JPH10182501A - 化合物の自動合成装置とこれに用いる反応管のシール構 造 - Google Patents
化合物の自動合成装置とこれに用いる反応管のシール構 造Info
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- JPH10182501A JPH10182501A JP23864497A JP23864497A JPH10182501A JP H10182501 A JPH10182501 A JP H10182501A JP 23864497 A JP23864497 A JP 23864497A JP 23864497 A JP23864497 A JP 23864497A JP H10182501 A JPH10182501 A JP H10182501A
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Abstract
動的に行うことができるだけでなく, 極めてコンパクト
で簡素な構成にして設置スペースの無駄を省き,製造コ
ストを大幅に軽減する。 【解決手段】 各反応管(5) 内に沈めた磁石(5c)を回転
させる回転磁場を形成する攪拌手段(11)及び各反応管
(5) を加温又は冷却する温度制御手段(12)を備えた反応
ブロック(6) と、交換ラック装着部(7) との間を位置決
め自在に移動制御される薬液注入ニードル(50A) を備
え、前記交換ラック装着部(7) に、試薬を所要量ずつ貯
留する試験管(32)が配列された試薬ラック(33)、反応終
了した化合物を所要量ずつ貯留する試験管(34)が配列さ
れたサンプルラック(35)、反応終了した化合物を所要量
ずつ注入して濾過するフィルタ付の濾過カートリッジ(3
6)を配列した濾過ラック(37)、または、反応終了した化
合物をカラム精製する抽出管(38)を配列したカラム精製
ラック(39)を交換して装着できるようにした。
Description
列された各反応管ごとに任意の混合率の化合物を合成す
る化合物の自動合成装置及びこれに用いる反応管のシー
ル構造に関する。
て新規な化合物をつくり出す場合に、コンビナトリアル
ケミストリーという手法が採られている。これは、予め
用意した数種類の試薬を、各試験管ごとに夫々任意の混
合率で混合することにより、混合率が異なる多数のサン
プルを合成し、その中から最適の混合率を有する化合物
を選び出すものである。具体的には、まず、ラックに配
列された多数の反応管ごとに任意の混合率で試薬を注入
する試薬注入操作を行い、次いで、反応管に注入された
試薬を攪拌し温度制御して所定の化学反応を進行させる
反応操作を行う。そして、反応が終了して合成された化
合物が複数の液層に分かれている場合は所定の液層部分
から化合物を吸入する分液操作を行い、反応が終了した
化合物を濾過する必要がある場合は濾過操作を行い、反
応が終了した化合物を分析するためにカラム精製操作を
行うなどの各種操作が必要になる。
し、その夫々について上述の処理を行わなければならな
いので、最近では試薬注入装置,反応装置,分液装置,
濾過装置,カラム精製装置などを用いて各処理を自動的
に行うようにしている。これによれば、まず、試薬注入
装置で各反応管に対して所定の混合率で試薬が注入され
る。次いで、反応装置では、化学反応を行う温度条件,
時間条件,攪拌条件などの各条件が予めプログラムされ
ているので、所定の混合率で試薬が注入された各反応管
を反応装置にセットしさえすれば、そのプログラム通り
に反応が進行する。そして、反応が終了した化合物が複
数の液層に分かれている場合は、これを分液装置にかけ
れば、所定の液層部分から所望の化合物を取り出すこと
ができ、さらに必要がある場合は反応管内の化合物を濾
過装置にかけて濾過した後、カラム精製装置で分析の前
処理を行うことができる。
うな自動機を用いた場合に、各操作は自動化されている
ものの、一台につき一操作しか行うことができないの
