JPH10181185A - インクジェット記録体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録体及びその製造方法

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JPH10181185A
JPH10181185A JP8342066A JP34206696A JPH10181185A JP H10181185 A JPH10181185 A JP H10181185A JP 8342066 A JP8342066 A JP 8342066A JP 34206696 A JP34206696 A JP 34206696A JP H10181185 A JPH10181185 A JP H10181185A
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JP
Japan
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ink
layer
polyalkylene oxide
jet recording
ink jet
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JP8342066A
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English (en)
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Nami Riyuu
波 劉
Hiroyuki Nemoto
浩幸 根本
Masami Kubota
雅美 久保田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光沢性、インク吸収速度、印字濃度に優れる
インクジェット記録体を提供する。 【解決手段】支持体に少なくとも1層の架橋した熱可塑
性ポリアルキレンオキサイドを含有する下層と、少なく
とも1層の多孔性を有する上層を具備するインクジェッ
ト記録体。多孔性を有す上層が平均粒径10〜300n
mの微粒子顔料を含有することを特徴とする上記インク
ジェット記録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光沢性、インク吸収
性、印字濃度に優れるインクジェット記録体、或いは透
明タイプのインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ノズルから
高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記
録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒
音が低い等の特徴を有する。この方式では、使用される
インクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を
得るためには、大量のインクを用いる必要がある。ま
た、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴
が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴
が融合してインクのドットが接合するという不都合が生
じやすい。そして、このインクジェット記録方式で使用
される記録体としては、印字ドットの濃度が高く、色調
が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて印字
ドットが重なった場合においてもインクの滲みがないこ
と等が要求される。最近、インクジェットプリンターの
急速な普及に対応して、印刷分野では、各種出版物や包
装等の用途で、高光沢のある写真並の印刷物が求められ
ている。一般にインクジェット記録方式用インクは水、
有機溶媒、染料、添加剤などにより構成されている。
水、有機溶媒の量が8割以上を占めるため、インクジェ
ット記録体は吸水性、溶媒吸収性を備える必要がある。
一般に市販されているインクジェット専用紙は細孔を有
する顔料(数μmオーダー)とバインダーにより構成さ
れ、使用する顔料が大きいため、記録層の透明性を保つ
ために、塗布量をかなり少なく抑える必要があった。塗
布量が少ないとインク吸収容量が不足し、インクが表面
から溢れ、ニジミという現象が生じる。塗布量を多くす
ると、記録層の表面の平滑性及び光沢を望むことが難し
く、また印字濃度も大きく低下する。
【0003】光沢を付与する目的で、溶解・膨潤により
インクを吸収する水もしくは多価アルコールと親和性を
有する樹脂を塗被したインクジェット記録体が多く報告
されている(特公昭62−55995号公報、特公平4
−34954号公報、特公平5−26654号公報
等)。これらの水もしくは多価アルコールと親和性を有
する樹脂により構成される記録層は透明性が高く、OH
Pとして多く利用されている。また、高印字濃度も得ら
れやすいため、光沢インクジェット記録体としても市販
されている。しかし、記録層は溶解・膨潤によりインク
を吸収するため、インクが滲みやすく、またインクの乾
燥速度も遅く、印字後に長時間にわたって記録面がべと
つき、取り扱い難い問題があった。さらに、記録層の耐
水性が不十分なために高湿下でブロッキングしたり、水
滴や汗の付着で記録画像が滲んでしまうといった問題が
あった。また、熱可塑性架橋ポリアルキレンオキシドを
含有するインクジェット記録シート(特開平6−336
077号公報等)が提案されている。熱可塑性樹脂ポリ
アルキレンオキシドを含有すると、インク吸収速度が速
く、インクの乾燥速度も普通の親水性樹脂ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体よ
り良好だが、依然としてインクの乾燥速度や耐水性が不
十分であり、また、印字後に光沢がなくなるといった問
題があった。
【0004】上記の問題を解決するために、水もしくは
多価アルコールと親和性を有する樹脂記録層の上にイン
