JPH036126B2 - - Google Patents

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JPH036126B2
JPH036126B2 JP57049922A JP4992282A JPH036126B2 JP H036126 B2 JPH036126 B2 JP H036126B2 JP 57049922 A JP57049922 A JP 57049922A JP 4992282 A JP4992282 A JP 4992282A JP H036126 B2 JPH036126 B2 JP H036126B2
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JP
Japan
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soybean oil
oil
contrast agent
emulsion
water
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JP57049922A
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JPS58167524A (ja
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Yutaka Yoshida
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GREEN CROSS CORP
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GREEN CROSS CORP
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、脂肪乳剤の新規用途に関する。さら
に詳しくは、脂肪乳剤からなるX線診断用の陰性
造影剤に関する。 X線像は、身体を構成する物質(厚さなど)の
X線吸収差を利用してできる影像であり、肺のご
とく空気・水・石灰といつた吸収差の大きい場合
にはいわゆる単純撮影でよく診断されるが、腹部
諸臓器のごとく周囲組織とのX線吸収差が少ない
場合にあつてはX線像として見分けにくい、その
ためX線吸収の大きい物質(陽性造影剤)または
逆にX線吸収の少ない物質(陰性造影剤)を注
入、注射、内服することによつて周囲とのコント
ラストをつけることが行われている。 陰性造影剤としては、従来空気、酸素、炭素ガ
ス、ちつ素などがあり、後腹膜、縦隔、脳室造影
などに用いられている。しかし、これらは用法、
用量などにおいてきわめて制限の多いものであ
る。 一方、医療における総合画像診断において、X
線CT(Computed Tomography)占める役割は
大きく、最近ではある程度の質的診断まで行える
ようになつている。CH診断における画像情報を
得るためには通常、陽性造影剤が広く用いられて
いる。しかし、この陽性造影剤だけでは、満足す
べき情報を得られないのが現状である。そのため
陰性造影剤との併用が有用と考えられる。ところ
が、従来の陰性造影剤ではその診断部位によつて
必ずしも満足すべき結果が得られない。一例とし
て、従来一部に用いられているオリーブ油は、膀
胱内、一部の大腸等に使用部位が限定されてお
り、しかも必ずしも満足すべき結果が得られな
い。 以上のような観点から本発明者らは、新規な陰
性造影剤の開発にとりくみ、従来、医療用の栄養
輸液として繁用されている脂肪乳剤が、驚ろくべ
きことに有用な陰性造影剤となりうることを見い
出し、本発明を完成した。 本発明は、脂肪乳剤からなるX線診断用陰性造
影剤に関する。 本発明に関して脂肪乳剤用の油成分として、た
とえば大豆油、綿実油、ごま油、サフラワー油、
コーン油、ピーナツツ油、オリーブ油のような植
物油が用いられ、好適には大豆油が用いられる。
当該大豆油は、好適には精製大豆油、就中トリグ
リセリド、ジグリセリド及び/又はモノグリセリ
ド99.9%以上含有の高純度精製大豆油である。か
かる高純度精製大豆油は、精製大豆油を、たとえ
ば水蒸気蒸留法〔H.J.Lipe,J.Am.Oil Chemist.
Soc.,27,422〜423(1950)〕にてさらに精製する
ことによつて調製される。 当該油成分は通常、乳化剤を使用して乳化され
る。乳化剤としては非イオン性界面活性剤、リン
脂質、レシチン、水素添加レシチン等がもちいら
れる。これは大豆油、卵黄等の植物油、動物油な
どその由来を限らない。非イオン性界面活性剤と
しては、分子量2000〜20000の高分子系のものが
好適であり、例えば、ポリオキシエチレン、ポリ
オキシプロピレンコポリマー、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリルエーテルなどが用いられる。乳化剤は、
単独で使用してもよく、また適宜混合使用しても
よい。また、本発明で使用される乳剤には、さら
に既知の炭素数6〜22の脂肪酸、その塩(ナトリ
ウム塩、カリウム塩など)、多価アルコール等を
所望により少量添加してもよい。 本発明に関する脂肪乳剤は、一般に水中油型脂
肪乳剤であり、その粒子径は1μ以下であること
が好ましい。 かかる脂肪乳剤は、既知の方法ないしはこれに
準ずる方法によつて製造される。即ち、たとえば
油成分5〜50%(W/V)、好ましくは8〜30%
(W/V)、油成分100に対する重量比が1〜50(好
