JPH1017768A - 高分子複合材料及びその製造方法 - Google Patents

高分子複合材料及びその製造方法

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JPH1017768A
JPH1017768A JP8175257A JP17525796A JPH1017768A JP H1017768 A JPH1017768 A JP H1017768A JP 8175257 A JP8175257 A JP 8175257A JP 17525796 A JP17525796 A JP 17525796A JP H1017768 A JPH1017768 A JP H1017768A
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carbon atoms
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JP8175257A
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Katsuhiro Sato
克洋 佐藤
Yoshiyuki Ono
好之 小野
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Fuji Xerox Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的特性を有する金属硫化物微粒子を、高
分子材料中に高濃度にかつ均一に分散・保持してなる高
分子複合材料を提供すること。 【解決手段】 官能基を有するマトリックス形成性物質
における該官能基の反応に伴って形成された金属硫化物
微粒子がマトリックス中に分散されてなることを特徴と
する高分子複合材料である。前記マトリックスが、式
(1)〜(5)で表される構造を有する化合物を含んで
なる態様が好ましい。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非線形光学効果、
光電変換等の光学的特性を有する金属硫化物半導体微粒
子を分散させてなる高分子複合材料及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理の高度化に伴い、光コンピュタ
ーの基幹技術となる光理論素子や光スイッチ等の実現化
を目的として、非線形光学効果の大きい非線形光学材料
の探索が進められている。従来、非線形光学材料として
は、LiNbO3、BaTiO3、KH2PO4等の無機強
誘電体、GaAs等を用いた量子井戸構造半導体、4′
−ニトロベンジリデン−3−アセトアミノ−4−メトキ
シアニリン(MNBA)、2−メチル−4−ニトロアニ
リン(MNA)等の有機単結晶、ポリジアセチレン、ポ
リアリーレンビニレン等の共役有機高分子、CdS、C
dSSe等をガラス中に分散させた半導体微粒子分散ガ
ラス等が知られている。この半導体微粒子分散ガラス
は、特に、1983年に米国でJainとLindとに
よって、ガラス中に半導体微粒子が分散されてなる、い
わゆる色ガラスフィルターが高い3次の非線形光学効果
を示すことが発見[例えば、J.Opt.Soc.A
m.,73,647(1983)]されて以来、高い非
線形光学感受率と高速応答性とを併せ持つ有望な非線形
光学材料として精力的に研究されてきている。
【0003】また、クリーンエネルギー利用の観点か
ら、太陽電池、光触媒等の光電変換素子が研究されてき
ており、その代表的な材料としては、結晶シリコン、非
晶質シリコン、InGaP、CdS等の化合物半導体な
どが知られている。これらの材料は、単独で使用された
り、シリカガラス等の無機高分子又は有機高分子中に分
散され、高分子複合材料とされて使用される。
【0004】ところで、金属硫化物微粒子を無機高分子
中に分散させてなる高分子複合材料の調製法としては、
例えば、以下のような方法が提案されている。
【0005】第1の方法は、J.Opt.Soc.A
m.,Vol.73,647(1983)に記載されて
いるような、分散媒としてのガラス又はその出発原料の
粉末とCdSxSe1-xとの混合物を加熱溶融してガラス
融液とし、このガラス融液を室温付近まで急冷して、固
溶体を得た後、適当な温度で一定時間再熱処理すること
により半導体微粒子を析出させる方法(いわゆる「溶融
急冷法」)である。しかし、この「溶融急冷法」の場
合、1,000℃以上の高温で半導体原料を加熱しなけ
ればならず、半導体原料の分解、蒸発が起こるため、適
用できる半導体の種類や添加できる半導体の量が限定さ
れてしまうという問題がある。
【0006】第2の方法は、前記「溶融急冷法」、又は
シリコンアルコキシド等の加水分解で媒質を作製する方
法(いわゆる「ゾルゲル法」)において、金属塩等の出
発原料を混合等することにより金属塩等を分散させてな
る高分子複合材料を作製した後、硫化水素ガスで処理す
る方法(日本セラミックス協会1989年年次大会講演
予稿集第336頁、Journal of Non−C
rystallineSolids,Vol.126,
87(1990)、特開平3−199137号公報、特
開平3−295826号公報、特開平4−274223
号公報等参照)、あるいは、イオウイオンを含有する溶
液で処理する方法(特開平3−199137号公報、特
開平4−270131号公報等参照)が提案されてい
る。
【0007】しかし、これらの方法では、金属塩等を分
散させてなる高分子複合材料の厚みが厚い場合、特に内
部まで均一に該金属塩を金属硫化物に変換するのは困難
である。また、高分子複合材料における表面と内部とで
は含まれる金属硫化物の粒径が異なり、該金属硫化物の
粒径の制御が困難である。また、処理に用いる硫化水素
ガスは毒性が非常に強いので、操作上危険が多く、特別
な安全装置も必要になる。さらに、従来における「ゾル
ゲル法」で用いられているテトラアルコキシシランの場
合、ゲルの乾燥時にクラックが生じ易く、素子化のため
に基板上に薄膜を形成すると、十分な膜厚が得られない
という問題がある。このため、従来、素子として十分な
膜厚を得るためには、0.1μm以下程度の薄膜を基板
上に塗設後、数100℃以上で焼成し、該薄膜の上に再
度薄膜を塗設するという、塗設・焼成の繰り返しという
煩雑な方法を採用しなければならなかった。
【0008】第3の方法は、いわゆるドライプロセスで
ある。前記ドライプロセスの一例としては、スパッタリ
ング法により、ターゲットとしてガラス、又はSiO2
とCdS等との単体半導体多結晶若しくは両者の混合物
を用いて、半導体微粒子分散ガラスを作製する方法が知
られている(例えば、J.Appl.Phys.,63
