JPH1017499A - 肝臓癌診断用乳化製剤及びその製造方法 - Google Patents

肝臓癌診断用乳化製剤及びその製造方法

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JPH1017499A
JPH1017499A JP8195594A JP19559496A JPH1017499A JP H1017499 A JPH1017499 A JP H1017499A JP 8195594 A JP8195594 A JP 8195594A JP 19559496 A JP19559496 A JP 19559496A JP H1017499 A JPH1017499 A JP H1017499A
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oil phase
particle diameter
membrane
oil
liver cancer
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JP8195594A
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English (en)
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Tadao Nakajima
忠夫 中島
Masataka Shimizu
正高 清水
Masahito Kukizaki
雅人 久木崎
Toshiaki Setoguchi
敏明 瀬戸口
Hideshi Azuma
秀史 東
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Original Assignee
MIYAZAKI PREF GOV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に癌組織に対する沈着性に優れたエマルショ
ン製剤を提供することを主な目的とする。 【解決手段】1.O/W型エマルション製剤であって、
(a)水相が塩類及び糖類の少なくとも1種の水溶液を
含み、(b)油相が油性X線造影剤を主成分とし、
(c)油相粒子の平均粒径が40〜200μmの範囲に
あり、(d)上記平均粒径の50%以下の粒径をもつ油
相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつ油相粒
子を実質的に含まず、かつ、上記平均粒径の75%から
150%の粒径をもつ油相粒子が全油相粒子の80容積
%以上であることを特徴とする肝臓癌診断用乳化製剤。 2.平均細孔径が10〜16μmである多孔質ガラス膜
を用いて油相を水相に分散させる膜乳化方法であって、
臨界圧力及び膜抵抗が実質的に存在しない条件下で、水
相を先に膜透過させた後、油相を膜透過させることを特
徴とする肝臓癌診断用乳化製剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肝臓癌診断用乳化
製剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】肝臓癌の位置及び分布状態を検査する画像
診断法として、コンピューター断層撮影(CT)、磁気
共鳴映像(MRI)、超音波検査等が利用されている。
しかし、これらの方法では、初期段階の小さな肝臓癌を
見落としたり、肝臓癌の画像と似ている肝血管腫、腺腫
等を誤って肝臓癌と診断するケースがある。また、磁気
共鳴映像或いは超音波検査による方法では、原発性肝細
胞癌と転移性癌の区別が必ずしも容易ではない。
【0003】近年、油性X線造影剤(以下「油性造影
剤」という)が原発性の肝細胞癌に対して選択的に沈着
する性質をもつことが明らかになり、この性質を利用し
て肝臓癌の診断を行おうとする試みがなされている。例
えば、右大腿動脈から肝動脈の中に挿入したカテーテル
を用い、癌の疑いのある肝臓部位に直接に油性造影剤を
注入したり、或いは油性造影剤を水溶性造影剤等に分散
させて注入する方法が採用されている。これらは、油性
造影剤粒子が癌組織に沈着した場合は、CT検査によっ
てその位置と大きさを明確に知ることができる。
【0004】しかしながら、上記のような従来方法で
は、液体の油性造影剤がそのまま肝臓内に注入される
か、或いは肝動脈の内径よりもはるかに大きくかつ不均
一な液滴の状態で油性造影剤が肝臓内に注入されるた
め、実用上いくつかの問題点がある。即ち、油性造影剤
を注入した後CT検査が可能となるには、注入した油性
