JPH10175992A - 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体 - Google Patents

4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体

Info

Publication number
JPH10175992A
JPH10175992A JP8335913A JP33591396A JPH10175992A JP H10175992 A JPH10175992 A JP H10175992A JP 8335913 A JP8335913 A JP 8335913A JP 33591396 A JP33591396 A JP 33591396A JP H10175992 A JPH10175992 A JP H10175992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluoro
formula
compound
amino
trideoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8335913A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Sumio Umezawa
純夫 梅澤
Osamu Tsuchiya
修 土屋
Yasushi Takagi
泰 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Microbial Chemistry Research Foundation
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Microbial Chemistry Research Foundation filed Critical Microbial Chemistry Research Foundation
Priority to JP8335913A priority Critical patent/JPH10175992A/ja
Priority to CA002224670A priority patent/CA2224670A1/en
Priority to EP97403059A priority patent/EP0848010A1/en
Priority to US08/991,436 priority patent/US6184365B1/en
Publication of JPH10175992A publication Critical patent/JPH10175992A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/02Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures
    • C07H15/12Acyclic radicals, not substituted by cyclic structures attached to a nitrogen atom of the saccharide radical
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • C07H15/252Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた抗癌活性を有し水溶性がよい新規ア
ンスラサイクリン誘導体を創製することを目的とする。 【解決手段】 次の一般式 〔式中、Rは水素原子またはヒドロキシル基である〕で
表わされるダウノマイシノンまたはアドリアマイシノン
誘導体として7-O-(4-アミノ-2,4,6-トリデオキ
シ-2-フルオロ-α-L-タロピラノシル)-ダウノマイシ
ノン又は-アドリアマイシノンが合成された。これら新
規な化合物はすぐれた抗癌活性を示し水溶性が高いの
で、抗癌剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低投与量ですぐれた
抗癌又は抗腫瘍活性をもち且つ糖部分として4−アミノ
−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−
タロピラノシル基を有する新規な水溶性のアンスラサイ
クリン誘導体とその製造法に関し、また該アンスラサイ
クリン誘導体を有効成分として含む医薬組成物に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、抗癌又は抗腫瘍活性を
もち且つ毒性が低い新規な水溶性アンスラサイクリン誘
導体として、7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ダ
ウノマイシノンおよび7-O-(4-アミノ-2,4,6-
トリデオキシ-2-フルオロ-α-L-タロピラノシル)ア
ドリアマイシノンまたはこれらの酸付加塩に関する。ま
た、本発明は、これらの新規アンスラサイクリン誘導体
またはその酸付加塩を含む医薬組成物に関する。さらに
本発明はこれら新規なアンスラサイクリン誘導体の製造
法に関する。さらに本発明はこれら新規なアンスラサイ
クリン誘導体の合成に有用である新規な中間体化合物に
も関する。
【0002】
【従来の技術】アンスラサイクリン系抗生物質として
は、ダウノマイシン(米国特許第3,616,242号明細書に
はダウノルビシンとして記載される)及びアドリアマイ
シン(米国特許第3,590,028号明細書にはドキソルビシ
ンとして記載される)が知られており、これらの化合物
は、実験腫瘍に対して広い抗腫瘍または抗癌スペクトル
を有し、癌化学療法剤として臨床的にも広く利用されて
いる。
【0003】しかし、ダウノマイシン及びアドリアマイ
シンは担癌患者に生じる各種の癌又は腫瘍にかなり強力
な抗癌又は抗腫瘍作用を示すが、必ずしも抗癌剤又は抗
腫瘍剤として満足できない。すなわち、ダウノマイシン
およびアドリアマイシンは癌化学療法剤として担癌患者
の臨床治療に広く使用されているが、しばしば白血球減
少、脱毛、心筋障害等の重篤な副作用を伴うことが知ら
れている。
【0004】従って、従来も、より強力な抗癌又は抗腫
瘍作用と低い毒性を有するダウノマイシン類縁化合物を
見い出すために、種々のダウノマイシン類縁化合物を創
製する試みが行われており、既にいくつか提案されてい
る。例えば、アクラシノマイシンA及びB;4′−O−
テトラヒドロピラニルアドリアマイシン;N−モノ−ベ
ンジル−又はN−ジ−ベンジル−アドリアマイシンが知
られている。
【0005】更に、米国特許第4,427,664号明細書に
は、7−O−(3,4−ジ−O−アセチル−2,6−ジ
デオキシ−2−ヨード−α−L−マンノヘキソピラノシ
ル)ダウノマイシノンおよび7−O−(3,4−ジ−O
−アセチル−2,6−ジデオキシ−2−ヨード−α−L
−タロ−ヘキソピラノシル)ダウノマイシノンが記載さ
れる。
【0006】本発明者らは、ダウノマイシン又はアドリ
アマイシンより秀れた抗癌又は抗腫瘍活性を示すが、低
い毒性をもつダウノマイシン誘導体又はアドリアマイシ
ン誘導体を創製することを目的として研究を進めた。そ
の研究の一環としてダウノマイシン及びアドリアマイシ
ンの糖部分を化学的修飾したダウノマイシン誘導体及び
アドリアマイシン誘導体の若干をすでに合成した。例え
ば、本発明者らは、4′−O−テトラヒドロピラニル−
ダウノマイシン又は−アドリアマイシン類及び3′−デ
アミノ−3′−モルホリノ−ダウノマイシン又は−アド
リアマイシン類を発表している。
【0007】また、本発明者らは、抗癌又は抗腫瘍活性
をもつ次の一般式(A) 〔式中、Ra は水素原子又は水酸基を表わす〕で表わさ
れるアンスラサイクリン誘導体として7−O−(2,6
−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシ
ル)ダウノマイシノン及び7−O−(2,6−ジデオキ
シ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)アドリア
マイシノンを合成することに成功した(特公平6-31298
号及び欧州特許第0230013号)。
【0008】また、本発明者らは、抗腫瘍活性をもつ次
の一般式(B) 〔式中、R′は基-(CH2)m-H(但しmは1〜6の整数を
表わす)又は基−(CH2)n−COOH(但しnは0又は1〜10
の整数を表わす)を表わす〕で示されるアンスラサイク
リン誘導体を合成することにも成功した(特公平7-4230
4号及び欧州特許第0275431号)。
【0009】さらに、本発明者らは、抗腫瘍活性をもつ
次の一般式(C) 〔式中、R1 は水素原子又は水酸基であり、R2 はメト
キシ基又は水素原子であり、A及びBは共に水素原子で
あるか、あるいはA及びBが一緒になって式−CH2−CH2
−O−CH2−CH2−の連鎖を形成する〕で示されるアンス
ラサイクリン誘導体を合成することに成功した(特開昭
64-203397号)。この一般式(C)のアンスラサイクリ
ン誘導体の例には、7−O−(3−アミノ−2,3,6
−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシ
ル)ダウノマイシノン;7−O−(3−アミノ−2,
3,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピ
ラノシル)アドリアマイシノン;7−O−(2,3,6
−トリデオキシ−2−フルオロ−3−モルホリノ−α−
L−タロピラノシル)アドリアマイシノン及びその他が
ある。
【0010】前記の一般式(A)のアンスラサイクリン
誘導体の一例である7−O−(2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−L−タロピラノシル)アドリアマイシ
ノンは顕著な抗腫瘍活性を示したが、水に難溶性のた
め、注射薬として製剤するのが難しい問題があった。水
溶性をより増したアンスラサイクリン誘導体を得るため
に、前記の一般式(B)及び一般式(C)のアンスラサ
イクリン誘導体が合成された。一般式(C)の誘導体の
うち、7−O−(3−アミノ−2,3,6−トリデオキ
シ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)アドリア
