JPH10180307A - 条鋼用鋼片の製造方法 - Google Patents

条鋼用鋼片の製造方法

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JPH10180307A JP35588996A JP35588996A JPH10180307A JP H10180307 A JPH10180307 A JP H10180307A JP 35588996 A JP35588996 A JP 35588996A JP 35588996 A JP35588996 A JP 35588996A JP H10180307 A JPH10180307 A JP H10180307A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続鋳造鋳片から棒鋼や線材などに圧延され
る内部品質の良好な条鋼用鋼片の製造方法を得る。 【解決手段】 連続鋳造鋳片から分塊圧延により条鋼用
鋼片を製造する方法において、鋳片の連続鋳造に際して
電磁攪拌または/および低温鋳造により中心部を含む1
0%以上の領域の凝固組織を等軸晶化し、凝固完了後、
該鋳片を切断し所定の温度に加熱した後、形状比が1.
0以上(軽圧下を適用の場合0.8以上)を満足する厚
み方向および幅方向の圧延を少なくとも各1パスずつ圧
延して鋼片を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、条鋼用鋼片の製造
方法に関し、特に、連続鋳造鋳片から棒鋼や線材などの
圧延に供される内部品質の良好な条鋼用鋼片を得るため
の条鋼用鋼片の製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、棒鋼や線材などの圧延に供さ
れる条鋼用鋼片の素材としては、一般に連続鋳造法によ
って製造するブルームが使用されている。ここで、この
連続鋳造ブルームは、通常の場合、条鋼用鋼片の約4〜
15倍程度の断面積を有する大断面サイズで鋳造されて
おり、これを所要大きさに切断し、且つ加熱後に、分塊
圧延して所定サイズの鋼片に成形するのである。
【0003】ところで、近年に到り、分塊圧延工程の簡
略化を目的にして、連続鋳造ブルームの断面サイズを小
さくすることが要求されている。しかし、このように連
続鋳造ブルームの断面サイズを小さくし、且つ分塊圧延
での減面量を小さくするにつれて、連続鋳造の凝固過程
で内部に形成されるセンターポロシティーが、分塊圧延
時においても圧着されずに鋼片内に残存し、これが超音
波探傷時に欠陥として判定され易くなるという不都合を
生ずることになる。
【0004】このような連続鋳造鋳片でのセンターポロ
シティー等の内部欠陥を改善する手段については、従来
から数多くの報告がなされている。その代表例として、
特公昭59−16862号公報や特公平2−56982
号公報には、凝固末期の鋳片を軽圧下することによって
中心偏析やセンターポロシティーを防止する手段が述べ
られている。また、特公昭64−4868号公報には、
電磁攪拌によって鋳造組織を等軸晶化し、且つ凝固末期
での軽圧下を併用することによってセミマクロ偏析を防
止する手段が、さらに、CAMP−ISIJ,Vol.4(19
91),297 には、凝固界面組織を等軸晶化することによっ
て凝固末期での軽圧下時の内部割れを防止する手段が述
べられている。これらの各改善手段は、そのいずれもが
連続鋳造機内で中心部に未凝固の溶鋼を有する鋳片に対
して軽圧下を加えることにより、偏析やセンターポロシ
ティーを改善するもので、且つその際に凝固組織の等軸
晶化を行うのは、軽圧下時の内部割れ防止や偏析の分散
を促すためである。
【0005】一方、凝固完了直後の鋳片に圧下を加えて
センターポロシティーを圧着させる手段に関しては、例
えば、特公平6−28784号公報に、凝固スラブの中
心部を等軸晶化凝固させ、その凝固完了直後に1対の面
状加圧装置により軽圧下する手段が述べられている。そ
して、この場合、中心部を等軸晶化するのは、偏析の分
散のためであり、等軸晶化で必然的に形成されるセンタ
ーポロシティーに対しては、凝固直後に面状加圧装置に
より圧着させることで内部健全性に優れた厚鋼板用スラ
ブを製造するのである。
【0006】また、圧延過程における鋼片でのセンター
ポロシティーの圧着については、センターポロシティー
の変形収縮に引き続いて圧着という過程で行われるが、
