JP2584479B2 - 新規なアンスラサイクリン誘導体とその製造法 - Google Patents

新規なアンスラサイクリン誘導体とその製造法

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JP2584479B2 JP63073212A JP7321288A JP2584479B2 JP 2584479 B2 JP2584479 B2 JP 2584479B2 JP 63073212 A JP63073212 A JP 63073212A JP 7321288 A JP7321288 A JP 7321288A JP 2584479 B2 JP2584479 B2 JP 2584479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は抗腫瘍活性をもつ新規なアンスラサイクリン
誘導体及びそれを含む抵抗腫瘍剤に関する。さらに詳し
くは、本発明は、抗腫瘍活性をもつ新規な化合物として
7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)ダウノマイシノン類又は−アドリア
マイシノン類あるいはこれらの14−デメトキシ誘導体に
関する。本発明は、またこれらの新規化合物を有効成分
とする抗腫瘍剤にも関する。さらに本発明は上記の新規
なアンスラサイクリン誘導体の製造法にも関する。
(従来の技術と発明が解決しようとする課題) アンスラサイクリン系抗生物質としては、ダウノマイ
シン(この化合物は米国特許第3,616,242号明細書には
ダウノルビシンの名で記載される)及びアドリアマイシ
ン(この化合物は米国特許第3,590,028号明細書にはド
キソルビシンの名で記載される)が知られており、これ
らの化合物は、実験腫瘍に対して広い抗癌スペクトルを
有し、癌化学療法剤として臨床的にも広く利用されてい
る。ダウノマイシン及びアドリアマイシンは次式 〔式中、Rは水素原子又は水酸基を表わす〕の化合物で
ある。
しかし、ダウノマイシン(式(a)でRが水素原子で
ある化合物)及びアドリアマイシ(式(a)でRがヒド
ロキシル基である化合物)は各種の腫瘍にかなり強力な
抗癌作用を示すが、必ずしも満足できない。すなわち、
ダウノマイシンおよびアドリアマイシンは実験腫瘍に対
して広い抗癌スペクトルを有するのみならず、癌化学療
法剤として担癌患者の臨床治療に広く使用されている
が、その反面、しばしば白血球減少、脱毛、心筋障害等
の重篤な副作用を伴うことが知られている。従つて、従
来も、より強力な抗癌作用と低い毒性を有する新規なダ
ウノマイシン類縁化合物を見い出すために、種々のダウ
ノマイシン類縁化合物を創製する試みが行われており、
既にいくつか提案されている〔例えば、F.Arcamone.“T
opics in Antibiotic Chemistry″,2巻,第102〜279
頁、ELIS HORWOOD LIMITED発行又は米国特許第3,988,31
5号明細書記載のアクラシノマイシンA及びB;ドイツ連
邦共和国特許第2,831,579号明細書及び特公昭56−47194
号公報に記載の4′−o−テトラヒドロピラニアドリア
マイシン;米国特許第4,177,264号明細書に記載のN−
モノ−ベンジル−又はN−ジ−ベンジル−アドリアマイ
シン〕。
更に、米国特許第4,427,664号明細書には、7−o−
(3,4−ジ−o−アセチル−2,6−ジデオキシ−2−ヨー
ド−α−L−マンノ−ヘキソピラノシル)ダウノマイシ
ノン(化合物NSC331,962)と、7−o−(3,4−ジ−o
−アセチル−2,6−ジデオキシ−2−ヨード−α−L−
タロ−ヘキソピラノシル)ダウノマイシン(化合物NSC3
27,472)が記載されてある。
本発明者らは、ダウノマイシン又はアドリアマイシン
より秀れた抗腫瘍活性と低い毒性をもつダウノマイシン
誘導体又はアドリアマイシン誘導体を創製することを目
的として研究を勧め、その研究の一環としてダウノマイ
シン及びアドリアマイシンの糖部分を化学的修飾した抗
腫瘍活性のダウノマイシン誘導体及びアドリアマイシン
誘導体の若干をすでに合成した。例えば、本発明者ら
は、4′−o−テトラヒドロピラニル−ダウノマイシン
又は−アドリアマイシン類(特公昭56−47194号);及
び3′−デアミノ−3′−モルホリノ−ダウノマイシン
又は−アドリアマイシン類(特開昭57−163393号)を発
表している。
また、他方、本発明者らは、抗腫瘍活性をもつ化合物
として、次の一般式 〔式中、Rは水素原子又はヒドロキシル基を表わす〕で
示されるアンスラサイクリン誘導体、すなわち、7−o
−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピ
ラノシル)ダウノマイシノン及び7−o−(2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)アド
リアマイシノンを合成することに成功した(特願昭60−
282798号;特開昭62−145097号;欧州特許願86.117662.