マイシノンは水溶性の化合物であるが、その抗腫瘍活性
はアドリアマイシンに比較して高いものの著るしい大差
があるとは認められなかった。
【0011】本発明者らは、さらに、ダウノマイシン、
アドリアマイシン及び上記の一般式(A)、(B)又は
(C)の抗腫瘍性アンスサイクリン誘導体より高い抗癌
又は抗腫瘍活性を低い投与量でも示し且つ満足な水溶性
を示し、また低毒性である新しいアンスラサイクリン誘
導体を創製する目的で種々研究を行ってきた。
【0012】前記の一般式(A)及び(B)のアンスラ
サイクリン誘導体は、抗癌又は抗腫瘍活性がダウノマイ
シンやアドリアマイシンより格段に優れているが、未だ
十分に満足できるものではない。前記の一般式(C)の
アンスラサイクリン誘導体のすべては水溶性であるけれ
ども、アドリアマイシンに比べてはほぼ同等の又は低い
抗癌又は抗腫瘍活性しか示さないものが多い。
【0013】従って、従来既知のアンスラサイクリン誘
導体に比べてさらに強い抗癌又は抗腫瘍活性を有する新
規アンスラサイクリン誘導体が望まれている。又、一般
に、抗癌又は抗腫瘍性化合物は投与する場合、それを注
射剤の形に製剤して投与するのが臨床上便利である。従
って強い抗癌又は抗腫瘍活性を示すが低毒性であり、し
かも高い水溶性を有するような性質をもつ新規な抗癌又
は抗腫瘍剤を関発することは、各種の癌又は腫瘍を治療
する目的から依然として常に要望されている。本発明者
らは新規なフッ素化されたアミノ糖を有する新規アンス
ラサイクリン誘導体を合成することを目的として更に研
究を続けた結果として、前記の一般式(A)のアンスラ
サイクリン誘導体の合成の際に得られたメチル 4−O
−ベンジル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−
L−タロピラノシドから出発して多段階工程を経て4−
アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α
−L−マンノピラノースの1−O−アセチル誘導体又は
4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ
−α−L−マンノピラノシル・ブロマイド又はこれらの
3,4−ジ−O,N−保護誘導体を合成することに成功
した(特願平7-179621号明細書参照、1995年6月23日出
願)。
【0014】これら合成された4−アミノ−2,4,6
−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノ
ース誘導体を利用して且つダウノマイシノン又はアドリ
アマイシノンの7位水酸基に4−アミノ−2,4,6−
トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシ
ル基を縮合することから成る方法によって、糖の4位に
エクトリアルな向きのアミノ基をもつ4−アミノ−2,
4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノ
ピラノシル基を有するアンスラサイクリン誘導体とし
て、次の一般式(D) 〔式中、Rは水素原子又はヒドロキシル基である〕で表
わされるダウノマイシノン誘導体又はアドリアマイシノ
ン誘導体またはそれらの酸付加塩を合成することに先に
成功した。更に、一般式(D)のアンスラサイクリン誘
導体は水溶性であること、また低投与量で投与して高い
抗癌又は抗腫瘍活性を示し且つ高い抗癌又は抗腫瘍効果
を与える低投与量ではそれの投与を受けた被験動物で急
性毒性の発現を起さないことが知見された(特願平7-17
9621号)。
【0015】一般式(D)のダウノマイシノン又はアド
リアマイシノン誘導体は、糖の4位にエクアトリアルな
向きのアミノ基を有し、それの例には、下記の式(D−
a)の化合物と式(D−b)の化合物がある。 (1) 次式 で表される7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)ダ
ウノマイシノン。
【0016】(2) 次式 で表される7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)ア
ドリアマイシノン。
【0017】上記の一般式(D)のアンスラサイクリン
誘導体のうち、式(D−b)の7−O−(4−アミノ−
2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−マ
ンノピラノシル)アドリアマイシノンは、実験的な動物
腫瘍に対して顕著な抗腫瘍活性を有し、低投与量で投与
される場合でもマウス白血病L−1210細胞に対してアド
リアマイシンに比べて抗腫瘍活性が顕著に増強されてい
ることがin vivo試験によって確かめられた。しかし、
この式(D−b)の化合物は、水溶性であって、マウス白
血病L−1210細胞にすぐれた抗腫瘍活性を示すけれど
も、in vitro試験で各種のヒト癌細胞に対してはアドリ
アマイシンとほぼ同じ程度の抗癌活性を示すにとどまっ
た。
【0018】従って、すぐれた抗癌または抗腫瘍活性を
示し、特に各種のヒト癌細胞に対してアドリアマイシン
よりも強い抗癌活性を示すが低毒性であり、しかも高い
水溶性を有するような性質をもつ新規な抗癌性アンスラ
サイクリン誘導体を開発することが本発明の目的の一つ
である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
発明の目的のために、上記のすぐれた性質を示すことが
でき且つフッ素化されたアミノ糖を有する新規なアンス
ラサイクリン誘導体を合成して提供することを意図して
更に研究を続けた。
【0020】その研究の結果、3,4−ジ−0−アセチ
ル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−2−L−タロ
ピラノシル ブロマイド(Carbohydrate Research, 169
巻、69−81頁(1987年)に示される既知の化合物)から出
発して多段階の工程を経て、アクシヤルな向きの4−ア
ミノ基を有する4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ
−2−フルオロ−L−タロピラノースの保護誘導体およ
び4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオ
ロ−α−L−タロピラノシル ブロマイドの3,4−ジ
−O,N−保護誘導体を新規な化合物として合成するこ
とに今回成功した。
【0021】そして、これらの今回新たに合成された4
−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−
α−L−タロピラノース誘導体を利用して且つダウノマ
イシノンの7位水酸基に4−アミノ−2,4,6−トリ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を
縮合することから成る方法によって、糖部分の4位にア
クシヤルな向きのアミノ基をもつ7−0−(4−アミノ
−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−
タロピラノシル)ダウノマイシノンを新規アンスラサイ
クリン誘導体として合成することに成功した。また、該
化合物から7−0−(4−アミノ−2,4,6−トリデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)アド
リアマイシノンを新規アンスラサイクリン誘導体として
合成することにも成功した。さらに、今回合成されたこ
れら2つの新規アンスラサイクリン誘導体は、高い水溶
性(水1mlあたりに10mgまたは15mgの溶解度)をもち注
射剤として製剤できること、低い投与量でもマウス白血
病L−1210細胞に対してアドリアマイシンに比べてほぼ
同等またはより強い抗腫瘍活性を示すのみならず、各種
のヒト癌細胞に対してin vitro試験でアドリアマイシ
ンよりも顕著にすぐれた抗癌活性を示すことを本発明者
らは見い出した。これらの知見に基づいて、本発明は完
成された。
【0022】従って、第1の本発明によると、次の一般
〔式中、Rは水素原子またはヒドロキシル基である〕で
表わされるダウノマイシノンまたはアドリアマイシノン
誘導体またはその製薬学的に許容できる酸付加塩が提供
される。
【0023】一般式(I)のダウノマイシノン又はアド
リアマイシノン誘導体の製薬学的に許容できる酸付加塩
の例には、該誘導体の4′位アミノ基を製薬学的に許容
できる無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、あるいは製
薬学的許容できる有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、
くえん酸、乳酸、メタンスルホン酸と常法で反応させて
形成される酸付加塩がある。
【0024】第1の本発明による一般式(I)のダウノ
マイシノンまたはアドリアマイシノン誘導体の例には、
下記の本発明化合物(a)と本発明化合物(b)とがあ
る。 (1)本発明化合物(a):次式 で表わされる7−0−(4−アミノ−2,4,6−トリ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ダ
ウノマイシノン(後記の実施例2参照)。
【0025】(2)本発明化合物(b):次式 で表わされる7−0−(4−アミノ−2,4,6−トリ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ア
ドリアマイシノン(後記の実施例3参照)。
【0026】以下に、第1の本発明による一般式(I)
のアンスラサイクリン誘導体に包含される前記の式(I
a)の本発明化合物(a)及び式(Ib)の本発明化合物
(b)について、それらの抗腫瘍活性の試験例を示す。
【0027】試験例1 本例では、マウス白血病ロイケミアL-1210 細胞により
誘起されたCDF1 マウスの白血病に対する本発明化合
物の抗腫瘍活性を試験した。実験的な動物腫瘍に対する
抗腫瘍効果を評価するために、CDF1 マウス(1群4
匹)の腹腔内へマウス白血病ロイケミアL-1210の細胞
の1×105 個/マウスを移植した。その移植から24時間
