JPH1017479A - 塩含有外用剤 - Google Patents

塩含有外用剤

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JPH1017479A
JPH1017479A JP17121696A JP17121696A JPH1017479A JP H1017479 A JPH1017479 A JP H1017479A JP 17121696 A JP17121696 A JP 17121696A JP 17121696 A JP17121696 A JP 17121696A JP H1017479 A JPH1017479 A JP H1017479A
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JP
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salt
polymer
skin
vinylacetamide
sodium chloride
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JP17121696A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Ishii
徹弥 石井
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ナトリウムを高濃度に配合しても、増粘
・ゲル化が可能で、塩化ナトリウムの皮膚浸透性および
密着性に優れ、使用感が良好で、かつ人および動物の
体、皮膚において安全な塩含有外用剤を提供する。 【解決手段】 N−ビニルアセトアミド系重合体、塩化
ナトリウムおよび水を必須成分として含有する塩含有外
用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ナトリウムを
高濃度に配合しても、増粘・ゲル化が可能で、塩化ナト
リウムの皮膚浸透性および密着性に優れ、使用感が良好
で、かつ人および動物の体、皮膚において安全な塩含有
外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】本来塩には、発汗や肌の新陳代謝の促進
や殺菌による清浄作用等の効果がある。海水を使って心
身のリフレッシュを図るタラソテラピー(海洋療法)は
従来から行われてきたが、この方法が皮膚の免疫能や血
液の免疫応答を回復させる効果があり、アトピー性皮膚
炎などに効果的であることが実証されてきている。さら
に天然ミネラル塩はイオン交換膜法で得られた化学塩
(専売塩)に比べるとカルシウム、カリウム等のミネラ
ルが豊富で肌を引き締め、皮膚の新陳代謝を活性化させ
るといわれている。しかしながらこのように塩は肌にと
ってきわめて良好な作用を有するが、粉末状であるため
塗りがたく、肌へのなじみが良好でない。肌へなじませ
るため強く擦り込むと、肌を痛めることがある。塩粉末
には使用時若干の水を加えることにより、上記欠点はあ
る程度改善できるが、その効果は充分ではなく、又塗布
量が不均一となったり、乾燥して肌から脱落しやすい等
の難点がある。
【0003】クリーム状のベースに塩粉末を混入する方
法も提案されているが、これらに用いられている基剤と
しては、ポリアクリル酸、デンプン、トラガント、アル
ギン酸、セルロース誘導体等の水溶性高分子を配合した
ヒドロゲル基剤が従来用いられてきている。しかしなが
らアクリル酸及びその塩類を原料とするポリマ−はアニ
オン性であるため、塩化ナトリウムにより製剤の粘度が
急激に低下して液化もしくは垢状となって、製剤化が困
難であり、さらに製剤可能な配合処方においても、皮膚
塗布後、はく落してしまうので皮膚吸収性がなくなるの
はもちろんのこと使用感も悪くなり、衣服を汚す等の問
題があった。またとりわけ天然ミネラル塩を用いた場
合、ミネラル等の有効成分と複合体を形成して放出性を
低下させたり、天然ミネラル塩を不安定化させるという
問題点がある。またこれらのポリマーは皮膚刺激性が低
いものの、依然として残留モノマーの毒性の問題が残さ
れており、皮膚等に塗布する場合、皮膚密着性が良好で
も残留モノマーの皮膚刺激性が生じてくる。特に皮膚の
敏感なアトピー性皮膚炎の患者に用いるには致命的な欠
