JPH10176682A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

Info

Publication number
JPH10176682A
JPH10176682A JP8337277A JP33727796A JPH10176682A JP H10176682 A JPH10176682 A JP H10176682A JP 8337277 A JP8337277 A JP 8337277A JP 33727796 A JP33727796 A JP 33727796A JP H10176682 A JPH10176682 A JP H10176682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
polyarylene sulfide
based resin
weight
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8337277A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Mitsunaga
敏彦 光永
Kazuyoshi Sugimoto
和禧 杉本
Kazuaki Fujiwara
一昭 藤原
Kazuya Sato
里  和哉
Toshiyuki Ebara
俊行 江原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP8337277A priority Critical patent/JPH10176682A/ja
Publication of JPH10176682A publication Critical patent/JPH10176682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
    • F04C18/0269Details concerning the involute wraps
    • F04C18/0284Details of the wrap tips

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮ガスの漏れを抑制するために固定スクロ
ールと揺動スクロールのラップの頂部に設けたシール部
材の摩耗が少なく、これらのシール部材が接する両スク
ロールの摺動面の摩耗が抑制された耐久性に優れたスク
ロール型圧縮機を提供する。 【解決手段】 渦巻き状のラップを有するアルミニウム
あるいはアルミニウム合金製固定スクロールおよび揺動
スクロールのいずれか一方をアルマイト表面処理し、前
記ラップの少なくとも一方の頂部にポリアリーレンサル
ファイド系樹脂組成物から成るシール部材を埋設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空調・冷凍
機等に搭載されるスクロール型圧縮機に関するものであ
り、さらに詳しくは、渦巻き状のラップを有する固定ス
クロールと渦巻き状のラップを有する揺動スクロールと
を噛み合わせて形成される複数の圧縮空間からなる圧縮
室にて圧縮される圧縮ガスの漏れを抑制するとともに、
固定スクロールと揺動スクロールのスクロールの頂部に
設けたシール部材と両スクロールの摺動面の摩耗を抑制
した、長期に亘り安定して運転することができる耐久性
に優れたスクロール型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスクロール型圧縮機にお
いては、吐出ポートと渦巻き状のラップを有するアルミ
ニウムあるいはアルミニウム合金製の固定スクロール
と、この固定スクロールに対して公転するアルミニウム
あるいはアルミニウム合金製の揺動スクロールとを互い
に噛み合わせて複数の圧縮空間からなる圧縮室を形成
し、この圧縮室にて圧縮されたガスを前記吐出ポートか
ら吐出させている。
【0003】そして、このようなスクロール型圧縮機で
は、圧縮室にて圧縮されるガスの漏れを抑制するため
に、固定スクロールのラップの頂部と揺動スクロールの
ラップの頂部にPE(ポリエチレン樹脂)、PP(ポリ
プロピレン樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン樹脂)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹
脂)、ガラス繊維強化PPSなどで作られたシール部材
を埋設して、これらのシール部材と両スクロールの摺動
面のシールを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PE、PP、