後より連日9日間、毎日1回、生理食塩水に溶解した本
発明の供試化合物(塩酸塩として)の溶液を腹腔内注射
により投与した。その投与後から60日間、処理されたマ
ウスの観察を行った。対照区(未処理区)のマウスには
L-1210 細胞の移植後に生理食塩水のみを投与した。処
理区および対照区のマウスの生存日数を計測し平均生存
日数を算定した。対照区マウスの平均生存日数(C)と
処理区マウスの平均生存日数(T)とからマウスの延命
率(T/C、%)を求めた。比較のため、ダウノマイシ
ン(塩酸塩として)およびアドリアマイシン(塩酸塩と
して)も同様に試験した。その結果を下記の表1に示
す。対照区(未処理区)マウスの平均生存日数は8〜9
日であり、ダウノマイシンまたはアドリアマイシン(比
較)の投与の比較区のマウスの平均生存日数はダウノマ
イシンまたはアドリアマイシン投与量に応じて変動す
る。
【0028】なお、表1中で符号「>」は腫瘍の移植を
受けたが供試化合物の投与により治癒されて60日間又は
それ以上生存したマウスが供試マウス4匹中に少なくと
も1匹いたことを示す。なお、延命率(%)の数値の下
に括弧で示された分数について、分数の分母は供試マウ
スの1群中の匹数を表わし、分子は60日間以上生存した
マウスの匹数を表わす。
【0029】
【0030】上記のin vivo試験において、第1の本発
明による一般式(I)のダウノマイシノン誘導体である
本発明化合物(a)は投与量が 0.6〜1.25mg/kgの範囲
においてダウノマイシンより強い抗腫瘍活性を示した。
他方、アドリアマイシノン誘導体である本発明化合物
(b)は、これを0.3mg/kg〜0.6mg/kgという低投与量
で投与した場合に得られた延命率のT/C(%)が、40
0%以上乃至403%以上の値であり、60日間生存マウス
(治癒例のマウス)が供試動物の8匹中の2匹いるとい
う顕著な抗腫瘍活性を示し、0.3 mg/kg〜0.6mg/kgの
量で投与されたアドリアマイシンに比して抗癌又は抗腫
瘍活性が著るしく増強されたこと、および毒性の発現が
ないことが認められる。またダウノマイシンと比較する
と、本発明化合物(b)は0.15mg/kg〜0.6mg/kgとい
う低投与量では、延命率(T/C,%)を指標とする抗
癌又は抗腫瘍活性が顕著に増強したのが認められる。
【0031】上記の試験例1で比較薬剤として用いたダ
ウノマイシン又はアドリアマイシンは、臨床上で実用さ
れている抗癌剤であって、治療すべき癌の種類に応じて
0.4 mg/kg〜2mg/kgの範囲の投与量で人間に投与され
ている。この実用されているダウノマイシン又はアドリ
アマイシンは、L-1210癌細胞を接種されたマウスにつ
いて投与量1.25mg/kg/日〜5mg/kg/日で投与した場
合に、夫々に、得られた延命率(T/C、%)が138〜2
73%又は最大でも330%程度である抗癌又は抗腫瘍効果
を示し、しかも毒性の発現を伴う。
【0032】しかし、これに対比して、L-1210癌細胞
を接種されたマウスに対して0.3〜0.6 mg/kg/日の範
囲内の適当な低い投与量で投与された本発明による式
(Ib)のアドリアマイシノン誘導体、すなわち本発明化
合物(b)は毒性の発現を示すことがなく、しかもより
顕著に高い延命率(T/C、%)を示し得ること、特に
完全治癒を含む延命率が約400%又はそれ以上であると
いう極めて優れた抗腫瘍効果を示すことは注目すべきこ
とである。従って、本発明化合物(a)および(b)
は、特に本発明化合物(b)は臨床治療上で担癌患者に
多量に投与をしないでも有意な抗腫瘍または抗癌効果を
期待できる利点がある。
【0033】試験例2 試験管中で培養された各種のヒト癌細胞、マウス白血病
P388細胞またはアドリアマイシン耐性P388細胞(P388/A
DR)に対して本発明化合物(a)または本発明化合物
(b)を供試化合物として加えた。その後、72時間培養
を続けてヒト癌細胞またはマウス白血病細胞の生育を50
%阻止できる化合物濃度(50%阻止濃度:IC50,μg
/ml)を測定した。比較化合物としてアドリアマイシン
を用いて同様に試験した。
【0034】試験に用いた各種ヒト癌細胞は下記の6種
である。すなわち、ヒト慢性骨髄性白血病(K562)、ヒ
ト膣原発悪性黒色腫(HMV−1)、ヒト口腔内類上皮
癌(KB)、ヒト胃癌(MKN−1)、ヒト非小細胞肺
癌(PC14)ヒト膀胱癌(T24)である。得られた試験
結果を表2に要約して示す。
【0035】
【0036】上記の表2の結果から明らかなように、本
発明化合物(a)および本発明化合物(b)は各種のヒ
ト癌細胞、およびマウス白血病癌細胞P388、P388/ADRの
生育をアドリアマイシンよりも低濃度で阻止し、抗腫瘍
活性が大きいことが明らかとなった。特に本発明化合物
(b)がヒト癌細胞であるMKN−1に対しアドリアマ
イシンの4倍の抗癌活性を、またPC−14に対し5.2
倍、K562、T24に対して6.2倍の抗癌活性を示したこと
は注目に値する。さらに本発明化合物(a)および本発
明化合物(b)はマウス白血病P388/ADR細胞に対しても
アドリアマイシンの29.1倍および13.9倍という強い抗腫
瘍活性を示したことが認められる。
【0037】上記のことから明らかなように、第1の本
発明による一般式(I)の新規アンスラサイクリン誘導
体は、優れた抗腫瘍活性および抗癌活性を示し、低毒性
であり、しかも高い水溶性を有するものである。
【0038】前記のことから、一般式(I)で表わされ
る第1の本発明による新規アンスラサイクリン誘導体は
抗腫瘍活性が優れ且つ水溶性も高いので、臨床で実用で
きる抗腫瘍剤として極めて有用であり且つダウノマイシ
ン又はアドリアマイシンと同様に各種の腫瘍および癌の
治療に有用であると期待される。従って、第1の本発明
による一般式(I)の化合物は腫瘍又は癌の治療剤とし
て固形癌及び腹水癌等の医療的処理に有用に使用するこ
とができる。
【0039】従って、第2の本発明の要旨において、上
記の一般式(I)で示されるダウノマイシノン又はアド
リアマイシノン誘導体、またはその製薬学的に許容でき
る酸付加塩を有効成分として含有して且つ製薬学的に許
容できる担体を有効成分と組合わせて含有することを特
徴とする医薬組成物、特に抗腫瘍剤または抗癌剤組成物
が提供される。
【0040】一般式(I)の本発明化合物を実際に投与
する場合には、一般的には、経口的または非経口的に投
与することができる。すなわち、本発明の化合物を、医
薬製剤の分野で用いられる通常の製薬学的に許容できる
固体又は液体状の担体と配合して散剤、顆粒剤、錠剤ま
たはシロップあるいは注射剤等の剤型に製剤して、経口
的または非経口的に投与することもできる。
【0041】第1の本発明による化合物は、動物の場
合、腹腔内注射、皮下注射、静脈又は動脈への血管内注
射及び局所投与等の注射剤として、またヒトの場合は静
脈又は動脈への血管内注射又は局所投与等の注射剤とし
て投与され、その投薬量は動物試験の結果及び種々の情
況を勘案して総投与量が一定量を越えない範囲で、連続
的又は間けつ的に投与することができる。
【0042】しかし、本発明化合物の投与量は投与方
法、患者、又は被処理動物の状況例えば年令、体重、性
別、感受性、食餌、投与時間、投与方法、併用する薬
剤、患者又はその病気の程度に応じて適宜に変えて投与
することはもちろんである。本発明化合物の通常の投与
量は、抗腫瘍剤又は抗癌剤として用いる場合に、ダウノ
マイシン又はアドリアマイシンと同程度の又はそれ以下
の投与量とすることができる。一定の条件の下における
本発明化合物の適当な投与量と投与回数は、上記の指針
を基として専門医の適量決定試験によって決定されなけ
ればならない。これらの投与条件は、経口投与において
も同様に考慮される。
【0043】次に、第1の本発明による一般式(I)の
ダウノマイシノン誘導体又はアドリアマイシノン誘導体
の製造法を説明する。
【0044】一般式(I)で表わされる7−O−(4−
アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α
−L−タロピラノシル)−ダウノマイシノン又は−アド
リアマイシノンの製造には、新規な糖化合物である3−
O−保護−4−N−保護−4−アミノ−2,4,6−ト
リデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノースの
1−O−アセチル体あるいは3−O−保護−4−N−保
護−4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フル
オロ−α−L−タロピラノシル・ブロマイド又はヨーダ
イドが必要である。これら新規な糖化合物の合成のため
の各工程(1)〜(10)を先づ簡略に説明するが、その
合成法の各工程の反応の詳細は後記の実施例1に記載さ
れる。下記の説明中で、後記の式中に示されるBn はベ
ンジル基を、Ac はアセチル基を意味する。
【0045】工程(1): 既知の化合物である次式 の3,4−ジ−0−アセチル−2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−L−タロピラノシル ブロマイド〔化
合物(1)〕を無水ベンゼン中で炭酸銀、ヨウ素、粉末状
モレキュラーシーブスの存在下にベンジルアルコールと
ケーニッヒクノール法で反応させることにより、化合物
(1)の1位ブロモ基をベンジルオキシ化すると、主要
生成物として、次式 のベンジル 3,4−ジ−O−アセチル−2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−β−L−タロピラノシド〔化合
物(2)〕を得る。また、副生成物として、次式 のベンジル 3,4−ジ−O−アセチル−2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシド〔化合
物(3)〕を生成する。
【0046】工程(2): 化合物(2)をメタノール
中でナトリウムメトキシドで処理して脱アセチル化する
ことにより、脱アセチル化生成物として次式 のベンジル 2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−β−
L−タロピラノシド〔化合物(4)〕を得る。
【0047】工程(3):化合物(4)の2つの水酸基
をジブチルチンオキサイドと反応させた後にベンジルブ