6号、米国特許願SN.942,773号)。
また、本発明者らは、抗腫瘍活性をもつ新規アドリア
マイシン同族体として次の一般式 〔式中、R′は基−(CH2mH(但しmは1〜6の整数
を表わす)又は基−(CH2−COOH(但しnは1〜10
の整数を表わす)を表わす〕で示されるアンスラサイク
リン誘導体を合成することにも成功した(特願昭61−28
8993号(特開昭63−141992号);及び1987年12月3日出
願の米国特許願SN.128,173号)。
しかし、本発明者らが先に合成した上記の式(b)及
び(c)で示されるアンスラサイクリン誘導体は、それ
の合成がやや煩雑であつた。そこで、本発明者らは、式
(b)及び(c)の化合物よりも優れた抗腫瘍活性をも
つ新規アンスラサイクリン誘導体をより簡単な合成法で
創製するため種々の研究を行なつた。
一般式(b)及び(c)の新規化合物の抗腫瘍活性
は、ダウノマイシンやアドリアマイシンより格段に優れ
ている(特願昭60−282798号、特開昭62−145097号)。
本発明者は、更に、式(b)及び(c)の化合物より高
い抗腫瘍活性を示し且つ合成がより容易な新しいアンス
ラサイクリン誘導体を創製すべく種々検討した。その結
果、下記の一般式(d) 〔式中、R1は水素原子又はヒドロキシル基であるか、あ
るいは次式 (但しnは1〜6の整数を表わす)の基であり、R2はメ
トキシ基又は水素原子である〕示されるアンスラサイク
リン誘導体又はその塩を合成することに成功した(本出
願人の出願に係る特願昭63−15783号、昭和63年1月28
日出願(特開平1−193283号))。
別途、本発明者らは、上記の式(b)の化合物を修飾
して制癌作用がより優れて且つ水溶解度も向上できるよ
うな新規アンスラサイクリン誘導体を創製することを意
図して研究を行なつた。その結果、本発明者らは、下記
の一般式(e)で示される新規なアンスラサイクリン誘
導体を合成することに成功した。そして、また一般式
(e)の新規化合物は、これを酸付加塩にすると、酸付
加塩が高い水溶解度を示して注射剤に製剤し易く臨床で
有利に利用できること且つ一般式(e)の化合物自体も
各種の人癌細胞に対して高い制癌効果を示すことを知見
した。
すなわち、本発明者らは一般式 〔式中、R1は水素原子又はヒドロキシル化であり、R2
メトキシ基又は水素原子であり、A及びBは共に水素原
子であるか、あるいはA及びBが一緒になつて式−CH2
−CH2−O−CH2−CH2−の連鎖を形成する〕で示される
アンスラサイクリン誘導体又はその酸付加塩を提供して
いる(特願昭63−27443号、昭和63年2月10日出願(特
開平1−203397号))。
しかし、本発明者らが先に合成した上記の式(b)〜
(e)で示されるアンスラサイリン誘導体の他にも、優
秀な新規アンスラサイクリン誘導体を創製するため別の
研究を行なつた。
(課題を解決するための手段) 前記の一般式(b)〜(e)の新規化合物の抗腫瘍活
性は、ダウノマイシンやアドリアマイシンより格段に優
れている(特願昭60−282798号,特開昭62−145097
号)。そこで、低投与量でも高い抗腫瘍活性は維持でき
る新規なアンスラサイクリン誘導体を創製すべく種々検
討した。その結果、下記の一般式(I)で示される新規
なアンスラサイクリン誘導体化合物を合成することに成
功し、また本発明の新規誘導体が所望の目的に適うこと
を見出した。
すなわち、第1の本発明によると、一般式 〔式中、R1は水素原子又はヒドロキシル基であるか、あ
るいは次式 (但しnは1〜10の整数を表わす)の基であり、R2はメ
トキシ基又は水素原子である〕で示されるアンスラサイ
クリン誘導体又はその塩が提供される。
一般式(I)の本発明化合物は、下記の3群(A),
(B)及び(C)の化合物に大別できる。
(A)一般式 〔式中、R2は前記の意味をもつ〕で示される7−o−
(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピ
ラノシル)ダウノマイシノン又は7−o−(2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−
4−デメトキシダウノマイシノン。
(B)一般式 〔式中、R2は前記の意味をもつ〕で示される7−o−
(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピ
ラノシル)アドリアマイシノン又は7−o−(2,6−ジ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)
−4−デメトキシ−アドリアマイシノン。
(C)一般式 〔式中、R2及びnは前記の意味をもつ〕で示されるアド
リアマイシン同族体の半エステル誘導体。
本発明による一般式(I)の化合物の具体的な化合物
例の名称並びに物性は後記の実施例1〜11に記載され
る。
本発明による一般式(I)の化合物は、実験動物腫瘍
に対して顕著な抗腫瘍活性を有し、その抗腫瘍活性がダ
ウノマイシン、アドリアマイシンに比べて顕著に高いこ
とが試験によつて確められた。また、低投与量でも高い
抗腫瘍活性を示すことが認められた。また、一般式
(I)の化合物は抗菌性も高いので、抗菌剤としても有
用である。以下に、一般式(I)の化合物のその抗腫瘍
活性の試験例を示す。
試験例1 マウス白血病ロイケミアL−1210細胞により誘起された
CDF1マウスの白血病に対する抗腫瘍活性 実験動物腫瘍に対する抗腫瘍効果を評価するために、
CDF1マウスの腹腔内へマウス白血病ロイケミアL−1210
の細胞の1×105個/マウスを移殖し、その24時間後よ
り連日9日間、毎日1回、本発明の化合物を腹腔内へ投
与し、60日間観察を行つた。対照区(生理食塩水投与)
のマウスの生存日数と比較して算定したマウスの延命率
(T/C、%)を求めた。比較のため、ダウノマイシン及
びアドリアマイシンも同様に試験した。その結果を第1
表に示す。なお、第1表中で「>」の符号は移植された
腫瘍を治療されて60日間生存したマウスがあることを示
す。
上記の試験例1で比較薬剤として用いたアドリアマイ
シンは、臨床上で実用されている抗癌剤であつて、治療
すべき癌の種類に応じて0.4mg/kg〜2mg/kgの範囲の投与
量で人間に投与されている。この実用されているアドリ
アマイシンは、L−1210細胞を接種されたマウスについ
て投与量2.5mg/kg/日〜5mg/kg/日で投与した場合に、延
命率(T/C、%)が228〜191%である程度の抗腫瘍効果
を示し且つ毒性の発現を伴う(前記の第1表の結果を参
照)。しかし、これに対比して、0.3〜2.5mg/kg/日の範
囲内の適当な低い投与量で投与された本発明化合物は毒
性の発現を示さずにより顕著に高い延命率(T/C、%)
を示し得ること、また高い治療率を示すこと、さらに本
発明の化合物が0.3mg/kg/日という極少量の投与量で抗
腫瘍効果を示すことは注目すべきことである。従つて、
本発明化合物は臨床治療上で担癌患者に多量の投与をし
ないでも抗腫瘍効果を期待できる利点がある。
試験例2 試験管中でマウス実験癌細胞としてマイスロイケミア
P388/S(Sensitive)又はP388/ADR(Resistant)の癌細
