JPH10184646A - ボルト用クランプ - Google Patents

ボルト用クランプ

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JPH10184646A
JPH10184646A JP21073097A JP21073097A JPH10184646A JP H10184646 A JPH10184646 A JP H10184646A JP 21073097 A JP21073097 A JP 21073097A JP 21073097 A JP21073097 A JP 21073097A JP H10184646 A JPH10184646 A JP H10184646A
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locking
clamp
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Masayuki Kondo
昌幸 近藤
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L3/00Supports for pipes, cables or protective tubing, e.g. hangers, holders, clamps, cleats, clips, brackets
    • F16L3/08Supports for pipes, cables or protective tubing, e.g. hangers, holders, clamps, cleats, clips, brackets substantially surrounding the pipe, cable or protective tubing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランプをスタッドボルトに固定する部分か
らの音の侵入を防ぐ。 【解決手段】 このクランプ20は、他の部材を保持可
能で且つ他の部材を固定しようとする壁面10aから突
出したスタッドボルト12のネジ部13に嵌挿されるこ
とで、スタッドボルト12に固定されるボルト用クラン
プであり、スタッドボルト12のネジ部13の外周に被
せられることでネジ部13に係止される係止筒22と、
係止筒22を内部に収容し、係止筒22の外周との間に
空間26を存して配設され、且つ開口端24aを前記壁
面10a側の部材11に密着させることで内部を密閉す
る袋形の防音筒24とを一体に有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ワイヤー
ハーネスの結束バンド等を一体に有し、スタッドボルト
に嵌挿されることで、該スタッドボルトに固定されるボ
ルト用クランプに関する。
【0002】
【従来の技術】図11に、実開昭61−52710号公
報に記載のものと類似の従来のボルト用クランプ1を示
す。
【0003】このクランプ1は、係止筒2を有するクラ
ンプ本体1aに、ワイヤーハーネスの結束バンド4を一
体に設けたものである。結束バンド4は、ワイヤーハー
ネスに巻き付ける可撓バンド4aと、ループ状に巻いた
可撓バンド4aの先端を挿入係止する係止部5とからな
る。
【0004】係止筒2は、車体パネル10の内壁面10
aから車内側に突出したスタッドボルト12のネジ部1
3に嵌挿係止されるもので、内周面にネジ部13の溝1
4に噛み込む係止爪3を有している。11は、車体パネ
ル10の内壁面10aに張り付けられた防音材(サイレ
ンサ)であり、Aが騒音源の存在する外部側、Bが車内
側を示す。
【0005】このクランプ1は、係止筒2の先端をスタ
ッドボルト12のネジ部13に嵌挿することで、係止爪
3がネジ部13の溝14に噛み込み、これによりスタッ
ドボルト12に固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来では、
車外A側にて発生した騒音が、クランプ1を固定するた
めに設けたスタッドボルト12と車体パネル10の隙
間、スタッドボルト12と防音材11の隙間を通って車
内B側に侵入するため、この部分での防音性能が低下す
るという問題があった。
【0007】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、クランプをスタッドボルトに固定する部分の防音
性能の向上を図れるようにしたボルト用クランプを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、他の
部材を保持可能で、且つ他の部材を固定しようとする壁
面から突出したスタッドボルトのネジ部に嵌挿されるこ
とで、スタッドボルトに固定されるボルト用クランプに