ク通過層として多孔質層を設ける報告がある(特公平6
−84099号公報等)。インク透過層を設けると、イ
ンク吸収速度、インクの乾燥速度、インク定着性、耐ブ
ロッキング性等が向上するが、インク通過層は酢酸ビニ
ル、アクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリアミドな
どのポリマーを使用し、微細孔を形成するため、乾燥
時、または乾燥後に特殊な方法を用いる必要がある。例
えば、発泡剤の混入や樹脂との相溶性が悪い揮発性溶剤
を分散、乳化させておき、多孔層形成後、溶剤を揮発さ
せて微細孔を作る方法等が挙げられている。しかしこれ
らの方法は煩雑で、できた微細孔も小さすぎて、吸収速
度を自由にコントロールすることが殆ど不可能であっ
た。特に、最近のインクジェットプリンターの印字速度
は大幅に向上したため、高速で射出されたインクをすば
やく吸収することが困難であり、インクが滲みやすい問
題があった。また、これらのポリマー多孔質層は光沢性
が得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、より優れた光沢性を有し、インク吸収性、印字
濃度に優れるインクジェット記録体、或いは透明タイプ
のインクジェット記録体(OHP用等)及びその製造方
法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】支持体に設ける下層に熱
可塑性樹脂ポリアルキレンオキサイドを架橋したものを
含有させると、下層のインク吸収速度が上層と同レベル
になり、高速で射出されたインクをすばやく吸収するこ
とが可能で、インクの滲みの心配が全くない。また、熱
可塑性であるため、加工が簡便で、高平滑面が得られ
る。さらに、多孔性記録層を成形面に塗被成膜した後、
架橋ポリアルキレンオキサイド含有層に転写すると、よ
り高印字濃度、高インク吸収性を有し、優れた光沢のイ
ンクジェット記録体が得られる。尚、成形面を変えるこ
とによってマット調等の高印字濃度、高インク吸収性を
有するインクジェット記録体を得ることも可能である。
【0007】本発明は以下の様態を含むがこれらに限る
ものではない。 [1]支持体に少なくとも1層の架橋した熱可塑性ポリ
アルキレンオキサイドを含有する下層と、少なくとも1
層の多孔性を有する上層を具備するインクジェット記録
体。 [2]多孔性を有する上層が平均粒径10〜300nm
の微粒子顔料を含有することを特徴とする[1]記載の
インクジェット記録体。 [3]多孔性を有する上層が成形面に塗被成膜された
後、支持体に設けた架橋した熱可塑性ポリアルキレンオ
キサイド含有層上に転写され、成形面を剥離してなり、
支持体、架橋した熱可塑性ポリアルキレンオキサイド含
有下層、多孔性を有する上層を具備するインクジェット
記録体の製造方法。
【0008】[4]多孔性を有する上層が水溶性樹脂を
含有することを特徴とする[1]記載のインクジェット
記録体。 [5]架橋した熱可塑性ポリアルキレンオキサイドがポ
リアルキレンオキシドとジオールをイソシアネート化合
物で架橋したものである[1]記載のインクジェット記
録体。 [6]下層が架橋した熱可塑性ポリアルキレンオキシド
を20〜80重量%含有する[1]記載のインクジェッ
ト記録体。 [7]多孔性を有する上層がカチオン性物質を含有する
ことを特徴とする[1]記載のインクジェット記録体。 [8]架橋した熱可塑性ポリアルキレンオキシド含有下
層がカチオン性物質を含有することを特徴とする[1]
記載のインクジェット記録体。 [9]平均粒径10〜300nmの微粒子顔料が1次粒
径3〜40nmの凝集体である[2]記載のインクジェ
ット記録体。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、支持体としては
特に限定されず、例えば、セロハン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、上質
紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラ
フト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、
水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙などが適宜使
用される。
【0010】架橋された熱可塑性ポリアルキレンオキサ
イド樹脂は特にインク吸収速度に優れる。架橋ポリエチ
レンオキサイドはポリエチレンオキサイドを架橋して得
られ、熱可塑性を有する。熱可塑性の架橋ポリアルキレ
ンオキサイドとしては重量平均分子量が1000〜10
0万のもの、例えば1万〜10万のものが用いられ、例
えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重
合体、ポリブチレンオキサイド及びこれらの混合物が挙
げられる。架橋ポリアルキレンオキサイドとしては、ポ
リアルキレンオキサイドをイソシアネート化合物で架橋
させたものや、ポリアルキレンオキサイドとジオールを
イソシアネート化合物で架橋させたものが例示できる。
特にポリアルキレンオキサイドとジオールをイソシアネ
ート化合物で架橋させたものが好ましい。ジオールとし
てはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
9−ノナンジオール等が例示できる。イソシアネート化
合物としては、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリ
レンジイソシアネート等の分子内にイソシアネート基を
2個以上有するものが例示できる。
【0011】架橋ポリアルキレンオキサイドそのままで
は、溶剤吸収容量が大きすぎたり、強度や耐熱性などが
不足する場合があるので、補強剤として各種樹脂を混合
したり、耐熱性や安定性の向上のため無機フィラー、酸
化防止剤等を配合して用いる。架橋ポリアルキレンオキ
サイドに混合する樹脂としては架橋ポリアルキレンオキ
サイドとの混合分散性良好であれば、特に制限無く使用
