JPH10176022A - プロピレンブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体の製造方法

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JPH10176022A
JPH10176022A JP33717296A JP33717296A JPH10176022A JP H10176022 A JPH10176022 A JP H10176022A JP 33717296 A JP33717296 A JP 33717296A JP 33717296 A JP33717296 A JP 33717296A JP H10176022 A JPH10176022 A JP H10176022A
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JP
Japan
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propylene
catalyst
olefin
producing
component
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JP33717296A
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English (en)
Inventor
Tokuji Inoue
篤司 井上
Hideo Sano
英男 佐野
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Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 [A]三塩化チタン系触媒固体成分、[B]
ハロゲン含有有機アルミニウム化合物成分並びに[C]
トリアルキルアルミニウム化合物成分及び/又は[D]
有機ケイ素化合物成分からなる触媒を用いることを特徴
とするプロピレンブロック共重合体の製造方法。 【効果】 高生産性でゴム成分の分子量の高いプロピレ
ンブロック共重合体を製造する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高剛性で高衝撃性
のプロピレンブロック共重合体を製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】前段でプロピレンを単独重合もしくはプ
ロピレンと他のα−オレフィンを共重合してプロピレン
の立体規則性(共)重合体を製造後、該(共)重合体の
存在下、後段でプロピレンと他のα−オレフィンを気相
共重合させて、プロピレンブロック共重合体を製造する
ことは公知である。ここで得られる製品は、各段階で製
造される重合体あるいは共重合体の均密な混合物となる
が、一般にはプロピレンブロック共重合体と称されい
る。この方法は、プロピレンブロック共重合体の剛性と
耐衝撃性のバランスを保つ上で有用である。
【0003】プロピレンブロック共重合体の製造方法
は、通常、第一段階の液状プロピレン中における重合工
程と第二段階の共重合工程から構成されている。重合触
媒として用いられるいわゆる担持型触媒は、通常、初期
に高活性を示すものの活性持続性が劣り、後段での共重
合活性が低くなる問題点がある。
【0004】後段での共重合活性を増加させる方法とし
て、例えば、重合時間、重合温度、重合圧力などの重合
条件を前段と後段で調節する方法などが試みられてい
る。しかし、これらの方法では相対的に後段での重合活
性が増大するものの、全体として触媒活性の低下、共重
合体の立体規則性の低下、あるいは共重合により生成し
たゴム成分の分子量の低下などの問題があり、得られる
プロピレンブロック共重合体の剛性及び耐衝撃性の向上
効果が低下する問題がある。
【0005】上記の問題点を改良する目的で、チタン固
体成分と有機アルミニウム化合物からなる触媒系を用い
て前段の重合を行った後、後段の共重合工程に特定の化
合物を添加する方法が提案されている。特定化合物とし
て、例えば、特開昭63-225611 号公報には芳香族カルボ
ン酸エステル、特開昭63-146914 号公報にはシロキサン
類、特開昭61-69821号公報には活性水素化合物、特開昭
61-69822号公報には含酸素化合物などが開示されてい
る。
【0006】また、特開昭54-123191 号公報には、三塩
化チタン系固体成分−ハロゲン含有有機アルミニウム化
合物からなる触媒系を用いてプロピレンブロック共重合
体を製造する方法が開示されているが、上記の担持型触
媒系の場合と同様の問題があり、後段共重合時にトリア
ルキルアルミニウムを添加する方法(特開昭55-7464号
公報)、アルモキサンを添加する方法(特開平6-9736号