おいて、前記スタッドボルトのネジ部の外周に被せられ
ることでネジ部に係止される係止筒と、この係止筒を内
部に収容し、係止筒の外周との間に空間を存して配設さ
れ、且つ開口端を前記壁面側の部材に密着させることで
内部を密閉する袋形の防音筒とを一体に有することを特
徴とする。
【0009】このボルト用クランプでは、係止筒をスタ
ッドボルトに嵌挿した状態で、防音筒がスタッドボルト
の周辺部を密閉するので、スタッドボルトと壁面側の部
材との隙間からの音の漏入を防ぐことができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載のボルト
用クランプであって、前記袋形の防音筒の端壁に前記係
止筒の基端が一体化されていることを特徴とする。
【0011】このボルト用クランプでは、防音筒の端壁
に係止筒が一体化されているので、防音筒と係止筒の位
置関係が崩れにくい。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
ボルト用クランプであって、前記防音筒の開口端に、前
記壁面側の部材としての防音材に密着するフランジが設
けられていることを特徴とする。
【0013】このボルト用クランプでは、防音筒の開口
端のフランジが防音材に密着することで、確実に防音筒
内を密閉することができ、音の漏れを防ぐことができ
る。
【0014】請求項4の発明は、他の部材を保持可能で
且つ他の部材を固定しようとする壁面から突出したスタ
ッドボルトのネジ部に嵌挿されることで、スタッドボル
トに固定されるボルト用クランプにおいて、両端部が開
口された筒状に形成され、前記スタッドボルトのネジ部
の外周に被せられることによりネジ部に係止され、この
係止状態で一側の開口端が壁面側の部材に密着する係止
筒と、この係止筒における他側の開口端に被せられ、該
開口端を塞ぐ防音キャップとを備えていることを特徴と
する。
【0015】このボルト用クランプでは、係止筒の一側
の開口端が壁面側の部材に密着し、係止筒の他側の開口
端を防音キャップが塞ぐため、スタッドボルトの周辺部
からの音の漏洩を防止することができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項4記載のボルト
用クランプであって、前記防音キャップの係止筒側の面
に、係止筒の他側の開口端に密着するシールパッキンが
設けられていることを特徴とする。
【0017】シールパッキンが係止筒の開口端に密着す
るため、係止筒と防音キャップとの間に隙間が生じるこ
とがなく、これらの間から音が漏れることを確実に防止
することができる。
【0018】請求項6の発明は、請求項4又は5記載の
ボルト用クランプであって、前記係止筒の内部に、前記
スタッドボルトのネジ部に係止する係止爪が一体的に形
成され、前記防音キャップの内部に、前記係止爪を前記
ネジ部に押え付ける脚部が設けられていることを特徴と
する。
【0019】このボルト用クランプでは、防音キャップ
内部の脚部が係止爪をネジ部に押え付けるため、係止爪
が撓むことがなく、ネジ部に強固に係止させることがで
き、クランプ全体をスタッドボルトに強固に固定するこ
とができる。従って、クランプがスタッドボルトから外
れることがなくなり、防音効果を保持することができ
る。
【0020】請求項7の発明は、請求項6記載のボルト
用クランプであって、前記係止爪は係止筒の内面と空間
を有して一体的に形成されており、前記脚部はこの空間
を埋めるように挿入される挿入部及び前記係止爪に当接
する当接部を有して形成されていることを特徴とする。
【0021】挿入部は係止筒内面と係止爪との間に挿入
されることによって、横方向から係止爪をスタッドボル
トのネジ部に押し付ける。当接部は係止爪に当接するこ
とによって、縦方向から係止爪をスタッドボルトのネジ
部に押し付ける。従って、係止爪を3次元方向からネジ
部に押し付けるため、係止爪が撓むことがなく、ネジ部
から外れることがなくなる。
【0022】請求項8の発明は、請求項4記載のボルト
用クランプであって、前記防音キャップは、前記係止筒
の内部に挿入され係止筒の内面に密着する外筒部と、空
間を有して外筒部の内部に設けられ前記スタッドボルト
のネジ部が挿入される内筒部とを有していることを特徴
とする。
【0023】このボルト用クランプでは、防音キャップ
の外筒部が係止筒の内面に密着するため、スタッドボル
トの周辺から音が漏れることがなくなる。内筒部は外筒
部と空間を有して設けられているため、弾性があり、振
動等があっても、これを吸収する。従って、外筒部が係
止筒に密着して音の漏洩を防止した状態を保持すること
ができる。
【0024】請求項9の発明は、請求項4〜8のいずれ
かに記載のボルト用クランプであって、前記係止筒と防
音キャップとに相互に係合して外れ止めを行う係合手段
が設けられていることを特徴とする。
