JPH10182118A - 炭素材料およびその製造方法 - Google Patents

炭素材料およびその製造方法

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JPH10182118A
JPH10182118A JP9067384A JP6738497A JPH10182118A JP H10182118 A JPH10182118 A JP H10182118A JP 9067384 A JP9067384 A JP 9067384A JP 6738497 A JP6738497 A JP 6738497A JP H10182118 A JPH10182118 A JP H10182118A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉体同士の接触点が多く、しかも粉体自体の
導電率が向上したメソフェーズ小球体黒鉛化品(粉体)
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係る炭素材料及びその製造方法
は、α成分が88重量%以上、β成分が4重量%以上、
かつγ成分が4重量%以下であるメソフェーズ小球体を
2500°C以上の温度で黒鉛化したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素材料及びその
製造方法に関するものである。さらに詳しくはリチウム
イオンをドープ、脱ドープする非水電解質二次電池の負
極用として好適な炭素材料及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の軽量化に伴い、小型軽量で高
密度の二次電池の要求が高まっている。この観点から非
水電解液二次電池、特にLiCoO2 等を正極活物質と
し、負極に炭素材を用いたリチウムイオン二次電池(以
下単に「リチウム二次電池」という。)が脚光を浴びつ
つある。
【0003】この負極に使用される炭素材としては、千
数百℃以下の温度で熱処理された黒鉛構造が未発達の
「非晶質系」と呼ばれるものと、黒鉛構造が発達した
「黒鉛系」のものとに大別され、それぞれに特徴を有し
ている。しかし、初期サイクルにおける充放電効率の高
さ、電位平坦性等から、実際の電池においては黒鉛系の
方が有利との見方が一般的である。
【0004】この黒鉛系炭素材の一つとして特にメソフ
ェーズ小球体の黒鉛化品が、充放電容量、サイクル特
性、安全性等から最近注目を集めている。メソフェーズ
小球体は、ピッチ類の炭化初期過程に生成するもので、
これを球体同士の合体が始まる前にピッチマトリックス
中から分離することによって得られる。得られたメソフ
ェーズ小球体は、キノリン等の溶媒にて洗浄を行った
後、焼成工程等を経て2500℃以上の温度での熱処理
(黒鉛化)を行い、さらに粒度調整等を行ってリチウム
二次電池の負極用炭素材料として供される。
【0005】ところで、ピッチ類のキャラクタリゼーシ
ョンの一つとして種々溶媒を用いて分別抽出を行う方法
が知られている。ピッチ類を、まずトルエン(あるいは
ベンゼン)を用いて抽出を行い、この可溶成分TS(T
oluene Soluble)をγ成分(重量%)と
呼ぶ一方、その不溶成分TI(Toluene Ins
oluble)をさらにキノリン(Quinolin
e)にて溶媒分別を行い、この可溶成分(TI−QS)
をβ成分(重量%)、不溶成分QIをα成分(重量%)
と呼んでいる。
【0006】各々の成分には、それぞれの特長があり、
γ成分は、H/C1.8〜0.8(原子比)、平均分子
量500程度以下の低分子成分(低沸点分)で、ピッチ
類の流動性、炭化に際しての焼結性に寄与する。またβ
成分は、H/C0.8〜0.5(原子比)、平均分子量
300〜2000程度で、炭化に際して強い凝集力を持
ち、メソフェーズ前駆体であると言われている。さらに
α成分は、H/C0.6(原子比)程度以下、平均分子
量2000程度以上で、メソフェーズあるいは気相熱分
解等によって生成した不溶不融な平均粒径1μm程度の
微粒子などからなるフリーカーボン(メタフェーズとも