PTFE、PPSなどから作られたシール部材は耐熱性
に劣り、シール部材が軟化するなどしてシールが不完全
になったり、自身が摩耗する問題があり、またガラス繊
維強化PPSから作られたシール部材の場合は、シール
はできてもガラス繊維によりスクロールの摺動面の摩耗
が進行するので、ガスの漏れを当初は抑制できても、長
期に亘る運転によりスクロールの摺動面が摩耗してしま
い、安定して運転できなくなる問題があった。本発明の
目的は、圧縮室にて圧縮されるガスの漏れを抑制すると
ともに、固定スクロールと揺動スクロールのスクロール
に設けたシール部材と両スクロールの摺動面の摩耗を抑
制し、長期に亘り安定して運転することができる耐久性
に優れたスクロール型圧縮機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる問題
について鋭意研究した結果、アルミニウムあるいはアル
ミニウム合金で作った固定スクロールおよび揺動スクロ
ールのいずれか一方をアルマイト表面処理し、好ましく
は、硬質アルマイト表面処理するとともに、ポリアリー
レンサルファイド系樹脂組成物から成るシール部材、好
ましくは、特定の組成からなるポリアリーレンサルファ
イド系樹脂組成物から成るシール部材をラップの頂部に
埋設してシールすることにより、圧縮室にて圧縮される
ガスの漏れを抑制できるとともに、シール部材自身の摩
耗と両スクロールの摺動面の摩耗を共に抑制でき、長期
に亘り安定して運転できることを見いだし、本発明を成
すに到った。
【0006】すなわち、本発明の請求項1の発明は、吐
出ポートと渦巻き状のラップを有するアルミニウムある
いはアルミニウム合金製の固定スクロールと、この固定
スクロールに対して公転するアルミニウムあるいはアル
ミニウム合金製の揺動スクロールとを互いに噛み合わせ
て複数の圧縮空間からなる圧縮室を形成し、この圧縮室
にて圧縮されたガスを前記吐出ポートから吐出するよう
にしたスクロール型圧縮機において、前記固定スクロー
ルおよび前記揺動スクロールのいずれか一方がアルマイ
ト表面処理されており、前記ラップの少なくとも一方の
頂部にポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物から成
るシール部材を埋設したことを特徴とするスクロール型
圧縮機。
【0007】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
のスクロール型圧縮機において、下記のポリアリーレン
サルファイド系樹脂組成物を使用することを特徴とす
る。 ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物: (1)アルマイト表面処理された方に使用されるポリア
リーレンサルファイド系樹脂組成物[炭素繊維(短繊
維)+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=100重量
%]; 炭素繊維(短繊維) 13〜17重量% ポリアリーレンサルファイド系樹脂 残部 (2)アルマイト表面処理されていない方に使用される
ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物[炭素繊維
(短繊維)+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=10
0重量%]; 炭素繊維(短繊維) 8〜12重量% ポリアリーレンサルファイド系樹脂 残部
【0008】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2記載のスクロール型圧縮機において、前記
揺動スクロールがアルマイト表面処理されていることを
特徴とする。
【0009】本発明の請求項4の発明は、請求項1ない
し請求項3記載のスクロール型圧縮機において、ポリア
リーレンサルファイド系樹脂がポリフェニレンサルファ
イドであることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5の発明は、請求項1ない
し請求項4記載のスクロール型圧縮機において、ポリア
リーレンサルファイド系樹脂組成物がさらにPTFE粉
末を3〜7重量%含む[炭素繊維(短繊維)+PTFE
粉末+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=100重量
%]ことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例を図1
から図5に示す図面に基づいて詳細に説明すると、図1
は、この発明に係るスクロール型圧縮機の全体構成を示
