JPH10184757A - 減衰棒およびこの減衰棒を使用する減衰装置 - Google Patents
減衰棒およびこの減衰棒を使用する減衰装置Info
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- JPH10184757A JPH10184757A JP35158096A JP35158096A JPH10184757A JP H10184757 A JPH10184757 A JP H10184757A JP 35158096 A JP35158096 A JP 35158096A JP 35158096 A JP35158096 A JP 35158096A JP H10184757 A JPH10184757 A JP H10184757A
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Abstract
する減衰装置を提供する。 【解決手段】 減衰装置は、相対変位する2点(物体)
L1 、L2 間を連結するよう互いに接続される第1およ
び第2の連結部材10、20からなり、そしてこれら両
部材10,20は、そのそれぞれの一端部を前記2点L
1 、L2 の中の1つにそれぞれ固定すると共に、第1の
連結部材10は、その接続側を案内ねじ部10aに形成
し、そしてこのねじ部10a上には、ボールベアリング
12を介して螺合される案内ナット14で駆動する回転
内筒16を回転摺動可能に挿着し、また第2の連結部材
20は、その接続側を前記回転内筒16を収容するチャ
ンバ22用の固定外筒24に形成し、そしてこのチャン
バ22内に減衰用の粘性体26を充填するよう構成す
る。
Description
形でしかもその減衰効果が大きく達成される減衰装置に
関する。
(物体)間に装着され、一方の振動源側から他方の制振
物体側へ伝達される振動エネルギを熱エネルギに変換消
失することにより減衰効果を達成するよう構成されてい
る。
に形成される粘性体チャンバ内に、振動に伴って発生さ
れる相対変位部分を収容することにより、その粘性摩擦
抵抗を介して減衰効果を達成するように構成されてお
り、しかもこの場合、前記相対変移部分の変位量は実際
の変位量(相対変位する2点間の変位量)より増幅手段
を介して増幅されるよう構成されている。従って、減衰
効果も増大されることができる。因みに、減衰効果は、
相対変位(動作)する2部分の間の対向面積の1乗およ
び相対速度のα乗に比例する。
た従来の減衰装置には、次に述べるような難点があっ
た。
たように、一般に、相対変位部分を増幅する手段を有す
るが、しかるにこの変位増幅手段は、通常は、ヒンジ・
ジョイントで連結されるテコ手段から構成されていた。
しかしながら、このようなヒンジ・テコ手段は、その増
幅倍率(相対変位間の対向面積および相対速度の増大比
率)が充分でなくしかも構成が複雑で構造を大形化する
と同時に作動精度も低下する難点も有していた。
でしかも大きな増幅倍率を達成し得る変位増幅手段、す
なわち簡単小形な構成でしかも大きな減衰効果を奏する
減衰装置を提供することにある。
に、本発明に係る減衰装置は、相対変位可能に互いに接
続される第1および第2の連結部材からなり、この第1
の連結部材は、少なくともその接続側に案内ねじ部が形
成された第一のロッドと、この案内ねじ部に係合すると
共に案内ねじ部との相対変位に基づき案内ねじ部上を回
転摺動するよう軸支される案内ナットと、前記第1のロ
ッドより大きな径を有すると共にこの径より充分大きな
軸方向長さとを有し前記案内ナットを介して回転摺動可
能に挿着される円筒形状回転体とからなり、前記第2の
連結部材は、前記円筒形状回転体及び案内ナットを収容
する円筒形状ケーシングからなり、少なくとも前記円筒
形状ケーシングの内壁と前記円筒形状回転体との間隙に
減衰用の粘性体および/または粘弾性体を充填すること
を特徴とする。
が案内ナットに外挿され他端部が閉塞された円筒体から
構成し、案内ナットの一側部とこれに対向する回転内筒
の閉塞端部を回転可能に軸支するよう構成し得る。
案内ナットに外挿され他端部が開放端である管状回転体
から構成し、案内ナットの両側部が回転可能に軸支され
ると共に、前記粘性体および/または粘弾性体が管状回