陥であった。また、高いゲル強度を出すには高濃度に使
用しなければならなかった。さらに、天然の高分子は価
格的に不安定で、微生物におかされ易く腐敗の問題もあ
り、さらには特有の色や臭いを有しているので人や動物
の体に対して不快感を与えていた。すなわち従来の基剤
では塩の混入量を大きくするとベースが脱水して変形し
やすく、塩の含有量が大きく、塩の皮膚への密着性が良
好で、且つ長時間保存可能な組成物を得ることは困難で
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点が改良されて、塩の含有率も大きく、
長時間保存しても変質することがなく、肌へのなじみが
良好であり、肌荒れも起こすことも、肌を痛めることな
く、均一に塗ることができ、しばらく放置しても脱落す
ることもなく、しかも塩の肌への効果の大きい塩含有外
用剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩化ナト
リウムを高濃度に含有できる組成物について鋭意研究を
重ねた結果、N−ビニルアセトアミド系重合体(その特
定の共重合体またはその架橋物を含む。)を用いること
により、上記の目的を達成できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。以下、本発明についてさらに詳
しく説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、塩化ナトリウムを高濃
度に含有する組成物で下記一般式[1]の繰り返し単位
を有するN−ビニルアセトアミドの単独重合体もしく
は、例えば下記の一般式[2]で表される繰り返し単位
のうち1種または2種以上の繰り返し単位からなるN−
ビニルアセトアミド系の共重合体またはその架橋物およ
び水を必須成分とするものである。
【化3】
【化4】 (Rは水素原子またはメチル基を示し、Mは水素原子ま
たはアルカリ金属原子を表す。) 本発明において用いられるN−ビニルアセトアミドと共
重合可能な単量体は、ポリマーの増粘性を向上させるほ
か、組成物を貼付剤の形態にするときの架橋点を与える
目的で添加され、例えば、前記一般式[2]で表わされ
るアクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリ
ウム、メタアクリル酸、メタアクリル酸ナトリウム等が
好ましく挙げられる。繰り返し単位[1]と繰り返し単
位[2]とが50〜100:50〜0重量%の範囲にあ
ることが好ましい。上記繰り返し単位のうち、[2]の
占める割合が[1]と[2]の和に対して50重量%を
越えると、アニオン性が高くなり、塩によるゲル物性の
低下や天然塩中のミネラル成分の放出性を低下させてし
まう。
【0007】また、本発明においては、ゲル強度を増加
させ構造粘性を付与し、皮膚へのべたつきを減少させる
目的で、前記の単独または共重合体は架橋物である事が
望ましい。この架橋物は重合時に架橋剤を加えることに
よって製造する事ができる。このような架橋剤として
は、特に制限はないが、例えばN,N−1,4−ブチレ
ンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N−1,6−
ヘキシレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N−
デシレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N−3
−オキサ−1,5−ペンチレンビス(N−ビニルアセト
アミド)、N,N−3,6−ジオキサオクチレンビス
(N−ビニルアセトアミド)、N,N−P−キシレンビ
ス(N−ビニルアセトアミド)、N,N’−ジアセチル
−N,N’−ジビニル−1,4−ビスアミノメチルシク
ロヘキサン、テトラアリルオキシエタン、トリアリルフ
ォスフェート、トリメチロールプロパンジアリルエーテ
ル、ショ糖アリルエーテル、N,N’−メチレンビスア
クリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルエーテル等の、1分子中に不飽和基を2個以上有
する化合物が挙げられる。架橋剤は前記N−ビニルアセ
トアミドおよび[2]で表される単量体の合計量に対し
て、重量比で1/10〜1/2,000、好ましくは1