ロマイドと反応させることにより選択的に3位がベンジ
ル化された生成物として次式 のベンジル 3−0−ベンジル−2,6−ジデオキシ−
2−フルオロ−β−L−タロピラノシド〔化合物
(5)〕を得る。
【0048】工程(4):化合物(5)をピリジニウム
クロロクロメイトで酸化して次式 のベンジル 3−0−ベンジル−2,6−ジデオキシ−
2−フルオロ−β−L−リキソ−ヘキソピラノース−4
−ウロシド〔化合物(6)〕を生成する。
【0049】工程(5):化合物(6)を0−メチルヒ
ドロキシアンモニウムクロリドと無水ジクロロメタン中
で反応させることにより、4−メトキシイミノ化生成物
として次式 のベンジル 3−0−ベンジル−2,4,6−トリデオ
キシ−2−フルオロ−4−(メトキシイミノ)−β−L
−リキソ−ヘキソピラノシド〔化合物(7)〕を得る。
【0050】工程(6):化合物(7)をクロロトリメ
チルシランの存在下にリチウムボロハイドライドで還元
すると、還元は立体選択的におこり、L−タロ配置を有
する4−アミノ糖として、次式 のベンジル 4−アミノ−3−0−ベンジル−2,4,
6−トリデオキシ−2−フルオロ−β−L−タロピラノ
シド〔化合物(8)〕を生成する。
【0051】工程(7):化合物(8)を精製すること
なく無水トリフルオロ酢酸と反応させると、化合物
(8)のアミノ基がトリフルオロアセチル基で保護され
て次式 のベンジル 3−0−ベンジル−2,4,6−トリデオ
キシ−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)
−β−L−タロピラノシド〔化合物(9)〕を生成す
る。
【0052】工程(8):化合物(9)をパラジウム触
媒の存在下に加水素分解して2つのベンジル基を脱離さ
せると、それによって次式 の2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−(ト
リフルオロアセタミド)−L−タロピラノース〔化合物
(10)〕が生成する。この化合物(10)はα−アノマー
〔化合物(10-a)〕とβ−アノマー〔化合物(10-b)〕と
の混合物である。この化合物(10)をジクロロメタンで
展開されるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ
ると、α−アノマー〔化合物(10-a)〕とβ−アノマー
〔化合物(10-b)〕とを別々に単離できる。
【0053】工程(9):化合物(10)(α−アノマー
とβ−アノマーとの混合物)を無水ピリジン中で無水酢
酸によりアセチル化すると、次式 の1,3−ジ−0−アセチル−2,4,6−トリデオキ
シ−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)−
α−L−タロピラノース〔化合物(11)〕と、次式 の1,3−ジ−0−アセチル−2,4,6−トリデオキ
シ−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)−
β−L−タロピラノース〔化合物(12)〕とのアノマー
混合物が得られる。
【0054】このアノマー混合物は、これをシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒としてクロロホル
ム−アセトン(30:1)で展開)にかけると、化合物
(11)と化合物(12)とを別々にシロップ状物質として
単離できる。
【0055】工程(10):化合物(11)と化合物(12)
の混合物(すなわち上記のα−及びβ−アノマー混合
物)を臭化水素の酢酸溶液中で常法で臭素化させること
により、1−ブロム糖として次式 の3−O−アセチル−2,4,6−トリデオキシ−2−
フルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)−α−L−
タロピラノシル ブロマイド〔化合物(13)〕が得られ
る。なお、化合物(11)と(12)のアノマー混合物を無
水トルエン中でヨードトリメチルシランと反応させる
と、対応の1−ヨード糖が得られる。
【0056】前記の化合物(10)、化合物(11)、化合
物(12)および化合物(13)は新規化合物である。
【0057】上述のように、化合物(11)、(12)から
臭素化によって化合物(13)を生成すると同様に、化合
物(11)、(12)から適当な沃化剤により対応の1−ヨ
ード糖を生成できる。また、化合物(13)における3位
水酸基を保護するアセチル基に代えて、別の適当なヒド
ロキシル保護基としてベンゾイル基を導入しておくこと
もできる。
【0058】すなわち、前記の化合物(10)をピリジン
中、塩化ベンゾイルで処理すると、1,3−ジ−O−ベ
ンゾイル−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−
4−(トリフルオロアセタミド)−L−タロピラノース
を収得できる。後者化合物を上記の工程(10)と同様に
臭化水素の酢酸溶液で処理して臭素化すると、3−O−
ベンゾイル−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ
−4−(トリフルオロアセタミド)−α−L−タロピラ
ノシル ブロマイドを生成できる。
【0059】第1の本発明による式(Ia)の7−O−
(4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオ
ロ−α−L−タロピラノシル)ダウノマイシノン、すな
わち本発明化合物(a)の製造をするには、ダウノマイ
シノンの7位水酸基に前記のブロマイド化合物(13)、
あるいは一般的には3,4−ジ−O,N−保護−4−ア
ミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−
L−タロピラノシル・ハライドを縮合反応させ、次い
で、得られた縮合生成物からヒドロキシル保護基及び
(又は)アミノ保護基が残留する場合に、これら残留の
保護基を常法で脱離することからなる方法が行われる。
【0060】上記の方法では、前記の化合物(13)とダ
ウノマイシノンを無水ジクロロエタンにとかして臭化又
は沃化第2水銀、黄色酸化第2水銀及びモレキュラーシ
ーブス3Aの存在下に縮合させ、生成されたα-L-縮合
生成物を反応液から回収し、次いでこれをアルカリ加水
分解により残留の保護基のアセチル基およびトリフルオ
ロアセチル基を脱離し、これによって目的の本発明化合
物(a)(後記の実施例2参照)を生成するのが便利で
ある。
【0061】しかし、一般的には、第3の本発明の要旨
においては、次式 で表わされるダウノマイシノンを有機溶媒中で縮合触媒
の存在下に次式 〔式中、Y′がヒドロキシル保護基としてアセチル基ま
たはベンゾイル基でY″がアミノ保護基としてトリフル
オロアセチル基であり、Xは臭素または沃素原子であ
る〕で示される3,4−ジ−O,N−保護−4−アミノ
−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−L−タロ
ピラノシル・ハライドと縮合反応させて次式 〔式中、Y′およびY″は前記と同じ意味である〕で表
わされる7−O−(3,4−ジ−O,N−保護−4−ア
ミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−
L−タロピラノシル)ダウノマイシノンを生成し、次い
で得られた上記の式(Ia′)の縮合生成物から、この中
に残留するヒドロキシル保護基(Y′)とアミノ保護基
(Y″)を脱離することから成る、次式 で表わされる7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ダ
ウノマイシノンの製造法が提供される。
【0062】さらに、第1の本発明による式(Ib)の7
−O−(4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−
フルオロ−α−L−タロピラノシル)アドリアマイシノ
ン、即ち本発明の化合物(b)の製造は、前記の式(I
a)のダウノマイシノン誘導体の14位メチル基をヒドロ
キシメチル基に転化する既知の方法(特開平1-299296号
又は米国特許第4,125,607号参照)の応用により行うこ
とができる。
【0063】従って、第1の本発明による式(Ib)のア
ドリアマイシノン誘導体、即ち前記の本発明化合物
(b)の製造法として、第4の本発明の要旨において
は、前記の式(Ia)の7−O−(4−アミノ−2,4,
6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノ
シル)ダウノマイシノンの13位カルボニル基を、オルト
蟻酸メチルと反応させることからなるジメチルケタール
化にかけ、これによって次式 で示される化合物を生成し、次に、式(IV )の化合物を
臭素と反応させて次式 で示される化合物を生成し、さらに式(V)の化合物を
臭化水素酸で加水分解するか、あるいはアセトンによる
ケタール変換にかけることにより該化合物からジメチル
ケタール基を脱離して次式 の化合物を生成し、次いで式(VI)の化合物を加水分解
して基−CH2−Brを基−CH2OHに転化することを特徴とす
る、式(Ib)の7−O−(4−アミノ−2,4,6−ト
リデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)
アドリアマイシノンの製造法が提供される。
【0064】式(Ib)の本発明化合物を製造する第4の
本発明による上記の方法において、原料として用いられ
る式(Ia)のダウノマイシノン誘導体の13位カルボニル
基のジメチルケタール化の工程は、式(Ia)のダウノマ
イシノン誘導体に対して、メタノール、ジオキサン又は
これらの混合溶媒中で0〜50℃の温度でオルトギ酸メ
チルを反応させて行われる。次いで、得られた式(IV)
の化合物を0〜50℃の温度でハロゲン化炭化水素、例
えばジクロロメタン、低級アルカノール、例えばメタノ
ール、あるいはジオキサン又はテトラヒドロフラン中で
臭素と反応させて、式(V)の化合物を生成する。さら
に、式(V)の化合物からジメチルケタール基を脱離す
るために臭化水素酸又はアセトンで処理すると、式(V
I)の化合物を生成する。
【0065】式(VI)の化合物を、それの14位のブロモ
メチル基(−CH2−Br)から加水分解によるヒドロキシ