胞を培養し、更に本発明化合物の7−o−(2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)ア
ドリアマイシノン14−o−ヘミピメレイトを加えて72時
間培養を続けて、癌細胞生育50%阻止濃度(IC50、ng/m
l)を測定した。対照化合物として、7−o−(2,6−ジ
デオキシ−2−フルオロ−α−L−タロピラノシル)ア
ドリアマイシノン 14−o−ヘミピメレイトを用いて同
様に試験した。試験結果を第2表に要約する。
このことから、一般式(I)の新規アンスラサイクリ
ン化合物は抗腫瘍活性が優れると考えられ、臨床で実用
される抗腫瘍剤として極めて有用であり且つアドリアマ
イシンと同様に各種の腫瘍の治療に有用であると期待さ
れる。
以上に述べた試験例の実験結果から明らかなように、
本発明により提供される前記の一般式(I)の化合物
は、L−1210白血病細胞、およびP388白血病細胞の如き
実験腫瘍に対して優れた抗腫瘍活性を示す。
従つて、一般式(I)の化合物は悪性腫瘍治療剤とし
て固形癌及び腹水癌等の措置のために使用することがで
きる。
従つて、第2の本発明の要旨とするところは、一般式
(I)で示されるアンスラサイクリン誘導体を有効成分
として含有する抗腫瘍剤にある。
一般式(I)の本発明化合物を実際に投与する場合に
は、一般に非経口的に投与することもできるが、本発明
の化合物を、医薬製剤の分野で用いられる通常の製薬学
的に許容できる個体又は液体状の担体と混ぜて散剤、顆
粒剤、錠剤またはシロツプあるいは注射剤等の剤型に製
剤して、経口的に投与することもできる。
一般的の投与方法としては、動物の場合、腹腔内注
射、皮下注射、静脈当は、動脈への血管内注射及び局所
投与等の注射剤として、ヒトの場合は静脈又は動脈への
血管内注射又は局所投与等の注射剤として投与され、そ
の投薬量は動物試験の結果及び種々の情況を勘案して総
投与量が一定量を越えない範囲で、連続的又は間けつ的
に投与することができる。しかし、その投与量は投与方
法、患者、又は被処理動物の状況例えば年齢、体重、性
別、感受性、食餌、投与時間、投与方法、併用する薬
剤、患者又はその病気の程度に応じて適宣に変えて投与
することはもちろんである。本発明化合物の通常の投与
量は、抗腫瘍剤として用いる場合に、アドリアマイシン
と同程度の投与量とすることができ、1日1回当り0.3m
g/kg乃至2.5mg/kgの範囲であることができる。一定の条
件の下における適量と投与回数は、上記の指針を基とし
て専門医の適量決定試験によつて決定されなければなら
ない。これらの投与条件は、経口投与においても同様に
考慮される。
また、本発明による一般式(I)の化合物はグラム陽
性菌に対して抗菌性を示し、グラム陽性菌に由来する疾
病治療剤として上記剤型及び投与量にて投与することが
できる。その他投与回数、剤型等は当業者であればすべ
て上記に述べたと同じような注意をもつて決定すること
ができる。
次に、本発明による一般式(I)の化合物の製造につ
いて説明する。
本発明による一般式(I)の化合物のうち、式(I)
におけるR1が水素原子である場合の式(I a)の化合
物、即ち7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−
α−L−マンノピラノシル)ダウノマイシノン又は7−
o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マン
ノピラノシル(−4−デメトキシ ダウノマイシノン
は、後記の式(II)で示されるダウノマイシノン又は4
−デメトキシダウノマイシノンの7位水酸基を後記の式
(III)で示される糖化合物、すなわち2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル・ハライド
と反応させて、その反応生成物がその中に残留するヒド
ロキシル保護基を含む場合には、このヒドロキシル保護
基を脱離して合成できる。
従つて、第3の本発明によると、次式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子である〕で示され
るダウノマイシノン又は4−デメトキシダウノマイシノ
ンを、一般式 〔式中、Xは臭素、塩素又は沃素原子であり、Yは水素
原子又はヒドロキシル保護基である〕で示される2,6−
ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル
・ハライド又はその保護誘導体と縮合させて次式 〔式中、R2、Yは前記の意味をもつ〕の化合物を生成さ
せ、次いで式(I a−1)の化合物中に残留のヒドロキ
シル保護基(Y)が在る場合には、このヒドロキシル保
護基を常法で脱離することから成る、次の一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子である〕で示され
るダウノマイシン誘導体の製造法が提供される。
この第3の本発明による方法において、式(II)のダ
ウノマイシノン又は4−デメトキシダウノマイシノンと
式(III)の2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノース誘導体との反応は、アグリコンに糖を
グリコシド結合で縮合させる公知の技術で行い得る。
この第3の本発明の方法に従えば、式(II)の化合物
と式(III)の化合物との縮合反応は非プロトン性の有
機溶媒中で通常行ない得る。そのために使用し得る非プ
ロトン性有機溶媒には、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホ
ストリアミド、グライム、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジオキサン、ジエチルエーテル及び各種のハロゲ
ン化炭化水素たとえばジクロロメタン、クロロホルム、
ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタ
ン等がある。これらの溶媒は若千の水分を含有してもよ
いが、予め脱水しておくことが望ましい。
該縮合反応は、通常、縮合触媒として働く脱ハロゲン
化水素剤、例えばトリエチルアミンの如き第3級アルキ
ルアミン及びジメチルアニリン等の第3級アミン、酸化
銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、炭酸銀、酸化水
銀、臭化水銀又はシアン化水銀の存在下で行うことが望
ましい。
かかる脱ハロゲン化水素剤の使用量は、一般に、式
(III)の化合物1モルに対して、少なくとも1モル、
好ましく2.5〜4.0モルの量で使用できる。
また、式(III)の化合物の使用量は、式(II)の化
合物1モルに対して、1モル又はこれよりやや過剰量た
とえば1.5モルであるのが望ましい。
反応温度は、特に制限されないが、一般的には、使用
溶媒の凝固点乃至80℃の範囲内であり、室温付近の温度
で反応を実施できる。式(II)の化合物と式(III)の
化合物との縮合反応は、前記のハロゲン化炭化水素の如
き非プロトン性有機溶媒中で無水条件下で縮合触媒、例
えば酸化第2水銀及び臭化第2水銀を使用し、さらに脱