/20〜1/500の範囲で使用される。架橋剤の使用
量がこの範囲未満では、架橋化による効果は得られず、
ゲルに曵糸性が生じ、使用感を著しく悪化させる。また
この範囲を越えると、架橋密度が高くなりすぎるために
塗布時の皮膚への密着性が不良となるため好ましくな
い。
【0008】本発明の重合体はノニオン性から弱アニオ
ン性であるために、弱酸性を有する皮膚のアニオン性の
表面の上に本発明の組成物を塗布適用した際、イオン性
のものにくらべ皮膚密着性が高いと考えられ、かつ、水
および塩の存在下でもイオンの相互作用によりポリマー
鎖が伸縮することなく凝集力を維持できるので、クリー
ム強度の物性の低下がおさえられ、該組成物が崩壊し脱
落してしまうのを防げる。そのうえ重合体または共重合
体が親水性であるため、皮膚面に分泌される水分を吸収
するので、該ゲル製剤の皮膚密着性を維持し満足する効
果が充分に得られ、また外界の水蒸気との間に平衡状態
が成立し、皮膚のむれ、カブレを防止する。また本発明
のN−ビニルアセトミド系重合体の皮膚刺激性、皮膚感
作性等の毒性は低い。
【0009】また本発明の組成物は親アルコール性でも
あるのでエタノール、イソプロピルアルコール等のアル
コール類が配合可能である。エタノール、イソプロピル
アルコールは皮膚表面の殺菌、消毒作用があり、これら
を配合できれば、細菌増殖による皮膚刺激の防止の効果
が期待される。アルコール類としては、エタノール、プ
ロパノール等の低級1価アルコール、プロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコール、(2価ア
ルコール)、グリセリン(3価アルコール)、ペンタエ
リトリット(4価アルコール)、キシリット(5価アル
コール)、ソルビット(6価アルコール)等の多価アル
コールがあげられる。またアルコール以外にも水や溶剤
を添加でき、溶剤としては、N−メチルピロリドンのご
とき水と混和しうる有機溶剤のほかにクロタミトン等の
水と混和しない有機溶剤等もあげられる。また、組成物
中に他の重合体を添加することができ、これらは該共重
合体と充分に相溶しうるか、或は白濁しうる程度に相溶
しうるものが好ましい。例えば、これら重合体としては
シリコーンゴム、アクリルゴム、グアーガム、ローカス
トビーンガム、天然ゴムのごときゴム系増粘性物質、ポ
リビニルアルキルエーテル、ポリビニルアルコール、ポ
リ酢酸ビニル、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルピロリドン、カルボキシルビニル
ポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルアルキルアミ
ノアクリル酸共重合体、、スチレンマレイン酸共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−ポリ
ビニルアルコール共重合体の如きビニル系増粘性物質、
デンプン、プルラン、エチルセルロース、酢酸セルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
スフタレートメチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースの如きセルロース系増粘性物質、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とした(メタ)アクリレ
ート系の粘着性物質、ポリエチレンオキシド等のポリエ
ーテル系の各増粘性物質があげられるが、これらは組成
物の物性に影響を及ぼさない程度に添加される。
【0010】本発明で用いられる塩化ナトリウムは単独
で用いても、混合物で用いてもかまわない。混合物とし
てはとくに天然塩が好ましく天然塩に含まれるカリウ
ム、マグネシム、カルシウムといったミネラルは新陳代
謝を高めて血行をよくし、塩の浸透圧は身体の余分な水
分とともに、毛穴の汚れや脂肪をおとす。また塩には以
下の様な効果があることが知られている。(「塩屋さん
が書いた塩の本」:三水社)例えば経皮で用いる場合次
のようなことに予防または治療の効果がある。血行促進
(冷え性)、寝冷え(ヘソの塩灸)、胃腸障害(全身マ
ッサージ)、歯槽膿漏(歯茎マッサージ)、水虫(塩を
すりつける)、皮膚病(塩をすりつける)、アセモ(塩
