JPH10173029A - ウェハの測定位置決定方法 - Google Patents

ウェハの測定位置決定方法

Info

Publication number
JPH10173029A
JPH10173029A JP35275396A JP35275396A JPH10173029A JP H10173029 A JPH10173029 A JP H10173029A JP 35275396 A JP35275396 A JP 35275396A JP 35275396 A JP35275396 A JP 35275396A JP H10173029 A JPH10173029 A JP H10173029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
image
measured
measurement
point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35275396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3545558B2 (ja
Inventor
Hitoshi Atsuta
均 熱田
Hisaaki Kadoma
央章 角間
Atsushi Tamada
厚 玉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP35275396A priority Critical patent/JP3545558B2/ja
Priority to KR1019970031594A priority patent/KR100287319B1/ko
Publication of JPH10173029A publication Critical patent/JPH10173029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3545558B2 publication Critical patent/JP3545558B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェハの回転方向が不明な場合にも、ウェハ
の測定点の位置を決定できる技術を提供する。 【解決手段】 基準ウェハを用いて、回転角度θ1と、
位置合わせ基準点RPの位置と、複数の測定点PM1〜
PM15の位置とを予め登録する。また、位置合わせ基
準点RPの近傍において第1のテンプレート画像を取得
し、測定点の近傍において第2のテンプレート画像を取
得する。被測定ウェハに関しては、まず、位置合わせ基
準点RPの近傍の領域において第1のテンプレート画像
を用いたパターンマッチング処理を行うことによって、
被測定ウェハの回転方向θ2と位置合わせ基準点RPの
位置とを決定する。また、これらの情報と、基準ウェハ
を用いて登録された情報とに基づいて、測定点の予測位
置を決定する。そして、測定点の予測位置の近傍の領域
において第2のテンプレート画像を用いたパターンマッ
チング処理を行うことによって、測定点の実測位置を決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体ウェハの
測定点の位置を決定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハは、その製造工程において
種々の測定装置によって測定が行われる。測定処理の際
には、ウェハ上の予め定められた測定点に測定プローブ
(光学素子や電極等)を正確に位置決めする「位置合わ
せ処理(アライメント処理)」が行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、測定装置に
よっては、ウェハを測定装置の支持台上に載置する時
に、ウェハが任意の回転方向(オリエンテーション)を
取り得るものがある。このような測定装置においては、
ウェハの回転方向が不明なので、ウェハ上の測定点を位
置決めすることが困難であった。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、ウェハの回転方
向が不明な場合にも、ウェハの測定点の位置を決定でき
る技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、この発明の
方法は、被測定ウェハ上の測定点の位置を決定する方法
であって、(a)前記被測定ウェハ表面の位置合わせ基
準点と前記測定点との位置関係を予め登録するととも
に、前記被測定ウェハ表面の前記位置合わせ基準点の近
傍の画像に対してパターンマッチングを行う際に用いら
れる第1のテンプレート画像と、前記測定点の近傍の画
像に対してパターンマッチングを行う際に用いられる第
2のテンプレート画像と、を準備する工程と、(b)前
