗6と付加抵
抗4とで閉回路を構成する機能と、これらトランジスタ
3A、3A’及びトランジスタ3B、3B’の全てをオ
フにする時間を制御する機能とを有する。
【0047】次に、本実施例独自の作用動作を説明す
る。
【0048】出力段がブリッジ回路の場合、通常は、比
例弁コイル2に流れる電流とその方向(正、負)をコン
トロールするので、常に13Aと13A’の組のトラン
ジスタ、または13Bと13B’の組のトランジスタの
いずれかの組のトランジスタがオンになっている。
【0049】しかし、本発明第2実施例のPWMデジタ
ル制御においては、トランジスタ3Aと3A’の組も、
トランジスタ3Bと3B’の組も全てをオフにすること
により、比例弁コイル2と抵抗4で閉鎖回路を構成す
る。これにより、時定数と高周波の周波数特性を改善す
ることができる。つまり、比例弁コイル2の閉鎖回路に
追加挿入した抵抗4が回路オフ時の電流漸減時間を短く
して周波数特性の高い制御が可能となり、時定数の大き
い大型の比例弁コイル2でも性能を損なわずに、デジタ
ルアンプで駆動することができる。また、ディザーの目
的とする比例電磁弁の開度と電流との作動ヒステリシス
による流量の誤差をカバーすることができる。
【0050】更に、出力段のブリッジ回路の対になった
スイッチング用トランジスタ3A、3A’及びトランジ
スタ3B、3B’の全てをオフにする時間をコントロー
ルすることにより、更には抵抗4のRtを調整すること
により、多様な種類(比例弁コイル2のインダクタンス
Lと内部抵抗値r)の比例電磁弁に対応することができ
る。
【0051】図7の実施例では比例弁コイル2の電流を
検出するセンサを示していないが、比例弁コイル2に作
動油流量に対応する電流が実際に流れているか否かを確
認する必要がある場合には、図1と同様に電流センサを
設けて比例弁コイル2に流れる電流を検出し、CPU1
1の図示しないA/D端子に入力することにより、CP
U11のA/D機能で、検出した電流と目標値との差が
零になるようにPWM波形を修正すれば良い。
【0052】上記第1、第2各実施例とも弁開度で作動
油の流量を制御するものとして説明したが、作動油の油
圧を制御する場合にも当然本発明を適用することができ
る。また、作動流体は油以外でも構わない。
【0053】また、上記第1、第2各実施例とも出力段
回路にて作動コイル2に並列に付加した抵抗4の抵抗値
Rtを50Ωとしたが、基本的にはこの値Rtがゼロよ
り大きければ電流減少速度を早める効果が得られる。
【0054】ここで、出力段回路に付加する抵抗4の値
Rtについて考察する。図1において、トランジスタ3
をオフからオンにした時に比例弁コイル2に流れる電流
I1と、オンからオンにした時に比例弁コイル2に流れる
電流I3の特性は、前出した通り数1と数3で表される。
【0055】先ず、数1のI1=(V/r)[1−exp
{(−r/L)t}]を用いて、トランジスタ3のオン
により比例弁コイル2に流れる電流I1がオフ時の値IL
からオン時の値IHへ増加するのに要する変化時間tOFF
ONを求める。数1からI1−tの逆関数を求めると数4
が得られ、この数4から、I1=ILとなる時刻t1OFFと、
I1=IHとなる時刻t1ONが数5で与えられることが分か
る。従って、変化時間tOFFONは数6となる。
【0056】
【数4】 t=(−L/r)log{1−(I1r/V)} ・・・数4
【0057】
【数5】 t1OFF=(−L/r)log{1−(ILr/V)} t1ON =(−L/r)log{1−(IHr/V)} ・・・数5
【0058】
【数6】 tOFFON=t1ON−t1OFF =(−L/r)[log{1−(IHr/V)} −log{1−(ILr/V)]} ・・・数6
【0059】次に、数3のI3=(V/r)exp{(−
(Rt+r)/L)t}を用いて、トランジスタ3のオ
フにより比例弁コイル2に流れる電流I3がオン時の値I
Hからオフ時の値ILへ減少するのに要する変化時間tON
OFFを求める。数6からI3−tの逆関数を求めると数
7が得られ、この数7から、I3=IHとなる時刻t
3ONと、I3=ILとなる時刻t3OFFが数8で与えられるこ
とが分かる。従って、変化時間tONOFFは数9とな
る。
【0060】
【数7】 t={−L/(Rt+r)}log(I3r/V) ・・・数7
【0061】
【数8】 t3ON ={−L/(Rt+r)}log(IHr/V) t3OFF={−L/(Rt+r)}log(ILr/V)・・・数8
【0062】
【数9】 tONOFF=t3OFF−t3ON ={−L/(Rt+r)}{log(ILr/V) −log(IHr/V)} ・・・数9
【0063】ここで、tOFFON=tONOFFという式を
考えると、数6=数9であるから、数10が得られる。
【0064】
【数10】 Rt=[{(log(ILr/V)−log(IHr/V)) /(log(1−(IHr/V))−log(1− (ILr/V)))}−1]r ・・・数10
【0065】そこで、具体例として比例電磁弁の仕様が
V=30v、r=10Ω、IL=0.1A、IH=1Aで
ある場合は、これらを数10に代入するとRt=51Ω
となる。また、この場合は、数6または数9から、t
OFFONの時間とtONOFFの時間が等しく3msecとな
り、166Hzでの高速スイッチングが可能となること
が分かる。
【0066】一方、Rt=0Ωであると、数6からt
OFFON=3msec、数9からtONOFF=18msecとなる
ので、47Hzまでの低速スイッチングとなる。
【0067】以上をまとめると、抵抗4の値Rtの調整
によりtONOFFの時間を調整でき、Rtを大きくする
ほど時間tONOFFが短くなり、オフ時の電流減少速度
が速くなる。
【0068】従って、基本的には、抵抗4の値Rtを可
能な限り高い値とすれば良い。
【0069】しかし、Rtを大きくしてもtOFFON
時間は短くならないので、スイッチング時間tONOFF
+tONOFFはtOFFONで制限され、全体的なスイッチ
ング性能の向上はさほど望めない。
【0070】また、Rtを大きくし過ぎると、電流オフ
時に比例弁コイル2に生じる逆起電圧が高く成り過ぎ
る。
【0071】そこで、実用的には、Rtは数10で与え
られる値、あるいは、その値の数分の1から数倍の範囲
の値とするのが良い。
【0072】上記各実施例での比例電磁弁のV=30
v、r=10Ω、IL=0.1A、IH=1Aという仕様
下では、Rtは内部抵抗値rの2〜10倍の値、従っ
て、r=10Ωなので、Rt=20Ω〜100Ωとな
る。
【0073】更に、数10から分かるように、抵抗4の
値Rtは比例電磁弁の仕様の影響を受けるが、特にIL
とIHの影響が大きいこと、標準的な比例電磁弁は0.