メチル基の形成のため、ギ酸ナトリウム又はギ酸リチウ
ムと反応させる。ギ酸ナトリウム又はギ酸リチウムとの
反応は、水、あるいはジメチルスルホキシド、ジメチル
ホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエ
ーテル類、アセトン等のケトン類よりなる溶媒の中で 0
〜50℃で、反応時間を1〜48時間として行われる。次い
で、副反応としてホルミルオキシ基が生成したアドリア
マイシノン誘導体の14位に導入された場合には、アンモ
ニア水又は重曹水で処理する加水分解にかけるとホルミ
ルオキシ基の分解が達成される(特開平1-299296号又は
米国特許第4125607号の実施例1に示されるアルカモネ
法の改変法による)。こうして、第1の本発明による式
(Ib)のアドリアマイシノン誘導体が生成される(後記
の実施例3を参照)。
【0066】なお、前記の一般式(III)の糖ハライド
は新規な化合物であり、しかも前記の一般式(I)のア
ンスラサイクリン誘導体の合成に利用される中間体とし
て有用である。従って、第5の本発明においては、次の
一般式 〔式中、Y′がアセチル基またはベンゾイル基であり、
Y″はトリフルオロアセチル基であり、Xは臭素または
沃素原子である〕で示される3,4−ジ−O,N−保護
−4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオ
ロ−L−タロピラノシル・ハライドをが提供される。
【0067】次に本発明を、種々の4−アミノ−2,
4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピ
ラノース誘導体の合成を例示する実施例1、ならびに第
1の本発明による式(Ia)及び式(Ib)の新規アンスラ
サイクリン誘導体の合成を例示する実施例2および3に
ついて具体的に説明する。これらの実施例1〜3におい
て示された式では、Bn はベンジル基、Ac はアセチル
基を示す。
【0068】実施例1 (1)ベンジル 3,4−ジ−0−アセチル−2,6−
ジデオキシ−2−フルオロ−β−L−タロピラノシド
〔化合物(2)〕および−α−L−タロピラノシド〔化
合物(3)〕の製造 3,4−ジ−0−アセチル−2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−タロピラノシル ブロマイド〔化合
物(1)〕(K. Ok, Y. Takagi, T. Tsuchiya,S. Umeza
waおよび H. Umezawa,「Carbohydrate Research」 169
巻、69−81頁、1987年に示される化合物)2.50gを無水
ベンゼン53mlに溶解した。その溶液にベンジルアルコー
ル 5.3ml、炭酸銀 7.24g、ヨウ素 5.27g、粉末状モレ
キュラーシーブス 6.16gを加え、暗所にて50℃で16時
間攪拌下に反応を行った。得られた反応液をベンゼンで
希釈し、セライトを通して濾過を行い、固形物をベンゼ
ンで洗浄した。ろ液とベンゼン洗液を合わせて得られた
ベンゼン溶液を、20%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次に洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧にて
留去した。得られた残渣を酢酸エチル−ヘキサンより再
結晶させると、表題の化合物(2)を針状結晶として1.
56g得た。
【0069】母液を減圧濃縮して得られる残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン−
酢酸エチル,12:1)により分離精製し、化合物(2)
をさらに0.12g(合計 1.68g,収率62%)、および表
題の化合物(3)をシロップとして0.68g(収率25%)
得た。
【0070】化合物(2) 融点:122.5 − 124.5℃ 〔α〕D 25 +95°(c 0.1,クロロホルム)1 H−NMR スペクトル(重クロロホルム中): δ 2.1, 2.2(それぞれ3H,s,Ac) 4.46(1H,d,J1,F=18.5Hz,H−1) 4.72, 5.0(それぞれ1H,d,ベンジル基のCH219 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3内部標準): δ-219.3(ddd) 元素分析(C1721FO6 として): 理論値 C,59.99 ; H,6.22;F,5.58% 分析値 C,60.18 ; H,6.10;F,5.60%
【0071】化合物(3) 〔α〕D 24 −85°(c 1.2,クロロホルム)1 H−NMR スペクトル(重クロロホルム中): δ 2.07, 2.16 (それぞれ3H,s,Ac) 5.12 (1H,dd,J1,F=9.5,J1,2=2Hz) 4.57, 4.71 (それぞれ1H,d,ベンジル基のC
2 19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-202.6(ddd) 元素分析(C1721FO6 として): 理論値 C,59.99 ; H,6.22;F,5.58% 分析値 C,60.06 ; H,6.14;F,5.41%
【0072】(2)ベンジル 2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−β−L−タロピラノシド〔化合物(4)〕
の製造 実施例1−(1)で得られたベンジル 3,4−ジ−0
−アセチル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−β−
L−タロピラノシド 1.66 gを無水メタノール50mlに懸
濁させた。その懸濁液に4.9Mナトリウムメトキシド−
メタノール溶液0.5 mlを加え、室温で30分間攪拌下に反
応を行った。得られた均一な反応溶液にダウエックス50
W×2(H+ 型)イオン交換樹脂を加えて中和し、樹脂
をろ別した。ろ液を少量まで濃縮し、濃縮液を−10℃に
放置し、これにより析出してくる針状結晶をろ取し、表
題の化合物(4)の1.11g(収率89%)を得た。
【0073】融点:124 − 126℃ 〔α〕D 25 +104°(c 1,クロロホルム) 元素分析(C1317FO4 として): 理論値 C,60.93 ; H,6.69;F,7.41% 分析値 C,60.84 ; H,6.89;F,7.63%
【0074】(3)ベンジル 3−0−ベンジル−2,
6−ジデオキシ−2−フルオロ−β−L−タロピラノシ
ド〔化合物(5)〕の製造 実施例1−(2)で得られたベンジル 2,6−ジデオ
キシ−2−フルオロ−β−L−タロピラノシド 1.08g
およびジブチルチンオキサイド 1.41gを無水ベンゼン
110mlに溶解した。得られた溶液を反応容器に入れた。
この反応容器と冷却コンデンサーの間に、モレキュラー
シーブス4Aを充填した側管付滴下ろーとを挿入し、生
成する水を除去しながら前記の溶液を5時間還流した。
【0075】次いで、得られた反応液を約半量まで減圧
濃縮した後、濃縮液にベンジルブロマイド 1.5ml、テト
ラブチルアンモニウムヨーダイド 901mgを加え、再び上
記の装置を用いて5時間還流を行った。得られた反応液
を減圧濃縮し、得られた残渣をクロロホルムに溶解し、
その溶液を20%チオ硫酸ナトリウム水溶液、20%塩化ナ
トリウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−酢酸エ
チル,15:1)により精製し、ジエチルエーテル−ヘキ
サンで再結晶することにより表題の化合物(5)の 1.3
3g(収率91%)を針状結晶として得た。
【0076】融点:73.5 − 74.5℃ 〔α〕D 20 +65°(c 1,クロロホルム)1 H−NMR スペクトル(重クロロホルム中): δ 2.83 (1H,t,J4,OH-4=JF,OH-4=8.5 Hz,
OH−4) 4.66, 4.68, 4.76, 4.96 (それぞれ1H, d,ベンジル
基のCH2 19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-217.5(dddd) 元素分析(C2023FO4 として): 理論値 C,69.35 ; H,6.69;F,5.48% 分析値 C,69.03 ; H,6.91;F,5.50%
【0077】(4)ベンジル 3−0−ベンジル−2,
6−ジデオキシ−β−L−リキソ−ヘキソピラノース−
4−ウロシド〔化合物(6)〕の製造 実施例1−(3)で得られたベンジル 3−0−ベンジ
ル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−β−L−タロ
ピラノシド 98 mgを無水ジクロロメタン2mlに溶解し
た。その溶液にピリジニウムクロロクロメイト 164mgと
粉末状モレキュラーシーブス3Aの 331mgを加え、室温
で2時間攪拌して反応を行った。
【0078】得られた黒褐色反応液をエーテルで希釈
し、キーゼルゲル60G(メルク,Art7731)を通してろ
過する操作を2回行った。ろ液を減圧濃縮し、残渣をジ
エチルエーテル−ヘキサンより再結晶することにより表
題の化合物(6)の66mg(収率68%)を針状結晶として
得た。
【0079】融点:96.5 − 97.5℃ 〔α〕D 23 +27°(c 1,クロロホルム) IRスペクトル(KBr): 1740cm-1(C=0)19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-212.5(ddd) 元素分析(C2021FO4 として): 理論値 C,69.74 ; H,6.16;F,5.52% 分析値 C,69.69 ; H,6.13;F,5.31%
【0080】(5)ベンジル 3−0−ベンジル−2,
4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−(メトキシ
イミノ)−β−L−リキソ−ヘキソピラノシド〔化合物
(7)〕の製造 実施例1−(4)で得られたベンジル 3−0−ベンジ
ル−2,6−ジデオキシ−β−L−リキソ−ヘキソピラ
ノース−4−ウロシド 654mgを無水ピリジン6.5mlに溶
解した。その溶液にO−メチルヒドロキシルアンモニウ
ムクロリド243mgを加え、室温で2.5時間攪拌して反応を