す断面図であり、図2は、本発明のスクロール型圧縮機
の固定スクロールの平面図であり、図3は、本発明のス
クロール型圧縮機の揺動スクロールの平面図である。図
4は、固定スクロールと揺動スクロールの一部拡大断面
説明図である。図5は、図2の固定スクロールと図3の
揺動スクロールとを互いに渦巻き状に噛み合わせた状態
を示す平面図である。図1〜5において、1は密閉容器
である。この密閉容器1内には、支持フレーム2を間に
介して電動要素3が下部側に、この電動要素3にて駆動
されるスクロール圧縮要素4が上部側にそれぞれ配置収
納されている。なお、下記の説明においては密閉容器1
内に電動要素3とスクロール圧縮要素4が内蔵されたス
クロール型圧縮機の例を挙げたが、本発明のスクロール
型圧縮機は密閉型に限定されず、開放型であってもよ
い。
【0012】前記電動要素3は、前記支持フレーム2に
回転自在に軸支された回転軸31と、この回転軸31に
圧入保持された回転子32と、この回転子32の外周に
嵌装された固定子33とで構成されているとともに、前
記回転軸31の上端部には、偏心部31aが軸心と偏心
させて形成され、この偏心部31aには、後述するスク
ロール圧縮要素4の揺動スクロール6の下面偏心部に設
けたピン部61aが挿入されて連結されるようになって
いる。
【0013】一方、前記スクロール圧縮要素4は、固定
スクロール5と、この固定スクロール5の下側に配置さ
れた揺動スクロール6とで構成され、前記固定スクロー
ル5は、低圧室1B側下面に渦巻き状のラップ51が突
出形成されているとともに、その中央部には、前記高圧
室1A側に連通する吐出ポート52が設けられている。
【0014】吐出ポート52の上部には、前記密閉容器
1内を高圧室1Aと低圧室1Bとに区画する隔壁9が配
設されており、この隔壁9の中央部にはバルブ91と吐
出口92を備えた中空ノズル部93が設けられている。
さらに、この中空ノズル部93の上方を囲むように下部
が隔壁9の凸部外周に挿入され、上部がバネ10で密閉
容器1との間に保持されているデミスタ11が設置され
ている。12は固定スクロール5と隔壁9との間をシー
ルするU字型パッキン、13は圧縮ガスを高圧室1A内
に吐出するためにデミスタ11に設けられた複数の小
孔、14は分離したオイル(冷凍機油)を密閉容器1の
底部のオイル溜15に戻すためのパイプを示す。オイル
溜15に溜められたオイルは回転軸31の下端に設けら
れ、回転軸31の回転により駆動されるポンプ34によ
り汲み上げられて、回転軸31の中空部35を経て上方
の摺動部に送られ、循環して使用するようになってい
る。
【0015】前記揺動スクロール6は、その上面に渦巻
き状のラップ61が突出形成され、このラップ61に
は、前記固定スクロール5のラップ51が互いに噛み合
わされ、これによって、外方から内方に向かって次第に
縮小する複数の圧縮空間7からなる圧縮室8が前記吐出
ポート52に連通して形成され、この圧縮室8にて冷媒
を圧縮するようになっている。
【0016】前記固定スクロール5の下面に突出形成さ
れたラップ51の頂部には後記する特定のポリアリーレ
ンサルファイド系樹脂組成物から成るシール部材aが埋
設して配設されており、このシール部材aの先端の一部
が前記揺動スクロール6の摺動面と接して圧縮ガスのシ
ールを行うようになっている。このシール部材aの巾、
長さ、形状などは特に限定されず、例えば、シール部材
aはラップ51の全長にわたり設けてもよいが、図2、
図5に例示したように、低圧のために圧縮ガスのシール
の問題がない部分には設けず、ラップ51が中心に行く
に従って圧力が高くなるので圧縮ガスのシールが特に必
要となる部分には特に設けるようにすることが好まし
い。
【0017】また、前記揺動スクロール6の上面に突出
形成されたラップ61の頂部にも後記する特定の他のポ
リアリーレンサルファイド系樹脂組成物から成るシール
部材bが埋設して配設されており、このシール部材bの
一部が前記固定スクロール5の摺動面と接して圧縮ガス
のシールを行うようにしてある。シール部材bの巾、長
さ、形状などは特に限定されず、例えば、図3、図5に
例示したように、密閉容器1に設けた低圧室1Bと連通
する冷媒の吸込管17の近傍にあるラップ61の頂部に
は、低圧のために圧縮ガスのシールの問題がないので前
記シール部材bを設けず、ラップ61が中心に行くに従
って圧力が高くなるので圧縮ガスのシールが特に必要と
なる部分には特に設けるようにすることが好ましい。
【0018】図4に例示されているように、前記固定ス
クロール5の下面に突出形成されたラップ51の頂部お
よび、前記揺動スクロール6の上面に突出形成されたラ
ップ61の頂部にはそれぞれシール部材a、bが、それ
