JP2008183556A - 反応管のシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
反応管に試薬を注入して、攪拌し、加熱・冷却して所定の化学反応を進行させる場合に、反応管内の反応溶液の濃度を一定に維持しながら反応を行わせるようにする。
【解決手段】
薬液注入ニードル(50A,50B)で複数の試薬を所要量ずつ注入して任意の混合率の化合物を合成する反応管(5)の上端開口部(59)に、前記ニードル(50A,50B)を挿通する透孔(56)が形成されたアルミキャップ(5b)を螺合し、そのアルミキャップ(5b)と反応管(5)の上端開口部(59)との隙間に、底面にフッ素樹脂フィルムのライニング(58)を施したシリコンゴム(57)製の弾性パッキン(5a)を挟装した。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応ブロックに配列された各反応管ごとに任意の混合率の化合物を合成する化合物の自動合成装置に用いる反応管のシール構造に関する。
最近では、いくつかの物質を組み合わせて新規な化合物をつくり出す場合に、コンビナトリアルケミストリーという手法が採られている。これは、予め用意した数種類の試薬を、各試験管ごとに夫々任意の混合率で混合することにより、混合率が異なる多数のサンプルを合成し、その中から最適の混合率を有する化合物を選び出すものである。具体的には、まず、ラックに配列された多数の反応管ごとに任意の混合率で試薬を注入する試薬注入操作を行い、次いで、反応管に注入された試薬を攪拌し温度制御して所定の化学反応を進行させる反応操作を行う。そして、反応が終了して合成された化合物が複数の液層に分かれている場合は所定の液層部分から化合物を吸入する分液操作を行い、反応が終了した化合物を濾過する必要がある場合は濾過操作を行い、反応が終了した化合物を分析するためにカラム精製操作を行うなどの各種操作が必要になる。
この場合、非常に多数のサンプルを合成し、その夫々について上述の処理を行わなければならないので、最近では試薬注入装置,反応装置,分液装置,濾過装置,カラム精製装置などを用いて各処理を自動的に行うようにしている。これによれば、まず、試薬注入装置で各反応管に対して所定の混合率で試薬が注入される。次いで、反応装置では、化学反応を行う温度条件,時間条件,攪拌条件などの各条件が予めプログラムされているので、所定の混合率で試薬が注入された各反応管を反応装置にセットしさえすれば、そのプログラム通りに反応が進行する。そして、反応が終了した化合物が複数の液層に分かれている場合は、これを分液装置にかければ、所定の液層部分から所望の化合物を取り出すことができ、さらに必要がある場合は反応管内の化合物を濾過装置にかけて濾過した後、カラム精製装置で分析の前処理を行うことができる。
このような反応操作中、反応管を加熱する場合に、反応管内の反応溶媒が外部に漏洩して反応液濃度が変化するおそれがある。
例えば、反応管5内で蒸発された反応溶媒が、反応管の上部開口部から外部へ漏洩すると反応管5内の反応液濃度は変化する。
逆に反応管を冷却した場合には、反応管周囲の空気に含まれる水分が結露して、水滴となって反応管内に侵入するおそれがあり、これによって反応液濃度が変化してしまう。
そこで本発明は、反応管に試薬を注入して、攪拌し、温度制御して所定の化学反応を進行させる反応操作を行う際に、加熱した場合に反応管から反応溶媒の蒸気の漏洩や、冷却した場合に結露した水分が反応管内に浸入するのを防止することにより、反応中における反応溶液の濃度を一定に維持することを技術的課題としている。
この課題を解決するために、本発明は、薬液注入ニードルで複数の試薬を所要量ずつ注入して任意の混合率の化合物を合成する反応管の上端開口部に、前記ニードルを挿通する透孔が形成されたアルミキャップが螺合されると共に、当該アルミキャップと反応管の上端開口部との隙間に弾性パッキンが挟装され、当該弾性パッキンはシリコンゴムで形成されると共に、その底面にフッ素樹脂フィルムのライニングが施されたことを特徴としている。