造影剤のうち肝臓の正常部位にあるものが血流により流
失し、肝臓癌組織のみに油性造影剤が沈着した状態にな
る必要があるが、従来のものでは油滴の粒径がコントロ
ールされていないため、正常部位から流失する速度が極
めて遅くなる結果、CT検査による診断が可能となるま
でに少なくとも10〜20日を要することとなる。
【0005】また、肝障害の危険を避けるため、患者1
人あたりせいぜい7ml、通常は5ml以下の少量の油
性造影剤しか使用することができない。そのため、肝動
脈に対して油性造影剤を均一に分散させることができ
ず、その信頼性にも課題が残されている。
【0006】ところで、一般に採用されているO/W型
エマルションの製造方法としては、機械的方法と化学的
方法に大別される。前者の方法は、油相と水相を混合し
た後、これを攪拌機、ホモジナイザー、超音波乳化機等
を用いて強制的に油相を破壊分解してエマルションを製
造するものである。この方法では、得られるエマルショ
ンの粒径は不揃いであり、用途に応じて所望の粒径に制
御することが難しい。
【0007】後者の方法は、多量の界面活性剤を添加
し、油相/水相/界面活性剤の相平衡関係を利用してエ
マルションを製造する。この方法では、操作条件等によ
っては均一なエマルション粒子が得られる場合もある
が、多量の界面活性剤を必要とすることから医学的な用
途に適さない。
【0008】これらのエマルション製造方法に対し、粒
径が均一な単分散エマルションを得る方法として、多孔
質ガラス膜を用いる乳化方法(以下「膜乳化法」とい
う)が提案された(特開平2−95433号)。この膜
乳化法によれば、細孔径が異なる多孔質ガラス膜を利用
することによって、通常0.3〜40μmの範囲におい
て単分散W/O型エマルションを製造することができ
る。この方法によれば、膜乳化に必要な最低圧力(臨界
圧)及び油相が細孔内を透過する時の膜抵抗をモニタリ
ングし、圧力をコントロールしながら膜乳化を行うこと
ができる。
【0009】しかしながら、平均粒径40〜200μm
の非常に大きな分散油相粒子を製造しようとする場合、
細孔径10〜16μmの多孔質ガラス膜が必要である。
従って、これほど大きな細孔を有する膜では臨界圧力及
び膜抵抗が実質的に存在せず、圧力でコントロールする
ことができない。即ち、圧力でコントロールする上記方
法では、臨界圧力及び膜抵抗が実質的に存在しない条件
下で比較的大きなエマルション粒子を調製することがで
きない。しかも、上記方法では、条件によっては、自重
で分散油相が膜を透過することもあり、このような場合
には膜を介して油相と水相を膜モジュールに満たすこと
すら困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、肝臓癌を正
確に診断できるエマルション製剤を提供することを主な
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、多孔質ガラス
膜を用いて特定の方法により膜乳化を行う場合には、肝
臓癌の癌組織に対して選択的に沈着するエマルション製
剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0012】即ち、本発明は、下記の肝臓癌診断用乳化
製剤及びその製造方法に係るものである。
【0013】1.O/W型エマルション製剤であって、
(a)水相が塩類及び糖類の少なくとも1種の水溶液を
含み、(b)油相が油性X線造影剤を主成分とし、
(c)油相粒子の平均粒径が40〜200μmの範囲に
あり、(d)上記平均粒径の50%以下の粒径をもつ油
相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつ油相粒
子を実質的に含まず、かつ、上記平均粒径の75%から
150%の粒径をもつ油相粒子が全油相粒子の80容積
%以上であることを特徴とする肝臓癌診断用乳化製剤。
【0014】2.平均細孔径が10〜16μmである多
孔質ガラス膜を用いて油相を水相に分散させる膜乳化方
法であって、臨界圧力及び膜抵抗が実質的に存在しない
条件下で、水相を先に膜透過させた後、油相を膜透過さ
せることを特徴とする肝臓癌診断用乳化製剤の製造方
法。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態と
ともに説明する。
【0016】なお、本明細書中では、「単分散エマルシ
ョン」は、平均粒径の50%以下の粒径をもつ粒子及び
平均粒径の200%以上の粒径をもつ粒子を実質的に含
まず、かつ、上記平均粒径の75%から150%の粒径