ぞれの頂部に形成した溝cの中に間隙dを隔てて埋設し
て配設してある。この間隙dには高圧側の圧縮ガスが吐
出ポート52側から流入してシール部材aが揺動スクロ
ール6の摺動面に押し付けられ、そしてシール部材bが
固定スクロール5の摺動面に押し付けられて圧縮ガスの
シールがより完全に行われるようになっている。
【0019】また、前記揺動スクロール6の下面偏心部
には、ピン部61aが突設され、このピン部61aは、
前記回転軸31の上端部に設けた偏心部31aに挿入さ
れて連結されている。
【0020】さらに、前記スクロール圧縮要素4を構成
する固定スクロール5と揺動スクロール6との間には、
図示しないオルダム継手が介装され、このオルダム継手
は、前記電動要素3の駆動により固定スクロール5に対
して揺動スクロール6を自転しないように円軌道上を公
転させるようになっている。
【0021】そして、前記バルブ91は、前記吐出ポー
ト52の上方に設けられた中空ノズル部93の吐出側を
開閉させることにより、前記揺動スクロール6の揺動運
動により圧縮室8にて圧縮された圧縮ガスを吐出口9
2、デミスタ11の複数の小孔13を経て前記高圧室1
A内に吐出させるようになっている。前記高圧室1A内
で分離したオイルはパイプ14を経て密閉容器1の底部
のオイル溜15に戻すようになっている。
【0022】なお、図中16は前記支持フレーム2の外
周に設けた冷媒吸込通路で、この冷媒吸込通路16は、
前記スクロール圧縮要素4の圧縮室8と連通して、この
圧縮室8内に冷媒を導くようになっている。
【0023】さらに、図中17は冷媒の吸込管、18は
前記密閉容器1の上部に設けた高圧室1Aと連通する吐
出管をそれぞれ示すものである。
【0024】図5に示すように、本発明のスクロール型
圧縮機は図2に示した固定スクロールと図3に示した揺
動スクロールとを互いに渦巻き状に噛み合わせた状態
で、前記吐出ポート52に連通する複数の圧縮空間7か
らなる圧縮室8を形成し、この複数の圧縮室8にて圧縮
された圧縮ガスを前記吐出ポート52を経て高圧室1A
側に吐出するようになっている。
【0025】冷蔵庫、自動販売機及びショーケース用の
圧縮機は従来冷媒としてジクロロジフルオロメタン(R
12)を多く使用していた。このR12は、その高いオ
ゾン破壊の潜在性により、大気中に放出されて地球上空
のオゾン層に到達すると、このオゾン層を破壊する問題
からフロン規制の対象となっている。このオゾン層の破
壊は冷媒中の塩素基(Cl)により引き起こされる。そ
こで、本発明で使用する冷媒としては、具体的には、例
えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R13
4a)単体又はR134aとジフルオロメタン(R−3
2)とペンタフルオロエタン(R−125)との混合冷
媒(R407C)、R−32とR−125との混合冷媒
(R410A)などのHFC系冷媒、ハイドロクロロジ
フルオロメタン(R22)単体又は混合冷媒などのHC
FC系冷媒などを挙げることができ、冷凍機油として
は、具体的には、例えば、これらの冷媒と相溶性のある
エステル系オイル、エーテル系オイルあるいはこれらの
冷媒と相溶性のないアルキルベンゼン系オイルなどの冷
凍機油を挙げることができる。
【0026】本発明で用いるポリアリーレンサルフアイ
ド樹脂(I)とは、一般式(1)にて表わされる重合体
である。
【0027】
【化1】
【0028】ここでArは例えば、一般式(2)〜
(7)にて表わされる
【0029】
【化2】
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】少なくとも一つの炭素6員環を含む二価の
芳香族残基であり、さらに各芳香族環にF、Cl、B
r、CHなどの置換基が導入されることもある。
【0036】特に代表的なポリアリーレンサルフアイド
は、一般式(8)
【0037】
【化8】
【0038】にて表わされるポリフェニレンサルフアイ
ド(PPS)であり、その製法は特公昭54−3368
号公報に開示があり、N−メチルピロリドン溶液中16
0〜250℃、加圧下にパラジクロロベゼンと硫化ソ−
ダを反応させることにより製造できる。これらのポリア
リーレンサルフアイドは、耐熱性、機械的特性、寸法安
定性、難燃性などに優れている。
【0039】本発明で用いる炭素繊維(短繊維)とは、
化学組成の大部分(90%以上)が炭素より成る繊維状
物質であり、具体的には、例えば、再生セルロース、ポ
リアクリロニトリル、石油系ピッチ、石炭系ピッチなど
を原料として段階的加熱処理により製造される炭素繊
維、さらに加熱して黒鉛化した黒鉛繊維などをいずれも
