JPH04345136A - 非線形光学材料およびその製造方法 - Google Patents

非線形光学材料およびその製造方法

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JPH04345136A
JPH04345136A JP11857291A JP11857291A JPH04345136A JP H04345136 A JPH04345136 A JP H04345136A JP 11857291 A JP11857291 A JP 11857291A JP 11857291 A JP11857291 A JP 11857291A JP H04345136 A JPH04345136 A JP H04345136A
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JP
Japan
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semiconductor
nonlinear optical
target
optical material
compound semiconductor
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Application number
JP11857291A
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English (en)
Inventor
Masaru Yoshida
勝 吉田
Ichiro Tanahashi
棚橋 一郎
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学効果を利用し
た光デバイスなどに有用な非線形光学材料およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては、例えばジ
ャーナル  オブ  オプティカル  ソサエティ  
オブ  アメリカ第73巻647 頁(Journal
 of Optical Society of Am
erica73, 647(1983)) に記載され
ているCdSx Se1−x をホウケイ酸ガラスにド
−プしたカットオフフィルタガラスを非線形光学材料に
用いるものがある。このカットオフフィルタガラスはC
dSxSe1−x とホウケイ酸ガラス材料を白金ルツ
ボに入れ1600℃程度の高温で溶融し作製している。
【0003】また、ジャーナル  オブ  アプライド
  フィジックス  第63巻  第957 頁(Jo
urnal of Applied Physics 
63, 957(1988))に開示されているような
CdS微粒子ドープガラス薄膜がある。このガラス薄膜
はタ−ゲットにコ−ニング社製“7059ガラス”とC
dSとを用い高周波マグネトロンスパッタリング法によ
り、“7059ガラス”中にCdSを2〜4重量%分散
させたものである。
【0004】このような半導体ドープガラスを用いた非
線形光学デバイスとして、光双安定スイッチ素子がある
。例えばオプティカル  レターズ  第12巻832
 頁(Optical Letters 12, 83
2(1987)) に記載されているようにCdSx 
Se1−x ドープガラスのうちのコ−ニング社製“Y
52”を用いてファブリ・ペロー共振器を形成し、波長
532nm の光で光双安定スイッチ動作を観測してい
る。 このときのスイッチに要する時間は25psecであり
、スイッチに要するパワーは約350kW/cm2 で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体ドープガ
ラスでは、レーザ光を照射した際に、そのエネルギーの
大部分は熱に変換されるので、光励起のエネルギーに変
換される量は少なく、吸収飽和させるためには照射する
レーザ光の強度を大きくする必要があった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するため、
従来の半導体ドープガラスに比べてレーザ光を照射した
際にそのエネルギーが熱に変換される割合を少なくし、
光励起のエネルギーに変換される量を大きくし、吸収飽
和させるために必要なレーザ光のエネルギーを低減させ
ることができる効率のよい非線形光学材料およびその製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1の非線形光学材料は、一部に塩素を含
むII−VI族化合物半導体の微粒子が、前記半導体よ
り大きな禁制帯幅を有するガラスに分散されてなる非線
形光学材料である。
【0008】また本発明の第2の非線形光学材料は、一
部に塩素を含むII−VI族化合物半導体の微粒子が、
前記半導体より大きな禁制帯幅を有する非晶質窒化物に
分散されてなる非線形光学材料である。