することが可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリアミドなどが
挙げられる。
【0012】また本発明の効果を阻害しない範囲で、他
の樹脂を混合することもできる。他のポリアルキレンオ
キサイド樹脂(熱可塑性、水溶性、溶剤系等)、ポリビ
ニルアルコール(各種変性ポリビニルアルコールも含
む)、部分ケン化ポリビニルアルコール(ケン化度95
%以下、好ましくは90%以下)、ポリビニルピロリド
ン、カゼイン、デンプン、デンプン誘導体、水溶性セル
ロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、
ポリビニルメチルエーテル、ゼラチン等各種公知のもの
が挙げられる。
【0013】更に耐熱性を上げるには無機フィラーの配
合が効果的である。例えば、シリカ、アルミナ、ゼオラ
イト、炭酸カルシウムなどを少量添加できる。その他、
酸化防止剤、変色防止剤、紫外線劣化防止剤も適宜配合
できる。下層の架橋ポリアルキレンオキサイドの含有量
は、20%以上が好ましく、より好ましくは30%以上
である。少ない量では十分なインク吸収性が得られない
恐れがある。上限は特にないが、記録層の強度不足が生
じる場合もあるため80%以下が好ましい。
【0014】架橋ポリアルキレンオキサイド含有層を支
持体に形成する方法としては、一般ラミネート法(例え
ば:エクストルージョンラミネート法)が挙げられる。
この製造方法は加工が簡便で、また、優れた表面平滑性
が得られやすい利点がある。記録層の塗布厚みとしては
1〜200μm、好ましくは5〜100μmに調節され
る。架橋ポリアルキレンオキサイド含有層は1層であっ
ても多層であってもよい。
【0015】続いて、本発明の多孔性記録層について詳
細に説明する。多孔性を有する上層(多孔性記録層とも
いう)は少なくとも顔料と接着剤(バインダー)を含有
する。顔料としては、たとえば、シリカ、コロイダルシ
リカ、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化
錫、硫酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム、擬ベーマイト、炭酸カルシウム、サチンホワ
イト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、
珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素
樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プ
ラスチックピグメント等、一般塗被紙分野で公知の各種
顔料を適宜使用できる。ただし、本発明では高印字濃度
を得るために10〜300nmの微粒子顔料が好まし
い。10〜300nmの微粒子顔料が2次粒子(分散
体)であるとより好ましい。粒径が小さいと十分なイン
ク吸収速度が得られない場合もあり、一方、粒径が大き
くても、記録層の透明性が低下し、高印字濃度が得られ
ない場合がある。一次粒子は3〜40nmが好ましい。
平均粒径10〜300nmの微粒子を得るためには一般
市販のμmオーダーの微粒子(例えば:合成非晶質シリ
カ)を機械的手段で強い力を与えることにより得られ
る。つまり、breaking down法(塊状原料
を細分化する方法)によって得られる。機械的手段とし
ては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒
体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、擂解機、サンド
グラインダー等の機械的手法が挙げられる。本発明でい
う平均粒径はすべて電子顕微鏡(SEMとTEM)で観
察した粒径である(マーチン径を平均したもの。「微粒
子ハンドブック」、朝倉書店、p52参照、1991
年)。
【0016】多孔性記録層(多孔性の上層)を成膜させ
るのに、接着剤(バインダー)を含有させる。接着剤
(バインダー)としては、水溶性樹脂(たとえばポリビ
ニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質
類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体
ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル
系共重合体ラテックスなどの一般に塗被紙に用いられて
いる公知の接着剤(バインダー)が単独或いは併用して
用いられる。多孔性記録層と架橋した熱可塑性ポリアル
キレンオキサイドを含有する樹脂記録層の密着性を上げ
るためには、水溶性樹脂が好ましい。
【0017】多孔性記録層の顔料と接着剤(バインダ
ー)の固形分重量比は限定しないが顔料100重量部に
対し2〜200重量部、好ましくは5〜100重量部の
範囲に調節される。接着剤(バインダー)の添加量が多
いと、粒子間の細孔が小さくなり、インク吸収速度が得
られにくい。一方、接着剤(バインダー)が少ないと塗
被層にひび割れが入りやすい。本発明の記録層(多孔性
記録層または架橋したポリアルキレンオキサイド含有層
とも)中にはカチオン性樹脂を添加して使用してもよ
い。これによりインク定着性を向上させることができ
る。カチオン樹脂としては、例えばポリエチレンアミン
やポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリ
アミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級
アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミ
ン等が挙げられる。なお、カチオン樹脂の添加量として
は顔料100部に対し、1〜30重量部、より好ましく
は5〜20重量部の範囲で調節される。その他、一般塗
被紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、