(3),957(1988)、特開平4−2632号公
報、特開平4−113334号公報、特開平4−345
136号公報等参照)。前記ドライプロセスの他の例と
しては、CVD法により着膜させる方法が知られている
(特開平1−319985号公報、特開平4−3451
39号公報等参照)。これらの方法によれば、前記「溶
融急冷法」等に比べ、より多くの半導体を添加すること
が可能である。
【0009】しかしながら、これらのドライプロセスの
場合、作製装置が高価であり、また、成膜速度が遅いた
め、薄膜形成には採用できるものの、厚膜化が困難であ
るという問題がある。また、得られる素子の形態が薄膜
に限られるため、その用途が限定されてしまうという問
題がある。
【0010】一方、金属硫化物微粒子を有機高分子中に
分散させてなる高分子複合材料の作製方法としては、以
下のような方法が知られている。即ち、金属硫化物微粒
子を無機高分子中に分散させてなる高分子複合材料の場
合と同様に、まず金属塩等を有機高分子中に分散させた
混合物を作製した後、これを硫化水素ガスで処理する方
法(特開平4−229807号公報、特開平4−238
304号公報等参照)である。しかし、この方法の場合
も硫化水素を用いて処理を行うので、上述したような硫
化水素ガスを用いる場合の問題がある。
【0011】また、非水溶液中に、カルコゲン化物半導
体原料と、結果として生成するカルコゲン化物半導体微
粒子の安定化剤(有機高分子)とを共存させ、原料とカ
ルコゲン化剤とを反応させた後、溶媒を除去する方法等
の溶液反応も知られている(特開平5−24826号公
報等参照)。さらには、高分子論文集,Vol.47,
935(1990)に記載されたように、対向拡散法に
より高分子ゲル中にCd水酸化物を沈殿させた後、Na
2S水溶液を作用させCdSに変換する方法も知られて
いる。しかしながら、これらの方法の場合、複数の工程
が必要であり操作が複雑な上、使用できる高分子が限定
され、また、任意形状の素子化が容易ではない。また、
カルコゲン化剤の反応残渣が不純物として残り易いとい
う問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決することを目的とする。また、本発明
は、光学的特性を有する金属硫化物系半導体微粒子を、
高分子材料中に高濃度にかつ均一に分散・保持し、特性
に悪影響を及ぼす硫化剤反応残渣を含まない高分子複合
材料を提供することを目的とする。また、本発明は、前
記高分子複合材料を、簡単な装置で低温で安全に、しか
も容易に製造することができる方法を提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の一の手段は、官能基を有するマトリックス形成性物質
における該官能基の反応に伴って形成された金属硫化物
微粒子がマトリックス中に分散されてなることを特徴と
する高分子複合材料である。
【0014】前記高分子複合材料においては、以下の態
様が好ましい。即ち、前記マトリックスが有機物である
態様である。前記官能基の反応が、硫化水素生成反応、
又は、硫化水素生成反応及びイミド環形成反応である態
様である。前記マトリックスが、式(1)で表される繰
り返し構造単位を有する高分子化合物を含んでなる態様
である。
【0015】
【化14】
【0016】(式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有
機基を表す。Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表
す。nは、重合度を表す。) 前記マトリックスが、式(2)〜(4)のいずれかで表
されるイミド構造を側鎖又は架橋部分に有する高分子化
合物を含んでなる態様である。
【0017】
【化15】
【0018】(式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有
機基を表す。Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表
す。Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成可能
な炭素数2以上の有機基を表す。Zは、アルキル、アリ
ール又はアルアルキル基を表す。) 前記マトリックスが、式(5)で表される有機化合物を
含んでなる態様である。
【0019】
【化16】
【0020】(式中、Wは、カルボニル基と結合してイ
ミド環を形成可能な炭素数2以上の有機基を表す。U
は、1価の有機基を表し、イミド環が置換されていても
よい。) 前記マトリックスが、前記式(1)で表される繰り返し
構造単位を有する高分子化合物、前記式(2)〜(4)
のいずれかで表されるイミド構造を側鎖又は架橋部分に
有する高分子化合物、及び、前記式(5)で表される有
機化合物から選ばれるいずれか2種以上の混合物を含ん
でなる態様である。前記金属硫化物微粒子が、鉛、カド
ミウム、亜鉛及び銅から選択される少なくとも1種の硫
化物微粒子である態様である。
【0021】前記課題を解決するための他の手段は、官
能基を有するマトリックス形成性物質と金属硫化物の前
駆体との混合溶液を調製した後、該官能基を反応させて
マトリックスを形成させると共に金属硫化物微粒子を該
マトリックス中に形成させることを特徴とする高分子複
合材料の製造方法である。前記高分子複合材料の製造方
法においては、前記官能基の反応が、硫化水素生成反
応、又は、硫化水素生成反応及びイミド環形成反応であ
る態様である。前記硫化水素生成反応が、式(11)及
び式(12)で表される化合物の少なくとも一種と、モ
ノアミン類及びポリアミン類の少なくとも一種との反応
である態様である。
【0022】
【化17】
【0023】(式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有
機基を表す。Wは、カルボニル基と結合してイミド環を
形成可能な炭素数2以上の有機基を表す。) 前記官能基を有するマトリックス形成性物質が、式
(6)で表される構造単位を有する高分子化合物を含ん
でなる態様である。
【0024】
【化18】
【0025】(式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有
機基を表す。Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表
す。nは、重合度を表す。) 前記官能基を有するマトリックス形成性物質が、式
(7)〜(9)のいずれかで表されるアミド酸構造を側
鎖又は架橋部分に有する高分子化合物を含んでなる態様
である。
【0026】
【化19】
