JPH10181942A - 自動原稿搬送装置 - Google Patents

自動原稿搬送装置

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JPH10181942A
JPH10181942A JP34790696A JP34790696A JPH10181942A JP H10181942 A JPH10181942 A JP H10181942A JP 34790696 A JP34790696 A JP 34790696A JP 34790696 A JP34790696 A JP 34790696A JP H10181942 A JPH10181942 A JP H10181942A
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Masatoshi Kishino
政利 岸野
Kiyoshi Watanabe
潔 渡邊
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 原稿の画像読み取り位置の下流に位置す
る搬送経路において、原稿の搬送に大きな負荷が発生す
るのを防止することができ、原稿を一定の速度で確実に
搬送して原稿の画像を良好に読み取ることが可能な自動
原稿搬送装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 上流側及び下流側のガイド部材は、原稿
載置部及び原稿排出部に対して、相対的に低い位置に設
定された画像読み取り位置に、原稿を搬送するよう湾曲
した形状に形成されており、かつ上流側ガイド部材の曲
率半径よりも下流側ガイド部材の曲率半径を大きく設定
するように構成して課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、デジタル読み取
り系を用いたデジタル複写機やプリンター、あるいはフ
ァクシミリ等の画像形成装置などに使用される自動原稿
搬送装置に関し、特に原稿移動型露光方式の自動原稿搬
送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記デジタル複写機やプリンタ
ー、あるいはファクシミリ等の画像形成装置において
は、プラテンガラス上に自動原稿搬送装置(ADF :Auto
DocumentFeeder)を配置して使用するものがあるが、
かかる自動原稿搬送装置(ADF)における原稿露光方
式としては、原稿のサイズよりも大きなプラテンガラス
上へ原稿を自動的に搬送して一旦停止させ、このプラテ
ンガラス上に搬送された原稿の画像を、当該原稿の下方
を移動する露光光学系によって走査露光するプラテン・
スキャン方式と、スリット状に形成された画像読み取り
位置に露光光学系を停止させ、このスリット状に形成さ
れた画像読み取り位置の上部を、原稿を一定の速度で移
動させながら露光動作を行う原稿移動型の露光方式(CV
T :ConstantVelocity Translation )とがある。
【0003】この原稿移動型の露光方式を採用した自動
原稿搬送装置は、デジタル読み取り系を用いたデジタル
複写機やプリンター、あるいはファクシミリ等の画像形
成装置において、上述したように、プラテンガラスを有
する画像入力装置の上部に組み合わせて搭載される。
【0004】上記原稿移動型露光方式の自動原稿搬送装
置をプラテンガラスを有する画像入力装置の上部に搭載
する場合には、画像入力装置の上端面に、プラテン・ス
キャン方式を実行するための原稿サイズよりも大きな第
1のプラテンガラスの他に、その一側部に原稿移動型露
光方式を実行するためのスリット状に形成された第2の
プラテンガラスが配置される。そして、上記原稿移動型
露光方式の自動原稿搬送装置は、表面を上にした状態で
原稿を原稿トレイ上に積載し、この原稿トレイ上に積載
された原稿を一枚ずつ分離して、スリット状に形成され
た第2のプラテンガラス上へと一定の速度で搬送し、当
該第2のプラテンガラスの下方に停止された露光光学系
を介して、原稿の画像を読み取るように構成されてい
る。
【0005】このような原稿移動型露光方式の自動原稿
搬送装置は、原稿トレイ上に載置された原稿を、この原
稿トレイよりも相対的に低い位置に配置された第2のプ
ラテンガラス上へと搬送し、原稿の画像を読み取った
後、この第2のプラテンガラスよりも上方に位置する原
稿排出トレイ上に排出するように構成されている。その
ため、この原稿移動型露光方式の自動原稿搬送装置で
は、原稿トレイ上に載置された原稿を、いったん下方に
向けて湾曲したダウンヒル形状の搬送経路を介して、ス
リット状の第2のプラテンガラス上の画像読み取り位置
へと一定の速度で搬送しつつ、今度は原稿を上方に向け
て湾曲したアップヒル形状の搬送経路を介して原稿排出
トレイ上に排出する搬送経路を採用している。これは、
自動原稿搬送装置を小型化する必要があるために、原稿
トレイから第2のプラテンガラスに向けてUターンする
所謂Uターンパスを持つことと、第1のプラテンガラス
の上方に位置する排出トレイ上に原稿を排出するため、
排出用の搬送経路で高さを稼ぐ必要があるためである。
【0006】このような自動原稿搬送装置に関する技術
としては、例えば、特開平6−343123号公報や特
開平7−191502号公報等に開示されているものが
既に提案されている。
【0007】上記特開平6−343123号公報に係る
画像読み取り装置は、複数のシート状の原稿を堆積する
原稿トレイと、該原稿トレイから原稿を搬送するための
給紙ローラを有する給紙機構と、該給紙機構により搬送
されてきた原稿を一枚ごとに分離する分離機構と、該分
離機構で分離された原稿を搬送する原稿搬送機構と、該
原稿搬送機構内を搬送される原稿の画像を読み取る画像
読み取りユニットを備えるシート状原稿読み取り機構
と、第一の画像読み取り面を形成する透明な原稿支持部
材と、前記原稿トレイの下方にあって原稿支持部材上の
原稿を原稿支持部材に押し付ける原稿押さえと、原稿支
持部材に平行に移動しながら原稿支持部材上の原稿の画
像を読み取る移動型画像読み取りユニットと、を備える
ブック状原稿読み取り機構を備える画像読み取り装置に
おいて、前記原稿搬送機構は前記原稿トレイから搬送さ
れてくる原稿の搬送方向を反転させるUターン機構を有
し、該Uターン機構の原稿搬送方向下流側に第二の画像
読み取り面を有し、前記移動型画像読み取りユニットは
前記原稿搬送機構の下方に静止して前記画像読み取りユ
ニットを兼ね、前記第二の画像読み取り面から前記原稿
搬送機構内を移動する原稿の画像を読み取り、画像読み
取り後の原稿は前記原稿押さえの上部に設けられた排紙
トレイ上に堆積するように構成したものである。
【0008】また、上記特開平7−191502号公報
に係る原稿再生装置は、第1の大きい写像プラテンであ
って、その上に置かれた原稿が前記第1プラテンの下方
で移動する写像システムによって走査されるような前記
第1プラテンと、前記第1プラテンと近接して隣接する
第2の小さな写像プラテンと、写像される原稿を自動的
に順次供給する自動原稿供給システムを備え、前記自動
原稿供給システムは、写像される原稿を前記第2の小さ
い写像プラテンに供給し、前記第2写像プラテンの上面
を前記第2写像プラテンの固定位置写像ステーションを
越えて移動させ、前記写像システムは前記固定位置写像
ステーションにおいて静止状態に配置され、前記自動原
稿供給システムによって供給された前記原稿を写像する
ような原稿再生装置において、前記第1および第2写像
プラテンは互いに近接して隣接する対向端部を有し、1
つの凹部が前記第1および第2写像プラテンの前記近接
した隣接端部間に設けられ、前記凹部は前記第2写像プ
ラテンの上面の下に実質的に延出し、前記自動原稿供給
システムは、前記原稿が前記自動原稿供給システムによ
って前記第2写像プラテンの上面に移動されて前記固定
位置写像ステーションを通過した後、前記原稿を捕獲し
て前記第2写像プラテンの上面から離れるように偏向さ
せるために、前記凹部内に下向きに延出する原稿先端捕
獲および偏向システムを備えるように構成したものであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記従来の自動原稿搬送装置は、原稿トレイ上
に載置された原稿を、当該原稿トレイよりも相対的に低
い位置に配置された第2のプラテンガラス上に一定の速
度で搬送するとともに、当該第2のプラテンガラス上を
通過する際に露光光学系を介して読み取られた原稿を、
再度、第2のプラテンガラスよりも相対的に高い位置に
配置された原稿排出トレイまで搬送する必要がある。そ
のため、上記従来の自動原稿搬送装置では、第2のプラ
テンガラス上へと一旦下降するダウンヒル形状の搬送経
路を介して原稿を搬送した後、今後はアップヒル形状の
搬送経路を介して上方へと原稿を湾曲させて搬送する必
要があり、原稿が第2のプラテンガラス上を通過してア
ップヒル形状の搬送経路を搬送される際に、原稿に大き
な負荷が発生して原稿の搬送速度が変動し、読み取った
画像がゆがんでしまう虞れがあるという問題点があっ
た。
【0010】さらに、上記原稿移動型露光の自動原稿搬
送装置を用いて原稿の両面複写を行う場合には、上述し
た特開平7−191502号公報に開示されているよう
に、片面の画像を読み取った後に原稿の搬送方向を反転
することにより、スイッチバックして画像読み取り部の
上流に原稿を再度戻して、原稿の裏面読み取りを行う方
式が採用されてきている。
【0011】しかし、この特開平7−191502号公
報に開示されている装置では、裏面読み取り後に排出原
稿のページ合わせを行うために、再度原稿をスイッチバ
ックして排出させる動作が必要であり、両面読み取り時
に複写等の生産性を低下させるという問題点があった。
【0012】そこで、両面読み取り時における生産性を
向上させるため、本出願人は、特開平8−123103
号公報に開示されているように、画像読み取り部の下流
に、裏面読み取り後に原稿を反転しながら排出する反転
排出パスを設けることにより、原稿の裏面画像を読み取
った後に排出原稿のページ合わせを行う場合でも、短時
間で効率良く原稿を排出することができるように構成し
た自動原稿搬送装置を既に提案している。
【0013】この特開平8−123103号公報に係る
自動原稿搬送装置は、複写機本体上面のプラテンガラス
上に設置して使用される自動原稿搬送装置において、下
記の要件を備えたことを特徴とする自動原稿搬送装置、
(Y01)原稿が重ねられた状態でセットされる給紙ト
レイ、(Y02)複写済み原稿が排出される排出トレ
イ、(Y03)前記プラテンガラス上面の原稿複写位置
に配置されたプラテンロール、(Y04)前記給紙トレ
イにセットされた原稿の中の一番上の原稿を前記原稿複
写位置の所定距離手前に設定されたプリレジ位置に搬送
する原稿搬入装置、(Y05)前記プリレジ位置の原稿
を一定速度で前記原稿複写位置を通過させながら搬送す
る原稿読取用搬送装置、(Y06)前記原稿読取用搬送
装置により原稿複写位置を通過した片面原稿を前記排紙
トレイに排出する片面原稿排出装置、(Y07)前記原
稿読取用搬送装置により原稿複写位置を通過した両面原
稿を2枚の原稿が重なった状態で互いに逆方向に移動可