をもつ粒子が全粒子の80容積%以上であるものを記
し、このような粒径分布をもたないエマルションを「多
分散エマルション」と記す。
【0017】また、本発明における臨界圧力とは、連続
相液体で満たされた多孔質ガラス膜の細孔内に対して分
散油相液体を圧入するのに必要な最小圧力を意味する。
このような臨界圧力Pc(kPa)は、下式により定義
される。
【0018】Pc=4γOWcosθ/Dm (但し、γOWは界面張力(mN/m)、θは接触角
(度)、Dmは多孔質ガラス膜の平均細孔径(μm)を
示す。) 本発明の肝臓癌診断用乳化製剤は、O/W型エマルショ
ン製剤である。即ち、油相(分散油相)と水相(連続水
相)から構成される。
【0019】油相は、油性造影剤を主成分とする。油性
造影剤としては、通常のCT検査等において用いられる
ものであれば特に制限されず、市販品も使用することが
できる。例えば、ヨウ化けし油脂肪酸エチルエステル
「Lipiodol Ultra-Fluide(ラボラトワール・ゲルベ社
製)」(以下「リピオドール」という)等を用いること
ができる。
【0020】また、油相には、本発明の効果を妨げない
限り他の成分が含まれていても良い。例えば、油性界面
活性剤、油脂類等が挙げられる。これらは、薬理的に許
容される限り特に制限されない。油脂類としては、例え
ば大豆油、オリーブ油、ゴマ油、トウモロコシ油等が挙
げられる。油性界面活性剤としては、例えばレチシン、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の市販のものも使用
することができる。特に、酸化エチレン付加40モルの
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(例えば「HCO−4
0」日光ケミカルズ(株)製)を用いる場合は、連続水
相として生理食塩水を用いる場合及び水性界面活性剤を
含む生理食塩水を用いる場合のいずれにも適用すること
ができる。油性界面活性剤の添加量は、油性造影剤の種
類等に応じて適宜設定することができるが、通常0.1
〜10重量%程度、好ましくは0.5〜2重量%とす
る。
【0021】油相粒子は、通常その平均粒径が40〜2
00μm程度、好ましくは40〜70μmの範囲にあ
る。さらに、上記平均粒径の50%以下の粒径をもつ油
相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつ油相粒
子を実質的に含まず、かつ、上記平均粒径の75%から
150%の粒径をもつ油相粒子が全油相粒子の80容積
%以上である。このような範囲に粒径を調整することに
より、特に癌組織に対して優れた沈着性を発現する。
【0022】なお、水相粒子の平均粒径の50%以下の
粒径をもつ水相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径
をもつ水相粒子は、本発明の効果を損なわない範囲内に
おいて含まれていても差し支えない。
【0023】水相は、塩類及び糖類の少なくとも1種の
水溶液を含む。これら塩類及び糖類は、薬学的に許容さ
れるものであれば特に制限されない。塩類としては、例
えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、デキストラン硫酸ナ
トリウム等のナトリウム塩、グルコン酸カルシウム等の
カルシウム塩等を用いることができる。糖類としては、
ブドウ糖、乳糖等を用いることができる。また、本発明
の効果を妨げない限り他の成分が含まれていて良い。例
えば、水性界面活性剤、その他グリセリン、D−マンニ
トール、アミノ酸等が挙げられる。水性界面活性剤は、
薬理的に許容される限り特に制限されず、例えばリゾレ
シチン、胆汁酸、酸化エチレン付加60モルのポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油(例えば「HCO−60」日光
ケミカルズ(株)製)、ブロックポリマー型非イオン界
面活性剤プルローニックF68(例えば「ポロクサマー
188」ミドリ十字(株)製)等の市販のものも使用す
ることができる。水性界面活性剤の添加量は、油相の組
成等に応じて適宜設定することができるが、通常0.1
〜10重量%程度、好ましくは0.5〜2重量%とす
る。
【0024】本発明の肝臓癌診断用乳化製剤は、多孔質
ガラス膜を用いて油相を水相に分散させる膜乳化方法に
おいて、臨界圧力及び膜抵抗が実質的に存在しない条件
下で、水相を先に膜透過させた後、油相を膜透過させる
ことにより得られる。これにより、水相と油相との接触