公報)などが提案されているが必ずしも満足のいくもの
ではなく、さらに改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決し、高生産性でゴム成分の分子量の
高いプロピレンブロック共重合体を製造する方法を提供
することを目的とする。
【0008】
【問題点解決のための技術的手段】本発明は、[A]三
塩化チタン系触媒固体成分、[B]ハロゲン含有有機ア
ルミニウム化合物成分及び[C]トリアルキルアルミニ
ウム化合物成分からなる触媒を用いて、(1)プロピレ
ン又はプロピレンと他のα−オレフィンとを重合させ
て、エチレン含量10重量%以下のプロピレン重合体を製
造する工程、及び(2)プロピレンと他のα−オレフィ
ンとを重合させて、エチレン含量 3〜40重量%のプロピ
レン重合体を製造する工程により製造することを特徴と
するプロピレンブロック共重合体の製造方法に関する。
【0009】また、本発明は、[A]三塩化チタン系触
媒固体成分、[B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合
物成分及び[D]有機ケイ素化合物成分からなる触媒を
用いて、(1)プロピレン又はプロピレンと他のα−オ
レフィンとを重合させて、エチレン含量10重量%以下の
プロピレン重合体を製造する工程、及び(2)プロピレ
ンと他のα−オレフィンとを重合させて、エチレン含量
3〜40重量%のプロピレン重合体を製造する工程により
製造することを特徴とするプロピレンブロック共重合体
の製造方法に関する。
【0010】また、本発明は、[A]三塩化チタン系触
媒固体成分、[B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合
物成分、[C]トリアルキルアルミニウム化合物成分及
び[D]有機ケイ素化合物成分からなる触媒を用いて、
(1)プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィン
とを重合させて、エチレン含量10重量%以下のプロピレ
ン重合体を製造する工程、及び(2)プロピレンと他の
α−オレフィンとを重合させて、エチレン含量 3〜40重
量%のプロピレン重合体を製造する工程により製造する
ことを特徴とするプロピレンブロック共重合体の製造方
法。
【0011】また、本発明は、上記の触媒の存在下、プ
ロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの重合
を行い、引き続いて、上記の触媒を失活させずに、第二
段階でプロピレンと他のα−オレフィンとの気相共重合
を行うことを特徴とするプロピレンブロック共重合体の
製造方法に関する。
【0012】本発明における[A]三塩化チタン系触媒
固体成分としては、従来公知のものを用いることができ
る。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で
還元して得られた三塩化チタンを、錯化剤で、続いて四
塩化チタンで処理する方法、四塩化チタンを金属アルミ
ニウムで還元して得られた三塩化チタン(1molの三塩化
チタンに対して1/3molの三塩化アルミニウムを含有する
共晶体)をさらに電子供与体で処理する方法、三塩化チ
タンをボールミルなどで粉砕活性化処理する方法などに
よって製造されたものを用いることができる。
【0013】本発明における[B]ハロゲン含有有機ア
ルミニウム化合物成分としては、例えば、ジメチルアル
ミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノク
ロライド、ジブチルアルミニウムモノクロライド、ジ-n
- プロピルアルミニウムモノクロライド、メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、ブチルアルミニウムセスキクロライドなどの
アルキルアルミニウムクロライド化合物が挙げられる。
また、上記の化合物のクロライドをブロマイドに替えた
アルキルアルミニウムブロマイド化合物も挙げられる。
中でも、ジエチルアルミニウムクロライドが好適に用い
られる。
【0014】[B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合
物成分の使用量は、[A]三塩化チタン系触媒固体成分
のチタンに対するアルミニウムの元素比(Al/Ti )で
0.1〜20が好ましく、0.5 〜5 がより好ましい。
【0015】本発明における[C]トリアルキルアルミ
ニウム化合物成分としては、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリn-プロピルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。