一般に、下記の数3,〔3〕式で与えられる形状比(Ld
/Hm)が増加するほど、その圧縮応力が中心部にも作用
して圧着に有効であるものとされている。
【0007】
【数3】
【0008】ここで、R はロール半径、h0は入側鋼片厚
み、h1は出側鋼片厚み、Hmは平均鋼片厚み、Ldはロール
接触孤長である。
【0009】さらに、圧延過程でのセンターポロシティ
ーの圧着と形状比との関係については、例えば、特開平
3−47916号公報には、先ず、形状比 0.4以下で1
パスないし数パスの圧延を行い、次いで、形状比を 0.7
以上にして少なくとも1パス以上の圧延を施す手段が述
べられている。この圧延手段は、前段の圧延において表
層部に加工歪を蓄積して表層部の変形抵抗を増大させ、
且つ後段の圧延において中心部の圧縮応力を高め、これ
によりセンターポロシティーを圧着させて厚鋼板を製造
するのである。
【0010】その他、『鉄と鋼』、67(1981),S339 に
は、パススケジュールの改善による強圧下圧延法が、
『鉄と鋼』、67(1981),S369 には、幅中央部の部分冷却
による温度差圧延と強圧下圧延の組み合わせになる手段
がそれぞれに述べられている。これらは、そのいずれも
が中心部の圧縮応力を高めてセンターポロシティーの圧
着性を向上させる厚鋼板の圧延方法に関している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造鋳片のセンタ
ーポロシティーは、凝固末期の中心部未凝固溶鋼の凝固
収縮により形成されるものであり、これを防止するため
には、凝固末期の鋳片に対して凝固収縮を完全に補償す
るように圧下を加える必要があるが、過圧下となって局
部的に溶鋼が流動して偏析が悪化するという不利があ
る。そこで、これに対処するために、凝固末期の鋳片に
対して、軸心部の溶鋼を上流側へ絞り出すようにしてセ
ンターポロシティーの形成を防止する未凝固鋳片大圧下
法や、凝固完了直後の鋳片を大圧下してセンターポロシ
ティーを圧着させる大圧下法も考えられているが、これ
らの各大圧下方法においては、相当の圧下力と圧下量と
を必要とするほかに、鋳片サイズにより約 0.5〜3m/min
程度の遅い速度に同期して圧下を行わなければならない
ために、歪み速度が非常に小さく大圧下に起因した鋳片
表面割れ疵の発生や、圧下ロールの熱亀裂発生等による
寿命低下などの問題点があった。
【0012】従って、本発明の目的とするところは、連
続鋳造鋳片から分塊圧延により条鋼用鋼片を製造する方
法において、上記の各問題点を回避し、鋳片の断面サイ
ズが小さく分塊圧延での総減面量が小さい場合であって
も、分塊圧延によってセンターポロシティーを確実に圧
着させ得るようにした条鋼用鋼片の製造方法を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の発明
は、連続鋳造鋳片から分塊圧延により条鋼用鋼片を製造
する方法において、鋳片の連続鋳造に際して、電磁攪拌
または/および低温鋳造により、鋳片中心部を含む10
%以上の領域の凝固組織を等軸晶化し、凝固完了後に、
該鋳片を切断して所定の温度に加熱した上で、下記の数
1,〔1〕式を満足する厚み方向および幅方向の圧延を
少なくとも各1パスずつ行って鋼片を製造することを特
徴としている。
【0014】
【数4】
【0015】ここで、R はロール半径、h0は入側鋼片厚
み、h1は出側鋼片厚み、Hmは平均鋼片厚み、Ldはロール
接触孤長である。
【0016】また、本発明に係る第2の発明は、連続鋳
造鋳片から分塊圧延により条鋼用鋼片を製造する方法に
おいて、鋳片の連続鋳造に際して、電磁攪拌または/お
よび低温鋳造により、鋳片中心部を含む 10%以上の領域
の凝固組織を等軸晶化すると共に、中心部固相率が 0.1
5 〜 0.75 の範囲にある凝固末期の鋳片に対して、複数
対の上下ロールにて軽圧下を加えた後、凝固を完了さ
せ、さらに、該鋳片を切断して所定の温度に加熱した上
で、下記の数2,〔2〕式を満足する厚み方向および幅
方向の圧延を少なくとも各1パスずつ行って鋼片を製造
することを特徴としている。
【0017】
【数5】
【0018】ここで、R はロール半径、h0は入側鋼片厚
み、h1は出側鋼片厚み、Hmは平均鋼片厚み、Ldはロール
接触孤長である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る条鋼用鋼片の