【0027】(式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有
機基を表す。Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表
す。Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成可能
な炭素数2以上の有機基を表す。Zは、アルキル、アリ
ール又はアルアルキル基を表す。) 前記官能基を有するマトリックス形成性物質が、式(1
0)で表される有機化合物を含んでなる態様である。
【0028】
【化20】
【0029】(式中、Wは、カルボニル基と結合してイ
ミド環を形成可能な炭素数2以上の有機基を表す。U
は、1価の有機基を表し、イミド環が置換されていても
よい。) 前記官能基を有するマトリックス形成性物質が、前記式
(6)で表される繰り返し構造単位を有する高分子化合
物、前記式(7)〜(9)のいずれかで表されるアミド
酸構造を側鎖又は架橋部分に有する高分子化合物、及
び、前記式(10)で表される有機化合物から選ばれる
いずれか2種以上の混合物を含んでなる態様である。前
記金属硫化物微粒子が、鉛、カドミウム、亜鉛及び銅か
ら選択される少なくとも1種の硫化物微粒子である態様
である。
【0030】
【発明の実施の形態】
<高分子複合材料>本発明の高分子複合材料は、官能基
を有するマトリックス形成性物質における該官能基の反
応に伴って形成された金属硫化物微粒子がマトリックス
中に分散されてなる。
【0031】前記高分子複合材料としては、以下の第1
〜3態様が挙げられる。第1の態様は、前記式(1)で
示される繰り返し構造単位を有する高分子化合物を少な
くとも含んでなるマトリックス中に金属硫化物微粒子が
分散されてなる態様である。第2の態様は、前記式
(2)〜(4)のいずれかで表されるイミド構造を側鎖
又は架橋部分に有する高分子化合物を少なくとも含んで
なるマトリックス中に、金属硫化物微粒子が分散されて
なる態様である。第3の態様は、前記式(5)で表され
る有機化合物を少なくとも含んでなるマトリックス中
に、金属硫化物微粒子が分散されてなる態様である。
【0032】前記式(1)〜(5)において、X、Y、
W、Z及びUは、以下の通りである。Xの具体例として
は、下記の構造式X−1〜9で表される有機残基が挙げ
られる。
【0033】
【化21】
【0034】(式中、nは、1〜6の整数を表す。) Yの具体例としては、下記の構造式Y−1〜25で表さ
れる有機残基が挙げられる。
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】(式中、aは、1〜1000の整数を表
す。) Wの具体例としては、下記の構造式で表される有機残基
が挙げられる。
【0038】
【化24】
【0039】Zの具体例としては、アルキル基、アリー
ル基又はアルアルキル基が挙げられ、より具体的には、
メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、p−メ
チルフェニル基、p−メトキシフェニル基などが挙げら
れる。Uの具体例としては、アルキル基、アリール基又
はアルアルキル基が挙げられ、より具体的には、メチル
基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、p−メチルフ
ェニル基、p−メトキシフェニル基などが挙げられる。
【0040】前記金属硫化物微粒子としては、例えば、
Ag、Hg、Ni、Cu、Cd、Fe、Sn、Ge、T
e、As、Zn、Mn、Pb、Co、Tiなどの硫化物
粒子が挙げられる。これらの中でも、用途により好まし
い光学的吸収を有する金属硫化物微粒子を選択する必要
があるが、安定な硫化物を生成し易い、Pb、Cd、Z
n、Cuなどが好ましい。前記金属硫化物微粒子の平均
粒径は、一概に規定することはできないが、光学的特性
を発揮させるためには、一般に0.5〜1,000nm
程度であり、好ましくは0.5〜100nm程度であ
る。前記平均粒径が、前記数値範囲外であると光学的特
性が発現しにくくなり、前記数値範囲の上限を越えると
高分子複合材料に濁りが生じてくる。
【0041】本発明の高分子複合材料は、以下の本発明
の高分子複合材料の製造方法により好適に製造される。
【0042】<高分子複合材料の製造方法>本発明の高
分子複合材料の製造方法においては、先ず、官能基を有
するマトリックス形成性物質と金属硫化物の前駆体との
混合溶液を調製する(以下、これを「第1工程」と称す
ることがある)。次に、該官能基を反応させてマトリッ
クスを形成させると共に金属硫化物微粒子を該マトリッ
クス中に形成させる(以下、これを「第2工程」と称す
ることがある)。
【0043】前記官能基を有するマトリックス形成性物
質は、該官能基の反応により、最終的にマトリックスを
形成し得る物質である。換言すると、前記官能基を有す
るマトリックス形成性物質は、該官能基の反応後に得ら
れるマトリックス組成物中に含まれる無機高分子、有機
高分子又は低分子等の材料物質であり、該マトリックス
組成物中で金属硫化物微粒子を除いてなるマトリックス
を形成するための材料物質である。
【0044】前記官能基は、反応により硫化水素を発生
させる機能を有する基、又は、金属硫化物の前駆体との
相互作用により溶解を促進させる基を指す。前者の官能
基を有するマトリックス形成性物質の具体例としては、
チオカルボン酸無水物などが挙げられる。後者の官能基
は必須ではないが、マトリックス形成性物質が該後者の
官能基を有すると、金属硫化物微粒子をマトリックス中
に高濃度にドープさせることができる点で有利である。
後者の官能基の具体例としては、チオカルボキシル基、
カルボキシル基、アミノ基、アミド酸基、ヒドロキシル
基などが挙げられる。なお、本発明においては、前記官
能基がこのような機能を併有していてもよい。
【0045】前記官能基を有するマトリックス形成性物
質は、該官能基を有する高分子化合物又は低分子化合物
を少なくとも1種含有してなる。
【0046】前記官能基を有するマトリックス形成性物
質の具体例としては、例えば、前記式(6)で表される
繰り返し構造単位を有する高分子化合物を含んでなるも
の、前記式(7)〜(9)のいずれかで表されるアミド
酸構造を側鎖又は架橋部分に有する高分子化合物を含ん
でなるもの、前記式(10)で表される有機化合物を含
んでなるものなどが挙げられる。これらは、1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記官
能基を有するマトリックス形成性物質は、さらに必要に
応じて、前記官能基を有しない高分子化合物、無機高分