転体の中空部にも充填されるよう構成し得る。
る減衰装置は、構造物用等に適用する場合には、例え
ば、建築構造物における構造枠体の対向角部の間、或い
は基礎とこの基礎上の防震構造物との間等にそれぞれ配
設され得る。
が、第1連結部材の案内ねじ部に螺合する案内ナットで
駆動(回転摺動)される回転内筒から形成されている。
従って、変位増幅手段の、前述した相対速度増大比率N
は、下記式 N=πD/p 但し、pは案内ねじ部およびナットのねじピッチ Dは回転内筒の直径 において、pおよびDを適宜の値に設定することにより
適宜充分な大きさに選定されることができる。すなわ
ち、今仮に、pおよびDを例えば2および10cmに設定
するとNは15.7倍に増幅される。そしてこの場合、
前記減衰棒をブレーシングに使用すると前記Nは更に2
2.2倍に増幅される。また、同じく前述した対向面積
Aも、回転内筒の前記直径Dおよび長さLを適宜の値に
設定することにより同じく適宜充分な大きさに選定され
ることができる。なお、これらによって達成される前記
減衰棒の減衰効果は、後述する実施例において更に詳述
される。しかも、この変位増幅手段は、ねじ−ナット機
構であるので、簡単且つ小形に構成されることができ
る。
優れた特性から簡単且つ小形に構成されると共に十分大
きな減衰効果を発揮することができる。
付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
は、相対変位する2点(物体)A、B間を連結するよう
互いに接続される第1および第2の連結部材10および
20からなり、そして、これら両連結部材10,20
は、そのそれぞれの一端部を前記2点L1 、L2 の中の
1つにそれぞれ固定すると共に、その第1の連結部材1
0は、その接続側を案内ねじ部10aに形成し、そして
このねじ部10a上には、ボールベアリング12を介し
て螺合される案内ナット14で駆動する回転内筒16を
回転摺動可能に挿着し、また第2の連結部材20は、そ
の接続側を前記回転内筒16を収容するチャンバ22用
の固定外筒24に形成し、そしてこのチャンバ22内に
は減衰用の粘性体および/または粘弾性体26を充填す
るよう構成する。
内ナット14に外挿される他端部閉塞筒体からなり、案
内ナット14の一側部および回転内筒16の前記閉塞端
部の固定外筒24に対する上下両対接面にそれぞれボー
ルベアリング28,30を配設することにより、2点L
1 、L2 間の相対変位から発生される圧縮および引張り
の両荷重に対応して、案内ねじ部10a上を回転し且つ
図示上下方向へ摺動するよう軸支されている。更に、粘
性流体には、ポリイソブチレンその他の合成ゴム等を好
適に使用することができる。
て詳細に説明する。
L1 、L2 間に架設するよう配置した模式的説明図(図
5)において 建築構造物の卓越(基本)振動数 n(Hz) 減衰棒50の軸方向変形(最大) d(cm) 案内ねじ部およびナット52のねじピッチ p(cm) 片振幅時間Δt(=1/2n)内の回転 m=d/p 回転内筒56の回転数(1秒間) f=2dn/p 回転内筒56の直径 D 回転内筒56の長さ L 回転内筒56の表面積 A=πDL とすると、回転内筒56の角速度ω(rad/sec) は、下記
式(1) ω=2πf=4πdn/p (1) によって、また、回転内筒56の外周速度v(cm/sec)
は、下記式(2)、 v=2πdnD/p (2) によって、それぞれ表される。
その粘性体による減衰力Qd (kg)は、一般に、下記式
(3) Qd =a・μ・(dv/dy)α・A (3) 但し、 a:係数 μ:粘性体の粘度(kg・sec/cm2 ) dv:2面(固定外筒56内面と回転内筒54外面)間
の速度差 dy:2面(固定外筒56内面と回転内筒54外面)間
の隙間(cm) A:2面(固定外筒56内面と回転内筒54外面)間の
対向面積(cm2 ) で与えられるので、従って単位隙間(1cm)当りの減衰
力は、上記式(3)に前記式(2)を代入して得られる
下記式(4) Qd =a・μ・A・(2πdnD/p)α (4) から算定されることができる。
値 a:0.0843(μ30)-0.483(但し、μ30は温
度30℃のときの粘性体の粘度) μ:7.1(μ30)0.88・e-0.07t(但し、tは温