【0025】係合手段が相互に係合することにより、係
止筒と防音キャップとが強固に結合するため、これらが
外れることがなく、これらによる漏音防止を確実に保持
することができる。
【0026】請求項10の発明は、請求項1〜9のいず
れかに記載のボルト用クランプであって、前記他の部材
としてワイヤーハーネスを対象とし、ワイヤーハーネス
の結束バンドを一体に有することを特徴とする。
【0027】このボルト用クランプでは、結束バンドで
ワイヤーハーネスを保持した状態で、スタッドボルトに
固定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の第1の
実施形態を示す。この実施形態のボルト用クランプ20
は、全体が樹脂の一体成形品で構成されており、係止筒
22と防音筒24を有したクランプ本体21に、ワイヤ
ーハーネスの結束バンド4を一体に設けたものである。
結束バンド4は、図11の従来品と同じ構成であるが、
取り付けられている場所が、クランプ本体21の天井部
となっている。
【0029】係止筒22は、車体パネル10の内壁面1
0aから車内側に突出したスタッドボルト12のネジ部
13に被せられることで、ネジ部13に係止される円筒
状のものであり、内周面にネジ部13の溝14に噛み込
む2段の係止爪23を有している。
【0030】防音筒24は、係止筒22を内部に収容す
るよう、係止筒22の外周との間に空間26を存した状
態で同心状に配設されている。防音筒24は、天井部に
端壁27を有する袋形に形成されており、係止筒22の
基端が、この端壁27に一体化されている。
【0031】防音筒24の開口端24aには、車体パネ
ル10の内壁面10aに張り付けた防音材11に密着す
るフランジ25が外向きに形成され、このフランジ25
を防音材11に密着させることで、防音筒24の内部を
密閉できるようになっている。なお、Aが騒音源の存在
する外部側、Bが車内側である点は図11の従来例と同
じである。
【0032】このクランプ20を用いてワイヤーハーネ
スを車体パネル10に固定する場合は、まず、結束バン
ド4でワイヤーハーネスを結束する。そして、その状態
で、係止筒22の先端をスタッドボルト12のネジ部1
3に嵌挿させ、係止爪23をネジ部13に係止させる。
これにより、スタッドボルト12にクランプ20が固定
される。
【0033】このとき、防音筒24の開口端24aに設
けたフランジ25が防音材11に密着して、防音筒24
内を密閉するので、スタッドボルト12と車体パネル1
0との隙間、およびスタッドボルト12と防音材11と
の隙間から音が侵入しても、防音筒24によって車内側
へ漏れないようにすることができる。よって、車内の静
粛性が高められる。特に、防音筒24の端壁27に係止
筒22の基端を一体化させているので、防音筒24と係
止筒22との位置関係が崩れにくく、防音筒24と係止
筒22の接触による振動の発生や、スタッドボルト12
を介しての振動伝搬を極力減らすことができ、それによ
る遮音性能の向上も図れる。
【0034】図3〜図5は、本発明の第2の実施形態の
ボルト用クランプ30を示す。このボルト用クランプ3
0は、共に樹脂によって形成された係止筒31と、防音
キャップ32とを備えている。
【0035】係止筒31は、筒状に形成された筒状部3
3と、筒状部33の内部に一体的に形成された係止爪3
4とを備えている。筒状部33の上下の両端部は開口さ
れた開口端33a、33bとなっており、その外面に
は、図4に示すようにワイヤハーネスの結束バンド4が
一体的に延びている。
【0036】係止爪34は係止筒31の一側の開口端3
3aを内側に延ばし、さらに上方に屈曲することによっ
て形成されている。このように形成することにより係止
爪34は係止筒31の内面との間に空間35を有してい
る。この係止爪34はスタッドボルト12のネジ部13
の溝14に噛み込むことにより、係止筒31をスタッド
ボルト12に固定し、この固定によって係止筒31の一
側の開口端33aが防音材11に密着する。このとき、
図5に示すように筒状部33はスタッドボルト12のネ
ジ部13の外周を覆うようになる。
【0037】防音キャップ32は、周辺部が係止筒31
の他側の開口端33bに当接して開口端33bを塞ぐ蓋
部36を有しており、この蓋部36の下面からは脚部3
7が一体的に垂下している。脚部37は蓋部36の下面
から複数が対向するように垂下するものである。又、脚
部37は蓋部36の外周部分よりも内方側に位置してお
り、防音キャップ32を係止筒31に被せることにより
係止筒31の内面に密着する。
【0038】防音キャップ32の下面には、シールパッ
キン38が取り付けられている。シールパッキン38
は、ゴム、弾性樹脂等によって平板状に形成されてお
り、防音キャップ32の下面に配置されることにより、