子等を含んでいてもよいし、前記官能基を有しない高分
子化合物、無機高分子等との共重合体となっていてもよ
い。
【0047】前記式(6)におけるXの具体例として
は、上記構造式X−1〜9で表される有機残基が挙げら
れる。前記式(6)におけるYの具体例としては、上記
構造式Y−1〜25で表される有機残基が挙げられる。
前記式(6)で表される繰り返し構造単位を有する高分
子化合物は、前記Xで表される基本構造を有するテトラ
カルボン酸二無水物と、前記Yで表される基本構造を有
するジアミンとから合成することができる。
【0048】前記式(7)〜(9)のいずれかで表され
るアミド酸構造の少なくとも1つを側鎖又は架橋部分に
有する高分子化合物における、X及びYの具体例として
は、前記式(6)におけるX及びYと同様である。Wの
具体例としては、上記化24に示す構造式で表される有
機残基が挙げられる。Zの具体例としては、アルキル
基、アリール基又はアルアルキル基が挙げられ、より具
体的には、メチル基、エチル基、ベンジル基、フェニル
基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基な
どが挙げられる。
【0049】前記式(7)〜(9)のいずれかで表され
るアミド酸構造の少なくとも1つを側鎖又は架橋部分に
有する高分子化合物の主鎖構造としては、特に制限はな
く、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタクリレート系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、セ
ルロース系樹脂、シリコーン樹脂、ビニル系重合体、ポ
リアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリウレア系樹脂又はこれらの共重合体など
の構造が挙げられる。
【0050】前記式(7)〜(9)のいずれかで表され
るアミド酸構造の少なくとも1つを側鎖又は架橋部分に
有する高分子化合物は、側鎖又は架橋部分にアミノ基を
有する高分子と、ジカルボン酸無水物又はテトラカルボ
ン酸二無水物とを反応させるか、側鎖又は架橋部分に酸
無水物構造を有する高分子と、アミン又はジアミンとを
反応させることにより得ることができる。また、同様の
反応をモノマーの段階で行い、アミド酸構造を有するモ
ノマーを合成した後、このモノマーを重合することよ
り、前記式(7)〜(9)のいずれかで表されるアミド
酸構造の少なくとも1つを側鎖又は架橋部分に有する高
分子化合物を得てもよい。
【0051】前記式(7)〜(9)のいずれかで表され
るアミド酸構造の少なくとも1つを側鎖又は架橋部分に
有する高分子化合物としては、金属硫化物の前駆体を十
分に固溶し、加熱処理又は化学処理により官能基が変化
し、化学的性質が変化するもの、使用する光の波長で光
吸収が十分に小さいものであるのが好ましい。
【0052】前記式(10)で表される有機化合物にお
けるWの具体例としては、前記式(7)におけるWと同
様である。Uの具体例としては、アルキル基、アリール
基又はアルアルキル基が挙げられ、より具体的には、メ
チル基、エチル基、ベンジル基、フェニル基、p−メチ
ルフェニル基、p−メトキシフェニル基などが挙げられ
る。前記式(10)で表される有機化合物は、ジカルボ
ン酸無水物とアミンとを反応させることにより得られ
る。
【0053】前記官能基を有しない高分子化合物として
は、特に制限はないが、使用する光の波長で十分に透明
であるのが好ましい。前記官能基を有しない高分子化合
物の具体例としては、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタクリレー
ト系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹
脂、セルロース系樹脂、シリコーン樹脂、ビニル系重合
体、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂又はこれらの共重合
体などが挙げられる。これらの前記官能基を有しない高
分子化合物は、相分離等により光学的な透明度が低下し
ないなど本発明の効果を阻害しない範囲で使用すること
ができ、また、これらは1種単独で使用してもよいし、
2種以上を併用してもよい。前記官能基を有しない高分
子化合物を使用すると、得られる高分子複合材料の機械
的特性、抵抗値、屈折率、誘電率等の物性を調整し得る
点で有利である。
【0054】前記無機高分子としては、例えば、以下の
無機高分子を生成し得る化合物による高分子などが挙げ
られる。前記無機高分子を生成し得る化合物としては、
特に制限はないが、例えば特開平7−244305号公
報に記載されたような、ゾルゲル法により珪素化合物等
の無機高分子を形成し得る化合物などが挙げられる。前
記珪素化合物等の具体例としては、CH3SiCl3
CH3Si(NCO)3、CH3Si(OCH33、CH3
Si(OCH2CH33、CH3Si(O(CH22CH
33、CH3Si(OCH(CH323、CH3Si
(O(CH23CH33、CH3 Si(OC(C
333、ClCH2Si(OCH2CH33、CH3
2SiCl3 、CH3CH2Si(OCH33、CH3
2Si(OCH2CH33、CH3CH2Si(O(CH
22CH33、CH3CH2Si(OCH(C
323、CH3CH2Si(O(CH23CH33
CH3CH2Si(OC(CH333などが挙げられ
る。これらの無機高分子を形成し得る化合物は、本発明
の効果を阻害しない範囲で使用することができ、また、
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0055】前記金属硫化物の前駆体は、硫黄原子含有
化合物との反応により、金属硫化物を生成し得る物質で
ある。
【0056】前記金属硫化物の前駆体の具体例として
は、AgI、HgI2、Hg2Cl2、NiCl2、CuC
l、CuCl2、ZnCl2、CdCl2,FeCl3、S
nCl2、GeCl2等の金属ハロゲン化物;H2Te
3、H3AsO4等の金属酸;AgNO3、Hg(N
32・1/2H2O、ZnSO4、Cd(ClO42
CuSO4、NiSO4等の無機酸塩;CH3COOA
g、Zn(CH3COO)2・2H2O、Cu(CH3CO
O)2・H2O、Mn(CH3COO)2・4H2O、Cd
(CH3COO)2・2H2O、Sn(CH3COO)2
Pb(C81822、Co(C81822、Fe(C
81822、2−エチルヘキサン酸鉛等のカルボン酸
塩;Ge(CH3O)4、Ti(C25O)4等のアルコ
キシド、Fe(C5522、Fe(C5523、M
n(C5522等の有機金属キレート化合物;などが