呼ばれる)等である(大谷杉郎、真田雄三共著『炭素化
工学の基礎』、JIS K2425、等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ピッチ類中でのメソフ
ェーズ小球体生成過程においては、上述のフリーカーボ
ンがメソフェーズ小球体の周囲に付着するが、このフリ
ーカーボンは、黒鉛化を行っても結晶化の発達しない三
次元的な構造をもった一種のハードカーボンである。そ
して、このフリーカーボンの付着は、メソフェーズ小球
体の表面に単に付着しているのではなく、ピッチ類から
メソフェーズ小球体の分離操作を行っても分離させるこ
とができない程強固に密着している。
【0008】また、例えば、リチウム二次電池の負極用
炭素材料に供される、熱処理前のメソフェーズ小球体の
成分調整は、一般にα成分を約90重量%程度とし、ま
た熱処理時にメソフェーズ小球体の凝集をできる限り防
ぐためにβ成分を約数重量%以下にし、さらに酸化防止
を目的として雰囲気形成を行わせるためにγ成分を約数
重量%程度以上にする。
【0009】このため黒鉛化、粒度調整して得られたメ
ソフェーズ小球体(従来品)は、ほぼ球状を呈した、し
かも結晶の発達いていないハードカーボンたるフリーカ
ーボンの黒鉛化処理微粉がメソフェーズ小球体の周囲
に、あたかも餅の周りにまぶした黄粉の如く付着したま
まの状態となる。
【0010】従って、このような性状の黒鉛化メソフェ
ーズ小球体を例えばリチウム二次電池の負極用炭素材料
とした場合、粉末同士の接触点が極めて少なく、しかも
黄粉状に付着したフリーカーボンの黒鉛化処理微粉によ
って導電率が低くなり、放電容量に劣る等の欠点を有し
たものとなってしまう。
【0011】そこで、本発明は、上記のような問題点を
解消し、粉体の導電率に優れた炭素材料及びその製造方
法を提供することを目的とし、さらには、集電効率が良
くしかも放電容量の大きいリチウム二次電池負極用炭素
材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定量のα成
分を有し、かつ特定量のβ成分およびγ成分を有するメ
ソフェーズ小球体を熱処理、粒度調整することにより、
以外にも前記課題を解決できることを見い出し、本発明
を完成させるに至った。
【0013】即ち、本発明の炭素材料及びその製造方法
並びにリチウム二次電池負極用炭素材料及びその製造方
法は、α成分が88重量%以上、β成分が4重量%以
上、かつγ成分が4重量%以下であるメソフェーズ小球
体を2500°C以上の温度で黒鉛化したことを基本的
特徴とするものである。また、本発明の炭素材料及びリ
チウム二次電池負極用炭素材料は、粒度調整後の黒鉛化
処理された後のメソフェーズ小球体の表面へのフリーカ
ーボン付着量が、面積比で10%以下、さらに好ましく
は5%以下であることを特徴とするものである。
【0014】本発明のさらに他のリチウム二次電池負極
用材料は、上記のフリーカーボン付着量が面積比で10
%以下という構成要件に加えて、以下〜の各要件を
少なくとも1つ以上満たすことを特徴とする材料であ
る。 メソフェーズ小球体黒鉛化粉末品(以下単に「メソ黒
鉛粉」と略記する。)の粉体嵩密度が0.6g/cm3
以上であること、 メソ黒鉛粉の吸油量が60ml/100g以下である
こと、 メソ黒鉛粉が、5μm≦10%D≦15μm、10μ
m≦50%D≦35μm、および30μm≦90%D≦
60μmからなる粒度分布を有すること。 メソ黒鉛粉の比表面積が8m2 /g以下であること。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。原料とし
てのメソフェーズ小球体は、熱処理後の収率を高めるた
め、α成分は88重量%以上、好ましくは90重量%と
する。そして、適度に球形を崩して粉体同士の接触点を
増やすため、熱処理過程でメソフェーズ小球体の適度な
凝集を起こさせるべく、β成分は4重量%以上、好まし
くは6〜9重量%程度とする。
【0016】さらに、熱処理過程での雰囲気形成(酸化
防止を目的とした雰囲気形成)を必要以上に抑えるべ