防音キャップ32と係止筒31との間に挟まれ、防音キ
ャップ32と係止筒31との間に隙間が生じることを防
止する。このため、防音キャップ32と係止筒31との
間から騒音が漏れ出ることがない。
【0039】防音キャップ32には、係合片39が一体
的に形成されている。係合片39は脚部37と重ならな
い位置となるように蓋部36から対向して垂下してお
り、この係合片39には、厚さ方向に貫通するフック孔
40が形成されている。これに対し、係止筒31の筒状
部33外面には、フック孔40が係合するフック突起4
1が形成されている。このフック突起41は、係合片3
9が摺動可能なように係止筒31の外面に設けられた平
面部42に形成されるものである。
【0040】フック孔40及びフック突起41は、係止
筒31と防音キャップ32とを結合する係合手段となっ
ており、これらが相互に係合することによって係止筒3
1及び防音キャップ32が外れることがなくなると共
に、シールパッキン38を介して係止筒31及び防音キ
ャップ32が密着することができる。本発明では、かか
るフック孔40及びフック突起41に代えて係止筒31
及び防音キャップ32を接着、溶着することも可能であ
るが、フック孔40及びフック突起41とすることによ
り係止筒31及び防音キャップ32の結合を簡単に行う
ことができ、しかも分解が可能であるところから有用な
手段となっている。
【0041】この実施形態のボルト用クランプ30で
は、図4の矢印で示すように、防音キャップ32を係止
筒31に組み付け、フック突起41とフック孔42とを
係合させて組み立てる。これにより、係止筒31の他側
の開口端33bが防音キャップ32によって塞がれる。
そして、係止筒31の一側の開口端33aにスタッドボ
ルト12のネジ部13を挿入し、係止爪34を溝14に
係止させてスタッドボルト12に固定する。
【0042】この固定状態では、防音キャップ32によ
って係止筒31の他側の開口端33bが塞がれると共
に、係止筒31の一側の開口端33aが防音材11に密
着することによって塞がれる。このため、クランプ30
は袋状となってネジ部13を覆うことができ、スタッド
ボルト12と車体パネル10との隙間、スタッドボルト
12と防音材11との隙間から音がクランプ30内に侵
入しても車内Bに漏れることがない。又、この実施形態
では、係止筒31と防音キャップ32との間にシールパ
ッキン38を介挿してあるため、これらの間に隙間が生
じることがなく、良好な遮音を行うことができる。さら
に、係止筒31及び防音キャップ32の2部材としたこ
とにより、それぞれの形状を簡素化でき、簡単に製造す
ることができる。
【0043】図6は、本発明の第3の実施形態を示し、
第2の実施形態と同一の部分は同一の符号を付して対応
させてある。この実施形態では、防音キャップ32の脚
部37を長くすると共に、段付き状に形成するものであ
る。すなわち、蓋部36側に近接した部分を厚肉で、且
つ長くし、この厚肉部分の下側を薄肉とすることによっ
て脚部37が形成されている。
【0044】そして、薄肉の下側部分を係止筒31の内
面と係止爪34との空間35と同等か或いはそれよりも
若干、厚くなる程度とすることにより、挿入部44とし
てある。この挿入部44は、空間35内に侵入すること
により空間35を埋めるように作用する。
【0045】一方、厚肉部分と薄肉部分との境となる段
部は、当接部45となっている。この当接部45は、係
止爪34の上端部分46に当接するものである。
【0046】この実施形態において、フック孔40とフ
ック突起41とを係合させて防音キャップ32を係止筒
31に組み付けると、図8で示すように脚部37の挿入
部44が係止筒31と係止爪34との間の空間35内に
挿入されて空間35を埋める。これにより挿入部44
は、ネジ部13の溝14に横方向から噛み込むように係
止爪34を押し付ける。
【0047】これと同時に、脚部37の当接部45は係
止爪34の上端部部に上方から当接する。この当接によ
って、係止爪34を上方からネジ部13に押し付ける。
従って、脚部37は3次元方向から係止爪34をネジ部
13に押し付けるため、係止爪34をネジ部13に強固
に固定することができるばかりでなく、係止爪34が撓
むことがなく、撓みによる係止爪34の外れを防止する
ことができる。このため、クランプ30の全体がスタッ
ドボルト12から外れることがなく、防音効果を保持す
ることができる。
【0048】図9は本発明の第4の実施形態における防
音キャップ32を、図10はクランプの使用状態を示
し、第2の実施形態と同一の部分には同一の符号を付し
てある。す。この実施形態では、防音キャップ32の蓋
部36に、外筒部51及び内筒部52が一体的に形成さ
れている。
【0049】外筒部51は、蓋部36の外周部分よりも
内方側から垂下している。蓋部36における外筒部51
よりの外側の部分は、係止筒33の他側の開口端33b