で、各操作ごとに自動機を設置しなければならず、コス
トが嵩み設置スペースが無駄になるという問題があっ
た。また、これらの各操作を一台で行わせようとする場
合に、単に各装置を寄せ集めただけでは製造コストはそ
れ程軽減されることもなく、その一台が大型化するため
設置スペースが節約されることもない。
必要な種々の操作を自動的に行うことができるだけでな
く、極めてコンパクトにして設置スペースの無駄がな
く、製造コストを大幅に軽減することを技術的課題とし
ている。
に、本発明は、試薬ラックに配列された各試験管の位置
と反応ブロックに配列された各反応管の位置に位置決め
可能に移動制御される薬液注入ニードルで、前記各試験
管内に貯留された試薬を吸入して前記各反応管に所要量
ずつ注入し、当該各反応管ごとに任意の混合率の化合物
を合成する化合物の自動合成装置において、前記反応ブ
ロックは、各反応管の周方向に回転する回転磁場を形成
して反応管内に沈めた磁気攪拌子を回転させる攪拌手段
と、各反応管を加温又は冷却する温度制御手段を備え、
前記試薬ラックは交換ラック装着部に着脱自在に装着さ
れ、前記交換ラック装着部は、前記試薬ラックに換え
て、反応終了した化合物を所要量ずつ貯留する試験管が
配列されたサンプルラック、反応終了した化合物を所要
量ずつ注入して濾過するフィルタ付きの濾過カートリッ
ジを配列した濾過ラック、または、反応終了した化合物
をカラム精製する抽出管を配列したカラム精製ラックの
いずれかが装着可能に形成されたことを特徴とする。
試薬ラック,サンプルラック,濾過ラック,カラム精製
ラックが夫々交換可能に装着される。したがって、試薬
注入操作を行う場合は試薬ラックを装着すれば、薬液注
入ニードルで試薬ラックの各試験管内に貯留された試薬
が吸入されて反応ブロックに配列された各反応管に注入
される。次いで、反応ブロックは、各反応管内に沈めた
磁石を回転させる回転磁場を形成する攪拌手段と、各反
応管を加温又は冷却する温度制御手段を備えているの
で、その場で、反応管に注入された試薬を攪拌し温度制
御して所定の化学反応を進行させる反応操作が行われ
る。
ック装着部にサンプルラックを装着して、薬液注入ニー
ドルで反応管の所定の液相から化合物を吸入し、サンプ
ルラックの試験管に吐出させればよい。また、濾過操作
を行う場合は、交換ラック装着部に濾過ラックを装着し
て、反応ブロックに配列された反応管又は反応ブロック
上に載置したサンプルラックに配列された試験管から薬
液注入ニードルで吸入した化合物を、濾過ラックの濾過
カートリッジ内に吐出させればよい。さらに、カラム精
製操作を行う場合は、交換ラック装着部にカラム精製ラ
ックを装着し、薬液注入ニードルで吸入した化合物をカ
ラム精製ラックの抽出管内に吐出させればよい。このよ
うに交換ラック装着部に装着するラックを交換するだけ
で、一台の装置で各操作を自動的に行うことができるの
で、装置自体を極めてコンパクトに形成することがで
き、製造コストも低減される。
に基づいて具体的に説明する。図1は本発明に係る化合
物の自動合成装置を示す正面図、図2は図1のI−I線
断面図、図3は反応ブロックの内部構造を示す拡大図、
図4は交換ラック装着部にサンプルラックを装着した状
態を示す正面図、図5は交換ラック装着部にTLC基板
支持ラックを装着した状態を示す正面図、図6は交換ラ
ック装着部に濾過ラックを装着した状態を示す正面図、
図7は交換ラック装着部にカラム精製ラックを装着した
状態を示す正面図、図8は配管系を示す流体回路図、図
9は反応管とサンプリングニードルを示す拡大図、図1
0は抽出管とカラム精製ニードルを示す拡大図である。
クス形の本体2の手前に透明の扉3が取り付けられてお
り、扉3を開くと本体2のベース4には、例えば、正面
左手に容積5ccの反応管5,5を配列した反応ブロッ
ク6が配設されると共に、正面右手には各種のラックを
着脱可能に装着する交換ラック装着部7が形成されてい