【0009】前記第2の非線形光学材料においては、非
晶質窒化物が、窒化ほう素,窒化アルミニウム,窒化チ
タン,窒化ケイ素からなる群から選ばれた少なくとも一
種である事が好ましい。
【0010】また本発明の前記第1の非線形光学材料の
製造方法は、II−VI族化合物半導体の半導体微粒子
がガラスに分散された非線形光学材料を製造する方法に
おいて、一部に塩素を含むII−VI族化合物半導体か
らなるターゲットと、前記半導体より大きな禁制帯幅を
有するガラスターゲットとを用いてスパッタリングを行
うことを特徴とする。
【0011】また前記製造方法においては、一部に塩素
を含むII−VI族化合物半導体からなるターゲットが
、II族元素がカドミウムまたは亜鉛であるII−VI
族化合物半導体と塩化カドミウムまたは塩化亜鉛とから
なるターゲットである事が好ましい。
【0012】また本発明の前記第2の非線形光学材料の
製造方法は、II−VI族化合物半導体の半導体微粒子
が非晶質窒化物に分散された非線形光学材料を製造する
方法において、一部に塩素を含むII−VI族化合物半
導体からなるターゲットと、前記半導体より大きな禁制
帯幅を有する非晶質窒化物のターゲットとを用いてスパ
ッタリングを行うことを特徴とする。
【0013】また前記製造方法においては、一部に塩素
を含むII−VI族化合物半導体からなるターゲットが
、II族元素がカドミウムまたは亜鉛であるII−VI
族化合物半導体と塩化カドミウムまたは塩化亜鉛とから
なるターゲットである事が好ましい。
【0014】また本発明の第3の非線形光学材料の製造
方法は、II−VI族化合物半導体の半導体微粒子が非
晶質窒化物に分散された非線形光学材料を製造する方法
において、一部に塩素を含むII−VI族化合物半導体
からなるターゲットと、前記半導体より大きな禁制帯幅
を有する非晶質窒化物を構成する成分のうち窒素を除く
構成成分からなるターゲットとを用いて、ガス中に窒素
またはアンモニアから選ばれた少なくとも1種のガスを
含ませてスパッタリングを行うことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の非線形光学材料においては、一部に塩
素を含むII−VI族化合物半導体半導体微粒子を、前
記半導体より大きな禁制帯幅を有するガラスあるいは非
晶質窒化物に分散させているので、レーザ光を照射した
際の発光強度が大幅に向上する。従って吸収飽和させる
ために必要なエネルギーを低減させることができる。
【0016】この理由についてはまだ明らかではないが
、半導体微粒子の一部に塩素を含むことにより、浅いト
ラップ準位ができるため、それを介しての発光が吸収端
付近での発光を促進するために熱に変換される量が少な
くなり、レーザ光のエネルギーが励起エネルギーに変換
される量が増えたことも1つの理由であると考えられる
【0017】更に本発明の第2の非線形光学材料は、非
晶質窒化物を用いたので、分散された半導体微粒子の表
面の酸化による性能の低下が防止され好ましい。前記第
2の非線形光学材料において、非晶質窒化物が、窒化ほ
う素,窒化アルミニウム,窒化チタン,窒化ケイ素から
なる群から選ばれた少なくとも一種である好ましい構成
とすることにより、これらの窒化物は半導体粒子の分散
性が良好であり、また光学的に大きな禁制帯幅を有する
ので、非線形光学効果を大きくすることができ好ましい
【0018】また本発明の前記第1の非線形光学材料の
製造方法は、II−VI族化合物半導体の半導体微粒子
がガラスに分散された非線形光学材料を製造する方法に
おいて、一部に塩素を含むII−VI族化合物半導体か
らなるターゲットと、前記半導体より大きな禁制帯幅を
有するガラスターゲットとを用いてスパッタリングを行
うので、半導体やガラス成分の組成変化が少なく、且つ
高濃度で半導体を分散させることができ、またレーザ光
を照射した際の発光強度が大幅に向上した非線形光学材
料を容易に製造することができる。
【0019】また前記製造方法において、一部に塩素を
含むII−VI族化合物半導体からなるターゲットが、
II族元素がカドミウムまたは亜鉛であるII−VI族
化合物半導体と塩化カドミウムまたは塩化亜鉛とからな
るターゲットとすることにより、レーザ光を照射した際
の発光強度が大幅に向上した非線形光学材料を容易に製
造することができる。
【0020】また本発明の前記第2の非線形光学材料の
製造方法は、II−VI族化合物半導体の半導体微粒子
が非晶質窒化物に分散された非線形光学材料を製造する
方法において、一部に塩素を含むII−VI族化合物半
導体からなるターゲットと、前記半導体より大きな禁制
帯幅を有する非晶質窒化物のターゲットとを用いてスパ
ッタリングを行うので、半導体微粒子の表面の酸化によ
る性能の低下が防止され、半導体等の組成変化が少なく
、且つ高濃度で半導体を分散させることができ、またレ
ーザ光を照射した際の発光強度が大幅に向上した非線形
光学材料を容易に製造することができる。