水剤としてのモレキュラーシーブの存在下に行うことが
好ましい。反応液から式(I a−1)の反応生成物は常
法で回収できる。回収された式(I a−1)の反応生成
物はシリカゲル・カラムクロマトグラフイーで展開溶媒
としてトルエン−酢酸エチル混合物又はその他の溶媒系
を用いて精製できる。
第3の本発明の方法で用いた式(III)の糖化合物の
マンノース部分の3位及び4位のヒドロキシル基がヒド
ロキシル保護基(Y)で閉塞されている場合には、生成
された式(I a−1)の縮合生成物中にヒドキシル保護
基(Y)が残留する。従つて、ヒドロキシル保護基
(Y)を常法で脱離すると、式(I a)の目的化合物が
生成される。
式(III)の糖化合物中のヒドロキシル保護基(Y)
は、公知のアシル基、例えばアセチル基又はベンゾイル
基であることができる。上記の如きヒドロキシル保護基
は、酸あるいはアルカリによる加水分解反応で脱離でき
る。この酸としてはギ酸、トリフロロ酢酸等の低級脂肪
酸、又は塩酸、硫酸、等の無機酸を使用でき、またアル
カリとしてはNaOH、KOH、Ba(OH)等が使用できる。
この脱保護反応に用いる溶媒は水、アルコールであるこ
とができ、またDMF、DMSO、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等の非プロトン性溶媒と水又はアルコールとの混
合溶媒であることができる。通常は含水アルコールが用
いられる。反応温度は0〜100℃、通常は0〜50℃で行
う。
こうして得られる式(I a)の化合物は赤色固体であ
り、クロロホルム−ヘキサンの如き有機溶媒混合物から
の再沈澱又は再結晶によつて精製できる。
第3の本発明の方法で用いられる式(III)の糖化合
物のうち、後記の式(j)で示される3,4−ジ−o−ア
セチル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マ
ンノピラノシル・ブロマイド(式(III)においてY=
アセチル基、X=Br)は、後記の式(f)の既知化合物
のジ−o−アセチル−6−デオキシ−L−グルコールか
ら出発して、後記の式(i)の1,3,4−トリ−o−アセ
チル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−及び−β
−L−マンノピラノースを経て下記の反応チヤートに従
つて調製できる。
但し上記の反応チヤートでAcはアセチル基を示す。上
記の式(f)の化合物から式(j)の化合物を作る一連
の反応段階の詳細は、後記の参考例1、(1)〜(3)
項に記載される。なお、式(i)のトリ−o−アセチル
化合物を、ハロゲン化チタン、例えば四臭化チタン、四
塩化チタン又は四沃化チタンと室温又は加熱下に無水条
件下で不反応性の有機溶媒、例えばジクロロメタン及び
酢酸エチル、又はこれらの混合溶媒中で反応させ、又は
酢酸中に溶解した臭化水素又は塩化水素又は沃化水素と
反応させると、一般に、次式 〔式中、Acはアセチル基であり、Xは、臭素、塩素又は
沃素原子である〕のハライド化合物が生成される。さら
に式(k)の化合物を不反応性の溶媒中で例えば臭化水
素水溶液で処理すると、次式 〔式中、Xは上記の意味をもつ〕の2,6−ジデオキシ−
2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル・ハライドが
得られる。また式(III′)の化合物の3位及び4位の
ヒドロキシル基を一般にアシル型のヒドロキシル保護基
(Y)で保護するために、式(III′)の化合物を無水
酢酸又は他の低級アルカン酸の無水物又は塩化物、ある
いは芳香族カルボン酸例えば安息香酸の無水物又は塩化
物と反応させると、アシル型のヒドロキシ保護基(Y)
を有する場合の式(III)の化合物が調製できる。
更に、第1の本発明による式(I)の化合物のうち、
式(I)におけるR1がヒドロキシル基である場合の式
(I b)の化合物、即ち7−o−(2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)アドリアマイ
シノン又は−4−デメトキシアトリアマイシノンは、第
3の本発明の方法で中間体として得られた式(I a−
1)の化合物或いは最終生成物として得た式(I a)の
化合物の14位のメチル基をハロメチル基に転化し、次に
このハロメチル基を加水分解によりヒドロキシルメチル
基(−CH2OH)に転化し、その後、その転化生成物に残
留するヒドロキシル保護基がある場合は、ヒドロキシル
保護基を脱離して合成できる。但し、上記のハロメチル
基の加水分解に当つては、糖部分のヒドロキシル基は保
護しておくことは必ずしも必要でない。
従つて、第4の本発明によると、次式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、Wは臭
素、塩素又は沃素原子である〕で示される7−o−(2,
6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノ
シル)−14−ハロ−ダウノマイシノン又は、−14−ハロ
−4−デメトキシダウノマイシノンのハロメチル基(−
CH2−W)を加水分解することから成る、次の一般式 〔式中、R2は前記の意味をもつ〕で示されるアドリアマ
イシン誘導体の製造法が提供される。
第4の本発明の方法において、式(I d)の化合物の1
4位のハロメチル基(−CH2−W)の加水分解は、次の手
法で実施できる。すなわち、式(I d)の化合物をギ酸
ナトリウム又はギ酸リチウムと反応させ、次いで、副反
応としてホルミルオキシ基が導入された場合には、アン
モニア水又は重曹水で処理すると、加水分解が達成され
る(特公昭57−36919号又は米国特許第4125607号の実施
例1に示されるアルカモネ法の改変法)。式(I d)の
化合物とギ酸ナトリウム又はギ酸リチウムとの反応に用
いる溶媒としては、水、あるいはジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸アルキ
ルさらにはアセトン等のケトン類が用いられる。反応温
度は0〜50℃が望ましく、反応時間は1〜48時間が望ま
しい。式(I d)の化合物とギ酸ナトリウム又はギ酸リ
チウムとの反応により、式(I b)の化合物が生成され
る。
しかし、他方、式(I d)の化合物をギ酸ナトリウム
又はギ酸リチウムと反応させると、式(I d)の化合物
の一部からは副生物として次式 の14−o−ホルミル化合物〔式中、R2は前記の意味をも
つ〕が生成される場合がある。該化合物を例えばテトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン等
のケトン類、メタノール等のアルコール類、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシドまたはこれらより成る混合溶媒中
で重曹水又はアンモニア水を加えて0℃〜40℃で加水分
解すると、式(I b)の化合物を生成できる。
第4の本発明の方法において出発化合物として用いら
れる式(I d)の化合物のうち、Wが臭素である場合の
化合物は後記の方法で調製できる。すなわち、第3の本
発明の方法で得られた最終生成物の式(I a)の化合物