度) α:0.94 が得られており、すなわち簡略化された関係式として下
記式(5) Qd=0.6f{-1.17( μ30)0.3} ・(μ30)0.4 ×e-0.07t・A・(v/dy)0.94 (5) が得られている。前記式(1)、(2)から今仮に n=1(Hz) d=5(cm) p=0.5(cm) D=10(cm) L=100(cm) dy=1(cm) μ30=100poise =1/(9.8×103)(kg・
sec/cm2 )t=20(℃) とすると、すなわち f=2dn/p=2×5×1/0.5=20(rps) A=πDL=π×10×100=3142(cm2 ) v=2πdnD/p=2×π×5×1×10/0.5=
628(cm/sec) の場合を想定すると、前記減衰力Qd は、上記式(5)
から、下記のように算定される。
よび長さ100cmの細長な回転内筒56を用いて約2.
2ton の大きな減衰装置が得られることが分る。
る。回転内筒56の速度v′(cm/sec)をv′=d/2
n=5/2・1=2.5(cm/sec)とすると、減衰力Q
d ′は、上記式(5)と同様にして下記のように算定さ
れる。
変位のみの場合Qd ′に比べ約78倍になることが明ら
かになる。
ば、ねじ部の直線変位を回転内筒の回転運動に変換する
簡単且つ小形な(特に、長手方向に延在された)構成
で、しかも、従来のこの種の装置に比較して極めて大き
な減衰効果を容易に達成することができる。また更に、
この減衰装置は、比較的大きな構造物にも小さな組立物
にも同様に適用されると共に、圧縮および引張りの両荷
重に対して同様に適用される利点を併せ有する。
更されることができ、例えば図2に示すように変形され
得る。すなわち、この変形例は、図1に示す実施例にお
いて、回転内筒16を開放筒体に形成すると共に、案内
ナット14を、固定外筒24に固定されたケーシング3
2に対してボールベアリング28,30を介して軸支す
るよう構成したものである。なお、本実施例において
も、先の実施例におけると同様の作用、効果が発揮され
ることは明らかである。
ように、比較的大きな構造物にも小さな組立物にも広く
適用される。そこで次に、本発明に係る、前記減衰棒を
使用する減衰装置を建築構造物に適用した場合の実施例
について以下説明する。
構造物72の構造枠体74における対向角部の取付プレ
ート74a,74bの間にそれぞれ連結部材50a,5
0bを介して圧縮および引張り可能に配設されている。
従って、地震等で発生する構造枠体74の歪み変位によ
って伸縮される減衰棒50の減衰効果をにより構造枠体
74内の前記歪みエネルギが吸収されて、建築構造物7
0の振動が有効に制振され得る。
基礎76とこの基礎76上に免震パッド78,78を介
して支持されている防震構造物80との間に、それぞれ
の支持支柱76aおよび80aを介して圧縮および引張
り可能に配設されている。従って、これによれば、地震
等で発生される基礎76および防震構造物80間の水平
方向の相対変位によって伸縮される減衰装置50の減衰
効果により基礎76および防震構造物80間の前記水平
方向の相対変位エネルギが吸収されて、防震構造物80
の振動が有効に制振され得る。
ば、その減衰棒が、前述したように、簡単且つ小形に構
成されると共に十分な減衰効果を有することから、簡単
且つ小形に構成されると共に十分な減衰効果を発揮し得
る。
明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、
その精神を逸脱しない範囲内において多くの改良変更が
可能である。例えば、装置内のボールベアリングは適宜
別の軸支手段に変更し得る。
装置は、相対変位可能に互いに接続される第1および第
2の連結部材からなり、この第1の連結部材は、少なく
ともその接続側に案内ねじ部が形成された第一のロッド
と、この案内ねじ部に係合すると共に案内ねじ部との相
対変位に基づき案内ねじ部上を回転摺動するよう軸支さ
れる案内ナットと、前記第1のロッドより大きな径を有
すると共にこの径より充分大きな軸方向長さとを有し前
記案内ナットを介して回転摺動可能に挿着される円筒形
状回転体とからなり、前記第2の連結部材は、前記円筒
