JP3075066B2 - 非線形光学素子およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学素子およびその製造方法

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JP3075066B2 JP06035256A JP3525694A JP3075066B2 JP 3075066 B2 JP3075066 B2 JP 3075066B2 JP 06035256 A JP06035256 A JP 06035256A JP 3525694 A JP3525694 A JP 3525694A JP 3075066 B2 JP3075066 B2 JP 3075066B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学効果を有す
る半導体微粒子または金属微粒子を分散させた非線形光
学素子およびその製造方法に関する。より詳しくは、有
機高分子化合物、または、ゾルゲル法によりシラン化合
物を加水分解して得られた媒体、またはこれらの混合媒
体中に、量子サイズ効果を有する半導体微粒子または金
属微粒子を分散・析出させた非線形光学素子およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報処理の高度化に伴って、光コンピュ
ターの基幹技術となる光理論素子や光スイッチ等の実現
化を目的として、非線形光学効果の大きい材料の探索が
進められている。従来、非線形光学材料としては、Li
NbO3 、BaTiO3 、KH2 PO4 等の無機強誘電
体、GaAs等を用いた量子井戸構造半導体、4′−ニ
トロベンジリデン−3−アセトアミノ−4−メトキシア
ニリン(MNBA)、2−メチル−4−ニトロアニリン
(MNA)等の有機単結晶、ポリジアセチレン、ポリア
リーレンビニレン等の共役有機高分子、CdS、CdS
Se等をガラス中に分散させた半導体微粒子分散ガラス
等が知られている。特に、1983年に米国でJain
とLindによって、ガラス中に半導体微粒子が分散さ
れた、いわゆる色ガラスフィルターが高い3次の非線形
光学効果を示すこと[例えば、J.Opt.Soc.A
m.,73,647(1983)]が発見されて以来、
半導体微粒子分散ガラスは、高い非線形光学感受率と高
速応答性を併せ持つ有望な非線形光学材料として、精力
的に研究が進められている。ところで、この種のガラス
を製造するに当っては、分散媒としてのガラスまたはそ
の出発原料の粉末と半導体または金属の原料粉末との混
合物を加熱溶融してガラス融液とし、このガラス融液を
金属板等にキャストする等の手段で室温付近まで急冷し
て、半導体構成元素がイオンとして溶解した過冷却ガラ
ス固溶体を得た後、適当な温度で一定時間再熱処理する
ことにより半導体微粒子を析出させる、いわゆる溶融急
冷法が一般的に用いられてきた。しかし、この方法で
は、1000℃以上の高温で半導体原料を加熱する必要
があり、半導体原料の分解、蒸発が起こるため、適用で
きる半導体の種類、添加できる半導体の量に限りがあ
り、実用化のため、より高い非線形光学効果を有する材
料を実現する上で障害となっていた。
【0003】また、その他のプロセスとして、スパッタ
リング法により、ターゲットとしてガラスまたはSiO
2 とCdS、CdTe等の単体半導体多結晶とを用い
て、半導体微粒子分散ガラスを作製する方法が提案され
ている(例えば、J.Appl.Phys.,63
(3),957(1988)、特開平2−307832
号公報等)。さらに、ガラス以外のマトリックスとし
て、高分子化合物を用いて、蒸着等の気相法により高分
子化合物中に半導体微粒子を分散させる方法が提案され
ている(特開平3−119326号公報、特開平3−1
40035号公報)。これらの気相法による方法によれ
ば、上記溶融急冷法にくらべ、より多くの半導体を添加
することができる。しかしながら、無機マトリックス、
有機マトリックスのいずれの場合でも、作製装置が高価
であり、また、成膜速度が遅いため、薄膜形成には採用
できるものの、厚膜化が困難であった。また、得られる
素子の形態が薄膜に限られるため、その用途が限定され
てしまうものであった。上記問題を解決する手段とし
て、ゾルゲル法により形成されるシリカゲルマトリック
ス中に半導体微粒子または金属微粒子を分散、保持する
ことにより、低温で半導体微粒子分散ガラスを調製する
方法が提案されている。このような方法としては、例え
ば、予めCVD法等の方法により調製された半導体微粒
子をシリコンアルコキシドの加水分解溶液(ゾル溶液)
中に分散させた後、ゲル化してガラス中に半導体微粒子
を固定化する方法(特開平2−271933号公報)、
シランカップリング剤を含むゾル溶液中に半導体微粒子
を添加または析出させた後、ゲル化してガラス中に半導
体微粒子を固定化する方法(特開平3−199137号
公報)、酢酸カドミウムを含有するシリカゲルを形成し
た後、この酢酸カドミウムと硫化水素ガスとを反応さ
せ、シリカゲル中に硫化カドミウム微粒子を析出させ
て、半導体微粒子分散ガラスを得る方法[日本セラミッ
ク協会1989年年次大会講演予稿集,講演番号2F2
0、J.Non−Cryst.Solids,122,
101(1990)]等がある。
【0004】しかしながら、従来ゾルゲル法で用いられ
ているテトラアルコキシシランでは、ゲルを乾燥させる
段階においてクラックが入りやすく、また、素子化する
ために基板上に薄膜を形成する場合には、充分な膜厚が
得られないという問題があった。このため、素子として
充分な膜厚を得るためには、0.1μm以下程度の薄膜
を塗布した後、この膜を数100℃以上で焼成し、その
膜の上にまた薄膜を塗布するという、塗布・焼成を繰り
返して適当な膜厚の膜を得る方法がとられていた。さら
に、ゾルゲル法により形成されるシリカゲルマトリック
ス中に半導体微粒子を分散させる方法として、予め半導
体微粒子を別の手段により作製し、ゾル溶液中に分散さ
せる方法を採用した場合には、半導体微粒子を作製する
工程が付加されるため、工程が複雑になるばかりでな
く、粒径が数100nm以下の微粒子を用いるため、微
粒子の取扱いが著しく困難であり、製造プロセス上好ま
しくないという問題があった。また、このような微粒子
は凝集しやすく、媒質中に均一に分散させることは難し
いものであった。
【0005】また、特開平2−271933号公報に
は、超音波分散または界面活性剤を添加して、微粒子の
分散状態を改善することが有効であると記載されている
が、超音波分散では、薄膜形成を行う場合の塗布・乾燥
時の微粒子の凝集は避けられない。また、添加した界面
活性剤は、加熱処理時に分解または揮散してしまい、微
粒子が再凝集してしまうという問題があった。この問題
に対して、特開平3−199137号公報には、界面活
性剤の代わりにシランカップリング剤を用いることが開
示されており、微粒子の凝集の問題を解決する試みが行
われている。この方法においては、シランカップリング
剤がゾル中では界面活性剤と同様の働きをし、かつ、加
水分解によりマトリックスに結合することから、熱的に
も安定になり、比較的分解されにくい。さらに、同公報
には、ゾルに添加する半導体微粒子の取扱いの問題を解
決する手段として、半導体原料を予め溶液として添加
し、対イオン源溶液または反応ガスにより、ゾル中に半
導体微粒子を生成させる方法が提案されている。しかし
ながら、同公報に記載の方法を採用した場合、溶液中で
析出する微粒子は、拡散に問題があり、量子サイズ効果
を有する半導体微結晶を均一に析出させることは難し
く、効果は不充分なものであった。これに対して、半導
体原料イオンを含んだゲル固体を作製した後に、硫化水
素ガス等による後処理を施すことにより半導体微粒子を
析出させる方法では、微粒子の取り扱いによる複雑な規
定の問題や、不均一な分散の問題はないものの、硫化水
素のような非常に毒性の強いガスを使用することから、
作業環境上危険性が高く、安全確保のため複雑な工程を
とらざるを得ないという問題があった。さらに、後処理
により微粒子を析出させる方法においては、半導体微粒
子または金属微粒子の原料として、反応媒質に可溶なも
のを用い、溶液中に均一に溶解することにより、微粒子
を媒質中に均質に析出させることが可能となるが、用い
る原料によっては、適当な溶媒が存在せず、このために
添加できる微粒子の濃度が制限されてしまう場合があっ
た。また、ゾルゲル法は、溶融急冷法に比べれば、低温
のプロセスではあるが、600℃程度の温度まで加熱す
る必要があり、加熱による半導体原料の分解等の解決の
ためにはより低温のプロセスが望まれる。
【0006】一方、非線形光学効果を示す半導体微粒子
または金属微粒子については、種々検討されているが、
特に励起子のボーア半径が小さく励起子の閉じ込め効果
が有効に働くことから、大きな3次の非線形光学効果が
期待されるハロゲン化第一銅微粒子を用いることが検討
されている。(例えば、Jornal of Non−
Crystalline Solids 134(19
91)71−76、Journal of Ameri
can Ceramic Society 74(19
91)238−240、日本化学会誌No.10(19
92)1231−1236等)。これ等のハロゲン化第
一銅は、従来の媒質の原料として用いられていたテトラ
エトキシシラン〔Si(OCH2 CH3 4 〕等のシラ
ン化合物に対して溶解しないため、溶媒が限定されてお
り、しかも溶解度が低いために、ゾル溶液中に均一に溶
解できる量が低く、このため、生成物であるゲルにおい
ても低濃度の微粒子しか析出させることができなかっ
た。一般的に、添加する微粒子の濃度が高い方が、より
高い非線形光学効果が期待できることから、高い非線形
光学効果を示す材料を得る目的で、ハロゲン化第一銅を
高密度に添加するための手法が望まれていた。さらに、
従来、ハロゲン化第一銅等の酸化されやすい材料を析出
させる場合は、ゾル溶液中、または加熱析出過程におい
て、酸化、分解等の変質が起きてしまい、ドープするこ
とが、困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、充分
な膜厚を有し、クラックのない薄膜として使用可能な非
線形光学素子を提供することにある。本発明の他の目的
は、素子化のための加工性、機械的強度、耐環境性、経
時安定性に優れた非線形光学素子を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、非線形光学効果を示す
半導体微粒子または金属微粒子を、高濃度にかつ均一に
分散、保持し、しかも、その微粒子が持つ機能を充分に
発現可能なマトリックスを用いた非線形光学素子を提供
することにある。本発明のさらに他の目的は、上記の非
線形光学素子を簡単な装置で低温で容易に製造すること
ができる非線形光学素子の製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、半導体微
粒子または金属微粒子を分散、保持する媒体を形成する
材料について、鋭意研究を重ねた結果、熱処理或いは化
学処理等により含有されている半導体または金属成分を
微粒子状に析出させることができるものであれば、無機
高分子材料のみならず、有機高分子材料であっても非線
形光学素子のマトリックスとして使用できること、また
基板上に成膜した場合に、素子としての充分な膜厚を形
成可能であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち、本発明の非線形光学素子は、入
射光に対して非線形応答を示すものであって、半導体微
粒子または金属微粒子がマトリックス中に分散してな
り、該半導体微粒子または金属微粒子が、官能基を有す
るマトリックス形成性物質における該官能基の反応に伴
ってマトリックスの形成と同時に析出したものである
とを特徴とする。本発明の非線形光学素子の製造方法
は、官能基を有するマトリックス形成性物質の溶液に、
金属若しくは半導体、またはその前駆体を混合して均一
溶液を形成し、次いで、該官能基を反応させてマトリッ
クスを形成すると同時に、金属微粒子または半導体微粒
子をマトリックス中に析出させることを特徴とする。
【0010】すなわち、官能基の反応による金属もしく
は半導体、またはそれらの前駆体と官能基の相互作用の
減少または消失により、金属微粒子または半導体微粒子
を析出させることを特徴とする。この反応の後、水素、
水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤による還元、硫化水
素、硫化ナトリウム等による硫化物化等を行い、微粒子
を形成する化合物を化学変化させてもよい。ここで、官
能基を有するマトリックス形成性物質とは、官能基を有
する高分子や低分子化合物を少なくとも1種含有し、最
終的にマトリックスになるものである。すなわち、この
マトリックス形成性物質は、官能基の反応後の最終的な
マトリックス中に含まれる無機高分子、有機高分子、低
分子を形成するための物質であり、最終的な組成物の中
で、金属微粒子または半導体微粒子を除いた組成物を形
成するための物質である。最終的なマトリックスが機械
的に十分な強度を有する場合には、官能基を有する化合
物だけを用いてもよい。また、機械的特性、屈折率、誘
電率等の物性の調整のために、官能基を有しない高分子
等と混合して用いてもよい。ここで官能基の反応とは、
金属もしくは半導体、またはそれらの前駆体と官能基の
相互作用を減少または消失させ、金属微粒子または半導
体微粒子の析出を促す反応を言い、官能基の反応前は、
官能基と金属もしくは半導体、またはそれらの前駆体と
の相互作用により溶解を助長し、すなわち、ドープ量を
促進させ、反応後、微粒子の析出を促す。官能基または
官能基の反応は、この要件を満たせば特に限定されるも
のではないが、例えば官能基としては、カルボキシル
基、アミノ基、アミド基、ヒドロキシル基等があり、官
能基の反応としては、分子内、または分子間での環化反
応、縮合反応、付加反応、脱離反応等により構造の変化
を起こす反応を言い、これらの反応は、熱、触媒等を用
いた化学処理、光等によって引き起こされる。具体的に
は、下記のような反応が例示される。すなわち、(1)
加熱処理または化学処理によるイミド環形成反応、
(2)カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基また
はカルボン酸無水物基等の官能基とイソシアネート基ま
たはエポキシ基等との反応、(3)アミノ化合物の酸処
理による酸付加塩形成反応、および(4)その他の反応
に大別することができる。
【0011】本発明の非線形光学素子の第1の態様は、
熱硬化または化学処理により形成された高分子化合物、
特に下記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する
高分子化合物、または該高分子化合物を含む化合物中に
半導体微粒子または金属微粒子が分散されてなることを
特徴とする。
【化13】 (式中、Xは炭素数が2以上の4価の有機基を表し、Y
は炭素数が2以上の2価の有機基を表す。)
【0012】本発明の非線形光学素子の第2の態様は、
下記式(2)〜(4)のいずれかで示されるイミド構造
を側鎖または架橋部分に有する高分子化合物よりなる
か、または該高分子化合物を含むマトリックス中に、半
導体微粒子または金属微粒子が分散されてなることを特
徴とする。
【化14】 (式中XおよびYは、上記と同意義を意味し、Wはイミ
ド環を形成するに必要な炭素数2以上の有機基を表し、
Zはアルキル、アリールまたはアルアルキル基を表
す。)
【0013】本発明の非線形光学素子の第3の態様は、
金属または半導体或いはその原料と相互作用し、溶解を
助長する少なくとも1種の官能基を有する高分子化合物
を含有するマトリック中に、該官能基と反応して金属ま
たは半導体或いはその原料との相互作用を減少または消
失させる化合物と、金属または半導体或いはその原料を
含有させ、反応させることによって作製されたものであ
って、具体的には、マトリックスが、カルボキシル基、
アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボン酸無水物基等
の官能基を有する高分子化合物と、エポキシ基またはイ
ソシアネート基等を含有する化合物の反応により形成さ
れたものであるか、または、該反応により形成されたも
のを含むものであり、その中に半導体微粒子または金属
微粒子が分散されたことを特徴とする。
【0014】本発明の非線形光学素子の第4の態様は、
マトリックスが、加熱処理または化学処理により化学構
造を変化させた有機化合物、特に、下記式(5)で示さ
れる化合物と高分子化合物との混合物中に、半導体微粒
子または金属微粒子が分散されたことを特徴とする。
【化15】 (式中、Wは上記と同意義を有し、Uはさらにイミド環
が置換されていてもよい有機基を表す。)
【0015】本発明の非線形光学素子の第5の態様は、
マトリックスが、アミノ基含有高分子化合物の酸塩、好
ましくは下記式(6)で示される繰り返し構造単位より
なるアンモニウム塩含有高分子化合物であるか、または
該高分子化合物を含むものであり、その中に半導体微粒
子または金属微粒子が分散されたことを特徴とする。
【化16】
【0016】本発明の非線形光学素子の第6の態様は、
マトリックスが、下記式(7)で示される繰り返し構造
単位よりなる高分子化合物であるか、または該高分子化
合物を含むものであり、その中に半導体微粒子または金
属微粒子が分散されたことを特徴とする。
【化17】
【0017】本発明の非線形光学素子の第7の態様は、
マトリックスが、上記式(1)で示される繰り返し構造
単位よりなる高分子化合物、上記式(2)〜(4)のい
ずれかで示されるイミド構造を側鎖または架橋部分に有
する高分子化合物、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロ
キシル基またはカルボン酸無水物基を有する高分子化合
物と、エポキシ基またはイソシアネート基を含有する化
合物の反応により形成された化合物、上記式(5)で示
される有機化合物、上記式(6)で示される繰り返し構
造単位よりなるアミノ基含有高分子化合物、または上記
式(7)で示される繰り返し構造単位よりなる高分子化
合物と、3価の原子または炭素以外の4価の原子に加水
分解性置換基が結合した化合物の加水分解生成物との混
合物であり、その中に半導体微粒子または金属微粒子が
分散されたことを特徴とする。
【0018】本発明の非線形光学素子の第8の態様は、
マトリックスが、下記式(8)で示されるシラン化合
物、または下記式(9)で示されるシラン化合物の加水
分解生成物であり、その中に半導体微粒子または金属微
粒子が分散されたことを特徴とする。
【化18】 (式中、Xは、炭素数2以上の4価の有機基を表し、X
1 およびX2 は、炭素数2以上の2価の有機基を表し、
1 は、同一または異なっていてもよく、それぞれ加水
分解性の置換基を表し、Y2 は非加水分解性の1価また
は2価の有機基を表し、nは1〜3の整数を意味し、m
は0〜2の整数を意味する。)
【0019】本発明の非線形光学素子の第9の態様は、