に密着するものであり、この部分よりも内方側に設けら
れることにより外筒部51は、係止筒31の内面に密着
する。この外筒部51は、環状となっており、環状の全
体が係止筒31の内面に密着することによってクランプ
30内から音が漏れることを防止する。
【0050】内筒部52は環状体を複数箇所で切り欠い
た断続状となっており、図10に示すようにスタッドボ
ルト12のネジ部13が挿入される。この内筒部52は
外筒部51との間に空間53を形成するように、その内
方側から垂下している。このように断続的でしかも外筒
部51との間に空間53を有することにより、内筒部5
2は弾性が付与されている。このため、内筒部52はス
タッドボルト12から振動等が伝達しても、その弾性に
よって振動を吸収することができる。これにより振動が
外筒部51に伝達されないため、外筒部51が係止筒3
1の内面に良好に密着することができ、音の漏れを効果
的に防止することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、スタッドボルトに固定した状態で、スタッドボ
ルトと壁側の部材との間の隙間からの音の侵入を防ぐこ
とができ、自動車に適用した場合、車内の静粛性の向上
が図れる。
【0052】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
に効果の他に、防音筒と係止筒の位置関係が崩れにくく
なるので、防音筒と係止筒の間の空間が潰れず、防音壁
と係止筒の接触による振動の発生、あるいはスタッドボ
ルトを介しての振動伝搬を極力減らせる効果を奏する。
【0053】請求項3の発明によれば、防音筒の開口端
に、防音材に密着するフランジを設けたので、確実に防
音筒内を密閉することができ、防音性能を一層高めるこ
とができる効果を奏する。
【0054】請求項4の発明によれば、係止筒の一側の
開口端が壁面側の部材に密着し、係止筒の他側の開口端
を防音キャップが塞ぐため、全体が袋状となり、スタッ
ドボルトの周辺部からの音の漏洩を防止することができ
る。又、係止筒と防音キャップとが別体となっているた
め、それぞれの構造を簡素化でき、製造を簡単に行うこ
とができる。
【0055】請求項5の発明によれば、シールパッキン
によって係止筒と防音キャップとの間に隙間が生じるこ
とがないため、これらの間から音が漏れることを確実に
防止することができる。
【0056】請求項6の発明によれば、脚部が係止爪を
ネジ部に押え付けるため、係止爪が撓むことがなく、ネ
ジ部に強固に係止させることができ、クランプ全体をス
タッドボルトに強固に固定することができる。従って、
クランプがスタッドボルトから外れることがなくなり、
防音効果を保持することができる。
【0057】請求項7の発明によれば、防音キャップの
脚部の挿入部及び当接部によって係止爪を3次元方向か
らネジ部に押し付けるため、係止爪が撓むことがなく、
ネジ部から外れることがなくなる。
【0058】請求項8の発明によれば、防音キャップの
内筒部が振動等を吸収するため、外筒部が係止筒の内面
に密着した状態を保持することができ、音の漏洩を防止
した状態を安定して保持することができる。
【0059】請求項9の発明によれば、係合手段が相互
に係合することにより、係止筒と防音キャップとが強固
に結合するため、これらが外れることがなく、漏音防止
を確実に保持することができる。
【0060】請求項10の発明によれば、結束バンドに
よりワイヤーハーネスを保持することができるので、ワ
イヤーハーネスをスタッドボルトを介して車体パネル等
の壁に固定することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のクランプをスタッド
ボルトに固定する前の状態を示す側断面図である。
【図2】第1の実施形態のクランプをスタッドボルトに
固定した状態を示す側断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態のクランプをスタッド
ボルトに固定する前の状態を示す側断面図である。
【図4】第2の実施形態のクランプの分解斜視図であ
る。
【図5】第2の実施形態のクランプをスタッドボルトに
固定した状態を示す側断面図である。
【図6】本発明第3の実施形態のクランプをスタッドボ
ルトに固定する前の状態を示す側断面図である。
【図7】第3の実施形態のクランプの分解斜視図であ
る。
【図8】第3の実施形態のクランプをスタッドボルトに
固定した状態を示す側断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の防音キャップの斜視
図である。
【図10】第4の実施形態のクランプをスタッドボルト
に固定した状態を示す側断面図である。