く、つまりある程度の酸化の進行を許容する雰囲気を形
成するため、γ成分は4重量%以下、好ましくは3重量
%以下とする。γ成分を低くして上記雰囲気形成を必要
以上に抑えることにより、メソフェーズ小球体の周面に
付着したフリーカーボンを酸化により除去することがで
き、また凝集したメソフェーズ小球体同士の界面も適度
に酸化され、熱処理後の粒度調整を行い易くなる。
【0017】この酸化は、前記したようにフリーカーボ
ンが一種のハードカーボンであって、メソフェーズ小球
体よりかなり酸化されやすい特性を有することを利用し
たものであり、この結果、フリーカーボンとβレジンの
酸化が選択的に起こり、粒度調整後のメソフェーズ小球
体黒鉛化品の表面に付着する黄粉状の微粉(フリーカー
ボン)の付着量を極めて少ないものとすることができ
る。従って、上記のメソフェーズ小球体黒鉛化品(粉
体)同士の接触点が増し、しかもその粉体の各粒子の表
面には従来品で見られたような黄粉状の微粉であるフリ
ーカーボンの付着がほとんどないため、粉体自体の導電
率が増加する。
【0018】さらに、この炭素材料を、例えばリチウム
二次電池の負極用炭素材料として用いた場合、粉体同士
の接触点が増し、しかも微粉のフリーカーボンの付着が
ほとんどないことの効果も付加されて、粉体自体の導電
率を向上させることができるため、集電効率が良くしか
も放電容量の大きいリチウム二次電池負極用炭素材料と
することができる。
【0019】さらに、メソ黒鉛粉として所定の条件(物
性)に適合するように選別してリチウム二次電池用負極
用材料とすることにより、リチウム二次電池の性能面、
生産面に種々の効果をもたらすことができる。具体的に
は、まず粉体嵩密度が0.6g/cm3 以上のメソ黒鉛
粉とすることにより、一定容積内に充填できる活物質
(メソ黒鉛粉)の量をより多くすることができ、このた
め容量のより大きなリチウム二次電池の生産が可能とな
る。
【0020】また、吸油量が60ml/100g以下の
メソ黒鉛粉とすることにより、バインダーとの濡れ性が
向上し集電体である銅箔との密着性を良くすることがで
きるので、歩留り良くリチウム二次電池を生産でき、か
つ安全性の高いリチウム二次電池の生産が可能となる。
【0021】また、10%Dが5〜15μm、50%D
が10〜35μm、90%Dが30〜60μmの粒度分
布を有するようなメソ黒鉛粉とすることにより、容量、
クーロン効率の高いリチウム二次電池の生産が可能とな
る。さらに、比表面積が8m2 /g以下のメソ黒鉛粉を
使用することによっても、同様に容量、クーロン効率の
高いリチウム二次電池の生産が可能となる。
【0022】また、上記のメソ黒鉛粉についての粉体嵩
密度、吸油量、粒度分布、比表面積の条件(物性)は2
以上組み合わせることは勿論可能であり、その組み合わ
せによりリチウム二次電池としての集電効率、放電容量
の一層のレベルアップが期待できるが、適用機器の要求
仕様、価格等との関係を考慮して適宜選択すればよい。
【0023】本発明に係る炭素材料は、リチウム二次電
池の負極用に好適であるが、この例に限定されず、他に
も例えばゲル状あるいは固体の電解質を用いたリチウム
二次電池、キャパシタ等のコンデンサー用として適用す
ることも勿論可能である。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限
定されるものではない。
【0025】(実施例1〜5)及び(比較例1〜3) 〔炭素材の調整〕コールタールピッチを400〜500
°Cにて熱処理し、ピッチ中にメソフェーズ小球体を生
成させた。これに溶剤としてタール中油を使用し、メソ
フェーズ小球体とともにピッチマトリックス中の重質成
分であるβ成分をメソフェーズ小球体の周囲に残存させ
ながら、抽出、ろ過した。ろ過残留物を300〜450
°Cで熱処理し、残存する溶剤を揮発除去すると共に、
β成分の一部を熱重合反応によりα成分に変換した。こ
れを分級処理し、熱処理にて生成した粗大球晶と灰分を
分離除去し、α成分、β成分、γ成分がそれぞれ表1に
示すように異なった8種類〔(実施例1〜5)及び(比
較例1〜3)〕のメソフェーズ小球体を得た。