マトリックスが、加水分解可能な置換基を1以上有する
シリル基を主鎖または側鎖に含むポリアミド酸化合物の
加水分解生成物、またはそのポリイミド化合物と3価の
原子または4価の原子に加水分解性置換基が結合した化
合物の加水分解生成物よりなる媒体中に、半導体微粒子
または金属微粒子が分散されたことを特徴とする。
【0020】本発明の上記第1の態様の非線形光学素子
は、熱硬化可能な材料、特に下記式(10)で示される
繰り返し構造単位を有する高分子化合物を、官能基を有
するマトリックス形成性物質として使用し、熱処理する
ことによって、或いは化学処理することにより、半導体
微粒子または金属微粒子を析出させることによって製造
することができる。
【化19】 (式中、Xは炭素数が2以上の4価の有機基を表し、Y
は炭素数が2以上の2価の有機基を表す。)
【0021】本発明の上記第2の態様の非線形光学素子
は、下記式(11)〜(13)で示されるアミド酸構造
を側鎖または架橋部分に有する少なくとも1種の高分子
化合物を、官能基を有するマトリックス形成性物質とし
て使用することによって製造することができる。
【化20】 (式中XおよびYは、上記と同意義を意味し、Wはイミ
ド環を形成するに必要な炭素数2以上の有機基を表し、
Zはアルキル、アリールまたはアルアルキル基を表
す。)
【0022】本発明の上記第3の態様の非線形光学素子
は、金属または半導体或いはその原料と相互作用し、溶
解を助長する少なくとも1種の官能基を有する高分子化
合物の溶液中に、該官能基と反応して金属または半導体
或いはその原料との相互作用を減少または消失させる化
合物と、金属または半導体或いはその原料を溶解し、溶
剤を除去した後、加熱処理することによって作製され、
具体的には、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル
基またはカルボン酸無水物基等の官能基を有する高分子
化合物と、エポキシ基またはイソシアネート基等を含有
する化合物との混合物を、官能基を有するマトリックス
形成性物質として使用することによって製造することが
できる。
【0023】本発明の上記第4の態様の非線形光学素子
は、下記式(14)で示される化合物と高分子化合物と
の混合物を、官能基を有するマトリックス形成性物質と
して使用することによって製造することができる。
【化21】 (式中、Wは上記と同意義を有し、U1 はイミド環が形
成可能な置換基を有していてもよい有機基を表す。)
【0024】本発明の上記第5の態様の非線形光学素子
は、アミノ基含有高分子化合物、好ましくは、下記式
(15)で示される繰り返し構造単位よりなるアミノ基
含有高分子化合物を、官能基を有するマトリックス形成
性物質として使用することによって製造することができ
る。
【化22】
【0025】本発明の上記第6の態様の非線形光学素子
は、下記式(16)で示される繰り返し構造単位よりな
る高分子化合物を、官能基を有するマトリックス形成性
物質として使用することによって製造することができ
る。
【化23】 (式中、Rは、アルキル基を表す。)
【0026】本発明の上記第7の態様の非線形光学素子
は、前記式(10)で示される繰り返し構造単位よりな
る高分子化合物、上記式(11)〜(13)のいずれか
で示されるアミド酸構造を側鎖または架橋部分に有する
高分子化合物、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ
ル基またはカルボン酸無水物基を有する高分子化合物
と、エポキシ基またはイソシアネート基を含有する化合
物の混合物、上記式(14)で示される化合物と高分子
化合物との混合物、上記式(15)で示される繰り返し
構造単位よりなるアミノ基含有高分子化合物、または上
記式(16)で示される繰り返し構造単位よりなる高分
子化合物と、3価の原子または炭素以外の4価の原子に
加水分解性置換基が結合した化合物の加水分解生成物と
の混合物を、官能基を有するマトリックス形成性物質と
して使用することによって製造することができる。
【0027】本発明の上記第8の態様の非線形光学素子
は、前記式(8)で示されるシラン化合物、または前記
式(9)で示されるシラン化合物を、官能基を有するマ
トリックス形成性物質として使用することによって製造
することができる。本発明の上記第9の態様の非線形光
学素子は、加水分解可能な置換基を1以上有するシリル
基を主鎖または側鎖に含むポリアミド酸化合物を、官能
基を有するマトリックス形成性物質として使用すること
によって製造することができる。
【0028】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、前記(1)のイミド環形成反応による場合は、
上記第1、2、4、7〜9の態様の非線形光学素子を形
成する場合に相当し、前記(2)の反応による場合は、
上記第3の態様の非線形光学素子を形成する場合に相当
し、前記(3)の酸付加塩形成反応による場合は、上記
第5の態様の非線形光学素子を形成する場合に相当し、
前記(4)の反応の場合は、上記第6の態様の非線形光
学素子を形成する場合に相当する。
【0029】本発明において、非線形光学素子の第1の
態様のものにおいては、前記式(1)で示される繰り返
し構造単位を有する高分子化合物が好ましく、前記式
(10)で示される繰り返し構造単位を有する高分子化
合物を使用して形成されるが、上記以外のものについて
も熱硬化するものであれば、同様に使用することができ
る。すなわち、前駆体において十分に半導体または金属
またはそれらの原料物質を固溶するもの、熱硬化反応に
より化学的性質が変化するもの、使用する光の波長、つ
まり半導体微粒子または金属微粒子が大きな非線形光学
効果を示す波長で十分透明であるものであれば、如何な
るものでも使用することができる。すなわち、前記式
(10)の高分子化合物、またはこれと他の高分子化合
物との混合物を適当な溶剤に溶かした溶液に、金属また
は半導体の原料を溶解し、塗布その他の方法で成形した
後、加熱処理または化学処理を施すことにより、目的と
している金属または半導体の微結晶を析出させた複合材
料を作製するものである。本発明において、この様な高
分子化合物の前駆体として使用される前記式(10)で
示される繰り返し構造単位を有するものについて、具体
的に説明すると、前記式(10)におけるXとしては、
下記に記載の構造式で示される有機残基を例示すること
ができる。
【0030】
【化24】 (式中、kは1〜6の整数を表わす。)
【0031】またYとしては、下記に記載の構造式で示
される有機残基を例示することができる。
【化25】
【0032】
【化26】 (式中、aは1〜1000の整数を表わす。)
【0033】ここで例示した高分子化合物は、Xで示さ
れる構造を有するテトラカルボン酸二無水物とYで示さ
れる構造を有するジアミンから合成することができる。
これらの高分子化合物は、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、n−メチルピロリドン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホンアミド、m−クレゾー
ル、p−クロロフェノール、ジメチルイミダゾリン、テ
トラメチル尿素、ジグライム、トリグライム、テトラグ
ライム等の極性有機溶剤に可溶であり、スピンコーティ
ングやディップコーティング等の塗布方法により、容易
にフィルム化でき、ファイバー状に加工することもでき
る。これらの高分子化合物は、ジメチルアセトアミド等
の溶媒中30℃で固有粘度[η]が0.1〜6dl/g
の範囲にあることが好ましい。なお、本明細書におい
て、固有粘度は、種々ポリマー濃度における相対粘度の
測定値から計算した各濃度での相対粘度または還元比粘
度を、濃度0に補外することにより求められる値であ
る。またこれらの高分子化合物は、官能基としてアミド
酸構造を多く有しており、種々の無機元素および無機化
合物と相互作用する。そのため、これらの高分子化合物
は、その溶液中においてもまた溶剤を除去した固体中に
おいても、金属や半導体、或いはその原料物質である化
合物を比較的高濃度で安定に溶解する。さらにこれらの
高分子化合物を加熱するか、或いは、無水酢酸・ピリジ
ン混合溶剤中に浸して化学処理を施すと、下記に示す反
応が起こる。混合溶剤の成分比は、1:1付近が好まし
い。なお、加熱処理は、50〜400℃の温度、好まし
くは100〜300℃の温度で実施することができる。
また、化学処理に使用する溶剤は、上記の他、無水酢酸
・ピリジン・ベンゼン混合溶剤、無水酢酸・ピリジン・
ジメチルアセトアミド混合溶剤等が使用できる。また、
上記の溶解、加熱および化学処理は、全て真空中または
不活性雰囲気中で行うのが好ましい。
【0034】
【化27】 (式中、nは重合度を表わす。) 上記の反応が起こると、マトリックスである高分子化合
物が有していたアミド酸構造が消える代わりにイミド環
構造が形成されると共に、高分子化合物中に溶解してい
たドーパントである金属や半導体或いはその原料物質の
化合物が析出してくる。ここでマトリックスの機械的特
性、屈折率、誘電率等の物性の調整のため、他の高分子
等を混合してもよい。
【0035】本発明の非線形光学素子の第2の態様にお
いては、マトリックスが、前記式(2)〜(4)のいず
れかで示されるイミド構造を側鎖または架橋部分に有す
る高分子化合物よりなるか、または該高分子化合物を含
むものであるが、これらは、前記式(11)〜(13)
で示されるアミド酸構造を側鎖または架橋部分に有する
少なくとも1種の高分子化合物の溶液中、または他の高
分子化合物との混合溶液中に、半導体または金属或いは
その原料を溶解し、塗布その他の方法で成型した後、加
熱処理または化学処理することによって形成することが
できる。
【0036】前記式(2)〜(4)および前記式(1
1)〜(13)において、Wはイミド環を形成するに必
要な炭素数2以上の有機基を表わすが、具体的には、下
記ものが例示される。
【化28】 また、基Zは、アルキル基、アリール基またはアルアル
キル基を表すが、具体的には、メチル基、エチル基、ベ
ンジル基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニ
ル基等が挙げられる。
【0037】本発明において用いる前記式(11)〜
(13)で示されるアミド酸構造を側鎖または架橋部分
に有する少なくとも1種の高分子化合物は、特に限定さ
れるものではないが、十分に金属または半導体あるいは
半導体原料を固溶するもの、熱または化学的処理により
化学的性質が変化するもの、使用する光の波長つまり半
導体微粒子が大きな非線形光学効果を示す波長で十分吸
収が小さいものであることが好ましい。このような高分
子化合物として、例えば以下に示すようなイミド前駆体
構造を有する高分子から熱あるいは化学処理により誘導
されるイミド構造を有するものがあげられる。すなわ
ち、側鎖または架橋部分にイミド前駆体構造を有する高
分子化合物の主鎖構造としては特に限定されるものでは
ないが、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リアクリレート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロー
ス系樹脂、シリコーン樹脂、ビニル系重合体、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリウレア系樹脂等、またはそれらの共重合体構造
等の任意の構造を有するものがあげられ、それら主鎖構
造を有する高分子の側鎖または架橋部分に少なくとも一
つ以上のイミド前駆体構造を有するものの中から選択さ
れる。また、イミド前駆体構造を有していない上記と同
様の主鎖構造を有する高分子との共重合体等の構造を有
していてもよい。また、相分離等により光学的な透明度
が低下しなければ、機械的特性、屈折率、誘電率等の物
性のコントロールの目的に応じて、これらの2種以上の
混合系、またはイミド前駆体構造を有していない上記と
同様の主鎖構造を有する高分子との混合系で使用しても
良い。高分子の側鎖または架橋部分のイミド前駆体構造
としては、熱または化学的処理によりイミド構造に変化
するカルボキシル基、アミノ基、アミド酸基等である
が、固相でもイミド構造への変化がしやすいアミド酸構
造を有するものが好ましい。このアミド酸は、側鎖また
は架橋部分にアミノ基を有する高分子と、ジカルボン酸
無水物、テトラカルボン酸二無水物を反応させるか、ま
たは側鎖または架橋部分に酸無水物構造を有する高分子
と、アミン、ジアミンを反応させることにより得ること
ができる。また、同様の反応をモノマーの段階で行い、
アミド酸構造を有するモノマーを合成後、重合反応によ
り側鎖または架橋部分にイミド前駆体構造を有する高分
子を得てもよい。
【0038】これらの高分子化合物は、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド、m
−クレゾール、p−クロルフェノール、ジメチルイミダ
ゾリドン、テトラメチル尿素、ジグライム、トリグライ
ム、テトラグライムなどの極性有機溶剤に可溶であり、
スピンコーティングやディップコーティングなどの塗布
方法により容易にフィルム化でき、ファイバー状に加工
することもできる。これらの高分子化合物は、ジメチル
アセトアミド等の溶媒中30℃での固有粘度[η]が
0.1〜6dl/gの範囲にあることが好ましい。また
これらの高分子化合物は官能基としてアミド酸構造を有
しており、種々の無機元素および無機化合物と相互作用
する。このため、これらの高分子化合物は、その溶液中
においてもまた溶剤を除去した固体中においても、金属
や半導体あるいはその原料である化合物を比較的高濃度
で安定に溶解する。さらにこれらの高分子化合物を加熱
または無水酢酸−ピリジン等による化学処理により脱水
閉環し、前記式(2)〜(4)のようなイミド構造を有
する高分子化合物に変化する。加熱処理は、高分子化合
物の分解温度以下で行う。この反応がおきると、マトリ
ックスである高分子化合物が有していたアミド酸構造が
消え、代わりにイミド環構造が形成されるとともに、高
分子化合物中に溶解していたドーパントである金属や半
導体あるいはその原料化合物が析出してくる。
【0039】本発明の非線形光学素子の第3の態様は、
マトリックスが、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキ
シル基またはカルボン酸無水物基等の官能基を有する高
分子化合物と、エポキシ基またはイソシアネート基等を
含有する化合物との混合物を熱処理等により反応させる
ことにより形成されたものであって、金属または半導体
或いはその原料と相互作用し、溶解を助長する少なくと
も1種の官能基を有する高分子化合物の溶液中に、該官
能基と反応して金属または半導体或いはその原料との相
互作用を減少または消失させる化合物と、金属または半
導体或いはその原料を溶解し、加熱処理等を行うことに
よって作製される。より詳細には、好ましい方法は、前
記官能基を有する高分子化合物、またはこれと他の高分
子化合物の混合物を適当な溶剤に溶かした溶液に、該官
能基と反応し金属または半導体あるいはその原料との相
互作用を減少または消失させうる化合物と、金属または
半導体の原料を混合し溶解し、塗布その他の方法で成型
した後、加熱処理等を行うことにより、目的としている
半導体あるいは金属の微結晶を析出させた複合材料を作
製するものである。金属または半導体或いはその原料と
相互作用し、溶解を助長する少なくとも1種の官能基を
有する高分子化合物の溶液中に、金属または半導体或い
はその原料を溶解し、塗布その他の方法で成型した後、
該官能基と反応して金属または半導体或いはその原料と
の相互作用を減少または消去させる化合物を拡散により
導入せしめて、その後加熱処理等を行うことによって作
製することもできる。その後、水素等による還元、硫化
水素等による硫化物化等の化学処理を行ってもよい。
【0040】本発明において用いる金属または半導体あ
るいはその原料と相互作用し溶解を助長する官能基を有
する高分子化合物は特に限定されるものではないが、十
分に金属または半導体あるいは半導体原料を固溶するも
の、該官能基と反応し金属または半導体あるいはその原
料との相互作用を減少または消失させうる化合物との熱
反応が容易なもの、使用する光の波長つまり半導体微粒
子が大きな非線形光学効果をしめす波長で十分吸収が小
さいものであることが好ましい。
【0041】このような高分子化合物として、例えば以
下に示すような高分子があげられる。すなわち、主鎖、
側鎖部分等にカルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシ
基、カルボン酸無水物基等の反応性の官能基を有する高
分子であれば、その高分子化合物の主鎖構造としては特
に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、
ポリメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン樹
脂、ビニル系重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイ
ミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂
等、またはそれらの共重合体構造等の任意の構造を有す
る高分子化合物である。また、カルボキシル基、アミノ
基、ヒドロキシ基、カルボン酸無水物基等の反応性の官
能基を有していない上記と同様の主鎖構造を有する高分
子との共重合体等の構造を有していてもよい。また、相
分離等により光学的な透明度が低下しなければ、機械的
特性、屈折率、誘電率等の物性のコントロールの目的に
応じて、これらの2種以上の混合系、またはカルボキシ
ル基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸無水物基等
の反応性の官能基を有していない上記と同様の主鎖構造
を有する高分子との混合系を使用してもよい。
【0042】上記の官能基と反応し金属または半導体あ
るいはその原料との相互作用を減少または消失させうる
化合物としては特に限定されるものではないが、該官能
基と反応しうる、モノイソシアナート、ジイソシアナー
ト等のポリイソシアナート、モノエポキシド、またはジ
エポキシド等のポリエポキシド化合物等があげられる。
これらは2種以上を併用してもよい。また高分子にこれ
ら反応基がついた化合物でもよい。ジイソシアナート等
のポリイソシアナートまたはジエポキシド等のポリエポ
キシドを用いた場合、高分子の架橋剤として働き、耐溶
剤性が向上するが、可撓性等を考慮し、モノエポキシド
と混合して用いることもでき、また、モノイソシアナー
トを併用することもできる。これらの化合物は、上記官
能基と反応すればよく特に限定されるものではないが、
以下のような化合物があげられる。メチルイソシアナー
ト、エチルイソシアナート、クロロエチルイソシアナー
ト、プロピルイソシアナート、ブチルイソシアナート、
シクロヘキシルイソシアナート、フェニルイソシアナー