ましくは5〜30)の乳化剤、適量の水〔ただし、
油成分/水(重量比)は0.05〜0.43好ましくは8
〜30%(W/V)である〕を混合、乳化して製造
される。 乳化は、具体的にはたとえば次の如くして行わ
れる。即ち、まず各々所要量の油成分、乳化剤、
要すれば補助安定化剤を混合し、これを30〜80℃
に加温溶解めしめ、ホモミキサー、加圧噴射型ホ
モジナイザー、超音波ホモジナイザー等で均質化
処理し、次いでこれに所要量の水を加え再び上記
ホモジナイザーで均質化をおこなう。かくして、
平均粒子径1.0μ以下のきわめて微細で安定な乳剤
が製造される〔J.Am.Oil.Chem.Soc.,32,365〜
370(1950)参照〕。粒子径の測定は、横山らによ
る遠心沈降法に準じた方法〔Chem.Pharm.Bull.,
22(12)2966−2971(1974)〕によつた。 〔造影剤としての有効性に関する実験〕 ○イ 各薬剤についての映像濃度(コントラスト)、
CT値について、CT標準フアントームによる実
験を行つた。 CT装置として、第3世代全身用CTスキヤナ
ー(東芝TCT60A)を使用し、撮影条件は
140KVP,28mA,9秒にて実施した。 得られたCT値は、DECコンピユータを用
い、320×320マトリツクスの25点を平均化して
1点として64×64マトリツクスを作成し、対象
部位を囲んで集計する関心領域(ROL:
Region of Interest)による平均値を出した。 フアントーム実験として、10%大豆油、20%
大豆油、30%大豆油の乳剤ならびにコントロー
ルとして、日本薬局方オリーブ油、0.5%ガス
トログラフイン、血液及び水の各薬剤(試剤)
を調製し、これらをアクリル樹脂製の水フアン
トーム内に入れ、まずCT値の測定を行つた。 ここにCT値は、Haunsfield〔Brit.J.Radiol,
46;1016〜1022(1973)〕により、物質のX線吸
収値を水を0とし、陽性側として骨を+1000、
陰性側として空気を−1000として表わしたもの
であり、Haunsfield Unit(HU)として示され
る。 実験の結果各試剤のCT値は、10%大豆油乳
剤,−10.7HU、20%大豆油乳剤,−22.0HU、30
%大豆油乳剤,−41.5HUであり、コントロール
群では、日本薬局方オリーブ油,−121.3HU、
0.5%ガストログラフイン,110HU、血液,
52.0HU及び水,0HUであつた。 更に、各試剤について試剤容器壁の描出能に
ついて検討を行つた。その結果は第1図に示す
通りであり、図中の斜線部及び破線部は陰性影
を表す。第1図において、1は10%大豆油乳
剤、2は20%大豆油乳剤、3は30%大豆油乳
剤、4は血液、5は日本薬局方オリーブ油、6
は0.5%ガストログラフイン、7は水を示し、
8a〜8fはそれぞれアクリル樹脂製試剤容器
壁を示す。第1図から明らかなように水並びに
10%、20%及び30%大豆油乳剤においては正し
く容器壁の厚みが描出されたのに対し、陽性造
影剤である0.5%ガストログラフインでは、壁
の描出は非常にうすく又不明瞭であり、日本薬
局方オリーブ油では、壁の描出が正常なものよ
りうすくあらわれていた。 このことは、+あるいは−の高いCT値を有す
る造影剤に接する壁は、その正常な状態を描出
されにくく、一方−10〜−50のCT値の造影剤
に接する壁では正しく描出されることを示して
いる。この現象は、一般にPartial Volume
Phe−nomenaといわれ、この結果からも陰性
造影剤においてもCT値が極端に高い(−値)
ことは好ましいことではなく、−10〜−50のCT
値の造影剤が好適といえる。 なお第1図からも明らかなようにコントロー
ルとして使用した水は壁の描出が不鮮明で、シ
ヤープさに欠け、コントラストも低く画像が不
明瞭なことから造影剤として不適当である。 以上のことから、本発明に関する脂肪乳剤
は、そのCT値が水より低値を示すことからX
線診断用陰性造影剤として使用しうるものであ
ること、さらに、第1図においても極めて鮮明
かつ正確に容器壁を描出していることから顕著
な造影能を有するものであることが明らかであ
る。 ○ロ 次に20%大豆油乳剤を用いて、胃壁部の画像
診断の臨床実験をおこなつた。コントロールと
して陽性造影剤であるガストログラフイン1%
濃度のものを用い各試剤の300mlを経口投与し
た。CT診断のおこない、その結果を第2A図
(写真)、第2B図(第2A図の説明図)、第3
A図(写真)及び第3B図(第3A図の説明
図)として示した。而して、コントロールでは
胃壁部が不鮮明であつた(第3A図)ものが本
発明造影剤では、胃壁部が鮮明な画像(第2A
図)として得られ、かつ胃壁の厚さが正確に描
出された、又、他臓器のartifact等の影響も本
発明造影剤は与えていなかつた。 なお、第2B図及び第3B図において9,
9′は胃を、10は胃壁を、11,11′は肝臓
を、12,12′は大動脈を示す。 〔毒性・投与方法・投与量〕 本発明造影剤の10%大豆油乳剤、20%大豆油乳
剤および30%大豆油乳剤の300〜400mlを経口剤と
して投与し副作用を観察した。 被検者の反応は、他の造影剤等に比較して、飲
み易く下痢等の副作用はほとんどみられないとい
うものであつた。また、胃内からの流出状態は一
般的に繁用されている硫酸バリウム等と大差な
く、経口投与後仰臥位にてScanする場合、流出
量は少なく滞留時間は長かつた。一方、腹臥位ま
たは右側臥位にてScanする場合は、流出量が多
くなり十二脂腸は良好に描出され、すい臓部の同