記位置合わせ基準点の近傍の領域について第1の画像を
取り込む工程と、(c)前記第1の画像に関して前記第
1のテンプレート画像を用いたパターンマッチング処理
を含む第1の処理を行うことによって、前記被測定ウェ
ハの回転方向と前記位置合わせ基準点の位置とを決定す
る工程と、(d)決定された前記回転方向および前記位
置合わせ基準点の位置と、予め登録された前記位置合わ
せ基準点と前記測定点との位置関係に基づいて、前記測
定点の予測位置を決定する工程と、(e)前記予測位置
の近傍の領域について第2の画像を取り込む工程と、
(f)前記第2の画像に関して前記第2のテンプレート
画像を用いたパターンマッチング処理を含む第2の処理
を行うことによって、前記測定点の実測位置を決定する
工程と、を備えることを特徴とする。
【0006】パターンマッチング処理では、テンプレー
ト画像とほぼ同じ画像部分の位置とその画像部分の向き
とを決定できる。パターンマッチング処理を含む第1の
処理では、被測定ウェハの回転方向と位置合わせ基準点
の位置を決定することができる。この回転方向と位置合
わせ基準点の位置からは、測定装置に固定された座標系
と、ウェハに固定された座標系との対応関係を決定する
ことができる。位置合わせ基準点と測定点との位置関係
は予め登録されているので、上記2つの座標系の対応関
係から、測定点の位置を予測することができる。この予
測位置の近傍で、パターンマッチング処理を含む第2の
処理を行えば、測定点の位置を正確に決定することがで
きる。従って、ウェハの回転方向が不明な場合にも、ウ
ェハの測定点の位置を正確に決定することができる。
【0007】上記の方法において、前記被測定ウェハ上
の複数の前記測定点のうち、前記位置合わせ基準点から
所定の範囲内にある測定点に関しては、前記工程(e)
および前記工程(f)の処理を省略し、前記工程(d)
において得られた前記予測位置を前記測定点の実測位置
として使用することが好ましい。
【0008】こうすれば、位置合わせ基準点から所定の
範囲内にある測定点は、予測位置と実測位置のズレ量は
比較的小さい。従って、この範囲内にある測定点につい
て、工程(e)および(f)を省略することによって、
或る程度の位置合わせ精度を確保しつつ、全体の位置合
わせ処理の処理時間を短縮することができる。
【0009】また、上記の方法において、前記被測定ウ
ェハ上の複数の前記測定点のうち、前記工程(e)およ
び工程(f)の処理が行われた第1の測定点から所定の
範囲内にある第2の測定点に関しては、前記工程(e)
および前記工程(f)の処理を省略し、前記第1の測定
点における前記予測位置と前記実測位置とのずれ量に基
づいて前記第2の測定点の予測位置を補正することによ
って前記第2の測定点の実測位置を決定するようにして
もよい。
【0010】こうすれば、上記と同様な理由により、或
る程度の位置合わせ精度を確保しつつ、全体の位置合わ
せ処理の処理時間を短縮することができる。
【0011】上記の方法において、前記(c)は、前記
位置合わせ基準点の近傍の複数の領域について複数の前
記第1の画像を取り込み、前記(d)は、前記複数の第
1の画像に関して前記第1のテンプレート画像を用いた
パターンマッチング処理を含む第1の処理をそれぞれ行
うことによって、前記被測定ウェハの回転方向と前記位
置合わせ基準点の位置とを決定することが好ましい。
【0012】複数の画像に対するパターンマッチング処
理を行えば、被測定ウェハの回転方向と位置合わせ基準
点の位置とをより正確に決定することができる。
【0013】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様では、上記の方法の工程
(c)における回転方向を決定する処理が、(i)前記
第1の画像に含まれる直線部分を分析することによっ
て、前記被測定ウェハが取り得る回転角度として、互い
に90度の整数倍異なる4つの等価回転角度を決定する
工程と、(ii)前記画像に対して前記第1のテンプレ
ート画像を用いたパターンマッチングを行なうことによ
ってマッチングパターンを検出し、前記マッチングパタ
ーンの方向に基づいて前記4つの等価回転角度の中から
1つを選択する工程と、(iii)前記選択された等価
回転角度から前記被測定ウェハの回転方向を決定する工
程と、を備える。
【0014】また、第2の態様では、上記第1の態様に
おいて、前記工程(a)が、(1)基準ウェハ表面の一
部の撮像領域の画像を取り込む工程と、(2)前記画像
に含まれる直線部分を分析することによって、前記基準
ウェハが取り得る回転角度として、互いに90度の整数
倍異なる4つの等価回転角度を決定する工程と、(3)
前記画像の一部からテンプレート画像を抽出する工程
と、(4)前記テンプレート画像の向きとの関連から、
前記4つの等価回転角度の中から1つを選択する工程