ト、メチルフェニルイソシアナート、メトキシフェニル
イソシアナート、クロロフェニルイソシアナート、ニト
ロフェニルイソシアナート、カルボエトキシイソシアナ
ート、トルエンスルホニルイソシアナート、ビフェニル
イソシアナート等のイソシアナート類、ヘキサメチレン
−1,6−ジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソ
シアナート、トルイレンジイソシアナート、ナフタレン
−1,5−ジイソシアナート、ベンゼン−1,3,5−
トリイソシアナート等のポリイソシアナート類、1,2
−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−3−フ
ェニルプロパン、3,4−エポキシ−2,2,5,5−
テトラメチル−3−フェニルヘキサン、フェノールグリ
シジルエーテル等のモノエポキシド、2,3,2′,
3′−ジエポキシジシクロペンチルエーテル、ビスフェ
ノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールC−
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールZ−ジグリシジ
ルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリ
グリシジル−p−アミノフェノール、トリヒドロキシビ
フェニルトリグリシジルエーテル、ビスレゾルシノール
テトラグリシジルエーテル等のポリエポキシド類、また
ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリ
レート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹
脂、シリコーン樹脂、ビニル系重合体、ポリアミド系樹
脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リウレア系樹脂の主鎖、側鎖に上記反応基を有する高分
子等があげられる。
【0043】以上の金属または半導体あるいはその原料
と相互作用し溶解を助長する官能基を有する高分子化合
物、場合によって混合して用いる該官能基を有しない高
分子化合物、および上記の官能基と反応して金属または
半導体あるいはその原料との相互作用を減少または消失
させうる化合物は、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、n−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルスルホアミド、m−クレゾール、p−ク
ロルフェノール、ジメチルイミダゾリドン、テトラメチ
ル尿素、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、
スルホラン等のような極性溶剤の他、塩化メチレン、ク
ロロホルム等のハロゲン化溶媒、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、ターピネオール等のアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジ
ブチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、
トリデカン等の炭化水素系溶媒等に溶解し、後記の金属
または半導体あるいはその原料を混合し、スピンコーテ
ィングやディップコーティングなどの塗布方法によりフ
ィルム化し、また他の成型方法により任意に成型する。
ファイバー状に加工することもできる。上記の高分子化
合物は、ジメチルアセトアミド等の溶媒中30℃での固
有粘度[η]が0.1〜6dl/gの範囲にあることが
好ましい。
【0044】上記の官能基を有する高分子化合物は、種
々の無機元素および無機化合物と相互作用し、無機元素
および無機化合物の溶解を促進する。このため、これら
の高分子化合物は、その溶液中においてもまた固溶体中
においても、金属や半導体あるいはその原料である化合
物を比較的高濃度で安定に溶解可能である。得られる固
溶体を加熱することにより、高分子の官能基とイソシア
ナート等の上記化合物を反応させ、金属や半導体が分散
した高分子複合材料を得る。加熱処理は、官能基を有す
る高分子化合物とイソシアナート等の化合物との反応性
により異なるが、高分子の分解温度以下、好ましくは1
50℃以下で行う。これらの反応がおきると、高分子化
合物が有する官能基の一部または全部が反応し、金属ま
たは半導体あるいはその原料との相互作用を減少または
消失するため、その官能基と相互作用していたドーパン
トである金属や半導体あるいはその原料化合物が析出し
てくる。
【0045】本発明の非線形光学素子の第4の態様は、
マトリックスが、上記式(5)で示される化合物と高分
子化合物との混合物よりなり、これは、次のようにして
形成される。すなわち、高分子化合物を適当な溶剤に溶
かした溶液に金属または半導体またはそれ等の原料と相
互作用を持ち、かつ加熱処理または化学処理により化学
構造が変化し得る上記式(14)で示される有機化合物
と金属または半導体の原料とを混合して溶解し、塗布そ
の他の方法により成型し、加熱処理または化学処理によ
り有機化合物の化学構造を変化させて目的としている半
導体あるいは金属の微結晶を析出させるものである。こ
の態様におけるマトリックスの構成成分である高分子化
合物は特に限定されるものではないが、使用する光の波
長つまり半導体微粒子が大きな非線形光学効果を示す波
長で十分透明であることが好ましい。このような高分子
化合物として例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメタクリレー
ト系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹
脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニル系重
合体、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミ
ドイミド系樹脂、ポリウレア系樹脂、ポリウレタン系樹
脂等、またはそれらの共重合体構造を有する高分子化合
物である。また相分離等により光学的な透明度を低下さ
せないものであれば、機械的特性、屈折率、誘電率等の
物性のコントロールの目的に応じて複数の高分子化合物
を混合させてもよい。
【0046】上記高分子化合物に混合され、加熱処理ま
たは化学処理により化学構造が変化する有機化合物は特
に限定されるものではないが、上記の金属および半導体
もしくはその原料との相互作用を有し金属および半導体
もしくはその原料の溶解を助長し、かつ外部刺激により
化学構造が変化すると金属および半導体もしくはその原
料と相互作用が減少または消失するものが好ましい。こ
のような有機化合物の一例として前記式(14)で示さ
れるアミンと酸無水物とから合成される化合物があげら
れる。これらの化合物はアミド酸構造を有しているため
金属および半導体もしくはその原料との相互作用を生じ
溶解を助長する。さらにこれらの化合物に加熱や無水酢
酸/ピリジン混合溶液に浸す等の処理を加えると下記に
示す反応が起きる。
【0047】
【化29】 この反応が起きると、アミド酸構造が消え、代わりにイ
ミド環構造が形成されるとともに、この化合物と相互作
用し、溶解していたドーパントである金属や半導体ある
いはその原料化合物が析出してくる。この他にアセチル
アセトン、エチレンジアミン等の金属および半導体もし
くはその原料と化合物を形成し得るキレート化剤を用い
て加熱等により化合物を熱反応させても同様に微粒子を
析出させることができる。
【0048】本発明の非線形光学素子の第5の態様は、
アミノ基を含有する高分子化合物の酸塩を少なくとも含
有するマトリックス中に半導体微粒子または金属微粒子
を分散したことを特徴とするものであり、アミノ基を含
有する高分子化合物を少なくとも含有する溶液中に半導
体または金属あるいはその原料を溶解し、固溶体を得た
後、酸で処理し半導体微粒子または金属微粒子を析出さ
せることによって形成することができる。すなわち本発
明は高分子化合物を適当な溶剤に溶かした溶液に金属ま
たは半導体の原料を混合し溶解し、塗布、その他の方法
で成形した後、酸処理によりマトリックスである高分子
化合物を変化させて目的としている半導体あるいは金属
の微結晶を析出させるものである。
【0049】本発明における高分子化合物は、アミノ基
を含有するものであれば特に限定されるものではない
が、前駆体において十分に半導体または半導体原料を固
溶するもの、酸処理により化学的性質が変化するもの、
使用する光の波長つまり半導体微粒子が大きな非線形光
学効果をしめす波長で十分透明であることが好ましい。
このような高分子化合物として、例えば以下に示すよう
なものがあげられる。
【化30】 (式中pは重合度であって、固有粘度で0.1〜6dl
/gの範囲である。)
【0050】ここに例示した高分子化合物は、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミ
ド、m−クレゾール、p−クロルフェノール、ジメチル
イミダゾリドン、テトラメチル尿素、ジグライム、トリ
グライム、テトラグライムなどの極性有機溶剤や水に可
溶であり、スピンコーティングやディップコーティング
などの塗布方法により容易にフィルム化でき、ファイバ
ー状に加工することもできる。またこれらの高分子化合
物は官能基としてアミン構造を多く有しており、種々の
無機元素および無機化合物と相互作用する。このため、
これらの高分子化合物は、その溶液中においてもまた、
固溶体中においても、金属や半導体あるいはその原料で
ある化合物を比較的高濃度で安定に溶解する。さらにこ
れらの高分子化合物を塩酸等の酸に浸して化学処理を施
すと、例えば、前記式(15)で示される繰り返し構造
単位よりなるアミノ基含有高分子化合物の場合には、下
記に示す変化が起きる。
【0051】
【化31】 (式中pは重合度を意味する。) この反応が起きると、マトリックスである高分子化合物
が有しているアミノ基がアンモニウム塩構造に代わり、
高分子化合物中のアミノ基と相互作用して溶解していた
ドーパントである金属や半導体あるいはその原料化合物
が析出してくる。これらの高分子化合物は、単体で用い
てもよいが複数のものを混合してもよい。また機械的特
性、屈折率や誘電率を調整する等の目的でアミノ基を含
有しない高分子化合物を適宜混合して用いてもよい。さ
らには、アミノ基を含有する部分と含有しない部分とか
らなる共重合高分子化合物も使用できる。酸処理に用い
る酸は特に塩酸に限定するものではなく、アミノ基と塩
を形成するもの、たとえば酢酸等も使用できる。
【0052】本発明の非線形光学素子の第6の態様は、
前記式(7)で示される繰り返し構造単位よりなる高分
子化合物を少なくとも含有するマトリックス中に半導体
微粒子または金属微粒子を分散したものであって、前記
式(16)で示される繰り返し構造単位よりなる高分子
化合物を少なくとも含有する溶液中に半導体または金属
あるいはその原料を溶解し、塗布等による成型後、溶剤
を除去したのち、加熱処理し半導体微粒子または金属微
粒子を析出させることによって形成することができる。
すなわち前記式(16)で示される繰り返し構造単位よ
りなる高分子化合物を適当な溶剤に溶かした溶液に金属
または半導体の原料を混合し溶解し、塗布等による成型
後、熱処理によりマトリックスである高分子化合物を変
化させて目的としている半導体あるいは金属の微結晶を
析出させるものである。
【0053】前記式(16)で示される繰り返し構造単
位をよりなる高分子化合物は、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルスルホアミド、m−クレゾー
ル、p−クロルフェノール、ジメチルイミダゾリドン、
テトラメチル尿素、ジグライム、トリグライム、テトラ
グライムなどの極性有機溶剤や水に可溶であり、スピン
コーティングやディップコーティングなどの塗布方法に
より容易にフィルム化でき、ファイバー状に加工するこ
ともできる。またこの高分子化合物は官能基としてアミ
ン構造を多く有しており、種々の無機元素および無機化
合物と相互作用する。このため、これらの高分子化合物
は、その溶液中においてもまた固溶体中においても、金
属や半導体あるいはその原料である化合物を比較的高濃
度で安定に溶解する。さらにこの高分子化合物に熱処理
を施すと、下記に示す変化が起きる。
【化32】 (式中、Rはアルキル基を表し,rは重合度で、固有粘
度で0.1〜6dl/gの範囲である。) この反応が起きると、マトリックスである高分子化合物
が有しているアミノ基がなくなり、高分子化合物中のア
ミノ基と相互作用して溶解していたドーパントである金
属や半導体あるいはその原料化合物が析出してくる。
【0054】本発明の非線形光学素子の第7の態様にお
いては、3価の原子または炭素原子以外の4価の原子に
加水分解性置換基が結合した化合物の加水分解生成物
と、前記式(1)で示される繰り返し構造単位を有する
高分子化合物、前記式(2)〜(4)のいずれかで示さ
れるイミド構造を側鎖または架橋部分に有する高分子化
合物、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基また
はカルボン酸無水物基を有する高分子化合物とエポキシ
基またはイソシアネート基を含有する化合物の反応によ
り形成された化合物、前記式(5)で示される有機化合
物、前記式(6)で示される繰り返し構造単位よりなる
アミノ基含有高分子化合物、または前記式(7)で示さ
れる繰り返し構造単位よりなる高分子化合物との混合物
よりなる媒体中に、非線形光学効果を示す半導体微粒子
または金属微粒子が含有されている。
【0055】この非線形光学素子は、次の方法により半
導体微粒子または金属微粒子を析出させることによって
製造することができる。すなわち、前記式(10)で示
される繰り返し構造単位よりなる高分子化合物、前記式
(11)〜(13)のいずれかで示されるアミド酸構造
を側鎖または架橋部分に有する高分子化合物、カルボキ
シル基、アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボン酸無
水物基を含有する高分子化合物とエポキシ基またはイソ
シアネート基を含有する化合物、前記式(14)で示さ
れる有機化合物、前記式(15)で示される繰り返し構
造単位よりなるアミノ基含有高分子化合物、または前記
式(16)で示される繰り返し構造単位よりなる高分子
化合物、またはこれらと他の高分子化合物との混合物を
適当な溶剤に溶かした溶液に、金属または半導体の原料
を溶解し、該溶液中に3価の原子または4価の原子に加
水分解性置換基が結合した化合物、またはその化合物の
加水分解生成物を添加・混合し、加水分解を更に進行さ
せ、塗布その他の方法で成型した後、加熱処理等を行う
ことにより、目的としている金属または半導体の微結晶
を析出させた複合材料を作製するものである。
【0056】本発明において、使用する3価の原子また
は4価の原子に加水分解性置換基が結合した化合物にお
ける、3価または4価の原子は、周期律表の第III 族お
よび第IV族元素に限られるものではなく、3価の原子と
しては、B、Al、Ga、In、Y、As、Fe等が用
いられる。また4価の原子としては、Si、Ge、S
n、Ti、Zr等が用いられる。また、加水分解性の置
換基としては、公知の条件下で加水分解を受ける置換基
であれば何如なるものでもよく、代表的にはハロゲン原
子、イソシアネート基、アルコキシ基、アルカノイルオ
キシ基等のアシルオキシ基等があげられる。より詳しく
は、このような化合物として、下記式(17)、(1
8)、(19)、(20)および(21)で表される金
属または非金属化合物が好ましく使用される。これらの
各化合物は単独でも2種以上混合して使用してもよい。
また、これらの化合物の性質の異なるものを併用するこ
とも好ましい。これらの化合物の使用量は、それぞれ
0.01〜95重量%の範囲が適当である。
【0057】
【化33】 1 (Y5 b 1 3-b (20) M2 (Y6 c 2 4-c (21) 〔各式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR
6 は、同一または異なっていてもよく、それぞれ飽和も
しくは不飽和の脂肪族炭化水素基、飽和もしくは不飽和
の脂環式基、芳香族炭化水素基、アラルキル基または複
素環式基を表わし、これらの有機化合物残基はいずれも
置換基を有していてもよい。R2 およびR3 、またはR
4 、R5 およびR6 のうちの2つは、互いに結合して炭
素環残基または複素環残基を形成してもよい。Y2 ない
しY4 は、加水分解性の置換基を表わし、M1 は3価の
原子を表わし、M2 は炭素原子以外の4価の原子を表わ
し、Y5およびY6 は、同一または異なっていてもよ
く、それぞれ加水分解性の置換基または水酸基を表わ
し、L1 およびL2 は、同一または異なっていてもよ
く、それぞれキレート基またはR10−COO−基(R10
はアルキル基を表わす。)を表わす。また、bは0〜3
の整数を意味し、cは0〜4の整数を意味する。ただ
し、bが3またはcが4を意味する場合、Y5 またはY
6 の全てが水酸基を表わすことはない。〕
【0058】上記式(17)、(18)、(19)、
(20)および(21)で示される金属または非金属化
合物の具体例としては、次のようなものをあげることが
できる。これらの各化合物は単独でもあるいは2種以上
混合して使用してもよい。式(17)で示されるシラン
誘導体:CH3 SiCl3 、CH3 Si(NCO)3
CH3 Si(OCH3 3 、CH3 Si(OCH2 CH
3 3 、CH3 Si(O(CH2 2 CH3 3 、CH
3 Si(OCH(CH3 2 3 、CH3 Si(O(C
2 3 CH3 3 、CH3 Si(OC(CH3 3
3 、ClCH2 Si(OCH2 CH3 3 、CH3 CH
2 SiCl3 、CH3 CH2 Si(OCH3 3 、CH
3 CH2 Si(OCH2 CH3 3 、CH3 CH2 Si
(O(CH2 2 CH3 3 、CH3 CH2 Si(OC
H(CH3 2 3 、CH3 CH2 Si(O(CH2
3 CH3 3 、CH3 CH2 Si(OC(CH3 3
3 、CH2 =CHSi(OCH3 3 、CH2 =CHS
i(OCH2 CH3 3 、CH2 =CHSi(OC(C
3 3 3 、ClCH2 CH2 Si(OCH2
3 3 、CH3 (CH2 2 Si(OCH3 3
【0059】Br(CH2 3 Si(OCH3 3 、C
2 =CHCH2 Si(OCH3 3 ,CH2 =CHC
2 Si(OCH2 CH3 3 、Cl(CH2 3 Si
(OCH2 CH3 3 、Cl(CH2 3 Si(OCH
3 3 、CH3 (CH2 3 Si(OCH3 3 、H2
N(CH2 3 SiCl3 、H2 N(CH2 3 Si
(OCH3 3 、H2 N(CH2 3 Si(OCH2
3 3 、NC(CH2 2 Si(OCH3 3 、NC
