JPH10181897A - 給紙部材用ゴム組成物、給紙部材及び給紙装置 - Google Patents

給紙部材用ゴム組成物、給紙部材及び給紙装置

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JPH10181897A
JPH10181897A JP8354532A JP35453296A JPH10181897A JP H10181897 A JPH10181897 A JP H10181897A JP 8354532 A JP8354532 A JP 8354532A JP 35453296 A JP35453296 A JP 35453296A JP H10181897 A JPH10181897 A JP H10181897A
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rubber
paper
oil
rubber composition
paper feeding
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JP8354532A
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English (en)
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Tsutomu Yamada
力 山田
Hirotaka Yamazaki
博貴 山崎
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的短時間で加硫することができ、しかも
ブルームに起因する種々の問題を生じることもなく、良
好な給紙性能を長期に亘って維持することができる、エ
チレン−プロピレン−ジエンゴムを主材とする給紙部材
用ゴム組成物、表面にこのゴム組成物のゴム層が形成さ
れた給紙部材及びこの給紙部材が搭載された給紙装置を
提供することを目的とする。 【解決手段】 エチレン−プロピレン−ジエンゴムを主
成分とするゴム組成物に、加硫促進剤としてチウラム系
加硫促進剤を添加した給紙部材用ゴム組成物、表面にこ
のゴム組成物のゴム層が形成された給紙部材及びこの給
紙部材が搭載された給紙装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリン
タ、ファクシミリ等に好適に用いられる給紙(紙以外の
薄葉体状物を含む)ローラ等の給紙部材用のゴム組成
物、このゴム組成物のゴム層が表面に形成された給紙部
材及びこの給紙部材を搭載した給紙装置に関し、更に詳
述すると、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを主成分
としているにも拘らず、比較的短時間で加硫することが
でき、しかもブルームに起因する種々の問題を生じるこ
ともなく、良好な給紙性能を長期に亘って維持すること
ができる給紙ローラ等の給紙部材の表面層を与えるゴム
組成物、表面にこのゴム組成物のゴム層が形成された給
紙部材及びこの給紙部材が搭載された給紙装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写機
やプリンタ、或いはファクシミリ等の給紙機構を有する
装置には給紙ローラ等の給紙部材が搭載されている。例
えば、複写機の給紙装置に搭載される紙送り機構の中で
用いられる給紙ローラや摩擦分離材については、優れた
紙送り特性を有し、しかもローラ間に挟まれる紙等の相
手材に対する汚染がないもの及び耐久性の優れたものと
するためにその形状や材質に様々なものが提案されてい
る。
【0003】従来、上記給紙ローラ用に使用される材料
としては、紙葉類の安定した給紙性に優れ、かつ複写機
などのように高濃度のオゾンが発生する環境での耐久性
に優れる給紙部材用の材料としてエチレン−プロピレン
−ジエンゴム(EPDM)が好適に使用されている。
【0004】しかしながら、エチレン−プロピレン−ジ
エンゴムは、側鎖二重結合を有しているものの、天然ゴ
ム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の
ゴムに比較すると側鎖二重結合の量が少ないので、同じ
条件、同じ加硫促進剤の種類,量であると、大幅に加硫
が遅れるという欠点がある。
【0005】この場合、加硫を速めるためには加硫促進
剤,イオウ(加硫剤)の量を増やせばよいが、これらの
添加量を増やすと、耐熱性や耐圧縮永久歪を低下させる
上、配合した加硫促進剤やイオウがゴム表面に吹き出
す、いわゆるブルームが起こり、このブルームにより外
観ばかりでなく給紙性能をも著しく低下させてしまうこ