製造方法の実施形態につき、添付図1ないし図4を参照
して詳細に説明する。
【0020】図1は本実施形態の一例による製造方法を
適用する連続鋳造装置および圧延装置の概要構成を含ん
で条鋼用鋼片の製造過程を説明する模式図である。ま
た、図2は鋳片の等軸晶率の定義を示す説明図であり、
同図2(a) は垂直型連鋳機の場合を示し、同図2(b) は
湾曲型連鋳機の場合を示している。さらに、図3は鋳片
の等軸晶率,形状比および鋼片のセンターポロシティー
の厚みの関係を示すグラフであり、同図3(a) は等軸晶
率<10% の場合を示し、同図3(b) は等軸晶率≧10% 場
合を示している。図4は鋳片の等軸晶率と鋼片のセンタ
ーポロシティーとの関係を示すグラフである。
【0021】同図1に示す装置構成において、1は取
鍋、2はタンディッシュ、3は鋳型、4は鋳型内電磁攪
拌装置を示し、5はガイドロール群、6は二次冷却帯、
7はピンチロール群であり、8は連続鋳造される鋳片で
ある。また、9は鋳片8の凝固末期軽圧下装置を示し、
10は鋳片8の切断機であり、11は切断後の鋳片であ
る。さらに、12は切断後の鋳片11を加熱する鋳片加
熱炉、13は鋳片11を圧延する分塊圧延機を示してお
り、14は分塊圧延機13での入側の鋳片、15は分塊
圧延機13での出側の鋼片で、16は圧延後の鋼片であ
る。
【0022】本実施形態例の場合には、鋳片8に対し
て、鋳型内電磁攪拌装置4による撹拌流動を与えるか、
または/およびタンディッシュ2内の溶鋼温度を低温に
調節することにより、鋳片中心部を含む 10%以上の領域
の凝固組織を等軸晶化し、さらに、その凝固の完了後
に、該鋳片8を切断機10を用いて切断し、且つ加熱炉
12によって所定の温度まで加熱した上で、例えば、分
塊圧延機13による上下一対のロールで厚み方向および
幅方向の各圧延を少なくとも1パスずつ行って所期の鋼
片を成形する。ここでは、ロール径と圧延パススケジュ
ールを適切に選ぶことにより、厚み方向の圧延および幅
方向の圧延におけるそれぞれの形状比を凝固末期軽圧下
装置9による軽圧下を適用しない場合には上記〔1〕式
を、適用する場合には上記〔2〕式を満足するように圧
延して目標の得ようとする所期通りの鋼片16を製造す
るのである。
【0023】即ち、本実施形態例では、上述の通りに連
続鋳造において電磁攪拌または/および低温鋳造により
鋳片中心部を含む 10%の領域を等軸晶化させることを主
眼とする。ここで、鋳片8の等軸晶率としては、図2に
示す如く、鋳片横断面で垂直型連鋳機の場合(同図2
(a))にあって d/D×100(%),湾曲型連鋳機の場合(同図
2(b))にあって l/L×100(%)で定義する。そして、上記
電磁攪拌方法としては、鋳型3または二次冷却帯6に設
けた電磁攪拌装置4によって未凝固溶鋼に攪拌流動を与
え、攪拌流速を適正に設定することにより、鋳片8での
等軸晶率 10%以上を確保する。また、鋼種や鋳造条件に
応じてタンディッシュ2内での溶鋼過熱度を低目に調整
して同様に鋳片8での等軸晶率が 10%以上となるように
する。
【0024】さて、図3(a),(b) には、圧延後の鋼片1
6の中心部に残存するセンターポロシティーの厚みに及
ぼす鋳片の等軸晶率と圧延条件の関係に関する発明者ら
の調査結果を示してある。これは、 220mm角の鋳片11
から圧下量やロール径を変えることで 140mm角〜195mm
角の鋼片16を2パスまたは4パス圧延で成形した場合
の調査結果であり、横軸の形状比としては2パス圧延の
場合には1パス目と2パス目の値、4パス圧延の場合に
は3パス目と4パス目の値をそれぞれに示している。
【0025】図3(a) から明らかなように、等軸晶率が
10%未満の鋳片8を圧延した場合には、凝固末期軽圧
下の有無に拘わらず〔3〕式で定義される形状比が増加
してもセンターポロシティーは圧着していない。これに
対して、図3(b) から明らかなように、等軸晶率が 10%
以上の鋳片8を圧延した場合には、センターポロシティ
ーが軽圧下なしの場合に Ld/Hm≧1.0,軽圧下ありの場合
に Ld/Hm≧0.8 以上で圧着されている。なお、軽圧下は
中心部固相率が 0.15 〜 0.75 の範囲内で、上下10対
のロールにて圧下量 7〜9mm を加えたものである。
【0026】以上のように、鋼片を2パス圧延で成形す
る場合には、1パス目および2パス目の形状比が上記下
限値を満足する必要があり、また4パス圧延で成形する