能な反転用原稿収容部に搬送する反転用原稿搬送装置、
(Y08)前記反転用原稿収容部の原稿を反転させて再
びプリレジ位置に搬送する反転原稿搬入装置、(Y0
9)前記原稿読取用搬送装置により原稿複写位置を通過
した前記反転した両面原稿を前記反転用原稿収容部に搬
送してから再度反転させて前記排紙トレイに排出するよ
うに構成したものである。
【0014】しかしながら、上記特開平8−12310
3号公報に係る自動原稿搬送装置の場合には、第2のプ
ラテンガラス上に搬送され、画像が読み取られた原稿
は、下向きに凸状に湾曲したアップヒル形状の片面原稿
排出装置、及びこれに連続する上向きに凸状に湾曲した
アップヒル形状の片面原稿排出装置を介して、排紙トレ
イ上に排出されるように構成されている。そのため、上
記自動原稿搬送装置は、原稿の読み込み部下流の搬送経
路が、略S字形状のペーパーパスとなり、原稿の搬送抵
抗にもっとも不利な条件となり、原稿に大きな搬送負荷
が作用して、原稿の移動速度が変動することにより読み
取った画像がゆがんでしまう虞れがあるという問題点が
あった。この点、上記自動原稿搬送装置の小型化及び薄
型化を達成するためには、原稿の搬送経路に略S字形状
のペーパーパスと小半径の反転排出パスを組み合わせる
必要が生じ、特に重要な課題となっている。
【0015】そこで、上記自動原稿搬送装置において
は、原稿の画像読み取り部から排出経路にかけて、原稿
の搬送抵抗を少しでも軽減するため、原稿の搬送経路に
沿って複数の小型ロールを配置する構成や、特開平2−
147559号公報に開示されているように、小径の反
転部に搬送経路に沿った大型のローラを配置する構成な
どが既に提案されている。
【0016】しかし、この場合には、原稿の搬送経路に
沿って複数の小型ロールを配置したり、小径の反転部に
大型のローラを配置する必要があるため、部品点数がそ
の分増加してコスト高となるばかりか、構造が複雑にな
ってしまい装置が大型化するという問題点を有してい
る。
【0017】さらに、上述した特開平8−123103
号公報に係る自動原稿搬送装置の場合には、両面原稿を
搬送する際に、原稿反転装置としてスイッチバックして
原稿の搬送方向を切り替える機能を果たす切り替えゲー
トを使用している。ところで、この切り替えゲートとし
ては、装置の小型化および低コストを達成するため、例
えば、特公平5−17145号公報に開示されているよ
うに、原稿の搬送経路を遮るように配置され、マイラー
等の柔軟な合成樹脂製の弾性素材を使用して原稿による
押し開けを行い、原稿が逆転して搬送される際には、マ
イラー等の柔軟な弾性素材によって原稿をすくい取るこ
とにより、原稿の搬送方向を変更するように構成したも
のが用いられる。
【0018】この特公平5−17145号公報に係るシ
ート送り装置は、第1のシートパスと、上記第1のシー
トパスに連通していて、上記第1のシートパスからのシ
ートを導き案内する第3のシートパスと、上記第1のシ
ートパスに連通していて、シートを上記第1のシートパ
スへ導く第2のシートパスと、後辺部が固定されていて
先端部が可動であって、該可動の先端部が上記第2のシ
ートパスを塞ぐように、上記第1乃至第3のシートパス
の分岐部に配設され、上記第1のシートパス側から導入
したシートが上記第2のシートパスへ進入するのは阻止
して上記第3のシートパス側へ進路偏向させ、一方、上
記第2のシートパス側から導入したシートが上記第1の
シートパス側へ進入するのを許容する板状のシートガイ
ド部材と、を有するシート送り装置であって、上記第
1、第2のシートパスを構成する通路構成板の内面にシ
ート搬送方向に沿って互いに間隔をおいて複数条のシー
トガイド主リブを設け、更に、上記シートガイド主リブ
の頂面に切り欠き凹所を形成し、上記シートガイド部材
の可動部先端を上記シートガイド主リブに対向させ、且
つこの先端は、上記シートガイド主リブに対応させて夫
々鋭角のV形切り込みをもって区分したシートガイド舌
片部が形成されていて、このシートガイド舌片部を上記
切り欠き凹所に入り込ませ、更に、上記シートガイド舌
片の個々の鋭角の切り込み内に位置するように、シート
ガイド副リブを上記シートガイド主リブ間に設けるよう
に構成したものである。
【0019】しかしながら、上記特公平5−17145
号公報に係るシート送り装置の場合には、図28に示す
ように、シートガイド部材100がくし歯形状の爪10
1を有しているため、原稿102の搬送方向を反転して
原稿102を当該シートガイド部材100によって搬送
方向を変更する際に、くし歯形状の爪101の凹部10
3に原稿102の先端が引っ掛かってしまい、ジャムを
発生する虞れがあるという問題点を有している。
【0020】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、原稿の画像読み取り位置の下流に位置する搬送
経路において、原稿の搬送に大きな負荷が発生するのを
防止することができ、原稿を一定の速度で確実に搬送し
て原稿の画像を良好に読み取ることが可能な自動原稿搬
送装置を提供することにある。
【0021】また、この発明の他の目的とするところ
は、両面読み取りを生産性良く行うために、画像読み取
り位置の下流に、裏面読み取り後に原稿を反転しながら
排出する反転排出経路を設けた場合でも、原稿の搬送に
大きな負荷が発生することがなく、原稿を一定の速度で
確実に搬送して原稿の両面画像を良好に読み込むことが
可能な自動原稿搬送装置を提供することにある。
【0022】さらに、この発明の他の目的とするところ
は、装置の小型化および低コストを達成するために、原
稿の搬送方向を切り替える切替手段として、くし歯形状
の爪を有する柔軟な合成樹脂製の弾性素材等を使用した
場合でも、当該切替手段によって原稿のジャム等が発生
するのを防止可能な自動原稿搬送装置を提供することに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載された発明は、複数枚の原稿が載置可能な原稿載置部
と、前記原稿載置部上に載置された原稿を一枚ずつ分離
した状態で、所定の画像読み取り位置へ一定の速度で搬
送する上流側搬送手段と、前記所定の画像読み取り位置
を通過した原稿を原稿排出部へ搬送する下流側搬送手段
と、前記上流側搬送手段と画像読み取り位置との間に配
置された原稿を案内する上流側ガイド部材と、前記画像
読み取り位置と下流側搬送手段との間に配置された原稿
を案内する下流側ガイド部材とを有する自動原稿搬送装
置において、前記上流側及び下流側のガイド部材は、原
稿載置部及び原稿排出部に対して、相対的に低い位置に
設定された画像読み取り位置に、原稿を搬送するよう湾
曲した形状に形成されており、かつ上流側ガイド部材の
曲率半径よりも下流側ガイド部材の曲率半径を大きく設
定するように構成したものである。
【0024】また、請求項2に記載された発明は、請求
項1に記載の自動原稿搬送装置において、前記所定の画
像読み取り位置の上方に、原稿搬送手段を持つように構
成したものである。
【0025】さらに、請求項3に記載された発明は、複
数枚の原稿が載置可能な原稿載置部と、前記原稿載置部
上に載置された原稿を一枚ずつ分離した状態で、所定の
画像読み取り位置へ一定の速度で搬送する上流側搬送手
段と、前記所定の画像読み取り位置を通過した原稿を原
稿排出部へ搬送する下流側搬送手段と、前記上流側搬送
手段と画像読み取り位置との間に配置された原稿を案内
する上流側搬送経路と、前記画像読み取り位置と下流側
搬送手段との間に配置された原稿を案内する下流側搬送
経路と、前記下流側搬送経路に接続され、原稿の表裏を
反転させるために当該原稿を一時所定の位置に搬送する
反転用搬送経路と、前記反転用搬送経路に接続され、当
該反転用搬送経路によって所定の位置に搬送された原稿
を表裏を反転して再度上流側搬送経路へ搬送する両面用
搬送経路と、前記反転用搬送経路と下流側搬送経路の原
稿排出部側の部分との間に介在され、原稿を反転させて
排出するための半円形状のUターン搬送経路とを有する
自動原稿搬送装置において、前記半円形状のUターン搬
送経路と下流側搬送経路が合流する部分で、当該合流部
分の搬送経路を構成して原稿を案内する内外一対のガイ
ド部材は、内側のガイド部材が、前記合流部分に到る直
前の下流側搬送経路の搬送方向に沿って配置され、かつ
外側のガイド部材は、半円形状のUターン搬送経路の搬
送方向に沿って配置するように構成したものである。
【0026】また更に、請求項4に記載された発明は、
請求項3に記載の自動原稿搬送装置において、前記半円
形状の反転搬送経路と下流側搬送経路が合流する部分の
下流に、原稿を狭持して原稿排出部へ搬送する一対のロ
ールからなる原稿排出手段を配置し、前記原稿排出手段
の手前に、当該原稿排出手段へと搬送される原稿の先端
を一対のロールが接合する部分に誘導する誘導部材を設
けるように構成したものである。
【0027】更に、請求項5に記載された発明は、複数
枚の原稿が載置可能な原稿載置部と、前記原稿載置部上
に載置された原稿を一枚ずつ分離した状態で、所定の画
像読み取り位置へ一定の速度で搬送する上流側搬送手段
と、前記所定の画像読み取り位置を通過した原稿を原稿
排出部へ搬送する下流側搬送手段と、前記上流側搬送手
段と画像読み取り位置との間に配置された原稿を案内す
る上流側搬送経路と、前記画像読み取り位置と下流側搬
送手段との間に配置された原稿を案内する下流側搬送経
路と、前記下流側搬送経路に接続され、原稿の表裏を反
転させるために当該原稿を一時所定の位置に搬送する反
転用搬送経路と、前記反転用搬送経路に接続され、当該
反転用搬送経路によって所定の位置に搬送された原稿を
表裏を反転して再度上流側搬送経路へ搬送する両面用搬
送経路と、前記反転用搬送経路と下流側搬送経路の原稿
排出部側の部分との間に介在され、原稿を反転させて排
出するための半円形状のUターン搬送経路とを有する自
動原稿搬送装置において、前記下流側搬送経路が反転用
搬送経路と分岐する部分に、原稿が所定の方向から当該
分岐部分を通過する際には、原稿の搬送力によって弾性
変形して当該原稿の通過を許容するとともに、上記原稿
が反対の方向から当該分岐部分を通過する際には、原稿
の通過を阻止して原稿の搬送方向を変更するように、前
記分岐部分を塞ぐように配設される平板状の弾性部材か
らなり、その先端部に設けられた複数の突起部が分岐部
分の対向部に出没自在な分岐手段を配置し、更に、上記
原稿が所定の方向から分岐手段を通過して一旦停止する
位置に、再度原稿の搬送方向を反転して搬送する際に、
当該原稿の先端を分岐手段の突起部が設けられていない
平板部に誘導するガイド部材を設けるように構成したも
のである。
【0028】また、請求項6に記載された発明は、請求
項5に記載の自動原稿搬送装置において、上記下流側搬
送経路が反転用搬送経路に連通する部分と半円形状のU
ターン搬送経路とが分岐する部分に、原稿が所定の方向
から当該分岐部分を通過する際には、原稿の搬送力によ
って弾性変形して当該原稿の通過を許容するとともに、
上記原稿が反対の方向から当該分岐部分を通過する際に
は、原稿の通過を阻止して原稿の搬送方向を変更するよ
うに、前記分岐部分を塞ぐように配設される平板状の弾
性部材からなり、その先端部に設けられた複数の突起部
が分岐部分の対向部に出没自在な分岐手段を配置し、更
