JPH10182533A - ジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents

ジメチルエーテルの製造方法

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JPH10182533A
JPH10182533A JP34920396A JP34920396A JPH10182533A JP H10182533 A JPH10182533 A JP H10182533A JP 34920396 A JP34920396 A JP 34920396A JP 34920396 A JP34920396 A JP 34920396A JP H10182533 A JPH10182533 A JP H10182533A
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JP
Japan
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gas
dimethyl ether
synthesis
raw material
reformer
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JP34920396A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Mizuguchi
雅嗣 水口
Takashi Ogawa
高志 小川
Masami Ono
正巳 小野
Keiji Tomura
啓二 戸村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素をジメチルエーテル合成の原料に使
用し、且つDME合成での未反応原料ガスを再循環して
有効利用する。 【解決手段】 DME合成の反応生成物であるCO2 8
b' を精製・回収し、これと飽和炭化水素ガス12との混
合ガス14' を空気13' で酸化/改質し、得られたリフォ
ーミングガスをDMEの合成ガス2'として使用する。一
方、DME合成での未反応ガス7'を循環させてリフォー
マーR2の熱源として利用し、リフォーマーR2でのCO2
の改質用熱源を補給する。 【効果】 安価な空気の利用、未反応ガスの熱源利用、
及び循環CO2 の有効利用により、安価なジメチルエー
テルを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化水素を主原
料としてジメチルエーテルを製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ジメチルエーテルは、低毒性で安定して
おり、フロンに代わる噴射剤(プロペラント)、合成ガ
ソリンの中間原料、LPGの代替燃料及びディーゼル機
関の燃料等に使われる。
【0003】従来、ジメチルエーテルの商業的製造方法
としては、一酸化炭素と水素とから、一旦、メタノール
を合成し、次いで、得られたメタノールを原料とし、そ
の2分子から水1分子を脱水反応させることにより得る
方法がとられている。これに対して、最近、メイクアッ
プガスとして一酸化炭素と水素とを含む合成ガスを調製
し、これを触媒反応させて、一段の反応器で直接ジメチ
ルエーテルを合成する技術が開発されようとしている。
このように一酸化炭素と水素とから直接ジメチルエーテ
ルを合成する方法としては、固定床触媒層に合成原料ガ
スを通過させ反応させる方法(例えば、特開平2−28
0836号公報)と、触媒微粒子を高沸点媒体油の中に
懸濁させたスラリー反応器の中を合成原料ガスを通過さ
せる方法(例えば、特表平5−810069号公報)と
が開示されている。
【0004】上記いずれの方法によっても、一酸化炭素
と水素とから直接ジメチルエーテルを合成する場合に
は、下記反応(1)、(2)及び(3)で表わされる、
メタノール合成、合成されたメタノールからの脱水反応
により生成するジメチルエーテル合成、及びジメチルエ
ーテル合成に伴って副生する水と一酸化炭素とが反応し
て水素を生成する3種類の反応が一つの反応器内で同時
に進行する。
【0005】 CO+2H2 →CH3 OH ----------(1) 2CH3 OH→CH3 OCH3 +H2 O ----------(2) H2 O+CO→H2 +CO2 ----------(3) 反応(1)〜(3)を総括すると反応(4)で表わされ
るジメチルエーテル(以下、DMEという)と二酸化炭
素とが、原料の水素と一酸化炭素とから当量生成するこ
とになる。
【0006】 3CO+3H2 →CH3 OCH3 +CO2 ----------(4) ところが、上記反応(1)〜(3)は、温度及び圧力に