界面或いは膜細孔の入り口付近で自発的に生成したエマ
ルションが分散相(油相)の膜透過を阻害するようなこ
とを回避することができる。即ち、本発明では、自発的
なエマルションが生成せず、また生成したとしても分散
相の膜透過の阻害要因とならないため、高い生産性を発
揮できる。
【0025】水相及び油相は、前記本発明エマルション
製剤の水相及び油相と同様のものをそれぞれ用いること
ができる。
【0026】多孔質ガラス膜としては、公知のものが使
用でき、例えばガラスのミクロ相分離を利用して製造さ
れたものを好適に使用できる。具体的には、特許第15
04002号に開示されたCaO−B23−SiO2
Al23系多孔質ガラス、特許第1518989号及び
米国特許第4657875号に開示されたCaO−B2
3−SiO2−Al23−NaO2系多孔質ガラス、C
aO−B23−SiO2−Al23−NaO2−MgO系
多孔質ガラス、CaO−B23−SiO2−ZrO2系多
孔質ガラス等が挙げられる。
【0027】これらの多孔質ガラスの中でも、特に、相
対累積細孔分布曲線において、細孔容積が全体の10%
を占める時の細孔径を細孔容積が全体の90%を占める
時の細孔径で除した値が実質的に1から1.5までの範
囲内にあるミクロ多孔膜体を用いることが望ましい。こ
のような膜は、特に細孔が均一であり、膜乳化に適して
いる。
【0028】臨界圧力及び膜抵抗が実質的に存在しない
条件下とは、分散油相が自重で膜を透過してしまい、圧
力による調整が困難な状態を含む。なお、この状態は、
分散油相及び連続水相の組成、多孔質ガラス膜の細孔径
等によって影響される。
【0029】また、多孔質ガラス膜の平均細孔径は、用
いる油相及び水相の組成等に応じて適宜設定すれば良い
が、好ましくは10〜16μmである。
【0030】上記多孔質ガラス膜を用いて、油相を水相
に膜透過させる。この場合、本発明では、水相を先に膜
透過させた後、油相を膜透過させる。即ち、膜透過開始
時点では油相が多孔質ガラス膜に直接接触しない状態に
おき、次いで一定の速度で油相が膜透過するようにす
る。例えば、多孔質ガラス膜のモジュールが接続された
ピストン式容器において、モジュール内には少なくとも
当初は多孔質ガラス膜が油相と接触しないように予め水
相を満たしておき、次いでピストンを移動させて油相を
膜透過させる。これにより、まずモジュール内に予め存
在していた水相がモジュール外にある水相中に移動し、
モジュール内にあったすべての水相が膜透過した後に引
き続いて油相が一定の膜透過速度で透過する。
【0031】膜透過速度は、多孔質ガラス膜の細孔径等
に応じて適宜調節すれば良いが、通常は0.001〜
0.1m3・m-2・h-1程度、好ましくは0.005〜
0.05m3・m-2・h-1とする。上記速度が0.1m3
・m-2・h-1を超える場合には、膜が油相に濡れ、単分
散エマルションが得られない。また0.001m3・m
-2・h-1未満の速度では、エマルション製剤の調製に数
日を要してしまうため実用的でない。
【0032】本発明方法を図1を用いて具体的に説明す
る。本発明は、例えば図1に示すように、多孔質ガラス
膜(4)、多孔質ガラス膜のモジュール(5)、この多
孔質ガラス膜に連結されたピストン容器(2)・ピスト
ン(6)及びモジュールを浸漬できる連続相容器(3)
から構成される膜透過装置を用い、油相を水相に押し出
すことにより実施できる。最初に、油相(1)をピスト
ン容器(2)に吸引して充填する。連続相容器(3)中
に満たされた水相(7)にモジュールを浸漬し、ピスト
ンを上昇させて水相を吸引し、多孔質ガラス膜の外から
モジュール内に透過させる。図1の装置においては、吸
引は水相がピストン口付近まで上昇した時点で停止すれ
ば良い。ここでピストン容器或いはモジュール内で水相
と油相とが接触し、モジュール内部の空気は浮上してピ
ストンと油相の間に空気溜まり(9)が形成される。こ
れらの乳化準備を予めした後、ピストンを下降させる。
初めは、モジュール内部の水相が再度膜透過して連続相
容器中に放出される。引き続いて油相が膜を透過し、膜
乳化が開始される。このとき、スターラー(10)と回
転子(11)を用いて連続的に攪拌することもできる。
最終的には、膜透過した油相の量だけ連続相容器の中の
エマルションは増量する。このため、連続相容器内部の
空気が圧縮されないように連続相容器には空気逃し口を
設けたり、或いは雑菌の侵入を防ぐためにエアーフィル
ター(13)を設けることも可能である。なお、使用す
るモジュール、ピストン容器等は、すべて滅菌可能なも
の又は市販の減菌済みのものを用いることが望ましい。