の14位メチル基を臭素で臭素化する方法で調製できる。
しかし、この臭素化に先立ち、式(I a)の化合物をメ
タノール、エタノール又はジオキサン、あるいはこれら
の混合溶媒中で0℃〜50℃の温度でオルト蟻酸メチルと
反応させて式(I a)の化合物の13位カルボニル基をジ
メチルケタール化するのが好ましい。このジメチルケタ
ール化によつて次式 の化合物が生成される。この式(VI)の化合物を0℃〜
50℃の温度でハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタ
ン、低級アルカノール、例えばメタノール、エタノー
ル、あるいはジオキサン、テトラヒドロフラン中で臭素
と反応させると、次式 の化合物が生成される。この式(VII)の化合物を臭化
水素酸で加水分解することによりジメチルケタール基を
脱保護すると、次式 の化合物が生成される。式(VII)の化合物のジメチル
ケタノール基の脱保護はアセトンで処理しても良い。
更に、式(I d)の化合物のうち、Wが塩素又は沃素
である場合の化合物は、次の方法で調製できる。すなわ
ち、式(VI)の化合物の臭素化の場合の臭素の代りに塩
素又は沃素を用いて同様の方法で反応、処理すると、塩
素化又は沃素化が行われる。
更に、本発明による一般式(I)の化合物のうち、基
R1が基−O−CO−(CH2−COOHである場合の式(I
c)の半エステル型化合物は、前記の式(I d)の化合物
を、あるいは後記の式(I e)の化合物を後記の式(I
V)の脂肪族ジカルボン酸のモノアルカリ金属塩、例え
ばモノナトリウム塩又はモノカリウム塩と反応する工程
を含む方法により製造できる。
すなわち、第5の本発明によると、次式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、Zは臭
素、塩素又は沃素原子であり、Yは水素原子又はヒドロ
キシル保護基である〕で示される7−o−(2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−
14−ハロ−ダウノマイシノン又は−14−ハロ−4−デメ
トキシダウノマイシノン誘導体を次式 A−OOC−(CH2−COOH (IV) 〔式中、Aはアルカリ金属であり、nは1〜10、好まし
くは1〜6の整数である〕の脂肪族ジカルボン酸のモノ
アルカリ金属塩と反応させ、次式 〔式中、R2、Yはnは前記の意味をもつ〕の化合物を生
成させ、次にこの式(I c−1)の化合物中に残留のヒ
ドロキシル保護基(Y)が在る場合に、該化合物からこ
のヒドロキシル保護基(Y)を常法で脱離することから
成る、次式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、nは1〜
10の整数である〕で示されるアドリアマイシンの半エス
テル誘導体の製造法が提供される。
式(IV)の脂肪族ジカルボン酸の例としては、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸及びスベリン
酸があり、またこれらの酸のモノアルカリ金属塩はモノ
ナトリウム塩又はモノカリウム塩であるのが好ましい。
第5の本発明の方法において、式(I e)の化合物と
式(IV)の化合物から縮合反応で式(I c−1)の化合
物を製造するには、0〜100℃、通常は室温付近の温度
で、5〜30時間、通常は15時間程度で、反応を行う。反
応に用いる溶媒は、アセトン、テトラヒドロフラン、メ
タノール、エタノール、DMF、DMSO、あるいはそれらと
水との混合溶媒、等が用いられる。
式(IV)で示されるジカルボン酸化合物としては、2
個のカルボキシル基のうちの正確に1個のカルボキシル
基がアルカリ金属カチオンと塩を形成しているモノアル
カリ金属塩を用い、これを式(I e)の化合物と1モル
比で反応させることが重要である。
こうして得られた式(I c−1)の化合物が残留する
ヒドロキシル保護基(Y)を含む場合には、このヒドロ
キシル保護基を常法で脱離させ、こうして式(I c)の
目的化合物を生成する。
反応液から式(I c)の反応生成物は常法で回収でき
る。回収された式(I c)の反応生成物はシリカゲル・
カラムクロマトグラフイーで展開溶媒としてクロロホル
ム−メタノール混合物又はその他の溶媒系を用いて精製
できる。式(I c)の化合物のカルボン酸基はナトリウ
ム,カリウムの如きアルカリ金属又はカルシウムの如き
アルカリ土類金属、又はその他の金属のカチオンと常法
で反応させると、式(I c)の化合物は金属塩の形にす
ることができる。
本発明による式(I c)の半エステル型化合物は、本
発明による式(I a)又は(I d)の化合物に比べて水に
対する溶解度が高いので、注射剤に製剤化するのが容易
である。
なお、式(I)の本発明の化合物のうち式(I c)の
半エステル型化合物の若干例がpH7.4のリン酸緩衝液
(0.05Mリン酸二水素カリウム(KH2PO4)を含むリン酸
二水素カリウム+水酸化ナトリウムの水溶液よりなる緩
衝液〕にとける溶解度(室温で測定)は第2表に示すと
おりである。
〔実施例〕 次に本発明を、本発明の化合物の製造を例示する実施
例1〜11と、原料化合物の調製を示す参考例1〜3につ
いて具体的に説明する。
参考例1 (1) 3,4−ジ−0−アセチル−2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−およびβ−L−マンノピラノシル・フ
ルオライド〔化合物(g)および3,4−ジ−o−アセチ
ル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−およびβ−
L−マンノピラノース〔化合物(h)〕の製造 前出の式(f)のジ−o−アセチル−6−デオキシ−
L−グルカール〔W.Roth and W,Pigman,「Methods in C
arbohydr.Chem.」,P.407−408,Academic Press Inc.N
ew York and London,(1963))〕(2.03g)をアセトニ
トリル(40ml)−水(4ml)に溶解し、室温で5%フツ
素−アルゴンガスを吹き込み(約6/6時間)弗素化を
行なつた。
反応液を濃縮して得られたシロツプをクロロホルム
(約100ml)に溶解し、重曹水、水で順次洗浄後、硫酸
ナトリウムで乾燥した。水層部をさらにクロロホルムで
抽出(約50ml×3)し、前述のクロロホルム溶液と合せ
て乾燥した。このクロロホルム溶液を濃縮後減圧乾燥し
て表題化合物を含む淡黄色シロツプと無色結晶の混合物
(2.62g)を得た。この混合物はさらに精製せずに、次
段の反応の原料に用いた。この混合物には、所期の式
(g)の化合物及び式(h)の化合物の以外に、それぞ
れの2−Fエピ体も含まれる。
(2) 1,3,4−トリ−o−アセチル−2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−α−およびβ−L−マンノピラノース
の製造 参考例1(1)で得られた化合物(h)を含む混合物
(2.62g)を酢酸(25ml)−無水酢酸(25ml)に溶解
し、氷冷後、濃硫酸(0.5ml)を加えて室温で1晩アセ
チル化反応を行なわさせた。
反応液をクロロホルム(約500ml)に溶解し、重曹