挙げられる。
【0057】前記混合溶液は、前記官能基を有するマト
リックス形成性物質と前記金属硫化物の前駆体とを、溶
剤に溶解することにより調製される。前記溶剤として
は、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、n−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、
ジメチルスルホンアミド、m−クレゾール、p−クロロ
フェノール、ジメチルイミダゾリン、テトラメチル尿
素、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等の極
性有機溶剤などが挙げられる。
【0058】前記官能基を有するマトリックス形成性物
質について、ジメチルアセトアミド等の溶剤中、30℃
で測定した固有粘度[η]の値が、0.1〜6dl/g
であるのが好ましい。前記固有粘度[η]が、0.1d
l/g未満であると、成膜性が十分でないことがあり、
6dl/gを越えると、塗布適性に劣ることがある。前
記固有粘度[η]の値は、種々ポリマー濃度における相
対粘度の測定値から計算した各濃度での相対粘度又は還
元比粘度を、濃度0に補外することにより求められる値
である。
【0059】また、前記混合溶液は、前記金属硫化物の
前駆体を金属硫化物微粒子に変化させ得る化合物を含有
する。このような化合物としては、例えば、反応により
硫化水素を生成し得る化合物が挙げられる。本発明にお
いて、このような化合物としては、反応後に高分子複合
体の特性に悪影響を与え得る残渣とならないものであれ
ば特に制限はないが、反応後に前記(1)〜(5)のい
ずれかで表される構造に変化し得る化合物が好ましく、
前記式(11)〜(12)のいずれかで表されるチオカ
ルボン酸無水物が特に好ましい。
【0060】前記チオカルボン酸無水物は、対応するカ
ルボン酸無水物等から、Ber.,Vol.70,23
60(1937)、Ber.,Vol.44,3027
(1911)等に記載された方法に従って容易に合成さ
れる。
【0061】なお、前記式(6)〜(10)で表される
構造を有する高分子化合物又は有機化合物は、官能基と
してアミド酸構造を多く有しており、種々の無機元素及
び無機化合物等と相互作用する。このため、前記式
(6)〜(10)で表される構造を有する高分子化合物
又は有機化合物を含む前記混合溶液は、前記混合溶液か
ら前記溶剤を除去する前においても、前記混合溶液から
前記溶剤を除去した後においても、前記金属硫化物の前
駆体を比較的高濃度で安定に溶解し得る。
【0062】前記混合溶液は、スピンコーティングやデ
ィップコーティング等のそれ自体公知の塗布方法等によ
りフィルム状、ファイバー状等の所望の形状に塗布等さ
れた後、以下の加熱処理又は化学処理がなされる。
【0063】本発明における前記官能基の反応には、マ
トリックスを形成させる反応と、金属硫化物微粒子を形
成させる反応とが含まれる。本発明において、前記マト
リックスを形成させる反応には、イミド環形成反応が含
まれる。前記金属硫化物微粒子を形成させる反応には、
硫化水素生成反応が含まれる。前記官能基の反応として
は、分子内又は分子間における環化反応、縮合反応、付
加反応、脱離反応などが挙げられる。前記官能基の反応
は、加熱処理、光、触媒等を利用した化学処理などによ
って引き起こされる。
【0064】前記加熱処理における加熱の温度として
は、形成されるマトリックス等が分解する温度以下であ
ればよく、通常30〜400℃であり、好ましくは50
〜300℃である。なお、この加熱の途中で温度を段階
的に変化させてもよい。前記化学処理は、溶剤に浸し、
脱水閉環を生じさせる処理である。前記溶剤としては、
無水酢酸・ピリジン混合溶剤、無水酢酸・ピリジン・ベ
ンゼン混合溶剤、無水酢酸・ピリジン・ジメチルアセト
アミド混合溶剤などが挙げられる。本発明においては、
これらの溶剤の中でも、無水酢酸・ピリジン混合溶剤が
好ましい。なお、前記無水酢酸・ピリジン混合溶剤にお
ける無水酢酸とピリジンとの比(重量)は、1:1付近
であるのが好ましい。前記加熱処理又は前記化学処理の
時間としては、前記イミド環形成反応又は前記硫化水素
生成反応が終結する時間であり、特に限定はないが、
0.5〜48時間が好ましい。
【0065】前記マトリックスを形成させる反応の具体
例としては、(A)加熱処理又は化学処理によるイミド
環形成反応、(B)カルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
キシル基又はカルボン酸無水物基等の官能基とイソシア
ネート基又はエポキシ基等との反応、(C)アミノ化合
物の酸処理による酸付加塩形成反応、及び(D)その他
の反応が挙げられる。
【0066】前記(A)の一例としては、以下に示す反
応が挙げられる。このアミド酸構造における脱水閉環に
よるイミド構造が形成される反応は、前記式(6)〜
(10)で表される高分子化合物又は有機化合物のいず
れについても生じ得る。
【0067】
【化25】
【0068】(式中、nは、重合度を表す。) この反応により、マトリックス形成性物質である、前記
式(6)〜(10)のいずれかで表される高分子化合物
又は有機化合物におけるアミド酸構造が消失し、前記式
(1)〜(5)のいずれかで表されるイミド構造が形成
され、該イミド構造を有するマトリックスが新たに形成
される。
【0069】前記金属硫化物微粒子を形成させる反応と
は、前記官能基の反応により、前記金属硫化物の前駆
体と前記官能基との相互作用を減少又は消失させると共
に、硫化水素生成反応により金属硫化物微粒子を生成
させる反応を意味する。
【0070】前記の反応の具体例としては、特開平7
−244305号公報に記載された種々の反応が挙げら
れる。なお、前記の反応の場合、前記官能基の反応前
において前記官能基は、前記金属硫化物の前駆体との相
互作用によりその溶解を助長してドープ量を促進させ、
前記官能基の反応後において前記官能基は、該相互作用
を減少又は消失させる機能を有する。前記の反応は、
前記金属硫化物の前駆体を金属硫化物に変化させ得る化
合物が反応することにより引き起こされてもよい。
【0071】この場合、前記金属硫化物の前駆体が金属
硫化物微粒子に変化し、該金属硫化物微粒子が前記マト
リックス中に分散された状態で形成される。このとき、
前記金属硫化物の前駆体を金属硫化物に変化させ得る化
合物が前記式(11)〜(12)のいずれかで表される
チオカルボン酸無水物等である場合、前記チオカルボン
酸無水物は、前記式(1)〜(5)のいずれかで表され
る構造を有するマトリックスに変化する。したがって、
この場合、得られる高分子複合材料が余分な反応残渣を