に、前記分岐部分の反転用搬送経路側に、原稿の一部を
挟持したままの状態で当該原稿を反転用搬送経路へ搬送
し、かつ当該反転用搬送経路に一旦搬送された原稿を、
その搬送方向を反転させて搬送する一対のロールからな
る原稿搬送手段を設けるとともに、前記原稿搬送手段を
構成する一対のロールの接合部を、当該原稿搬送手段の
一対のロールによって原稿を狭持して搬送方向を反転し
て搬送する際に、原稿の先端を分岐手段の突起部が設け
られていない平板部に誘導するように配置して構成した
ものである。
【0029】
【作用】上記請求項1に記載された発明は、上流側及び
下流側のガイド部材は、原稿載置部及び原稿排出部に対
して、相対的に低い位置に設定された画像読み取り位置
に、原稿を搬送するよう湾曲した形状に形成されてお
り、かつ上流側ガイド部材の曲率半径よりも下流側ガイ
ド部材の曲率半径を大きく設定するように構成されてい
るので、画像読み取り位置を通過した原稿は、曲率半径
が相対的に大きく設定された下流側ガイド部材によって
原稿排出部側へ搬送され、原稿の先端が画像読み取り位
置を通過した後の搬送負荷を低減することができ、原稿
の移動速度が変動するのを防止することができ、画像の
読み取りを良好に行うことができる。
【0030】また、請求項2に記載された発明は、前記
所定の画像読み取り位置の上方に、原稿搬送手段を持つ
ように構成したので、原稿を一層安定した状態で搬送す
ることができ、原稿の画像読み取りを良好に行うことが
できる。
【0031】さらに、請求項3に記載された発明は、半
円形状のUターン搬送経路と下流側搬送経路が合流する
部分で、当該合流部分の搬送経路を構成して原稿を案内
する内外一対のガイド部材は、内側のガイド部材が、前
記合流部分に到る直前の下流側搬送経路の搬送方向に沿
って配置され、かつ外側のガイド部材は、半円形状のU
ターン搬送経路の搬送方向に沿って配置するように構成
したので、片面画像のみの読み取りを行う原稿は、下流
側搬送経路を介して、当該下流側搬送経路と半円形状の
Uターン搬送経路が合流する部分で、この合流部分に到
る直前の下流側搬送経路の搬送方向に沿って配置された
内側のガイド部材によって案内されるため、画像読み取
り部より下流側の原稿搬送経路をストレートに近づける
ことができ、原稿の搬送負荷を低減することができ、原
稿の移動速度が変動するのを防止することができ、画像
の読み取りを良好に行うことができる。また、両面画像
のみの読み取りを行った原稿は、半円形状に形成された
Uターン搬送経路の搬送方向に沿って配置された外側ガ
イド部材によって案内されるため、表裏を反転して排出
される原稿を滑らかなラウンド形状に保つことができ、
原稿をスムースに排出することができる。
【0032】また更に、請求項4に記載された発明は、
請求項3に記載の自動原稿搬送装置において、前記半円
形状の反転搬送経路と下流側搬送経路が合流する部分の
下流に、原稿を狭持して原稿排出部へ搬送する一対のロ
ールからなる原稿排出手段を配置し、前記原稿排出手段
の手前に、当該原稿排出手段へと搬送される原稿の先端
を一対のロールが接合する部分に誘導する誘導部材を設
けるように構成したので、下流側搬送経路に沿って搬送
される原稿の先端がガイド部材とローラの隙間に入り込
んでジャム等が発生するのを確実に防止することができ
る。
【0033】更に、請求項5に記載された発明は、下流
側搬送経路が反転用搬送経路と分岐する部分に、原稿が
所定の方向から当該分岐部分を通過する際には、原稿の
搬送力によって弾性変形して当該原稿の通過を許容する
とともに、上記原稿が反対の方向から当該分岐部分を通
過する際には、原稿の通過を阻止して原稿の搬送方向を
変更するように、前記分岐部分を塞ぐように配設される
平板状の弾性部材からなり、その先端部に設けられた複
数の突起部が分岐部分の対向部に出没自在な分岐手段を
配置し、更に、上記原稿が所定の方向から分岐手段を通
過して一旦停止する位置に、再度原稿の搬送方向を反転
して搬送する際に、当該原稿の先端を分岐手段の突起部
が設けられていない平板部に誘導する誘導部材を設ける
ように構成したので、搬送方向が反転される原稿の先端
は、誘導部材によって分岐手段の突起部が設けられてい
ない平板部に誘導されるため、原稿の先端が分岐手段の
突起部の谷間に引っ掛かりジャム等が発生するのを確実
に防止することができる。
【0034】また、請求項6に記載された発明は、請求
項5に記載の自動原稿搬送装置において、上記下流側搬
送経路が反転用搬送経路に連通する部分と半円形状のU
ターン搬送経路とが分岐する部分に、原稿が所定の方向
から当該分岐部分を通過する際には、原稿の搬送力によ
って弾性変形して当該原稿の通過を許容するとともに、
上記原稿が反対の方向から当該分岐部分を通過する際に
は、原稿の通過を阻止して原稿の搬送方向を変更するよ
うに、前記分岐部分を塞ぐように配設される平板状の弾
性部材からなり、その先端部に設けられた複数の突起部
が分岐部分の対向部に出没自在な分岐手段を配置し、更
に、前記分岐部分の反転用搬送経路側に、原稿の一部を
挟持したままの状態で当該原稿を反転用搬送経路へ搬送
し、かつ当該反転用搬送経路に一旦搬送された原稿を、
その搬送方向を反転させて搬送する一対のロールからな
る原稿搬送手段を設けるとともに、前記原稿搬送手段を
構成する一対のロールの接合部を、当該原稿搬送手段の
一対のロールによって原稿を狭持して搬送方向を反転し
て搬送する際に、原稿の先端を分岐手段の突起部が設け
られていない平板部に誘導するように配置して構成した
ので、搬送方向が反転される原稿の先端は、原稿排出手
段の一対のロールによって分岐手段の突起部が設けられ
ていない平板部に誘導されるため、原稿の先端が分岐手
段の突起部の谷間に引っ掛かりジャム等が発生するのを
確実に防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図28を参照して
この発明の実施の形態について説明する。
【0036】図1はこの発明の一実施の形態に係る自動
原稿搬送装置を示すものであり、図2はこの発明の一実
施の形態に係る自動原稿搬送装置を装着したデジタル複
写機を示すものである。
【0037】図2において、1はデジタル複写機の本体
を示すものであり、このデジタル複写機本体1内の上端
部には、原稿2の画像を読み取る画像入力装置(以下、
IITという)3が配置されているとともに、IIT3
は、原稿2を所定の位置に載置して原稿2の画像を読み
取るための第1のプラテンガラス4と、第1のプラテン
ガラス4の一端部に配置され、原稿2を一定の速度で搬
送しながら読み取るためのスリット状の第2のプラテン
ガラス5とを備えている。また、IIT3は、第1のプ
ラテンガラス4上に載置された原稿2、あるいは第2の
プラテンガラス5上を一定の速度で移動する原稿2の画
像を読み取るため、原稿2を照明する照明ランプ6と、
この照明ランプ6によって照明された原稿2の反射光像
を反射するフルレートミラー7と、このフルレートミラ
ー7からの光像を折り返すように反射する2枚のハーフ
レートミラー8、9と、これらのハーフレートミラー
8、9によって反射された原稿2の光像を画像読み取り
素子11上に縮小した状態で結像する結像レンズ10
と、この結像レンズ10によって結像される原稿2の画
像を読み取るCCD等からなるイメージセンサー11か
らなる露光光学系12を備えている。上記露光光学系1
2を構成する部材のうち、照明ランプ6とフルレートミ
ラー7は、図示しない第1のキャリッジに取り付けられ
ているとともに、2枚のハーフレートミラー8、9は、
図示しない第2のキャリッジに取り付けられており、こ
れらの照明ランプ6及びフルレートミラー7が取り付け
られた第1のキャリッジと、2枚のハーフレートミラー
8、9が取り付けられた第2のキャリッジは、画像露光
方式に応じて、矢印方向に沿って1:1/2の速度比で
移動されるか、又は図2に示す位置に停止されて、原稿
2の画像を露光するようになっている。
【0038】そして、IIT3によって第2のプラテン
ガラス5上を一定の速度で移動する原稿2の画像を読み
取る際には、図2に示すように、フルレートミラー7が
第2のプラテンガラス5直下の画像読み取り位置に来る
ように、露光光学系12全体が所定の位置に停止した状
態で、イメージセンサー11によって原稿2の画像を読
み取るようになっている。また、上記IIT3によっ
て、第1のプラテンガラス4上に載置された原稿2の画
像を読み取る際には、照明ランプ6及びフルレートミラ
ー7とハーフレートミラー8、9とが、原稿2の下面に
沿って1:1/2の速度比で移動することにより、イメ
ージセンサー11によって原稿2の画像を読み取るよう
になっている。
【0039】デジタル複写機では、原稿移動型露光方式
で原稿2の画像を読み取る場合、図2に示すように、後
述する自動原稿搬送装置35によって一定の速度で画像
読み取り位置に搬送される原稿2の画像情報が、IIT
3によって読み取られる。このIIT3によって読み取
られた原稿2の画像情報は、デジタル複写機本体1の内
部に配置されたイメージアウトプットターミナル(以
下、IOTという)によって複写用紙上に複写される。
すなわち、IIT3によって読み取られた原稿2の画像
情報は、図示しない一時記憶装置に記憶され、必要に応
じて所定の画像処理が施された後、この画像処理が施さ
れた画像情報に応じてROS13(RasterOutput Scan
ner )によって感光体ドラム14上に画像露光が施さ
れ、静電潜像が形成される。この感光体ドラム14上に
形成された静電潜像は、現像装置15により現像されて
トナー像となった後、このトナー像は、転写帯電器16
によって複写用紙17上に転写される。この複写用紙1
7は、デジタル複写機本体1内の下部に収容された複数
の用紙トレイ18、19、20、21から、所定のサイ
ズの用紙が給紙されるとともに、フィードセンサー2
2、23、24、25によって検知された後、複数配置
された搬送ロール26によって感光体ドラム14手前の
レジストロール27まで一旦搬送され、このレジストロ
ール27によって感光体ドラム14上に形成されたトナ
ー像と同期して、感光体ドラム14の表面へと搬送され
るようになっている。
【0040】感光体ドラム14からトナー像が転写され
た複写用紙17は、分離帯電器28によって感光体ドラ
ム14から分離された後、搬送ベルト29によって定着
装置30へと搬送され、定着装置30で熱及び圧力によ
ってトナー像が複写用紙17上に定着されて、装置の外
部に配置された排出トレイ31上に排出され、画像の複
写工程を終了する。
【0041】なお、トナー像の転写工程が終了した感光
体ドラム14の表面は、クリーニング装置32によって
残留トナーや紙粉等が除去されて、次の複写工程に備え
るようになっている。
【0042】また、デジタル複写機で両面複写を行う場
合には、片面に画像が複写された複写用紙17をそのま
ま排出トレイ31に排出せずに、搬送経路を切り換えて
用紙反転経路33へと一旦搬送して、複写用紙17の表
裏を反転した状態で搬送路34を介して、感光体ドラム
14下部の画像形成部へと再度搬送することにより、複
写用紙17の裏面に画像を複写した後に、複写用紙17
を排出トレイ31上に排出するようになっている。