【0026】これら8種類のメソフェーズ小球体(原
料)をそれぞれ黒鉛製ルツボに詰め、アチェソン炉にて
最終的に2800°Cで黒鉛化を行った。その後、それ
ぞれのメソ黒鉛粉について、平均粒径15μmに粒度調
整を行った後、それぞれのメソ黒鉛粉のX線回析結果
(d002 ,La ,Lc )を表1に併せて示す。
【0027】
【表1】
【0028】また、(実施例1)及び(比較例1)で得
られた各メソ黒鉛粉の走査型電子顕微鏡写真(SEM写
真)を図1に示す。図1の(a)は(実施例1)のもの
を示し、(b)は(比較例1)のものを示す。図1よ
り、(実施例1)に係るメソ黒鉛粉は(比較例1)のも
のに比べて、粉体の球形が崩れ、より接触しやすくなっ
ていると共に、その粉体の表面には従来品に見られる粉
体表面の黄粉状の微粉(フリーカーボン)が認められな
い程度に非常に少なくなっていることが分かる。
【0029】〔負極板の作製〕厚み20μmの銅箔から
なる集電体の表面に、活物質の炭素材料として上記の
(実施例1〜5)及び(比較例1〜3)で得られたメソ
黒鉛粉の各々86部とバインダーとしてのポリフッ化ビ
ニリデン14部とを混合しNMPを適宜加えてペースト
状に調整したものを塗布、乾燥することにより負極板を
製作した。
【0030】〔単板試験〕実施例1〜5、比較例1〜3
のそれぞれに対応する8種類の負極板を単板試験に供し
た。このとき、対極としてリチウム金属を用い、0.5
mAhで、0Vまで充電し、3Vまで放電を行った。電
解液としては、LiPF6 を1mol/lを含むエチレ
ンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積
比)の混合液を使用した。各放電容量の結果を表1に併
せて示す。
【0031】表1から明らかなように、実施例1〜5ま
での放電容量は、比較例1〜3のものく比べて非常に高
くなっていることが分かる。これは、メソ黒鉛粉の表面
に付着した微粉のフリーカーボンが除去され、集電効率
が改善されたことに起因するものと考えられる。この点
を確認すべく、実施例1と比較例1について、微粉(フ
リーカーボン)の付着量、放電容量及びクーロン効率を
調べ、比較した結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2より、両者ともクーロン効率の変化は
みられないが、放電容量は微粉付着量の違いに応じて大
きく変化しており、つまり実施例1の放電容量は比較例
1に比べ、非常に高くなっており、上述したようにメソ
黒鉛粉の表面からのフリーカーボンの除去がメソ黒鉛粉
の集電効率の改善に大きく寄与していることが分かる。
【0034】(実施例6)実施例1について、メソ黒鉛
粉の粉体嵩密度が異なるものを4種類用意し、それぞれ
について同様に負極板を製作し、単板試験を行って放電
容量を調べた。この結果を表3に示す。なお、粉体嵩密
度は、それぞれの粉体をロートを介して予め重量を測定
してある容積20cm3 のステンレス容器に、縁から高
く盛り上がるまで自然落下させ、平滑なエッジを持った
定規で容器の縁で水平に粉体を切り落とした後、容器ご
と重量測定することにより求めた。
【0035】
【表3】
【0036】表3から明らかなように、粉体嵩密度が
0.6g/cm3 を下回ると初期容量、クーロン効率と
も大きく劣っており、0.6g/cm3 以上では反対に
初期容量、クーロン効率とも非常に高くなることが分か
る。これは、実際の電池においては、一定容積の電池管
体に充填できる活物質たる黒鉛粉の量如何が製作後の電
池の容量を左右する一因となるが、メソ黒鉛粉の場合
は、粉体嵩密度が0.6g/cm3 を超えるときにその
現象が顕著な効果となって現れるものと考えられる。
【0037】(実施例7)実施例1について、メソ黒鉛
粉のの給油量が異なるものを4種類用意し、それぞれに
ついて同様に負極板を製作した。この負極板の両端を手
で持ち、負極板を机の端に当てて25回擦った。その
後、銅箔とメソ黒鉛粉の密着度合いを目視にて観察し
た。この結果を表4に示す。なお、吸油量は、JISK
6221「ゴム用カーボンブラックの試験方法」6.