中でも、トリエチルアルミニウムが好適に用いられる。
【0016】[C]トリアルキルアルミニウム化合物成
分の使用量は、[A]三塩化チタン系触媒固体成分のチ
タンに対するアルミニウムの元素比(Al/Ti )で 0.01
〜15が好ましく、0.03〜0.5 がより好ましい。
【0017】また、[B]ハロゲン含有アルミニウム化
合物成分と[C]トリアルキルアルミニウム化合物成分
の使用量の割合は、好ましくは[B]/[C]=0.005
〜0.25、より好ましくは 0.01 〜0.2 である。
【0018】本発明における[D]有機ケイ素化合物成
分としては、一般式 R1 Si(OR3 3 、R1 2
Si(OR3 2 又はR1 2 2Si(OR3 )、Si
(OR3 4 で表されるアルコキシシラン化合物が挙げ
られる。上記の一般式中のR1、R2 及びR3 は炭素数1
〜24、好ましくは1 〜8 の炭化水素基又はアミノ基を
示す。炭化水素基としては、直鎖状炭化水素基、分岐状
炭化水素基、環状炭化水素基などが挙げられる。アミノ
基としては、環状アミノ基、脂肪族アミノ基などが挙げ
られる。
【0019】有機ケイ素化合物の具体例としては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-
プロポキシシラン、テトラ-n- ブトキシシラン、テトラ
-iso- ペントキシシラン、テトラ-n- ヘキソキシシラン
などのテトラアルコキシシランが挙げられる。
【0020】また、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、メチルトリ-n- ブトキシシラン、
メチルトリ-iso- ペントキシシラン、メチルトリ-n- ヘ
キソキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルト
リ-n- ブトキシシラン、エチルトリ-iso- ペントキシシ
ラン、n-ブチルトリメトキシシラン、iso-ブチルトリメ
トキシシラン、iso-ペンチルトリメトキシシランなどの
トリアルコキシシランが挙げられる。
【0021】また、t-ブチルメチルジメトキシシラン、
t-ブチルエチルジメトキシシラン、t-ブチルプロピルジ
メトキシシラン、ジ-isoプロピルジメトキシシラン、シ
クロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
エチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシ
シラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジメチルジ-n- ブトキシシラン、ジ
メチルジ-iso- ペントキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジエチルジ-n- ブトキシシラン、ジエチルジ-i
so- ペントキシシラン、ジ-iso- ブチルジ-iso- ペント
キシシラン、ジ-n- ブチルジエトキシシランなどのジア
ルコキシシランが挙げられる。
【0022】また、トリメチルメトキシシラン、トリメ
チルエトキシシラン、トリメチル-iso- ブトキシシラ
ン、トリエチル-iso- プロポキシシラン、トリ-n- プロ
ピルエトキシシラン、トリ-n- ブチルエトキシシラン、
トリ-iso- ペンチルエトキシシランなどのアルコキシシ
ランが挙げられる。
【0023】また、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリ-iso- ブトキシシラン、フェニルトリ-iso- ペ
ントキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェ
ニルジ-iso- ブトキシシラン、ジフェニルジ-iso- ペン
トキシシラン、ジフェニルジオクトキシシシラン、トリ
フェニルエトキシシランなどのフェニルアルコキシシラ
ンが挙げられる。
【0024】また、ベンジルトリメトキシシシランなど
のベンジルアルコキシシランが挙げられる。これらの有
機ケイ素化合物は、2種類以上併用してもよい。
【0025】[D]有機ケイ素化合物成分の使用量は、
三塩化チタン系触媒固体成分に対して有機ケイ素化合物
成分の元素比(Si/Ti )で好ましくは 0.002〜20、より
好ましくは 0.05 〜5.0 である。
【0026】本発明においては、上記の触媒系の存在
下、第一段階でプロピレン単独重合又はプロピレンと他
のα−オレフィンとの共重合により結晶性重合体を製造
した後、引き続いて、上記の触媒系を失活させずに、第
二段階でプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン
との共重合によりゴム状共重合体を製造することによっ
て、プロピレンブロック共重合体を製造することができ
る。
【0027】第一段階の重合は、プロピレンの単独重合
でもよいが、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重
合でもよい。α−オレフィンとしては、エチレン、ブテ
ン-1、3-メチルブテン-1、3-メチルペンテン-1、4-メチ
ルペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルヘキセン-1、オク
テン-1、スチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレ
ン、4-メチルスチレン、ビニルシクロヘキサン、ビニル
シクロペンタン、2-ビニルナフタレン、9-ビニルアント
ラセンなどの非環状モノオレフィンが挙げられる。ま
た、シクロペンテン、シクロヘキサン、ノルボルネンな
どの環状モノオレフィンが挙げられる。ジシクロペンタ
ジエン、5-エチリデンノルボルネン-2、4-ビニルシクロ
ヘキセン、1,5-ヘキサジエンなどのジオレフィンが挙げ
られる。
【0028】第一段階の重合で得られる結晶性重合体中
のプロピレン以外のα−オレフィンの割合は、ポリプロ
ピレンの特性を失わない程度の量、例えば、10重量%以
下であることが好ましい。結晶性重合体中のプロピレン
以外のα−オレフィンの割合が10重量%を越えると低結
晶性重合体副生物が増大する。
【0029】第二段階の重合は、プロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンとの共重合によりゴム状共重合
体を製造する。α−オレフィンとしては、エチレン、ブ
テン-1、3-メチルブテン-1、3-メチルペンテン-1、4-メ
チルペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルヘキセン-1、オ
クテン-1、スチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチ
レン、4-メチルスチレン、ビニルシクロヘキサン、ビニ
ルシクロペンタン、2-ビニルナフタレン、9-ビニルアン
トラセンなどの非環状モノオレフィンが挙げられる。ま
た、シクロペンテン、シクロヘキサン、ノルボルネンな
どの環状モノオレフィンが挙げられる。ジシクロペンタ
ジエン、5-エチリデンノルボルネン-2、4-ビニルシクロ
ヘキセン、1,5-ヘキサジエンなどのジオレフィンが挙げ
られる。
【0030】第二段階で得られるプロピレンと他のα−
オレフィンとのゴム状共重合体の割合は、全ブロック共
重合体量の通常 3〜40重量%、好ましくは 5〜30重量%
である。該ゴム状共重合体中のプロピレン以外のα−オ
レフィンの割合は、10〜40重量%が好ましい。
【0031】本発明の重合様式としては、不活性炭化水
素溶媒中でのスラリー重合、液体状態でのモノマーを溶
媒としてその中で重合させる塊状重合、モノマーを気体
状態で触媒と接触させる気相重合、又は、これらを組み
合わせて重合を行うことができる。
【0032】中でも、第一段階で液体状態のモノマーを
溶媒として重合させる塊状重合で行い、第二段階でモノ
マーを気体状態で触媒と接触させる気相重合で行うこと
が好ましい。
【0033】塊状重合では、プロピレン又はプロピレン
と他のα−オレフィンとの混合モノマーを液状に保ちう
る温度および圧力条件で行うことが好ましい。重合温
度、通常30〜90℃、好ましくは50〜80℃である。重合時
間は、通常 5分〜5 時間である。
【0034】気相重合では、プロピレン又はプロピレン
と他のα−オレフィンとの混合モノマーを液状に保ちう
る温度および圧力条件で行われる。気相重合は、通常、
大気圧〜20kg/cm2、好ましくは大気圧〜10kg/cm2であ
る。重合温度は、通常、30〜95℃、好ましくは、40〜70
℃である。重合時間は、通常、30分〜10時間、好ましく
は 1〜 5時間である。
【0035】スラリー重合では、不活性炭化水素の存在
下、プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィンと
の混合モノマーを導入して行われる。不活性炭化水素と
しては、プロパン、 ブタン、 ペンタン、 ヘキサン、ヘプ
タン、 オクタンなどが挙げられる。
【0036】生成重合体の分子量調節のため、必要に応
じて連鎖移動剤として水素を重合系に加えてもよい。
【0037】また、本発明では、プロピレンあるいは他
のα−オレフィンを前記の各種重合方法に従って予備重
合してから、本重合を行ってもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明により、プロピレンブロック共重