【0021】また前記製造方法においては、一部に塩素
を含むII−VI族化合物半導体からなるターゲットが
、II族元素がカドミウムまたは亜鉛であるII−VI
族化合物半導体と塩化カドミウムまたは塩化亜鉛とから
なるターゲットとすることにより、レーザ光を照射した
際の発光強度が大幅に向上した非線形光学材料を容易に
製造することができる。
【0022】また本発明の第3の非線形光学材料の製造
方法においては、II−VI族化合物半導体の半導体微
粒子が非晶質窒化物に分散された非線形光学材料を製造
する方法において、一部に塩素を含むII−VI族化合
物半導体からなるターゲットと、前記半導体より大きな
禁制帯幅を有する非晶質窒化物を構成する成分のうち窒
素を除く構成成分からなるターゲットとを用いて、ガス
中に窒素またはアンモニアから選ばれた少なくとも1種
のガスを含ませてスパッタリングを行うので、マトリッ
クスを構成する非晶質窒化物への窒素の取り込みを大き
くでき、窒化物中の窒素成分が逸散することなく安定し
た組成の窒化物の非晶質マトリックスが形成できる。
【0023】
【実施例】本発明において、半導体が分散されるマトリ
ックスとしては用いる半導体より大きな禁制帯幅を有す
るガラスまたは非晶質窒化物が用いられる。特に窒化物
は、分散される半導体微粒子の表面酸化が防止され、ま
た、半導体微粒子を分散させた窒化物の非晶質膜を熱処
理した場合には、窒化物のマトリックスは緻密であるた
め、半導体微粒子の結晶の成長が適当な大きさにコント
ロールしやすく、分散した半導体微粒子の粒子径が均一
になるので好ましい。
【0024】ガラスマトリックスを構成するガラスとし
ては例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどが挙げ
られるが、特にこれらのみに限定されるものではなく、
用いる半導体より大きな禁制帯幅を有するガラスであれ
ば特に制限するものではない。
【0025】非晶質窒化物としては、窒化ほう素,窒化
アルミニウム,窒化チタン,窒化ケイ素が半導体の分散
性が良好で好ましい。これらのガラスまたは非晶質窒化
物マトリックスに分散させる半導体微粒子としては、C
dS,CdSe,CdTe,ZnS,ZnSe,ZnT
e,CdSSe,ZnSSe,ZnCdS,ZnCdS
e等のII−VI族化合物半導体が好ましい。これらの
半導体の一部には、塩素が含まれていることが必要であ
るが、通常塩素は例えばII−VI族化合物半導体を構
成するVI族元素の一部を塩素で置き換えた形で含有さ
せることが好ましい。
【0026】塩素の含有量は比較的少量でよく、通常一
部に塩素を含むII−VI族化合物半導体に対して0.
01〜1重量%程度である。スパッタリングで本発明の
非線形光学材料を製造する場合は、通常ターゲットとし
て半導体成分のターゲットとガラスまたは非晶質窒化物
を構成するためのターゲットの2種類以上のターゲット
ガ用いられる。
【0027】半導体成分のターゲットとしては、特に限
定するわけではないが、例えば、II−VI族化合物半
導体のターゲットの上に、それより大きさを小さくした
II−VI族化合物半導体を構成するII族元素の塩化
物、例えば塩化カドミウムや塩化亜鉛などの小さいター
ゲットを積層して用いるのが簡便である。
【0028】スパッタリング条件は用いる材料などによ
って異なるので特に限定するものではないが、例えば通
常用いられるアルゴンガスやその他の不活性ガス等のス
パッタ用ガスを存在させて、また、ターゲットとして窒
化物の構成成分のうち窒素を除く構成成分からなるター
ゲットを用いる場合には、これらのガス中に更に窒素ま
たはアンモニアのうち少なくとも1種のガスを含ませて
、10−3〜10−1Torr程度の圧力で、基板温度
はおよそ100〜500℃、好ましくは150〜400
℃程度の範囲で行うことが好ましい。
【0029】また、半導体微粒子を分散させたガラスま
たは窒化物の非晶質薄膜を形成した後、半導体微粒子の
結晶を成長させるために熱処理を行うことが好ましいが
、熱処理温度としては、およそ300〜600℃程度が
好適である。非晶質窒化物を用いた場合には、この熱処
理は、基板の加熱温度より高い温度で熱処理する事が好
適である。
【0030】以下、具体的実施例を挙げて更に本発明を
詳細に説明する。 実施例1 本実施例で用いた多元スパッタ装置の構成を図1に示す
。図1に示すように、多元スパッタ装置は、塩化物を含
むII−VI族化合物半導体材料のターゲット1、ガラ
スターゲット2、基板3、基板加熱用ヒーター4、基板
とそれぞれのターゲットの間に配置されたシャッター8
、9、それぞれのターゲットに供給する高周波電源5、
6、スパッタ用ガス供給口7、真空室10、および真空
ポンプ等に連結されている排気口11から構成されてい
る。
【0031】塩化物を含むII−VI族化合物半導体材
料のターゲット1の塩化物としてCdCl2 、II−
VI族半導体としてCdSx Se1−x (X=0.
