JPH10182528A - ジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents
ジメチルエーテルの製造方法Info
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- JPH10182528A JPH10182528A JP34768096A JP34768096A JPH10182528A JP H10182528 A JPH10182528 A JP H10182528A JP 34768096 A JP34768096 A JP 34768096A JP 34768096 A JP34768096 A JP 34768096A JP H10182528 A JPH10182528 A JP H10182528A
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Abstract
ルを合成する工程で、反応生成物として発生するCO2
の廃棄を止めると共に有効に利用する。 【解決手段】 少なくともCOとH2 とを含む混合ガス
を主原料として用い、この主原料を触媒反応させてジメ
チルエーテル(DME)を生成させ、このDMEの合成
反応において生成する生成物中に残存する、COとH2
とを含むガスを循環させたリサイクルガス7a' を上記主
原料の一部に再利用してDME9'を製造する方法におい
て、(イ)、(ロ)の工程を更に付加する。(イ)主原
料としての混合ガスは、飽和炭化水素ガス11' をリフォ
ーマーR2により生成させることにより調製する工程。
(ロ)DMEの合成反応において生成する反応生成物3'
中に共存するCO2 を分離し、分離されたCO2 8'を
(イ)の工程のリフォーマーR2に循環させることによ
り、DME合成用の上記主原料の一部に利用する工程。
Description
素とを主原料としてジメチルエーテルを製造する方法に
関するものである。
ガスから、ジメチルエーテル(DME)を直接製造する
技術として、固定床触媒層に原料ガスを通過させ反応さ
せる技術が開示されている(例えば、特開平2−280
836号公報、特開平3−8446号公報)。また、触
媒微粒子を高沸点媒体油の中に懸濁させたスラリー反応
器の中を原料ガスを通過させ反応させて、高収率でジメ
チルエーテルを合成させる技術も開示されている(例え
ば、特開平3−52835号公報及び特公平7−577
39号公報、米国エネルギー省報告書:DOE/PC/
90018−T7)。
メチルエーテルを合成する方法においては、下記
(1)、(2)及び(3)の各式で表わされる、水素と
一酸化炭素とから生成するメタノール合成、合成された
上記メタノールからの脱水反応により生成するジメチル
エーテル合成、及び上記ジメチルエーテル合成に伴って
副生する水と一酸化炭素とが反応して水素を生成する3
種類の反応が同時に進行する。
表わされる通り、水素と一酸化炭素とからジメチルエー
テルと二酸化炭素とが当量生成することになる。
力に支配される平衡反応であるから、実際の合成プロセ
スにおいては、上記三つの反応が100%は進行しな
い。従って、上記三反応の総括である(4)式の反応
は、100%は進行しない。従って、(4)式で表わさ
れるような、原料の水素及び一酸化炭素が100%転化
するということは起こらず、反応器から流出するガスに
は反応成品であるDME及び二酸化炭素の他に、未反応
の水素及び一酸化炭素が含まれる。そこで、通常、この
未反応の水素及び一酸化炭素を廃棄することはせず、生
成物から分離した後、原料ガスの一部とするために反応
器へリサイクルして有効に利用される。上記反応器から
流出するガスには、その他に反応中間体であるメタノー
ル及び水が含まれている。ところが、従来、反応成品の
二酸化炭素はDMEから分離された後、廃棄されてい
た。二酸化炭素が廃棄されると、地球温暖化等環境上望
ましくなく、また、原料中の炭素資源が未利用のまま廃