本発明のシール構造によれば、キャップとして、熱伝導率に優れたアルミ製のものを使用しているので、キャップを冷却することにより、反応管内の弾性パッキン及び上面開口部近傍が冷却される。これにより、反応管内で蒸発された反応溶媒はキャップで冷却されて結露し反応管内に戻されるので、反応管内の反応液濃度は変化しない。
また、反応管を窒素雰囲気下に置けば、その周囲、特にキャップ上に結露を生ずることがなく、万一、結露したとしても、上面開口部が弾性パッキンで気密状態に塞がれているので、内部に水滴が侵入することがなく、反応管内の反応液濃度は変化しない。
本例では、反応中における反応溶液の濃度を一定に維持するという課題を達成するために、薬液注入ニードルで複数の試薬を所要量ずつ注入して任意の混合率の化合物を合成する反応管の上端開口部に、前記ニードルを挿通する透孔を形成したアルミキャップを螺合させ、アルミキャップと反応管の上端開口部との隙間に、底面にフッ素樹脂フィルムのライニングを施したシリコンゴム製の弾性パッキンを挟装した。
図1は本発明に係る反応管のシール構造の一例を示す説明図、図2はその反応管を用いる化合物の自動合成装置を示す正面図、図3は図2のI−I線断面図、図4は反応ブロックの内部構造を示す拡大図、図5は交換ラック装着部にサンプルラックを装着した状態を示す正面図、図6は交換ラック装着部にTLC基板支持ラックを装着した状態を示す正面図、図7は交換ラック装着部に濾過ラックを装着した状態を示す正面図、図8は交換ラック装着部にカラム精製ラックを装着した状態を示す正面図、図9は配管系を示す流体回路図、図10は抽出管とカラム精製ニードルを示す拡大図である。
化合物の自動合成装置1は、ボックス形の本体2の手前に透明の扉3が取り付けられており、扉3を開くと本体2のベース4には、例えば、正面左手に容積5ccの反応管5,5を配列した反応ブロック6が配設されると共に、正面右手には各種のラックを着脱可能に装着する交換ラック装着部7が形成されている。また、本体天井部8には、直交3軸方向に移動制御されるロボットアーム9が配設され、反応ブロック6に配列される反応管5の位置や交換ラック装着部7に装着したラックに配列される試験管の位置に位置決めされるように成されている。
反応管5は、その上端開口部59に、シリコンゴムとフッ素樹脂フィルムの二層構造に形成された弾性パッキン5aを有するキャップ5bが装着され、その内部には、両端にN−S極を形成した磁気攪拌子5cが沈められている。より具体的には、反応管5の上端開口部59に、後述する薬液注入ニードル50A,50Bを挿通する透孔56が形成されたアルミキャップ5bが螺合されると共に、当該アルミキャップ5bと反応管5の上端開口部59との隙間に弾性パッキン5aが挟装されている。この弾性パッキン5aは、JIS−A型硬さ試験機で測定した硬さHsA=20〜25程度のジメチルシリコンゴム57で形成されると共に、その底面に厚さ100μm程度のフッ素樹脂フィルムのライニング58が施されている。このフッ素樹脂フィルムとしては,例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のフィルムが用いられている。
反応ブロック6は、その上面に例えば容量5ccの反応管5を所定間隔でマトリクス状に配列する配列孔10・・が開口形成されると共に、その内部には、各配列孔10・・に反応管5・・を配置した状態で、当該各反応管5の周方向に回転する回転磁場を形成して反応管5内に沈めた磁気攪拌子5cを回転させる攪拌手段11と、各反応管5を加温又は冷却する温度制御手段12を備えている。また、当該反応ブロック6には、反応管5を装着した状態で加熱反応時にそのキャップ5b部分を冷却する冷却マニホールド13が取り付けられている。なお、この反応ブロック6も必要に応じて自動合成装置1から取り外すことができる。