1)、ガラスターゲット2として石英ガラス、基板3と
して石英ガラスを用いた。CdCl2 の量はCdSx
 Se1−x の0.1 重量%とした。スパッタ用ガ
スとしてアルゴンをスパッタ用ガス供給口7より真空室
10内に供給し、圧力を5Paにした。ターゲットに供
給した高周波電力はターゲット1には30W、ターゲッ
ト2には250 Wであった。
【0032】以上のような条件でスパッタリングを行い
、塩素を含むCdSx Se1−x 微粒子を分散させ
た膜厚30μmの石英ガラス薄膜を0.5mm 厚の石
英ガラスから成る基板3上に形成した後、300℃の電
気炉中で1時間加熱して塩素を含むCdSx Se1−
x の結晶を成長させた。薄膜中の塩素を含むCdSx
 Se1−x のドープ量は10重量%であり粒子径は
5〜9nmであった。
【0033】作製した薄膜の吸収スペクトルから得られ
た禁制帯幅は、バルクのCdSx Se1−x の値に
比べ0.4eV ブルーシフトしていることから、Cd
Sx Se1−x が量子ドットとなっていることがわ
かった。
【0034】次に作製した薄膜に波長325nm のレ
ーザ光を照射したところ、塩素を含まないCdSx S
e1−x 微粒子分散ガラス薄膜に比べて、発光強度は
5倍以上に向上した。
【0035】実施例2 実施例1と同様なスパッタ装置を用いて、塩化物を含む
II−VI族化合物半導体材料のターゲット1の塩化物
はZnCl2 、半導体はZnSe、ガラスターゲット
2のガラスは石英ガラスとした。基板3には石英ガラス
を用いた。ターゲット1に含まれるZnCl2 の量は
ZnSeの0.1 重量%とした。スパッタ用ガス供給
口7より真空室10内にスパッタ用ガスとしてアルゴン
を供給し、圧力を5Paにした。ターゲットに供給した
高周波電力はターゲット1には30W、ターゲット2に
は250 Wであった。
【0036】以上の条件でスパッタリングを行い、塩素
を含むZnSe微粒子を分散させた膜厚30μmのガラ
ス薄膜を0.5mm 厚の石英ガラスから成る基板3上
に形成した後、300℃の電気炉中で1時間加熱して塩
素を含むZnSeの結晶を成長させた。薄膜中のZnS
eのドープ量は10重量%であり粒子径は5〜9nmで
あった。作製した薄膜の吸収スペクトルから得られた禁
制帯幅は、バルクのZnSeの値に比べ0.4eV ブ
ルーシフトしていることから、ZnSeが量子ドットと
なっていることがわかった。次に作製した薄膜に波長3
25nm のレーザ光を照射したところ、塩素を含まな
いZnSe微粒子分散ガラス薄膜に比べて、発光強度は
10倍以上に向上した。
【0037】実施例3 実施例1と同様なスパッタ装置を用いて、塩化物を含む
II−VI族化合物半導体のターゲット1,ガラスター
ゲット2の代わりに非晶質窒化物のターゲット2,基板
3,基板加熱用ヒーター4およびそれぞれのターゲット
に供給する高周波電源5,6によって構成した。塩化物
はCdCl2 、半導体はCdSx Se1−x (X
=0.1)、非晶質窒化物は窒化シリコンとした。基板
3には石英ガラスを用いた。ターゲット1に含まれるC
dCl2 の量はCdSx Se1−x の0.1 重
量%とした。スパッタ用ガス供給口7より真空室10内
にスパッタ用ガスとしてアルゴンを供給し、圧力を5P
aにした。ターゲットに供給した高周波電力はターゲッ
ト1には30W、ターゲット2には250 Wであった
【0038】以上のような条件でスパッタリングを行い
、塩素を含む半導体微粒子を分散させた膜厚30μmの
非晶質窒化物薄膜を0.5mm 厚の石英ガラスから成
る基板3上に形成した後、300℃の電気炉中で1時間
加熱して塩素を含むCdSx Se1−x の結晶を成
長させた。 薄膜中の塩素を含むCdSx Se1−x のドープ量
は10重量%であり粒子径は5〜9nmであった。作製
した薄膜の吸収スペクトルから得られた禁制帯幅は、バ
ルクのCdSx Se1−x の値に比べ0.4eV 