着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加さ
れる。
【0018】多孔性記録層(多孔性の上層)の塗被量は
特に限定するものではないが、1〜80g/m2 、好ま
しくは2〜40g/m2 に調節するのが好ましい。少な
いと均一塗膜が得られにくく、多くても効果が飽和し、
また、塗膜にひび割れが生じやすくなる。多孔性記録層
は1層であっても、多層であってもよい。
【0019】何れの記録層を得るための塗被コーターと
してはブレードコーター、エアーナイフコーター、ロー
ルコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッド
ブレードコーター、リップコーター、カーテンコータ
ー、ダイコーター等の各種公知の塗被装置が挙げられ
る。
【0020】本発明のインクジェット記録用シートは支
持体上に架橋ポリアルキレンオキサイド含有層を設け、
予め成形面上に設けた多孔性記録層(上層)と圧着し
て、成型面を剥離することにより製造することができ、
これによりより光沢性、平滑性により優れた記録体が得
られる。記録層間の圧着条件(温度、圧力)は、架橋ポ
リアルキレンオキサイド含有層と多孔性記録層の接着力
が成形面と多孔性記録層の接着力より大きくなれば特に
限定しないが、好ましくは圧着温度20〜100℃、圧
力5Kg/cm(線圧)以上に調節される。
【0021】成形面に使用される材料としては、高表面
平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル等のプラスチックフィルム類、ポリエチレンラミ
ネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属
フォイル、合成紙等可とう性を有するシート類及び無機
ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有するド
ラムや板類が適宜使用される。特に、製造工程及び成形
面と記録層の剥離適性等の観点から、高分子フィルム
(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)、
高平滑表面を有する金属ドラムが好ましい。
【0022】成形面は光沢を付与する目的では平滑であ
る方が好ましい。成形面の表面粗さ(JISB 060
1)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好まし
くはRaが0.05μm以下である。尚、表面粗さをコ
ントロールして、セミグロス調、マット調などの風合い
をもたせることも可能である。成形面は無処理のままで
よいが、記録層と支持体(或いは他の記録層)の接着力
よりも、成形面と記録層の接着力を小さく制御するた
め、成形面の塗被面にシリコーンやフッ素樹脂等の剥離
性を有する化合物を塗被して使用することが可能であ
る。
【0023】本発明のインクジェット記録方法で使用さ
れるインクとしては、像を形成するための色素と該色素
を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必
要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵
抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または
分散安定化剤等を添加して調整される。
【0024】インクに使用される記録剤としては直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分
散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来
公知のものは特に制限なく使用することができる。この
ような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要
求される特性などに依存して決定されるが、本発明にお
けるインクの場合も、従来のインク中におけるような配
合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような
使用で特に問題はない。本発明で用いられるインクの溶
媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキル
アルコール類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケ
トンまたはケトンアルコール類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類、エチレングリコール、、ポロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリ
コール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、グリセリン、エチレング
リコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル
(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類などが挙げられる。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた
固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。尚、
塗布量は特に断らない限り乾燥塗工量を示す。 [シリカゾル]平均粒径3.0μの凝集体合成非晶質シ
リカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil H
D−2,1次粒径11nm)を用い、サンドグラインダ
ーにより分散した後、超音波ホモジナイザーでさらに分
散し、平均粒子径が70nmの2次粒径になるまでサン
ドグラインダーと超音波ホモジナイザーの分散操作を繰
り返し、10%の水溶液を製造した。尚、分散体粒径測
定法は下記による。TEM(透過型電子顕微鏡、H−3
00、日立製作所社製)により観察した。分散体を0.