ととなる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、比較的短時間で加硫することができ、しかもブルー
ムに起因する種々の問題を生じることもなく、良好な給
紙性能を長期に亘って維持することができる、エチレン
−プロピレン−ジエンゴムを主材とする給紙部材用ゴム
組成物、表面にこのゴム組成物のゴム層が形成された給
紙部材及びこの給紙部材が搭載された給紙装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを主成分とす
るゴム組成物に、加硫促進剤としてチウラム系加硫促進
剤を添加することにより、イオウ(加硫剤)及びその他
の加硫促進剤の配合量を増量することなく、むしろ少量
の使用により加硫速度を速くして、適正な加硫速度で効
果的な加硫架橋を行うことができ、更にこれら加硫剤及
び加硫促進剤の使用量を少量とすることができるので、
ブルームの発生も可及的に防止し得、良好な給紙性能が
得られると共に、この良好な給紙性能を長期に亘って維
持し得ることを見い出し、本発明を完成したものであ
る。
【0008】なお、上記エチレン−プロピレン−ジエン
ゴムを主成分とするゴム組成物としては、油展エチレン
−プロピレン−ジエンゴムを主成分とするゴム組成物、
又は油展エチレン−プロピレン−ジエンゴムと伸展油を
含有しない非油展エチレン−プロピレン−ジエンゴムと
を混合した混合ゴムを主成分とするゴム組成物、或いは
伸展油を含有しない非油展エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴムを主成分とするゴム組成物のいずれであってもよ
い。また、上記油展エチレン−プロピレン−ジエンゴム
とは、エチレン−プロピレン−ジエンゴム100重量部
に対して伸展油又は低分子量ポリマーを20〜120重
量部含有するものをいう。
【0009】従って、本発明は、(1)エチレン−プロ
ピレン−ジエンゴム100重量部に対して伸展油又は低
分子量ポリマーを20〜120重量部含有する油展エチ
レン−プロピレン−ジエンゴム、又は該油展エチレン−
プロピレン−ジエンゴムと伸展油を含有しない非油展エ
チレン−プロピレン−ジエンゴムとの混合ゴムを主成分
とするゴム組成物に、チウラム系の加硫促進剤を配合し
たことを特徴とする給紙部材用ゴム組成物、(2)伸展
油を含有しない非油展エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ムを主成分とするゴム組成物に、チウラム系の加硫促進
剤を配合したことを特徴とする給紙部材用ゴム組成物、
(3)給紙機構を有する装置に搭載される給紙部材にお
いて、この給紙部材の少なくとも一部に(1)又は
(2)の給紙部材用ゴム組成物を用いたことを特徴とす
る給紙部材、(4)給紙方向に回転するフィードローラ
と、用紙の通路を挟んで備えられる反給紙方向に回転す
るリバースローラと、積載された用紙の最上部の用紙を
送り出すピックアップローラとを有する給紙装置におい
て、該給紙装置に搭載される各給紙ローラの少なくとも
1つ以上のローラが(3)の給紙部材からなることを特
徴とする給紙装置、(5)用紙を送るための給紙ローラ
とこの給紙ローラに近接して設けられた摩擦分離部材と
を有する給紙装置において、この給紙装置に搭載される
給紙ローラ又は摩擦分離部材が(3)の給紙部材からな
ることを特徴とする給紙装置を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のゴム組成物に用いるゴム材料は、給紙部材とし
て給紙装置に搭載されて使用される環境条件や要求性能
の点から、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPD
M)が用いられ、これを主成分とするものである。この
場合、特に制限されるものではないが、耐摩耗性を考慮
する場合には、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が7
0以上となる分子量の高いEPDMであって、かつ、そ
のエチレン含有率が50〜75重量%の範囲のものが好
ましく用いられる。また場合によっては、EPDMに他
のゴム成分を混合して用いることもでき、この場合他の
ゴム成分としては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーン
ゴム等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上
をブレンドすることができる。また場合によっては、E