行った。
【0081】反応液を減圧濃縮後、濃縮液にクロロホル
ムを加え、この溶液を水洗した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により
精製し、表題の化合物(7)の 612mg(収率86%)をシ
ロップとして得た。
【0082】〔α〕D 23 +61°(c 1,クロロホルム)1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中): δ 3.93,(3H,s,OCH3 ) 元素分析(C2124FNO6 として): 理論値 C,67.53 ; H,6.49;F,5.09;N,3.75% 分析値 C,67.35 ; H,6.49;F,5.21;N,4.07%
【0083】(6)ベンジル 3−0−ベンジル−2,
4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−(トリフル
オロアセタミド)−β−L−タロピラノシド〔化合物
(9)〕の製造 リチウムボロハイドライド 183mgを無水テトラヒドロフ
ラン10mlに懸濁させ窒素雰囲気下で−20℃でクロロトリ
メテルシラン 2.7mlを加え、室温にて2時間攪拌した。
得られた懸濁液を再び−20℃に冷却し、実施例1−
(5)で得られた化合物(7)、すなわちベンジル 3
−0−ベンジル−2,4,6−トリデオキシ−2−フル
オロ−4−(メトキシイミノ)−β−L−リキソ−ヘキ
ソピラノシド612 mgを無水テトラヒドロフラン10mlに溶
解した溶液を加えた。得られた混合物を室温にて17時間
攪拌した。
【0084】得られた反応液にメタノール 4.5mlおよび
トリエチルアミン 3.5mlを加えて30分間攪拌した後、減
圧濃縮した。このことにより、ベンジル 4−アミノ−
3−0−ベンジル−2,4,6−トリデオキシ−2−フ
ルオロ−β−L−タロピラノシド〔化合物(8)〕を含
む固体を得た。この固体はTLC(展開溶媒:クロロホ
ルム−メタノール−9%アンモニア水溶液,20:1:
1)でRf 0.45 (ニンヒドリン呈色陽性のスポットと
して)を示した。
【0085】次いでこの固体を無水ジクロロメタン24ml
と無水ピリジン 5.5mlとの混合物に懸濁させ、その懸濁
液に0℃にて無水トリフルオロ酢酸 2.5mlを加え、室温
にて15時間攪拌した。反応がまだ完結していなかったの
で、さらに無水ピリジン 2.0ml、無水トリフルオロ酢酸
1.0mlを追加し3時間攪拌した。
【0086】得られた反応液にメタノール 3.1mlを加
え、室温で30分間攪拌後、クロロホルムで希釈し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、20%硫酸水素カリウム水溶
液、水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:トルエン−アセトン,50:1)
により精製し、表題の化合物(9)の 450mg(化合物7
からの収率62%)をシロップとして得た。
【0087】〔α〕D 23 +18°(c 0.7,クロロホル
ム)1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中): δ 3.50 (1H,ddd,J2,3 =2,J3,4 =4.5,J3,F
32Hz,H−3) 3.59 (1H,dq,J4,5 =2,J5,6 =6.5 Hz,H−
5)19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-217.7(1F,dddd,F−2) -76.3 (3F,s,CF3 ) 元素分析(C2223FNO4 として): 理論値 C,59.85 ; H,5.26;F,17.22;N,3.17% 分析値 C,59.54 ; H,5.30;F,17.29;N,3.35%
【0088】(7)2,4,6−トリデオキシ−2−フ
ルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)−L−タロピ
ラノース〔化合物(10)〕の製造 実施例1−(6)で得られたベンジル 3−0−ベンジ
ル−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−
(トリフルオロアセタミド)−β−L−タロピラノシド
581mgを1,4−ジオキサン−酢酸−水(10:1:1)
の混液18mlに溶解させた。この溶液にパラジウム黒を加
えた後、室温にて攪拌しながら水素を9時間導入して加
水素分解を行った。
【0089】反応液をろ過し、減圧濃縮し、得られた残
渣にさらにトルエンを加えて減圧濃縮をくり返し行うこ
とにより表題化合物(10)のシロップを2つのアノマー
の混合物として 344mg(定量的)に得た。
【0090】 〔α〕D 24 −62°(c 0.6,メタノール,24時間後)19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-218.9(0.25F,dddd,J1,F =22.5, J2,F
51.5, J3,F =34.5, JNH,F=8Hz,β−L−アノマ
ーのF−2) -198.9(0.75F,みかけ上ddt,J1,F =10, J2,F
=51.5,J3,F =36.5, JNH,F=〜7.5 Hz,α−L−
アノマーのF−2) -74.61(0.75F,s,β−L−アノマーのCF3 ) -74.55(2.25F,s,α−L−アノマーのCF3 ) 元素分析(C8 114 NO4 として): 理論値 C,36.78 ; H,4.25;F,29.10;N,5.36% 分析値 C,36.80 ; H,4.50;F,29.19;N,5.18%
【0091】(8)1,3−ジ−0−アセチル−2,
4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−(トリフル
オロアセタミド)−α−L−タロピラノース〔化合物(1
1)〕および−β−L−タロピラノース〔化合物(1
2)〕の製造 実施例1−(7)で得られた2,4,6−トリデオキシ
−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)−L
−タロピラノース 310mgよび無水酢酸 0.68 mlを無水ピ
リジン 3.2mlに溶解してその溶液を室温で3時間放置し
た。
【0092】反応液に水 0.7mlを加えて30分間放置した
後、減圧濃縮し、得られた残渣をクロロホルムで希釈し
た。この溶液を20%硫酸水素カリウム水溶液、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホル
ム−アセトン,30:1)で分離精製し、表題の化合物(11)
を337mg(収率82%)、および化合物(12)を69mg(収率
17%)、それぞれシロップとして得た。
【0093】化合物(11) 〔α〕D 26 −69°(c 1,クロロホルム)1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中): δ 2.12, 2.16 (それぞれ3H,s,Ac) 6.30 (1H,dd,J1,2 =2,J1,F = 8.5 Hz,
H−1) 元素分析(C12154 NO6 として): 理論値 C,41.74 ; H,4.39;F,22.01 ; N,4.06% 分析値 C,41.46 ; H,4.35;F,21.81 ; N,4.12%
【0094】化合物(12) 〔α〕D 24 +1.8°(c 0.9,クロロホルム)1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中): δ 2.12, 2.21 (それぞれ3H,s,Ac) 5.74 (1H,br d,J1,F =21 Hz, H−1) 元素分析(C12154 NO6 として): 理論値 C,41.74 ; H,4.39;F,22.01 ; N,4.06% 分析値 C,41.41 ; H,4.41;F,22.32 ; N,4.12%
【0095】(9)3−0−アセチル−2,4,6−ト
リデオキシ−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタ
ミド)−α−L−タロピラノシル ブロマイド〔化合物
(13)〕の製造 実施例1−(8)で得られた1,3−ジ−0−アセチル
−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−(ト
リフルオロアセタミド)−L−タロピラノース〔化合物
(11)と(12)の混合物〕 335mgを30%ml臭化水素−酢
酸溶液 3.4mlに溶解し、その溶液を室温で1時間放置し
て臭素化反応を行った。
【0096】反応液をジクロロメタンで希釈し、冷水、
冷飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、冷水で順次に洗浄
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。これ
により表題化合物(13)の 335mg(94%)を固体として
得た。
【0097】1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中): δ 2.11 (3H,s,Ac) 6.47 (1H,dd,J1,2 =1,J1,F =12Hz,H
−1)19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-178.8(1F,dddd,F−2) - 76.4 (3F,s,CF3
【0098】実施例2 (1)7−0−[3−0−アセチル−2,4,6−トリ
デオキシ−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタミ
ド)−α−L−タロピラノシル]ダウノマイシノン〔化
合物(14)〕の製造 実施例1−(9)で得られた3−0−アセチル−2,
4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−4−(トリフル
オロアセタミド)−α−L−タロピラノシル ブロマイ
ド 319mg、ダウノマイシノン 495mg、黄色酸化第二水銀
854mg、臭化第二水銀 237mg、および粉末状モレキュラ