5%に薄めた後、コロジオン膜上に滴下し、風乾した
後、観察に用いた。電子顕微鏡倍率は2万倍、5万倍、
10万倍より適宜選択した。
【0026】実施例1 熱可塑性架橋ポリアルキレンオキサイド(住友精化社
製、商品名:アクアコーク)を市販塗工紙(新王子製紙
社製、商品名:OKコート、127.9g/m2)に厚
みが20μmとなるようにエクストルージョンラミネー
ト法により加工した。続いて、前記70nmの凝集体シ
リカゾル100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社
製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケ
ン化度:99%以上)40部を混合した10%水溶液を
メイヤーバーで塗被量が5g/m2 となるように上記記
録層(下層)上に設け、乾燥して、本発明のインクジェ
ット記録体を製造した。
【0027】実施例2 熱可塑性架橋ポリアルキレンオキサイド(住友精化社
製、商品名:アクアコーク)を市販塗工紙(新王子製紙
社製、商品名:OKコート、127.9g/m2)に厚
みが20μmとなるようにエクストルージョンラミネー
ト法によりラミネート加工した。続いて、前記70nm
の凝集体のシリカゾル100部に、ポリビニルアルコー
ル(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:
3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した1
0%水溶液をメイヤーバーで塗被量が5g/m2となる
ように成形面(PETフィルム、東レ社製、75μm、
商品名:ルミラーT、表面粗さRa=0.02μm)に
塗被乾燥した。次に、記録層面同士が対面するように貼
り合わせ、50℃、20Kg/cmのカレンダーを通し
た後、成型面を剥離し、本発明のインクジェット記録体
を製造した。
【0028】比較例1 ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−
420、重合度:2000、ケン化度:80%)10%
の水溶液を調製し、市販塗工紙(新王子製紙社製、商品
名:OKコート、127.9g/m2 )にラミネート加
工したもの(エクストルージョンラミネート法により塗
工紙表面にポリエチレンを20μmラミネートしたも
の、以下ラミネート塗工紙と称す)に塗布量が20g/
2 となるように塗被乾燥してインクジェット記録体を
得た。 比較例2 熱可塑性架橋ポリアルキレンオキサイド(住友精化社
製、商品名:アクアコーク)を市販塗工紙(新王子製紙
社製、商品名:OKコート、127.9g/m2)に厚
みが25μmとなるようにラミネート加工してインクジ
ェット記録体を得た。
【0029】比較例3 ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−
420、重合度:2000、ケン化度:80%)10%
の水溶液を調製し、比較例1と同様にして得たラミネー
ト塗工紙に乾燥塗布量が15g/m2 となるように塗被
乾燥した。続いて、1次粒子よりなり凝集してない平均
粒径85nmのコロイダルシリカ(日産化学社製、スノ
ーテックス ZL)100部に、ポリビニルアルコール
(クラレ社製、商品名:PVA−117、重合度:18
00、ケン化度:98.5%)10部を混合した15%
水溶液をメイヤーバーで塗被量が5g/m2 となるよう
に上記記録層上に設け、乾燥してインクジェット記録体
を製造した。 比較例4 未架橋ポリアルキレンオキサイド(住友精化社製、商品
名:PEO−1)の3%水溶液を作製し、市販塗工紙
(王子製紙製、商品名:OKコート、127.9g/m
2 )に厚みが10μmとなるように塗工乾燥した。続い
て、前記70nmの凝集体シリカゾル100部に、ポリ
ビニルアルコール(クラレ社製、PVA−135H)4