PDMに熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーを混合し
て用いることもでき、この場合の熱可塑性樹脂、熱可塑
性エラストマーとしては、エチレン−エチレン/ブチレ
ン−エチレン共重合体、エチレン−エチレン/ブチレン
−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−
スチレン共重合体等が例示される。
【0011】上記エチレン−プロピレン−ジエンゴムと
しては、伸展油が添加されたもしくは低分子量ポリマー
が含まれた油展ゴムを用いても、伸展油が添加されてい
ない非油展ゴムを用いても、これら油展ゴムと非油展ゴ
ムとを混合して使用してもよい。
【0012】ここで、伸展油、低分子量ポリマーとして
は、特に制限されるものではないが、EPDMとの相溶
性を勘案すれば、鉱物系のオイル又はオリゴマーが好ま
しく、更には、芳香族系成分を含まないパラフィン系、
ナフテン系のオイルが最も好ましい。伸展油、低分子量
ポリマーの含有量は、エチレン−プロピレン−ジエンゴ
ム100重量部に対して20〜120重量部とされ、好
ましくは40〜110重量部とされる。伸展油又は低分
子量ポリマーの含有量が20重量部未満であると、低硬
度ゴムが得られず、給紙ローラに必要な給紙性能が不十
分となり、油展ゴムを用いる利点を得ることができず、
一方120重量部を超えると、オイルのブリードによる
摩擦係数の低下が発生し、給紙不良が発生し易くなって
しまう。
【0013】また、非油展エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴムを用いる場合は、可塑剤を配合する必要がある
が、可塑剤としては、非油展EPDMとの相溶性を鑑み
て、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、フタル酸
エステル、ステアリン酸エステル及びリン酸エステル等
から選ばれる1種又は2種以上を混合したものが好まし
く用いられる。その配合量に特に制限はなく、目的とす
る硬度によって調整されるが、ブリード性のほか、一般
ゴム特性の点から多量に配合することは好ましくない。
【0014】なお、油展EPDMと非油展EPDMとを
混合して用いる場合、その混合割合は制限されない。こ
の場合にも、上記可塑剤を配合する場合には、油展EP
DMに含有される伸展油あるいは低分子量ポリマーの重
量部と合わせて20〜120重量部、特に40〜110
重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0015】本発明の給紙用ゴム組成物は、加硫剤及び
チウラム系加硫促進剤を添加して加硫架橋され各種給紙
部材に供されるものである。この場合、加硫剤としては
イオウ、ペルオキシド(過酸化物)等を用いることがで
きるが、本発明では特にイオウを用いた場合にその効果
が顕著であり、加硫剤としてはイオウを用いることが好
ましい。
【0016】上記チウラム系加硫促進剤としては、テト
ラメチルチウラムジスルフィド(分子量240.4
4)、テトラエチルチウラムジスルフィド(分子量29
6.55)テトラブチルチウラムジスルフィド(分子量
408.76)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チ
ウラムジスルフィド(分子量633.18)、テトラメ
チルチウラムモノスルフィド(分子量208.37)、
ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(分子量3
84.70)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上
を混合して用いることができる。この場合、特に制限さ
れるものではないが、上記テトラキス(2−エチルヘキ
シル)チウラムジスルフィド(分子量633.18)等
の分子量が600以上のチウラム系加硫促進剤を用いこ
とが好ましく、これによりブルームの発生をより確実に
防止し得る。また、これらチウラム系加硫促進剤と他の
加硫促進剤とを組み合わせて用いてもよく、この場合他
の加硫促進剤としては、ジチオカルバミン酸塩系加硫促
進剤、チアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加
硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チオウレア系加硫
促進剤、アルデヒドアミン系加硫促進剤、アルデヒドア
ンモニア系加硫促進剤などを例示することができる。
【0017】上記加硫剤の配合量は、特に制限されるも
のではないが、上記EPDM100重量部に対して0.