定にも有用であつた。 本発明造影剤の投与形態としては経口投与なら
びに注腸投与が主であるが、その他に膀胱内や他
の体腔内投与が可能である。投与量は、5%〜50
%の脂肪乳剤として10〜1500mlで十分である。 〔効果〕 かくして提供された本発明造影剤は、X線診断
用陰性造影剤として優れており、経口剤として服
用しやすく、副作用が殆んどみられないことか
ら、消化器系を中心に他の管空内にも用いられ、
造影剤としてきわめて有用である。特に胃、大
腸、膵臓ならびに膀胱などの腫瘍性疾患の診断な
らびに侵潤範囲の決定などに役立つと考えられ
る。又、陽性造影剤と比較して界面部からの
artifactが少なく良好な画質が得られ有用であつ
た。 以下に本発明製剤の実施例を示す。 実施例 1 精製大豆油20.2g、精製卵黄リン脂質2.4g、
オレイン酸ナトリウム0.05gを加え、65〜75℃に
加温し、ホモミキサーにより溶解均質化する。次
いで、これに5.0gのグリセリン、注射用蒸留水
173mlを加え、マントン−ガウリン型ホモジナイ
ザを用い1段目120Kg/cm2で1回通過、500Kg/cm2
の加圧下で10回通過させ乳化する。平均粒子径
0.1〜0.3μの粒子からなり、粒子径1μをこえる粒
子がない乳剤を得た。 実施例 2 大豆油の代りに精製サフラワー油20.0g、卵黄
リン脂質の代りに水素添加レシチン2.4gを加え
る以外実施例1と同様に処理し、脂肪乳剤を得
た。 実施例 3 大豆油の代りに精製ごま油24.5gを用いる以外
実施例1と同様に処理し、脂肪乳剤を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は試剤容器壁の描出能を示した図、第2
A図は20%大豆油乳剤よりなる造影剤を投与した
時の胃体部レベルのCT像、第2B図は第2A図
の説明図、第3A図は1%ガストログラフインよ
りなる造影剤を投与した時の胃体レベルのCT像、
第3B図は第3A図の説明図である。 1……10%大豆油乳剤、2……20%大豆油乳
剤、3……30%大豆油乳剤、4……血液、5……
日本薬局方オリーブ油、6……0.5%ガストログ
ラフイン、7……水、8a〜f……アクリル樹脂
製試剤容器壁、9,9′……胃、10……胃壁、
11,11′……肝臓、12,12′……大動脈。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 脂肪乳剤からなるX線診断用陰性造影剤。 2 脂肪乳剤が水中油型形態にある特許請求の範
    囲第1項記載のX線診断用陰性造影剤。
JP57049922A 1982-03-26 1982-03-26 X線診断用陰性造影剤 Granted JPS58167524A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57049922A JPS58167524A (ja) 1982-03-26 1982-03-26 X線診断用陰性造影剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57049922A JPS58167524A (ja) 1982-03-26 1982-03-26 X線診断用陰性造影剤

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Publication Number Publication Date
JPS58167524A JPS58167524A (ja) 1983-10-03
JPH036126B2 true JPH036126B2 (ja) 1991-01-29

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ID=12844502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57049922A Granted JPS58167524A (ja) 1982-03-26 1982-03-26 X線診断用陰性造影剤

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Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61204137A (ja) * 1985-03-06 1986-09-10 Yutaka Mizushima 放射性造影剤
JP2694342B2 (ja) * 1988-02-22 1997-12-24 日本シエーリング株式会社 Ctスキャン用造影剤
US5385147A (en) * 1993-09-22 1995-01-31 Molecular Biosystems, Inc. Method of ultrasonic imaging of the gastrointestinal tract and upper abdominal organs using an orally administered negative contrast medium
CN1035661C (zh) * 1994-02-07 1997-08-20 中国人民解放军兰州军区乌鲁木齐总医院 低密度造影剂

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JPS58167524A (ja) 1983-10-03

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