(CH2 2 Si(OCH2 CH3 3 、H3 CO(C
2 3 Si(OCH3 3 、CF3 (CH2 2 Si
(OCH3 3 、CF3 (CH2 2 Si(OCH2
3 3 。CH3 (CH2 4 Si(OCH3 3 、C
3 (CH2 4 SiCl3 、CH3 (CH2 4 Si
(NCO)3 、CH3 (CH2 5 Si(OC
3 3 、CH3 ( CH2 ) 5 Si(OCH2 CH3
3 、CH3 ( CH2 ) 5 Si(O(CH2 2 CH3
3 、CH3 (CH2 5 Si(O(CH2 3 CH3
3 、CH3 (CH2 5 Si(OC(CH3 3 3
CH3 (CH2 7 Si(OCH3 3 、CH3 (CH
2 7 Si(OCH2 CH3 3 、Br(CH2 8
i(OCH3 3 、CH3 (CH2 9 Si(OC
3 3 、CH3 (CH2 9 Si(OCH2 CH3
3 、CH3 (CH2 9 Si(OC(CH3 3 3
【0060】CH3 (CH2 11Si(OCH3 3
CH3 (CH2 11Si(OCH2 CH3 3 、CH3
(CH2 11Si(OC(CH3 3 3 、CH3 (C
2 15Si(OCH3 3 、CH3 (CH2 15Si
(OCH2 CH3 3 、CH3 (CH2 15Si(OC
(CH3 3 3 、CH3 (CH2 17Si(OC
3 3 、CH3 (CH2 17Si(OCH2 CH3
3 、CH3 (CH2 17Si(OC(CH3 3 3
2 N(CH2 2 NH(CH2 3 Si(OCH3
3 、(H3 C)2 N(CH2 3 Si(OCH3 3
2 N(CH2 3 OC(CH3 2 CH=CHSi
(OCH3 3 、CH=CH(CH2 6 Si(OCH
3 3 、H2 N(CH2 11Si(OCH3 3 、CH
3 COO(CH2 3 Si(OCH3 3 、CH=CH
(CH2 4 Si(OCH3 3 、CH2 =CHCOO
(CH2 3 Si(OCH3 3 、F3 C(CF2 5
(CH2 2 Si(OCH3 3 、NCCH2 CH2
−C(CH2 2 −CH=CHSi(OCH3 3 、F
3 C(CF2 5 (CH2 2 Si(OCH2 CH3
3 、(CH3 CH2 OOC)2 CH(CH2 2 Si
(OCH2 CH3 3
【0061】
【化34】
【0062】
【化35】
【0063】式(18)で示されるシラン誘導体:(C
3 2 SiCl2 、(CH3 2 Si(NCO)2
(CH3 2 Si(OCH3 2 、(CH3 2 Si
(OCH2 CH3 2 、(CH3 2 Si(O(C
2 2 CH3 2 、(CH3 2 Si(OCH(CH
3 2 2 、(CH3 2 Si(O(CH2 3
3 2 、(CH3 2 Si(OC(CH3 3 2
(CH2 CH3 2 Si(OCH3 2 、(CH2 CH
3 2 SiCl2 、(CH2 CH3 2 Si(OCH2
CH3 2 、(CH2 CH3 2 Si(O(CH2 2
CH3 2 、(CH2 CH3 2 Si(OCH(C
3 2 2 、(CH2 CH3 2 Si(O(CH2
3 CH3 2 、(CH2 CH3 2 Si(OC(C
3 3 2 、(CH2 =CH)2 Si(OC
3 2 、(CH2 =CH)2 Si(OCH2 CH3
2 、(CH3 (CH2 2 2 Si(OCH3 2 。C
3 (CH2 5 Si(CH3 )(OCH3 2 、CH
3 (CH2 5 Si(CH3 )(OCH2 CH3 2
CH3 (CH2 5 Si(CH3 )(O(CH2 2
3 2 、CH3 (CH2 5 Si(CH3 )(O(C
2 3 CH3 2 、CH3 (CH2 5 Si(C
3 )(OC(CH3 3 2 、CH3 (CH2 5
i(CH2 CH3 )(OCH3 2 、CH3 (CH2
7 Si(CH3 )(OCH2 CH3 2 、CH3 (CH
2 7 Si(CH3 )(OCH3 2 、Br(CH2
8 Si(CH3 )(OCH3 2 、CH3 (CH2 21
Si(CH3 )(OCH3 2 、CH3 (CH2 9
i(CH3 )(OCH3 2 、CH3 (CH2 11Si
(CH3 )(OCH3 2 、CH3 (CH2 15Si
(CH3 )(OCH3 2 、CH3 (CH2 17Si
(CH3 )(OCH3 2CH=CH(CH2 6 Si
(CH3 )(OCH3 2 、F3 C(CF2 5 (CH
2 2 Si(CH3 )(OCH3 2 、H2 N(C
2 11Si(CH3 )(OCH3 2 、H3 COO
(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2 、CH3
OO(CH2 3 Si(CH3 )(OCH3 2 、H2
N(CH2 3 OC(CH3 2 CH=CHSi(CH
3 )(OCH3 2、CH2 =CHCOO(CH2 3
Si(CH3 )(OCH3 2
【0064】
【化36】
【0065】式(19)で示されるシラン誘導体:(C
3 3 SiCl、(CH3 3 Si(NCO)、(C
3 3 Si(OCH3 )、(CH3 3 Si(OCH
2 CH3 )、(CH3 3 Si(O(CH2 2
3 )、(CH3 3 Si(OCH(CH3 2 )、
(CH3 3 Si(O(CH2 3 CH3 )、(C
3 3 Si(OC(CH3 3 )、(CH2 CH3
3 SiCl、(CH2 CH3 3 Si(OCH3 )、
(CH2 CH3 3 Si(OCH2 CH3 )、(CH2
CH3 3 Si(O(CH2 2 CH3 )、(CH2
3 3 Si(OCH(CH3 2 )、(CH2
3 3 Si(O(CH2 3 CH3 )、(CH2 CH
3 3 Si(OC(CH3 3 )、(CH3 (CH2
2 3 Si(OCH3 )、(CH3 (CH2 2 3
iCl、CH3 (CH2 ) 5 Si(CH3 2 OC
3 、CH3 (CH2 ) 5 Si(CH3 2 (OCH2
CH3 )、CH3 (CH2 ) 5 Si(CH3 2 (O
(CH2 2 CH3 )、CH3 (CH2 ) 5 Si(CH
3 2 (O(CH2 3 CH3 )、CH3 (CH2 ) 5
Si(CH3 2 (OC(CH3 3 )、CH3 (CH
2 ) 5 Si(CH2 CH3 2 (OCH3 )、(CH3
(CH2 ) 5 2 Si(CH3 )(OCH3 )、(CH
3 (CH2 ) 5 3 SiOCH3 、CH3 (CH2 ) 7
Si(CH3 2 (OCH3 )、CH3 (CH2 ) 9
i(CH3 2 (OCH3 )、CH3 (CH2 ) 11Si
(CH3 2 (OCH3 )、CH3 (CH2 ) 17Si
(CH3 2 (OCH3 )、CH=CH(CH2 ) 6
i(CH3 2 (OCH3 )、CH=CHCOO(CH
2 ) 3 Si(CH3 2 (OCH3 )、CH3 COO
(CH2 ) 3 Si(CH3 2 (OCH3 )、H2
(CH2 ) 11Si(CH3 2 (OCH3 )、F3
(CF2 ) 5 (CH2 ) 2 Si(CH3 2 (OC
3 )、
【0066】
【化37】
【0067】式(20)で示される金属または非金属の
有機化合物:Al(OCH3 3 、 A
l(OCH2 CH3 3 、Al(O(CH2 2
3 3 、 Al(OCH(CH3 2 3 、Al
(O(CH2 3 CH3 3 、 Al(OC(C
3 3 3 、Al(OCH(CH3 2 2 (OC
(CH3 3 )、Al(OC(CH3 )CHCOC
3 3 、Al(OC(CH3 )CHCOCH2
3 3 、Al(OC(CH3 )CHCOCH2
3 2 (OC(CH3 )CHCOCH3 )、AlCl
3 、Al(OCH(CH3 2 2 (OC(CH3 )C
HCOCH2 CH3 )、Al(OC(CH3 3
2 (OC(CH3 )CHCOCH3 )、In(OC
3 3 、 In(OCH2
3 3 、In(O(CH2 2 CH3 3 、 In
(OCH(CH3 2 3 、In(O(CH2 3 CH
3 3 、 In(OC(CH3 3 3 、As(OC
3 3 、 As(OCH2
3 3 、As(O(CH2 2 CH3 3 、 As
(OC(CH3 3 3 、Ga(OCH3 3
Ga(OCH2 CH3 3 、Ga(O(CH
2 2 CH3 3 、 Ga(OC(CH3 3 3
B(OCH3 3 、 B(O(C
2 3 CH3 3 、B(OC(CH3 3 3
Y(OCH3 3 、Y(OCH2 CH3 3
Y(O(CH2 3 CH3 3 、Y(OOC
CH3 3 、 Y(OC(CH3 )CHCOC
3 3 、YCl3 、 Fe
(OCH3 3 、Fe(O(CH2 3 CH3 3
Fe(OC(CH3 3 3
【0068】式(21)で示される金属または非金属有
機化合物:Si(OCH3 4 、 Si
(OCH2 CH3 4 、Si(O(CH2 2 CH3
4 、 Si(OCH(CH3 2 4 、Si(O(C
2 3 CH3 4 、 Si(OC(C
3 3 4 、Si(OOCCH3 4
Si(OOCCH2 CH3 4 、Si(NCO)4
Ge(OCH3 4 、Ge(O(CH
2 2 CH3 4 、 Ge(O(CH2 3 CH3
4 、Sn(OCH3 4 、 Sn(OC
H(CH3 2 4 、Sn(O(CH2 3
3 4 、 Ti(OCH3 4 、Ti(OCH2
3 4 、 Ti(O(CH2 2
3 4 、Ti(OCH(CH3 2 4 、 Ti
(O(CH2 3 CH3 4 、Ti(OC(C
3 3 4 、 Ti(OOCCH3 4 、Ti
(OOCCH2 CH3 4 、 Ti(O(CH2
16CH3 4 、Ti(OCH2 CH(CH2 CH3
(CH2 3 CH3 4 、Ti(OCH(CH3 )CO
OH)2 (OH)2 、Ti(OC(CH3 )CHCOC
3 4 、Ti(O(CH2 2 CH3 2 (OC(C
3 )CHCOCH3 2 、Ti(O(CH2 3 CH
3 3 (OOC(CH2 16CH3 )、Zr(OC
3 4 、Zr(O(CH2 3 CH3 4 、Zr(O
(CH2 2 CH3 4 、Zr(OC(CH3 )CHC
OCH3 4 、Zr(O(CH2 3 CH3 2 (OC
(CH3 )CHCOCH3 2 、Zr(OC(CH3
CHCOCH2 CH3 4 、Zr(OCH(CH3 )C
OOH)2 (O(CH2 3 CH3 2
【0069】本発明の非線形光学素子の第8の態様にお
いては、3価の原子または炭素原子以外の4価の原子に
加水分解性置換基が結合した化合物の加水分解生成物に
より形成された媒体中に、非線形光学効果を示す半導体
微粒子または金属微粒子が含有され、そして上記加水分
解性置換基が結合した化合物として、少なくとも前記式
(8)または前記式(9)で示されるシラン化合物が使
用される。この非線形光学素子は、非線形光学効果を示
す半導体微粒子もしくは金属微粒子またはこれらの原料
となる金属塩もしくは金属錯体と、3価の原子または炭
素原子以外の4価の原子に加水分解性置換基が結合した
化合物のうち少なくとも前記式(8)または前記式
(9)で示されるシラン化合物とを溶媒の存在下で混合
し、上記加水分解性置換基が結合した化合物を加水分解
してゲル化させることによって製造される。また、前記
式(8)または前記式(9)で示されるシラン化合物を
必須成分とする3価の原子または炭素原子以外の4価の
原子に加水分解性置換基が結合した化合物のうち、加水
分解反応速度の比較的遅い成分を予め部分加水分解させ
てゾル溶液を調製し、該ゾル溶液と、他の上記加水分解
性置換基が結合した化合物またはその部分加水分解生成
物によるゾル溶液および非線形光学効果を示す半導体微
粒子もしくは金属微粒子またはこれらの原料となる金属
塩もしくは金属錯体とを、混合し、加水分解を更に進行
させてゲル化することによって製造することもできる。
【0070】上記の態様において、3価の原子または炭
素原子以外の4価の原子に加水分解性置換基が結合した
化合物における、3価および4価の原子は、周期律表の
第III 族および第IV族元素に限られるものではなく、3
価の原子としては、B、Al、Ga、In、Y、As、
Fe等が用いられる。また、4価の原子としては、S
i、Ge、Sn、Ti、Zr等が用いられる。また、加
水分解性の置換基としては、公知の条件下で加水分解を
受ける置換基であれば如何なるものでもよく、代表的に
はハロゲン原子、イソシアネート基、アルコキシ基、ア
ルカノイルオキシ基等のアシルオキシ基等が挙げられ
る。
【0071】本発明において、上記“3価の原子または
炭素原子以外の4価の原子に加水分解性置換基が結合し
た化合物”としては、少なくとも前記式(8)または前
記式(9)で示されるシラン化合物が使用される。前記
式(8)および前記式(9)において、Xは前記したも
のが例示され、X1 としては下記に記載の構造式で示さ
れる有機残基が例示される。
【化38】
【0072】また、X2 としては、下記に記載の構造式
で示される有機残基が例示される。
【化39】
【0073】また、加水分解性の官能基であるY1 とし
ては、メトキシ基、エトキシ基、ノルマルまたはイソプ
ロポキシ基等のアルコキシ基、塩素原子等のハロゲン原
子、またはイソシアノ基等を例示することができる。非
加水分解性の置換基であるY2 としては、メチル基、エ
チル基等のアルキル基、フェニル基、シクロヘキシル基
等の飽和または不飽和の炭化水素環基、または炭素数3
以上で環を形成してもよい。ここに例示したシラン化合
物は、X1 で示される構造を有するジカルボン酸無水物
と、H2 N−X2 −SiY1 n 2 m で示される構造を
有するアミノ基を有するシラン誘導体から合成すること
ができる。これらのシラン化合物は単独でもあるいは2
種以上混合して使用してもよい。
【0074】これらのシラン化合物は、アミド酸構造を
有しており、種々の元素および無機化合物との間で相互
作用する。そのため、これらのシラン化合物は、その溶
液中においても、また、ゲル化、乾燥後の固体中におい
ても、金属または半導体、またはそれらの原料物質を比
較的高濃度で安定に溶解する。さらにこれらのシラン化
合物から形成されたマトリックスを加熱すると、下記に
示す反応が起こる。
【化40】 上記の反応が起こることにより、有機質マトリックスで
あるポリシロキサン化合物が有していたアミド酸構造が
消える代わりにイミド環構造が形成されると共に、ポリ
シロキサン化合物のアミド酸構造部位と相互作用し、溶
解していたドーパントである金属または半導体、または
それらの原料化合物が析出してくる。加熱処理は、例え
ば200℃前後の比較的低い温度で実施することができ
る。
【0075】本発明においては、加水分解性化合物とし
て、前記式(8)または前記式(9)で示されるシラン
化合物を必須成分として使用するが、前記式(17)、
(18)、(19)、(20)および(21)で表わさ
れる金属または非金属化合物から選択された少なくとも
1種と併用することが好ましい。これらの各化合物は単
独でもあるいは2種以上混合して併用してもよい。
【0076】この場合、前記式(17)、(18)、
(19)、(20)および(21)で示される金属また
は非金属化合物の使用量は、各々0.1〜95重量%の
範囲が適当である。前記式(17)、(18)、(1
9)、(20)および(21)で示される金属または非
金属化合物の具体例については、前記したとおりであ
る。
【0077】本発明の非線形光学素子の第9の態様にお
いては、少なくとも加水分解可能な置換基を1以上有す
るシリル基を主鎖または側鎖に含むポリアミド酸化合物
の加水分解生成物中に、非線形光学効果を示す半導体微
粒子または金属微粒子が含有される。さらに、この非線
形光学素子においては、前記ポリアミド酸化合物と、3
価の原子または炭素原子以外の4価の原子に加水分解性
置換基が結合した化合物の加水分解生成物とが、脱水縮
合して得られる媒体中に、非線形光学効果を示す半導体
微粒子または金属微粒子が含有される場合も包含され
る。この非線形光学素子は、下記の方法により半導体微
粒子または金属微粒子を析出させることによって製造す
ることができる。すなわち、少なくとも加水分解可能な
置換基を一つ以上有するシリル基を主鎖または側鎖に含
むポリアミド酸化合物、またはこれらと他の高分子化合
物との混合物を適当な溶剤に溶かした溶液に、金属また
は半導体の原料を溶解し、該溶液中に3価の原子または
4価の原子に加水分解性置換基が結合した化合物、また
はその化合物の加水分解生成物を添加・混合し、加水分
解を更に進行させ、塗布その他の方法で成型した後、加
熱処理または化学処理を行うことにより、目的としてい
る金属また半導体の微結晶を析出させた複合材料を作製
するものである。
【0078】本発明において、有機・無機複合マトリッ
クスを作製するために用いられるポリイミド化合物は前
駆体において十分に半導体または半導体原料を固溶する
ものであること、使用する光の波長つまり半導体微粒子
が大きな非線形光学効果をしめす波長で十分透明である
ことが好ましい。このような高分子化合物として少なく
とも下記式(22)および(23)で示されるものがあ
げられる。
【化41】 (式中、Xは前記したと同意義を有し、X3 〜X5 は炭
素数が2以上の2価の有機残基を表し、X6 は炭素数が
2以上の3価の有機残基を表す。また、R7 は加水分解
性の官能基を表し、R8 およびR9 は、加水分解性の官
能基または飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、飽和
または不飽和の脂環式基、芳香族炭化水素基、アラルキ
ル基または複素環式基を示し、これらの有機化合物残基
は、いずれも置換基を有してもよい。また、sは、0≦
s<1の実数を表す。)
【0079】具体的には、Xとしては前記例示したもの
が挙げられる。また、X3 〜X5 としては、次のものが
例示される。
【0080】
【化42】
【0081】
【化43】
【0082】また、X6 としては下記の有機残基が例示
される。
【化44】
【0083】また、加水分解性の基R7 としては、メト
キシ基、エトキシ基、ノルマルまたはイソプロポキシ基
などのアルコキシ基、クロルなどのハロゲン原子、また
はイソシアノ基などを例示することができる。また、R
8 およびR9 としては、前記の加水分解性基またはメチ
ル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニ
ル基などの芳香族基等の有機残基が例示される。これら
の高分子化合物には、前駆体において官能基としてカル
ボン酸構造を多く有しており、種々の無機元素および無
機化合物との錯体を形成する。そのため、これらの高分
子化合物は、その溶液中においても、また、ゲル化、乾
燥後の固体中においても、金属または半導体、またはそ
れらの原料物質を比較的高濃度で安定に溶解する。さら
にこれらの高分子化合物を加熱すると、下記に示す反応
が起きる。
【0084】
【化45】
【0085】上記の反応が起きることにより、マトリッ
クスである高分子化合物が有していたアミド酸構造が消
える代わりにイミド環構造が形成されると供に、高分子
化合物中に溶解していたドーパントである金属または半
導体、またはそれらの原料化合物が析出してくる。加熱
処理は、例えば200℃前後の比較的低い温度で実施す