をすりつける)、洗顔(脱脂)、美容(肌にぬりこ
む)、婦人病(塩湯)等。さらに次のようなこともあげ
られる。抜け毛予防(塩水を頭に)、便秘(飲む)、虫
歯鎮痛(虫歯につめる)、不眠(塩入りホットミル
ク)、のど痛(塩入り番茶でうがい)、生理痛(ゴマ塩
番茶のむ)、お寝しょ(塩水のむ)、居眠り運転防止
(塩飲む)。
【0011】本発明で使用される天然塩としては、例え
ば、岩塩のような原塩を水、好ましくは海水に溶解した
もの、あるいは塩田法によって製造されたしおつち水を
薪の火等で加熱した塩化ナトリウムを主体とする結晶を
生成させたもの、海水をフリーズドライさせたもの、ま
たは海水を大規模な鉄製の平釜に導き、蒸発させること
によって得られたもののほか、イスラエルの死海産の
塩、オーストラリアやメキシコの塩田のものが好適に使
用される。さらには讃岐塩業と勇心酒造(香川県多津
市)が共同開発、金剛薬品(富山市)が販売している業
務用「ライスミネラル塩」もあげられる。なお塩は外用
剤中で溶けていなくてもよい。塩化ナトリウムの配合量
は、目的とする治療効果あるいは溶解性等の物理的制約
によって異なるが、前記N−ビニルアセトアミド(共)
重合体100重量部に対し、1〜2000重量部の範囲
で配合される。特に好ましくは5〜1000重量部であ
る。1重量部未満では、組成物中の塩の十分な効果が得
られず、1000部を越えると塩の塗布が困難になる。
本発明において塩含有外用剤を得るにはN−ビニルアセ
トアミド(共)重合体および/または架橋物と塩化ナト
リウムを水存在下で混合し、必要があれば加温して溶解
する。
【0012】本発明の外用剤をゲル化するには、例えば
アルコール、Nービニルアセトアミド共重合体及びアル
ミニウム化合物等の架橋剤を分散または溶解させ、その
液を水に徐々に添加し練合し、得られたゾル体を成形し
た後、必要であれば加温する。さらに、前記ゲル体を貼
付剤にするには、紙、金属、ガラス繊維、布(ネル、織
布、不織布等)、合成樹脂(ポリウレタン、エチレン酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(例
えばポリエチレンテレフタレート)、ポリオレフィン
(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリア
ミド(例えばナイロン6、ナイロン66など)、ポリ塩
化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、シー
ト(箔)、またはテープのごとき支持体の1面あるいは
両面にゲル体を適量塗布すればよい。得られたシート状
の鎮痛剤の経皮吸収製剤の保存を容易にするには、ゲル
体を塗布した面に、シリコンまたはその他の適当な方法
で処理した剥離シートを貼着しておくか、あるいは粘着
剤を塗布していない面をシリコンまたはその他の適当な
方法で処理して剥離面とし、粘着剤を塗布した面と重な
るように巻くか重ねておくことが望ましい。なお剥離シ
ートとしてはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、剥離紙、セロハン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル等が用いられる。さらには、ゲル体を直接、適当な
成型機、打錠機等を用いて各種成型物に調製してもよ
い。
【0013】本発明により得られる組成物からの塩類の
吸収を促進する目的で、サリチル酸、サリチル酸誘導
体、尿素、イオウ等の角質軟化剤、ピロリドンカルボン
酸等の保湿剤、プロピレングリコールモノオレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノステアレート、グリセリンモノステアレート等
の界面活性剤、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸
ジエチル等のエステル類、オレイルアルコール、ステア
リルアルコール、ラウリルアルコール等の高級アルコー
ル類、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、アラ
ントイン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ジイソプロピルアジペー