攪拌手段11は、各配列孔10の下方に配設された永久磁石14aを先端に取り付けた回転軸14の他端側にプーリ14bが取り付けられ、当該各プーリ14b・・にプラスチックベルト14cが掛け回されてモータ15により回転駆動されるようになされている。また、温度制御手段12は、配列孔10に配列された反応管5を加熱する電気ヒータ16と、各反応管5を冷却する冷媒を外部循環させる流通路17からなり、設定温度に応じてヒータ16を通電し、または、流通路17に冷媒を流通させるように成されている。
さらに、冷却マニホールド13は、反応ブロック6に対して蝶番18を介して開閉可能に取り付けられ、各反応管5のキャップ5bを覆う凹部19を形成した冷却ブロック20が当該マニホールド13の底面側に配され、当該冷却ブロック20には冷媒を外部循環させる流通路21が形成されている。また、前記各凹部19は、後述するサンプリングニードル(薬液注入ニードル)50Aを挿し込む挿通孔22を介して上面側に開放され、前記挿通孔22は、所定間隔で配された2枚のシリコンゴムシート23A,23Bで塞がれると共に、各挿通孔22のゴムシート間が窒素ガス供給路24を介して連通されている。
交換ラック装着部7は、各種ラックを載置するラック載置面30が形成されると共に、当該載置面30の左右片側にドレイン槽31が形成されている。そして、ラック載置面30には、試薬を貯留した複数の試験管32を配列する試薬ラック33、反応終了した化合物を所要量ずつ貯留する試験管34を配列するサンプルラック35、反応終了した化合物を所要量ずつ注入して濾過するフィルタ付きの濾過カートリッジ36を配列する濾過ラック37、反応終了した化合物をカラム精製する抽出管38を配列したカラム精製ラック39、または、反応中の化合物や反応終了した化合物を分析する薄層クロマトグラフィーに用いるTLC基板60を略水平に支持するTLC基板支持ラック61が装着可能に形成されている。
濾過ラック37は、試験管40を配列するラック本体41の上面に当該試験管40と等ピッチで濾過カートリッジ36を配列するカートリッジラック42が着脱自在に載置されて成り、濾過カートリッジ36はそのフィルタ36a部分のみを交換することができるように形成されている。
カラム精製ラック39は、試験管43を配列したフラクションラック44がラック載置面30のドレイン槽31のない部分に載置されると共に、反応終了した化合物をカラム精製する抽出管38を配列したシフトラック45が前記フラクションラック44の上方で水平方向にスライド可能に配されて成り、当該シフトラック45を一端側にスライドさせたときに前記フラクションラック44の真上に位置決めされ、他端側にスライドさせたときにドレイン槽31の真上に位置決めされるように形成されている。
TLC基板支持ラック61に支持されるTLC基板60は、例えば、シリカゲル,アルミナ,セルロースなどの粉末吸着剤を焼セッコウなどと練り合わせてガラス基板やアルミニウム基板に固着させて形成され、薄層クロマトグラフィーの固定層となる薄層を形成している。そして、TLC基板60は、基板支持ラック61に載置可能な一枚の大判のものであっても、これを複数枚に分割した比較的小さなものであっても、また、一枚の大判のものを必要に応じて分割可能に形成したものであってもよい。
また、ロボットアーム9には、反応管5内に薬液を注入したり、反応管5から薬液を吸入するサンプリングニードル(薬液注入ニードル)50Aと、カラム精製を行う際に抽出管38内に化合物や溶媒を注入するカラム精製ニードル(薬液注入ニードル)50Bが、交換可能に取り付けられる。このサンプリングニードル50Aは反応管5のキャップ5bに装着された弾性パッキン5aを突き刺して貫通することができるように尖って形成され、先端に薬液吸入及び注入を行う流路50aが開口されると共に、ニードル50Aを突き刺した状態で反応管5内の空気を外部に排出する排気流路50bが当該ニードル50Aの下端側及び上端側に開口して形成されている。なお、この場合に、薬液として塩酸,硫酸等の酸性薬液を注入する場合は、少なくとも流路50aを形成する部分がハステロイCなどの耐酸性金属を用いて形成したサンプリングニードル50Aを用いる。また、カラム精製ニードル50Bは、内部に充填剤38aを充填した抽出管38の上端に嵌め込まれたキャップ38bの凹部38cに密接するように先端が球面状に形成されている。