支配される平衡反応であるから、実際の合成プロセスに
おいては、上記三つの反応が100%は進行しない。従
って、上記三反応の総括である反応(4)も、100%
は進行しない。従って、反応(4)で表わされるよう
な、原料の水素及び一酸化炭素が100%は転化せず、
反応器出口のガス中には必ず未反応の水素及び一酸化炭
素が含まれる。そこで、通常、この未反応の水素及び一
酸化炭素は廃棄されることはなく、他の生成物と分離し
た後、原料ガスの一部として使うために、ジメチルエー
テル合成反応器へリサイクルされ有効に利用される。
【0007】図2に、上述した一酸化炭素と水素とから
なる合成原料ガスから、ジメチルエーテルを直接合成す
るために使用される製造装置の例をフローシートで示
す。この製造装置は、ジメチルエーテル合成の反応器R
1、メイクアップガス1’を調製するリフォーマーR
2、メタノール・水分離器S1、未反応ガス分離器S
2、及びCO2 分離器S3からなっている。
【0008】炭化水素16’と水蒸気15’とがリフォ
ーマーR2に供給される。リフォーマーR2において炭
化水素16’が水蒸気15’で改質(リフォーミング)
され、メイクアップガス1’が調製され、これに、未反
応の一酸化炭素及び水素を主成分とするリサイクルガス
11’が混合される。こうして、ジメチルエーテルの合
成原料ガス2’が調製される。
【0009】反応器R1には、上記合成原料ガス2’が
供給される。反応器R1からは、反応生成ガス3’が流
出し、メタノール・水分離器S1に入る。ここでメタノ
ール及び水4’が分離された反応生成ガス5’は未反応
ガス分離器S2に入る。ここで未反応ガス(CO及びH
2 )が分離されてリサイクルガス7’となる。未反応ガ
スが分離されたDME及びCO2 6’は、CO2 分離器
S3に入り、ここでCO2 が分離され、DMEが回収さ
れる。上記リサイクルガス7’はリサイクルガスライン
7’の途中で適宜、パージライン10にパージされ、残
部のリサイクルガス11’はリサイクルガスライン11
を通って、メイクアップガス1’と混合され、上述した
とおり、合成原料ガス2’として反応器R1に供給され
る。このように、従来のDME合成の一段法において
は、未反応のCO及びH2 を反応器R1へリサイクルし
て、原料ガスの利用効率の向上を図っている。なお、メ
タノールは回収利用されているが、二酸化炭素は通常、
廃棄されている。
【0010】ところで、上述したようにジメチルエーテ
ルを合成ガスから直接製造する場合には、上記合成原料
ガス2’の一酸化炭素及び水素は、通常、天然ガスを改
質(リフォーミング)して製造する。例えば、天然ガス
の主成分であるメタンによる水蒸気リフォーミングは、
反応(5)で行なわれる。
【0011】 CH4 +H2 O→3H2 +CO ------------------------(5) こうして、天然ガスからリフォーミングされたガスのH
2 :COモル濃度比は、通常3:1程度になる。ところ
が、ジメチルエーテル合成に対しては、上記反応(4)
からわかるように、合成原料ガスのH2 :COモル濃度
比は量論比である1:1であることが望ましい。従っ
て、合成原料ガス2’中の水素は、一酸化炭素に対して
余剰となる。
【0012】このように、一酸化炭素に対して水素が余
剰になると、例えば、ジメチルエーテル合成ラインのリ
サイクルガス7’のコンプレッサー動力が余分に必要と
なったり、生成物の分離装置(未反応ガス分離器S2)
の容量を増大させなければならなくなる。リサイクルガ
ス7’を循環(リサイクル)させる回数が増加するにつ
れて水素の余剰程度はますます増加する傾向になる。そ
こで、リサイクルガス7’からパージするガス量を多く
しなければならない。従って、プロセス経済上のデメリ
ットとなる。そこで、プロセス全体としては、上記余剰
の水素は、例えば、プロセスの熱源等としてジメチルエ
ーテル合成反応工程から排出することになる。
【0013】これでは、原料資源の有効利用上からも問
題である。そこで、天然ガスのような飽和炭化水素ガス
をリフォーミングしてジメチルエーテルの合成原料ガス
を製造するに当たり、ジメチルエーテル合成のプロセス
経済上も、また原料資源の有効利用上からも有利に行な
う技術が望まれている。リフォーミング対象物質として
飽和炭化水素ガスが選択される理由は、天然資源として
入手が容易であるからである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、従来法
のように、炭化水素、例えば、天然ガスを水蒸気でリフ
ォーミングすると、リフォーミングされたメイクアップ