ーシーブス3Aの3.67gを無水ジクロロメタン 100mlに
懸濁し、得られた懸濁液を暗所で17時間還流した。さら
に黄色酸化第二水銀 927mgおよび臭化第二水銀 306mgを
加え、溶媒量が約2/3になるまで濃縮した後、暗所で
79時間還流した。
【0099】反応液をセライトを通してろ過し、クロロ
ホルムで洗浄した。ろ液と洗液を合わせた溶液を30%ヨ
ウ化カリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に、減圧
濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:クロロホルム−アセトン,15:
1)で分離精製した後、クロロホルム−ヘキサンより再
沈殿を行って表題化合物(14)の 260mg(収率44%)を
赤色固体として得た。
【0100】〔α〕D 23 +190°(c 0.03 ,クロロホ
ルム)1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム中): δ 2.04 (3H,s,OAc) 2.42 (3H,s,Ac) 4.09 (3H,s,OMe) 4.69 (1H,br d,H−2´) 5.60 (1H,dd,J1',2' =1.5,J1',F=10 Hz,
H−1')19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム中,CFCl
3 内部標準): δ-198.7(1F,dddd,F−2´) - 76.4 (3F,s,CF3 ) 元素分析(C31294 NO12・0.1 H20として): 理論値 C,54.32 ; H,4.30;F,11.09;N,2.04% 分析値 C,54.03 ; H,4.09;F,10.92;N,2.08%
【0101】(2)7−0−(4−アミノ−2,4,6
−トリデオキシ−2−フルオロ−α−−L−タロピラノ
シル)ダウノマイシノン〔化合物(15)、すなわち本発
明化合物(a)〕の製造 実施例2−(1)で得られた化合物(14)、すなわち7
−0−[3−0−アセチル−2,4,6−トリデオキシ
−2−フルオロ−4−(トリフルオロアセタミド)−α−
L−タロピラノシル]ダウノマイシノン 240mgを 0.23
規定の水酸化ナトリウム水溶液24mlに懸濁させ、その懸
濁液をアルゴン雰囲気下に0℃で3時間攪拌して反応を
行った(脱保護反応)。
【0102】反応液に1規定塩酸 5.7mlを加えた後に、
クロロホルムで洗浄した。洗浄された水溶液に飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液を加えpH〜8とした後、クロロホ
ルムで抽出し、クロロホルム溶液(抽出液)を水洗後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮した。
【0103】得られた残渣をクロロホルム−メタノール
(2:1)の混液に溶解し、これに2.3規定塩化水素
−メタノール溶液 0.7mlを加えた後、イソプロピルエー
テルを加えることにより再沈殿を行って、表題化合物
(15)の塩酸塩 175mg(収率88%)を赤色固体として得
た。
【0104】〔α〕D 24 +240°(c 0.01 ,メタノー
ル)1 H−NMRスペクトル(重メタノール中): δ 2.37 (3H,s,Ac) 3.98 (3H,s,OMe) 4.64 (1H,br d,H−2´) 5.51 (1H,br d,H−1´)19 F−NMRスペクトル(重メタノール中,CFCl3
内部標準): δ-201.3(ddd) 元素分析(C2728NFO10・HCl・1.3 H2 Oとして): 理論値 C,53.56 ; H,5.27;Cl,5.86;F, 3.14;N,2.31% 分析値 C,53.61 ; H,5.49;Cl,5.85;F, 3.14;N,2.01%
【0105】実施例3 7−0−(4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2
−フルオロ−α−L−タロピラノシル)アドリアマイシ
ノン〔化合物(16),すなわち本発明化合物(b)〕の
製造 実施例2で得られた本発明化合物(a)、すなわち7−
0−(4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フ
ルオロ−α−L−タロピラノシル)ダウノマイシノン
〔化合物(15)〕47.6mgを無水メタノール1ml、無水
1,4−ジオキサン1.7 mlの混液に溶解させた。得られ
た溶液にオルトギ酸メチル54μlを加え室温で20分間攪
拌した(13位カルボニル基のケタールによる保護)。
【0106】その後に反応液を0℃に冷却し、この溶液
に対して、臭素22mgを無水ジクロロメタン 0.2mlに溶解
した溶液を加え、室温で2時間攪拌した。これによって
14位の臭素化を行った。
【0107】反応液にイソプロピルエーテル15mlおよび
ヘキサン5mlを加え、析出した赤色沈殿を遠心分離によ
り採取し、ヘキサンで2回洗浄した。この沈殿をアセト
ン5mlに懸濁させ、その懸濁液を室温で2時間攪拌して
脱ケタール化を行った。その後に、反応液にヘキサンを
加えて析出する沈殿を遠心分離により採取した。
【0108】この沈殿を水 1.5ml、アセトン1mlの混液
に溶解し、ギ酸ナトリウム 101mgを加え室温で22時間攪
拌したて反応を行った。反応液を減圧濃縮してアセトン
を留去した後、残った水溶液をクロロホルムで洗浄し、
そのクロロホルム溶液を2回洗浄し、この水洗液を前述
の水溶液と合わせ、その混合液をダイヤイオンHP20樹脂
20mlを充填したカラムにチャージした。カラムを水洗い
して脱塩した後に、展開液を水から 100%メタノールま
で徐々にメタノールの濃度を変化させて溶出を行った。
目的物を含むフラクションを得て、さらに該フラクショ
ンを減圧濃縮した。
【0109】得られた残渣をクロロホルム−メタノール
(2:1)の混液に溶解し、その溶液に2規定塩化水素
−メタノール溶液をpH1になるまで加えた後、イソプロ
ピルエーテルを加えて沈殿を析出せしめた。その沈殿を
遠心分離により採取し、表題化合物(16)の塩酸塩を赤
色固体として28.2mg(収率58%)得た。
【0110】〔α〕D 23 +260°(c 0.01 ,メタノー
ル)1 H−NMRスペクトル(重メタノール中): δ 3.73 (3H,s,OMe) 4.77 (1H,br d,H−2´) 4.78, 4.83 (それぞれ1H,d,J=20Hz,H−14
a, 14b) 5.48 (1H,br d,H−1´)19 F−NMRスペクトル(重メタノール中,CFCl3
内部標準): δ-201.3(ddd) 元素分析(C2728NFO11・HCl・H2Oとして): 理論値 C,52.64 ; H,5.08;Cl,5.75;F, 3.09;N,2.27% 分析値 C,52.54 ; H,5.20;Cl,5.99;F, 2.99;N,2.32%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 泰 神奈川県横浜市戸塚区川上町412番1−326 号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 〔式中、Rは水素原子またはヒドロキシル基である〕で
    表されるダウノマイシノンまたはアドリアマイシノン誘
    導体またはその製薬学的に許容できる酸付加塩。
  2. 【請求項2】 次式 で表わされる7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリ
    デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ダ
    ウノマイシノンである請求項1に記載の誘導体またはそ
    の製薬学的に許容できる酸付加塩。
  3. 【請求項3】 次式 で表わされる7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリ
    デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ア
    ドリアマイシノンである請求項1に記載の誘導体または
    その製薬学的に許容できる酸付加塩。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載される一般式(I)で表
    わされるダウノマイシノンまたはアドリアマイシノン誘
    導体またはその製薬学的に許容できる酸付加塩を有効成
    分として含有して且つ製薬学的に許容できる担体を有効
    成分と組合わせて含有することを特徴とする抗腫瘍剤組
    成物。
  5. 【請求項5】 次式 で表わされるダウノマイシノンを有機溶媒中で縮合触媒
    の存在下に次式 〔式中、Y′がヒドロキシル保護基としてアセチル基ま
    たはベンゾイル基でY″がアミノ保護基としてトリフル
    オロアセチル基であり、Xは臭素または沃素原子であ
    る〕で示される3,4−ジ−O,N−保護−4−アミノ
    −2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−L−タロ
    ピラノシル・ハライドと縮合反応させて次式 〔式中、Y′およびY″は前記と同じ意味である〕で表
    わされる7−O−(3,4−ジ−O,N−保護−4−ア
    ミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−
    L−タロピラノシル)ダウノマイシノンを生成し、次い
    で得られた上記の式(Ia′)の縮合生成物から、この中
    に残留するヒドロキシル保護基(Y′)とアミノ保護基
    (Y″)を脱離することから成る、次式 で表わされる7−O−(4−アミノ−2,4,6−トリ
    デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ダ
    ウノマイシノンの製造法。
  6. 【請求項6】 請求項2に示される式(Ia)の7−O−
    (4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオ
    ロ−α−L−タロピラノシル)ダウノマイシノンの13位