ることができる。上記の態様においては、本発明におい
て、前記高分子化合物とともに3価の原子または4価の
原子に加水分解性置換基が結合した化合物を併用するこ
とが好ましい。3価の原子または4価の原子に、加水分
解性置換基が結合した化合物において、3価または4価
の原子は周期律表の第III 族および第IV族元素に限られ
るものではなく、3価の原子としては、B、Al、G
a、In、Y、As、Fe等が用いられる。また4価の
原子としては、Si、Ge、Sn、Ti、Zr等が用い
られる。また、加水分解性の置換基としては、公知の条
件下で加水分解を受ける置換基であれば何如なるもので
もよく、代表的にはハロゲン原子、イソシアネート基、
アルコキシ基、アルカノイルオキシ基等のアシルオキシ
基等があげられる。より詳しくは、このような化合物と
して、前記式(17)、(18)、(19)、(20)
及び(21)で表される金属または非金属化合物が好ま
しく使用される。これらの各化合物は単独でも2種以上
混合して使用してもよい。また、これらの化合物の性質
の異なるものを併用することも好ましい。これらの化合
物の使用量は、それぞれ0.01〜95重量%の範囲が
適当である。
【0086】本発明の上記の態様の非線形光学素子にお
いては、マトリックスが、加水分解性化合物と、主鎖ま
たは側鎖にシリル基を有するポリイミドとにより形成さ
れる縮重合生成物がミクロに複合した構造を有するた
め、ポリマーとしての柔軟性が大きくなり、乾燥過程に
おいてクラックが発生しにくくなる。また、硬い無機成
分が含まれるため、高分子化合物単独で用いた場合に比
べ、機械的強度や熱的な安定性において優れた特性を有
するようになる。
【0087】本発明の上記第8および第9の態様の場
合、特開平2−230223号公報に記載のように、予
め加水分解性化合物を加水分解して多孔性のゲル体を作
製し、これに半導体微粒子あるいは金属微粒子の原料を
拡散、吸着させ、熱処理による半導体微粒子あるいは金
属微粒子を析出させる方法も採用できるが、この場合、
浸透性等に問題があり、媒質中に半導体微粒子或いは金
属微粒子を均一に分散保持することが困難である。した
がって、本発明においては、次の方法を採用することが
好ましい。すなわち、上記加水分解性化合物を、含有さ
せるべき半導体微粒子或いは金属微粒子原料の所定量と
共に、適当な溶媒、例えば、水、アルコール、エーテ
ル、エステル類、或いは脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、ハロゲン化炭化水素等の有機溶媒の単体、或いはそ
れらの混合液の中に添加し、ゲル化させる。また、乾燥
時のクラックの発生を防止するために、乾燥制御剤とし
て、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、
グリセリン等の高沸点溶媒と混合することも有効であ
る。以上のようにして調製されたゾル溶液は、適当な溶
液中でゲル化、乾燥させるか、或いは、紡糸してファイ
バー状に加工して用いられ、または、適当な基板上に塗
布後、ゲル化、乾燥して用いられる。ゾル溶液を基板上
に塗布する方法としては、公知の塗布法が用いられる。
例えば、デイップコーティング、スピンコーティング等
が使用できる。また、ゲル化の反応を促進させるため
に、必要に応じて酸、塩基等の触媒を用いることも可能
である。さらに30〜1000℃の加熱処理を施しても
よい。上記のようにして形成された本発明の非線形光学
素子は、微粒子が、加水分解性化合物の縮重合によって
形成されたマトリックス中に分散、保持された状態にな
っている。
【0088】前記式(8)、(9)、(17)〜(2
1)で示されるシラン化合物および金属または非金属化
合物は、本発明の範囲を逸脱しない限り、任意に選択さ
れるが、一般にそれらの加水分解速度が異なる。加水分
解速度の異なる多種類の加水分解性物質を使用する場合
に、従来のゾルゲル法におけるように、それらの全てを
混合しておき、その後加水分解を行うと、ゲル化後のマ
トリックスの構造は、加水分解反応の速い成分によって
決定されてしまい、本発明の所期の効果が充分得られな
くなる。そこで、本発明においては、加水分解を各成分
ごとに行う多段階加水分解法を採用するのが好ましい。
すなわち、加水分解速度の比較的遅いものと、水、また
は水と有機溶媒との混合液とを混合し、適当な温度下に
おいて所望の時間撹拌し、静置して部分的に加水分解反
応を進行させておき、このゾル溶液に、他のシラン化合
物および金属または非金属有機化合物の所定量を、直接
に、または別容器中で加水分解反応を行って得たゾル溶
液として、微粒子の原料と共に添加、混合し、その後、
加水分解反応をさらに進行させ、脱水縮合してゲル化さ
せる方法を採用することが好ましく、それにより優れた
無機媒質が形成される。本発明の非線形光学素子におい
て、シラン化合物の4つの加水分解性基の一部を非加水
分解性の置換基に置き換えた前記式(8)、(9)のシ
ラン化合物を使用する場合には、微粒子を保持する媒質
において、3次元に架橋したネットワークの結合が少な
くなり、したがって、ポリマーとしての柔軟性が大きく
なるため、乾燥過程においてクラックが発生しにくくな
る。さらに、加水分解性化合物として、前記式(1
7)、(18)または(19)で示されるシラン化合物
を使用した場合、これらのシラン化合物が非加水分解性
の置換基を有することから、高分子化合物との相溶性が
高くなり、より緻密に複合したマトリックスの形成が可
能となる。また、このようなマトリックスにおいては、
微粒子との相溶性を変化させることが可能になり、微粒
子の低温析出、粒径制御に役立つ。また、前記式(2
0)、(21)で示される金属または非金属化合物とし
ては、加水分解して、金属または非金属の酸化物が、マ
トリックスの主成分であるシリカゲルのネットワーク
間、または高分子・シリカゲル複合ネットワーク間の結
合を形成するような化合物が選択されることから、ネッ
トワーク間の架橋状態を制御することが可能であり、得
られた非線形光学素子の機械的強度を増すことができ
る。
【0089】本発明において、マトリックス中に析出す
る“半導体微粒子および金属微粒子”としては、非線形
光学特性を与えるものであれば、如何なるものであって
もよい。例えば、Au、Ag、Pt、Cu等の金属コロ
イド微粒子、PbS、ZnS、CdS、CdSe、Cd
Te等の化合物半導体微粒子、TiO、SnO2 、Cu
2 O、ZnO、MnO、CoO等の酸化物半導体微粒
子、AgI、HgI2 、CuCl、CuBr、CuI等
のハロゲン化物微粒子等があげられる。
【0090】AgI、HgCl2 等のように、目的とす
る半導体そのものを適当な溶媒に溶解するか、または高
分子溶液に溶解してもよいが、半導体原料または金属原
料として、金属ハロゲン化物、金属硝酸塩、金属錯化合
物、金属アルコキシド、金属カルボン酸塩或いはキレー
ト化合物等の有機金属化合物を用いた場合、これを適当
な溶媒に溶解するか、または高分子溶液に溶解してお
き、ゾルゲル反応、またはその後の熱処理により、これ
らの半導体または金属化合物を熱反応させて、目的とす
る半導体または金属微粒子を生成させてもよい。さら
に、これらの半導体または金属化合物に水素等による還
元、硫化水素等による硫化物化等の処理を施すことによ
り、目的とする半導体微粒子または金属微粒子に化学変
化させてもよい。本発明において半導体原料または金属
原料としては、例えば、AgI、HgI2 、HgCl、
AuCl、NiCl、PtCl2 、CuCl、CuCl
2 、FeCl3 、MoCl5 、IrCl3 、SnCl4
等の金属ハロゲン化物、HAuCl4 ・4H2 O、Na
AuCl4 ・2H2 O、H2 PtCl4 等の金属錯化合
物、AgNO3 、Hg(NO3 2 ・1/2H2 O、Z
n(NO3 2 ・6H2O等の硝酸塩、CH3 COOA
g、Zn(CH3 COO)2 ・2H2 O、Cu(CH3
COO)2 ・H2 O、Mn(CH3 COO)2 ・4H2
O、Pb(CH3COO)2 ・3H2 O、Cd(CH3
COO)2 ・2H2 O、Sn(CH3 COO)2 、Co
(C8 182 2 、Fe(C8 182 2 等のカル
ボン酸塩、Fe(C5 5 2 2 、Fe(C5 5
2 3 、Mn(C5 5 2 2 等の有機金属キレート
化合物があげられる。
【0091】ここで、本発明における非線形光学素子に
おいては、これらの非線形光学効果を与える材料とし
て、励起子のボーア半径が小さく励起子の閉じ込め効果
が有効に働くことから、大きな3次の非線形光学効果が
期待されるハロゲン化第一銅微粒子を用いることが望ま
しい。これらの材料は、0.01〜99重量%、好まし
くは0.1〜95重量%の範囲で含有させる。
【0092】さらに、微粒子として、酸化等により変質
しやすいハロゲン化第一銅等の微粒子を分散させたもの
を得る場合には、高分子化合物或いは加水分解性化合物
を含有する溶液中に、ハロゲン化第一銅を添加し溶解す
る調液工程、得られた溶液と塗布し、高分子化合物を熱
処理または化学処理する工程、或いは加水分解性化合物
を加水分解し、得られた高分子溶液を基板上に塗布する
等して、フィルム状に加工する工程等の全ての工程を、
窒素或いはアルゴン等の不活性雰囲気中で行い、次い
で、真空中或いは不活性雰囲気中で溶剤を除去するのが
好ましい。
【0093】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 実施例1 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に下記式(24)で示されるジアミノジフェニルエー
テル0.236gを溶解し、完全に溶解した後、下記式
(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.314
gを徐々に加えた。続いて乾燥窒素気流下にて、10〜
15℃に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに20
〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて、下記式(2
6)で示される高分子化合物の溶液を得た。この高分子
化合物の溶液と、あらかじめCuCl 0.072gと
ジメチルアセトアミド7.5mlを攪拌混合させて得た
濁ったコロイド状分散液とを混合したところ、薄い緑色
を呈した透明な液体に変化し、CuClが溶解した。な
お、以上の混合操作は全て乾燥窒素雰囲気下で行った。
この溶液を大気中でガラス基板上にスピンコートした
後、1Torrの真空下で70℃30分間加熱し、30
分間保持し、溶剤を除去して薄い緑色の透明なフィルム
を得た。このフィルムを200ml/minの窒素気流
下で、200℃で30分間熱処理を行った。熱処理によ
る赤外吸収スペクトルの変化を図1に示す。図1(a)
は熱処理前、図1(b)は熱処理後の赤外吸収スペクト
ルである。これらの結果より、熱処理に伴い、マトリッ
クスが下記式(26)で示される高分子化合物から下記
式(27)で示される高分子化合物へと変化したことが
わかる。析出物の有無をCuKα線によるX線回折法に
より調べたところ、上記の熱処理でCu2 Oが析出して
いることが確認された。さらに透過電子顕微鏡により析
出物の粒径を調べたところ、10〜50nmであった。
これらの高分子化合物・Cu2 O複合フィルムは、析出
物の粒径が十分に小さいため、透明であり、色は褐色で
あった。
【0094】
【化46】 (式中、n′は約500である。)
【0095】実施例2 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に上記式(24)で示されるジアミノジフェニルエー
テル0.236gを溶解し、完全に溶解した後、上記式
(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.314
gを徐々に加えた。続いて乾燥窒素気流下にて、10〜
15℃に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに20
〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて、上記式(2
6)で示される高分子化合物の溶液を得た。この高分子
化合物の溶液と、あらかじめテトラクロロ金酸0.08
0gとジメチルアセトアミド7.5mlを攪拌混合させ
て得た濁ったコロイド状分散液とを混合して薄いオレン
ジ色を呈した透明な液体を得た。なお、以上の混合操作
は全て乾燥窒素雰囲気下で行った。この溶液を大気中で
ガラス基板上にスピンコートした後、1Torrの真空
下で70℃30分間加熱し、30分間保持し、溶剤を除
去して薄い黄色の透明なフィルムを得た。このフィルム
を大気中で200℃で30分間熱処理を行った。この結
果により、析出物の有無をX線回折法により調べたとこ
ろ、上記の熱処理でAuが析出していることが確認され
た。さらに透過電子顕微鏡により析出物の粒径を調べた
ところ、5〜20nmであった。この高分子化合物・A
u複合フィルムは、析出物の粒径が十分に小さいため、
透明であり、色は赤紫色であった。このフィルムの吸収
スペクトルを測定したところ、570nmをピークとす
るブロードな吸収が認められた。この吸収は、金微粒子
のプラズマ振動周波数に対応しており、作製した材料が
十分非線形光学材料として使用可能なことがわかった。
【0096】実施例3 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に下記式(28)で示される2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン
1.028gを溶解し、完全に溶解した後、下記式(2
9)で示される4,4′−(ヘキサフロロイソプロピリ
デン)無水フタル酸0.888gを徐々に加えた。続い
て乾燥窒素気流下にて、10〜15℃に保ちながら1時
間ゆっくり攪拌し、さらに20〜25℃に保ちながら2
時間攪拌を続けて、下記式(30)で示される高分子化
合物の溶液を得た。この高分子化合物の溶液と、あらか
じめテトラクロロ金酸0.080gとジメチルアセトア
ミド7.5mlを攪拌混合させて得られた溶液とを混合
して薄いオレンジ色を呈した透明な溶液を得た。なお、
以上の混合操作は全て乾燥窒素雰囲気下で行った。この
溶液を大気中でガラス基板上にスピンコートした後、1
Torrの真空下で70℃30分間加熱し、30分間保
持し、溶剤を除去して薄い黄色の透明なフィルムを得た
(下記式(31))。このフィルムを大気中で200℃
で30分間熱処理を行った。析出物の有無をX線回折法
により調べたところ、上記の熱処理でAuが析出してい
ることが確認された。さらに透過電子顕微鏡により析出
物の粒径を調べたところ、5〜15nmであった。この
高分子化合物・Au複合フィルムは、析出物の粒径が十
分に小さいため、透明であり、色は赤紫であった。
【0097】
【化47】 (式中、n″は約300である。)
【0098】実施例4 乾燥窒素気流下にて、あらかじめCuCl0.035
g、ジシアンジアミド0.02gとジメチルアセトアミ
ド7.5mlを攪拌混合させて得た分散液と、ビスフェ
ノールAタイプのエポキシ樹脂(商品名:エピコート5
62、シェル社製)2.0gとを混合し、薄い緑色を呈
した透明な液体に得た。なお、以上の混合操作は全て乾
燥窒素雰囲気下で行った。この溶液を大気中でガラス基
板上にスピンコートした後、大気中で70℃に加熱し、
60分間保持して溶剤を除去し、薄い緑色の透明なフィ
ルムを得た。このフィルムを200ml/minの窒素
気流下において200℃で30分間熱処理を行った。析
出物の有無をX線回折法により調べたところ、Cu2
が析出していることが確認された。この高分子化合物・
Cu2 O複合フィルムは、析出物の粒径が十分に小さい
ため、透明であり、色は褐色であった。
【0099】実施例5 乾燥窒素気流中にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に前記式(24)で示されるジアミノジフェニルエー
テル0.236gを添加し、完全に溶解させた後、前記
式(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.31
4gを徐々に加えた。続いて乾燥窒素気流中にて、10
〜15℃に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに2
0〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて、前記式
(26)で示される高分子化合物の溶液を得た。この高
分子化合物の溶液と、あらかじめCuCl 0.065
gとジメチルアセトアミド7.5mlを攪拌混合させて
得た濁ったコロイド状分散液とを混合したところ、薄い
緑色を呈した透明な液体に変化し、CuClが溶解し
た。なお、以上の混合操作は全て乾燥窒素雰囲気下で行
った。この溶液を、乾燥窒素雰囲気中でガラス基板上に
スピンコートした後、1Torrの真空下で70℃で加
熱し、30分間保持して、溶剤を除去し、無色透明なフ
ィルムを得た。このフィルムを1×10-5Torrの真
空中で200℃で30分間熱処理を行った。析出物の有
無をX線回折法により調べたところ、上記の熱処理でC
uClが析出していることが確認された。さらに透過電
子顕微鏡により析出物の粒径を調べたところ、5〜50
nmであった。得られた高分子化合物・CuCl複合フ
ィルムは、析出物の粒径が十分に小さいため、透明であ
り、色はうすい黄色であった。
【0100】実施例6 乾燥窒素気流中にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に前記式(24)で示されるジアミノジフェニルエー
テル0.236gを添加し、完全に溶解させた後、前記
式(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.31
4gを徐々に加えた。続いて乾燥窒素気流中にて、10
〜15℃に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに2
0〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて、前記式
(26)で示される高分子化合物の溶液を得た。この高
分子化合物の溶液と、あらかじめCuBr0.094g
とジメチルアセトアミド7.5mlを攪拌混合させて得
た濁ったコロイド状分散液とを混合して薄い緑色を呈し
た透明な液体に得た。なお、以上の混合操作は全て乾燥
窒素雰囲気下で行った。この溶液を用いて乾燥窒素雰囲
気中でガラス基板上にスピンコートした後、1Torr
の真空中で70℃に加熱し、30分間保持して溶剤を除
去し、薄い緑色の透明なフィルムを得た。このフィルム
を1×10-5Torrの真空中で200℃で30分間熱
処理を行った。析出物の有無をX線回折法により調べた
ところ、上記の熱処理でCuBrが析出していることが
確認された。さらに透過電子顕微鏡により析出物の粒径
を調べたところ、5〜50nmであった。得られた高分