含まない点で有利である。
【0072】前記の反応の具体例としては、前記式
(11)〜(12)のいずれかで表されるチオカルボン
酸無水物の少なくとも1種と、前記金属硫化物の前駆体
の溶解を促進させるためのアミド酸を合成する際用いる
アミン類と同様のモノアミン類及びポリアミン類の少な
くとも1種とによる硫化水素生成反応が挙げられる。
【0073】チオカルボン酸無水物とアミン類との反応
による硫化水素の生成は、J.Poly.Sci.,P
art A−1,Vol.10,2091(1972)
等に記載されたように、一般的には10〜100℃程度
で容易に起こる。その結果、チオカルボン酸無水物は、
イミド環構造を有する化合物に変化する。
【0074】前記硫化水素生成反応において使用する溶
媒としては、例えば、エタノール、ピリジン、ジメチル
アセトアミドなどが挙げられるが、前記金属硫化物の前
駆体の溶解を促進させるためのアミド酸を併用する場合
には、その際使用する溶媒と同じものが挙げられる。
【0075】前記硫化水素の生成反応における前記モノ
アミン類及び/又はポリアミン類の前記混合溶液におけ
る量としては、前記チオカルボン酸無水物に対し、十分
に反応を進行させる観点から通常1〜3当量であるが、
過剰量のアミン類を残さないようにするためにはほぼ1
当量程度であるのが好ましい。前記硫化水素の生成反応
における前記チオカルボン酸無水物の前記混合溶液にお
ける量としては、前記金属硫化物の前駆体の量に対し、
十分に反応を進行させる観点から通常1〜100当量で
あり、好ましくは1〜10当量である。前記チオカルボ
ン酸無水物、モノアミン類及び/又はポリアミン類は、
それぞれ1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0076】前記金属硫化物の前駆体の溶解を促進させ
るためのアミド酸としては、例えば、前記式(6)〜
(10)で表される高分子又は低分子アミド酸が好適に
挙げられる。本発明において、これらのアミド酸は、1
種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
く、さらに、これらと前記官能基を有さない高分子、無
機高分子等と併用してもよい。前記式(6)〜(10)
で表される高分子又は低分子アミド酸は、前記加熱処理
又は化学処理により、前記式(1)〜(5)のいずれか
で表されるイミド構造を有する化合物に変化する。
【0077】なお、前記式(6)〜(10)で表される
高分子又は低分子アミド酸以外でも、前記金属硫化物の
前駆体との相互作用により前記金属硫化物の前駆体の溶
解を促進させ、かつ前記加熱処理又は化学処理等によ
り、その構造が変化して前記相互作用を減少又は消失さ
せ、前記金属硫化物微粒子を形成させ得るものであれば
よい。即ち、前記加熱処理又は化学処理の前において前
記金属硫化物の前駆体を十分に溶解促進させ得るもの、
後においては化学的性質が変化し得るもの、素子とした
時に使用する光の波長で透明であるものであればよい。
これらの前記混合溶液における量としては、特に制限は
ないが、前記金属硫化物の前駆体に対し、通常100当
量以下であり、好ましくは10当量以下である。
【0078】前記式(11)〜(12)のいずれかで表
されるチオカルボン酸無水物の少なくとも1種と、前記
モノアミン類及びポリアミン類の少なくとも1種とによ
る硫化水素生成反応の結果物が、前記式(1)〜(5)
で表される構造を有する高分子化合物を含んでなるマト
リックスになる場合は、前記金属硫化物の前駆体の溶解
を促進させるためのアミド酸は使用しなくてもよい。
【0079】この場合における各成分の添加順序として
は、特に制限はないが、前記金属硫化物の前駆体の溶解
を促進させる観点から、予め高分子又は低分子アミド酸
を生成させておくのがよい。
【0080】本発明の高分子複合材料の製造方法におけ
る各工程は、通常の環境下で行ってもよいし、密閉系で
行ってもよい。後者の場合、硫化水素の飛散を防止する
ことができる点で好ましい。本発明においては、第2工
程において、前記官能基の反応の後、硫化水素、硫化ナ
トリウム等による更なる処理、加熱による有機マトリッ
クスの熱分解、炭化処理などの後処理を行ってもよい。
前記後処理を行うと、緻密な金属硫化物微粒子を形成し
たり、マトリックスの導電率を向上させることができる
点で有利である。前記後処理における温度としては、マ
トリックスである高分子化合物の分解温度以下であり、
時間等の他の条件は、前記官能基の反応における条件と
同様である。
【0081】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。
【0082】実施例1 ジメチルアセトアミド1.0ml中に、下記構造式(1
3)で表されるジアミノジフェニルエーテル50mgを
溶解し、下記構造式(14)で表されるピロメリット酸
二無水物27mgを徐々に加えた。続いて10〜15℃
に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに20〜25
℃に保ちながら2時間攪拌を続けた。この溶液に、下記
構造式(15)で表されるピロメリット酸二チオ無水物
31mgを加えて30分間撹拌した後、2−エチルヘキ
サン酸鉛28mg/0.5mlジメチルアセトアミド溶
液を加えさらに15分間撹拌して混合溶液を調製した。
この混合溶液をガラス基板上にスピンコートした後、5
0℃で30分間、140℃で1時間、続いて200ml
/minの窒素気流下、250℃で1時間加熱し、薄い
黒色の透明なフィルムを得た。このフィルムを透過電子
顕微鏡にて観察してみたところ、微粒子の析出形成が確
認された。この微粒子の平均粒径は、10〜30nm程
度であった。また、ケイ光X線分析を行ったところ、鉛
及び硫黄を検出し、金属硫化物の生成が確認された。
【0083】
【化26】
【0084】実施例2 ジメチルアセトアミド1.0ml中に、前記構造式(1
3)で表されるジアミノジフェニルエーテル50mgを
溶解し、前記構造式(14)で表されるピロメリット酸
二無水物27mgを徐々に加えた。続いて10〜15℃
に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに20〜25
℃に保ちながら2時間攪拌を続けた。この溶液に、塩化
亜鉛7mgを加え、続いて前記構造式(15)で表され
るピロメリット酸二チオ無水物31mgを加えて1時間
撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液をガラス基
板上にスピンコートし、室温にて30分間放置後、50
℃で30分、140℃で1時間、続いて200ml/m