そして、ロボットアーム9は、薬液を吸入・吐出させたり溶媒を注入する配管系51を備え、当該配管系51は、その一端に前記ニードル50A,50Bに接続されるポート52が形成されると共に、他端に切換弁CVを介して複数の溶媒ボトルM1〜Mnが切換接続され、吸入・吐出方向の切換可能な流量制御ポンプとしてデジタル制御シリンジポンプ53が介装されてなる。したがって、このサンプリングニードル50Aを用いて、試薬ラック33に配列された試験管32から所要量の試薬を吸入して反応ブロック6に配列された反応管5内に所定量ずつ吐出させたり、溶媒ボトルM1〜Mnから溶媒を反応管5内に所定量ずつ吐出させたり、反応管5内で反応終了した化合物を吸入してサンプルラック35に配列された試験管34や、濾過ラック37に配列された濾過カートリッジ36に吐出させることができる。また、カラム精製ニードル50Bを用いて、カラム精製ラック39に配列された抽出管38に、溶媒ボトルM1〜Mnから所定の溶媒を所定量吐出させたり、反応終了した化合物を吸入して所要量ずつ吐出させることができる。
なお、54A,54Bは、前記各ニードル50A,50Bを収容するニードルホルダであって、その内部にはニードル50A,50Bの先端に洗浄液や加圧空気を吹き付ける洗浄装置(図示せず)が設けられている。また、55は濾過する際に、濾過カートリッジ36内に窒素ガスを加圧充填する多連加圧ノズルである。
以上が本発明の一構成例であって、次にその作用について説明する。化合物を合成する際には、例えば、(1)試薬注入操作,(2)溶媒注入操作,(3)反応操作,(4)TLC分析操作,(5)分液サンプリング操作,(6)濾過操作,(7)カラム精製操作が行われるので、これらについて説明する。
試薬注入操作は、反応ブロック6に配列された各反応管5ごとに任意の混合率の化合物を合成するために、試薬ラック33に配列された各試験管32内に貯留された試薬を吸入して前記各反応管5に所要量ずつ注入する操作である。この場合、まず、反応ブロック6の配列孔10に反応管5を装着した後、冷却マニホールド13でその上面を覆う。
一方、交換ラック装着部7には、試薬を貯留した複数の試験管32を配列した試薬ラック33を装着する。この状態で、各反応管5ごとに試薬の注入量を設定すると、ロボットアーム9の先端にサンプリングニードル50Aが装着されて移動制御され、前記試験管32内の試薬を吸入して各反応管5に所定量ずつ吐出する。
その後、サンプリングニードル50Aがニードルホルダ54A内の洗浄装置で洗浄され、次いで、異なる試験管32内の試薬が各反応管5に吐出され、これを繰り返して、必要な種類の試薬を反応管5ごとに任意の混合率で注入する。
次いで、必要に応じて溶媒注入操作を行う。これは化合物の合成に溶媒を使用する必要があるときに、各反応管5に所定量の溶媒を吐出させるもので、この場合は、各溶媒ボトルM1〜Mnから必要な溶媒をサンプリングニードル50Aを用いて各反応管5に注入する。なお、ここで、例えば、塩酸や硫酸などの酸性溶媒を注入する場合には、サンプリングニードル50Aとして、少なくともその内部流路50aが耐酸性金属で形成された耐酸ニードルを用いる。
このようにして、反応管5に複数の試薬を任意の混合率で注入した後、反応操作を行う。これは、攪拌・温度制御を行うことにより、所定の温度−時間管理を行い予め設定された条件下で反応を進行させるものである。
攪拌を行う場合は、攪拌手段11のモータ15を起動させれば、永久磁石14aが回転されるので、各配列孔10ごとに回転磁界が形成され、反応管5内に沈められた磁気攪拌子5cが回転し、反応管5内の薬液が攪拌される。
また、所定の温度制御を行う場合は、設定温度が室温以上の場合はヒータ16に通電され、設定温度が室温以下の場合は外部から供給された冷媒が流通路17内を循環し、所定の温度条件下で反応が進行される。