子化合物・CuCl複合フィルムは、析出物の粒径が十
分に小さいため、透明であり、色は黄色であった。
【0101】実施例7 乾燥窒素気流中にて、ジメチルアセトアミド37.5m
l中に前記式(28)で示される2,2−ビス[4(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン
1.028gを添加し、完全に溶解させた後、前記式
(29)で示される4,4′−(ヘキサフロロイソプロ
ピリデン)無水フタル酸0.888gを徐々に加えた。
続いて乾燥窒素気流中にて、10〜15℃に保ちながら
1時間ゆっくり攪拌し、さらに20〜25℃に保ちなが
ら2時間攪拌を続けて、前記式(30)で示される高分
子化合物の溶液を得た。この高分子化合物の溶液と、あ
らかじめCuCl0.099gとジメチルアセトアミド
37.5mlを攪拌混合させて得られた溶液とを混合し
て薄い青色を呈した透明な溶液を得た。なお、以上の混
合操作は全て乾燥窒素雰囲気下で行った。この溶液を乾
燥窒素雰囲気中でガラス基板上にスピンコートした後、
1Torrの真空下で70℃に加熱し、30分間保持し
て溶剤を除去し、無色透明なフィルムを得た。このフィ
ルムを1×10-5Torrの真空下で200℃で30分
間熱処理を行った(前記式(31))。析出物の有無を
X線回折法により調べたところ、上記の熱処理でCuC
lが析出していることが確認された(図3参照)。さら
に透過電子顕微鏡により析出物の粒径を調べたところ、
10〜50nmであった。得られた高分子化合物・Cu
Cl複合フィルムは、析出物の粒径が十分に小さいた
め、透明で薄い黄色であった。このフィルムの吸収スペ
クトルを図4に示す。370nmにCuCl励起子吸収
サブバンド構造が認められる。次いで、このようにして
得られたCuCl微粒子分散薄膜について、図2に示す
非線形光学特性評価装置を用いて縮退四光波混合法によ
り非線形感受率χ(3)の測定を実施した。測定は380
nmの光を用いて行った。その結果、得られたχ(3) の
値は、5.4×10-8esuであり、非常に高いもので
あった。なお、図2において、1は光源であり、2は光
パラメトリック発振器、3はハーフミラー、4はサンプ
ル、5は光電子増倍管、6は可変ディレイプリズムであ
る。図2で示される非線形光学特性評価装置による非線
形光学特性の測定を行うために、光源1として、Nd:
YAGレーザーの第4高調波(266nm)を励起光と
したβ−BaB2 4 (BBO)結晶による光パラメト
リック発振器(OPO)2を、各々のサンプルに応じた
波長に調整して用いる。OPOから出射した1本の光束
は、ハーフミラー3により、2つのポンプ光と、1つの
プローブ光に分割してサンプル4に入射し、ここで発生
するシグナル光の強度を光電子増倍管(PMT)5を用
いて測定することにより、非線形感受率χ(3) の値を求
める。
【0102】実施例8 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド37.5m
l中に前記式(28)で示される2,2−ビス[4(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン
1.028gを添加し、完全に溶解させた後、前記式
(29)で示される4,4′−(ヘキサフロロイソプロ
ピリデン)−2−無水フタル酸0.888gを徐々に加
えた。続いて乾燥窒素気流中にて、10〜15℃に保ち
ながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに20〜25℃に保
ちながら2時間攪拌を続けて、前記式(30)で示され
る高分子化合物の溶液を得た。この高分子化合物の溶液
と、あらかじめCuBr0.142gとジメチルアセト
アミド37.5mlを攪拌混合させて得られた溶液とを
混合して薄い青色を呈した透明な溶液を得た。なお、以
上の混合操作は全て乾燥窒素雰囲気中で行った。この溶
液を乾燥窒素雰囲気中でガラス基板上にスピンコートし
た後、1Torrの真空下で70℃に加熱し、30分間
保持して溶剤を除去し、無色透明なフィルムを得た。こ
のフィルムを1×10-5Torrの真空下で30分間熱
処理を行った(前記式(31))。析出物の有無をX線
回折法により調べたところ、上記の熱処理でCuBrが
析出していることが確認された(図5参照)。さらに透
過電子顕微鏡により析出物の粒径を調べたところ、15
〜50nmであった。得られた高分子化合物・CuBr
複合フィルムは、析出物の粒径が十分に小さいため、透
明でうすい黄色であった。このフィルムの吸収スペクト
ルを図6に示す。380nmと415nmにCuBr励
起子吸収サブバンド構造が認められる。次いで、この様
にして得られたCuBr微粒子分散薄膜について、図2
に示す光学系を用いて非線形感受率χ(3) の測定を実施
した。測定は、420nmの光を用いて行った。その結
果、得られたχ(3) の値は、9.5×10-9esuであ
り、非常に高いものであった。
【0103】実施例9 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に前記式(24)で示されるジアミノジフェニルエー
テル0.236gを添加し、完全に溶解させた後、前記
式(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.31
4gを徐々に加えた。続いて乾燥窒素気流中にて、10
〜15℃に保ちながら1時間ゆっくり攪拌し、さらに2
0〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて、前記式
(26)で示される高分子化合物の溶液を得た。この高
分子化合物の溶液と、あらかじめCuCl0.065g
とジメチルアセトアミド7.5mlを攪拌混合させて得
た濁ったコロイド状分散液とを混合した。CuClが溶
解して、混合物は薄い緑色を呈した透明な液体に変化し
た。なお、以上の混合操作は全て乾燥窒素雰囲気下で行
った。この溶液を用いて乾燥窒素雰囲気中でガラス基板
上にスピンコートした後、1Torrの真空下で70℃
に加熱し、60分間保持して溶剤を除去し、薄い緑色の
透明なフィルムを得た。このフィルムを1×10-5To
rrの真空下で200℃で30分間熱処理を行った。析
出物の有無をX線回折法により調べたところ、上記の熱
処理でCuClが析出していることが確認された。得ら
れた高分子・CuCl複合フィルムは、析出物の粒径が
十分に小さいため、透明であり、色は褐色であった。
【0104】実施例10 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド15ml中
に前記式(24)で示されるジアミノジフェニルエーテ
ル0.235gを溶解し、完全に溶解した後、前記式
(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.315
gを徐々に加える。続いて乾燥窒素気流下にて、10〜
15℃に保ちながら1時間ゆっくりと攪拌し、さらに2
0〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて前記式(2
6)に示される高分子化合物溶液を得た。この高分子化
合物溶液と、CuCl 0.07gとを攪拌混合させて
薄い緑色を呈した透明で液体を得た。なお以上の混合操
作もすべて乾燥窒素雰囲気下で行った。この溶液を乾燥
窒素雰囲気中でガラス基板上にスピンコートしたのち、
1Torrの真空下で70℃で30分間加熱し、30分
間保持し、溶剤を除去して薄い緑色の透明なフィルムを
得た。このフィルムを乾燥窒素雰囲気下でガラス基板ご
と無水酢酸、ピリジン、ベンゼン(4:3.5:8(体
積比))の混合溶液に12時間浸漬きした。赤外吸収ス
ペクトル測定により、熱処理に伴い、前記式(26)で
示される高分子化合物から前記式(27)で示される高
分子化合物へと、マトリックスが変化したことが確認さ
れた。析出物の有無をX線回折法により調べたところ化
学処理を施したものにおいてCuClの析出が認められ
た。これらのフィルムは析出物の粒径が十分に小さいた
め透明であり色はうすい褐色であった。
【0105】実施例11 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド35ml中
に前記式(28)で示される2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン
1.028gを溶解し、完全に溶解したら前記式(2
9)で示される4,4′−(ヘキサフロロイプロピリデ
ン)−2−無水フタル酸0.888gを徐々に加えた。
続いて乾燥窒素気流下にて、10〜15℃に保ちながら
1時間ゆっくりと攪拌し、さらに20〜25℃に保ちな
がら2時間攪拌を続けて前記式(30)に示される高分
子化合物溶液を得た。この高分子化合物溶液と、CuC
lの0.15gとを攪拌混合させて、薄い青色を呈した
透明で液体を得た。なお以上の混合操作もすべて乾燥窒
素雰囲気下で行った。この溶液を乾燥窒素雰囲気中でガ
ラス基板上にスピンコートしたのち、1Torrの真空
下で70℃に加熱し、30分間保持し、溶剤を除去して
水色の透明なフィルムを得た。このフィルムを実施例1
0と同様の条件で化学処理を行った。析出物の有無をX
線回折法により調べたところCuClの析出が認められ
た。これらのフィルムは析出物の粒径が十分に小さいた
め無色透明であった。このフィルムの吸収スペクトルを
図7に示す。370nmにCuCl励起子吸収サブバン
ド構造が認められる。
【0106】実施例12 乾燥窒素気流下にて、ジメチルホルムアミド10ml中
にポリ−p−アミノスチレン(C.Kotlarchi
k、L.M.Minsk:J.PolymerSci.
Polym.Chem. Ed.,13, 1743
(1975)に記載の方法により合成)0.20gを溶
解し、冷却撹拌しながら無水フタル酸0.25gを徐々
に加え3時間撹拌した。この高分子化合物溶液に、あら
かじめ0.072gCuClとジメチルホルムアミド
7.5mlを撹拌混合させた濁ったコロイド状分散液と
を混合し、高分子とCuClの混合溶液を得た。なお、
以上の混合操作もすべて乾燥窒素雰囲気下で行った。こ
の溶液を乾燥窒素雰囲気下でガラス基板上にスピンコー
トしたのち、1Torrの真空下で70℃で30分間、
続いて100℃で30分間加熱して、フィルムを得た。
フィルムを透過電子顕微鏡で観察した結果、数nmから
数十nm程度の微粒子の析出が確認された。
【0107】実施例13 乾燥窒素気流下にて、ジメチルホルムアミド10ml中
に、ポリ−p−アミノスチレン0.20gを溶解し、撹
拌しながらピロメリット酸2無水物0.36gを徐々に
加え24時間撹拌した。この高分子化合物溶液に、さら
にp−トルイジン0.17gを加え、3時間撹拌した。
この高分子化合物溶液に、あらかじめテトラクロロ金酸
0.080gとジメチルアセトアミド7.5mlを撹拌
混合させた液とを混合して塗布液を得た。なお、以上の
混合操作もすべて乾燥窒素雰囲気下で行った。この溶液
を大気中でガラス基板上にスピンコートしたのち、1T
orrの真空下で70℃で30分間、さらに160℃で
30分間加熱して、フィルムを得た。このフィルムの吸
収スペクトルを測定したところ、570nm付近にピー
クのある吸収が認められた。この吸収は金微粒子のプラ
ズマ振動周波数に対応しており、作成した材料が十分非
線形光学材料として使用可能なことがわかった。析出物
の有無を透過電子顕微鏡により調べたところ、数nmか
ら数十nm程度の粒子の析出が確認された。
【0108】実施例14 実施例12において、高分子溶液に下記式(32)で示
されるポリアミドイミド(C.J.Huang,et
al.:J.Appl.Polym.Sci.,42,
2267(1991)に記載の方法によって合成。N
−メチル−2−ピロリドン中30℃での固有粘度1.4
2dl/g)0.01gを加えた他は、同様にしてフィ
ルムを作製した。フィルムを透過電子顕微鏡で観察し
た。その結果、数nmから数十nm程度の微粒子の析出
が確認された。
【化48】
【0109】実施例15 実施例13において、p−トルイジンの代わりに、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いた他は、同様
にしてフィルムを作製した。フィルムを透過電子顕微鏡
で観察した結果、数nmから数十nm程度の微粒子の析
出が確認された。
【0110】比較例1 乾燥窒素気流下にて、ポリスチレンのジメチルホルムア
ミド溶液に、あらかじめ調製しておいたCuClとジメ
チルホルムアミドを撹拌混合させた濁ったコロイド状分
散液とを混合した溶液を用いフィルムを作製したが、透
明性の悪いフィルムとなった。
【0111】実施例16 乾燥窒素気流下にて、実施例12におけると同様のポリ
−p−アミノスチレン0.20gのジメチルホルムアミ
ド10ml溶液を撹拌しながら、あらかじめ0.072
gCuClとジメチルホルムアミド7.5mlを撹拌混
合させた濁ったコロイド状分散液を加え、高分子とCu
Clの混合溶液を得た。次にこの混合溶液にビスフェノ
ールAのジグリシジルエーテルをポリ−p−アミノスチ
レンの1/2等量を加えた後、この溶液を乾燥窒素雰囲
気下でガラス基板上にスピンコートした。得られた塗膜
を、1Torrの真空下で70℃で1時間、続いて12
0℃で30分間加熱して、フィルムを得た。フィルムを
透過電子顕微鏡で観察した結果、数nmから数十nm程
度の微粒子の析出が確認された。
【0112】実施例17 乾燥窒素気流下にて、ジメチルホルムアミド10ml中
に下記式(33)に示すポリカーボネート(ジフェノー
ル酸80/ビスフェノールA 20の共重合体:ジメチ
ルホルムアミド中30℃での固有粘度1.01dl/
g)0.20gを溶解し、撹拌しながらあらかじめテト
ラクロロ金酸0.080gとジメチルアセトアミド7.
5mlを撹拌混合させた液とを混合した。この溶液に、
ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアナートとメチルフ
ェニルイソシアナートを1:5の割合でポリカーボネー
トのカルボン酸基と等量になるように加え塗布液を作製
した。この溶液をガラス基板上にスピンコートした後、
1Torrの真空下で70℃で1時間、さらに120℃
で30分間加熱して、フィルムを得た。このフィルムの
吸収スペクトルを測定したところ、570nm付近に吸
収ピークが認められた。この吸収は金微粒子のプラズマ
振動周波数に対応しており、作製した材料が十分非線形
光学材料として使用可能なことがわかった。析出物の有
無を透過電子顕微鏡により調べたところ、数nmから数
十nm程度の粒子の析出が確認された。
【化49】
【0113】実施例18 実施例16においてポリ−p−アミノスチレンのかわり
に上記式(33)で示されるポリカーボネートを用いた
以外は、同様にしてフィルムを作製した。析出物の有無
を透過電子顕微鏡により調べたところ数nmから数十n
m程度の粒子の析出が確認された。
【0114】実施例19 実施例18において、高分子溶液に前記式(32)で示
されるポリアミドイミド0.01gを加えた他は、同様
にしてフィルムを作製した。フィルムを透過電子顕微鏡
で観察した結果、数nmから数十nm程度の微粒子の析
出が確認された。 実施例20 実施例16においてCuClのかわりにCuBrを用い
た以外は同様にしてフィルムを作製した。フィルムを透
過電子顕微鏡で観察した結果、数nmから数十nm程度
の微粒子の析出が確認された。 実施例21 実施例17において、ポリカーボネートのかわりに下記
式(34)で示される高分子化合物(50/50の共重
合体)を用いた以外は、同様にしてフィルムを作製し
た。フィルムを透過電子顕微鏡で観察した結果、数nm
から数十nm程度の微粒子の析出が確認された。
【化50】
【0115】実施例22 乾燥窒素気流下にて、前記式(32)で示されるポリア
ミドイミド0.6gをジメチルホルムアミド15ml中
に溶解させた溶液に下記式(35)で示される化合物
(M.H.Kailani,et al.:Macro
molecules,25, 3751(1992)に
記載の方法に従って合成)0.3gを溶解した。この溶
液にさらにCuCl0.4gを撹拌混合させて薄い緑色
を呈した透明な液体を得た。この溶液を乾燥窒素気流下
にてガラス基板上にスピンコートした後、1Torrの
真空下で70℃で30分間加熱し、30分間保持して溶
剤を除去して、薄い緑色の透明なフィルムを得た。この
フィルムを1×10-5Torrの真空下で150℃に加
熱し、1時間保持した。析出物の有無をX線回折法によ
り調べたところ、CuCl結晶の析出が認められた。さ
らに透過電子顕微鏡により析出物の粒径を観察した結
果、数nmから数十nmの微粒子の析出が確認できた。
これらのフィルムの吸収スペクトルを測定したところ、
370nmにCuCl励起子吸収サブバンド構造がみと
められた。
【化51】
【0116】実施例23 乾燥窒素気流下にて前記式(32)で示されるポリアミ
ドイミド0.6gをジメチルホルムアミド15ml中に
溶解させた溶液に、上記式(35)で示される化合物
0.3gを溶解した。この溶液にさらにCuCl 0.
4gを撹拌混合させて薄い緑色を呈した透明な液体を得
た。この溶液を乾燥窒素気流下にてガラス基板上にスピ
ンコートした後、1Torrの真空下で70℃で30分
間加熱し、30分間保持し、溶剤を除去して薄い緑色の
透明なフィルムを得た。このフィルムを乾燥窒素気流下
にて無水酢酸、ピリジン、ベンゼン(4:3.5:8
(体積比))の混合溶液に12時間浸せきした。析出物
の有無をX線回折法により調べたところ、CuCl結晶
の析出が認められた。さらに透過電子顕微鏡により析出
物の粒径を観察した結果、数nmから数十nmの微粒子
の析出が確認できた。これらのフィルムの吸収スペクト
ルを測定したところ、370nmにCuCl励起子吸収
サブバンド構造がみとめられた。
【0117】実施例24 乾燥窒素気流下にて、下記式(36)で示される繰り返
し構造単位よりなるポリカーボネート樹脂(分子量:2
1000)0.6gをジメチルホルムアミド15ml中
に溶解させた溶液に、上記式(35)で示される化合物
0.1gを溶解した。この溶液にさらにCuCl 0.
05gを撹拌混合させて薄い緑色を呈した透明な液体を
得た。この溶液を乾燥窒素気流下にてガラス基板上にス
ピンコートした後、1Torrの真空下で70℃で30
分間加熱し、30分間保持し、溶剤を除去して薄い水色
の透明なフィルムを得た。このフィルムを1×10-5
orrの真空下で150℃に加熱し1時間保持した。析
出物の有無をX線回折法により調べたところCuCl結
晶の析出が認められた。さらに透過電子顕微鏡により析
出物の粒径を観察した結果、数nmから数十nmの微粒
子の析出が確認できた。これらのフィルムの吸収スペク
トルを測定したところ、370nmにCuCl励起子吸
収サブバンド構造がみとめられた。
【化52】
【0118】実施例25 乾燥窒素気流下にて、前記式(32)で示したポリアミ
ドイミド0.6gをジメチルホルムアミド15ml中に
溶解させた溶液に前記式(35)で示される化合物0.