る。また、本体天井部8には、直交3軸方向に移動制御
されるロボットアーム9が配設され、反応ブロック6に
配列される反応管5の位置や交換ラック装着部7に装着
したラックに配列される試験管の位置に位置決めされる
ように成されている。
リコンゴムとフッ素樹脂フィルムの二層構造に形成され
た弾性パッキン5aを有するキャップ5bが装着され、
その内部には、両端にN−S極を形成した磁気攪拌子5
cが沈められている。より具体的には、反応管5の上端
開口部59に、後述する薬液注入ニードル50A,50
Bを挿通する透孔56が形成されたアルミキャップ5b
が螺合されると共に、当該アルミキャップ5bと反応管
5の上端開口部59との隙間に弾性パッキン5aが挟装
されている。この弾性パッキン5aは、JIS−A型硬
さ試験機で測定した硬さHsA=20〜25程度のジメ
チルシリコンゴム57で形成されると共に、その底面に
厚さ100μm程度のフッ素樹脂フィルムのライニング
58が施されている。このフッ素樹脂フィルムとして
は,例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体のフィルムが用いられている。
量5ccの反応管5を所定間隔でマトリクス状に配列す
る配列孔10・・が開口形成されると共に、その内部に
は、各配列孔10・・に反応管5・・を配置した状態
で、当該各反応管5の周方向に回転する回転磁場を形成
して反応管5内に沈めた磁気攪拌子5cを回転させる攪
拌手段11と、各反応管5を加温又は冷却する温度制御
手段12を備えている。また、当該反応ブロック6に
は、反応管5を装着した状態で加熱反応時にそのキャッ
プ5b部分を冷却する冷却マニホールド13が取り付け
られている。なお、この反応ブロック6も必要に応じて
自動合成装置1から取り外すことができる。
配設された永久磁石14aを先端に取り付けた回転軸1
4の他端側にプーリ14bが取り付けられ、当該各プー
リ14b・・にプラスチックベルト14cが掛け回され
てモータ15により回転駆動されるようになされてい
る。また、温度制御手段12は、配列孔10に配列され
た反応管5を加熱する電気ヒータ16と、各反応管5を
冷却する冷媒を外部循環させる流通路17からなり、設
定温度に応じてヒータ16を通電し、または、流通路1
7に冷媒を流通させるように成されている。
ブロック6に対して蝶番18を介して開閉可能に取り付
けられ、各反応管5のキャップ5bを覆う凹部19を形
成した冷却ブロック20が当該マニホールド13の底面
側に配され、当該冷却ブロック20には冷媒を外部循環
させる流通路21が形成されている。また、前記各凹部
19は、後述するサンプリングニードル(薬液注入ニー
ドル)50Aを挿し込む挿通孔22を介して上面側に開
放され、前記挿通孔22は、所定間隔で配された2枚の
シリコンゴムシート23A,23Bで塞がれると共に、
各挿通孔22のゴムシート間が窒素ガス供給路24を介
して連通されている。
置するラック載置面30が形成されると共に、当該載置
面30の左右片側にドレイン槽31が形成されている。
そして、ラック載置面30には、試薬を貯留した複数の
試験管32を配列する試薬ラック33、反応終了した化
合物を所要量ずつ貯留する試験管34を配列するサンプ
ルラック35、反応終了した化合物を所要量ずつ注入し
て濾過するフィルタ付きの濾過カートリッジ36を配列
する濾過ラック37、反応終了した化合物をカラム精製
する抽出管38を配列したカラム精製ラック39、また
は、反応中の化合物や反応終了した化合物を分析する薄
層クロマトグラフィーに用いるTLC基板60を略水平
に支持するTLC基板支持ラック61が装着可能に形成
されている。
るラック本体41の上面に当該試験管40と等ピッチで
濾過カートリッジ36を配列するカートリッジラック4
2が着脱自在に載置されて成り、濾過カートリッジ36
はそのフィルタ36a部分のみを交換することができる
ように形成されている。