inの窒素気流下、250℃で1時間加熱し、透明なフ
ィルムを得た。このフィルムを透過電子顕微鏡にて観察
してみたところ、微粒子の析出形成が確認された。この
微粒子の平均粒径は、5〜30nm程度であった。ま
た、ケイ光X線分析を行ったところ、亜鉛及び硫黄を検
出し、金属硫化物の生成が確認された。
【0085】実施例3 ジメチルアセトアミド1.0ml中に、下記構造式(1
6)で表される2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン130mgを溶
解し、下記構造式(17)で表される4,4′−(ヘキ
サフロロイソプロピリデン)無水フタル酸55mgを徐
々に加えた。続いて10〜15℃に保ちながら1時間ゆ
っくり攪拌し、さらに20〜25℃に保ちながら2時間
攪拌を続けた。この溶液に、下記構造式(18)で表さ
れる4,4′−(ヘキサフロロイソプロピリデン)無水
チオフタル酸60mgを加えて30分間撹拌した後、2
−エチルヘキサン酸鉛28mg/0.5mlジメチルア
セトアミド溶液を加えてさらに15分間撹拌して混合溶
液を調製した。この混合溶液をガラス基板上にスピンコ
ートした後、50℃で30分間、140℃で1時間、続
いて200ml/minの窒素気流下、250℃で1時
間加熱し、薄い黒色の透明なフィルムを得た。このフィ
ルムを透過電子顕微鏡にて観察してみたところ、微粒子
の析出形成が確認された。この微粒子の粒径は、10〜
35nm程度であった。また、ケイ光X線分析を行った
ところ、鉛及び硫黄を検出し、金属硫化物の生成が確認
された。
【0086】
【化27】
【0087】実施例4 実施例3において、構造式(18)で表される4,4′
−(ヘキサフロロイソプロピリデン)無水チオフタル酸
60mgを、構造式(15)で表されるピロメリット酸
二チオ無水物31mgに代えた外は実施例3と同様にし
てフィルムを作製した。このフィルムを透過電子顕微鏡
にて観察してみたところ、微粒子の析出形成が観察され
た。この微粒子の平均粒径は、10〜35nm程度であ
った。また、ケイ光X線分析を行ったところ、鉛及び硫
黄を検出し、金属硫化物の生成が確認された。
【0088】実施例5 実施例2において、塩化亜鉛を塩化カドミウム9mgに
代えた外は実施例2と同様にしてフィルムを作製した。
得られたフィルムを透過電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ、微粒子の析出形成が確認された。この微粒子の平均
粒径は、10〜40nm程度であった。また、ケイ光X
線分析を行ったところ、カドミウム及び硫黄を検出し、
金属硫化物の生成が確認された。
【0089】実施例6 実施例1において、250℃での熱処理の代わりに、乾
燥窒素雰囲気下でガラス基板ごと無水酢酸・ピリジン・
ベンゼン(4:3.5:8(体積比))の混合溶液に1
2時間浸漬処理した外は実施例1と同様にしてフィルム
を作製した。得られたフィルムを透過電子顕微鏡にて観
察したところ、微粒子の析出形成いが確認された。この
微粒子の平均粒径は、10〜35nm程度であった。ま
た、ケイ光X線分析を行ったところ、鉛及び硫黄を検出
し、金属硫化物の生成が確認された。
【0090】実施例7 ジメチルホルムアミド1.0ml中に、ポリ−p−アミ
ノスチレン(C.Kotlarchik、L.M.Mi
nsk:J.Polymer Sci.Polym.C
hem. Ed.,13, 1743(1975)に記
載の方法により合成)35mgを溶解し、これを撹拌し
ながら下記構造式(19)で表される無水フタル酸19
mgを徐々に加え3時間撹拌した。この溶液に、下記構
造式(20)で表される無水チオフタル酸21mgを加
え30分間撹拌した後、2−エチルヘキサン酸鉛28m
g/0.5mlジメチルアセトアミド溶液を加えて、さ
らに15分間撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶
液をガラス基板上にスピンコートした後、50℃で30
分間、続いて140℃で2時間加熱してフィルムを得
た。得られたフィルムを透過電子顕微鏡にて観察したと
ころ、微粒子の析出形成が確認された。この微粒子の平
均粒径は、20〜50nm程度であった。また、ケイ光
X線分析を行ったところ、鉛及び硫黄を検出し、金属硫
化物の生成が確認された。
【0091】
【化28】
【0092】実施例8 ジメチルホルムアミド1.0ml中に、ポリ−p−アミ
ノスチレン35mgを溶解し、撹拌しながらピロメリッ
ト酸無水物1mgを徐々に加えて24時間撹拌した。
この高分子化合物溶液に、さらにp−トルイジン10m
gを加え、3時間撹拌した。この溶液に、構造式(2
0)で表される無水チオフタル酸50mgを加えて30
分撹拌した後、2−エチルヘキサン酸鉛28mg/0.
5mlジメチルアセトアミド溶液を加えて、さらに15
分間撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液をガラ
ス基板上にスピンコートした後、50℃で30分間、続
いて140℃で2時間加熱してフィルムを得た。得られ
たフィルムを透過電子顕微鏡にて観察したところ、微粒
子の析出形成が確認された。この微粒子の平均粒径は、
20〜50nm程度であった。また、ケイ光X線分析を
行ったところ、鉛及び硫黄を検出し、金属硫化物の生成
が確認された。
【0093】実施例9 実施例1において、混合溶液に下記構造式(21)で表
されるポリアミドイミド(C.J.Huang,et
al.:J.Appl.Polym.Sci.,42,
2267(1991)に記載の方法によって合成。N−
メチル−2−ピロリドン中30℃での固有粘度:1.4
2dl/g)5mgを加えた外は、実施例1と同様にし
てフィルムを作製した。得られたフィルムを透過電子顕
微鏡にて観察してみたところ、微粒子の析出形成が確認
された。この微粒子の平均粒径は、数nm〜数十nm程
度であった。また、ケイ光X線分析を行ったところ、鉛
及び硫黄を検出し、金属硫化物の生成が確認された。
【0094】
【化29】 (式中、dは、重合度を表す。)
【0095】実施例10 前記構造式(21)で表されるポリアミドイミド50m
gをジメチルホルムアミド5ml中に溶解させた溶液
に、下記構造式(22)で表される化合物(M.H.K
ailani,et al.:Macromolecu
les,25,3751(1992)に記載された方法
に従って合成したもの)15mgを溶解した。この溶液
に前記構造式(13)で表されるジアミノジフェニルエ
ーテル20mgを溶解し、前記構造式(15)で表され
るピロメリット酸二チオ無水物28mgを加えて30分
間撹拌した後、2−エチルヘキサン酸鉛28mg/0.