3gを溶解した。この溶液にさらにテトラクロロ金酸
0.1gを撹拌混合させて薄いオレンジ色を呈した透明
な液体を得た。この溶液を乾燥窒素気流下にてガラス基
板上にスピンコートしたのち、1Torrの真空下で7
0℃で30分間加熱し、30分間保持し、溶剤を除去し
て薄い黄色の透明なフィルムを得た。このフィルムを大
気下にて250℃に加熱し1時間保持した。透過電子顕
微鏡により析出物の粒径を観察した結果、数nmから数
十nmの微粒子の析出が確認できた。これらのフィルム
の吸収スペクトルを測定したところ、570nmをピー
クとするブロードな吸収が認められた。この吸収は金微
粒子のプラズマ振動周波数に対応しており、作成した材
料が十分非線形光学材料として使用可能なことがわかっ
た。
【0119】比較例2 乾燥窒素気流下にて前記式(36)で示される繰り返し
構造単位よりなるポリカーボネート樹脂(分子量:21
000)0.6gをジメチルホルムアミド15ml中に
溶解させた溶液にCuCl0.05gを撹拌混合させた
ところ、にごった緑色を呈した液体となり十分にCuC
lを溶解させることができなかった。
【0120】実施例26 乾燥窒素気流下にて、下記式(37)で示される繰り返
し構造単位よりなる高分子化合物(水中30℃での固有
粘度0.95dl/g)の20%水溶液30mlに、C
uCl 0.05gとを撹拌混合させて薄い緑色を呈し
た透明な液体を得た。この溶液を乾燥窒素雰囲気中でガ
ラス基板上にスピンコートした後、1Torrの真空下
で70℃に加熱し30分間保持し、溶剤を除去して薄い
緑色の透明なフィルムを得た。このフィルムを乾燥窒素
雰囲気下でガラス基板ごと塩化水素ガスに1時間さらし
た。析出物の有無をX線回折法により調べたところCu
Clの析出が認められた。これらのフィルムは析出物の
粒径が十分に小さいため透明であり、色はうすい緑色で
あった。
【化53】
【0121】実施例27 乾燥窒素気流下にて、上記式(37)で示される繰り返
し構造単位よりなる高分子化合物の20%水溶液30m
lにCuBr0.05gとを攪拌混合させて薄い緑色を
呈した透明な液体を得た。この溶液を乾燥窒素雰囲気中
でガラス基板上にスピンコートしたのち、1Torrの
真空下で70℃に加熱し、30分間保持し、溶剤を除去
して薄い緑色の透明なフィルムを得た。このフィルムを
乾燥窒素雰囲気下でガラス基板ごと塩化水素ガスに1時
間さらした。析出物の有無をX線回折法により調べたと
ころCuBrの析出が認められた。これらのフィルムは
析出物の粒径が十分に小さいため透明であり色はうすい
緑色であった。 実施例28 乾燥窒素気流下にて、上記式(37)で示される繰り返
し構造単位よりなる高分子化合物の20%水溶液30m
lにCuCl 0.05gとを攪拌混合させて薄い緑色
を呈した透明な液体を得た。この溶液を乾燥窒素雰囲気
中でガラス基板上にスピンコートしたのち、1Torr
の真空下で70℃に加熱し、30分間保持し、溶剤を除
去して薄い緑色の透明なフィルムを得た。このフィルム
を乾燥窒素雰囲気下でガラス基板ごと酢酸蒸気に1時間
さらした。析出物の有無をX線回折法により調べたとこ
ろCuClの析出が認められた。これらのフィルムは析
出物の粒径が十分に小さいため透明であり色はうすい緑
色であった。
【0122】実施例29 乾燥窒素気流下にて、L.J.Guilbault、
M.Murano、H.J.Harwood、J.Ma
cromol:Sci.Chem.A,7, 1065
(1973)に記載の方法にしたがって合成された下記
式(38)で示される繰り返し構造単位よりなる高分子
化合物(水中30℃での固有粘度1.0dl/g)の5
gをジメチルホルムアミド30mlに溶かした後、Cu
Cl 0.05gを加え撹拌混合させて薄い緑色を呈し
た透明な液体を得た。この溶液を大気中でガラス基板上
にスピンコートしたのち、1Torrの真空下で70℃
に加熱し、30分間保持し、溶剤を除去して薄い緑色の
透明なフィルムを得た。このフィルムを大気下で200
℃2時間保持した。析出物の有無をX線回折法により調
べたところCuClの析出が認められた。これらのフィ
ルムは析出物の粒径が十分に小さいため透明であり色は
うすい緑色であった。透過電子顕微鏡により観察したと
ころ析出物の粒径は50〜200オングストロームであ
った。
【化54】
【0123】実施例30 乾燥窒素気流下にて、上記式(38)で示される高分子
化合物の5gをジメチルホルムアミド30mlに溶かし
た後、CuBr0.07gを加え撹拌混合させて薄い緑
色を呈した透明な液体を得た。この溶液を大気中でガラ
ス基板上にスピンコートしたのち、1Torrの真空下
で70℃に加熱し、30分間保持し、溶剤を除去して薄
い緑色の透明なフィルムを得た。このフィルムを大気下
で200℃で2時間保持した。析出物の有無をX線回折
法により調べたところCuBrの析出が認められた。こ
のフィルムは析出物の粒径が十分に小さいため透明であ
り色はうすい緑色であった。
【0124】実施例31 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド7.5ml
中に前記式(24)で示されるジアミノジフェニルエー
テル0.236gを溶解し、完全に溶解したら前記式
(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.314
gを徐々に加える。続いて乾燥窒素気流下にて、10〜
15℃に保ちながら1時間ゆっくりと攪拌し、さらに2
0〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて前記式(2
6)に示される高分子化合物溶液を得た。この高分子化
合物溶液と、あらかじめCuCl0.065gとジメチ
ルアセトアミド7.5mlを攪拌混合させた濁ったコロ
イド状分散液とを混合したところ、薄い緑色を呈した透
明な液体に変化しCuClが溶解した。なお以上の混合
操作もすべて乾燥窒素雰囲気下で行った。この溶液中
に、メチルトリメトキシシラン0.133gを添加し、
撹拌して均一な溶液を得た後、0.05規定の塩酸を
0.036g加えて、室温で6時間撹拌して、加水分解
を行わせた。上記操作により得られた溶液を塗布液とし
て、石英ガラス基板上に、スピンコーティングにより薄
膜を形成した。なお、以上の操作は全て乾燥窒素雰囲気
下で行った。塗布後、1Torrの真空下で80℃に加
熱して1時間保持して、溶剤を除去するとともに、ゲル
化反応を促進して透明薄黄色でクラックのない均質なフ
ィルムを得た。また、上記塗布溶液をエタノールにより
3倍に希釈した溶液を用い、結晶シリコンを基板として
スピンコーティングにより薄膜を形成した。このフィル
ムも同時に加熱乾燥を行い、赤外吸収スペクトルの測定
に用いた。次いで、これらのサンプルを室温に除冷後、
再び1×10-5Torrの真空中で20℃/分で昇温し
ながら加熱し、200℃に達した後、この温度で1時間
保持し、真空下に保ったまま、室温まで除冷した。得ら
れたフィルムを用いて、結晶シリコンを基板としたサン
プルについて、加熱処理前後の赤外吸収スペクトルの測
定を行い、吸収スペクトルの変化を比較した。この結
果、加熱処理に伴い、マトリックス中の前記式(26)
で示されるポリアミック酸化合物は、前記式(27)で
示されるポリイミド化合物へと変化したことが明らかと
なった。また、同時に加熱処理前には未反応であったエ
トキシ基、水酸基の分解も進んで、ゾルゲル反応が進行
していることも明らかとなった。次に、石英ガラス基板
上に形成したフィルムを用いて、X線回折および吸収ス
ペクトルの測定を実施した。この結果、X線回折スペク
トルから、CuClの微結晶による回折ピークが確認さ
れ、この薄膜中に、CuCl微粒子を析出させることが
可能であることが示された。また、吸収スペクトルの結
果から、370nm付近にCuClの励起子吸収サブバ
ンド構造が認められ、非線形光学材料に適用可能である
ことが示された。さらに、この薄膜の透過電子顕微鏡に
よる断面観察を実施し、5〜10nmのCuCl微粒子
が、高密度に、均一に分散した薄膜であることが確認さ
れた。
【0125】実施例32 微粒子原料としてCuBrを用いた以外は、実施例31
と同様にして石英ガラス基板上に薄膜を形成した。この
薄膜も透明薄黄色を呈し、クラックのない均質のもので
あった。次に、この薄膜のX線回折、吸収スペクトルの
測定および透過電子顕微鏡による断面観察を、実施例1
と同様にして、実施した。この薄膜もまた、5〜10n
mのCuBr微粒子が、高密度に、均一に分散し、Cu
Br微粒子の励起子吸収が見られることから、非線形光
学材料に適用可能であることが確認された。
【0126】実施例33 テトラエトキシシラン(Si(OCH2 CH3 4
1.043gをエタノール2.0mlと混合し、0.0
5規定の塩酸0.544gと混合して50℃にて3時間
還流して、テトラエトキシシランの部分加水分解溶液を
得た。この溶液にメチルトリメトキシシラン1.332
gを滴下し、その後5時間撹拌して加水分解を進行させ
た。このゾル溶液中を、実施例31で得られたCuCl
のポリアミック酸溶液に添加して、黄色透明溶液を得
た。上記操作により得られた溶液を塗布液として、実施
例31と同様にして、塗布・焼成を実施した。この薄膜
も透明薄黄色を呈し、透明でクラックのない均質のもの
であった。次に、この薄膜のX線回折および吸収スペク
トルの測定および透過電子顕微鏡による断面観察を、実
施例1と同様にして、実施した。この薄膜もまた、X線
回折ピークが観察され、CuCl微粒子が膜中に析出し
ていることが確認された。また、吸収スペクトルにおい
て、CuCl微粒子の励起子吸収が見られることから、
非線形光学材料に適用可能であることが確認された。
【0127】比較例3 テトラエトキシシラン2.083gをエタノール1.5
mlに溶解し、0.05規定の塩酸0.721gと混合
して50℃にて3時間還流して、テトラエトキシシラン
の部分加水分解溶液を得た。その後、室温で5時間撹拌
して加水分解を進行させた。このゾル溶液中に、CuC
l 0.032gをアセトニトリル2.0mlに溶解し
た溶液を添加して撹拌した。上記操作により得られた溶
液を塗布液として、実施例29と同様にして、塗布・焼
成を実施した。得られた薄膜は、クラックが多数発生
し、基板から剥離してしまったため、その後の評価は実
施できなかった。
【0128】実施例34 ジメチルアセトアミド3.5ml中に無水フタル酸1.
467gを混合し、氷水バス中で撹拌しながら完全に溶
解し、これを撹拌しながら、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン〔γ−APS:H2 N−(CH2 3 Si
(OCH2 CH3 3 〕2.150gを滴下し、その後
2時間撹拌して反応させた。この溶液中に、CuClを
0.085g添加して撹拌し、CuClを完全に溶解さ
せ、青色透明の溶液を得た。この溶液に撹拌しながら
0.2規定の塩酸0.523gを滴下し、その後5時間
撹拌して加水分解を行った。塩酸の滴下により、溶液は
黄色透明に変化した。上記操作により得られた溶液を塗
布液として、石英ガラス基板上に、スピンコーティング
により薄膜を形成した。なお、以上の操作は全て乾燥窒
素雰囲気下で行った。塗布後、1Torrの真空下で8
0℃に加熱して1時間保持して、溶剤を除去するととも
に、ゲル化反応を促進して透明薄黄色でクラックのない
均質なフィルムを得た。ただし、この薄膜は膜としては
軟らかく、指で押すと若干の指紋の跡がつくものであっ
た。また、この薄膜の膜厚、光干渉式の膜厚計を用い、
屈折率を1.5として測定したところ1.2μmであっ
た。また、上記塗布溶液をエタノールにより3倍に希釈
した溶液を用い、結晶シリコンを基板としてスピンコー
ティングにより薄膜を形成した。このフィルムも同時に
加熱乾燥を行い、赤外吸収スペクトルの測定に用いた。
次いで、これらのサンプルを室温に徐冷後、1×10-5
Torrの真空中で20℃/分で昇温しながら加熱し、
200℃に達した後、この温度で1時間保持し、真空下
に保ったまま、室温まで徐冷した。得られたフィルム
は、過熱処理後も充分な硬度を有しているとは言えず、
金属製のピンでこすったところ、傷が付いた。
【0129】得られたフィルムを用いて、結晶シリコン
を基板としたサンプルについて、加熱処理前後の赤外吸
収スペクトルの測定を行い、吸収スペクトルの変化を比
較した。加熱処理前後の赤外吸収スペクトルを図8
(a)および(b)に示す。その結果、加熱処理に伴
い、マトリックスが下記式(39)で示されるポリシロ
キサン化合物から、下記式(40)で示されるポリシロ
キサン化合物へと変化したことが分かった。また、同時
に加熱処理前には未反応であったエトキシ基および水酸
基の分解も進んで、ゾルゲル反応が進行していることも
明らかとなった。
【化55】 次に、石英ガラス基板上に形成したフィルムを用いて、
X線回折および吸収スペクトルの測定を実施した。図9
にX線スペクトルを示す。X線回折スペクトルから、C
uClの微結晶による回折ピークが確認され、この薄膜
中に、CuCl微粒子を析出させることが可能であるこ
とが示された。また、吸収スペクトルの結果から、37
0nm近傍に明瞭な2つの吸収ピークが観察され、この
吸収ピークがCuCl微粒子の励起子吸収に対応し、非
線形光学材料に適用可能であることが示された。さら
に、この薄膜の透過電子顕微鏡による断面観察を実施し
た。その結果、5〜10nmのCuCl微粒子が、高密
度に、均一に分散した薄膜であることが確認された。次
いで、このようにして得られたCuCl微粒子分散薄膜
について、実施例7と同様にしてχ(3) の測定を実施し
た。得られたχ(3) の値は、2.5×10-8esuであ
り、非常に高いものであった。
【0130】実施例35 微粒子原料としてCuBrを用いた以外は、実施例34
と同様にして石英ガラス基板上に薄膜を形成した。得ら
れた薄膜の膜厚を、実施例34と同様にして、測定した
ところ、1.3μmであった。この薄膜も透明薄黄色を
呈し、クラックのない均質のものであった。次に、この
薄膜のX線回折、吸収スペクトルの測定および透過電子
顕微鏡による断面観察を、実施例34と同様にして、実
施した。この薄膜もまた、5〜10nmのCuBr微粒
子が、高密度に、均一に分散し、CuBr微粒子の励起
子吸収が見られることから、非線形光学材料に適用可能
であることが確認された。次いで、このようにして得ら
れたCuBr微粒子分散薄膜について、実施例8と同様
にしてχ(3) の測定を実施した。得られたχ(3) の値
は、4.6×10-9esuであり、非常に高いものであ
った。
【0131】実施例36 テトラエトキシシラン〔Si(OCH2 CH3 4
1.250gをエタノール2.0ml、0.5規定の塩
酸0.652gと混合して50℃にて3時間還流して、
テトラエトキシシランの部分加水分解溶液を得た。この
溶液にメチルトリメトキシシラン1.362gと、エタ
ノール1.0mlを添加し、撹拌しながら0.5規定の
塩酸0.375gを滴下し、その後5時間撹拌して加水
分解を進行させた。このゾル溶液中に、実施例34で得
られたCuCl溶液を2.582g添加して、黄色透明
溶液を得た。上記操作により得られた溶液を塗布液とし
て、実施例34と同様にして、塗布・焼成を実施した。
得られた薄膜の膜厚を、実施例34と同様にして、測定
したところ、1.5μmであった。また、この薄膜も透
明淡黄色を呈し、透明でクラックのない均質のものであ
った。また、この薄膜は、充分な硬度を有し、乾燥後の
薄膜を金属製のピンでこすっても、目視ではっきりとわ
かる傷はつかなかった。次に、この薄膜のX線回折およ
び吸収スペクトルの測定および透過電子顕微鏡による断
面観察を、実施例34と同様にして実施した。この薄膜
もまた、X線回折ピークが観察され、CuCl微粒子が
膜中に析出していることが確認された。また、吸収スペ
クトルにおいて、CuCl微粒子の励起子吸収が見られ
ることから、非線形光学材料に適用可能であることが確
認された。
【0132】実施例37 実施例36のメチルトリメトキシシランを、エチルトリ
メトキシシラン〔CH3 CH2 Si(OCH3 3 〕に
変えた以外は、全く同様にして薄膜を作製した。得られ
た薄膜の膜厚を、実施例34と同様にして、測定したと
ころ1.8μmであった。この薄膜も透明淡黄色を呈
し、透明でクラックのない均質のものであった。また、
この薄膜は、充分な硬度を有し、乾燥後の薄膜を金属製
のピンでこすっても、目視ではっきりとわかる傷はつか
なかった。次に、この薄膜のX線回折および吸収スペク
トルの測定および透過電子顕微鏡による断面観察を、実
施例34と同様にして実施した。この薄膜もまた、X線
回折ピークが観察され、CuCl微粒子が膜中に析出し
ていることが確認された。また、吸収スペクトルにおい
て、CuCl微粒子の励起子吸収が見られることから、
非線形光学材料に適用可能であることが確認された。
【0133】比較例4 テトラエトキシシラン2.084gをエタノール2.5
ml、0.5規定の塩酸0.721gと混合して50℃
にて3時間還流して、テトラエトキシシランの部分加水
分解溶液を得た。その後、室温で5時間撹拌して加水分
解を進行させた。このゾル溶液中に、CuClのアセト
ニトリル溶液を0.210g添加して撹拌した。上記操
作により得られた溶液を塗布液として、実施例34と同
様にして、塗布・焼成を実施した。得られた薄膜は、ク
ラックが多数発生し、基板から剥離してしまったため、
その後の評価は実施できなかった。そこで、塗布後の薄
膜の焼成を行わずに、塗布直後に、膜厚を評価した。そ
の結果、塗布膜の膜厚は1.3μmであった(屈折率
1.5として計算)。
【0134】実施例38 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド10.0m
l中に下記式(24)で示されるジアミノジフェニルエ
ーテル0.236g、下記式(41)で示されるジ(ア
ミノフェニル)ジエトキシシラン0.178gを溶解
し、完全に溶解したら下記式(25)で示されるピロメ
リット酸2無水物0.472gを徐々に加えた。続いて
乾燥窒素気流下にて、10〜15℃に保ちながら1時間
ゆっくりと撹拌し、さらに20〜25℃に保ちながら2
時間撹拌を続けて下記式(42)で示される高分子化合
物溶液を得た(ジメチルアセトアミド中30℃での固有
粘度0.92dl/g)。この高分子化合物溶液と、あ
らかじめCuCl0.065gとジメチルアセトアミド
7.5mlを攪拌混合させた濁ったコロイド状分散液と
を混合したところ、薄い緑色を呈した透明な液体に変化
しCuClが溶解した。なお、以上の混合操作もすべて
乾燥窒素雰囲気下で行った。この溶液中に、メチルトリ
メトキシシラン0.133gを添加し、撹拌して均一な
溶液を得た後、0.05規定の塩酸を0.036g加え
て、室温で6時間撹拌して、加水分解を行わせた。
【化56】
【0135】上記操作により得られた溶液を塗布液とし
て、石英ガラス基板上に、スピンコーティングにより薄
膜を形成した。なお、以上の操作は全て乾燥窒素雰囲気
下で行った。塗布後、1Torrの真空下で80℃に加
熱して1時間保持して、溶剤を除去するとともに、ゲル
化反応を促進して透明薄黄色でクラックのない均質なフ