配列したフラクションラック44がラック載置面30の
ドレイン槽31のない部分に載置されると共に、反応終
了した化合物をカラム精製する抽出管38を配列したシ
フトラック45が前記フラクションラック44の上方で
水平方向にスライド可能に配されて成り、当該シフトラ
ック45を一端側にスライドさせたときに前記フラクシ
ョンラック44の真上に位置決めされ、他端側にスライ
ドさせたときにドレイン槽31の真上に位置決めされる
ように形成されている。
TLC基板60は、例えば、シリカゲル,アルミナ,セ
ルロースなどの粉末吸着剤を焼セッコウなどと練り合わ
せてガラス基板やアルミニウム基板に固着させて形成さ
れ、薄層クロマトグラフィーの固定層となる薄層を形成
している。そして、TLC基板60は、基板支持ラック
61に載置可能な一枚の大判のものであっても、これを
複数枚に分割した比較的小さなものであっても、また、
一枚の大判のものを必要に応じて分割可能に形成したも
のであってもよい。
内に薬液を注入したり、反応管5から薬液を吸入するサ
ンプリングニードル(薬液注入ニードル)50Aと、カ
ラム精製を行う際に抽出管38内に化合物や溶媒を注入
するカラム精製ニードル(薬液注入ニードル)50B
が、交換可能に取り付けられる。このサンプリングニー
ドル50Aは反応管5のキャップ5bに装着された弾性
パッキン5aを突き刺して貫通することができるように
尖って形成され、先端に薬液吸入及び注入を行う流路5
0aが開口されると共に、ニードル50Aを突き刺した
状態で反応管5内の空気を外部に排出する排気流路50
bが当該ニードル50Aの下端側及び上端側に開口して
形成されている。なお、この場合に、薬液として塩酸,
硫酸等の酸性薬液を注入する場合は、少なくとも流路5
0aを形成する部分がハステロイCなどの耐酸性金属を
用いて形成したサンプリングニードル50Aを用いる。
また、カラム精製ニードル50Bは、内部に充填剤38
aを充填した抽出管38の上端に嵌め込まれたキャップ
38bの凹部38cに密接するように先端が球面状に形
成されている。
入・吐出させたり溶媒を注入する配管系51を備え、当
該配管系51は、その一端に前記ニードル50A,50
Bに接続されるポート52が形成されると共に、他端に
切換弁CVを介して複数の溶媒ボトルM1 〜Mn が切換
接続され、吸入・吐出方向の切換可能な流量制御ポンプ
としてデジタル制御シリンジポンプ53が介装されてな
る。したがって、このサンプリングニードル50Aを用
いて、試薬ラック33に配列された試験管32から所要
量の試薬を吸入して反応ブロック6に配列された反応管
5内に所定量ずつ吐出させたり、溶媒ボトルM1 〜Mn
から溶媒を反応管5内に所定量ずつ吐出させたり、反応
管5内で反応終了した化合物を吸入してサンプルラック
35に配列された試験管34や、濾過ラック37に配列
された濾過カートリッジ36に吐出させることができ
る。また、カラム精製ニードル50Bを用いて、カラム
精製ラック39に配列された抽出管38に、溶媒ボトル
M1 〜Mn から所定の溶媒を所定量吐出させたり、反応
終了した化合物を吸入して所要量ずつ吐出させることが
できる。
ル50A,50Bを収容するニードルホルダであって、
その内部にはニードル50A,50Bの先端に洗浄液や
加圧空気を吹き付ける洗浄装置(図示せず)が設けられ
ている。また、55は濾過する際に、濾過カートリッジ
36内に窒素ガスを加圧充填する多連加圧ノズルであ
る。
その作用について説明する。化合物を合成する際には、
例えば、試薬注入操作,溶媒注入操作,反応操
作,TLC分析操作,分液サンプリング操作,濾
過操作,カラム精製操作が行われるのでこれらについ
て説明する。
された各反応管5ごとに任意の混合率の化合物を合成す
るために、試薬ラック33に配列された各試験管32内
に貯留された試薬を吸入して前記各反応管5に所要量ず
つ注入する操作である。この場合、まず、反応ブロック
6の配列孔10に反応管5を装着した後、冷却マニホー