合体を製造した場合に、生産性が向上し、ゴム状共重合
成分の分子量も増大する。そのため、ゴム状共重合成分
の分子量が同一のプロピレンブロック共重合体を製造す
る場合、共重合温度を上昇させることが可能な為、生産
性のアップが計られる。
【0039】[実施例]以下に本発明の実施例を説明す
る。実施例において、「重合活性」とは、触媒固体1g当
たりのα−オレフィンの重合体の収量(Kg)である。
【0040】ブロック率とは、全重合体中の共重合体重
量割合(共重合体収量/全重合体収量×100%)である。
【0041】HIは重合体を沸騰n-ヘプタンで 6時間ソ
ックスレー抽出した時の不溶分の割合(不溶分ポリマー
重量/仕込みポリマー重量×100%)である。溶融流動性
(MF)は、ASTM-D1238にしたがって測定した230 ℃、2.16
Kgの加重下で10分間の溶融重合体の重量(g) を表す。
【0042】融点(Tm)は、DSC(セイコー電子工業製
ASC-5200)により測定した。測定条件として、プロピ
レン重合体においては、10mgを23〜230 ℃まで毎分10℃
の速度で昇温し、そのまま5 分間保持した後、230 〜40
℃まで毎分5 ℃の速度で降温し、再び40〜230 ℃まで毎
分10℃の速度での昇温した際の融点を測定した。
【0043】結晶化温度(Tc)は、融点測定時において、
230〜40℃までの降温時に観測される結晶化のピークに
より測定した。
【0044】重合体の立体規則性の指標の1つで、その
ミクロタクティシティーを調べたアイソペンタッド分率
(mmmm)% は、プロピレン重合体においてMacromolelcule
s 8, 687(1975) に基づいて帰属した13C−NMRスペ
クトルのピーク強度比より算出した。13C−NMRスペ
クトルは、日本電子製 EX-400 の装置を用い、TMSを
基準とし、温度130 ℃、o-ジクロロベンゼン溶媒を用い
て測定した。
【0045】生成共重合体中のエチレン含有量の測定は
以下の様に行った。試料をホットプレスの熱板上で加熱
溶融させて、加圧冷却後、水浴中に急冷させ、約30μの
フィルムを成形した。このフィルムを赤外分光光度計に
て、 974cm-1と 720cm -1 のピークを測定し、予め作成
された検量線に基づいて、エチレン含有量を計算した。
【0046】ラバー成分の固有粘度[η]の測定は以下
の様に行った。試料20mgを精秤し、25mLメスフラスコ中
に入れ、次に0.3%のBHTを含有するデカリン20mLを加
える。試料を 135℃で完全に溶解させ、 135℃で設定さ
れた恒温槽を用いて、粘度計の中に、この溶解液20mLを
移し、指定された標線間の通過時間を測定することによ
って、粘度式を用いて、ラバー成分の固有粘度[η]の
測定を行った。
【0047】実施例1 攪拌機付の内容積 2L のステンレス製オートクレーブ内
に、窒素中で[C]触媒成分のトリエチルアルミニウム
のn-ヘキサン溶液 0.09mL(0.08ミリモル)、[B]触媒
成分のジエチルアルミニウムクロライドのn-ヘキサン溶
液 1.77mL (1.528ミリモル)、n-ヘプタンで希釈した
[D]触媒成分のシクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン溶液 2.41mL (0.241ミリモル)、及びゲージ圧で 7kg
/cm2の水素を導入後、60℃に到達後、あらかじめカプセ
ル内に仕込んだ[A]三塩化チタン系触媒固体成分 120
mg(Ti含有量=21.4wt% )を添加し、同温度で60分間、
プロピレンの単独塊状重合(バルク重合)を実施した。
次に、未反応ガスを系外に排出し、オートクレーブの圧
力をゲージ圧で 0.2kg/cm2に保持した後、重量を測定
し、オートクレーブの空重量差からポリプロピレンの収
量を算出したところ、232gであった。
【0048】この中の65.8g を分析のために、サンプリ
ングで抜き出した。系内がゲージ圧で 0.2kg/cm2に保持
されたオートクレーブの温度を40℃に設定し、エチレン
とプロピレンの混合ガスを容量比で 1:2 の割合(それ
ぞれ 100Ncc/min 及び 200Ncc/min )でオートクレーブ
内に連続的に供給し、共重合圧力をゲージ圧で2kg/cm2
に調整した。同温度、同圧力で 4時間共重合反応を行う
にあたり、重合圧力はゲージ圧で2kg/cm2 に保持するよ
うに、未反応ガスを系外に排出し、40℃で、 4時間、共
重合反応を行った。得られた共重合体を60℃で20時間、
減圧下に乾燥させ、重量を測定したところ、収量は 194
g であった。
【0049】(ラバー成分の調製)エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体 5.0g を精秤し、これをp-キシレン