5〜2重量部、特に0.7〜1.5重量部とすることが
でき、また上記チウラム系加硫促進剤の配合量は、特に
制限されるものではないが、2×10-3〜10×10-3
モル、特に4×10-3〜8×10-3モルとすることが好
ましく、本発明のゴム組成物は、このような少量の加硫
剤及び加硫促進剤の使用により、適正な加硫速度で効果
的な加硫架橋を行うことができると共に、加硫剤及び加
硫促進剤の使用量が少量であるが故にこれら加硫剤や加
硫促進剤がゴム表面に吹き出すブルームの発生を可及的
に防止し得るものである。
【0018】なお、上記加硫剤の配合量が0.5重量部
未満であったり、上記チウラム系加硫促進剤の配合量が
2×10-3モル未満であると、加硫に長時間を要したり
十分な加硫架橋が行われない場合があり、一方加硫剤の
配合量が2重量部を超えたり、チウラム系加硫促進剤の
配合量が10×10-3モルを超えると、耐熱性や圧縮永
久歪が低下したり、加硫剤や加硫促進剤がゴム表面に吹
き出すブルームを生じる場合がある。
【0019】本発明のゴム組成物には、上記加硫剤及び
加硫促進剤と共に、加硫助剤(エチレングリコールジメ
タクリレート(EDMA)、トリアリルイソシアヌレー
ト(TAIC)、N,N’−m−フェニレンジマレイミ
ド(バルノックPM)等)、各種充填剤(カーボンブラ
ック、ホワイトカーボン、白蝋華CC等)、老化防止剤
(スチレン化フェノール(アンテージSP−P)、2,
6ジ−ターシャルブチル−4−メチルフェノール(ノク
ラック200)、ジブチルハイドロゲンホスファイト
(DBP)等)などの一般的な配合剤及び帯電防止剤
(導電性カーボン(ケッチェンブラックEC)、白色導
電粉等)を配合して加硫することにより、本発明の給紙
装置に搭載される給紙ローラ等の給紙部材を得ることが
できる。
【0020】更に、本発明ゴム組成物には、必要に応じ
て、更に次のような充填材、即ち、クレー、珪藻土、タ
ルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミ
ニウム等の鱗片状無機充填材、各種の金属粉、木片、ガ
ラス粉、セラミック粉、粒状ないし粉末ポリマー等の粒
状ないし粉末固体充填材、その他各種の天然又は人工の
短繊維、長繊維(例えば、ワラ、毛、ガラスファイバ
ー、金属ファイバー、その他各種のポリマーファイバー
等)などを配合することができる。
【0021】本発明では、上記給紙部材用ゴム組成物
を、給紙機構を有する装置に搭載される各種の給紙部材
に用いることができる。この場合、かかる給紙部材は少
なくともその表面に上記ゴム組成物のゴム層を形成する
ことが有利である。また、本発明は、給紙方向に回転す
るフィードローラと、用紙の通路を挟んで備えられる反
給紙方向に回転するリバースローラ及び積載された用紙
の最上部の用紙を送り出すピックアップローラとを有す
る給紙装置において、この給紙装置に搭載される各給紙
ローラの少なくとも1つ以上のローラを上記給紙部材と
した給紙装置、及び、用紙を送るための給紙ローラとこ
の給紙ローラに近接して設けられた摩擦分離部材とを有
する給紙装置において、この給紙装置に搭載される給紙
ローラ又は摩擦分離部材を上記給紙部材とした給紙装置
を提供する。
【0022】本発明にかかる給紙部材の構成には、特に
制限はなく、上述のゴム組成物のみで構成されるもので
あってもよく、また既存のゴム材料や金属材等と積層構
造とするなどして組み合わせて用いてもよいが、上記ゴ
ム組成物のゴム層が表面に形成されていることが必要で
ある。
【0023】例えば、図1で示すように、給紙ローラ1
の場合には、シャフト2上に本発明にかかるゴム組成物
のゴム層3を形成して給紙ローラとした後、図3に示す
給紙装置に装着することができ、また本発明にかかるゴ
ム組成物を図4に示す摩擦分離部材12に使用すること
もできる。なお、図中4はボルト、5は普通紙、6はチ
ャック、7はテフロン板、8はピックアップローラ、9
はフィードローラ、10はリバースローラ、11は用
紙、12は摩擦分離部材、13はロードセルである。
【0024】本発明にかかる給紙部材は、表面に研削研