棄されることになる。
に開示された、従来のDME製造プロセス例のフロー図
を示す。この装置は、反応器R、メタノール・水分離器
S1、未反応ガス分離器S2、及びCO2 分離器S3か
らなっている。反応器Rの底部には原料ガスライン2が
接続され、この原料ガスライン2には、新たな原料ガス
を供給するメイクアップガスライン1と未反応CO及び
H2 を循環供給するリサイクルガスライン7aが接続さ
れている。メイクアップガス1’はCOガスとH2 ガス
とを主成分とする。反応器Rの頂部からは、反応生成物
3’を排出させる反応ガスライン3がメタノール・水分
離器S1の入口に接続され、またメタノール・水分離器
S1のメタノール及び水4’出口にはメタノール・水ラ
イン4が、そして反応生成物5’出口には反応ガスライ
ン5が接続されている。この反応ガスライン5の他端は
未反応ガス分離器S2の入口に接続され、未反応ガス分
離器S2のリサイクルガス7’出口には、上記リサイク
ルガスライン7aの他端が接続されている。このリサイ
クルガスライン7と7aとの接続部から、リサイクルガ
ス7’の一部を抜き出すパージライン10が接続されて
いる。未反応ガス分離器S2のDME及びCO2 6’出
口には、DME・COライン6が接続され、DME・C
O2 ライン6の他端はCO2 分離器S3に接続され、そ
して、CO2分離器S3のCO2 8’出口にはCO2 ラ
イン8が、そしてDME9’出口にはDMEライン9が
それぞれ接続されている。上記CO2 分離器S3ではD
MEからCO2 が分離され、CO2 は廃棄される。
下、先行技術という)においては、反応生成物3’から
先ず、メタノール・水分離器S1でメタノール及び水
4’を分離し、次いで未反応ガス分離器S2で未反応C
OとH2 とを主成分とするリサイクルガス7’を分離
し、これを反応器Rにリサイクルして原料の利用効率の
向上を図っている。
っては、反応ガスから未反応COとH2 を分離し、これ
を反応器にリサイクルしているので、原料ガス中のCO
及びH2 の転化率の向上に役立っている。しかしなが
ら、DMEから分離されたCO2 は廃棄されている。こ
のようにCO2 が大気に放散されると、上述したように
地球温暖化現象等環境上望ましくなく、また、原料中の
炭素資源が未利用のまま廃棄されることになり、資源保
存上望ましくない。
ら直接DMEを合成する場合、その化学量論的な反応式
は、上記(4)式で示したように、3CO+3H2 →C
H 3 OCH3 (DME)+CO2 である。従って、効率
的にこの合成反応を行なわせるためには、合成反応器に
供給される原料ガスのH2 とCOとのモル比率を、1:
1に近づけるほど望ましい。従って、原料ガスのH2 と
COとのモル比率を、1:1に近づけることを前提条件
とし、その上で上記CO2 の廃棄を止めなければならな
い。
水素とを主原料としてジメチルエーテルを直接合成する
方法で製造する場合、反応生成物として発生した二酸化
炭素の廃棄を止めると共に、このCO2 を有効に利用す
るジメチルエーテルの製造方法を提供することにある。
点から、ジメチルエーテルの製造方法を開発すべく鋭意
研究を重ねた。
先ず次の方策を立てた。第一は、図2で述べたように、
未反応ガスであるCO及びH2 を含むリサイクルガス7
a’を、DME合成の原料ガスの一部として利用するこ
と、そして第二は、メイクアップガスの主成分であるC
O及びH2 の生成原料として天然ガス等の飽和炭化水素
ガスを用いることである。
に利用するためである。第二の理由の根拠について説明
する。炭化水素ガスをリフォームしてH2 及びCOを生
成させる場合、飽和炭化水素ガスを用いれば最も効率的
にH2 及びCOにリフォームすることができる。従っ
て、飽和炭化水素ガスを用いることにした。次に、飽和
炭化水素ガスのリフォームは例えば、スチーム、C
O2 、酸素(空気)、あるいはこれらの組合わせで行な
われ、その化学反応式は下記(5)、(6)及び(7)