【0043】ところで、デジタル複写機に装着された自
動原稿搬送装置35は、図1に示すように、複写すべき
複数枚の原稿2を複写面を上にした状態(所謂フェイス
アップ)でセットする原稿セットトレイ36を備えてお
り、この原稿セットトレイ36上にセットされた複数枚
の原稿2は、ピックアップロール37によって最上位の
原稿2から1toNの順序でピックアップされて、フィ
ードロール38及びリタードロール38aへと送られ
る。なお、上記フィードロール38の後端には、原稿2
のフィード状態を検知する原稿フィードセンサー39が
配置されているが、他にも同じく小さな三角印で表され
る原稿検知センサーが所定の位置に配置されている。そ
して、上記原稿2は、これらのフィードロール38及び
リタードロール38aによって一枚ずつに裁かれ、略円
弧状に形成された上流側搬送経路40に沿って、途中に
設けられたテイクアウェイロール41を介してプリレジ
ロール42へと搬送され、このプリレジロール42で一
旦停止される。その後、上記原稿2は、プリレジロール
42によって所定のタイミングで第2のプラテンガラス
5上の画像読み取り位置43へと一定の速度で搬送され
る。この第2のプラテンガラス5上の画像読み取り位置
43へと一定の速度で搬送された原稿2の画像は、第2
のプラテンガラス5の上部に配置されたプラテンロール
44の補助的な搬送作用によって一定の速度で搬送され
る間に、図2に示す位置に停止したイメージインプット
ターミナル(IIT)3の露光光学系12を介してCC
D等からなるイメージセンサー11によって読み取られ
る。
【0044】その後、第2のプラテンガラス5上の画像
読み取り位置43で画像が読み取られた原稿2は、図3
に示すように、略円弧状に形成された下流側搬送経路4
5の前端部45aに沿って、プラテンロール44及び3
つのロールが互いに圧接するアウトロール46により、
第1の分岐部分47に配置された反転ゲート48によっ
て搬送経路が切り換えられることにより、下流側搬送経
路45の後端部45bに配置された排出ロール49によ
って、図1に示すように、原稿セットトレイ36の下部
に設けられた原稿排出トレイ50上に排出される。
【0045】また、自動原稿搬送装置35で原稿2の両
面複写を行う場合には、図3に示すように、片面の画像
が読み取られた原稿2を、排出ロール49によって原稿
排出トレイ50上にそのまま排出せずに、反転ゲート4
8によって搬送経路を切り換えることにより、片面の画
像が読み取られた原稿2を反転ロール51によって、図
1に示すように、反転用搬送経路52を介して原稿排出
トレイ50下部の原稿一時収容部53に一旦収容し、原
稿2の後端が反転ロール51に挟持されている間に、当
該反転ロール51を一旦停止する。次に、上記反転ロー
ル51を逆転することにより、原稿2を表裏反転した状
態で反転ゲート48を介して、両面用搬送経路54を通
って上流側搬送経路40へと再度搬送し、原稿2の裏面
側が第2のプラテンガラス5上の画像読み取り位置43
へと搬送され、露光光学系12を介してイメージセンサ
ー11によって画像が読み取られる。その後、表裏表面
の画像が読み取られた原稿2は、プラテンロール44及
びアウトロール46を介して、反転ゲート48によって
搬送経路が切り換えられることにより、反転ロール51
によって反転用搬送経路52を通って原稿排出トレイ5
0下部の原稿一時収容部53に一旦収容される。そし
て、この原稿一時収容部53に収容された原稿2は、そ
の後端が反転ロール51に挟持されている間に、当該反
転ロール51を逆転することにより、原稿2を表裏反転
した状態で搬送する切替手段を介して、今度はUターン
搬送経路55を通って排出ロール49により原稿排出ト
レイ50上に、原稿2の表面を下にした状態で排出され
る。尚、図1中、56は第1のプラテンガラス4上に載
置された原稿を押圧するスポンジ等の弾性部材を積層し
た表面が白色のシート材からなる原稿押圧部材を示して
いる。
【0046】ところで、この実施の形態に係る自動原稿
搬送装置では、前記上流側搬送手段と画像読み取り位置
との間に配置された原稿を案内する上流側ガイド部材
と、前記画像読み取り位置と下流側搬送手段との間に配
置された原稿を案内する下流側ガイド部材とを有する自
動原稿搬送装置において、前記上流側及び下流側のガイ
ド部材は、原稿載置部及び原稿排出部に対して、相対的
に低い位置に設定された画像読み取り位置に、原稿を搬
送するよう湾曲した形状に形成されており、かつ上流側
ガイド部材の曲率半径よりも下流側ガイド部材の曲率半
径を大きく設定するように構成されている。
【0047】すなわち、この実施の形態に係る自動原稿
搬送装置35は、図1及び図3に示すように、前記原稿
セットトレイ36上に載置された複数枚の原稿2を一枚
ずつ分離した状態で、所定の画像読み取り位置43へ一
定の速度で搬送するピックアップロール37、フィード
ロール38、リタードロール38a、テイクアウェイロ
ール41及びプリレジロール42からなる上流側搬送手
段と、前記所定の画像読み取り位置43を通過した原稿
2を原稿排出トレイ50へ搬送するアウトロール46及
び排出ロール49からなる下流側搬送手段とを備えてい
る。また、上流側搬送手段と画像読み取り位置43との
間には、原稿2を案内する上流側搬送経路40を構成す
る上流側ガイド部材57が配置されている。この上流側
ガイド部材57のうち、内側ガイド部材58は、図3に
示すように、フィードロール38及びリタードロール3
8aからテイクアウェイロール41に渡って直線状に形
成された第1の内側ガイド部材58aと、テイクアウェ
イロール41からプラテンロール44に渡って所定の曲
率半径を有する略円弧形状に形成された第2の内側ガイ
ド部材58bとから構成されている。これに対し、外側
ガイド部材59は、ピックアップロール37及びフィー
ドロール38からテイクアウェイロール41に渡って直
線状に形成された第1の外側ガイド部材59aと、テイ
クアウェイロール41からプリレジロール42に渡って
やはり略直線状に形成された第2の外側ガイド部材59
bと、上記プリレジロール42から第2のプラテンガラ
ス5に渡って、内側ガイド部材58に沿って所定の曲率
半径を有する円弧形状に形成された第3の外側ガイド部
材59cとから構成されている。
【0048】また、画像読み取り位置43と下流側搬送
手段との間には、原稿2を案内する下流側搬送経路45
を形成する下流側ガイド部材60が配置されている。こ
の下流側ガイド部材60のうち、内側ガイド部材61
は、第2のプラテンガラス5からアウトロール46に渡
って、所定の曲率半径を有する円弧形状に形成されてい
るとともに、外側ガイド部材62も、内側ガイド部材6
1に沿って所定の曲率半径を有する円弧形状に形成され
ている。
【0049】ここで、上流側及び下流側のガイド部材5
7、60は、図4に示すように、原稿載置トレイ36及
び原稿排出トレイ50に対して、相対的に低い位置に設
定された画像読み取り位置43に、原稿2を搬送するよ
う湾曲した形状に形成されており、かつ上流側ガイド部
材57の内側ガイド部材58b及び第3の外側ガイド部
材59cの曲率半径R1よりも下流側ガイド部材60の
内側ガイド部材61及び外側ガイド部材62の曲率半径
R2が大きく設定されている。
【0050】また、この実施の形態に係る自動原稿搬送
装置では、前記下流側搬送経路に接続され、原稿の表裏
を反転させるために当該原稿を一時所定の位置に搬送す
る反転用搬送経路と、前記反転用搬送経路に接続され、
当該反転用搬送経路によって所定の位置に搬送された原
稿を表裏を反転して再度上流側搬送経路へ搬送する両面
用搬送経路と、前記反転用搬送経路と下流側搬送経路の
原稿排出部側の部分との間に介在され、原稿を反転させ
て排出するための半円形状のUターン搬送経路とを有す
る自動原稿搬送装置において、前記半円形状のUターン
搬送経路と下流側搬送経路が合流する部分で、当該合流
部分の搬送経路を構成して原稿を案内する内外一対のガ
イド部材は、内側のガイド部材が、前記合流部分に到る
直前の下流側搬送経路の搬送方向に沿って配置され、か
つ外側のガイド部材は、半円形状のUターン搬送経路の
搬送方向に沿って配置するように構成されている。
【0051】すなわち、自動原稿搬送装置35では、図
3に示すように、上述した如く、前記下流側搬送経路4
5に接続され、原稿2の表裏を反転させるために原稿2
を原稿一時収容部53に搬送する反転用搬送経路52
と、この反転用搬送経路52に接続され、反転用搬送経
路52によって原稿一時収容部53に搬送された原稿2
を表裏を反転して再度上流側搬送経路40へ搬送する両
面用搬送経路54と、反転用搬送経路52と下流側搬送
経路45の後端部45bとの間に介在され、原稿2を反
転させて排出するための半円形状のUターン搬送経路5
5とを有する自動原稿搬送装置35において、半円形状
のUターン搬送経路55と下流側搬送経路45が合流す
る部分63の下流側で、合流部分63の搬送経路を構成
して原稿2を案内する内外一対のガイド部材64、65
は、図3及び図5に示すように、内側のガイド部材64
が、前記合流部分63に到る直前の下流側搬送経路45
の搬送方向に沿って略直線状に配置されているととも
に、外側のガイド部材65は、半円形状のUターン搬送
経路55の搬送方向に沿って円弧状に配置されている。
【0052】さらに、この実施の形態に係る自動原稿搬
送装置では、前記半円形状の反転搬送経路と下流側搬送
経路が合流する部分の下流に、原稿を狭持して原稿排出
部へ搬送する一対のロールからなる原稿排出手段を配置
し、前記原稿排出手段の手前に、当該原稿排出手段へと
搬送される原稿の先端を一対のロールが接合する部分に
誘導するガイド部材を設けるように構成されている。
【0053】すなわち、自動原稿搬送装置35におい
て、第2のプラテンガラス5を通過した原稿2は、図3
に示すように、下流側搬送経路45を介してアウトロー
ル46の搬送力によってUターン搬送経路55と下流側
搬送経路45が合流する部分63を通り、当該合流部分
63の下流側の搬送経路45bを構成する内外一対のガ
イド部材64、65によって案内され、排出ロール49
へと搬送される。その際、アウトロール46によって搬
送される原稿2が内外一対のガイド部材64、65によ
って案内され、当該原稿2の先端が一対のロールからな
る排出ロール49の上側ロールと外側ガイド部材65と
の境界部分に進入し、図6に示すように、原稿2のジャ
ムが発生する虞れがあった。
【0054】そこで、この実施の形態では、図7に示す
ように、外側ガイド部材65の排出ロール49側の端部
に、当該排出ロール49へと搬送される原稿2の先端を
一対のロールが接合する部分に誘導する誘導部材として
のリブ66が設けられている。この誘導用のリブ66
は、例えば合成樹脂等からなり、原稿2の先端を一対の
ロール49の接合部分に誘導するようにスロープ形状に
形成されている。
【0055】また更に、この実施の形態に係る自動原稿
搬送装置は、前記下流側搬送経路が反転用搬送経路と分
岐する部分に、原稿が所定の方向から当該分岐部分を通
過する際には、原稿の搬送力によって弾性変形して当該
原稿の通過を許容するとともに、上記原稿が反対の方向
から当該分岐部分を通過する際には、原稿の通過を阻止