ガス1’のH2 /COモル濃度比が適正値1より大きく
なり過ぎる。そこで、本発明者は次の点に着眼した。 〔着眼1〕:水蒸気の代わりに空気で飽和炭化水素ガス
をリフォーミングすることにより、メイクアップガスの
2 /COモル濃度比を1に近づけること、且つ、安価
な酸素源を用いるために空気を利用することに着眼した
(「第一着眼点」)。こうすると、例えば、メタンの空
気中の酸素によるリフォーミングは、反応(6)により
表わされる。
【0015】 CH4 +(1/2)O2 →2H2 +CO ------------------(6) 反応(6)は、反応(5)のメタンによる水蒸気リフォ
ーミングよりも、生成ガスのH2 /COモル濃度比が大
きく減少して1に近づき、DME合成プロセス上有利に
なることがわかる。
【0016】しかしながら、飽和炭化水素ガスのリフォ
ーミングに空気の酸素を利用すると、新たに次の問題点
が発生する。即ち、上記リフォーミングに使用した空気
に多量に含まれる窒素は、ジメチルエーテル合成の反応
器から未反応状態で流出し、リサイクルガスに混入し、
ジメチルエーテル合成の系内で濃度を増大しつつ蓄積す
る。従って、このままでは、リサイクルガスに含まれて
いる未反応の資源であるCO及びH2 を有効利用するこ
とができないだけでなく、反応器に供給するガス流量及
び組成が反応を有効に実施できる条件とすることが不可
能となる。しかしながら、飽和炭化水素ガスのリフォー
ミングに空気の酸素を適切に利用することができれば、
これは、技術的にも経済的にもその意義は極めて大き
い。
【0017】このような、ジメチルエーテルの合成原料
ガス中に多量の窒素が含まれた場合のプロセスについて
の問題検討は、これまで全く見当たらない。これは、合
成原料ガス中に多量の窒素が含まれる場合は、工業的に
ジメチルエーテル合成プロセスとして成立しないと思い
込まれていたためであると推定される。
【0018】この発明の目的は、上記問題を解決し、メ
イクアップガスとして、飽和炭化水素ガスを空気でリフ
ォーミングしたガスを調製し、これを合成原料ガスとし
て用いることにより、ジメチルエーテル合成の製造工程
全体を合理化し、安価なジメチルエーテルを効率よく得
ることができる、ジメチルエーテルの製造方法を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した観
点から、飽和炭化水素ガスを空気でリフォーミングし、
得られたガスを使用して、ジメチルエーテルを安価に製
造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。そして、上
記課題を解決する方策として、更に、次の二点に着眼し
た。 〔着眼2〕:従来のジメチルエーテル合成ラインにおい
ては廃棄されていた二酸化炭素を回収すること、そして
回収された二酸化炭素を、飽和炭化水素ガスのリフォー
マーに供給する。そしてリフォーマーで、例えば、反応
(7)を行なわせる(第二着眼点)。
【0020】 CH4 +CO2 →2H2 +2CO ------------------(7) こうすることにより、原料資源の有効利用が行なわれ
る。更に、こうすることにより、リフォーミングされた
合成原料ガス2’のH2 /COモル濃度比は、反応
(7)からわかるように、一層1に近づき、DME合成
プロセスが工業的に、更に有利になる。 〔着眼3〕:未反応ガス(CO及びH2 )に窒素が混入
したリサイクルガスは、ジメチルエーテル合成の反応器
にリサイクルさせず、飽和炭化水素ガスのリフォーマー
の熱源として供給する(第三着眼点)。こうして、反応
(7)に必要なエネルギーを補給する。また、こうする
ことにより、飽和炭化水素ガスのリフォーミングに空気
を用いることによる最大の問題である、ジメチルエーテ
ル合成の系内への窒素の蓄積が完全に解決される。
【0021】この発明は、上記知見に基づきなされたジ
メチルエーテルの製造方法であって、下記を特徴とする
ものである。炭化水素をリフォーマーで改質することに
より、少なくとも一酸化炭素と水素とを含む合成原料ガ
スを調製し、前記合成原料ガスを反応器内で触媒反応さ
せてジメチルエーテルを製造する方法において、前記合
成原料ガスを、下記(イ)〜(ホ)からなる工程により
調製することに特徴を有する。ここで、(イ)〜(ホ)
の工程は、(イ)前記ジメチルエーテルの製造工程で生
成する二酸化炭素を分離し、回収し、前記回収された二
酸化炭素を循環させることにより循環二酸化炭素を得る
工程、(ロ)飽和炭化水素ガスを準備する工程、(ハ)
空気を準備する工程、(ニ)前記ジメチルエーテルの製
造工程で発生する未反応ガスを分離し、回収し、次い
