JPH10175442A - 自動車用ドアウェザストリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 風切り音の発生を防止すると共に、見栄えを
向上する自動車用ドアウェザストリップを提供する。 【解決手段】 ドアウェザストリップ１０を、ドアフレ
ームの周縁に沿って敷設すると共にドアフレームに対応
するボディ側の開口縁に弾接する。開口縁の一部を構成
するフィックスウィンドウ２或いはレール部に弾接する
中空リップ１０ｂを有し、フィックスウィンドウ２或い
はレール部に対して生じる中空リップ１０ｂの段差Ｓ′
が小さくなるように、ドアフレームの肩部付近の中空リ
ップ１０ｂの断面形状を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車等の車両に
おけるサイドドアに装着される自動車用ドアウェザスト
リップに関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は、サイドメンバが所謂「モヒカ
ン」構造となっていて、フロントピラー１側部に例えば
三角形状のフィックスウィンドウ２を有する車両におけ
るサイドドア３まわりを示している。ボディに開閉自在
に取り付けられているサイドドア３に対応して、該ボデ
ィ側にはサイドドア３が閉合するようにした開口部が開
設されている。

【０００３】また、サイドドア３のドアフレーム３ａの
周縁（内側）に沿って、後述するようにドアウェザスト
リップが敷設されている。このドアウェザストリップ
は、ドアフレーム３ａに対応する点線で示したボディ側
の開口縁４に弾接するようになっている。

【０００４】図４において、上記のようにサイドドア３
のドアフレーム３ａの周縁に沿って敷設されるドアウェ
ザストリップ５は、サイドメンバ６とフィックスウィン
ドウ２の枠体２ａにそれぞれ弾接するリップ５ａ，５ｂ
を有している。なお、図４は図３のＡ−Ａ線部又はＢ−
Ｂ線部の断面構造を示している。

【０００５】このドアウェザストリップ５により、ボデ
ィ側とこれに閉合したサイドドア３の間をシールするよ
うにしている。ところが、ボディに対するサイドドア３
のドアフレーム３ａの見切り部において、ドアウェザス
トリップ５のリップ５ｂによって図示のような凹溝５ｃ
が形成される。すると、車両走行中、この凹溝５ｃまわ
りに図示のような気流Ｗが発生し、この気流Ｗによって
見切り部で風切り音が発生する場合がある。

【０００６】そこで、従来更に、図５に示すようにフィ
ックスウィンドウ２の枠体２ａに被さるように載るリッ
プ７ｂを形成したドアウェザストリップ７が知られてい
る。このドアウェザストリップ７によれば、図示のよう
にリップ７ａをサイドメンバ６に弾接させると共に、リ
ップ７ｂの先端部を枠体２ａに載せることで、凹溝５ｃ
が形成されないため風切り音の発生を防止することがで
きる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドアウェザストリップ７では、ドアフレーム３ａの建付
けバラツキによって特に図示のようなリップ７ｂの段差
Ｓが変化する。つまり建付けバラツキによって、リップ
７ｂがフィックスウィンドウ２の枠体２ａから万一浮き
上がった場合、見切り部で風切り音を発生させる原因と
なる。

【０００８】また、ドアウェザストリップ７において、
フロントピラー１側（Ａ−Ａ線部）とレール部側（ルー
フ、Ｂ−Ｂ線部）では構造を異ならせているため、その
ままでは見栄え上問題であった。

【０００９】本発明は上記の点に鑑み、風切り音の発生
を防止すると共に、見栄えを向上する自動車用ドアウェ
ザストリップを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の自動車
用ドアウェザストリップは、ドアフレームの周縁に沿っ
て敷設され、ドアフレームに対応するボディ側の開口縁
に弾接するようにしたドアウェザストリップであって、
前記開口縁の一部を構成するフィックスウィンドウに弾
接する中空リップを有することを特徴とする。

【００１１】請求項２に記載の自動車用ドアウェザスト
リップは、ドアフレームの周縁に沿って敷設され、ドア
フレームに対応するボディ側の開口縁に弾接するように
したドアウェザストリップであって、前記開口縁の一部
を構成するフィックスウィンドウ或いはレール部に弾接
する中空リップを有することを特徴とする。

【００１２】また、請求項３に記載の自動車用ドアウェ
ザストリップは、請求項１又は請求項２の構成に加え
て、前記フィックスウィンドウ或いはレール部に対して
生じる前記中空リップの段差が小さくなるように、前記
ドアフレームの肩部付近の前記中空リップの断面形状を
変化させたことを特徴とする。

【００１３】本発明によれば、ボディ側の開口縁に弾接
する中空リップを有し、この中空リップがドアフレーム
の見切り部を埋めるように開口縁にぴったりと密着す
る。また、中空リップとすることでドアフレームの建付
けバラツキ等を吸収することができ、常に高いシール効
果を得ることができる。

【００１４】本発明によれば更に、この中空リップの構
造、即ち断面形状を特にフロントピラー部からレール部
にかけての領域（ドアフレームの肩部）を変化させるこ
とにより、フィックスウィンドウとレール部に対して生
じる中空リップの段差を小さくすることができる。これ
によりドアフレームの見切り部を均一化することで、見
栄えを向上させることができる。