ブルーシフトしていることから、CdSx Se1−x
 が量子ドットとなっていることがわかった。
【0039】次に作製した薄膜に波長325nm のレ
ーザ光を照射したところ、塩素を含まないCdSx S
e1−x 微粒子分散非晶質窒化物薄膜に比べて発光強
度は5倍以上に向上した。
【0040】実施例4 実施例1と同様なスパッタ装置を用いて、塩化物を含む
II−VI族化合物半導体材料のターゲット1の塩化物
としてZnCl2 、半導体はZnSe、ガラスターゲ
ット2の代わりに非晶質窒化物の窒化シリコンから成る
ターゲット2を用いた。基板3には石英ガラスを用いた
。ターゲット1に含まれるZnCl2 の量はZnSe
の0.1 重量%とした。スパッタ用ガスとしてアルゴ
ンをスパッタ用ガス供給口7より真空室10内に供給し
、圧力を5Paにした。ターゲットに供給した高周波電
力はターゲット1には30W、ターゲット2には250
 Wであった。
【0041】以上の条件でスパッタリングを行い、塩素
を含む半導体微粒子を分散させた膜厚30μmの非晶質
窒化シリコン薄膜を0.5mm 厚の石英ガラスから成
る基板3上に形成した後、300℃の電気炉中で1時間
加熱して塩素を含むZnSeの結晶を成長させた。薄膜
中のZnSeのドープ量は10重量%であり粒子径は5
〜9nmであった。作製した薄膜の吸収スペクトルから
得られた禁制帯幅は、バルクのZnSeの値に比べ0.
4eV ブルーシフトしていることから、ZnSeが量
子ドットとなっていることがわかった。
【0042】次に作製した薄膜に波長325nm のレ
ーザ光を照射したところ、塩素を含まないZnSe微粒
子分散非晶質窒化物薄膜に比べて発光強度は10倍以上
に向上した。
【0043】実施例5 実施例1と同様なスパッタ装置を用いて、ガラスターゲ
ット2の代わりにシリコンのターゲット2を用い窒素ガ
スとの反応によって窒化シリコンの非晶質薄膜を形成し
ながら、半導体分散非晶質窒化物薄膜を作製した。塩化
物を含むII−VI族化合物半導体材料のターゲット1
の塩化物としてCdCl2 、II−VI族半導体とし
てCdSx Se1−x (X=0.1)を用い、基板
3には石英ガラスを用いた。ターゲット1に含まれるC
dCl2 の量はCdSx Se1−x の0.1 重
量%とした。スパッタ用ガス供給口7より真空室10内
にスパッタガスとして窒素及びアルゴンを供給し、圧力
をそれぞれ2Pa,3Paにした。ターゲットに供給し
た高周波電力はターゲット1には30W、ターゲット2
には150 Wであった。
【0044】以上のような条件でスパッタリングを行い
、塩素を含むCdSx Se1−x 微粒子を分散させ
た膜厚30μmの非晶質窒化物薄膜を0.5mm 厚の
石英ガラスから成る基板3上に形成した後、300℃の
電気炉中で1時間加熱して塩素を含むCdSx Se1
−x の結晶を成長させた。薄膜中の塩素を含むCdS
x Se1−x のドープ量は10重量%であり粒子径
は5〜9nmであった。 作製した薄膜の吸収スペクトルから得られた禁制帯幅は
、バルクのCdSx Se1−x の値に比べ0.4e
V ブルーシフトしていることから、CdSx Se1
−x が量子ドットとなっていることがわかった。
【0045】次に作製した薄膜に波長325nm のレ
ーザ光を照射したところ、塩素を含まないCdSx S
e1−x 微粒子分散非晶質窒化物薄膜に比べて発光強
度は10倍以上に向上した。尚、窒素の代わりにアンモ
ニアガスを用いても、ほぼ同様の結果が得られた。
【0046】実施例6 実施例1と同様なスパッタ装置を用いて、ガラスターゲ
ット2の代わりにシリコンのターゲット2を用い窒素ガ
スとの反応によって窒化シリコンの非晶質薄膜を形成し
ながら、半導体微粒子分散非晶質窒化物薄膜を試作した
。塩化物を含むII−VI族化合物半導体材料のターゲ
ット1の塩化物としてはZnCl2 、半導体はZnS
eとした。基板3には石英ガラスを用いた。ターゲット