【0033】本発明の肝臓癌診断用乳化製剤の使用方法
は、目的とする臓器(例えば、肝臓等)にほぼ確実に到
達させることができる限り特に制限はなく、例えば注射
剤としてそのまま又は必要に応じて他の補液(ブドウ
糖、アミノ酸等)とともに粘膜下の局所投与又は動脈内
に投与することができる。特に、動注投与による方法が
効果的であり、例えば肝臓癌の診断においては右大腿動
脈から分岐した肝動脈の中に挿入するカテーテルを通じ
て注射器等で投与することができる。また、投与する量
は、製剤の性状、患者の年齢、性別又は症状等に応じて
適宜決定すれば良い。
【0034】本発明のエマルション製剤を投与した後
は、例えばコンピューター断層撮影(CT)等の方法を
用い、本発明のエマルション製剤が沈着した部位が造影
され、これにより癌細胞の有無及び位置を診断すること
ができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果が得
られる。
【0036】(1)本発明O/W型エマルション製剤
は、特定の粒径及び組成を有するため、特に肝臓癌の癌
組織に対して優れた沈着性を発揮することができる。即
ち、癌組織に対する選択性に優れており、癌組織とそれ
以外の組織(肝血管腫、腺腫様過形等)との区別が可能
である。殊に、本発明のエマルション製剤は、原発性肝
臓癌に対する沈着性に優れており、転移性肝臓癌と識別
することも可能である。
【0037】また、他の従来方法に比して分解能にも優
れており、見落としやすい小さな癌を検出するこがもで
きる。特に、コンピューター断層撮影(CT)による場
合は、より効果的である。なお、他の方法(MRI及び
超音波検査)との比較を表1に示す。
【0038】
【表1】 このように、本発明O/W型エマルション製剤を用いる
ことにより、MRI、超音波検査等では十分な診断がで
きなかった症例に対しても的確な判断を下すことが可能
となる。
【0039】(2)本発明O/W型エマルション製剤
は、粒径が比較的大きいにも拘わらず非常に安定してお
り、長時間(6ヶ月以上)放置しても粒径分布がほとん
ど変化せず、保存性にも優れている。また、エマルショ
ンが単分散であるため、少量の油性造影剤を有効にムラ
なく分布させることができる。しかも、正常部位から油
性造影剤が流失する時間も著しく短縮できるので、肝臓
癌等の臨床診断法として実用性に優れる。
【0040】(3)本発明のエマルション製剤は、油相
中に他の油性製剤、栄養剤等を添加することにより、治
療製剤として応用することも可能であり、広い用途に適
用することが可能となる。
【0041】
【実施例】次に、実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより詳細に説明する。
【0042】実施例1 図1の膜乳化装置を使用し、細孔径10.6μmの多孔
質ガラス膜を介してリピオドール5mlを酸化エチレン
付加60モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「H
CO−60」日光ケミカルズ(株)製)0.5重量%含
有する生理食塩水15mlに分散し、平均粒径40.1
μmのO/Wエマルションを得た。
【0043】このときのスターラー回転数500rp
m、油相の膜透過速度は0.022m3・m-2・h-1で
あった。得られたエマルション製剤は、図2の光学顕微
鏡写真(スケール50μm)からも明らかなように単分
散であった。
【0044】実施例2 図1の装置の注射器内の圧力が測定できるように圧力計
を装着し、膜透過速度が分散油相圧力及び乳化製剤の単
分散性に及ぼす効果について調べた。実施例1の条件で
得られた結果を図3に示す。エマルションが単分散の場
合は白色、多分散である場合は黒色で示した。単分散エ
マルションは、上記のように平均粒径の50%以下の小
さな粒子及び200%以上の大きな粒子を実質的に含ま
ず、平均粒径の75%から150%の間に全粒子の80
容積%以上が存在するエマルションを意味し、この範囲
を超える粒径が不均一なエマルションは多分散エマルシ
ョンであった。
【0045】膜透過速度は0.08m3・m-2・h-1
(14)の場合、膜乳化直後は単分散o/w型エマルシ
ョンは得られたが、圧力が上昇し、8kPaを超えたと
ころで膜表面が油相に濡れ、エマルションは多分散にな
った。同様に、膜透過速度は0.033m3・m-2・h-
1(15)の場合も、エマルションは多分散化したが、
単分散から多分散に移行する時間が延びた。一方、膜透
過速度を0.022m3・m-2・h-1(16)まで低下