ィルムを得た。また、上記塗布溶液をエタノールにより
3倍に希釈した溶液を用い、結晶シリコンを基板として
スピンコーティングにより薄膜を形成した。このフィル
ムも同時に加熱乾燥を行い、赤外吸収スペクトルの測定
に用いた。次いで、これらのサンプルを室温に除冷後、
1×10-5Torrの真空中で20℃/分で昇温しなが
ら加熱し、200℃に達した後、この温度で1時間保持
し、真空下に保ったまま、室温まで除冷した。得られた
フィルムを用いて、結晶シリコンを基板としたサンプル
について、加熱処理前後の赤外吸収スペクトルの測定を
行い、吸収スペクトルの変化を比較した。この結果、加
熱処理に伴い、マトリックス中の上記式(42)で示さ
れるポリアミック酸化合物は、下記式(43)で示され
るポリイミド化合物へと変化したことが明らかとなっ
た。また、同時に加熱処理前には未反応であったメトキ
シ基、エトキシ基、水酸基の分解も進んで、ゾルゲル反
応が進行していることも明らかとなった。この薄膜中
に、CuCl微粒子を析出させることが可能であること
が示された。また、吸収スペクトルの結果から、非線形
光学材料に適用可能であることが示された。さらに、こ
の薄膜の透過電子顕微鏡による断面観察を実施し、5〜
10nmのCuCl微粒子が、高密度に、均一に分散し
た薄膜であることが確認された。
【化57】
【0136】実施例39 微粒子原料としてCuBrを用いた以外は、実施例38
と同様にして石英ガラス基板上に薄膜を形成した。この
薄膜も透明薄黄色を呈し、クラックのない均質のもので
あった。次に、この薄膜のX線回折、吸収スペクトルの
測定および透過電子顕微鏡による断面観察を、実施例3
8と同様にして、実施した。この薄膜もまた、10〜2
0nmのCuBr微粒子が、高密度に、均一に分散し、
CuBr微粒子の励起子吸収が見られることから、非線
形光学材料に適用可能であることが確認された。
【0137】実施例40 実施例38の式(41)の化合物に替えて、下記式(4
4)に示される化合物を用いて、下記式(45)に示さ
れるポリアミック酸化合物を合成して用いた以外は、実
施例38と同様にして石英ガラス基板上に薄膜を形成し
た。この薄膜も透明薄黄色を呈し、クラックのない均質
のものであった。次に、この薄膜のX線回折、吸収スペ
クトルの測定および透過電子顕微鏡による断面観察を、
実施例38と同様にして、実施した。この薄膜もまた、
5〜20nmのCuCl微粒子が、高密度に、均一に分
散し、CuCl微粒子の励起子吸収が見られることか
ら、非線形光学材料に適用可能であることが確認され
た。
【化58】
【0138】比較例5 テトラエトキシシラン2.084gをエタノール2.5
ml、0.5規定の塩酸0.721gと混合して50℃
にて3時間還流して、テトラエトキシシランの部分加水
分解溶液を得た。その後、室温で5時間撹拌して加水分
解を進行させた。このゾル溶液中に、CuClのアセト
ニトリル溶液を0.209g添加して撹拌したが。上記
操作により得られた溶液を塗布液として、実施例38と
同様にして、塗布・焼成を実施した。得られた薄膜は、
クラックが多数発生し、基板から剥離してしまったた
め、その後の評価は実施できなかった。
【0139】実施例41 乾燥窒素気流下にて、ジメチルアセトアミド20ml中
に前記式(24)で示されるジアミノジフェニルエーテ
ル0.572gを溶解し、完全に溶解した後、前記式
(25)で示されるピロメリット酸2無水物0.628
gを徐々に加える。続いて乾燥窒素気流下にて、10〜
15℃に保ちながら1時間ゆっくりと攪拌し、さらに2
0〜25℃に保ちながら2時間攪拌を続けて前記式(2
6)で示される高分子化合物溶液を得た。この高分子化
合物溶液に、ZnCl2 0.2gを加えて攪拌して、薄
い黄色を呈した透明な液体を得た。この溶液を用いてガ
ラス基板上にスピンコートした後、真空下で70℃に加
熱し、30min保持して溶剤を除去して薄い黄色の透
明なフィルムを得た。このフィルムを酸素ガスを水中で
バブリングして得たO2 /H2 O混合ガス液量100m
l/minの雰囲気中で、250℃で1時間熱処理を行
った。析出物の有無をX線回折法により調べたところ、
ZnOが析出していた。さらに透過電子顕微鏡により析
出物の粒径を調べたところ、5nm〜50nmであっ
た。これらのフィルムは析出物の粒径が十分に小さいた
め透明であり、色は薄い黄色であった。
【0140】
【発明の効果】本発明の非線形光学素子は、上記のよう
にマトリックスの官能基の変化により析出された半導体
微粒子または金属微粒子がマトリックス中に分散されて
形成されているから、基板上に薄膜を形成した場合、充
分な膜厚を有するクラックのない、高い非線形光学効果
を示す非線形光学素子となる。また、本発明の非線形光
学素子は、非線形光学効果を有する半導体または金属の
微粒子を、高分子化合物またはガラス類似体中に高濃度
に、安定に保持することが可能となり、非線形光学効果
が高く、機械的強度、光学的透明性に優れた素子を製造
できる。したがって、本発明の非線形光学素子は、光ス
イッチ、光メモリ、波長変換、光学系の自動補正および
光コンピューティング等、オプトエレクトロニクスの分
野に有効に使用される。また、本発明においては、低温
にて非線形光学素子の作製が可能であり、加熱により分
解や蒸発しやすい材料も使用できる。また、溶液状態か
ら出発して機能性のゲル体が作製されるから、複雑な製
造過程を必要とせず、簡便にゲル体の形状を変化させる
ことができ、したがって、本発明によれば、膜状、板
状、ブロック状、或いはファイバー状等、任意の形状に
成形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の複合フィルムの熱処理前後の赤外
吸収スペクトル図である。
【図2】 非線形光学特性評価装置の概略の構成を示す
説明図である。
【図3】 実施例7の高分子化合物・CuCl複合フィ
ルムのX線回折スペクトル図である。(CuKα線使
用)
【図4】 実施例7の高分子化合物・CuCl複合フィ
ルムの吸収スペクトル図である。
【図5】 実施例8の高分子化合物・CuBr複合フィ
ルムのX線回折スペクトル図である。(CuKα線使
用)
【図6】 実施例8の高分子化合物・CuBr複合フィ
ルムの吸収スペクトル図である。
【図7】 実施例11の高分子化合物・CuCl複合フ
ィルムの吸収スペクトル図である。
【図8】 実施例34の薄膜の赤外吸収スペクトル図で
あり、(a)は塗布、乾燥後を表わし、(b)は200
℃で1時間加熱処理後を表わす。
【図9】 実施例34の高分子化合物・CuCl複合フ
ィルムのX線回折スペクトル図である。(CuKα線使
用)
【符号の説明】
1…光源、2…光パラメトリック発振器、3…ハーフミ
ラー、4…サンプル、5…光電子増倍管。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−13110 (32)優先日 平成6年1月12日(1994.1.12) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 米国特許4738798(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/361 JICSTファイル(JOIS)

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光に対して非線形応答を示す非線形
    光学素子において、半導体微粒子または金属微粒子がマ
    トリックス中に分散してなり、該半導体微粒子または金
    属微粒子が、官能基を有するマトリックス形成性物質に
    おける該官能基の反応に伴ってマトリックスの形成と同
    時に析出したものであることを特徴とする非線形光学素
    子。
  2. 【請求項2】 官能基の反応が、イミド環形成反応であ
    る請求項1記載の非線形光学素子。
  3. 【請求項3】 官能基の反応が、カルボキシル基、アミ
    ノ基、ヒドロキシル基またはカルボン酸無水物基とイソ
    シアネート基またはエポキシ基との反応である請求項1
    記載の非線形光学素子。
  4. 【請求項4】 官能基の反応が、アミノ化合物の酸処理
    による酸付加塩形成反応である請求項1記載の非線形光
    学素子。
  5. 【請求項5】 マトリックスが、下記式(1)で示され
    る繰り返し構造単位を有する高分子化合物よりなるか、
    または該高分子化合物を含むものである請求項1記載の
    非線形光学素子。 【化1】 (式中、Xは炭素数が2以上の4価の有機基を表し、Y
    は炭素数が2以上の2価の有機基を表す。)
  6. 【請求項6】 マトリックスが、下記式(2)〜(4)
    のいずれかで示されるイミド構造を側鎖または架橋部分
    に有する高分子化合物よりなるか、または該高分子化合
    物を含むものである請求項1記載の非線形光学素子。 【化2】 (式中XおよびYは、上記と同意義を意味し、Wはイミ
    ド環を形成するに必要な炭素数2以上の有機基を表し、
    Zはアルキル、アリールまたはアルアルキル基を表
    す。)
  7. 【請求項7】 マトリックスが、カルボキシル基、アミ
    ノ基、ヒドロキシル基またはカルボン酸無水物基を有す
    る高分子化合物と、エポキシ基またはイソシアネート基
    を含有する化合物の反応により形成されたものである
    か、または該反応により形成されたものを含むものであ
    る請求項1記載の非線形光学素子。
  8. 【請求項8】 マトリックスが、下記式(5)で示され
    る有機化合物を含有するものである請求項1記載の非線
    形光学素子。 【化3】 (式中、Wは上記と同意義を有し、Uは1価の有機基で
    あり、さらにイミド環が置換されていてもよい。)
  9. 【請求項9】 マトリックスが、下記式(6)で示され
    る繰り返し構造単位よりなるアンモニウム塩含有高分子
    化合物であるか、または該高分子化合物を含むものであ
    る請求項1記載の非線形光学素子。 【化4】
  10. 【請求項10】 マトリックスが、下記式(7)で示さ
    れる繰り返し構造単位よりなる高分子化合物であるか、
    または該高分子化合物を含むものである請求項1記載の
    非線形光学素子。 【化5】
  11. 【請求項11】 マトリックスが、上記式(1)で示さ
    れる繰り返し構造単位よりなる高分子化合物、上記式
    (2)〜(4)のいずれかで示されるイミド構造を側鎖
    または架橋部分に有する高分子化合物、カルボキシル
    基、アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボン酸無水物
    基を有する高分子化合物と、エポキシ基またはイソシア
    ネート基を含有する化合物の反応により形成された化合
    物、上記式(5)で示される有機化合物、上記式(6)
    で示される繰り返し構造単位よりなるアミノ基含有高分
    子化合物、または上記式(7)で示される繰り返し構造
    単位よりなる高分子化合物と、3価の原子または炭素以
    外の4価の原子に加水分解性置換基が結合した化合物の
    加水分解生成物との混合物である請求項1記載の非線形
    光学素子。
  12. 【請求項12】 マトリックスが、下記式(8)で示さ
    れるシラン化合物の加水分解生成物である請求項1記載
    の非線形光学素子。 【化6】 (式中、X1 およびX2 は、炭素数2以上の2価の有機
    基を表し、Y1 は、同一または異なっていてもよく、そ
    れぞれ加水分解性の置換基を表し、Y2 は非加水分解性
    の1価または2価の有機基を表し、nは1〜3の整数を
    意味し、mは0〜2の整数を意味する。)
  13. 【請求項13】 マトリックスが、下記式(9)で示さ
    れるシラン化合物の加水分解生成物である請求項1記載
    の非線形光学素子。 【化7】 (式中、Xは、炭素数2以上の4価の有機基を表し、X
    2 は同一または異なっていてもよく、炭素数2以上の2
    値の有機基を表し、Y1 は、同一または異なっていても
    よく、それぞれ加水分解性の置換基を表し、Y2 は非加
    水分解性の1価または2価の有機基を表し、nは1〜3
    の整数を意味し、mは0〜2の整数を意味する。)
  14. 【請求項14】 マトリックスが、加水分解可能な置換
    基を1以上有するシリル基を主鎖または側鎖に含むポリ
    アミド酸化合物の加水分解生成物である請求項1記載の
    非線形光学素子。
  15. 【請求項15】半導体微粒子がハロゲン化第1銅微粒子
    である請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の非
    線形光学素子。
  16. 【請求項16】入射光に対して非線形応答を示す非線形
    光学素子の製造方法において、官能基を有するマトリッ
    クス形成性物質の溶液に、金属若しくは半導体、または
    その前駆体を混合して均一溶液を形成し、次いで、該官
    能基を反応させてマトリックスを形成すると同時に、金
    属微粒子または半導体微粒子をマトリックス中に析出さ
    せることを特徴とする非線形光学素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 官能基の反応が、イミド環形成反応で
    ある請求項16記載の非線形光学素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 官能基の反応が、カルボキシル基、ア
    ミノ基、ヒドロキシル基またはカルボン酸無水物基と、
    イソシアネート基またはエポキシ基との反応である請求
    項16記載の非線形光学素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 官能基の反応が、アミノ化合物の酸処
    理による酸付加塩形成反応である請求項16記載の非線
    形光学素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、下記式(10)で示される繰り返し構造単位
    を有する高分子化合物を使用する請求項16記載の非線
    形光学素子の製造方法。 【化8】 (式中、Xは炭素数が2以上の4価の有機基を表し、Y
    は炭素数が2以上の2価の有機基を表す。)
  21. 【請求項21】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、下記式(11)〜(13)で示されるアミド
    酸構造を側鎖または架橋部分に有する少なくとも1種の
    高分子化合物を使用する請求項16記載の非線形光学素
    子の製造方法。 【化9】 (式中XおよびYは、上記と同意義を意味し、Wはイミ
    ド環を形成するに必要な炭素数2以上の有機基を表し、
    Zはアルキル、アリールまたはアルアルキル基を表
    す。)
  22. 【請求項22】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基
    またはカルボン酸無水物基を有する高分子化合物と、エ
    ポキシ基またはイソシアネート基を含有する化合物との
    混合物を使用する請求項16記載の非線形光学素子の製
    造方法。
  23. 【請求項23】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、下記式(14)で示される化合物と高分子化
    合物との混合物を使用する請求項16記載の非線形光学
    素子の製造方法。 【化10】 (式中、Wは上記と同意義を有し、U1 はさらにイミド
    環形成可能な置換基を有してもよい有機基を表す。)
  24. 【請求項24】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、下記式(15)で示される繰り返し構造単位
    よりなるアミノ基含有高分子化合物を使用する請求項1
    6記載の非線形光学素子の製造方法。 【化11】
  25. 【請求項25】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、下記式(16)で示される繰り返し構造単位
    よりなる高分子化合物を使用する請求項16記載の非線
    形光学素子の製造方法。 【化12】 (式中、Rは、アルキル基を表す。)
  26. 【請求項26】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、前記式(10)で示される繰り返し構造単位
    よりなる高分子化合物、上記式(11)〜(13)のい
    ずれかで示されるアミド酸構造を側鎖または架橋部分に
    有する高分子化合物、カルボキシル基、アミノ基、ヒド
    ロキシル基またはカルボン酸無水物基を有する高分子化
    合物と、エポキシ基またはイソシアネート基を含有する
    化合物の混合物、上記式(14)で示される化合物と高
    分子化合物との混合物、上記式(15)で示される繰り
    返し構造単位よりなるアミノ基含有高分子化合物、また
    は上記式(16)で示される繰り返し構造単位よりなる
    高分子化合物と、3価の原子または炭素以外の4価の原
    子に加水分解性置換基が結合した化合物またはその加水
    分解生成物との混合物を使用する請求項16記載の非線
    形光学素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、前記式(8)で示されるシラン化合物を使用
    する請求項16記載の非線形光学素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、前記式(9)で示されるシラン化合物を使用
    する請求項16記載の非線形光学素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 官能基を有するマトリックス形成性物
    質として、加水分解可能な置換基を1以上有するシリル
    基を主鎖または側鎖に含むポリアミド酸化合物を使用す
    る請求項16記載の非線形光学素子の製造方法。
  30. 【請求項30】半導体微粒子がハロゲン化第1銅微粒子
    である請求項16ないし請求項29のいずれかに記載の
    非線形光学素子の製造方法。
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JPH09166797A (ja) * 1995-12-15 1997-06-24 Fuji Xerox Co Ltd 非線形光学材料およびその製造方法
JPH1017768A (ja) * 1996-07-04 1998-01-20 Fuji Xerox Co Ltd 高分子複合材料及びその製造方法

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