水、水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃
縮して淡黄色シロツプ(2.80g)を得た。このシロツプ
をシリカゲルカラム(ワコーゲルC−200,250g,展開系
トルエン:酢酸エチル=10:1)により精製した。式
(i)の表題化合物の混合物(α−L−体:β−L−体
の比:約8:1)を無色結晶として792mg(ジ−o−アセチ
ル−6−デオキシ−L−グルカールより収率29%)得
た。
α−L−体:− 1H−NMRスペクトル(重クロロホルム,TMS内部標準,250M
Hz): δ6.21(dd,H−1) 4.73(dt,H−2) JH−1,H−2=JH−2,H−3=2.5Hz19 F−NMRスペスクトル(重クロロホルム,CFCl3内部標
準,235MHz): δ−204.2(ddd,F−2,JF−2,H−248,JF−2,H−3 29,JF−2,H−17Hz) β−L−体:− 1H−NMRスペクトル(重クロロホルム,TMS内部標準,250M
Hz): δ5.77(d,H−),19 F−NMRスペストル(重クロロホルム,CFCl3内部標準,2
35MNz): δ−220.2(dddd,F−2,JF−2,H−252, JF−2,H−327,JF−2,H−119, JF−2,H−42Hz) (3) 3,4−ジ−o−アセチル−2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−L−マンノピラノシル・ブロマイドの
製造 前項(2)で得られた1,3,4−トリ−o−アセチル−
2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−およびβ−L−
マンノピラノースの結晶(300mg)を酢酸−無水酢酸
(1:1.3ml)に溶解し、30%臭化水素−酢酸溶液(6ml)
を加え、室温で1時間反応させて臭素化を行なつた。
反応液をクロロホルム(100ml)に溶解後、重曹水,
水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。表題化合物が無色シロツプとして310mg(97%)得
られた。1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム,TMS内部標準, 250MHz): δ6.40(dd,H−1) 4.97(ddd,H−2) 5.60(ddd,H−3)19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム,CFCl3内部標準,2
35MHz): δ−181.6(dddt,F−2,JF−2,H−250, JF−2,H−927,JF−2,H−110, JF−2,H−4=JF−2,H−51Hz) 実施例 (イ) 7−o−(3,4−ジ−o−アセチル−2,6−ジデ
オキシ−2−フロオロα−L−マンノピラノシル)ダウ
ノマイシノンの製造 ダウノマイシノン(32.0mg)を3,4−ジ−o−アセチ
ル−2,6−ジデオキ−2−フルオロ−α−L−マンノピ
ラノシル・ブロマイド(37.0mg,1.5モル当量)と無水ジ
クロロメタン(8ml)中,酸化第二水銀(81.0mg,4.7モ
ル当量),臭化第二水銀(23.0mg,0.8モル当量)および
モレキュラーシーブ3A(150mg)の存在下に室温で1晩
撹拌して縮合反応を行なつた。
反応混合物中の固体を別し、この固体のクロロホル
ム洗液を液と合せ、ヨウ化カリウウ水溶液,重曹水,
水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し
た。こうして得られた固体(70.3mg)をシリカゲルカラ
ム(ワコーゲルC−300,5g,展開系クロロホルム:アセ
トン=20:1)により精製した。表題化合物を赤色固体と
して35.6mg(ダウノマイシノンより収率71%)得た。ま
た、ダウノマイシノン3.2mg(10%)を回収した。
▲〔α〕24 D▼+232゜(c0.1,クロロホルム) mp.137−141℃1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム,TMS内部標準,250M
Hz): δ5.53(dd,H−1′) 4.78(dt,H−2′) 4.6(s,4位のOCH3) 2.43(s,14位の3H)19 H−NMRスペクトル(重クロロホルム,CFCl3内部標準,2
35MHz): δ−204.9(F−2′,JF−2′,H−1′8Hz) (ロ) 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−
α−L−マンノピラノシル)ダウノマイシノンの製造 前項(イ)で得られた7−o−(3,4−ジ−o−アセ
チル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マン
ノピラノシル)ダウノマイシノン(96.0mg)を氷冷した
0.2M水酸化ナトリウム水溶液(9.6ml)中に懸濁させ、
同温度で2時間撹拌して脱アセチル化反応(脱保護)を
行なつた。
得られた紫色均一溶液中に1M塩酸(1.5ml)を加えてp
H3〜4とした後、食塩(2.1g)を加え、クロロホルムに
て抽出した(20ml×4)。さらにクロロホルム層を飽和
食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。表題化合物が赤色固体として73.6mg(86%)得られ
た。
▲〔α〕24 D▼+164゜(c0.1,クロロホルム)1 H−NMRスペクトル(重クロロホルム,TMS内部標準,250M
Hz): δ5.53(dd,H−1′) 4.66(dt,H−2′) 4.06(s,4位のOCH3) 2.39(s,14位の3H)19 F−NMRスペクトル(重クロロホルム,CFCl3内部標準,2
35MHz): δ−205.2(F−2′,JF−2′,H−1′8Hz)13 C−NMRスペクトル(重ピリジン,TMS内部標準,62.9MH
z): δ102.0(C−1′,JC−1′,F−2′30.4Hz) 91.9(C−2′,JC−2′,F−2′174.2Hz) 24.5(C−14) 実施例2 (イ) 7−o−(3,4−ジ−o−アセチル−2,6−ジデ
オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−
4−デメトキシダウノマイシノンの製造 4−デメトキシダウノマイシノン(53.3mg)および実
施例1で用いた3,4−ジ−o−アセチル−2,6−ジデオキ
シ−2−フルオ−α−L−マンノピラノシル・ブロマイ
ド(66.6mg)を出発物質として、実施例1(イ)と同様
の操作により縮合及び精製を行なつた。表題化合物が橙
色固体として63.6mg(4−デメトキシダウノマイシノン
より73%)得られた。
▲〔α〕24 D▼+158゜(c0.1,クロロホルム) (ロ) 4−デメトキシ−7−a−(2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)ダウノマ
イノシンの製造 7−o−(3,4−ジ−o−アセチル−2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−4−デ