ト、ジエチルセバケート、エチルラウレート、ラノリ
ン、エイゾン等の助剤、またその他必要に応じて塩酸ジ
フェンヒドラミン、塩酸イソチベンジルなどの抗ヒスタ
ミン剤、クロタミトンなどの鎮痒剤、グリチルレチン
酸、グリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症剤、メン
トール、カンフル等の清涼化剤、流動パラフィン等の油
成分、ジイソプロパノールアミン等の中和剤などを1種
類以上配合することが出来るが、皮膚刺激性等を考慮す
ると、配合量は製剤100重量部に対して0.1〜5重
量部であることが望ましい。
【0014】本発明には従来美容に効果的とされてきて
いる物質を添加することも可能である。例えば海藻エキ
ス、ヒノキチオール、パパイン酵素等の天然植物成分の
ほか米ぬか、薬草、日本酒、アロエ、卵白、スクワラ
ン、ヒアルロン酸、ハチミツ、ローヤルゼリー等が挙げ
られるがこの限りではない。また本外用剤の使用形態と
してはボディーシャンプー、石鹸、マッサージ用クリー
ム、ボディーパック化粧品等のボディー用化粧品、うが
い薬、パップ剤、軟膏剤、クリーム剤等の医薬品のほか
入浴剤、歯磨き等の医薬部外品が挙げられるがこの限り
ではない。本発明の外用剤には、その特性をより多く発
現させ、さらに製剤の加工・成形性及び品質の向上、塩
の分散性と安定性の向上などの目的で、製剤的に許容さ
れる添加物の中から目的に応じて選択した物をさらに任
意に配合することが出来る。当該添加剤には、医薬、安
定剤、充填剤、紫外線吸収剤、香料、着色料、使用感向
上剤、防腐剤、保存剤、可塑剤、老化防止剤、軟化剤、
pH調整剤、劣化防止剤等がある。これら添加剤は、得
られる組成物の特性に影響を与えない範囲で任意に加え
られる。
【0015】本発明において使用される(共)重合体を
製造するためには、各種の単量体を開始剤を用いて公知
の技術で共重合させることが出来る。例えば、水溶液重
合、沈澱析出重合、逆層懸濁重合等によって実施され
る。重合が終了すると、粘性液体、寒天状または粉末の
生成物が得られる。さらには粘性液体、寒天状物は脱水
乾燥することにより粉末化することが可能である。一方
架橋(共)重合体を製造する方法としては、従来公知の
いかなる方法でもよく、例えば単量体水溶液を有機溶媒
中に分散させた逆相懸濁重合や、単量体成分は溶解する
が、該単量体成分から得られるポリマ−は溶解しない水
性有機溶媒または有機溶媒に、単量体成分を均一に溶解
して重合反応を行う分散沈澱重合等によって重合体を得
る方法、また、場合によっては、水、メタノール、エタ
ノール、その他の有機溶剤あるいはその混合液を溶媒と
して、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス−2−アミジノプロパン塩酸塩等のアゾ系化合物、t
−ブチルパーオキサイド、過酸化水素、t−アミルパー
オキサイド、クミルパーオキサイド、アセチルパーオキ
サイド、プロピオニリパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、ベンゾイルイソブチイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、シクロヘキシルハイドロパーオキサイド、テ
トラリンハイドロパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸
塩と有機アミンとを組み合わせたいわゆるレドックス系
開始剤等のラジカル重合開始剤を用いて重合させること
ができるが、好ましくは水を溶媒として水溶性のアゾ系
化合物を開始剤として重合するのが望ましい。重合開始
温度は用いる開始剤の種類によっても異なるが、通常は
0〜100℃、好ましくは10〜70℃の範囲である。
反応は窒素ガス、アルゴンガス等で脱気して行うが、窒
素ガス雰囲気下で行うことが好ましい。反応生成物は、
アセトン等の水溶性溶媒を用いた沈澱操作や、溶媒の蒸
発操作によって固化し、用途に供される。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の技術範囲を以下の内容に限定する
ものでないことは言うまでもない。なお、以下において
「部」とは「重量部」を示す。