5mlジメチルアセトアミド溶液を加えて、さらに15
分間撹拌して混合溶液を調製した。この混合溶液をガラ
ス基板上にスピンコートした後、50℃で30分間、続
いて140℃で2時間加熱してフィルムを得た。得られ
たフィルムを透過電子顕微鏡にて観察してみたところ、
微粒子の析出形成が確認された。この微粒子の平均粒径
は、10〜40nm程度であった。また、ケイ光X線分
析を行ったところ、鉛及び硫黄を検出し、金属硫化物の
生成が確認された。
【0096】
【化30】
【0097】実施例11 実施例1において、前記構造式(22)で表される化合
物2mgを混合溶液中に添加した外は実施例1と同様に
してフィルムを作製した。得られたフィルムを透過電子
顕微鏡にて観察したところ、微粒子の析出形成いが確認
された。この微粒子の平均粒径は、10〜30nm程度
であった。また、ケイ光X線分析を行ったところ、鉛及
び硫黄を検出し、金属硫化物の生成が確認された。
【0098】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における問題
を解決することができる。本発明によると、光学的特性
を有する金属硫化物系半導体微粒子を、高分子材料中に
高濃度にかつ均一に分散・保持し、特性に悪影響を及ぼ
す硫化剤反応残渣を含まない高品質の高分子複合材料を
提供することができる。本発明の高分子複合材料は、光
スイッチ、光メモリ、波長変換、光電変換等をはじめと
するオプトエレクトロニクスの分野において好適であ
り、例えば、光学的特性、機械的強度等に優れた素子の
製造等に好適に使用され得る。本発明によると、前記高
分子複合材料を、簡単な装置で低温で安全に、しかも容
易に製造することができる方法を提供することができ
る。本発明の高分子複合材料の製造方法によると、加熱
により分解や蒸発し易い材料を使用でき、複雑な工程を
要しないので、高分子複合材料の製造が容易である。ま
た、膜状、板状、ブロック状、ファイバー状等の任意の
形状の高分子複合材料を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 31/04 H01L 31/04 D

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基を有するマトリックス形成性物質
    における該官能基の反応に伴って形成された金属硫化物
    微粒子がマトリックス中に分散されてなることを特徴と
    する高分子複合材料。
  2. 【請求項2】 マトリックスが、有機物である請求項1
    に記載の高分子複合材料。
  3. 【請求項3】 官能基の反応が、硫化水素生成反応であ
    る請求項1又は2に記載の高分子複合材料。
  4. 【請求項4】 官能基の反応が、硫化水素生成反応及び
    イミド環形成反応である請求項1又は2に記載の高分子
    複合材料。
  5. 【請求項5】 マトリックスが、式(1)で表される繰
    り返し構造単位を有する高分子化合物を含んでなる請求
    項1〜4のいずれかに記載の高分子複合材料。 【化1】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。nは、重
    合度を表す。)
  6. 【請求項6】 マトリックスが、式(2)〜(4)のい
    ずれかで表されるイミド構造を側鎖又は架橋部分に有す
    る高分子化合物を含んでなる請求項1〜4のいずれかに
    記載の高分子複合材料。 【化2】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。Wは、カ
    ルボニル基と結合してイミド環を形成可能な炭素数2以
    上の有機基を表す。Zは、アルキル、アリール又はアル
    アルキル基を表す。)
  7. 【請求項7】 マトリックスが、式(5)で表される有
    機化合物を含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の
    高分子複合材料。 【化3】 (式中、Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成
    可能な炭素数2以上の有機基を表す。Uは、1価の有機
    基を表し、イミド環が置換されていてもよい。)
  8. 【請求項8】 マトリックスが、式(1)で表される繰
    り返し構造単位を有する高分子化合物、式(2)〜
    (4)のいずれかで表されるイミド構造を側鎖又は架橋
    部分に有する高分子化合物、及び、式(5)で表される
    有機化合物から選ばれるいずれか2種以上の混合物を含
    んでなる請求項1〜4のいずれかに記載の高分子複合材
    料。 【化4】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。nは、重
    合度を表す。) 【化5】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。Wは、カ
    ルボニル基と結合してイミド環を形成可能な炭素数2以
    上の有機基を表す。Zは、アルキル、アリール又はアル
    アルキル基を表す。) 【化6】 (式中、Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成
    可能な炭素数2以上の有機基を表す。Uは、1価の有機
    基を表し、イミド環が置換されていてもよい。)
  9. 【請求項9】金属硫化物微粒子が、鉛、カドミウム、亜
    鉛及び銅から選択される少なくとも1種の硫化物微粒子
    である請求項1〜8のいずれかに記載の高分子複合材
    料。
  10. 【請求項10】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質と金属硫化物の前駆体との混合溶液を調製した後、該
    官能基を反応させてマトリックスを形成させると共に金
    属硫化物微粒子を該マトリックス中に形成させることを
    特徴とする高分子複合材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 官能基の反応が、硫化水素生成反応で
    ある請求項10に記載の高分子複合材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 官能基の反応が、硫化水素生成反応及
    びイミド環形成反応である請求項10に記載の高分子複
    合材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 硫化水素生成反応が、式(11)及び
    式(12)で表される化合物の少なくとも一種と、モノ
    アミン類及びポリアミン類の少なくとも一種との反応で
    ある請求項11又は12に記載の高分子複合材料の製造
    方法。 【化7】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成可能な炭
    素数2以上の有機基を表す。)
  14. 【請求項14】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質が、式(6)で表される構造単位を有する高分子化合
    物を含んでなる請求項10から13のいずれかに記載の
    高分子複合材料の製造方法。 【化8】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。nは、重
    合度を表す。)
  15. 【請求項15】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質が、式(7)〜(9)のいずれかで表されるアミド酸
    構造を側鎖又は架橋部分に有する高分子化合物を含んで
    なる請求項10から13のいずれかに記載の高分子複合
    材料の製造方法。 【化9】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。Wは、カ
    ルボニル基と結合してイミド環を形成可能な炭素数2以
    上の有機基を表す。Zは、アルキル、アリール又はアル
    アルキル基を表す。)
  16. 【請求項16】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質が、式(10)で表される有機化合物を含んでなる請
    求項10から13のいずれかに記載の高分子複合材料の
    製造方法。 【化10】 (式中、Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成
    可能な炭素数2以上の有機基を表す。Uは、1価の有機
    基を表し、イミド環が置換されていてもよい。)
  17. 【請求項17】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質が、式(6)で表される繰り返し構造単位を有する高
    分子化合物、式(7)〜(9)のいずれかで表されるア
    ミド酸構造を側鎖又は架橋部分に有する高分子化合物、
    及び、式(10)で表される有機化合物から選ばれるい
    ずれか2種以上の混合物を含んでなる請求項10から1
    3のいずれかに記載の高分子複合材料の製造方法。 【化11】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。nは、重
    合度を表す。) 【化12】 (式中、Xは、炭素数が2以上の4価の有機基を表す。
    Yは、炭素数が2以上の2価の有機基を表す。Wは、カ
    ルボニル基と結合してイミド環を形成可能な炭素数2以
    上の有機基を表す。Zは、アルキル、アリール又はアル
    アルキル基を表す。) 【化13】 (式中、Wは、カルボニル基と結合してイミド環を形成
    可能な炭素数2以上の有機基を表す。Uは、1価の有機
    基を表し、イミド環が置換されていてもよい。)
  18. 【請求項18】金属硫化物微粒子が、鉛、カドミウム、
    亜鉛及び銅から選択される少なくとも1種の硫化物微粒
    子である請求項10から17のいずれかに記載の高分子
    複合材料の製造方法。
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