【００１５】以下、図１及び図２に基づき、従来例と実
質的に同一又は対応する部材には同一符号を用いて、本
発明による自動車用ドアウェザストリップの好適な実施
の形態を説明する。

【００１６】図１は、この実施形態におけるドアウェザ
ストリップ１０の断面構成を示し、図３のＡ−Ａ線部又
はＢ−Ｂ線部に対応している。本実施形態においても、
ドアウェザストリップ１０はサイドドア３のドアフレー
ム３ａの周縁に沿って敷設される。また、ドアウェザス
トリップ１０は、サイドメンバ６とフィックスウィンド
ウ２の枠体２ａにそれぞれ弾接するリップ１０ａ，１０
ｂを有している。

【００１７】特に、リップ１０ｂは中空リップとして形
成され、ボディ側の開口縁４の一部を構成するフィック
スウィンドウ２或いはルーフ側のレール部に弾接するよ
うになっている。図示のようにフロントピラー部では、
リップ１０ｂがフィックスウィンドウ２の枠体２ａに弾
接する。

【００１８】また、図２に示したようにドアフレーム３
ａの肩部付近、つまりフロントピラー部からレール部に
かけての領域において、ドアウェザストリップ１０の中
空リップ１０ｂまわりの断面形状を変化させている。即
ち、中空リップ１０ｂが弾接すべき枠体２ａ或いはレー
ル部に合わせて、図１のようにこれらに対して生じる中
空リップ１０ｂの段差Ｓ′が小さくなるように、中空リ
ップ１０ｂの断面形状を変化させるものである。

【００１９】本発明による自動車用ドアウェザストリッ
プは上記のように構成されており、次にその作用を説明
する。ドアウェザストリップ１０の一方のリップ１０ｂ
を中空リップとすることで、この中空リップ１０ｂは、
図１のように風船状に外側に適度に膨らむように弾接す
る。これにより、従来のようにドアフレーム３ａの見切
り部に凹溝が形成されることはなく、逆に見切り部を埋
めるように開口縁４（すなわち、フィックスウィンドウ
２の枠体２ａ）にぴったりと密着させることができる。
従って、風切り音の発生原因である凹溝をなくしたこと
により、風切り音の発生を有効に防ぐことができる。

【００２０】また、このように適度に膨らみを持った中
空リップ１０ｂによれば、図１のようにフィックスウィ
ンドウ２或いはレール部に弾接した際、ドアフレーム３
ａの建付けバラツキ等を有効に吸収することができる。
従って、ドアフレーム３ａに建付けバラツキが生じてい
る場合でも、常に高いシール性を確保し得ると共に、風
切り音の発生を有効に防止することができる。

【００２１】更に、中空リップ１０ｂの構造を特にボデ
ィ側のフロントピラー部からレール部にかけての領域
（即ち、ドアフレーム３ａの肩部）を変化させることに
より、段差Ｓ′を小さくすることができる。これにより
ドアフレーム３ａの見切り部全体の外観を均一化するこ
とで、フロントピラー部及びレール部全体として違和感
のない優れた見栄えを得ることができる。

【００２２】なお、上記実施形態にあっては、モヒカン
構造のサイドメンバとフィックスウィンドウを有する構
造における適用例を説明した。本発明は、そのようなサ
イドメンバを有さない場合であっても、有効に適用可能
であり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることがで
きる。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、こ
の種の構造の車両において、特にサイドドアのドアフレ
ームまわりの見栄えを向上し、すっきりとした外観を実
現することができる。また、フロントピラー付近での風
切り音の発生を有効に防止し、乗員の快適性を確保する
ことができる等の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動車用ドアウェザストリップの
実施形態における断面構成を示す図である。

【図２】本発明による自動車用ドアウェザストリップに
係るドアフレームを示す概略図である。

【図３】従来のドアウェザストリップに係るサイドドア
まわりの斜視図である。

【図４】従来のドアウェザストリップの断面構成を示す
図である。

【図５】従来の他のドアウェザストリップの断面構成を
示す図である。

【符号の説明】

１ フロントピラー ２ フィックスウィンドウ ３ サイドドア ３ａ ドアフレーム ４ 開口縁 ６ サイドメンバ １０ ドアウェザストリップ １０ａ，１０ｂ リップ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアフレームの周縁に沿って敷設され、
   ドアフレームに対応するボディ側の開口縁に弾接するよ
   うにしたドアウェザストリップであって、 前記開口縁の一部を構成するフィックスウィンドウに弾
   接する中空リップを有することを特徴とする自動車用ド
   アウェザストリップ。
2. 【請求項２】 ドアフレームの周縁に沿って敷設され、
   ドアフレームに対応するボディ側の開口縁に弾接するよ
   うにしたドアウェザストリップであって、 前記開口縁の一部を構成するフィックスウィンドウ或い
   はレール部に弾接する中空リップを有することを特徴と
   する自動車用ドアウェザストリップ。
3. 【請求項３】 前記フィックスウィンドウ或いはレール
   部に対して生じる前記中空リップの段差が小さくなるよ
   うに、前記ドアフレームの肩部付近の前記中空リップの
   断面形状を変化させたことを特徴とする請求項２に記載
   の自動車用ドアウェザストリップ。