    カルボニル基を、オルト蟻酸メチルと反応させることか
    らなるジメチルケタール化にかけ、これによって次式 で示される化合物を生成し、次に、式(IV)の化合物を
    臭素と反応させて次式 で示される化合物を生成し、さらに式(V)の化合物を
    臭化水素酸で加水分解するか、あるいはアセトンによる
    ケタール変換にかけることによりジメチルケタール基を
    脱離して次式 の化合物を生成し、次いで式(VI)の化合物を加水分解
    して基−CH2−Brを基−CH2OHに転化することを特徴とす
    る、請求項3に示される式(Ib)の7−O−(4−アミ
    ノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L
    −タロピラノシル)アドリアマイシノンの製造法。
  7. 【請求項7】 次の一般式 〔式中、Y′がアセチル基またはベンゾイル基であり、
    Y″はトリフルオロアセチル基であり、Xは臭素または
    沃素原子である〕で示される3,4−ジ−O,N−保護
    −4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオ
    ロ−L−タロピラノシル・ハライド。
JP8335913A 1996-02-16 1996-12-16 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体 Pending JPH10175992A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8335913A JPH10175992A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体
CA002224670A CA2224670A1 (en) 1996-12-16 1997-12-12 Novel anthracycline derivatives having 4-amino-2,4,6-trideoxy-2-fluoro-.alpha.-l-talopyranosyl group
EP97403059A EP0848010A1 (en) 1996-12-16 1997-12-16 Novel anthracycline derivatives having 4-amino-2,4,6-trideoxy-2-fluoro-alpha-L-talopyranosyl group
US08/991,436 US6184365B1 (en) 1996-02-16 1997-12-16 Anthracycline derivatives having 4-amino-2,4,6-trideoxy-2 fluoro-α-L-talopyranosyl group

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8335913A JPH10175992A (ja) 1996-12-16 1996-12-16 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10175992A true JPH10175992A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18293775

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8335913A Pending JPH10175992A (ja) 1996-02-16 1996-12-16 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6184365B1 (ja)
EP (1) EP0848010A1 (ja)
JP (1) JPH10175992A (ja)
CA (1) CA2224670A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU1259899A (en) * 1997-11-28 1999-06-16 Sumitomo Pharmaceuticals Company, Limited Crystalline amrubicin hydrochloride

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4427664A (en) * 1981-05-29 1984-01-24 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services 2'Halo derivatives of daunomycin, desmethoxy daunomycin, adriamycin and carminomycin
GB8803076D0 (en) * 1988-02-10 1988-03-09 Erba Carlo Spa 3'-deamino-4'-deoxy-4'-amino anthracyclines
JPH06256377A (ja) * 1993-02-26 1994-09-13 Microbial Chem Res Found 新規なアンスラサイクリン誘導体
WO1995024412A1 (fr) * 1994-03-11 1995-09-14 Zaidan Hojin Biseibutsu Kagaku Kenkyu Kai Nouveaux derives d'anthracycline contenant une unite de sucre trifluoromethyle
JPH0912590A (ja) * 1995-06-23 1997-01-14 Microbial Chem Res Found 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−マンノピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体

Also Published As

Publication number Publication date
EP0848010A1 (en) 1998-06-17
US6184365B1 (en) 2001-02-06
CA2224670A1 (en) 1998-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5849716A (en) Sphingoglycolipids, their preparation, and therapeutic methods of use
EP0230322B1 (en) 2,6-dideoxy-2-fluoro-l-talopyranose and derivates thereof and the production of these compounds
CA1295326C (en) Anthracycline derivatives and processes for the production thereof
US4183919A (en) Antitumor glycosides, process for their preparation including intermediates therefor and their use
US5719130A (en) Anthracycline derivative having a trifluoromethylated sugar
EP0230013B1 (en) New anthracycline derivatives, uses thereof as antitumor agent and production thereof
JPH0660191B2 (ja) 新規アントラサイクリングリコシド類,それらの製造方法及びそれらを含む抗腫瘍剤
JP2516769B2 (ja) 新規なアントラサイクリン
JP2540400B2 (ja) L−タロピラノシド誘導体の製造方法
JPH10175992A (ja) 4−アミノ−2,4,6−トリデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル基を有する新規アンスラサイクリン誘導体
US5958889A (en) Anthracycline derivatives having 4-amino-2,4,6-trideoxy-2-fluoro-mannopyranosyl group
EP0116222A1 (en) 14-Acyloxy-2'-halo-anthracycline anti-cancer antibiotics
CA1312598C (en) 4-demethoxy anthracycline derivatives
US4870058A (en) 14-Acyloxy-2'-halo-anthracycline anti-cancer antibiotics
JPH06256377A (ja) 新規なアンスラサイクリン誘導体
US5789386A (en) Fluorine-containing anthracycline derivatives having hydroxyl groups(s) mono- or di-o-aminoalkanoylated in the sugar moiety thereof
EP0335369A2 (en) New anthracycline derivatives and processes for the preparation of the same
JP2584486B2 (ja) 新規なアンスラサイクリン誘導体とその製造法
JP2584479B2 (ja) 新規なアンスラサイクリン誘導体とその製造法
JPH09132589A (ja) 糖部分の水酸基をモノ−または−ジ−o−アミノアルカノイル化された含フッ素アンスラサイクリン誘導体
JPH01203397A (ja) 新規なアンスラサイクリン誘導体とその製造法
JPH01311095A (ja) 4―デメトキシ―4′―デオキシ―4′―ヨードアントラサイクリングリコシド
JPH01193283A (ja) 新規なアンスラサイクリン誘導体およびその製造法
JPS6328437B2 (ja)
JPH05117288A (ja) 新規アントラサイクリン系抗生物質