式で例示される。
るいは酸素(空気)のいずれを用いたリフォームによっ
ても、生成されるH2 /COモル濃度比は、通常、1以
上となることがわかる。従って、メイクアップガスのH
2 とCOとのモル濃度比を1:1に近づけるためには、
(6)式による飽和炭化水素ガスのリフォームをできる
だけ多量に行なう方が有利である。そこで、CO2 をリ
サイクルさせてメイクアップガスの生成に使用する場合
には、飽和炭化水素ガスをメイクアップガスの主原料と
するのが適していることがわかる。
ガスのH2 とCOとのモル濃度比を、増大させて1:1
に近づけることにした理由は、次の通りである。上述し
た通り、COとH2 とからDMEを直接合成する場合、
実際の合成プロセスにおいては、上記(1)、(2)及
び(3)の各式で表わされる各反応が起こっており、い
ずれも100%は進行しない。従って、反応器R(図2
参照)から流れ出る反応生成物3’中には、反応成品で
あるDME及びCO2 、未反応ガスであるH2及びC
O、並びに反応中間体であるCH3 OH及びH2 Oが含
まれている。これらの内、反応中間体であるCH3 OH
とH2 Oとの両方を合計したガスに含まれるH原子数×
2の値は、炭素原子数よりも多い。このことはCH3 O
H及びH2Oの各分子式のH及びCの原子数を数えれ
ば、反応生成物3’中に含まれるCH 3 OHとH2 Oと
の生成比率に依存せず常に成り立つことがわかる。従っ
て、未反応ガスとして反応器Rから流出するCOモル濃
度が、H2 モル濃度よりも常に高く、過剰になっている
ことが、反応器Rについての入出マスバランスより明ら
かである。従って、当然、パージ後リサイクルガス7
a’中の未反応ガス中のCOは、未反応ガス中のH2 に
対して反応当量的に常に過剰になっている。このよう
な、COモル濃度が過剰になっているリサイクルガス7
a’を原料ガスライン2に供給し続けると、原料ガス
2’のH2 /COモル濃度比は減少するので、DMEの
生産効率を著しく損なうことになる。
的に行なわせるために、原料ガス2’の主体を構成する
メイクップガス1’のCOに対するH2 のモル濃度を適
正な過剰にして、原料ガス2’のH2 :COのモル濃度
をできるだけ1:1に近づけることが望ましい。以上が
第二の方策を立てた理由である。
する方法として、従来、分離器S3で分離後廃棄してい
たCO2 を、飽和炭化水素ガスと反応させてメイクアッ
プガスの一部として利用することに着眼した。即ち、本
来、CO及びH2 をメタン等炭化水素ガスのリフォーミ
ングによって製造する場合は、該リフォーマーへ、また
石炭ガス化ガス等を使用する場合は、リフォーマーを新
たに設け、廃棄していたCO2 をこのリフォーマーにリ
サイクルし、上記(6)式の反応によりCO2で飽和炭
化水素ガスをリフォームすればよい。また、こうすれ
ば、リサイクルガス7a’のH2 :COモル濃度比にお
けるCO過剰を緩和することもできるので、メイクアッ
プガス1’のH2 /COモル濃度比の調整に対しても効
果的である。
のであって、この発明のジメチルエーテルの製造方法
は、少なくとも一酸化炭素と水素とを含む混合ガスを主
原料として用い、この主原料を触媒反応させてジメチル
エーテルを生成させ、このジメチルエーテルの合成反応
において生成する生成物中に残存する、一酸化炭素と水
素とを含むガスを循環させることにより、上記主原料の
一部に再利用してジメチルエーテルを製造する方法にお
いて、次の(イ)及び(ロ)の工程が更に付加されたこ
とに特徴を有するものである。上記において、(イ)及
び(ロ)の工程とは、(イ)主原料としての混合ガス
は、飽和炭化水素ガスをリフォーマーにより生成させる
ことにより調製する工程、及び、(ロ)ジメチルエーテ
ルの合成反応において生成する生成物中に共存する二酸
化炭素を分離し、この分離された二酸化炭素を(イ)の
工程のリフォーマーに循環させることにより、ジメチル
エーテル合成用の上記主原料の一部に利用する工程であ