して原稿の搬送方向を変更するように、前記分岐部分を
塞ぐように配設される平板状の弾性部材からなり、その
先端部に設けられた複数の突起部が分岐部分の対向部に
出没自在な分岐手段を配置し、更に、上記原稿が所定の
方向から分岐手段を通過して一旦停止する位置に、再度
原稿の搬送方向を反転して搬送する際に、当該原稿の先
端を分岐手段の突起部が設けられていない平板部に誘導
するガイド部材を設けるように構成されている。
【0056】すなわち、上記自動原稿搬送装置35で
は、図3に示すように、下流側搬送経路45が反転用搬
送経路52と分岐する部分47に、原稿2が所定の方向
から当該分岐部分47を通過する際には、原稿2の搬送
力によって弾性変形して当該原稿2の通過を許容すると
ともに、上記原稿2が反対の方向から当該分岐部分47
を通過する際には、原稿2の通過を阻止して原稿2の搬
送方向を変更する分岐手段としての分岐ゲート部材67
が設けられている。この分岐ゲート部材67は、図8に
示すように、下流側搬送経路45が反転用搬送経路52
と分岐する部分47を塞ぐように配設されたマイラーフ
ィルム等の薄い平板状の弾性部材からなり、その先端部
にくし歯形状に設けられた複数の突起部68は、分岐部
分47の対向壁69に設けられた凹所70に出没自在と
なっている。
【0057】そして、上記分岐ゲート部材67は、図3
に示すように、第2のプラテンガラス5上を通過して表
面の画像が読み取られた原稿2をそのまま排出する場合
には、当該原稿2の搬送力によって押し上げられ、この
分岐ゲート部材67を通過した原稿2は、図3に示す実
線の位置に傾動した反転ゲート48を介して、下流側搬
送経路45のUターン搬送経路55との合流部分63を
通過した後、下流側搬送経路45の後端部45bを通り
排出ロール49によって原稿排出トレイ50上に表面を
下にした状態で排出される。
【0058】また、上記分岐ゲート部材67は、第2の
プラテンガラス5上を通過して表面の画像が読み取られ
た原稿2の表裏両面を読み取る場合には、当該原稿2の
搬送力によって薄い平板状の弾性部材からなる分岐ゲー
ト部材67を押し上げ、今度は図3に2点鎖線で示す位
置に傾動した反転ゲート48を介して、反転用搬送経路
52を通り反転ロール51によって図1に示すように原
稿一時収容部53へと搬送される。その際、上記反転ロ
ール51によって挟持された原稿2は、その搬送方向を
反転したときに先端となる部分が、分岐ゲート部材67
を通過した位置で停止する。そして、上記反転ロール5
1を反転して原稿一時収容部53に一時収容された原稿
2を搬送する場合には、原稿2の先端が図9に示すよう
に分岐ゲート部材67によって搬送方向が反転され、両
面用搬送経路54へと搬送される。
【0059】この実施の形態では、原稿2が下流側搬送
経路45の先端部45aから分岐ゲート部材67を通過
して一旦停止する位置に、図9に示すように、再度原稿
2の搬送方向を反転して搬送する際、当該原稿2の先端
を分岐ゲート部材67の突起部68が設けられていない
平板部67aに誘導する誘導部材71が設けられてい
る。この誘導部材71は、下流側搬送経路45と反転用
搬送経路52の分岐部分47の下端部に湾曲した凸状に
形成された部材からなり、停止した原稿2の先端を持ち
上げることによって、反転ロール51によって搬送方向
が反転された原稿2の先端を、図8及び図9に示すよう
に、分岐ゲート部材67の突起部68が設けられていな
い平板部67aに誘導するようになっている。上記誘導
部材71の形状は、原稿2の搬送を妨げないように滑ら
かな形状に形成するのが望ましい。
【0060】さらに、この実施の形態に係る自動原稿搬
送装置は、下流側搬送経路が反転用搬送経路に連通する
部分と半円形状のUターン搬送経路とが分岐する部分
に、原稿が所定の方向から当該分岐部分を通過する際に
は、原稿の搬送力によって弾性変形して当該原稿の通過
を許容するとともに、上記原稿が反対の方向から当該分
岐部分を通過する際には、原稿の通過を阻止して原稿の
搬送方向を変更するように、前記分岐部分を塞ぐように
配設される平板状の弾性部材からなり、その先端部に設
けられた複数の突起部が分岐部分の対向部に出没自在な
分岐手段を配置し、更に、前記分岐部分の反転用搬送経
路側に、原稿の一部を挟持したままの状態で当該原稿を
反転用搬送経路へ搬送し、かつ当該反転用搬送経路に一
旦搬送された原稿を、その搬送方向を反転させて搬送す
る一対のロールからなる原稿搬送手段を設けるととも
に、前記原稿搬送手段を構成する一対のロールの接合部
を、当該原稿搬送手段の一対のロールによって原稿を狭
持して搬送方向を反転して搬送する際に、原稿の先端を
分岐手段の突起部が設けられていない平板部に誘導する
ように配置して構成されている。
【0061】すなわち、この実施の形態に係る自動原稿
搬送装置35では、図3に示すように、反転用搬送経路
52がUターン搬送経路55と分岐する第2の分岐部分
72に、原稿2が所定の方向から当該分岐部分72を通
過する際には、原稿2の搬送力によって弾性変形して当
該原稿2の通過を許容するとともに、上記原稿2が反対
の方向から当該分岐部分72を通過する際には、原稿2
の通過を阻止して原稿2の搬送方向を変更する分岐手段
としての分岐ゲート部材73が設けられている。この分
岐ゲート部材73は、図10に示すように、反転用搬送
経路52がUターン搬送経路55と分岐する部分72を
塞ぐように配設されたマイラーフィルム等の薄い平板状
の弾性部材からなり、その先端部にくし歯形状に設けら
れた複数の突起部74は、分岐部分72の対向壁75に
設けられた凹所76に出没自在となっている。上記凹所
76は、下流側搬送経路45から反転用搬送経路52に
渡って、反転用搬送経路52等の下部に沿って原稿2を
案内するように設けられた複数のリブ状部材77の間に
形成されている。これらのリブ状部材77は、分岐ゲー
ト部材73の上流側が低く形成されているとともに、当
該分岐ゲート部材73を通過したところで、傾斜部を介
して相対的に高く形成されている。そして、リブ状部材
77の高く形成された高所部77aは、図11に示すよ
うに、分岐ゲート部材73を通過した原稿2を一旦停止
させて、搬送方向を反転させて搬送する際に、原稿2の
先端がリブ状部材77の突起部74が設けられていない
平板部73aに誘導するように、高く形成されている。
【0062】そして、この実施の形態では、図3に示す
ように、原稿2の両面読み込み時に、下流側搬送経路4
5から反転用搬送経路52へと搬送される原稿2の搬送
力によって薄い平板状の弾性部材からなる分岐ゲート部
材73が押し上げられ、原稿2は、反転ロール51によ
って原稿一時収容部53へと搬送される。その際、反転
ロール51によって挟持された原稿2は、図11に示す
ように、その搬送方向を反転したときに先端となる部分
が、分岐ゲート部材73を通過した位置で停止する。そ
して、反転ロール51を反転して原稿一時収容部53に
一時収容された原稿2を搬送する場合には、原稿2の先
端が図11に示すように分岐ゲート部材73によって搬
送方向が変更され、Uターン搬送経路55へと搬送され
る。
【0063】この実施の形態では、原稿2が反転用搬送
経路52がUターン搬送経路55と分岐する位置72の
反転用搬送経路52側に、図11に示すように、再度原
稿2の搬送方向を反転して搬送する際、原稿2の先端を
分岐ゲート部材73の突起部74が設けられていない平
板部73aに誘導する誘導部材としてのリブ状部材77
の高所部77aが設けられている。つまり、反転用搬送
経路52からUターン搬送経路55に到る部分の下端部
には、分岐ゲート部材73のくし歯状の突起部74が入
り込む凹所76を形成する複数条のリブ状部材77が搬
送経路に沿って形成されているが、リブ状部材77の高
所部77aは、反転用搬送経路52からUターン搬送経
路55と分岐する位置72の反転用搬送経路52側の下
端部に、当該複数条のリブ状部材77を傾斜部を介して
高く設定して構成されている。そして、この複数条のリ
ブ状部材77の高く設定された高所部77aからなる誘
導部材は、停止した原稿2の先端を持ち上げることによ
って、反転ロール51によって搬送方向が反転された原
稿2の先端を、分岐ゲート部材73のくし歯状の突起部
74が設けられていない平板部73aに誘導するように
なっている。
【0064】また、反転用搬送経路52に配置された反
転ロール51のピンチロール51aは、図11に示すよ
うに、図示しないソレノイド等の駆動手段によってドラ
イブロール51bに対して接離する方向に移動可能とな
っており、この反転ロール51は、所定のタイミングで
ピンチロール51aをドライブロール51bに接触させ
ることにより原稿2を挟持搬送するとともに、原稿2を
持ち上げることによって、原稿2の先端をリブ状部材7
7の突起部74が設けられていない平板部73aに確実
に誘導するようになっている。なお、リブ状部材77に
高所部77aを設ける構成と、反転ロール51のピンチ
ロール51aをドライブロール51bに対して接離する
方向に移動可能とする構成は、必ずしも両方とも採用す
る必要はなく、どちらか一方のみを作用しても勿論よ
い。
【0065】以上の構成において、上記実施の形態に係
る自動原稿搬送装置では、次のようにして、原稿の画像
読み取り位置の下流に位置する搬送経路において、原稿
の搬送に大きな負荷が発生するのを防止することがで
き、原稿を一定の速度で確実に搬送して原稿の画像を良
好に読み取ることが可能となっている。
【0066】また、この実施の形態に係る自動原稿搬送
装置では、次のようにして、両面読み取りを生産性良く
行うために、画像読み取り位置の下流に、裏面読み取り
後に原稿を反転しながら排出する反転排出経路を設けた
場合でも、原稿の搬送に大きな負荷が発生することがな
く、原稿を一定の速度で確実に搬送して原稿の両面画像
を良好に読み込むことが可能となっている。
【0067】さらに、実施の形態に係る自動原稿搬送装
置では、次のようにして、装置の小型化および低コスト
を達成するために、原稿の搬送方向を切り替える切替手
段として、くし歯形状の爪を有する柔軟な合成樹脂製の
弾性素材等を使用した場合でも、当該切替手段によって
原稿のジャム等が発生するのを防止可能となっている。
【0068】すなわち、上記の如く構成されたデジタル
複写機に装着された自動原稿搬送装置35では、図1に
示すように、原稿セットトレイ36上に表面を上にして
原稿2がセットされ、ユーザーによって図示しないコピ
ーボタンが押されると、この原稿セットトレイ36上に
載置された原稿2は、図3に示すように、ピックアップ
ロール37によって搬送されるとともに、フィードロー
ル38及びリタードロール38aによって一枚ずつに裁
かれて、上流側搬送経路40に沿ってテイクアウェイロ
ール41によりプリレジロール42へと搬送され、一旦
停止される。そして、上記原稿2は、プリレジロール4
2によって搬送位置が調整された後、所定のタイミング
で第2のプラテンガラス5上へと一定の速度で搬送され
て、図2に示すイメージインプットタミナル(IIT)
3によって画像が読み取られる。その後、上記第2のプ
ラテンガラス5上を一定の速度で搬送された原稿2は、
図3に示すように、片面の画像のみを複写する場合に
は、下流側搬送経路45の先端部を通って分岐ゲート部