ルド13でその上面を覆う。一方、交換ラック装着部7
には、試薬を貯留した複数の試験管32を配列した試薬
ラック33を装着する。この状態で、各反応管5ごとに
試薬の注入量を設定すると、ロボットアーム9の先端に
サンプリングニードル50Aが装着されて移動制御さ
れ、前記試験管32内の試薬を吸入して各反応管5に所
定量ずつ吐出する。その後、サンプリングニードル50
Aがニードルホルダ54A内の洗浄装置で洗浄され、次
いで、異なる試験管32内の試薬が各反応管5に吐出さ
れ、これを繰り返して、必要な種類の試薬を反応管5ご
とに任意の混合率で注入する。
う。これは化合物の合成に溶媒を使用する必要があると
きに、各反応管5に所定量の溶媒を吐出させるもので、
この場合は、各溶媒ボトルM1 〜Mn から必要な溶媒を
サンプリングニードル50Aを用いて各反応管5に注入
する。なお、ここで、例えば、塩酸や硫酸などの酸性溶
媒を注入する場合には、サンプリングニードル50Aと
して、少なくともその内部流路50aが耐酸性金属で形
成された耐酸ニードルを用いる。
を任意の混合率で注入した後、反応操作を行う。これ
は、攪拌・温度制御を行うことにより、所定の温度−時
間管理を行い予め設定された条件下で反応を進行させる
ものである。攪拌を行う場合は、攪拌手段11のモータ
15を起動させれば、永久磁石14aが回転されるの
で、各配列孔10ごとに回転磁界が形成され、反応管5
内に沈められた磁気攪拌子5cが回転し、反応管5内の
薬液が攪拌される。また、所定の温度制御を行う場合
は、設定温度が室温以上の場合はヒータ16に通電さ
れ、設定温度が室温以下の場合は外部から供給された冷
媒が流通路17内を循環し、所定の温度条件下で反応が
進行される。
管5内の反応溶媒が外部に漏洩して反応液濃度が変化す
るおそれがある。そこで、この場合には、冷却マニホー
ルド13に形成された窒素ガス供給路24から反応管5
の周囲の隙間に窒素ガスを充填して反応管5を窒素ガス
下に置き、この状態で流通路21に冷媒を供給して反応
管5のキャップ5bを冷却する。特に、キャップ5bと
して、熱伝導率に優れたアルミ製のものを使用すれば、
キャップ5bを冷却することにより、反応管5内の弾性
パッキン5a及び上面開口部59近傍が冷却される。こ
れにより、反応管5内で蒸発された反応溶媒はキャップ
5bで冷却されて結露し反応管5内に戻されるので、反
応管5内の反応液濃度は変化しない。また、反応管5は
窒素雰囲気下に置かれているので、その周囲、特にキャ
ップ5b上に結露を生ずることがなく、万一、結露した
としても、上面開口部59が弾性パッキン5aで気密状
態に塞がれているので、内部に水滴が侵入することもな
い。なお、シリコンゴム57の底面にフッ素樹脂フィル
ムのライニング58を施してなる本例の弾性パッキン5
aを用いて、100%メタノールを反応管5に入れ、キ
ャップ5bを冷却しながら、24時間加熱する実験を行
ったところ、内容物の減少量は平均で0.18%程度と極め
て良好なシール性が得られることが確認された。
剤(例えば水)を注入して反応の進行を停止させ、必要
に応じて、目的の化合物が精製されているか否かを確認
したり、場合によっては反応が終了する前に反応中の生
成物を確認するために、薄層クロマトグラフィーによる
TLC分析操作を行う。このTLC分析操作は、合成さ
れた化合物が複数の液層に分液されている場合に、目的
の化合物がどの液層で精製されているかを確認するため
に特に有益である。具体的には、試薬ラック33を外し
て、TLC基板支持ラック61を装着し、当該ラック6
1に支持されたTLC基板60上に、各液層から所要量
の化合物を滴下して、TLC基板60上に展開させた
後、紫外線等を照射して分析する。
とする化合物を取り出す。この場合に、まず、交換ラッ
ク装着部7に装着された試薬ラック33又はTLC基板
支持ラック61を外して、サンプルラック35を装着し
ておく。ここで、反応管5内で合成された化合物がコロ