る。
ながら説明する。図1に、この発明の方法を実施するジ
メチルエーテル製造装置の一例のフローシートを示す。
図1において、R1はDME合成の反応器、そしてR2
は飽和炭化水素ガスのリフォーマーである。飽和炭化水
素ガスのリフォーマーR2は、DME合成の反応器R1
の上流に、原料ガスライン2その他のラインを介して接
続されている。以下、この装置を、リフォーマーR2メ
イクアップガスライン(11、14及び15)からリフ
ォーマーR2及び反応器R1を経て、精製・分離された
DME9’が回収されるに至る流れに沿って説明する。 炭化飽和水素ガス11’はリフォーマーR2でCO
2 14’及び/または水15’と反応させられ、リフォ
ーム反応生成物16’が生成し、リフォーム反応生成物
16’は水分離器S4で脱水され、分離されたた水1
7’は脱水ライン17を通ってメイクアップ水ライン1
5へリサイクルされる。 水分離器S4から流出したリフォーム反応生成物1
8’はCO2 分離器S5で脱炭酸され、CO2 分離器S
5で分離されたCO2 19’は脱炭酸ライン19を通っ
てCO2 リサイクルライン8に流入する。このCO2 リ
サイクルライン8は、DME合成反応による反応成品の
一つであるCO2 がDMEから分離されリサイクルされ
るラインである。CO2 リサイクルライン8に流入した
CO2 19’はメイクアップCO2 ライン14に合流す
る。
れたリフォームガスは、脱水及び脱炭酸され精製され、
DME合成ガス(DME合成のメイクアップガス)1’
になる。次いで、DME合成のメイクアップガス1’
は、DME合成ラインDLのリサイクルガスライン7a
を流れてくる未反応ガス(CO及びH2 )主体のリサイ
クルガス7a’と混合されて、DMEの原料ガス2’に
なる。 原料ガス2’を、反応器R1の底部から供給する。
反応器R1でDMEの合成反応が行なわれた後、反応器
R1の頂部からは、反応生成物3’を排出させる反応ガ
スライン3がメタノール・水分離器S1の入口に接続さ
れ、またメタノール・水分離器S1のメタノール・水
4’出口にはメタノール・水ライン4が、そして反応生
成物5’出口には反応ガスライン5が接続されている。
この反応ガスライン5は未反応ガス分離器S2の入口に
接続され、未反応ガス分離器S2で分離された未反応ガ
ス及び少量の不純物ガスを含むガスはリサイクルガス
7’となる。リサイクルガス7’は、系内圧調整のため
途中で一部抜き出され(パージされ)、リサイクルライ
ンから分岐したパージライン10に流される。 リサイクルライン7は、パージライン10と分かれ
た後、リサイクルライン7aになり、リサイクルガス
7’の大部分7a’はリサイクルライン7aを通って、
DME合成のメイクアップガス1’と混合する。こうし
て混合された原料ガス2’が反応器R1の底部から供給
される。 一方、未反応ガス分離器S2で精製されたDME及
びCO2 6’は、DME・COライン6を通ってCO2
分離器S3に入る。CO2 分離器S3でCO2 8’を分
離され精製されたDME9は、DMEラインを通って成
品として回収される。メタノール、水が微量混入してい
る場合は、必要に応じて蒸留等の方法でこれらを分離す
ることが可能である。 CO2 分離器S3で分離されたCO2 8’は、廃棄
せずにリサイクルする。リサイクルされたCO2 はCO
2 リサイクルライン8を通して、リフォーマーR2にメ
イクアップガスとして供給されるCO2 ガス14’と混
合する。こうして混合されたCO2 ガス14’は、飽和
炭化水素ガス11’をリフォームするのに使われる。
に供給するメイクアップガスとしては、飽和炭化水素ガ
ス11’と、CO2 14’及び/又は水15’であり、
全部で三通りの場合がある。即ち、ケース1:飽和炭化
水素ガス及びCO2 の場合、ケース2:飽和炭化水素ガ
ス及び水の場合、ケース3:飽和炭化水素ガス、CO 2
及び水の場合である。いずれのケースにするかは、DM