使用できる。炭素繊維(短繊維)の製造法、繊維の太
さ、長さ、形状などは特に限定されず、市販のものを使
用することもできる。
【0040】本発明で用いる炭素繊維(短繊維)の含有
量は、アルマイト表面処理されたスクロールの摺動面に
接するシール部材に用いるポリアリーレンサルファイド
系樹脂組成物の場合は13〜17重量%、好ましくは1
4〜16重量%で、残部がポリアリーレンサルファイド
系樹脂[炭素繊維(短繊維)+ポリアリーレンサルファ
イド系樹脂=100重量%]である。炭素繊維(短繊
維)の含有量が13重量%未満では、シール部材の摩耗
量が多くなり、17重量%を超えると射出成形などの成
形ができないなど加工性が悪く、また硬くなるのでアル
マイト表面処理されたスクロールの摺動面が傷つき、摩
耗量が多くなり、寿命が短くなる。
【0041】一方、アルマイト表面処理されていないス
クロールの摺動面に接するシール部材のポリアリーレン
サルファイド系樹脂組成物中の炭素繊維(短繊維)の含
有量は、8〜12重量%、好ましくは9〜11重量%
で、残部がポリアリーレンサルファイド系樹脂[炭素繊
維(短繊維)+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=1
00重量%]である。炭素繊維(短繊維)の含有量が8
重量%未満では、シール部材の摩耗量が多くなり、12
重量%を超えると硬くなるのでアルマイト表面処理され
ていないスクロールの摺動面が傷つき、摩耗量が多くな
り、寿命が短くなる。
【0042】本発明で用いる炭素繊維(短繊維)を含有
するポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物に、さら
にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE
(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体)、FE
P(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン−フル
オロアルキルビニルエーテル共重合体)、PVDF(ポ
リビニリデンフルオライド)などのフッ素樹脂の粉末を
配合することが好ましい。これらの中でもPTFE粉末
はより好ましく使用できる。フッ素樹脂粉末の製造法、
形状、大きさなどは特に限定されず、市販品を使用する
ことができる。フッ素樹脂粉末の含有量は3〜7重量
%、好ましくは2〜6重量%[炭素繊維(短繊維)+P
TFE粉末+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=10
0重量%]である。フッ素樹脂粉末の含有量が3重量%
未満ではシール部材の摩擦抵抗がやや高く摺動面が傷つ
き、摩耗量が多くなる場合があり、7重量%を超えても
さらに効果が増大せず、不経済となる。
【0043】本発明で用いるポリアリーレンサルファイ
ド系樹脂組成物には、さらに本発明の要旨を逸脱しない
範囲において、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤、カッ
プリング剤、分散剤、架橋剤、着色剤などの添加剤を添
加しても差し支えない。
【0044】本発明で用いるポリアリーレンサルファイ
ド系樹脂組成物から成るシール部材は、所定量のポリア
リーレンサルファイド、炭素繊維(短繊維)、PTFE
粉末、その他添加剤などを配合して溶融混合して作られ
た組成物を射出成形、注型成形、圧縮成形などの方法に
より成形して製造することができる。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例および比較例により具体
的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1)本発明のスクロール型圧縮機、凝縮機、膨
張弁、蒸発器などを配管で連結した実験用冷凍装置を使
用し下記の試験条件で1000時間連続の耐久試験を行
い、固定スクロール側シール部材a、揺動スクロール側
シール部材b、揺動スクロール側シール部材bが接する
固定スクロール側摺動面、固定スクロール側シール部材
aが接する揺動スクロール側摺動面の摩耗量を測定し
た。 試験条件: 固定スクロール:Si8〜12重量%含有アルミニウム
合金製、アルマイト表面処理されていないもの。 揺動スクロール:Si8〜12重量%含有アルミニウム
合金製、硬質アルマイト表面処理されたもの。 冷媒:ハイドロクロロジフルオロメタン(R22)単体 圧力条件:高圧35.0kg/cm2 ・G、低圧:8.
0kg/cm2 ・G運転周波数:100HZ 冷凍機油組成物(オイル):ポリビニルエーテル系油?