【図11】従来のボルト用クランプを示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
4 結束バンド 10a 壁面 11 防音材(壁面側の部材) 12 スタッドボルト 13 ネジ部 20 30 クランプ 22 31 係止筒 24 防音筒 24a 開口端 25 フランジ 26 空間 27 端壁 32 防音キャップ 33a 一側の開口端 33b 他側の開口端 34 係止爪 35 空間 37 脚部 38 シールパッキン 40 フック孔 41 フック突起 44 挿入部 45 当接部 51 外筒部 52 内筒部 53 空間

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 他の部材を保持可能で且つ他の部材を固
    定しようとする壁面から突出したスタッドボルトのネジ
    部に嵌挿されることで、スタッドボルトに固定されるボ
    ルト用クランプにおいて、 前記スタッドボルトのネジ部の外周に被せられることに
    よりネジ部に係止される係止筒と、 この係止筒を内部に収容し、係止筒の外周との間に空間
    を存して配設され、且つ開口端を前記壁面側の部材に密
    着させることによって内部を密閉する袋形の防音筒とを
    一体に有することを特徴とするボルト用クランプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のボルト用クランプであっ
    て、 前記袋形の防音筒の端壁に前記係止筒の基端が一体化さ
    れていることを特徴とするボルト用クランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のボルト用クランプ
    であって、 前記防音筒の開口端に、前記壁面側の部材としての防音
    材に密着するフランジが設けられていることを特徴とす
    るボルト用クランプ。
  4. 【請求項4】 他の部材を保持可能で且つ他の部材を固
    定しようとする壁面から突出したスタッドボルトのネジ
    部に嵌挿されることで、スタッドボルトに固定されるボ
    ルト用クランプにおいて、 両端部が開口された筒状に形成され、前記スタッドボル
    トのネジ部の外周に被せられることによりネジ部に係止
    され、この係止状態で一側の開口端が壁面側の部材に密
    着する係止筒と、 この係止筒における他側の開口端に被せられ、該開口端
    を塞ぐ防音キャップとを備えていることを特徴とするボ
    ルト用クランプ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のボルト用クランプであっ
    て、 前記防音キャップの係止筒側の面に、係止筒の他側の開
    口端に密着するシールパッキンが設けられていることを
    特徴とするボルト用クランプ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のボルト用クランプ
    であって、 前記係止筒の内部に、前記スタッドボルトのネジ部に係
    止する係止爪が一体的に形成され、前記防音キャップの
    内部に、前記係止爪を前記ネジ部に押え付ける脚部が設
    けられていることを特徴とするボルト用クランプ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のボルト用クランプであっ
    て、 前記係止爪は係止筒の内面と空間を有して一体的に形成
    されており、前記脚部はこの空間を埋めるように挿入さ
    れる挿入部及び前記係止爪に当接する当接部を有して形
    成されていることを特徴とするボルト用クランプ。
  8. 【請求項8】 請求項4記載のボルト用クランプであっ
    て、 前記防音キャップは、前記係止筒の内部に挿入され係止
    筒の内面に密着する外筒部と、空間を有して外筒部の内
    部に設けられ前記スタッドボルトのネジ部が挿入される
    内筒部とを有していることを特徴とするボルト用クラン
    プ。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれかに記載のボルト
    用クランプであって、 前記係止筒と防音キャップとに相互に係合して外れ止め
    を行う係合手段が設けられていることを特徴とするボル
    ト用クランプ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のボル
    ト用クランプであって、 前記他の部材としてワイヤーハーネスを対象とし、ワイ
    ヤーハーネスの結束バンドを一体に有することを特徴と
    するボルト用クランプ。
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