イド状になって複数の液層に分液されていない場合は液
層の位置を定める必要がないので、単に、反応管5内の
化合物をサンプリングニードル50Aで吸入すればよ
い。また、合成された化合物が複数の液層に分液されて
いる場合は分液サンプリングを行い、目的の化合物が精
製されている液層部分の薬液を採取する。これは、反応
管5内の液層の位置を設定することにより、サンプリン
グニードル50Aの先端をその液層内に位置させて吸入
させ、吸入した化合物をサンプルラック35の試験管3
4に吐出させ、これを各反応管5ごとに行なう。
濾過する必要がある場合は、交換ラック装着部7のドレ
イン槽31の真上に位置するように濾過ラック37を装
着する。そして、サンプルラック35の試験管34内に
採取した化合物を濾過する場合は、サンプルラック35
を反応ブロック6の上に載置し、サンプリングニードル
50Aを用いて試験管34内の化合物を吸入して濾過カ
ートリッジ36に注入する。また、反応管5から化合物
を直接濾過カートリッジ36に注入する場合は、サンプ
リングニードル50Aを用いて反応管5内の化合物を吸
入して濾過カートリッジ36に注入する。次いで、必要
があれば、多連加圧ノズル55を用いて濾過カートリッ
ジ36内に加圧窒素ガスを供給することにより、濾過時
間を短縮できる。
う前処理としてカラム精製操作を行う場合は、交換ラッ
ク装着部7にカラム精製ラック39を装着する。この場
合、まず、フラクションラック44に試験管43を配列
し、シフトラック45に抽出管38を配列して、当該シ
フトラック45をドレイン槽31側にスライドさせる。
この状態で、ロボットアーム9の先端にカラム精製ニー
ドル50Bを装着して、各抽出管38に所定の溶媒を注
入しコンディショニングを行う。
ると、反応ブロック6の上に載置したサンプルラック3
5から吸入したサンプルを各抽出管38に注入するサン
プルロードを行う。この場合、一のサンプルを一の抽出
管38に注入するたびにカラム精製ニードル50Bの先
端をニードルホルダ54B内の洗浄装置で洗浄すること
により、サンプル同士が混ざるのを防止している。
の固定層に保持されている夾雑物を洗い流す洗浄操作を
行う。これは、カラム精製ニードル50Bにより洗浄溶
剤を注入することにより行われ、そのとき抽出管38か
ら流出される液はドレイン槽31に回収される。
5をフラクションラック44側に移動させて、抽出管3
8内に所定の溶媒を注入することにより溶出液をフラク
ションラック44の各試験管43に回収してカラム精製
操作を終了する。なお、この場合に、抽出管38の溶出
液を試験管43に直接回収するのではなく、溶出液を紫
外線吸光度計でモニタして、溶出液に含まれる物質や溶
出液の濃度を検出し、検出された物質や濃度が変化する
たびごとに、フラクションラック44を移動させて自動
的に新しい試験管43に交換し、紫外線吸収ピークのみ
を画分として自動分画を行ってもよい。そして、フラク
ションラック44の各試験管43内に回収された溶出液
を遠心分離器にかけて濃縮し、これを溶解した後、構造
分析装置にかければ構造分析を行うことができる。
交換ラック装着部に装着されるラックを交換するだけ
で、試薬注入操作,合成反応操作,分液サンプリング操
作,濾過操作,カラム精製操作など、化合物のパラレル
合成に必要な各操作を一台の装置で自動的に行うことが
でき、装置自体を極めてコンパクトに形成することがで
き、製造コストを低減できるという大変優れた効果を奏
する。
状態を示す正面図。
着した状態を示す正面図。
を示す正面図。
た状態を示す正面図。
ック 7・・・交換ラック装着部 11・・・攪拌手段 12・・・温度制御手段 16・・・ヒータ 17・・・流通路 30・・・ラック
載置面 31・・・ドレイン槽 32・・・試験管 33・・・試薬ラック 34・・・試験管 35・・・サンプルラック 36・・・濾過カ
ートリッジ 37・・・濾過ラック 38・・・抽出管 39・・・カラム精製ラック 43・・・試験管 44・・・フラクションラック 45・・・シフト