で、前記リフォーマーに供給し、前記リフォーマーの熱
源とする工程、及び、(ホ)前記(イ)で得られた循環
二酸化炭素と、前記(ロ)で準備された飽和炭化水素ガ
スと、前記(ハ)で準備された空気とを混合し、次い
で、こうして得られた前記混合ガスを、前記リフォーマ
ーに供給し、前記混合ガスをリフォーミングすることに
より、前記合成原料ガスを調製する工程である。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1に、この発明の方法を実施するジ
メチルエーテル製造装置の一例のフローシートを示す。
この製造装置は、DME合成用の反応器R1及び合成原
料ガス2’を調製するためのリフォーマーR2、並び
に、メタノール・水分離器S1、未反応ガス分離器S2
及びCO2 分離器S3からなっている。この製造装置は
図2に示した従来の製造装置例のフローシートと比較し
て、次の二点が著しく相違している。即ち、CO2
離器S3から流出したCO2 8b’を廃棄せずに回収
し、リフォーマーR2に循環させること、及び未反応
ガス分離器S2から流出したN2 を含んだリサイクルガ
ス7’を反応器R1に循環させず、リフォーマーR2に
供給し、リフォーマーR2の熱源に利用することであ
る。は、CO2 を有効利用するためであり、原料の炭
素資源の有効利用になる。は、ジメチルエーテル合成
系内にN2 が蓄積するのを回避するため、及び未反応の
CO及びH2を含むリサイクルガス11’をリフォーマ
ーR2の熱源として有効利用するためである。
【0023】反応器R1の底部から合成原料ガス2’を
供給する。合成原料ガス2’の主成分は、CO、H2
びN2 である。合成原料ガス2’は、飽和炭化水素ガス
12’と空気13’とリサイクルCO2 8b’ガスとの
混合ガスであるリフォーミング用混合ガス14’が、リ
フォーマーR2でリフォーミングされたガスである。リ
フォーマーR2においては、飽和炭化水素ガス12’
が、例えば、下記反応(6)及び(7)によりH2 及び
COにリフォーミングされる。
【0024】 CH4 +(1/2)O2 →2H2 +CO+8.58 kcal/mol --------(6) CH4 +CO2 →2H2 +2CO−59.00 kcal/mol --------(7) (但し、反応熱はいずれも25℃における値)反応
(6)及び(7)でリフォーミングされた合成原料ガス
2’は、従来の飽和炭化水素ガス12’の水蒸気による
リフォーミングの下記反応(5)で得られるガスのH2
/COモル濃度比の値よりも大幅に小さく、且つ1に近
いH2 /COモル濃度比をもつことがわかる。
【0025】 CH4 +H2 O→3H2 +CO−49.22 kcal/mol --------------(5) なお、空気に含まれていたN2 は未反応ガスとして合成
原料ガス2’中に残存する。また、反応(7)は吸熱反
応であり、上述したリサイクルガス7’のもつエネルギ
ーがリフォーマーR2の熱源を補給する。
【0026】未反応ガスの用途としては、リフォーマ
ーは通常1000℃程度の温度で運転されるので、原料
ガス、リサイクルガス共、この温度まで昇温するための
熱源とする。反応(6)は発熱反応であるが、CO2
を大量にリフォーミングする場合、反応(7)が吸熱反
応であるため、リフォーマー全体では吸熱反応となり、
外部より熱供給が必要となる。その熱源とする。
【0027】このように、合成原料ガス2’のH2 /C
Oモル濃度比が、従来法よりも1に近づき適正化される
ので、合成原料ガス中にN2 が含まれていてもCO転換
率が向上する。
【0028】所定のH2 /COモル濃度比に調整された
合成原料ガス2’は、反応器R1に入り、前記反応
(1)〜(3)により生成する反応成品であるジメチル
エーテル及びCO2 、並びに反応中間体であるメタノー
ル及び水となり、更に、未反応ガスとして一酸化炭素及
び水素の各一部、並びに、窒素全量が残存して、反応生
成ガス3’となる。次いで、反応生成ガス3’は、メタ
ノール・水分離器S1に入り、メタノール及び水が分離
されて反応生成ガス5’になる。反応生成ガス5’は次
にDME・CO2 分離器S2に入り、ジメチルエーテル
及びCO2 が液化され、分離される。ジメチルエーテル
及びCO2 を分離された未反応ガスであるリサイクルガ
ス7’は循環されてリフォーマーR2の熱源として使わ
れる。一方、ジメチルエーテル及びCO2 6’は、CO
2 分離器S3に入りCO2 8b’が分離される。CO2
8b’は循環され、循環二酸化炭素となり、飽和炭化水
素ガス12’及び空気13’と混合された後、リフォー
マーR2に入り、合成原料ガス2’に使われる。分離器