?(4GSD、スニソ社製)。 シール部材a、bの雰囲気温度:15〜110℃
【0046】固定スクロール側シール部材a:炭素繊維
(短繊維)15重量%、PTFE粉末5重量%、残部が
ポリフェニレンサルファイド[フォートロンKPS(商
品名、呉羽化学工業(株)製]から成るポリアリーレン
サルファイド系樹脂組成物を使用して作られたものを使
用した。 揺動スクロール側シール部材b:炭素繊維(短繊維)1
0重量%、PTFE粉末5重量%、残部がポリフェニレ
ンサルファイド[フォートロンKPS(商品名、呉羽化
学工業(株)製]から成るポリアリーレンサルファイド
系樹脂組成物を使用して作られたものを使用した。耐久
試験の結果を表1に示す。
【0047】(比較例1)固定スクロール側シール部材
aおよび揺動スクロール側シール部材bとして下記のも
のを用いた以外は実施例1と同様にして耐久試験を行っ
た結果を表1に示す。 固定スクロール側シール部材a:炭素繊維(短繊維)
5重量%、PTFE粉末5重量%、残部がポリフェニレ
ンサルファイド[フォートロンKPS(商品名、呉羽化
学工業(株)製]から成るポリアリーレンサルファイド
系樹脂組成物を使用して作られたものを使用した。 揺動スクロール側シール部材b:炭素繊維(短繊維)
5重量%、PTFE粉末5重量%、残部がポリフェニレ
ンサルファイド[フォートロンKPS(商品名、呉羽化
学工業(株)製]から成るポリアリーレンサルファイド
系樹脂組成物を使用して作られたものを使用した。
【0048】(比較例2)固定スクロール側シール部材
aおよび揺動スクロール側シール部材bとして下記のも
のを用いた以外は実施例1と同様にして耐久試験を行っ
た結果を表1に示す。 固定スクロール側シール部材a:炭素繊維(短繊維)1
5重量%、PTFE粉末5重量%、残部がポリフェニレ
ンサルファイド[フォートロンKPS(商品名、呉羽化
学工業(株)製]から成るポリアリーレンサルファイド
系樹脂組成物を使用して作られたものを使用した。 揺動スクロール側シール部材b:炭素繊維(短繊維)1
5重量%、PTFE粉末5重量%、残部がポリフェニレ
ンサルファイド[フォートロンKPS(商品名、呉羽化
学工業(株)製]から成るポリアリーレンサルファイド
系樹脂組成物を使用して作られたものを使用した。
【0049】
【表1】
【0050】表1から、実施例1においては、固定スク
ロール側シール部材a、揺動スクロール側シール部材
b、揺動スクロール側シール部材bが接する固定スクロ
ール側摺動面、固定スクロール側シール部材aが接する
揺動スクロール側摺動面の摩耗量はいずれも少なく、耐
久性に優れていることが判る。それに対して、炭素繊維
(短繊維)含有量が少ない固定スクロール側シール部材
aと揺動スクロール側シール部材bを用いた比較例1に
おいては、揺動スクロール側シール部材bが接する固定
スクロール側摺動面、固定スクロール側シール部材aが
接する揺動スクロール側摺動面の摩耗量はいずれも少な
いが、固定スクロール側シール部材aおよび揺動スクロ
ール側シール部材bの摩耗量が大きく、耐久性に劣る。
また、炭素繊維(短繊維)含有量が本発明の範囲内にあ
る固定スクロール側シール部材aと炭素繊維(短繊維)
含有量が本発明の範囲外で多い揺動スクロール側シール
部材bを用いた比較例2においては、固定スクロール側
シール部材aが接する揺動スクロール側摺動面、固定ス
クロール側シール部材aおよび揺動スクロール側シール
部材bの摩耗量はいずれも少ないが、揺動スクロール側
シール部材bが接する固定スクロール側摺動面の摩耗量
が大きく、耐久性に劣る。
【0051】
【発明の効果】本発明のスクロール型圧縮機は、圧縮室
にて圧縮されるガスの漏れを抑制できるので冷凍能力が
高い上に、固定スクロールと揺動スクロールのラップの
頂部に埋設したシール部材の摩耗が少なく、かつ、これ
らのシール部材が接する両スクロールの摺動面の摩耗が
抑制され、長期に亘り安定して運転でき、耐久性に優れ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスクロール型圧縮機の一実施例の全
体構成を示す断面図である。
【図2】 図1の本発明のスクロール型圧縮機の固定ス
クロールの平面図である。
【図3】 図1の本発明のスクロール型圧縮機の揺動ス
クロールの平面図である。
【図4】 固定スクロールと揺動スクロールの一部拡大
説明図である。
【図5】 図2の固定スクロールと図3の揺動スクロー
ルとを互いに渦巻き状に噛み合わせた状態を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 密閉容器 1A 高圧室 1B 低圧室 2 支持フレーム 3 電動要素 4 スクロール圧縮要素 5 固定スクロール 6 揺動スクロール 7 圧縮空間 8 圧縮室 52 吐出ポート 51、61 ラップ a、b シール部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 里 和哉 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 江原 俊行 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出ポートと渦巻き状のラップを有する
    アルミニウムあるいはアルミニウム合金製の固定スクロ
    ールと、この固定スクロールに対して公転するアルミニ
    ウムあるいはアルミニウム合金製の揺動スクロールとを
    互いに噛み合わせて複数の圧縮空間からなる圧縮室を形
    成し、この圧縮室にて圧縮されたガスを前記吐出ポート
    から吐出するようにしたスクロール型圧縮機において、
    前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールのいずれ
    か一方がアルマイト表面処理されており、前記ラップの
    少なくとも一方の頂部にポリアリーレンサルファイド系
    樹脂組成物から成るシール部材を埋設したことを特徴と
    するスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 下記のポリアリーレンサルファイド系樹
    脂組成物を使用することを特徴とする請求項1記載のス
    クロール型圧縮機。 ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物: (1)アルマイト表面処理された方に使用されるポリア
    リーレンサルファイド系樹脂組成物[炭素繊維(短繊
    維)+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=100重量
    %]; 炭素繊維(短繊維) 13〜17重量% ポリアリーレンサルファイド系樹脂 残部 (2)アルマイト表面処理されていない方に使用される
    ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成物[炭素繊維