ラック 50A・・サンプリングニードル(薬液注入ニードル) 50B・・カラム精製ニードル(薬液注入ニードル) 56・・・透孔 57・・・シリコ
ンゴム 58・・・ライニング 59・・・上端開
口部 60・・・TLC基板 61・・・TLC
基板支持ラック
Claims (6)
- 【請求項1】 試薬ラック(33)に配列された各試験管
(32)の位置と反応ブロック(6)に配列された各反応
管(5)の位置に位置決め可能に移動制御される薬液注
入ニードル(50A, 50B)で、前記各試験管(32)内に貯
留された試薬を吸入して前記各反応管(5)に所要量ず
つ注入し、当該各反応管(5)ごとに任意の混合率の化
合物を合成する化合物の自動合成装置において、 前記反応ブロック(6)は、各反応管(5)の周方向に
回転する回転磁場を形成して反応管(5)内に沈めた磁
気攪拌子(5c)を回転させる攪拌手段(11)と、各反応
管(5)を加温又は冷却する温度制御手段(12)を備
え、前記試薬ラック(33)は交換ラック装着部(7)に
着脱自在に装着され、 前記交換ラック装着部(7)は、前記試薬ラック(33)
に換えて、反応終了した化合物を所要量ずつ貯留する試
験管(34)が配列されたサンプルラック(35)、反応終
了した化合物を所要量ずつ注入して濾過するフィルタ付
きの濾過カートリッジ(36)を配列した濾過ラック(3
7)、または、反応終了した化合物をカラム精製する抽
出管(38)を配列したカラム精製ラック(39)のいずれ
かが装着可能に形成されたことを特徴とする化合物の自
動合成装置。 - 【請求項2】 前記反応ブロック(6)の温度制御手段
(12)は、各反応管(5)を加熱するヒータ(16)と、
各反応管(5)を冷却する冷媒を外部循環させる流通路
(17)からなる請求項1記載の化合物の自動合成装置。 - 【請求項3】 前記交換ラック装着部(7)は、ラック
を載置するラック載置面(30)の左右片側にドレイン槽
(31)が形成されてなる請求項1記載の化合物の自動合
成装置。 - 【請求項4】 前記交換ラック装着部(7)は、ラック
を載置するラック載置面(30)の左右片側にドレイン槽
(31)が形成され、前記カラム精製ラック(39)は、前
記抽出管(38)からの溶出液を回収する試験管(43)を
配列したフラクションラック(44)が前記ラック載置面
(30)のドレイン槽(31)のない部分に載置されると共
に、反応終了したサンプルをカラム精製する抽出管(3
8)を配列したシフトラック(45)が前記フラクション
ラック(44)の上方で水平方向にスライド可能に配され
てなり、当該シフトラック(45)は、一端側にスライド
させたときに前記フラクションラック(44)の上方に位
置決めされ、他端側にスライドさせたときにドレイン槽
(31)の上方に位置決めされるように形成されて成る請
求項1記載の化合物の自動合成装置。 - 【請求項5】 前記交換ラック装着部(7)は、前記試
薬ラック(33)に換えて、薄層クロマトグラフィーの固
定層を形成したTLC基板(60)を略水平に支持するT
LC基板支持ラック(61)が装着可能に形成されてなる
請求項1記載の化合物の自動合成装置。 - 【請求項6】 薬液注入ニードル(50A, 50B)で複数の
試薬を所要量ずつ注入して任意の混合率の化合物を合成
する反応管(5)の上端開口部(59)に、前記ニードル
(50A, 50B)を挿通する透孔(56)が形成されたアルミ
キャップ(5b)が螺合されると共に、当該アルミキャッ
プ(5b)と反応管(5)の上端開口部(59)との隙間に
弾性パッキン(5a)が挟装され、当該弾性パッキン(5
a)はシリコンゴム(57)で形成されると共に、その底
面にフッ素樹脂フィルムのライニング(58)が施された
ことを特徴とする反応管のシール構造。
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