磨によるアブレージョンパターンを与えたり、又は、予
め金型表面に特殊なパターンを彫り込み、これをローラ
表面に転写することによってローラ表面にパターンを作
る等により優れた給紙特性を付与することができる。
【0025】本発明の給紙ローラ等の給紙部材は、給紙
特性が安定的に優れ、ローラ間に挟まれる紙等の相手材
を汚すことが少ない給紙ローラが提供される。しかも加
硫促進剤としてチウラム系加硫促進剤を用いたことによ
り、短時間で効果的な加硫架橋を行うことができ、生産
性にも優れた給紙ローラが提供される。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限され
るものではない。 [実施例1]エチレン−プロピレン−ジエン(EPD
M)ゴム(日本合成ゴム社製「EP98A」)100重
量部とパラフィン系オイル(伸展油)75重量部とから
なるEPDMゴム(日本合成ゴム社製「EP98A」)
175重量部に対して、炭酸カルシウム(白石カルシウ
ム社製「白艶華カルモス」)10重量部、加硫剤として
イオウ1重量部、加硫促進剤としてテトラメチルチウラ
ムジスルフィド(分子量240.44)4×10-3モル
を配合し、混合物をニーダーを用いて、100℃で15
分間混練りし、この混合物を金型内にセットして170
℃にて加圧,加硫成形し、所定の給紙ローラ用ゴム(円
筒形状品)を作成した。
【0027】[実施例2]加硫促進剤として、テトラメ
チルチウラムジスルフィドに代えて、テトラエチルチウ
ラムジスルフィド(分子量296.55)を用いた以外
は、実施例1と同様にして給紙ローラ用ゴム(円筒形状
品)を作成した。
【0028】[実施例3]加硫促進剤として、テトラメ
チルチウラムジスルフィドに代えて、テトラブチルチウ
ラムジスルフィド(分子量408.76)を用いた以外
は、実施例1と同様にして給紙ローラ用ゴム(円筒形状
品)を作成した。
【0029】[実施例4]加硫促進剤として、テトラメ
チルチウラムジスルフィドに代えて、テトラキス(2−
エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(分子量63
3.18)を用いた以外は、実施例1と同様にして給紙
ローラ用ゴム(円筒形状品)を作成した。
【0030】[実施例5]加硫促進剤として、テトラメ
チルチウラムジスルフィドに代えて、テトラメチルチウ
ラムモノスルフィド(分子量208.37)を用いた以
外は、実施例1と同様にして給紙ローラ用ゴム(円筒形
状品)を作成した。
【0031】[実施例6]加硫促進剤として、テトラメ
チルチウラムジスルフィドに代えて、ジペンタメチレン
チウラムテトラスルフィド(分子量384.70)を用
いた以外は、実施例1と同様にして給紙ローラ用ゴム
(円筒形状品)を作成した。
【0032】[実施例7]テトラキス(2−エチルヘキ
シル)チウラムジスルフィド(分子量633.18)の
配合量を8×10-3モルとした以外は、実施例4と同様
にして給紙ローラ用ゴム(円筒形状品)を作成した。
【0033】[比較例1]加硫促進剤として、テトラメ
チルチウラムジスルフィドに代えて、チウラム系でない
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェン
アミド(分子量264)2×10-3モルと2−メルカプ
トベンゾチアゾール(分子量167)2×10-3モルを
配合した以外は、実施例1と同様にして給紙ローラ用ゴ
ム(円筒形状品)を作成した。
【0034】[比較例2]加硫剤のイオウの配合量を
2.1重量部とした以外は、比較例1と同様にして給紙
ローラ用ゴム(円筒形状品)を作成した。
【0035】[比較例3]N−シクロヘキシル−2−ベ
ンゾチアゾリルスルフェンアミド(分子量264)の配
合量を4×10-3モルとすると共に、2−メルカプトベ
ンゾチアゾール(分子量167)の配合量を4×10-3
モルとした以外は、比較例1と同様にして給紙ローラ用
ゴム(円筒形状品)を作成した。
【0036】得られた上記各給紙ローラ用ゴムについ
て、以下の方法によりブルーム性、摩擦係数保持性、摩