1に含まれるZnCl2 の量はZnSeの0.1 重
量%とした。スパッタ用ガス供給口7より真空室10内
にスパッタ用ガスとして窒素及びアルゴンを供給し、圧
力をそれぞれ2Pa,3Paにした。ターゲットに供給
した高周波電力はターゲット1には30W、ターゲット
2には150 Wであった。
【0047】以上の条件でスパッタリングを行い、塩素
を含むZnSe微粒子を分散させた膜厚30μmの非晶
質窒化物薄膜を0.5mm 厚の石英ガラスから成る基
板3上に形成した後、300℃の電気炉中で1時間加熱
して塩素を含むZnSeの結晶を成長させた。薄膜中の
塩素を含むZnSeのドープ量は10重量%であり粒子
径は5〜9nmであった。作製した薄膜の吸収スペクト
ルから得られた禁制帯幅は、バルクのZnSeの値に比
べ0.4eV ブルーシフトしていることから、ZnS
eが量子ドットとなっていることがわかった。
【0048】次に作製した薄膜に波長325nm のレ
ーザ光を照射したところ、塩素を含まないZnSe微粒
子分散非晶質窒化物薄膜に比べて発光強度は20倍以上
に向上した。
【0049】尚、窒素の代わりにアンモニアガスを用い
ても、ほぼ同様の結果が得られた。以上の実施例からも
明らかなように、本発明における非線形光学材料は、従
来の半導体ドープガラスに比べてレーザを照射した際に
そのエネルギーが熱に変換される割合が減り、光励起の
エネルギーに変換される量が増大するため、吸収飽和さ
せるために必要なレーザ光のエネルギーを低減させるこ
とができる。従って小型のレーザ装置を用いることがで
きるという利点があり、本発明の工業的価値は大きい。
【0050】
【発明の効果】本発明の非線形光学材料は、レーザ光を
照射した際の発光強度が大幅に向上する。従って吸収飽
和させるために必要なエネルギーが低減された発光効率
のよい、非線形光学材料を提供できる。
【0051】更に本発明の第2の非線形光学材料におい
ては、分散された半導体微粒子の表面の酸化による性能
の低下が防止できる。前記第2の非線形光学材料におい
て、非晶質窒化物が、窒化ほう素,窒化アルミニウム,
窒化チタン,窒化ケイ素からなる群から選ばれた少なく
とも一種である好ましい構成とすることにより、これら
の窒化物は半導体粒子の分散性が良好であり、また光学
的に大きな禁制帯幅を有するので、非線形光学効果を大
きくすることがでる。
【0052】また本発明の前記第1の非線形光学材料の
製造方法によれば、半導体やガラス成分の組成変化が少
なく、且つ高濃度で半導体を分散させることができ、ま
たレーザ光を照射した際の発光強度が大幅に向上した非
線形光学材料を容易に製造することができる。
【0053】また前記第1の製造方法において、一部に
塩素を含むII−VI族化合物半導体からなるターゲッ
トが、II族元素がカドミウムまたは亜鉛であるII−
VI族化合物半導体と塩化カドミウムまたは塩化亜鉛と
からなるターゲットとすることにより、レーザ光を照射
した際の発光強度が大幅に向上した非線形光学材料を容
易に製造することができる。
【0054】また本発明の前記第2の非線形光学材料の
製造方法においては、半導体微粒子の表面の酸化による
性能の低下が防止され、半導体等のの組成変化が少なく
、且つ高濃度で半導体を分散させることができ、またレ
ーザ光を照射した際の発光強度が大幅に向上した非線形
光学材料を容易に製造することができる。
【0055】また前記製造方法において、一部に塩素を
含むII−VI族化合物半導体からなるターゲットが、
II族元素がカドミウムまたは亜鉛であるII−VI族
化合物半導体と塩化カドミウムまたは塩化亜鉛とからな
るターゲットとすることにより、レーザ光を照射した際
の発光強度が大幅に向上した非線形光学材料を容易に製
造することができる。
【0056】また本発明の第3の非線形光学材料の製造
方法によれば、マトリックスを構成する非晶質窒化物へ
の窒素の取り込みを大きくでき、窒化物中の窒素成分が