材67を押し上げ、図3の実線の位置に切り替えられた
反転ゲート48によって搬送方向が切り替えられて、下
流側搬送経路45とUターン搬送経路の合流部63を通
って、下流側搬送経路45の後端部45bに設けられた
排出ロール49により、図1に示す原稿排出トレイ50
上に表面を下にした状態で排出される。
【0069】その際、上記実施の形態に係る自動原稿搬
送装置35では、上流側のガイド部材57及び下流側の
ガイド部材60は、原稿載置トレイ36及び原稿排出ト
レイ50に対して、相対的に低い位置に設定された画像
読み取り位置43に、原稿2を搬送するように、ダウン
ヒル形状及びアップヒル形状に湾曲した形状に形成され
ており、かつ図4に示すように上流側ガイド部材58、
59cの曲率半径R1よりも下流側ガイド部材61、6
2の曲率半径R2を大きく設定するように構成されてい
るので、画像読み取り位置43を通過した原稿2は、曲
率半径が相対的に大きく設定された下流側ガイド部材6
1、62によって原稿排出トレイ50側へ搬送され、原
稿2の先端が画像読み取り位置43を通過した後の搬送
負荷を低減することができ、原稿2の移動速度が変動す
るのを防止することができ、画像の読み取りを良好に行
うことができる。
【0070】また、この実施の形態に係る自動原稿搬送
装置35では、図3に示すように、画像読み取り位置4
3の上方に、プラテンロール44を持つように構成した
ので、このプラテンロール44によって原稿2を一層安
定した状態で搬送することができ、原稿2の画像読み取
りを良好に行うことができる。
【0071】さらに、この実施の形態に係る自動原稿搬
送装置35では、半円形状のUターン搬送経路55と下
流側搬送経路45が合流する部分63の下流側で、合流
部分63の下流側の搬送経路を構成して原稿2を案内す
る内外一対のガイド部材64、65は、図3及び図5に
示すように、内側のガイド部材64が、合流部分63に
到る直前の下流側搬送経路45の搬送方向に沿って配置
され(図5の斜線の部分が搬送経路となるように略直線
状に広く形成され)、かつ外側のガイド部材65は、半
円形状のUターン搬送経路55の搬送方向に沿って配置
するように構成したので、片面画像のみの読み取りを行
う原稿2は、下流側搬送経路45を介して、下流側搬送
経路45と半円形状のUターン搬送経路55が合流する
部分63で、この合流部分63に到る直前の下流側搬送
経路45の搬送方向に沿って配置された内側のガイド部
材64によって案内されるため、画像読み取り部43よ
り下流側の原稿搬送経路を図12に示すようにストレー
トに近づけることができ、原稿2の搬送負荷を低減する
ことができ、原稿2の移動速度が変動するのを防止する
ことができ、画像の読み取りを良好に行うことができ
る。また、両面画像の読み取りを行った原稿2は、図1
3に示すように、半円形状に形成されたUターン搬送経
路55の搬送方向に沿って配置された外側ガイド部材6
5によって案内されるため、表裏を反転して排出される
原稿2を滑らかなラウンド形状に保つことができ、原稿
2をスムースに排出することができる。
【0072】また、上記実施の形態に係る自動原稿搬送
装置35において、原稿2の両面複写を行う場合には、
片面の画像が読み取られた原稿2を、下流側搬送経路4
5に沿って原稿排出トレイ50上にそのまま排出せず
に、第2のプラテンガラス5上を一定の速度で通過して
片面の画像が読み取られた原稿2は、図14に示すよう
に、下流側搬送経路45の先端部を介してアウトロール
46の搬送力により切替ゲート部材67を押し上げて、
切替ゲート部材67を通過した後、図14に示す位置に
切り替えられた反転ゲート48を介し、切替ゲート部材
73を押し上げて反転用搬送経路52に搬送される。そ
して、この反転用搬送経路52に設けられた反転ロール
51によって原稿2は、原稿一時収容部53へと搬送さ
れ、原稿1の先端が図15に示すように切替ゲート部材
67を通過した後に反転ロール51が停止され、原稿2
の搬送が一旦停止される。その後、原稿2は、図16に
示すように、反転ロール51を反転することにより、原
稿一時収容部53から反転用搬送経路52を通り、切替
ゲート部材67によって搬送方向が切り替えられて両面
用搬送経路54へと搬送され、上流側搬送経路40を介
して今度は裏面側が第2のプラテンガラス5上を一定の
速度で通過することにより、原稿2の裏面の画像が読み
取られる。この裏面の画像が読み取られた原稿2は、下
流側搬送経路45の先端部を介してアウトロール46の
搬送力により切替ゲート部材67を押し上げて、当該切
替ゲート部材67を通過した後、図14に示す位置に切
り替えられた反転ゲート48を介して反転用搬送経路5
2に搬送される。そして、この反転用搬送経路52に設
けられた反転ロール51によって原稿1は、原稿一時収
容部53へと搬送され、図17に示すように、原稿2の
先端が切替ゲート部材73を通過した後に反転ロール5
1が停止され、原稿2の搬送が一旦停止される。その
後、上記原稿2は、反転ロール51を反転することによ
り、原稿一時収容部53から反転用搬送経路52を通
り、切替ゲート部材73によって搬送方向が切り替えら
れてUターン搬送経路55を介して、図14に示すよう
に、下流側搬送経路45に設けられた排出ロール49に
よって原稿排出トレイ50上に、表面を下にした状態で
排出される。
【0073】このように、上記実施の形態に係る自動原
稿搬送装置35では、図3及び図8に示すように、下流
側搬送経路45が反転用搬送経路52と分岐する部分4
7に、原稿2が所定の方向から当該分岐部分47を通過
する際には、原稿2の搬送力によって弾性変形して当該
原稿2の通過を許容するとともに、上記原稿2が反対の
方向から当該分岐部分47を通過する際には、原稿2の
通過を阻止して原稿2の搬送方向を変更するように、前
記分岐部分47を塞ぐように配設される平板状の弾性部
材からなり、その先端部に設けられた複数の突起部68
が分岐部分47の対向部69に出没自在な分岐ゲート部
材67を配置し、更に、原稿2が所定の方向から分岐ゲ
ート部材67を通過して一旦停止する位置に、再度原稿
2の搬送方向を反転して搬送する際に、当該原稿2の先
端を分岐ゲート部材67の突起部68が設けられていな
い平板部67aに誘導する誘導部材71を設けるように
構成したので、搬送方向が反転される原稿2の先端は、
図8及び図9に示すように、誘導部材71によって分岐
ゲート部材67の突起部68が設けられていない平板部
67aに誘導されるため、原稿2の先端が分岐ゲート部
材67の突起部68の谷間に引っ掛かりジャム等が発生
するのを確実に防止することができるようになってい
る。
【0074】また、上記実施の形態に係る自動原稿搬送
装置35では、図3及び図10に示すように、下流側搬
送経路45が反転用搬送経路53に連通する部分と半円
形状のUターン搬送経路55とが分岐する部分72に、
原稿2が所定の方向から当該分岐部分72を通過する際
には、原稿2の搬送力によって弾性変形して当該原稿2
の通過を許容するとともに、原稿2が反対の方向から当
該分岐部分72を通過する際には、原稿2の通過を阻止
して原稿2の搬送方向を変更するように、分岐部分72
を塞ぐように配設される平板状の弾性部材からなり、そ
の先端部に設けられた複数のくし歯形状の突起部74が
分岐部分72の対向部75に出没自在な分岐ゲート部材
73を配置し、更に、前記分岐部分72の反転用搬送経
路52側に、原稿2の一部を挟持したままの状態で原稿
2を反転用搬送経路52へ搬送し、かつ反転用搬送経路
52に一旦搬送された原稿2を、その搬送方向を反転さ
せて搬送する一対のロールからなる反転ロール51を設
けるとともに、反転ロール51を構成する一対のロール
の接合部を、反転ロール51の一対のロールによって原
稿2を狭持して搬送方向を反転して搬送する際に、原稿
2の先端を分岐ゲート部材73の突起部74が設けられ
ていない平板部73aに誘導するように配置して構成し
たので、搬送方向が反転される原稿2の先端は、図10
及び図11、並びに図17に示すように、反転ロール5
1の一対のロールによって分岐ゲート部材73の突起部
74が設けられていない平板部73aに誘導されるた
め、原稿2の先端が分岐ゲート部材73の突起部74の
谷間に引っ掛かりジャム等が発生するのを確実に防止す
ることができる。
【0075】実験例1 次に、本発明者らは、原稿2を上流側搬送経路40を介
して第2のプラテンガラス5上へと搬送した後、当該第
2のプラテンガラス5から下流側搬送経路45を介して
原稿2を排出等する際に、第2のプラテンガラス5上の
画像読み取り位置43から原稿2を搬送する下流側搬送
経路45の形状を変えた場合に、原稿2の搬送に必要な
搬送力がどのように変化するかを確認する実験を行っ
た。
【0076】下流側搬送経路45の形状としては、図1
8(a)〜(c)に示すように直線状に形成して、その
勾配をそれぞれ異ならせたものと、図19(a)〜
(c)に示すように円弧形状に形成して、その曲率半径
をそれぞれ異ならせたものを使用した。
【0077】図20及び図21は上記実験の結果を示す
ものであり、これらのグラフから明らかなように、下流
側搬送経路45を直線状に形成した場合に比べて、下流
側搬送経路45を円弧形状に形成した方が搬送力が小さ
くして済むことがわかり、その分原稿2の搬送抵抗が小
さく安定して搬送することができることがわかる。ま
た、上記下流側搬送経路45を同じく円弧形状に形成し
た場合でも、円弧形状の曲率半径が相対的に小さい方が
搬送力が小さいことが分かる。
【0078】実験例2 また、本発明者らは、原稿2を上流側搬送経路40を介
して第2のプラテンガラス5上へと搬送した後、当該第
2のプラテンガラス5から下流側搬送経路45を介して
原稿2を排出等する際に、上流側搬送経路40及び下流
側搬送経路45を円弧形状に形成して、これら上流側搬
送経路40及び下流側搬送経路45の曲率半径をそれぞ
れ異ならせた場合に、原稿2の搬送に必要な搬送力や搬
送特性等がどのように変化するかを確認する実験を行っ
た。
【0079】上流側搬送経路40及び下流側搬送経路4
5の形状としては、図22(a)〜(d)に示すように
円弧形状に形成して、その曲率半径をそれぞれ異ならせ
るとともに、水平線に対してプリレジロール42を配置
する角度を変化させたものを使用した。
【0080】図23(a)〜(d)は上記実験の結果を
示すものであり、これらの表及びグラフから明らかなよ
うに、下流側搬送経路45の曲率半径を上流側搬送経路
40の曲率半径より大きく設定した方が、下流側搬送経
路45に原稿2の先端が突入した際の搬送力の増加がほ
とんどないことがわかり、その分原稿2の搬送抵抗が小
さく安定して搬送することができることが分かる。ま
た、水平線に対するプリレジロール42の配置角度を変
化させた場合は、図23(c)(d)に示すように、平
均的レベルが若干異なるものの、大きな差はないことが
わかった。
【0081】実験例3 さらに、本発明者らは、半円形状のUターン搬送経路5
5と下流側搬送経路45が合流する部分63で、当該合
流部分63の下流側の搬送経路を構成して原稿2を案内
する内外一対のガイド部材64、65の形状を、図3及
び図5に示すように、内側のガイド部材64が、前記合
流部分63に到る直前の下流側搬送経路45の搬送方向