S3から流出したジメチルエーテルが製品として回収さ
れる。
【0029】リフォーマーR2の形式及びリフォーミン
グ条件は、常法に従って行なえばよく、特別なものとし
なくてもよい。反応器R1の方式は、固定床式、流動床
式及びスラリー床式の内いずれであってもよい。特に、
スラリー床式にあっては反応器内の温度が均一であり、
副生物も少ないので望ましい。
【0030】触媒については、上記(1)〜(3)の各
反応を進行させてDMEを合成するために、メタノール
合成触媒及びメタノール脱水触媒を使用し、適宜、水性
シフト反応触媒を付加する。これら触媒を混合して使用
する。
【0031】メタノール合成触媒としては、通常、工業
的に用いられる酸化銅−酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化クロ
ム、酸化銅−酸化亜鉛/酸化クロム、及び酸化銅−酸化
亜鉛/アルミナ等を用いる。メタノール脱水触媒として
は、酸塩基触媒であるγ−アルミナ、シリカ、シリカ・
アルミナ、及びゼオライト等を用いる。ここで、ゼオラ
イトの金属酸化物成分としては、ナトリウム及びカリウ
ム等のアルカリ金属の酸化物、並びにカリウム及びマグ
ネシウム等のアルカリ土族の酸化物等を用いる。なお、
メタノール合成触媒は、強いシフト触媒活性を有するの
で、水性ガスシフト触媒を兼ねることができる。このよ
うにメタノール脱水触媒と水性ガスシフト触媒とを兼ね
るものとして、アルミナ担持酸化銅触媒を用いることが
できる。
【0032】上記三触媒の混合割合は、特に限定する必
要はなく、各成分の種類あるいは反応条件等に応じて適
宜選定すればよい。但し、通常は重量比で、メタノール
合成触媒1に対してメタノール脱水触媒を0.1〜5程
度、望ましくは0.2〜2程度と、水性ガス触媒を0.
2〜5程度、望ましくは0.5〜3程度とを混合する。
メタノール合成触媒と水性ガスシフト触媒とを同一物質
とし、メタノール合成触媒に水性ガスシフト触媒を兼ね
させる場合には、両触媒を合算した量のメタノール合成
触媒を用いるものとする。
【0033】触媒の形態について、スラリー床式反応器
を用いる場合には、平均粒径:300μm 以下、望まし
くは1〜200μm、一層望ましくは10〜150μm
程度に粉砕しのものがよい。更に効果的に使用するため
に、適宜、上記混合粉体を圧密・成型し、再度粉砕し、
上記粒度に調製したものを使用する。
【0034】スラリー床式反応器を用いる場合の媒体油
としては、反応条件下において液体状態を安定して維持
するものでなければならない。例えば、脂肪族、芳香族
及び脂環族の炭化水素、アルコール、エーテル、エステ
ル、ケトン及びハロゲン化物、並びにこれらの化合物の
混合物等を使用する。溶媒中に存在させる触媒量は、溶
媒の種類及び反応条件等によって適宜きめるが、通常、
溶媒に対して1〜50重量%程度が望ましい。
【0035】スラリー床式反応器における反応条件とし
て、反応温度は150〜400℃の範囲内が望ましく、
特に、250〜350℃の範囲内が望ましい。反応温度
が150℃より低くても、また400℃より高くても、
原料ガス中のCOの転換率が低くなる。反応圧力は、1
0〜300Kg/cm2 Gの範囲内、特に望ましくは2
0〜70Kg/cm2 Gの範囲内がよい。反応圧力が1
0Kg/cm2 Gよりも低いとCOの転換率が低く、一
方300Kg/cm2 Gよりも高いと、反応器が特殊の
ものとなる他、昇熱のために多大なエネルギーを要する
ので経済的でない。空間速度(触媒1kg当たりの標準
状態における原料ガスの供給速度)は、100〜500
00Nl/kg・hが望ましく、特に500〜3000
Nl/kg・hが望ましい。空間速度が50000Nl
/kg・hよりも大きいと、COの転換率が低くなり、
一方、100Nl/kg・hよりも小さいと、反応器が
極端に大きくなり経済的でない。
【0036】こうして、反応器R1で得られる反応生成
ガス3’の成分組成は、DME:5〜30vol.% 、CO
2 :5〜30vol.% 、CO:0〜50vol.% 、H2 :0
〜50vol.% 、CH3 OH:0〜10vol.% 、H2 O:
0〜10vol.% 、N2 :0〜70vol.% 、及びその他:
10vol.% 程度以下である。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
飽和炭化水素ガスをリフォーミングして合成ガスを調製
し、この合成ガスからジメチルエーテルを製造する工程
において、ジメチルエーテル合成反応器に供給する合成
ガスの水素と一酸化炭素とのモル濃度比が適正化される
ので、合成ガス中に窒素が含まれているにもかかわら