形状回転体及び案内ナットを収容する円筒形状ケーシン
グからなり、少なくとも前記円筒形状ケーシングの内壁
と前記円筒形状回転体との間隙に減衰用の粘性体および
/または粘弾性体を充填するよう構成した。すなわち、
本発明の前記減衰装置は、その減衰機構がねじ部の直線
変位を回転内筒の回転運動に変換するよう構成されるの
で、その変位変換倍率(相対速度増大比率等)が従来の
この種の装置に比較して大巾に増大される。従って、本
発明の減衰棒によれば、簡単且つ小形な構成でしかも大
きな減衰効果が容易に達成し得る。
減衰装置は、その減衰棒が前述したように簡単且つ小形
に構成されると共に十分な減衰効果を有することから、
この減衰棒と同様に、簡単且つ小形に構成されると共に
十分な減衰効果を発揮し得る。
である。
図である。
発明に係る減衰装置を適用する前記建築構造物の全体断
面図である。
に係る減衰装置を使用する前記基礎および防震構造物の
全体斜視図である。
架設するよう配置した模式的説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 相対変位可能に互いに接続される第1お
よび第2の連結部材からなり、この第1の連結部材は、
少なくともその接続側に案内ねじ部が形成された第一の
ロッドと、この案内ねじ部に係合すると共に案内ねじ部
との相対変位に基づき案内ねじ部上を回転摺動するよう
軸支される案内ナットと、前記第1のロッドより大きな
径を有すると共にこの径より充分大きな軸方向長さとを
有し前記案内ナットを介して回転摺動可能に挿着される
円筒形状回転体とからなり、前記第2の連結部材は、前
記円筒形状回転体及び案内ナットを収容する円筒形状ケ
ーシングからなる減衰装置において、 少なくとも前記円筒形状ケーシングの内壁と前記円筒形
状回転体との間隙に減衰用の粘性体および/または粘弾
性体を充填することを特徴とする減衰装置。 - 【請求項2】 前記円筒形状回転体は、一端部が案内ナ
ットに外挿され他端部が閉塞された円筒体からなり、案
内ナットの一側部とこれに対向する回転内筒の閉塞端部
が回転可能に軸支される請求項1記載の減衰装置。 - 【請求項3】 前記円筒形状回転体は、一端部が案内ナ
ットに外挿され他端部が開放端である管状回転体からな
り、案内ナットの両側部が回転可能に軸支されると共
に、前記粘性体および/または粘弾性体が管状回転体の
中空部にも充填される請求項1記載の減衰装置。 - 【請求項4】 減衰装置を建築構造物における構造枠体
の対向角部間に圧縮および引張り可能に配設する請求項
1記載の減衰装置。 - 【請求項5】 減衰装置を基礎とこの基礎上の防震構造
物との間に圧縮および引張り可能に配設する請求項1記
載の減衰装置。
Priority Applications (4)
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JP35158096A JP3408706B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 減衰棒およびこの減衰棒を使用する減衰装置 |
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JPH10184757A true JPH10184757A (ja) | 1998-07-14 |
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ID=18418240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35158096A Expired - Lifetime JP3408706B2 (ja) | 1996-12-27 | 1996-12-27 | 減衰棒およびこの減衰棒を使用する減衰装置 |
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- 1996-12-27 JP JP35158096A patent/JP3408706B2/ja not_active Expired - Lifetime
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