1.1項で規定されているA法(機械法)により測定さ
れた値を指す。
【0038】
【表4】
【0039】表4からも明らかなように、吸油量が60
ml/100gを超えるメソ黒鉛粉を使用した負極板の
場合は、集電体である銅箔との密着性が非常に悪くなる
ことが分かった。即ち、リチウム二次電池として歩留り
良く、しかも安全性の高いものを製作するためには、吸
油量が60ml/100g以上のメソ黒鉛粉を原料(負
極材)として使用すればよいことが分かった。
【0040】(実施例8)実施例1について、メソ黒鉛
粉の粒度分布及び比表面積の異なるものを4種類用意
し、それぞれについて同様に負極板を製作し、単板試験
を行って放電容量を調べた。この結果を表5に示す。な
お粒度分布は、日機装製マイクロトラックを使用して1
0%D、50%D、90%Dを算出した。日機装製マイ
クロトラックは、レーザ光源前方散乱回折式分析計であ
り、その原理は分析計内で循環している水に試料を分散
し、その分散された粒子の流れにレーザー光を照射する
と、レーザー光は粒子の大きさに応じて散乱を起こす
が、その散乱光の強度と角度を特殊な光学フィルターで
分光、検出、演算処理することにより10%、50%、
90%を算出するものである。また比表面積の測定に
は、CARL0 ERBA INSTRUMENTS製S0RPOMATIC1900を使
用した。この測定器の原理は、試料をビュレットに適量
入れ、真空脱気後液体窒素温度で窒素ガスを導入し、そ
の時吸着した窒素ガス量と圧力変化の関係を測定してB
ET式から比表面積を算出するものである。
【0041】
【表5】
【0042】表5から明らかなように、メソ黒鉛粉の粒
度分布(10%D、50%D、90%D)が所定の範囲
(本発明の要件)にあるときには、放電容量が非常に高
くなり、さらにメソ黒鉛粉の比表面積が所定の範囲(本
発明の要件である8m2 /g以下)にあるときには、ク
ーロン効率も同時に高くなることが分かった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る炭素
材料及びその製造方法並びにリチウム二次電池負極用炭
素材料及びその製造方法は、α成分が88重量%以上、
β成分が4重量%以上、かつγ成分が4重量%以下であ
るメソフェーズ小球体を2500°C以上の温度で黒鉛
化したことを基本的特徴とする。従って、本発明では、
β成分により適度の凝集が起こり、メソフェーズ小球体
の形状が適度に崩されると共に、γ成分により雰囲気形
成が必要以上に抑えられて黒鉛化が進められることによ
り、メソフェーズ小球体黒鉛化品の周面に付着する黄粉
状の微粉のフリーカーボンの付着量を極めて少ないもの
とすることができる。従って、メソフェーズ小球体黒鉛
化品(粉体)同士の接触点が増し、しかもフリーカーボ
ンによる微粉の付着がないことの利益と相俟って、粉体
自体の導電率が大きく増加する。
【0044】また、この炭素材料をリチウム二次電池の
負極用炭素材料(粉体)として用いた場合、粉体同士の
接触点が増し、しかも微粉のフリーカーボンの付着がほ
とんどないことの利益も付加されて、粉体自体の導電率
を向上させることができるため、放電容量の大きいリチ
ウム二次電池負極用炭素材料とすることができる。
【0045】さらに、上記炭素材料として特有の条件
(物性)に適合するように選別してリチウム二次電池用
負極用材料とすることにより、リチウム二次電池の性能
面、生産面に種々の効果をもたらすことができる。具体
的な効果としては、まず粉体嵩密度が0.6g/cm3
以上のメソ黒鉛粉とすることにより、一定容積内に充填
できる活物質(メソ黒鉛粉)の量をより多くすることが
でき、このため容量のより大きなリチウム二次電池の生
産が可能となる。
【0046】また、吸油量が60ml/100g以下の
メソ黒鉛粉とすることにより、バインダーとの濡れ性が
向上し集電体である銅箔との密着性を良くすることがで
きるので、歩留り良くリチウム二次電池を生産でき、か
つ安全性の高いリチウム二次電池の生産が可能となる。
【0047】また、10%Dが5〜15μm、50%D
が10〜35μm、90%Dが30〜60μmの粒度分