なお、反応管5を加熱する場合は、反応管5内の反応溶媒が外部に漏洩して反応液濃度が変化するおそれがある。そこで、この場合には、冷却マニホールド13に形成された窒素ガス供給路24から反応管5の周囲の隙間に窒素ガスを充填して反応管5を窒素ガス下に置き、この状態で流通路21に冷媒を供給して反応管5のキャップ5bを冷却する。
特に、キャップ5bは熱伝導率に優れたアルミ製であるので、キャップ5bを冷却することにより、反応管5内の弾性パッキン5a及び上面開口部59近傍が冷却される。これにより、反応管5内で蒸発された反応溶媒はキャップ5bで冷却されて結露し反応管5内に戻されるので、反応管5内の反応液濃度は変化しない。
また、反応管5は窒素雰囲気下に置かれているので、その周囲、特にキャップ5b上に結露を生ずることがなく、万一、結露したとしても、上面開口部59が弾性パッキン5aで気密状態に塞がれているので、内部に水滴が侵入することもない。
なお、シリコンゴム57の底面にフッ素樹脂フィルムのライニング58を施してなる本例の弾性パッキン5aを用いて、100%メタノールを反応管5に入れ、キャップ5bを冷却しながら、24時間加熱する実験を行ったところ、内容物の減少量は平均で0.18%程度と極めて良好なシール性が得られることが確認された。
次いで反応が終了した時点で、反応停止剤(例えば水)を注入して反応の進行を停止させ、必要に応じて、目的の化合物が精製されているか否かを確認したり、場合によっては反応が終了する前に反応中の生成物を確認するために、薄層クロマトグラフィーによるTLC分析操作を行う。
このTLC分析操作は、合成された化合物が複数の液層に分液されている場合に、目的の化合物がどの液層で精製されているかを確認するために特に有益である。
具体的には、試薬ラック33を外して、TLC基板支持ラック61を装着し、当該ラック61に支持されたTLC基板60上に、各液層から所要量の化合物を滴下して、TLC基板60上に展開させた後、紫外線等を照射して分析する。
そして、各反応管5内で合成された目的とする化合物を取り出す。この場合に、まず、交換ラック装着部7に装着された試薬ラック33又はTLC基板支持ラック61を外して、サンプルラック35を装着しておく。ここで、反応管5内で合成された化合物がコロイド状になって複数の液層に分液されていない場合は液層の位置を定める必要がないので、単に、反応管5内の化合物をサンプリングニードル50Aで吸入すればよい。
また、合成された化合物が複数の液層に分液されている場合は分液サンプリングを行い、目的の化合物が精製されている液層部分の薬液を採取する。これは、反応管5内の液層の位置を設定することにより、サンプリングニードル50Aの先端をその液層内に位置させて吸入させ、吸入した化合物をサンプルラック35の試験管34に吐出させ、これを各反応管5ごとに行なう。
さらに、反応が終了した化合物について濾過する必要がある場合は、交換ラック装着部7のドレイン槽31の真上に位置するように濾過ラック37を装着する。そして、サンプルラック35の試験管34内に採取した化合物を濾過する場合は、サンプルラック35を反応ブロック6の上に載置し、サンプリングニードル50Aを用いて試験管34内の化合物を吸入して濾過カートリッジ36に注入する。
また、反応管5から化合物を直接濾過カートリッジ36に注入する場合は、サンプリングニードル50Aを用いて反応管5内の化合物を吸入して濾過カートリッジ36に注入する。次いで、必要があれば、多連加圧ノズル55を用いて濾過カートリッジ36内に加圧窒素ガスを供給することにより、濾過時間を短縮できる。
なお、合成された化合物の構造分析を行う前処理としてカラム精製操作を行う場合は、交換ラック装着部7にカラム精製ラック39を装着する。この場合、まず、フラクションラック44に試験管43を配列し、シフトラック45に抽出管38を配列して、当該シフトラック45をドレイン槽31側にスライドさせる。この状態で、ロボットアーム9の先端にカラム精製ニードル50Bを装着して、各抽出管38に所定の溶媒を注入しコンディショニングを行う。