E合成の生産能率、リサイクルガス7a’のH2 /CO
モル濃度比濃度及び流量、及び飽和炭化水素ガスのガス
種構成比等から、DME合成の原料ガス2’のH2 :C
Oのモル濃度比をできるだけ、1:1に近づけるのに適
すると判断されるケースに決めればよい。
操業条件について説明する。 〔メイクアップガス1’のリフォーマーR2の操業条
件〕リフォーマーR2の方式は、内熱式、外熱式の内い
ずれであってもよい。特に、内熱式にあっては、バーナ
ー、スチームジェネレーターが不要なので、建設費節減
の観点から望ましい。一方、外熱式では、反応器(チュ
ーブ)の小型化が可能である。
の各反応を進行させて、飽和炭化水素ガスの転化率を向
上させるために、公知の担持Ni触媒を用いることがで
き、担体としてはAl2 O3 、SiO2 等の酸化物が使
用できる。更に、上記触媒にRh、Pd、Ru、Pt等
の貴金属を修飾することにより、触媒活性の向上、炭素
析出の抑制に高い効果が現われる。
小さく、ガスとの接触、熱移動特性が良好に保たれれ
ば、任意に選択することができる。例えば、円柱状、円
筒状、球状等のものが使用できる。
囲内が望ましい。400℃より低いと反応が十分に進行
せず、一方、1100℃より高いと反応器(チューブ)
に高度な耐熱性が要求され、また、多大な熱を与えなけ
ればならず望ましくない。
意に選び得るが、反応器(チューブ)の耐熱、耐圧性を
考慮すると、0〜50Kg/cm2 Gの範囲内が望まし
い。空塔速度は、50,000〜500,000h-1が
望ましい。500,000h-1よりも大きいと、転化率
が低下し、一方、50,000h-1よりも小さいと、大
型の反応器が必要となる。
フォーム反応生成物16’中には、H2 及びCOの他、
未反応の飽和炭化水素ガス、並びに、CO2 、H2 O及
び不純物が含まれている。リフォームガスの成分組成
は、通常、CO:20〜50%、H2 :20〜50%で
あってH2 /COモル濃度比:1〜3、その他成分につ
いてはリフォーマーメイクアップガスの成分組成に依存
して変化する。
離は、反応ガスの冷却によって、CO2 分離は、アミン
吸収、冷却等の方法で行なう。未反応の飽和炭化水素ガ
スは、上述した程度の少量ならば、DME合成のメイク
アップガス1’に残存させたまま反応器R1に供給して
も、DME合成反応には影響せず、パージガス10’の
量を調整することにより、系内への蓄積も防止できるの
で特に問題はない。パージガス10’はリフォーマーR
2に戻し、再び反応原料に供することができる。
器R1の方式は、固定床式、流動床式及びスラリー床式
の内いずれであってもよい。特に、スラリー床式にあっ
ては反応器内の温度が均一であり、副生物も少ないので
望ましい。
反応を進行させてDMEを合成するために、メタノール
合成触媒及びメタノール脱水触媒を使用し、適宜、水性
シフト反応触媒を付加する。これら触媒を混合して使用
する。
的に用いられる酸化銅−酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化クロ
ム、酸化銅−酸化亜鉛/酸化クロム、及び酸化銅−酸化
亜鉛/アルミナ等を用いる。メタノール脱水触媒として
は、酸塩基触媒であるγ−アルミナ、シリカ、シリカ・
アルミナ、及びゼオライト等を用いる。ここで、ゼオラ
イトの金属酸化物成分としては、ナトリウム及びカリウ
ム等のアルカリ金属の酸化物、並びにカリウム及びマグ
ネシウム等のアルカリ土族の酸化物等を用いる。なお、
メタノール合成触媒は、強いシフト触媒活性を有するの
で、水性ガスシフト触媒を兼ねることができる。このよ
うにメタノール脱水触媒と水性ガスシフト触媒とを兼ね
るものとして、アルミナ担持酸化銅触媒を用いることが
できる。
要はなく、各成分の種類あるいは反応条件等に応じて適
宜選定すればよい。但し、通常は重量比で、メタノール
合成触媒1に対してメタノール脱水触媒を0.1〜5程
度、望ましくは0.2〜2程度と、水性ガス触媒を0.