布を有するようなメソ黒鉛粉とすることにより、容量、
クーロン効率の高いリチウム二次電池の生産が可能とな
る。さらに、比表面積が8m2 /g以下のメソ黒鉛粉を
使用することによっても、同様に容量、クーロン効率の
高いリチウム二次電池の生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1で得られた各メソフェー
ズ小球体黒鉛化品のSEM写真であり、(a)は実施例
1のものを示し、(b)は比較例1のものを示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α成分が88重量%以上、β成分が4重
    量%以上、かつγ成分が4重量%以下であるメソフェー
    ズ小球体を2500°C以上の温度で黒鉛化することを
    特徴とする炭素材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛化の処理の後、得られた黒鉛化
    メソフェーズ小球体を粉末化することを特徴とする請求
    項1記載の炭素材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の炭素材料の製造方法にお
    いて、該炭素材料がリチウムイオン二次電池負極用炭素
    材料である製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製造方法により得られた
    炭素材料であって、黒鉛化処理された後のメソフェーズ
    小球体の表面に付着しているフリーカーボンの付着量
    が、面積比で10%以下であることを特徴とする炭素材
    料。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の製造方法により得られた
    炭素材料であって、粉末化された後のメソフェーズ小球
    体の表面に付着しているフリーカーボンの付着量が、面
    積比で10%以下であることを特徴とする炭素材料。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の製造方法により得られた
    リチウムイオン二次電池負極用炭素材料であって、粉末
    化された後のメソフェーズ小球体の表面に付着している
    フリーカーボンの付着量が、面積比で10%以下である
    ことを特徴とする炭素材料。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のリチウムイオン二次電池
    負極用炭素材料であって、メソフェーズ小球体の黒鉛化
    粉末品の粉体嵩密度が0.6g/cm3 以上であることを特
    徴とする炭素材料。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のリチウムイオン二次電池
    負極用炭素材料であって、メソフェーズ小球体の黒鉛化
    粉末品の吸油量が60ml/100g以下であることを
    特徴とする炭素材料。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のリチウムイオン二次電池
    負極用炭素材料であって、メソフェーズ小球体の黒鉛化
    粉末品が下記(イ)〜(ハ)の粒度分布を有することを
    特徴とする炭素材料。 (イ)累積度数分布における10体積%粒径D(以下
    「10%D」と表記する)が、5μm≦10%D≦15
    μm、(ロ)累積度数分布における50体積%粒径D
    (以下「50%D」と表記する)が、10μm≦50%
    D≦35μm、および(ハ)累積度数分布における90
    体積%粒径D(以下「90%D」と表記する)が、30
    μm≦90%D≦60μm。
  10. 【請求項10】 請求項6記載のリチウムイオン二次電
    池負極用炭素材料であって、メソフェーズ小球体の黒鉛
    化粉末品の比表面積が8m2 /g以下であることを特徴
    とする炭素材料。
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