    (短繊維)+ポリアリーレンサルファイド系樹脂=10
    0重量%]; 炭素繊維(短繊維) 8〜12重量% ポリアリーレンサルファイド系樹脂 残部
  3. 【請求項3】 前記揺動スクロールがアルマイト表面処
    理されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項
    2記載のスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 ポリアリーレンサルファイド系樹脂がポ
    リフェニレンサルファイドであることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3記載のスクロール型圧縮機。
  5. 【請求項5】 ポリアリーレンサルファイド系樹脂組成
    物がさらにPTFE粉末を3〜7重量%含む[炭素繊維
    (短繊維)+PTFE粉末+ポリアリーレンサルファイ
    ド系樹脂=100重量%]ことを特徴とする請求項1な
    いし請求項4記載のスクロール型圧縮機。
JP8337277A 1996-12-17 1996-12-17 スクロール型圧縮機 Pending JPH10176682A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8337277A JPH10176682A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 スクロール型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8337277A JPH10176682A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 スクロール型圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10176682A true JPH10176682A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18307102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8337277A Pending JPH10176682A (ja) 1996-12-17 1996-12-17 スクロール型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10176682A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009084641A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Daikin Industries, Ltd. スクリュー圧縮機
WO2017056213A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62223488A (ja) * 1986-03-22 1987-10-01 Toyota Autom Loom Works Ltd スクロ−ル型コンプレツサ−のシ−ル部材
JPH07252410A (ja) * 1994-01-31 1995-10-03 Ntn Corp スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物
JPH08120258A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Daido Metal Co Ltd スクロール型コンプレッサー用シール材
JPH08270578A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール型流体機械

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62223488A (ja) * 1986-03-22 1987-10-01 Toyota Autom Loom Works Ltd スクロ−ル型コンプレツサ−のシ−ル部材
JPH07252410A (ja) * 1994-01-31 1995-10-03 Ntn Corp スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物
JPH08120258A (ja) * 1994-10-25 1996-05-14 Daido Metal Co Ltd スクロール型コンプレッサー用シール材
JPH08270578A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd スクロール型流体機械

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009084641A1 (ja) * 2007-12-28 2009-07-09 Daikin Industries, Ltd. スクリュー圧縮機
WO2017056213A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009228476A (ja) スクロール圧縮機
KR19990029819A (ko) 스크롤형 압축기
JPH09112448A (ja) スクロール圧縮機
JP6395846B2 (ja) スクロール圧縮機
KR100326724B1 (ko) 냉매압축기및냉동장치
CN109983230A (zh) 具有注入功能的压缩机
WO2020049844A1 (ja) 圧縮機、及び、これを備える冷凍サイクル装置
JP2010121448A (ja) 密閉型圧縮機
JPH10176682A (ja) スクロール型圧縮機
WO2020031801A1 (ja) 密閉型電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置
JPH10237421A (ja) スクロール式圧縮機を有する冷凍システム
JP2010255449A (ja) ロータリー圧縮機
JP2010255448A (ja) ロータリー圧縮機
JP2009228471A (ja) スクロール圧縮機
JPH1193869A (ja) スクロール型圧縮機
JPH11101187A (ja) スクロール型圧縮機
JP3601442B2 (ja) 冷凍装置
JP5911637B2 (ja) 圧縮機
JP2000110751A (ja) スクロール型圧縮機の給油機構
JPH10103276A (ja) 冷凍装置
JPH09151875A (ja) 冷媒圧縮機
JP2000283066A (ja) スクロール圧縮機
JP2009228470A (ja) スクロール圧縮機
JPH109171A (ja) 密閉形圧縮機
JPH109169A (ja) 密閉形圧縮機