場合には、厚み方向および幅方向の圧延の少なくとも各
1パス(通常は大きな形状比が得られる3パス目と4パ
ス目)の形状比が上記下限値を満足できるようにするの
が好ましい。
【0027】上記鋳片8の等軸晶率を 10%以上と規定す
る理由について、以下に述べる。鋳片の等軸晶率とセン
ターポロシティー厚みとの関係についての調査結果を図
4に示すが、等軸晶率が 10%未満の場合には、軽圧下の
有無に拘わらずにセンターポロシティーの厚みが増加し
且つバラツキが増大している。このため、図3(a) に示
したように、たとえ形状比を増加して鋼片11の中心部
に対する圧縮応力を高めても、柱状晶が鋳片8の上下面
および両側面から中心部まて成長しているので中心部領
域の変形抵抗が大きく、センターポロシティーの圧着は
困難である。
【0028】これに対して、等軸晶率が 10%以上になる
と、鋳片8のセンターポロシティー厚みが安定化する効
果に加えて、該鋳片8の中心部領域が等軸晶粒子で充填
されていて変形抵抗が小さいため、図3(b) のように、
圧下によって等軸晶粒子同志が十分に圧着され、これに
よってセンターポロシティーが圧着消滅するものと考え
られる。そして、鋳片8に凝固末期軽圧下を適用した場
合には、図4からも明らかなように、等軸晶率 10%以上
の領域においては、軽圧下を加えない場合に比較して鋳
片8のセンターポロシティー厚みが低減しており、この
結果として図3(b) に示すように、軽圧下を適用しない
場合に比較して小さな形状比で圧着するものと考えられ
る。
【0029】以上より、本実施形態例では、鋳片8の中
心部を含む 10%以上の領域を等軸晶化させ、切断且つ加
熱後に圧延を行って鋼片11を製造する。この場合の形
状比については、前述の如く軽圧下を適用しない場合に
は〔1〕式、適用する場合には〔2〕を満足するよう
に、鋳片厚み,鋼片厚み,圧下量並びにロール径を適切
に選ぶものである。なお、調査の結果、圧延ロールの形
状としては、フラットロール,ダイアスクエア,ボック
スカリバー形状のものがあるが、センターポロシティー
の圧着性には差がないことから、どの形状のものでも良
い。
【0030】また、圧延速度については、鋳片8が切断
後で独立していることから、通常の分塊圧延並みの高速
とすることが可能で、この際、圧延ロールの熱亀裂発生
等の問題を生ずる惧れがない。
【0031】
【実施例】以下、具体的な実施例について詳細に説明す
ると、ヒートサイズ 270トン/ヒートの転炉にて機械構
造用鋼を溶製し、図1に示した曲率半径12m の湾曲型6
ストランドのブルーム連鋳機において、取鍋1の溶鋼を
タンディッシュ2を通してタンディッシュ内溶鋼過熱度
15〜45℃で鋳型3に注入し、鋳型内電磁攪拌装置4によ
り溶鋼を 40cm/sec の流速で攪拌しながら、断面サイズ
205mm角〜 292角の鋳片8を鋳造速度 1.0〜2.0m/minで
鋳造した。電磁攪拌を適用しない場合には、タンディッ
シュ内過熱度20℃以下の低温鋳造を行ない、また、鋳片
8の中心部固相率が 0.15 〜 0.75 の範囲内に入る位置
にあって凝固末期軽圧下装置(軽圧下帯5.0m)9を設置
し、一部の鋳片8に対しては、10対の上下ロールで合
計 7〜9mm の圧下を加えた。
【0032】凝固後の鋳片8を切断機10で所定の長さ
に切断後、加熱炉12で該切断された鋳片11を1100℃
まで加熱し、二重逆転式の分塊圧延機13で2パス圧延
〜4パス圧延によって 162mm角の鋼片16を製造した。
【0033】表1および表2に本実施例と比較例とを示
す。本実施例では、圧延後に 162mm角の鋼片16を、2
パス圧延の場合に 205mm角〜 227mm角の鋳片11とし、
4パス圧延の場合に 247mm角〜 292mm角の鋳片11とし
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】本実施例による製造方法では、鋳型内電磁
攪拌または低温鋳造の適用により、鋳片8の等軸晶率が
10%〜30% となっており、また、上記各鋳片サイズに対
応して適正なロール径と圧下量とを選択することで、そ
れぞれ所定の形状比を確保している。このようにして得
られた鋼片16を超音波探傷にて検査したところ、セン
ターポロシティーは完全に圧着していることが確認され
た。
【0037】一方、鋳片8の等軸晶率が 10%〜30% であ
っても形状比が所定値を満足しない場合の比較例,およ