次いで、コンディションニングが終了すると、反応ブロック6の上に載置したサンプルラック35から吸入したサンプルを各抽出管38に注入するサンプルロードを行う。この場合、一のサンプルを一の抽出管38に注入するたびにカラム精製ニードル50Bの先端をニードルホルダ54B内の洗浄装置で洗浄することにより、サンプル同士が混ざるのを防止している。
サンプルロードが終了すると抽出管38の固定層に保持されている夾雑物を洗い流す洗浄操作を行う。これは、カラム精製ニードル50Bにより洗浄溶剤を注入することにより行われ、そのとき抽出管38から流出される液はドレイン槽31に回収される。
洗浄操作が終了すると、シフトラック45をフラクションラック44側に移動させて、抽出管38内に所定の溶媒を注入することにより溶出液をフラクションラック44の各試験管43に回収してカラム精製操作を終了する。
なお、この場合に、抽出管38の溶出液を試験管43に直接回収するのではなく、溶出液を紫外線吸光度計でモニタして、溶出液に含まれる物質や溶出液の濃度を検出し、検出された物質や濃度が変化するたびごとに、フラクションラック44を移動させて自動的に新しい試験管43に交換し、紫外線吸収ピークのみを画分として自動分画を行ってもよい。そして、フラクションラック44の各試験管43内に回収された溶出液を遠心分離器にかけて濃縮し、これを溶解した後、構造分析装置にかければ構造分析を行うことができる。
以上述べたように、本発明に係るシール構造は、反応管に試薬を注入して、攪拌し、加熱・冷却して所定の化学反応を進行させる反応操作を行う場合に、反応管内の反応溶液の濃度を一定に維持しながら反応を行わせる用途に適用することができる。
本発明に係る反応管のシール構造を示す拡大図。 その反応管を用いる化合物の合成装置を示す正面図。 そのI−I線断面図。 反応ブロックの内部構造を示す拡大図。 交換ラック装着部にサンプルラックを装着した状態を示す正面図。 交換ラック装着部にTLC基板支持ラックを装着した状態を示す正面図。 交換ラック装着部に濾過ラックを装着した状態を示す正面図。 交換ラック装着部にカラム精製ラックを装着した状態を示す正面図。 配管系を示す流体回路図。 抽出管とカラム精製ニードルを示す拡大図。
符号の説明
1・・・化合物の自動合成装置
5・・・反応管
5a・・弾性パッキン
5b・・キャップ
5c・・磁気攪拌子
6・・・反応ブロック
7・・・交換ラック装着部
11・・・攪拌手段
12・・・温度制御手段
16・・・ヒータ
17・・・流通路
30・・・ラック載置面
31・・・ドレイン槽
32・・・試験管
33・・・試薬ラック
34・・・試験管
35・・・サンプルラック
36・・・濾過カートリッジ
37・・・濾過ラック
38・・・抽出管
39・・・カラム精製ラック
43・・・試験管
44・・・フラクションラック
45・・・シフトラック
50A・・サンプリングニードル(薬液注入ニードル)
50B・・カラム精製ニードル(薬液注入ニードル)
56・・・透孔
57・・・シリコンゴム
58・・・ライニング
59・・・上端開口部
60・・・TLC基板
61・・・TLC基板支持ラック


Claims (1)

  1. 薬液注入ニードル(50A,50B)で複数の試薬を所要量ずつ注入して任意の混合率の化合物を合成する反応管(5)の上端開口部(59)に、前記ニードル(50A,50B)を挿通する透孔(56)が形成されたアルミキャップ(5b)が螺合されると共に、当該アルミキャップ(5b)と反応管(5)の上端開口部(59)との隙間に弾性パッキン(5a)が挟装され、当該弾性パッキン(5a)はシリコンゴム(57)で形成されると共に、その底面にフッ素樹脂フィルムのライニング(58)が施されたことを特徴とする反応管のシール構造。
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