2〜5程度、望ましくは0.5〜3程度とを混合する。
メタノール合成触媒と水性ガスシフト触媒とを同一物質
とし、メタノール合成触媒に水性ガスシフト触媒を兼ね
させる場合には、両触媒を合算した量のメタノール合成
触媒を用いるものとする。
を用いる場合には、平均粒径:300μm 以下、望まし
くは1〜200μm、一層望ましくは10〜150μm
程度に粉砕しのものがよい。更に効果的に使用するため
に、適宜、上記混合粉体を圧密・成型し、再度粉砕し、
上記粒度に調製したものを使用する。
としては、反応条件下において液体状態を安定して維持
するものでなければならない。例えば、脂肪族、芳香族
及び脂環族の炭化水素、アルコール、エーテル、エステ
ル、ケトン及びハロゲン化物、並びにこれらの化合物の
混合物等を使用する。溶媒中に存在させる触媒量は、溶
媒の種類及び反応条件等によって適宜きめるが、通常、
溶媒に対して1〜50重量%程度が望ましい。
て、反応温度は150〜400℃の範囲内が望ましく、
特に、250〜350℃の範囲内が望ましい。反応温度
が150℃より低くても、また400℃より高くても、
原料ガス中のCOの転化率が低くなる。反応圧力は、1
0〜300Kg/cm2 Gの範囲内、特に望ましくは2
0〜70Kg/cm2 Gの範囲内がよい。反応圧力が1
0Kg/cm2 Gよりも低いとCOの転化率が低く、一
方300Kg/cm2 Gよりも高いと、反応器が特殊の
ものとなる他、昇圧のために多大なエネルギーを要する
ので経済的でない。空間速度(触媒1kg当たりの標準
状態における原料ガスの供給速度)は、100〜500
00Nl/kg・hが望ましく、特に500〜3000
Nl/kg・hが望ましい。空間速度が50000Nl
/kg・hよりも大きいと、COの転化率が低くなり、
一方、100Nl/kg・hよりも小さいと、反応器が
極端に大きくなり経済的でない。
3’中には、DMEの他、CO2 、CO、H2 、H2 O
及びCH3 OHが含まれ、その他、CH4 等の反応副生
物や原料ガスに含まれていた不純物等が含まれている。
反応ガスの成分組成は、通常、DME:3〜25%、C
O2 :3〜25%、CO:20〜50%、H2 :20〜
50%、CH3 OH:0.5〜3%、H2 O:0.1〜
0.5%、及びその他:5%程度以下である。
H3 OH及びH2 Oを分離する。この分離手段は例え
ば、凝縮温度差を利用する。CH3 OH及びH2 Oを分
離された反応ガス5’を更に冷却すると、DMEが凝縮
し、これにCO2 が溶解した流体6’を分離器S3に通
す。分離器S3で例えば、蒸留法によりCO2 を分離
し、DMEが得られる。
2 を分離された気相には、未反応ガスであるH2 及びC
Oが残っている。この気相流、即ち、リサイクルガス
7’の主成分はH2 及びCOである。そしてこのリサイ
クルガス7’のH2 /COモル濃度比は、原料ガス2’
のH2 /COモル濃度比よりも常に、小さくなってい
る。その理由は前述した通り、反応器R1におけるDM
E合成の反応中間体には、COに対してH2 が、常に過
剰に含まているからである。従って、原料ガスのH 2 /
COモル濃度比が1であったとしても、リサイクルガス
7a’のH2 /COモル濃度比は、常に1よりも小さく
なる。このように、反応器R1から流出されるリサイク
ルガス7’のH2 /COモル濃度比は、常にCOが濃化
する方向に進もうとする。そこで、リフォーマーR2か
ら供給されるDME合成のメイクアップガス1’のH2
/COモル濃度比は、H2 を適度に過剰傾向に調整する
ことにより、上記リサイクルガス7’のH2 /COモル
濃度比がCO過剰になる傾向を抑制するようにすること
が望ましい。
細に説明する。 (実施例)図1に示したジメチルエーテル製造の装置を
使用して、この発明の方法を実施した。
て、メタンリフォーマーを用い、また、DME合成の反
応器R1として、気泡塔反応器を用いた。メタンリフォ
ーマーR2には、メイクアップガスである飽和炭化水素
ガス11’としての、CH4 を15.0Nl/minと
CO2 を9.6Nl/minとを供給した。そして、メ
タンリフォーマーR2の運転は、温度:850℃、圧
力:1Kg/cm2 Gで行なった。
反応温度:280℃、圧力:50Kg/cm2 Gで運転
した。気泡塔反応器R1内には、媒体油としてのn−ヘ