耗性、給紙性(通紙状況)を評価した。結果を表1,2
に示す。 (1)ブルーム性 加硫成形して得られた給紙ローラ用ゴムを室温(20〜
30℃)に6か月放置して、ゴム表面の状態を目視観察
した。 (2)摩擦係数保持性 加硫成形して得られた給紙ローラ用ゴムを図2に示した
摩擦係数測定試験機の軸にセットして、押圧力300g
f、線速度210mm/sで回転させながら、普通コピ
ー紙(リコー社製、普通紙T6200)を搬送する力を
測定し、押圧力300gfを除して摩擦係数とした。こ
の測定を給紙ローラ用ゴム作成初期と6か月放置後に行
い、その結果を比較した。なお図2中、3は試験対象の
給紙ローラ用ゴム、4はボルト、5は普通紙、6はチャ
ック、7はテフロン板、13はロードセルである。 (3)摩耗性 加硫成形して得られた給紙ローラ用ゴムを図4に示した
複写機給紙部の給紙ローラ8としてセットし、普通紙
(リコー社製、普通紙T6200)1万枚給紙(通紙)
後のローラ外径の変化(減少)量(mm)を調べた。 (4)給紙性(通紙性) 加硫成形して得られた給紙ローラ用ゴムを図4に示した
複写機給紙部(給紙装置)の給紙ローラ8としてセット
し、普通紙(リコー社製、普通紙T6200)1万枚給
紙(通紙)中の状況を、発生した紙詰まりの回数で評価
した。紙詰まりの回数が少ないほど給紙性に優れるもの
といえる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】表1に示されているように、実施例1〜6
の本発明にかかるゴム組成物は、少量の配合で適正な加
硫が行えるチウラム系の加硫促進剤を用いているため、
加硫により適正なゴム強度が得られ、耐摩耗性に優れる
と共に、ブルームの発生もないので摩擦係数の保持性に
も優れ、その結果安定した給紙(通紙)を長期に亘って
行い得ることが確認された。なお、実施例7のゴム組成
物は、分子量が600以上のチウラム系加硫促進剤を用
いているので、加硫促進剤の配合量を増加してもブルー
ムの発生が抑制されており、摩擦係数の保持性に優れ、
その結果安定した給紙性を有するものであった。また、
加硫促進剤を多量に使用しても加硫により適正なゴム強
度が得られ、耐摩耗性にも問題がないものであった。
【0040】これに対して、表2に示されているよう
に、比較例1のゴム組成物は、チウラム系でない加硫促
進剤を少量適量に使用しており、ブルームの発生はない
が、加硫により適正なゴム強度が得られていないためか
らか、結果的に耐摩耗性に劣るものであった。また、ブ
ルームに関しても目視上は発生していなかったが、摩擦
係数の保持性の観点では低下があり、給紙性にも問題が
あることからみて、十分な非ブルーム性であるとはいえ
ない。また、比較例2のゴム組成物は、イオウの増量に
より適正なゴム強度が得られ、耐摩耗性は問題なかった
が、ブルームが発生し、摩擦係数が低下していると共
に、給紙性にも問題があった。更に、比較例3のゴム組
成物は、チウラム系でない加硫促進剤を多量に使用した
結果、耐摩耗性は改善したもののブルームが発生し、摩
擦係数が低下していると共に、給紙性にも問題があっ
た。
【0041】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、例えば上記実施例ではEPDMに配合さ
れる伸展油としてパラフィン系オイルのみしか示してい
ないが、ナフテン系オイルでもかまわないし、ゲルのよ
うな半固体のものを用いてもよい。更に、油展EPDM
と非油展EPDMとを混合して用いてもよいし、非油展
EPDMを用いることもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明の給紙部材用ゴム組成物によれ
ば、複写機のように高濃度のオゾンが発生する環境での
耐久性に優れた給紙部材用ゴムとして好適に使用されて
いるエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)が
抱えている、加硫剤としてイオウを用いた場合のブルー
ムの発生を可及的に防止することができ、しかも適正な
加硫速度で良好に加硫架橋を行うことができる。従っ