に沿って配置され(図5の斜線の部分が搬送経路となる
ように直線状に広く形成され)、かつ外側のガイド部材
65は、半円形状のUターン搬送経路55の搬送方向に
沿って配置するように構成した場合と、半円形状のUタ
ーン搬送経路55と下流側搬送経路45が合流する部分
63を、半円形状のUターン搬送経路55の途中に設定
した場合とで、原稿2の搬送抵抗がどのように変化する
かを確認する実験を行った。
【0082】図24は上記実験の結果を示すものであ
り、このグラフから明らかなように、半円形状のUター
ン搬送経路55と下流側搬送経路45が合流する部分6
3で、当該合流部分63の下流側の搬送経路を構成して
原稿2を案内する内外一対のガイド部材64、65の形
状を、図3及び図5に示すように、内側のガイド部材6
4が、前記合流部分63に到る直前の下流側搬送経路4
5の搬送方向に沿って配置され(図5の斜線の部分が搬
送経路となるように広く形成され)、かつ外側のガイド
部材65は、半円形状のUターン搬送経路55の搬送方
向に沿って配置するように構成することにより、画像の
読み取り速度の変動を小さく抑えることができることが
わかる。
【0083】実施の形態2 図25はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前
記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説
明すると、この実施の形態2では、原稿の搬送経路中、
下流側搬送経路の形状や原稿を一時収容する部分の形状
等が実施の形態1と異なっている。
【0084】すなわち、この実施の形態2に係る自動原
稿搬送装置35では、図25に示すように、下流側搬送
経路45がUターン搬送経路55の上部に接続されてお
らず、下流側搬送経路45がUターン搬送経路55の下
部にのみ接続されており、原稿2の片面のみ画像の読み
取りを行う場合には、下流側搬送経路45を介して反転
ロール51によって片面用排出口80から原稿排出トレ
イ50上に排出される。また、上記原稿2の両面画像の
読み取りを行う場合には、下流側搬送経路45を介して
反転ロール51によって片面用排出口80から原稿2を
一部原稿排出トレイ50上に排出した状態で、原稿2の
先端部は、反転ロール51に挟持されたままの状態で一
旦停止させ、次に反転ロール51を反転することによ
り、下流側搬送経路45とUターン搬送経路55の分岐
部分に配置される切替ゲート部材73、及び下流側搬送
経路45と両面用搬送経路54の分岐部分に配置される
切替ゲート部材67を介して両面用搬送経路54へと搬
送する。そして、この両面用搬送経路54を介して第2
のプラテンガラス5上へ一定の速度で搬送され、裏面の
画像が読み取られた原稿2は、再度下流側搬送経路45
を介して反転ロール51によって片面用排出口80から
原稿2を一部原稿排出トレイ50上に排出した状態で、
当該原稿2の先端部は、反転ロール51に挟持されたま
まの状態で一旦停止させ、次に反転ロール51を反転す
ることにより、切替ゲート部材73を介してUターン搬
送経路55を介して排出ロール49によって原稿2の表
面を下にした状態で、両面用排出口81から原稿排出ト
レイ50上に排出するようになっている。
【0085】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。
【0086】実施の形態3 図26はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前
記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説
明すると、この実施の形態3では、原稿の搬送経路中、
下流側搬送経路の形状や原稿を一時収容する部分の形状
等が実施の形態1と異なっている。
【0087】すなわち、この実施の形態3に係る自動原
稿搬送装置35は、上記実施の形態1と異なり、下段よ
り給紙して上段に排出するフェイスダウンボトムフィー
ドのNto1フィーダーによるシステムである。
【0088】本システムでは、原稿2は、下段の原稿給
紙トイレ36よりフィーダー部から給紙されて、画像読
み取り位置43を搬送しながら露光される。露光後の原
稿2は、下流側搬送経路45を構成するUターンパスで
反転方向転換して、片面コピーの場合は、排出ロール4
9で原稿排出トレイ50に排出される。両面コピーの場
合は、反転ゲート48で再び画像読み込み位置43の上
流方向に搬送される。そのとき、フィーダー部に逆搬送
するのは困難であるために、分岐ゲート85及び86で
スイッチバック搬送経路87に誘導され反転ロール49
で搬送される。そして、原稿2の後端が分岐ゲート85
を通過すると停止して、更に逆転機動して原稿2を逆方
向搬送して裏面露光を行う。本システムの場合は、排出
原稿揃えのための反転排出パスがないために、裏面露光
の後は同じ反転動作を行って排出が行われる。
【0089】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。
【0090】実施の形態4 図27はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前
記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説
明すると、この実施の形態4では、原稿の搬送経路中、
下流側搬送経路の形状や原稿を一時収容する部分の形状
等が実施の形態1と異なっている。
【0091】すなわち、この実施の形態4に係る自動原
稿搬送装置35は、Uターンパスを使用しないフラット
型のペーパーパスを採用したタイプを示すものである。
【0092】この自動原稿搬送装置35は、図27に示
すように、プラテン上に原稿載置トレイを持ち、フェイ
スダウンボトムフィードの1toNフィーダー部で送り
込まれ、読み込み部を搬送しながら露光される。露光さ
れた原稿2は、排出ロールで原稿排出トレイに排出され
る。
【0093】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。
【0094】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
記載された発明は、上流側及び下流側のガイド部材は、
原稿載置部及び原稿排出部に対して、相対的に低い位置
に設定された画像読み取り位置に、原稿を搬送するよう
湾曲した形状に形成されており、かつ上流側ガイド部材
の曲率半径よりも下流側ガイド部材の曲率半径を大きく
設定するように構成されているので、画像読み取り位置
を通過した原稿は、曲率半径が相対的に大きく設定され
た下流側ガイド部材によって原稿排出部側へ搬送され、
原稿の先端が画像読み取り位置を通過した後の搬送負荷
を低減することができ、原稿の移動速度が変動するのを
防止することができ、画像の読み取りを良好に行うこと
ができる。
【0095】また、この発明は、両面読み取りを生産性
良く行うために、画像読み取り位置の下流に、裏面読み
取り後に原稿を反転しながら排出する反転排出経路を設
けた場合でも、原稿の搬送に大きな負荷が発生すること
がなく、原稿を一定の速度で確実に搬送して原稿の両面
画像を良好に読み込むことが可能な自動原稿搬送装置を
提供することができる。
【0096】さらに、この発明は、装置の小型化および
低コストを達成するために、原稿の搬送方向を切り替え
る切替手段として、くし歯形状の爪を有する柔軟な合成
樹脂製の弾性素材等を使用した場合でも、当該切替手段
によって原稿のジャム等が発生するのを防止可能な自動
原稿搬送装置を提供することができる。
【0097】また、請求項2に記載された発明は、前記
所定の画像読み取り位置の上方に、原稿搬送手段を持つ
ように構成したので、原稿を一層安定した状態で搬送す
ることができ、原稿の画像読み取りを良好に行うことが
できる。
【0098】さらに、請求項3に記載された発明は、半
円形状のUターン搬送経路と下流側搬送経路が合流する
部分で、当該合流部分の搬送経路を構成して原稿を案内
する内外一対のガイド部材は、内側のガイド部材が、前
記合流部分に到る直前の下流側搬送経路の搬送方向に沿
って配置され、かつ外側のガイド部材は、半円形状のU
ターン搬送経路の搬送方向に沿って配置するように構成
したので、片面画像のみの読み取りを行う原稿は、下流
側搬送経路を介して、当該下流側搬送経路と半円形状の
Uターン搬送経路が合流する部分で、この合流部分に到
る直前の下流側搬送経路の搬送方向に沿って配置された
内側のガイド部材によって案内されるため、画像読み取
り部より下流側の原稿搬送経路をストレートに近づける
ことができ、原稿の搬送負荷を低減することができ、原
稿の移動速度が変動するのを防止することができ、画像
の読み取りを良好に行うことができる。また、両面画像
のみの読み取りを行った原稿は、半円形状に形成された
Uターン搬送経路の搬送方向に沿って配置された外側ガ
イド部材によって案内されるため、表裏を反転して排出
される原稿を滑らかなラウンド形状に保つことができ、
原稿をスムースに排出することができる。
【0099】また更に、請求項4に記載された発明は、
請求項3に記載の自動原稿搬送装置において、前記半円
形状の反転搬送経路と下流側搬送経路が合流する部分の
下流に、原稿を狭持して原稿排出部へ搬送する一対のロ
ールからなる原稿排出手段を配置し、前記原稿排出手段
の手前に、当該原稿排出手段へと搬送される原稿の先端
を一対のロールが接合する部分に誘導する誘導部材を設
けるように構成したので、下流側搬送経路に沿って搬送
される原稿の先端がガイド部材とローラの隙間に入り込
んでジャム等が発生するのを確実に防止することができ
る。
【0100】更に、請求項5に記載された発明は、下流
側搬送経路が反転用搬送経路と分岐する部分に、原稿が
所定の方向から当該分岐部分を通過する際には、原稿の
搬送力によって弾性変形して当該原稿の通過を許容する
とともに、上記原稿が反対の方向から当該分岐部分を通
過する際には、原稿の通過を阻止して原稿の搬送方向を
変更するように、前記分岐部分を塞ぐように配設される
平板状の弾性部材からなり、その先端部に設けられた複
数の突起部が分岐部分の対向部に出没自在な分岐手段を
配置し、更に、上記原稿が所定の方向から分岐手段を通
過して一旦停止する位置に、再度原稿の搬送方向を反転
して搬送する際に、当該原稿の先端を分岐手段の突起部
が設けられていない平板部に誘導する誘導部材を設ける
ように構成したので、搬送方向が反転される原稿の先端
は、誘導部材によって分岐手段の突起部が設けられてい
ない平板部に誘導されるため、原稿の先端が分岐手段の
突起部の谷間に引っ掛かりジャム等が発生するのを確実
に防止することができる。
【0101】また、請求項6に記載された発明は、請求
項5に記載の自動原稿搬送装置において、上記下流側搬
送経路が反転用搬送経路に連通する部分と半円形状のU
ターン搬送経路とが分岐する部分に、原稿が所定の方向
から当該分岐部分を通過する際には、原稿の搬送力によ
って弾性変形して当該原稿の通過を許容するとともに、
上記原稿が反対の方向から当該分岐部分を通過する際に
は、原稿の通過を阻止して原稿の搬送方向を変更するよ
うに、前記分岐部分を塞ぐように配設される平板状の弾