逸散することなく安定した組成の窒化物の非晶質マトリ
ックスを有する非線形光学特性の優れた非線形光学材料
が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で用いたスパッタ装置の概略
構成図。
【符号の説明】
1  塩化物を含むII−VI族化合物半導体のターゲ
ット2  ガラスあるいは非晶質窒化物のターゲット3
  基板 4  基板加熱用ヒーター 5、6  高周波電源 7  スパッタ用ガス供給口 8、9  シャッター 10  真空室 11  排気口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一部に塩素を含むII−VI族化合物
    半導体の微粒子が、前記半導体より大きな禁制帯幅を有
    するガラスに分散されてなる非線形光学材料。
  2. 【請求項2】  一部に塩素を含むII−VI族化合物
    半導体の微粒子が、前記半導体より大きな禁制帯幅を有
    する非晶質窒化物に分散されてなる非線形光学材料。
  3. 【請求項3】  非晶質窒化物が、窒化ほう素,窒化ア
    ルミニウム,窒化チタン,窒化ケイ素からなる群から選
    ばれた少なくとも一種である請求項2記載の非線形光学
    材料。
  4. 【請求項4】  II−VI族化合物半導体の半導体微
    粒子がガラスに分散された非線形光学材料を製造する方
    法において、一部に塩素を含むII−VI族化合物半導
    体からなるターゲットと、前記半導体より大きな禁制帯
    幅を有するガラスターゲットとを用いてスパッタリング
    を行うことを特徴とする請求項1記載の非線形光学材料
    の製造方法。
  5. 【請求項5】  一部に塩素を含むII−VI族化合物
    半導体からなるターゲットが、II族元素がカドミウム
    または亜鉛であるII−VI族化合物半導体と塩化カド
    ミウムまたは塩化亜鉛とからなるターゲットである請求
    項4記載の非線形光学材料の製造方法。
  6. 【請求項6】  II−VI族化合物半導体の半導体微
    粒子が非晶質窒化物に分散された非線形光学材料を製造
    する方法において、一部に塩素を含むII−VI族化合
    物半導体からなるターゲットと、前記半導体より大きな
    禁制帯幅を有する非晶質窒化物のターゲットとを用いて
    スパッタリングを行うことを特徴とする請求項2記載の
    非線形光学材料の製造方法。
  7. 【請求項7】  一部に塩素を含むII−VI族化合物
    半導体からなるターゲットが、II族元素がカドミウム
    または亜鉛であるII−VI族化合物半導体と塩化カド
    ミウムまたは塩化亜鉛とからなるターゲットである請求
    項6記載の非線形光学材料の製造方法。
  8. 【請求項8】  II−VI族化合物半導体の半導体微
    粒子が非晶質窒化物に分散された非線形光学材料を製造
    する方法において、一部に塩素を含むII−VI族化合
    物半導体からなるターゲットと、前記半導体より大きな
    禁制帯幅を有する非晶質窒化物を構成する成分のうち窒
    素を除く構成成分からなるターゲットとを用いて、ガス
    中に窒素またはアンモニアから選ばれた少なくとも1種
    のガスを含ませてスパッタリングを行うことを特徴とす
    る請求項2記載の非線形光学材料の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5955528A (en) * 1996-07-04 1999-09-21 Fuji Xerox Co., Ltd. Polymeric composite material and process for manufacturing the same

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