て、このゴム組成物を用いた本発明にかかる給紙用部材
によれば、長期に亘って安定した摩擦力を得ることがで
きると共に、紙葉類への汚染を引き起こすこともない耐
久性、給紙性に優れた給紙用部材を得ることができる。
更に、この給紙用部材を複写機やファクシミリ等の各種
OA機器の給紙用ローラ等の給紙部材として適用するこ
とにより、耐久性に優れると共に、紙詰まりや紙汚れを
生じることなくこれらOA機器を安定的に運転すること
ができ、その産業上の技術的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における給紙ローラの一例を示す概略断
面図である。
【図2】本発明における給紙ローラの摩擦力測定の概略
図である。
【図3】本発明における給紙装置の一例を示す要部断面
図である。
【図4】本発明における給紙ローラ及び摩擦分離部材を
搭載した給紙装置の要部断面図である。
【符号の説明】
1 給紙ローラ 2 シャフト 3 ゴム組成物 4 ボルト 5 普通紙 6 チャック 7 テフロン板 8 給紙ローラ(ピックアップローラ) 9 給紙ローラ(フィードローラ) 10 給紙ローラ(リバースローラ) 11 用紙 12 摩擦分離部材 13 ロードセル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−プロピレン−ジエンゴム10
    0重量部に対して伸展油又は低分子量ポリマーを20〜
    120重量部含有する油展エチレン−プロピレン−ジエ
    ンゴム、又は該油展エチレン−プロピレン−ジエンゴム
    と伸展油を含有しない非油展エチレン−プロピレン−ジ
    エンゴムとの混合ゴムを主成分とするゴム組成物に、チ
    ウラム系の加硫促進剤を配合したことを特徴とする給紙
    部材用ゴム組成物。
  2. 【請求項2】 伸展油を含有しない非油展エチレン−プ
    ロピレン−ジエンゴムを主成分とするゴム組成物に、チ
    ウラム系の加硫促進剤を配合したことを特徴とする給紙
    部材用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 上記チウラム系の加硫促進剤として、分
    子量が600以上のものを用いた請求項1又は2記載の
    給紙部材用ゴム組成物。
  4. 【請求項4】 給紙機構を有する装置に搭載される給紙
    部材において、この給紙部材の少なくとも一部に請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の給紙部材用ゴム組成物を
    用いたことを特徴とする給紙部材。
  5. 【請求項5】 給紙方向に回転するフィードローラと、
    用紙の通路を挟んで備えられる反給紙方向に回転するリ
    バースローラと、積載された用紙の最上部の用紙を送り
    出すピックアップローラとを有する給紙装置において、
    該給紙装置に搭載される各給紙ローラの少なくとも1つ
    以上のローラが請求項4記載の給紙部材からなることを
    特徴とする給紙装置。
  6. 【請求項6】 用紙を送るための給紙ローラとこの給紙
    ローラに近接して設けられた摩擦分離部材とを有する給
    紙装置において、この給紙装置に搭載される給紙ローラ
    又は摩擦分離部材が請求項4記載の給紙部材からなるこ
    とを特徴とする給紙装置。
JP8354532A 1996-12-19 1996-12-19 給紙部材用ゴム組成物、給紙部材及び給紙装置 Pending JPH10181897A (ja)

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JP2011072162A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Tokai Rubber Ind Ltd 誘電膜およびそれを用いたトランスデューサ
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