【0017】架橋(共)重合体の製造例 製造例1 1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、撹拌羽、温
度計、窒素導入管、共栓を装着し、これにN−ビニルア
セトアミド70g、架橋剤ペンタエリスリト−ルトリア
リルエ−テル1.05g、酢酸エチル630gを入れ溶
解した。窒素ガスを導入して溶存酸素を追い出しなが
ら、撹拌し、重合開始剤ジメチル2,2’−アゾビス
(2−プロピオネ−ト)0.49gを約5mlの酢酸エ
チルに溶解した液を反応器に加えた。内溶液の温度を7
0℃に上げ、この温度で5時間重合を行った。重合の進
行とともにN−ビニルアセトアミドポリマ−が沈澱とし
て析出してくるので、重合終了後、内溶液をろ過してN
−ビニルアセトアミドポリマ−を得た。このポリマ−を
数回酢酸エチルで洗浄した後、真空乾燥機で50℃、1
4時間乾燥を行い、白色微粉末の架橋ポリマーを得た。
粒径は10μm以下、粘度は1%水溶液で200cps
であった。
【0018】製造例2 1リットルの4つ口セパラブルフラスコに、撹拌羽、温
度計、窒素導入管、共栓を装着し、これにN−ビニルア
セトアミド49g、アクリル酸21g、架橋剤ジビニル
ベンゼン1.05g、酢酸エチル630gを入れ溶解し
た。窒素ガスを導入して溶存酸素を追い出しながら、撹
拌し、重合開始剤ジメチル2,2’−アゾビス(イソブ
チロニトリル)0.49gを約5mlの酢酸エチルに溶
解した液を反応器に加えた。内溶液の温度を70℃に上
げ、この温度で5時間重合を行った。重合の進行ととも
にN−ビニルアセトアミドアクリル酸共重合体が沈澱と
して析出してくるので、重合終了後、内溶液をろ過して
N−ビニルアセトアミドアクリル酸共重合体ポリマ−を
得た。このポリマ−を数回酢酸エチルで洗浄した後、真
空乾燥機で50℃、14時間乾燥を行い、白色微粉末の
架橋ポリマーを得た。粒径は5μm以下であった。この
ポリマ−をいったん水に分散させて、水酸化ナトリウム
でpH7.0に中和すると粘調液が得られた。この粘調
液の0. 2%及び1%水溶液の粘度を測定した結果、2
56cps,104、000cpsであった。
【0019】共重合体の製造例 製造例3 1リットルの3つ口セパラブルフラスコに温度計および
窒素導入管を装着し、これにN−ビニルアセトアミド2
25g、アクリル酸ナトリウム25gを740gの脱イ
オン水に溶解した水溶液を仕込んだ。窒素ガスを導入し
て溶存酸素を追い出したのち20℃に液温を調整し、重
合開始剤として2、2’−アゾビス−2−アミジノプロ
パン二塩酸塩の1%水溶液を10g添加し、断熱状態で
7時間重合させた。得られた塊状の重合体を細断したも
のを、アセトン溶液にあけ脱水したものをろ過し真空乾
燥を行い粉砕したのち10μm以下を分級し、ポリマー
を得た。
【0020】比較製造例1 モノマーとして、 N−ビニルアセトアミド 50.0部 アクリル酸ナトリウム 200.0部 を用い、以後製造例3と同様の操作で、白色粉末の架橋
ポリマーを得た。なお粒径は10μm以上の物を分級し
た。
【0021】架橋(共)重合体の塩による物性変化 製造例、比較製造例およびカルボキシビニルポリマー
(カーボポール934BFグッドリッチ社)を10%塩
化ナトリウム水溶液に10%となるようにそれぞれ溶解
し、得られたゲル20gをガラス製サンプルビンSV−
50(日電理科硝子)に入れ、キャップをし、40℃で
6ヶ月放置した後のクリーム強度を経時的に測定した。
クリーム強度は感応軸(アルミ製円柱、直径10mm、高
さ12mm)を移動距離30mm、移動速度5mm/secでゲル
に進入させた時の最大応力(g)として測定した。測定
は室温で行ない、測定回数は5回とした。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1 (配合) 天然塩(塩化ナトリウム濃度99%) 20g 製造例1のポリマ− 10g 精製水 70g (処方)製造例1で得たポリマー10gを水70gおよ
び塩化ナトリウム濃度99%の天然塩の粉末20gの混
合液に溶解させ、全体が均一になるまで充分に練合して
クリーム化粧品を得た。このクリームはなめらかで肌へ
のなじみも良く均一に塗ることができしばらく放置して
も乾燥脱落することはなかった。