性部材からなり、その先端部に設けられた複数の突起部
が分岐部分の対向部に出没自在な分岐手段を配置し、更
に、前記分岐部分の反転用搬送経路側に、原稿の一部を
挟持したままの状態で当該原稿を反転用搬送経路へ搬送
し、かつ当該反転用搬送経路に一旦搬送された原稿を、
その搬送方向を反転させて搬送する一対のロールからな
る原稿搬送手段を設けるとともに、前記原稿搬送手段を
構成する一対のロールの接合部を、当該原稿搬送手段の
一対のロールによって原稿を狭持して搬送方向を反転し
て搬送する際に、原稿の先端を分岐手段の突起部が設け
られていない平板部に誘導するように配置して構成した
ので、搬送方向が反転される原稿の先端は、原稿排出手
段の一対のロールによって分岐手段の突起部が設けられ
ていない平板部に誘導されるため、原稿の先端が分岐手
段の突起部の谷間に引っ掛かりジャム等が発生するのを
確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係る自動原稿搬送装置の一
実施の形態を示す構成図である。
【図2】 図2はこの発明に係る自動原稿搬送装置を適
用したデジタル複写機の一実施の形態を示す構成図であ
る。
【図3】 図3はこの発明に係る自動原稿搬送装置の一
実施の形態を示す要部構成図である。
【図4】 図4はこの発明に係る自動原稿搬送装置の一
実施の形態を示す要部説明図である。
【図5】 図5はこの発明に係る自動原稿搬送装置の一
実施の形態を示す要部構成図である。
【図6】 図6はこの発明を適用する前の自動原稿搬送
装置の排出部を示す構成図である。
【図7】 図7(a)(b)はこの発明の一実施の形態
に係る自動原稿搬送装置の排出部をそれぞれ示す側面構
成図及び正面構成図である。
【図8】 図8は分岐ゲート部材を示す斜視図である。
【図9】 図9は分岐ゲート部材を示す断面構成図であ
る。
【図10】 図10は分岐ゲート部材を示す斜視図であ
る。
【図11】 図11は分岐ゲート部材を示す構成図であ
る。
【図12】 図12は原稿の搬送状態を示す構成図であ
る。
【図13】 図13は原稿の搬送状態を示す構成図であ
る。
【図14】 図14は原稿の搬送状態を示す構成図であ
る。
【図15】 図15は原稿の搬送状態を示す構成図であ
る。
【図16】 図16は原稿の搬送状態を示す構成図であ
る。
【図17】 図17は原稿の搬送状態を示す構成図であ
る。
【図18】 図18(a)〜(c)は上流側搬送経路の
異なった形状をそれぞれ示す構成図である。
【図19】 図19(a)〜(c)は上流側搬送経路の
異なった形状をそれぞれ示す構成図である。
【図20】 図20は実験結果を示すグラフである。
【図21】 図21は実験結果を示すグラフである。
【図22】 図22(a)〜(d)は上流側及び下流側
搬送経路の異なった形状をそれぞれ示す構成図である。
【図23】 図23(a)〜(d)は実験結果をそれぞ
れ示すグラフである。
【図24】 図24(a)(b)は実験結果をそれぞれ
示すグラフである。
【図25】 図25はこの発明に係る自動原稿搬送装置
の実施の形態2を示す構成図である。
【図26】 図26はこの発明に係る自動原稿搬送装置
の実施の形態3を示す構成図である。
【図27】 図27はこの発明に係る自動原稿搬送装置
の実施の形態4を示す構成図である。
【図28】 図28は従来の自動原稿搬送装置の分岐手
段を示す斜視図である。
【符号の説明】
35 自動原稿搬送装置、36 原稿セットトレイ、3
7 ピックアップロール,38 フィードロール、38
a リタードロール、40 上流側搬送経路、41 テ
イクアウェイロール、42 プリレジロール、43 画
像読み取り位置、44 プラテンロール、46 アウト
ロール、49 排出ロール、50 原稿排出トレイ、5
7 上流側ガイド部材、58 内側ガイド部材、59
外側ガイド部材、60 下流側ガイド部材、61 内側
ガイド部材、62 外側ガイド部材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の原稿が載置可能な原稿載置部
    と、前記原稿載置部上に載置された原稿を一枚ずつ分離
    した状態で、所定の画像読み取り位置へ一定の速度で搬
    送する上流側搬送手段と、前記所定の画像読み取り位置
    を通過した原稿を原稿排出部へ搬送する下流側搬送手段
    と、前記上流側搬送手段と画像読み取り位置との間に配
    置された原稿を案内する上流側ガイド部材と、前記画像
    読み取り位置と下流側搬送手段との間に配置された原稿
    を案内する下流側ガイド部材とを有する自動原稿搬送装
    置において、 前記上流側及び下流側のガイド部材は、原稿載置部及び
    原稿排出部に対して、相対的に低い位置に設定された画
    像読み取り位置に、原稿を搬送するよう湾曲した形状に
    形成されており、かつ上流側ガイド部材の曲率半径より
    も下流側ガイド部材の曲率半径を大きく設定したことを
    特徴とする自動原稿搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の画像読み取り位置の上方に、
    原稿搬送手段を持つことを特徴とする請求項1記載の自
    動原稿搬送装置。
  3. 【請求項3】 複数枚の原稿が載置可能な原稿載置部
    と、前記原稿載置部上に載置された原稿を一枚ずつ分離
    した状態で、所定の画像読み取り位置へ一定の速度で搬
    送する上流側搬送手段と、前記所定の画像読み取り位置
    を通過した原稿を原稿排出部へ搬送する下流側搬送手段
    と、前記上流側搬送手段と画像読み取り位置との間に配
    置された原稿を案内する上流側搬送経路と、前記画像読
    み取り位置と下流側搬送手段との間に配置された原稿を
    案内する下流側搬送経路と、前記下流側搬送経路に接続
    され、原稿の表裏を反転させるために当該原稿を一時所
    定の位置に搬送する反転用搬送経路と、前記反転用搬送
    経路に接続され、当該反転用搬送経路によって所定の位
    置に搬送された原稿を表裏を反転して再度上流側搬送経
    路へ搬送する両面用搬送経路と、前記反転用搬送経路と
    下流側搬送経路の原稿排出部側の部分との間に介在さ
    れ、原稿を反転させて排出するための半円形状のUター
    ン搬送経路とを有する自動原稿搬送装置において、 前記半円形状のUターン搬送経路と下流側搬送経路が合
    流する部分で、当該合流部分の搬送経路を構成して原稿
    を案内する内外一対のガイド部材は、内側のガイド部材
    が、前記合流部分に到る直前の下流側搬送経路の搬送方
    向に沿って配置され、かつ外側のガイド部材は、半円形
    状のUターン搬送経路の搬送方向に沿って配置されてい
    ることを特徴とする自動原稿搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記半円形状の反転搬送経路と下流側搬
    送経路が合流する部分の下流に、原稿を狭持して原稿排
    出部へ搬送する一対のロールからなる原稿排出手段を配
    置し、前記原稿排出手段の手前に、当該原稿排出手段へ
    と搬送される原稿の先端を一対のロールが接合する部分
    に誘導する誘導部材を設けたことを特徴とする請求項3
    記載の自動原稿搬送装置。
  5. 【請求項5】 複数枚の原稿が載置可能な原稿載置部
    と、前記原稿載置部上に載置された原稿を一枚ずつ分離
    した状態で、所定の画像読み取り位置へ一定の速度で搬
    送する上流側搬送手段と、前記所定の画像読み取り位置
    を通過した原稿を原稿排出部へ搬送する下流側搬送手段
    と、前記上流側搬送手段と画像読み取り位置との間に配
    置された原稿を案内する上流側搬送経路と、前記画像読
    み取り位置と下流側搬送手段との間に配置された原稿を
    案内する下流側搬送経路と、前記下流側搬送経路に接続
    され、原稿の表裏を反転させるために当該原稿を一時所
    定の位置に搬送する反転用搬送経路と、前記反転用搬送
    経路に接続され、当該反転用搬送経路によって所定の位
    置に搬送された原稿を表裏を反転して再度上流側搬送経
    路へ搬送する両面用搬送経路と、前記反転用搬送経路と
    下流側搬送経路の原稿排出部側の部分との間に介在さ
    れ、原稿を反転させて排出するための半円形状のUター
    ン搬送経路とを有する自動原稿搬送装置において、 前記下流側搬送経路が反転用搬送経路と分岐する部分
    に、原稿が所定の方向から当該分岐部分を通過する際に
    は、原稿の搬送力によって弾性変形して当該原稿の通過
    を許容するとともに、上記原稿が反対の方向から当該分
    岐部分を通過する際には、原稿の通過を阻止して原稿の
    搬送方向を変更するように、前記分岐部分を塞ぐように
    配設される平板状の弾性部材からなり、その先端部に設
    けられた複数の突起部が分岐部分の対向部に出没自在な
    分岐手段を配置し、更に、上記原稿が所定の方向から分
    岐手段を通過して一旦停止する位置に、再度原稿の搬送
    方向を反転して搬送する際に、当該原稿の先端を分岐手
    段の突起部が設けられていない平板部に誘導するガイド
    部材を設けたことを特徴とする自動原稿搬送装置。
  6. 【請求項6】 上記下流側搬送経路が反転用搬送経路に
    連通する部分と半円形状のUターン搬送経路とが分岐す
    る部分に、原稿が所定の方向から当該分岐部分を通過す
    る際には、原稿の搬送力によって弾性変形して当該原稿
    の通過を許容するとともに、上記原稿が反対の方向から
    当該分岐部分を通過する際には、原稿の通過を阻止して
    原稿の搬送方向を変更するように、前記分岐部分を塞ぐ
    ように配設される平板状の弾性部材からなり、その先端
    部に設けられた複数の突起部が分岐部分の対向部に出没
    自在な分岐手段を配置し、更に、前記分岐部分の反転用
    搬送経路側に、原稿の一部を挟持したままの状態で当該
    原稿を反転用搬送経路へ搬送し、かつ当該反転用搬送経
    路に一旦搬送された原稿を、その搬送方向を反転させて
    搬送する一対のロールからなる原稿搬送手段を設けると
    ともに、前記原稿搬送手段を構成する一対のロールの接
    合部を、当該原稿搬送手段の一対のロールによって原稿
    を狭持して搬送方向を反転して搬送する際に、原稿の先
    端を分岐手段の突起部が設けられていない平板部に誘導
    するように配置したことを特徴とする請求項5記載の自
    動原稿搬送装置。
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US7512375B2 (en) 2004-09-17 2009-03-31 Ricoh Company, Ltd. Image forming method and apparatus capable of automatically conveying documents
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