0部を混合した10%の水溶液をメイヤーバーで塗工量
が5g/m2 となるように上記塗工層上に設け、乾燥し
てインクジェット記録体を製造した。
【0030】[評価方法]実施例、比較例で得られたイ
ンクジェット記録体のインク吸収速度、光沢性等は以下
に示す方法で評価した。光沢性とインク吸収速度につい
ては市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製、
商標:BJC−600J)で記録を行った場合のベタ部
分の光沢度、インク吸収速度、印字濃度を示す。 [インク吸収速度]イエロー、マゼンタ、シアンの各単
色を印字し、印字直後から5秒毎にプリントした印字面
に上質紙を貼合せ、インクが上質紙に転写するかどうか
を観察する。全く転写しなくなるまでの時間を測定す
る。測定された秒数を3段評価した(○:10秒以下、
△:10〜60秒、×:60秒以上)。インクが乾燥す
るまでの時間が10秒以下のものはインク吸収速度に優
れる。
【0031】[印字濃度]黒ベタ部の印字濃度をマクベ
ス反射濃度計(Macbeth、RD−920)を用い
て測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値であ
る。 [印字部の光沢感(照り感)]印字部の光沢感は印字部
に対して20°の横角度から目視し、以下のように評価
した。 ◎:銀塩方式のカラー写真と同レベルの照り感がある。 ○:カラー写真より劣るが、高い照り感を有する。 △:塗工紙の印刷品並。 ×:一般PPC紙並。
【0032】[印字部ベタツキ感]黒ベタ印字部に、印
字直後から10秒毎に手で軽く押さえ、指紋が印字部に
付かなくなる時間を測定し評価した。 ○:10秒以下 △:10秒〜60秒 ×:60秒以上 [印字ムラ]赤(イエロー+マゼンタ)、グリーン(イ
エロー+シアン)をベタ印字し、印字部の色の均一性
(ムラの有無)を観察する。 ◎:色が均一であり、全くムラが観察されない。 ○:多少のムラ(色の濃淡差)があり、問題のないレベ
ル。 △:ムラが多く観察される。 ×:ムラが非常に多く、使用し得ない状態。
【0033】[塗膜平滑性]目視で塗膜の表面平滑性を
観察した。 ◎:塗膜の表面に凹凸が殆ど見られなく、極めて平滑で
ある。 ○:僅かに凹凸が見られるが、平滑である。 △:表面に多くの凹凸が見られる。 ×:表面がかなりぼこつく状態。 [インク耐湿性]40℃、90%の恒温恒湿器に印字後
の本発明の記録体を24時間保存し、印字部の滲みを下
記のように評価した。 ○:滲みが少ない。 △:滲みはあるが、使用可能。 ×:滲みがひどく、使用不可。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明で得ら
れたインクジェット記録体はインク吸収速度が速く、か
つインク受理後高光沢性、高印字濃度を有し、かつ耐湿
性も良好なインクジェット記録体である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に少なくとも1層の架橋した熱可塑
    性ポリアルキレンオキサイドを含有する下層と、少なく
    とも1層の多孔性を有する上層を具備するインクジェッ
    ト記録体。
  2. 【請求項2】多孔性を有する上層が平均粒径10〜30
    0nmの微粒子顔料を含有することを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録体。
  3. 【請求項3】多孔性を有する上層が成形面に塗被成膜さ
    れた後、支持体に設けた架橋した熱可塑性ポリアルキレ
    ンオキサイド含有層上に転写され、成形面を剥離してな
    り、支持体、架橋した熱可塑性ポリアルキレンオキサイ
    ド含有下層、多孔性を有する上層を具備するインクジェ
    ット記録体の製造方法。
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