び形状比が所定値を満足していても等軸晶率が 10%未満
の比較例においては、いずれもセンターポロシティーが
圧着せず、超音波探傷において該センターポロシティー
が検出された。
【0038】また、本実施例による製造方法で製造した
鋼片16を用いて、これを棒鋼や線材に二次圧延して調
査した結果、機械的性質,冷間加工性および伸線加工性
等の大幅な品質向上効果が認められた。この理由は、凝
固過程で形成された中心偏析が圧下浸透の効果によって
変形し小型化したためであるものと考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上、実施形態例によって詳述したよう
に、本発明方法によれば、小断面鋳片を少ないパス回数
で圧下する場合であっても、効率的にセンターポロシテ
ィーを圧着させることができ、併せて、分塊圧延工程の
簡略化を図り得ると共に、鋳片の加熱燃料原単位の低減
や圧延電力の削減,圧延歩留の向上がそれぞれに達成さ
れて大幅なコスト削減が可能になる等の優れた特長があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例による製造方法を適用
する連続鋳造装置および圧延装置の概要構成を含んで条
鋼用鋼片の製造過程を説明する模式図である。
【図2】同上鋳片の等軸晶率の定義を示す説明図であ
り、同図2(a) は垂直型連鋳機の場合を示し、同図2
(b) は湾曲型連鋳機の場合を示している。
【図3】同上鋳片の等軸晶率,形状比および鋼片のセン
ターポロシティーの厚みの関係を示すグラフであり、同
図3(a) は等軸晶率<10%の場合を示し、同図3(b)
は等軸晶率≧10%の場合を示している。
【図4】同上鋳片の等軸晶率と鋼片のセンターポロシテ
ィーとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 取鍋 2 タンディッシュ 3 鋳型 4 鋳型内電磁攪拌装置 5 ガイドロール群 6 二次冷却帯 7 ピンチロール群 8 鋳片 9 凝固末期軽圧下装置 10 切断機 11 切断後の鋳片 12 鋳片加熱炉 13 分塊圧延機 14 圧延機入側鋳片 15 圧延機出側鋼片 16 圧延後鋼片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 誠 室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社室蘭製 鐵所内 (72)発明者 坂元 武士 室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社室蘭製 鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造鋳片から分塊圧延により条鋼用
    鋼片を製造する方法において、鋳片の連続鋳造に際し
    て、電磁攪拌または/および低温鋳造により、鋳片中心
    部を含む 10%以上の領域の凝固組織を等軸晶化し、凝固
    完了後、該鋳片を切断して所定の温度に加熱した上で、
    下記の数1,〔1〕式を満足する厚み方向および幅方向
    の圧延を少なくとも各1パスずつ行って鋼片を製造する
    ことを特徴とする条鋼用鋼片の製造方法。 【数1】 ここで、R はロール半径、h0は入側鋼片厚み、h1は出側
    鋼片厚み、Hmは平均鋼片厚み、Ldはロール接触孤長であ
    る。
  2. 【請求項2】 連続鋳造鋳片から分塊圧延により条鋼用
    鋼片を製造する方法において、鋳片の連続鋳造に際し
    て、電磁攪拌または/および低温鋳造により、鋳片中心
    部を含む 10%以上の領域の凝固組織を等軸晶化すると共
    に、中心部固相率が 0.15 〜 0.75 の範囲にある凝固末
    期の鋳片に対して、複数対の上下ロールにて軽圧下を加
    えた後、凝固を完了させ、さらに、該鋳片を切断して所
    定の温度に加熱した上で、下記の数2,〔2〕式を満足
    する厚み方向および幅方向の圧延を少なくとも各1パス
    ずつ行って鋼片を製造することを特徴とする条鋼用鋼片
    の製造方法。 【数2】 ここで、R はロール半径、h0は入側鋼片厚み、h1は出側
    鋼片厚み、Hmは平均鋼片厚み、Ldはロール接触孤長であ
    る。
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