キサデカン:7600gに、酸化銅−酸化亜鉛/アルミ
ナと酸化銅/アルミナとの混合物(2:1)からなる粉
末状触媒:1140gを加えて懸濁状態にした。気泡塔
反応器R1から流出する反応生成物3’中のメタノール
及び水4’を、メタノール・水分離器S1で分離し、次
いで、メタノール・水分離器S1から流出する反応生成
物5’中のDME及びCO2 6’を、DME・CO2 分
離器S2で分離し(凝縮操作温度:−40℃)、未反応
ガスを精製して、リサイクルガス7’としてリサイクル
ガスライン7に流した。そして、所定量だけパージライ
ン10に抜き出した後、リサイクルガス7a’を循環利
用するために、DME合成のメイクアップガス1’と混
合して原料ガス2’に調製した。一方、上記DME・C
O 2 分離器S2で分離されたDMEとCO2 との混合物
6’から、CO2 分離器S3でCO2 8を分離し、DM
E9’を精製し回収した。他方、上記CO2 分離器S3
で分離されたCO2 8は、従来、廃棄されていたが、こ
の発明においてはCO2 ライン8により、メタンリフォ
ーマーR2の入口にリサイクルし、メイクアップCO2
ライン14に流入させた。こうして、DME合成ライン
DLで分離されたCO2 8’を廃棄することなく、リフ
ォーマーR2のメイクアップガスの一部として有効に利
用した。
l/hであった。そしてこの場合のDME炭素収率は、
メタンリフォーマーのメイクアップガス基準で51.0
%であった。なお、DME炭素収率は、下記(8)式の
定義による。
て、本発明の範囲外である(比較例)を、次の通り行な
った。図1に示したジメチルエーテル製造の装置におい
て、CO2 分離器S3で分離されたCO2 8’を、メタ
ノールリフォーマーR2にリサイクルせず、リフォーム
ラインRL及びDME合成ラインDLにおけるその他の
運転条件はすべて実施例に準じて反応実験を行なった。
生成量を得るのに要した、メタンリフォーマーのメイク
アップガス中のCO2 量は、15.0Nl/minであ
った。そして、この場合のDME炭素収率は、メタンリ
フォーマーのメイクアップガス基準で41.8%であっ
た。
ラインで発生したCO2 を廃棄する必要がないこと、且
つ、このCO2 を飽和炭化水素ガスリフォーマーのメイ
クアップガスの一部として有効利用することができるこ
とがわかる。
は、DME合成ラインで発生するCO2を廃棄すること
なく、飽和炭化水素ガスリフォーマーへリサイクルして
有効利用することができる。従って、地球温暖化等の環
境破壊を避けることができる。また、DME合成の炭素
源として利用することができるので、炭素収率の向上に
もなる。この発明は上記効果を奏するジメチルエーテル
の製造方法を提供することができ、工業上有用な効果が
もたらされる。
するための、ジメチルエーテル製造装置の一例を示すフ
ローシートである。
ための、ジメチルエーテル製造装置の一例を示すフロー
シートである。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも一酸化炭素と水素とを含む混
合ガスを主原料として用い、前記主原料を触媒反応させ
てジメチルエーテルを生成させ、前記ジメチルエーテル
の合成反応において生成する生成物中に残存する、一酸
化炭素と水素とを含むガスを循環させることにより、前
記主原料の一部に再利用して前記ジメチルエーテルを製
造する方法において、 下記(イ)及び(ロ)の工程が更に付加されたことを特
徴とするジメチルエーテルの製造方法。 (イ)前記主原料としての前記混合ガスは、飽和炭化水
素ガスをリフォーマーにより生成させることにより調製
する工程。 (ロ)前記ジメチルエーテルの前記合成反応において生
成する前記反応生成物中に共存する二酸化炭素を分離
し、分離された前記二酸化炭素を、前記(イ)工程の前
記リフォーマーに循環させることにより、前記ジメチル
エーテル合成用の前記主原料の一部に利用する工程。
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-
1996
- 1996-12-26 JP JP34768096A patent/JP3447494B2/ja not_active Expired - Lifetime
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