1A〜1Aの間で動作するものが多いことを考慮する
と、Rt=2r〜10r、或いはRt=20〜100Ω
という範囲は、実用的な範囲である。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果があ
る。
【0075】本発明の比例電磁弁の制御装置では、PW
Mデジタルアンプの比例電磁弁駆動回路において作動コ
イルと並列に抵抗を付加したことにより、時定数の大き
い作動コイルを有する比例電磁弁の場合でも、電圧オフ
のときの時定数が短縮して閉鎖回路の電流が速く減衰す
るので、比例電磁弁の閉塞制御が安定化する。従って、
電圧オフのときの時定数の大きい作動コイルを有する比
例電磁弁の場合でも、弁閉じ性能が損なわれず、例えば
作動流体によって操作される重量物の移動動作中に衝撃
や振動を生じることがなく、安定して駆動することがで
きる。
【0076】また、比例電磁弁の作動コイルに加える電
流をオフする場合、作動コイルと並列に抵抗を付加した
ことによりインピーダンスが十分となって、還流回路の
電流が速く減衰するので、作動コイルの駆動電流におい
て十分なディザー波形を実現することができ、ディザー
の目的とする比例電磁弁の開度と流量とのヒステリシス
による流量の誤差をカバーすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る比例電磁弁の制御装
置のPWM制御回路図。
【図2】出力段回路にインダクタンスが設けられている
とき、回路の電流をオンしたときの電流立ち上がり特性
図。
【図3】出力段回路にインダクタンスが設けられている
とき、回路の電流をオフしたときの還流回路(閉鎖回
路)における電流下降特性図。
【図4】PWM波形を示す図。
【図5】図1のPWM制御回路において比例電磁弁の閉
塞時の電流特性を示す図。
【図6】比例電磁弁のディザー制御時のPWM波形を示
す図。
【図7】本発明の第2実施例に係る比例電磁弁の制御装
置のPWM制御回路図。
【図8】従来の比例電磁弁のPWM制御回路図。
【図9】図8のPWM制御回路における波形図。
【符号の説明】
1、11 CPU(中央制御装置) 2 比例弁コイル(比例電磁弁の作動コイル) 3、3A、3A’、3B、3B’ スイッチング用トラ
ジスタ 4 抵抗 5 フライバックダイオード 6 比例弁コイルの内部抵抗 7 電流センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動コイルを流れる電流に比例した弁開
    度で作動流体の流量又は圧力を制御する比例電磁弁の制
    御装置において、同比例電磁弁の作動コイルをパルス幅
    変調電流の積算量によりデジタル制御するとき、出力段
    回路に前記作動コイルと並列に抵抗を付加し、前記比例
    電磁弁の作動コイルの電流をオフしたときの電流減少速
    度を速くして、前記比例電磁弁の閉塞制御を安定化した
    ことを特徴とする比例電磁弁の制御装置。
  2. 【請求項2】 作動コイルを流れる電流に比例した弁開
    度で作動流体の流量又は圧力を調整する比例電磁弁の弁
    開度と入力電流との作動ヒステリシスを消去する比例電
    磁弁の制御装置において、同比例電磁弁の作動コイルを
    パルス幅変調電流の積算量によりデジタル制御すると
    き、出力段回路に前記作動コイルと並列に抵抗を付加
    し、電流オフ時の電流減少速度を速くして作動ヒステリ
    シスを消去するディザー波形に対応する電流の追随を安
    定化したことを特徴とする比例電磁弁の制御装置。
JP34700196A 1996-12-26 1996-12-26 比例電磁弁の制御装置 Pending JPH10184972A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507582A (ja) * 2009-10-12 2013-03-04 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 電磁弁を動作させるための回路

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JP2013507582A (ja) * 2009-10-12 2013-03-04 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 電磁弁を動作させるための回路

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