【0024】実施例2 (配合) N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体=9/1(wt 比) 6部 グリセリン 30部 乾燥水酸化アルミゲル 1. 0部 局方精製水 51. 35部 酒石酸 1. 0部 死海の塩(塩化ナトリウム濃度約15%) 10. 25部 (処方)グリセリン中にN−ビニルアセトアミド・アク
リル酸ナトリウム共重合体と乾燥水酸化アルミゲルおよ
び塩化ナトリウムを分散させ、それを酒石酸水溶液中に
徐々に加えつつ練合する。得られたゾル体をポリプロピ
レン製の剥離紙上にナイフコーターで0. 5mmのクリ
アランスで塗工し、その後ゾル上に不織布を圧着し、ア
ルミラミネート袋にいれ、ヒートシールした後、5日間
熟成し、貼付剤を得た。
【0025】実験例1 実施例1のクリーム化粧品約10gを女性15人の顔に
右半分のみに塗布し、1時間後お湯で洗い流した。この
作業を1カ月続けた。その結果顔の右半分は左半分に対
しつや、つるつるの状態が著しく良好となったものが8
人、良好となったもの1人、効果のほとんど無かったも
の1人であった。またかぶれを起こしたものは0人であ
った。
【0026】実験例2 患者 女 25才 当患者は生まれつきアトピ−性皮膚炎に悩まされ、皮膚
がカサカサに乾燥し、特に肘関節の内側がひどく、あら
ゆる処方を試したが、いずれも効果がなかった。実施例
2の貼付剤を1日に2回、寝起きと風呂上がりに患部に
それぞれ貼付した結果、痛み、痒みが徐々に消え、効果
は12時間持続した。それ以後、1ヶ月間毎日使用した
が、副作用は特に現れず、アトピ−性皮膚炎の痒み、腫
れ、痛みは処方前よりかなり回復した。
【0027】
【発明の効果】本発明の塩含有外用剤は、N−ビニルア
セトアミドの単橋重合体または共重合体もしくはその架
橋体を使用することにより、 (1) 基剤ポリマーがノニオン性もしくは弱アニオン性で
あるため、塩によるゲル強度の低下がなく、高濃度に塩
を含有させることができ、適用部位に均一に塗布するこ
とができる。 (2) 塗った後放置しても乾燥脱落する事がない。 (3) 親水性なので安全性が高く、効果の持続性がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/70 341 A61K 9/70 341 47/32 47/32 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ビニルアセトアミド系重合体、塩化
    ナトリウムおよび水を必須成分として含有する塩含有外
    用剤。
  2. 【請求項2】 N−ビニルアセトアミド系重合体と塩化
    ナトリウムとを100重量部に対し水5〜500重量部
    を必須成分とする塩含有外用剤。
  3. 【請求項3】 N−ビニルアセトアモド系重合体が繰り
    返し単位[1] 【化1】 と、繰り返し単位[2] 【化2】 (Rは水素原子またはメチル基を示し、Mは水素原子ま
    たはアルカリ金属原子を表す。)との(共)重合体であ
    り、繰り返し単位[1]と繰り返し単位[2]とが50
    〜100:50〜0重量%の範囲にある請求項1〜2記
    載の塩含有外用剤。
  4. 【請求項4】 N−ビニルアセトアミド系重合体が架橋
    物であり、かつ該架橋物の平均粒径が10μm以下の微
    粒子である請求項3記載の塩含有外用剤。
  5. 【請求項5】 軟膏剤または貼付剤である請求項1〜4
    の塩含有外用剤。
  6. 【請求項6】 化粧品の基剤又はその補助剤である請求
    項1〜4の塩含有外用剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335698A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Toshio Inomata 育毛剤
JP2006528622A (ja) * 2003-07-24 2006-12-21 オーオーオー デルシ 軟組織の損傷の処置
JP2008516950A (ja) * 2004-10-14 2008-05-22 アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッド レオロジー調整剤/ヘアスタイリング樹脂

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