ず、大きな原料転換率を得ることができるという画期的
な方法が開発された。更に、ジメチルエーテル合成ライ
ンで生成される二酸化炭素を廃棄せずリサイクルし、リ
フォーミングして合成ガスの一部にするので、環境破壊
の防止に寄与し、且つ炭素資源の有効利用を図ることが
できる。また、飽和炭化水素ガスのリフォーミングに空
気を使用することができるので、安価にジメチルエーテ
ルを製造することができる。このようなジメチルエーテ
ルの製造方法を提供することができ、工業上有用な効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のジメチルエーテルの製造方法を実施
するための製造装置の一例を示すフローシートである。
【図2】従来のジメチルエーテルの製造方法を実施する
ための製造装置の一例を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 メイクアップガスライン 1’メイクアップガス 2 合成原料ガスライン 2’合成原料ガス 3 反応生成ガスライン 3’反応生成ガス 4 メタノール・水ライン 4’メタノール及び水 5 反応生成ガスライン(含DME、CO2 ) 5’反応生成ガス(含DME、CO2 ) 6 DME・CO2 ライン 6’DME及びCO2 7 リサイクルガスライン(含N2 ) 7’リサイクルガス(含N2 ) 8a CO2 廃棄ライン 8a’CO2 8b CO2 リサイクルライン 8b’CO2 9 DMEライン 9’DME 10 パージライン 10’パージガス 11 リサイクルガスライン 11’リサイクルガス(含N2 ガス) 12 飽和炭化水素ガスライン 12’飽和炭化水素ガス 13 空気ライン 13’空気 14 リフォーミング用混合ガスライン 14’リフォーミング用混合ガス 15 水蒸気ライン 15’水蒸気 16 炭化水素ライン 16’炭化水素 R1 反応器(DME合成) R2 リフォーマー S1 メタノール・水分離器 S2 DME・CO2 分離器 S3 CO2 分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸村 啓二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素をリフォーマーで改質すること
    により、少なくとも一酸化炭素と水素とを含む合成原料
    ガスを調製し、前記合成原料ガスを反応器内で触媒反応
    させてジメチルエーテルを製造する方法において、前記
    合成原料ガスを、下記(イ)〜(ホ)からなる工程によ
    り調製することを特徴とする、ジメチルエーテルの製造
    方法。 (イ)前記ジメチルエーテルの製造工程で生成する二酸
    化炭素を分離し、回収し、次いで、前記回収された二酸
    化炭素を循環させることにより循環二酸化炭素を得る工
    程、 (ロ)飽和炭化水素ガスを準備する工程、 (ハ)空気を準備する工程、 (ニ)前記ジメチルエーテルの製造工程で発生する未反
    応ガスを分離し、回収し、次いで、前記リフォーマーに
    供給し、前記リフォーマーの熱源とする工程、及び、 (ホ)前記(イ)で得られた循環二酸化炭素と、前記
    (ロ)で準備された飽和炭化水素ガスと、前記(ハ)で
    準備された空気とを混合し、次いで、こうして得られた
    前記混合ガスを前記リフォーマーに供給し、前記混合ガ
    スを改質することにより、前記合成原料ガスを調製する
    工程。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000103757A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Chiyoda Corp 低級炭化水素ガスからジメチルエーテルを製造する方法
JPWO2001098237A1 (ja) * 2000-06-23 2004-01-08 日揮株式会社 低級オレフィンの製造方法
WO2005026093A1 (en) * 2003-09-17 2005-03-24 Korea Institute Of Science And Technology Method for the production of dimethyl ether
US8246789B2 (en) 2007-03-09 2012-08-21 Central Research Institute Of Electric Power Industry Hydrous matter treatment system

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