メトキシダウノマイシノン(103mg)を実施例1(ロ)
と同様の操作による脱アセチル化した。表題化合物を橙
色固体として75.6mg(83%)得た。
▲〔α〕24 D▼+107゜(c0.1,クロロホルム) 参考例2 (イ) 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−
α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ−ダウノマイ
シノンの製造 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L
−マンノピラノシル)ダウノマイシノン(50.0mg)を無
水メタノール(1mg)−無水ジオキサン(2ml)に溶解
し、オルトギ酸メチル(66.0mg,7モル当量)を加えた。
反応混合物を氷冷下撹拌しつつ、臭素(28.0mg)の無水
ジクロロメタン(0.28ml)溶液を加え、同じく氷冷下で
30分撹拌し、さらに室温で1晩反応させた。これによ
り、13位のカルボニル基のジメチルケタール化および14
位のメチル基の臭素化が行なわれた。
反応液を濃縮して得られた固体をアセトン(5ml)に
溶解し、室温で30分放置した。これにより、13位のジメ
チルケタール基の脱離を行なつた。
反応液を濃縮して得られた固体をイソプロピルエーテ
ルで洗浄し、減圧乾燥して表題化合物を主成分とする赤
色固体を57.0mg得た。この固体はさらに精製することな
く次の実施例3の反応に用いた。
実施例3 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノンの製造 参考例2で得られた7−o−(2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ
−ダウノマイシノン(57.0mg)および蟻酸ナトリウム
(85.0mg)をアセトン−水(4:1,5ml)中、室温で1晩
激しく撹拌した。これにより加水分解が行われた。
反応液を濃縮して得られた赤色固体を水洗し、減圧乾
燥した。こうして得られた赤色固体は表題化合物の他、
小量の14−o−ホルミル体を含んでいたので、クロロホ
ルム−メタノール(1:1,5ml)に溶解して、氷冷下に1M
アンモニア水(0.2ml)を加え、同温度で10分間反応さ
せた(14−o−ホルミル基の脱離)。反応液中にクロロ
ホルム(5ml)−水(5ml)を加え、よくふりまぜた後ク
ロロホルム層を回収し、さらに水層部をクロロホルム抽
出した(5ml×5)、クロロホルム層を合せて20%食塩
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮して得ら
れた固体を分取薄層クロマトグラフイー(クロロホルム
−メタノール,10:1)により精製した。表題化合物が赤
色固体として26.4mg(51%)得られた。
▲〔α〕24 D▼+110゜(c0.1,クロロホルム) mp.120−123℃1 H−NMRスペクトル(重ピリジン,TMS内部標準,250MH
z): δ5.94(dd,H−1′) 5.34(dt,H−2′) 3.96(s,4位のOCH3) 5.32(14位のCH219 F−NMRスペクトル(重ピリジン,CFCl3内部標準,235MH
z): δ−201.2(ddd,F−2′JF−2′,H−1′8.5Hz)13 C−NMRスペクトル(重ピリジン,TMS内部標準,62.9MH
z): δ102.0(C−1′JC−1′,F−2′30.5Hz) 91.9(C−2′JC−2′,F−2′174.3Hz) 65.5(C−14) 参考例3 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)−14−ブロモ−4−デメトキシ−ダ
ウノマイシノンの製造 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L
−マンノピラノシル)−4−デメトキシダウノマイシノ
ン(53.4mg)を参考例2と同様の反応及び操作により14
−臭素化し、表題化合物を主成分とする橙色固体58.9mg
を得た。
実施例4 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)−4−デメトキシ−アドリアマイシ
ノンの製造 参考例3で得られた7−o−(2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ
−4−デメトキシ−ダウノマイシノン(66.8mg)を出発
物質として実施例3と同様の反応及び操作を行ない、14
−o−ホルミル体を経て表題化合物を橙色固体として3
2.6mg(54%)を得た。
▲〔α〕24 D▼+65゜(c0.1,クロロホルム) 実施例5 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノン 14−o−バレ
レイトの製造 実施例3で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ−
ダウノマイシノン(68.4mg)を吉草酸ナトリウム(186m
g)とアセトン−水(4:1,7.5ml)中、室温で1晩撹拌し
た。縮合反応が行われた。
反応混合物を減圧濃縮して得られた固体をクロロホル
ム−メタノール(5:1,12ml)に溶解し、水洗した。硫酸
ナトリウムで乾燥後減圧濃縮して得られた固体(77.8m
g)を分取薄層クロマトグラフイー(クロロホルム−メ
タノール,10:1)により精製した。表題化合物が赤色固
体として52.9mg(75%)得られた。
▲〔α〕24 D▼+207゜(c0.1,クロロホルム−メタノー
ル,1:1容量比) 実施例6 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノン 14−o−ヘミ
サクシネイトの製造 実施例3で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ−
ダウノマイシノン(78.7mg)をコハク酸モノナトリウム
(243mg)と反応させ、実施例5と同様の処理を行なつ
た。表題化合物が赤色固体として56.6mg(68%)得られ
た。
▲〔α〕24 D▼+64゜(c0.05,クロロホルム) 実施例7 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノン 14−o−ヘミ
グルタレイトの製造 実施例3で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ−
ダウノマイシノン(54.0mg)をグルタル酸モノナトリウ
ム(183mg)と反応させ、実施例5と同様の処理を行な
つた。表題化合物が赤色固体として46.6mg(80%)得ら
れた。
▲〔α〕24 D▼+167゜(c0.05,クロロホルム−メタノー
ル, 1:1容量比)実施例8 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノン 14−o−ヘミ
アジペイトの製造 実施例3で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−14−ブロモ−