させた場合は、圧力の上昇はみられず、長時間にわたっ
て単分散O/W型エマルションは得られた。
【0046】単分散O/W型エマルションと多分散O/
W型エマルションの粒径分布を図4に比較して示す。実
線は、膜透過速度0.022m3・m-2・h-1で30分
後に得られた単分散エマルション製剤(17)、破線は
膜透過速度0.08m3・m-2・h-1で30分後に得ら
れた多分散エマルション製剤(18)をそれぞれ示す。
【0047】なお、粒径分布は、レーザー回折/散乱式
粒度分布計(「SALD−2000」島津製作所製)に
より測定し、相対容積で表した。
【0048】実施例3 実施例1で得られた乳化製剤を用い、肝臓癌が疑われ、
他の方法では判断できなかった6人の患者に対して臨床
試験を実施した。
【0049】その結果を表2に示す。また、リピオドー
ル粒子が癌組織(矢印)に沈着したことを示すCT写真
を図5に示す。
【0050】
【表2】 リピオドール粒子が良く沈着した3人はいずれも肝細胞
癌であり、沈着しなかった残り3人は肝細胞癌と間違わ
れやすい血管腫2例と腺腫様過形成1例であった。
【0051】血管腫は良性の腫瘍であり、大きくない場
合は治療対象とならない。また、腺腫様過形成は肝硬変
を起こした肝臓の中でしばしば見られる結節であり、こ
れも治療対象とならない。このように、本発明の乳化製
剤を投与し、リピオドール粒子が良く沈着するか否かで
肝臓癌の診断が比較的容易かつ確実にできることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明製剤の製造方法の一例を示す概念図であ
る。
【図2】本発明製剤の粒子構造を示す図である。
【図3】分散油相の膜透過速度と圧力及びエマルション
の単分散性との関係を示す図である。
【図4】単分散O/W型エマルション製剤と多分散エマ
ルション製剤の粒径分布の比較を示す図である。
【図5】リピオドールが沈着した状態における肝臓癌組
織における生物の形態を示す図である。
【符号の説明】 1 分散油相 2 ピストン 3 連続相容器 4 多孔質ガラス膜 5 モジュール 6 ピストン 7 連続水相 8 ピストン容器口 9 空気溜まり 10 スターラー 11 回転子 12 パルスモーター 13 エアーフィルター 14 透過速度0.08m3・m-2・h-1における圧力
と単分散性との関係 15 透過速度0.033m3・m-2・h-1における圧
力と単分散性との関係 16 透過速度0.022m3・m-2・h-1における圧
力と単分散性との関係 17 単分散O/W型エマルション製剤の粒径分布 18 多分散O/W型エマルション製剤の粒径分布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 正高 宮崎県宮崎市大字島之内11074 (72)発明者 久木崎 雅人 宮崎県宮崎市大字小松1941の20 (72)発明者 瀬戸口 敏明 宮崎県宮崎郡清武町大字木原5840の6 (72)発明者 東 秀史 宮崎県宮崎市大字郡司分丙9823の5

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】O/W型エマルション製剤であって、
    (a)水相が塩類及び糖類の少なくとも1種の水溶液を
    含み、(b)油相が油性X線造影剤を主成分とし、
    (c)油相粒子の平均粒径が40〜200μmの範囲に
    あり、(d)上記平均粒径の50%以下の粒径をもつ油
    相粒子及び平均粒径の200%以上の粒径をもつ油相粒
    子を実質的に含まず、かつ、上記平均粒径の75%から
    150%の粒径をもつ油相粒子が全油相粒子の80容積
    %以上であることを特徴とする肝臓癌診断用乳化製剤。
  2. 【請求項2】水相が、さらに水性界面活性剤を含む請求
    項1記載の肝臓癌診断用乳化製剤。
  3. 【請求項3】油相が、さらに油性界面活性剤を含む請求
    項1又は2に記載の肝臓癌診断用乳化製剤。
  4. 【請求項4】平均細孔径が10〜16μmである多孔質
    ガラス膜を用いて油相を水相に分散させる膜乳化方法で
    あって、臨界圧力及び膜抵抗が実質的に存在しない条件
    下で、水相を先に膜透過させた後、油相を膜透過させる
    ことを特徴とする肝臓癌診断用乳化製剤の製造方法。
  5. 【請求項5】油相を0.001〜0.1m3・m-2・h
    -1の速度で膜透過させる請求項4記載の製造方法。
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