500mLを含む容器に移し、加熱することによって、共重
合体を溶解させた。次に、一昼夜、室温に放置し、放出
した固体を遠心分離により分別した溶液をアセトン1000
mL の中に移液し、室温で攪拌しながら 1時間放置し
た。ラバー状の析出固体をガラス濾過器で採取後、60℃
で20時間、減圧下で乾燥し、ラバー成分を得た。表1〜
表4に重合結果および得られた共重合体の特性をまとめ
た示した。
【0050】実施例2 触媒として[D]成分の有機ケイ素化合物を用いず行っ
た以外は、実施例1と同様に行った。表1〜表4に重合
結果および得られた共重合体の特性をまとめた示した。
【0051】実施例3 触媒として[C]成分のトリアルキルアルミニウム化合
物を用いず行った以外は、実施例1と同様に行った。表
1〜表4に重合結果および得られた共重合体の特性をま
とめた示した。
【0052】比較例1 触媒として[C]成分のトリアルキルアルミニウム化合
物及び[D]成分の有機ケイ素化合物を用いず行った以
外は、実施例1と同様に行った。表1〜表4に重合結果
および得られた共重合体の特性をまとめた示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒の調製方法と重合方法を示すチャ
ート図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]三塩化チタン系触媒固体成分、
    [B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合物成分及び
    [C]トリアルキルアルミニウム化合物成分からなる触
    媒を用いて、(1)プロピレン又はプロピレンと他のα
    −オレフィンとを重合させて、エチレン含量10重量%以
    下のプロピレン重合体を製造する工程、及び(2)プロ
    ピレンと他のα−オレフィンとを重合させて、エチレン
    含量 3〜40重量%のプロピレン重合体を製造する工程に
    より製造することを特徴とするプロピレンブロック共重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 [A]三塩化チタン系触媒固体成分、
    [B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合物成分及び
    [D]有機ケイ素化合物成分からなる触媒を用いて、
    (1)プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィン
    とを重合させて、エチレン含量10重量%以下のプロピレ
    ン重合体を製造する工程、及び(2)プロピレンと他の
    α−オレフィンとを重合させて、エチレン含量 3〜40重
    量%のプロピレン重合体を製造する工程により製造する
    ことを特徴とするプロピレンブロック共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 [A]三塩化チタン系触媒固体成分、
    [B]ハロゲン含有有機アルミニウム化合物成分、
    [C]トリアルキルアルミニウム化合物成分、及び
    [D]有機ケイ素化合物成分からなる触媒を用いて、
    (1)プロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィン
    とを重合させて、エチレン含量10重量%以下のプロピレ
    ン重合体を製造する工程、及び(2)プロピレンと他の
    α−オレフィンとを重合させて、エチレン含量 3〜40重
    量%のプロピレン重合体を製造する工程により製造する
    ことを特徴とするプロピレンブロック共重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の触媒の存在下、プ
    ロピレン又はプロピレンと他のα−オレフィンとの重合
    を行い、引き続いて、上記の触媒を失活させずに、第二
    段階でプロピレンと他のα−オレフィンとの気相共重合
    を行うことを特徴とするプロピレンブロック共重合体の
    製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000066639A1 (fr) * 1999-04-28 2000-11-09 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Copolymere de propylene et article obtenu par moulage du copolymere
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