ダウノマイシノン(64.0mg)をアジピン酸モノナトリウ
ム(237mg)と反応させ、実施例5と同様の処理を行な
つた。表題化合物が赤色固体として54.2mg(77%)得ら
れた。
▲〔α〕24 D▼+157゜(c0.08,クロロホルム−メタノー
ル,1:1容量比) 実施例9 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノン 14−o−ヘミ
ピメレイトの製造 実施例3で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)14−ブロモ−ダ
ウノマイシノン(57.0mg)をピメリン酸モノナトリウム
(227mg)と反応させ、実施例5と同様の所理を行なつ
た。表題化合物が赤色固体として46.5mg(73%)得られ
た。
▲〔α〕23 D▼+190゜(c0.1,クロロホルム−メタノー
ル,1:1容量比) 実施例10 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)アドリアマイシノン 14−o−ヘミ
スベレイトの製造 実施例3で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)14−ブロモ−ダ
ウノマイシノン(77.5mg)をスベリン酸モノナトリウム
(334mg)と反応させ、実施例5と同様の処理を行なつ
た。表題化合物が赤色固体として65.6mg(74%)得られ
た。
▲〔α〕23 D▼+142゜(c0.1,クロロホルム−メタノー
ル,1:1容量比) 実施例11 7−o−(2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−
マンノピラノシル)−4−デメトキ−アドリアマイシノ
ン14−o−ヘミピメレイトの製造 実施例4で用いた7−o−(2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−α−L−マンノピラノシル)14−ブロモ−4
−デメトキシ−ダウノマイシノン(69.0mg)をピリリン
酸モノナトリウム(288mg)と反応させ、実施例5と同
様の処理を行なつた。表題化合物が橙色固体として58.9
mg(76%)得られた。
▲〔α〕23 D▼+162゜(c0.1,クロロホルム−メタノー
ル,1:1容量比)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 泰 神奈川県横浜市戸塚区川上町412番地1 シーアイマンシヨン東戸塚512号 (72)発明者 三宅 俊昭 神奈川県横浜市港北区下田町3丁目5番 地1―207

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は水素原子又はヒドロキシル基であるか、あ
    るいは次式 (但しnは1〜10の整数を表わす)の基であり、R2はメ
    トキシ基又は水素原子である〕で示されるアンスラサイ
    クリン誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R2メトキシ基又は水素原子である〕で示される
    ダウノマシン誘導体である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子である〕で示され
    るアドリアマイシン誘導体である請求項1に記載の化合
    物。
  4. 【請求項4】一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、nは1〜
    10の整数である〕で示されるアドリアマイシン半エステ
    ル誘導体である請求項1に記載の化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子である〕で示され
    るダウノマイシノン又は4−デメトキシダウノマイシノ
    ンを、一般式 〔式中、Xは臭素、塩素又は沃素原子であり、Yは水素
    原子又はヒドロキシル保護基である〕で示される2,6−
    ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル
    ・ハライド又はその保護誘導体と縮合させて次式 〔式中、R2、Yは前記の意味をもつ〕の化合物を生成さ
    せ、次いで式(I a−1)の化合物中に残留のヒドロキ
    シル保護基(Y)が在る場合には、このヒドロキシル保
    護基を常法で脱離することから成る、次の一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子である〕で示され
    るダウノマイシン誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】次の一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、Wは臭
    素、塩素又は沃素原子である〕で示される7−o−(2,
    6−ジデオキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノ
    シル)−14−ハロ−ダウノマイシノン又は−14−ハロ−
    4−デメトキシダウノマイシノンのハロメチル基(−CH
    2−W)を加水分解することから成る、次の一般式 〔式中、R2は前記の意味をもつ〕で示されるアドリアマ
    イシン誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】次の一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、Zは臭
    素、塩素又は沃素原子であり、Yは水素原子又はヒドロ
    キシル保護基である〕で示される7−o−(2,6−ジデ
    オキシ−2−フルオロ−α−L−マンノピラノシル)−
    14−ハロ−ダウノマイシノン又は−14−ハロ−4−デメ
    トキシダウノマイシノン誘導体を次式 A−OOC−(CH2−COOH (IV) 〔式中、Aはアルカリ金属であり、nは1〜10の整数で
    ある〕の脂肪族ジカルボン酸のモノアルカリ金属塩と反
    応させ、次式 〔式中、R2、Y及びnは前記の意味をもつ〕の化合物を
    生成させ、次にこの式(I c−1)の化合物中に残留の
    ヒドロキシル保護基(Y)が在る場合には、該化合物か
    らヒドロキシル保護基(Y)を常法で脱離することから
    成る、一般式 〔式中、R2はメトキシ基又は水素原子であり、nは1〜
    10の整数である〕示されるアドリアマイシン半エステル
    誘導体の製造法。
  8. 【請求項8】一般式 〔式中、R1は水素原子又はヒドロキシル基であるか、あ
    るいは次式 (但しNは1〜10の整数を表わす)の基であり、R2はメ
    トキシ基又は水素原子である〕で示されるアンスラサイ
    クリン誘導体又はその塩を有効成分として含有すること
    を特徴とする抗腫瘍剤。
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