と、を備え、前記工程(c)は、前記基準ウェハに対し
て選択された等価回転角度と、前記被測定ウェハに対し
て選択された等価回転角度との差を求めることによっ
て、前記基準ウェハに対する前記被測定ウェハの相対的
な回転角度を決定する工程、を含む。
【0015】第3の態様では、上記の方法の工程(c)
における回転方向を決定する処理が、(i)前記第1の
画像に含まれる直線部分を分析することによって、前記
被測定ウェハが取り得る回転角度として、互いに90度
の整数倍異なる4つの等価回転角度を決定する工程と、
(ii)前記第1の画像に対して前記第1のテンプレー
ト画像を用いたパターンマッチングを行なうことによっ
てマッチングパターンを検出するとともに、前記マッチ
ングパターンの方向に基づいて前記4つの等価回転角度
の中から1つを選択する工程と、(iii)選択された
等価回転角度に基づいて前記第1の撮像領域から所定の
検索方向を特定し、前記検索方向に沿った所定の位置に
存在する少なくとも他の1つの撮像領域を特定するとと
もに、特定された各撮像領域の画像を取り込む工程と、
(iV)前記各撮像領域の画像に対して前記第1のテン
プレート画像を用いたパターンマッチングを行なってマ
ッチングパターンをそれぞれ検出する工程と、(V)前
記検索方向に沿った前記第1の撮像領域を含む複数の撮
像領域のそれぞれにおいて検出されたマッチングパター
ンの所定の基準位置を互いに結ぶ第1の連結方向を求
め、前記第1の連結方向から前記被測定ウェハの回転方
向を決定する工程と、を備える。
【0016】第4の態様では、第3の態様において、前
記工程(a)が、(1)基準ウェハ表面の一部の第2の
撮像領域の画像を取り込む工程と、(2)前記画像に含
まれる直線部分を分析することによって、前記基準ウェ
ハが取り得る回転角度として、互いに90度の整数倍異
なる4つの等価回転角度を決定する工程と、(3)前記
画像の一部から前記第1のテンプレート画像を抽出する
工程と、(4)前記第1のテンプレート画像の向きとの
関連から、前記4つの等価回転角度の中から1つを選択
する工程と、(5)選択された等価回転角度に基づい
て、前記第2の撮像領域から所定の検索方向を特定し、
前記検索方向に沿った所定の位置に存在する少なくとも
他の1つの撮像領域を特定するとともに、特定された各
撮像領域の画像を取り込む工程と、(6)前記各撮像領
域の画像に対して前記第1のテンプレート画像を用いた
パターンマッチングを行なってマッチングパターンをそ
れぞれ検出する工程と、(7)前記検索方向に沿った前
記第2の撮像領域を含む複数の撮像領域のそれぞれにお
いて検出されたマッチングパターンの所定の基準位置を
互いに結ぶ第2の連結方向を決定する工程と、を備え、
前記工程(c)は、前記第1の連結方向と前記第2の連
結方向との角度差から、前記基準ウェハに対する前記被
測定ウェハの相対的な回転角度を決定する工程、を含
む。
【0017】第5の態様では、第4の態様において、前
記基準ウェハにおける複数のマッチングパターンの基準
位置の座標と、前記被測定ウェハにおける複数のマッチ
ングパターンの基準位置の座標とに基づいて、前記基準
ウェハの位置合わせ基準点の座標と前記被測定ウェハの
位置合わせ基準点の座標との相対関係を決定する工程、
を備える。
【0018】第6の態様は、被測定ウェハ上の測定点の
位置を決定する装置であって、前記被測定ウェハ表面の
位置合わせ基準点と前記測定点との位置関係を記憶する
とともに、前記被測定ウェハ表面の前記位置合わせ基準
点の近傍の画像に対してパターンマッチングを行う際に
用いられる第1のテンプレート画像と、前記測定点の近
傍の画像に対してパターンマッチングを行う際に用いら
れる第2のテンプレート画像と、を記憶する記憶手段
と、前記位置合わせ基準点の近傍の領域について第1の
画像を取り込む撮像手段と、前記第1の画像に関して前
記第1のテンプレート画像を用いたパターンマッチング
処理を含む第1の処理を行うことによって、前記被測定
ウェハの回転方向と前記位置合わせ基準点の位置とを決
定する基準位置決定手段と、決定された前記回転方向お
よび前記位置合わせ基準点の位置と、予め登録された前
記位置合わせ基準点と前記測定点との位置関係に基づい
て、前記測定点の予測位置を決定する撮像位置決定手段
と、前記予測位置の近傍の領域について前記撮像手段に
よって撮像された第2の画像に関して前記第2のテンプ
レート画像を用いたパターンマッチング処理を含む第2
の処理を行うことによって、前記測定点の実測位置を決
定する測定位置決定手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0019】第7の態様は、コンピュータに上記の発明
の各工程または各手段の機能を実行させるコンピュータ
プログラムを記録した記録媒体である。記録媒体として
は、フレキシブルディスクやCD−ROMなどのコンピ
ュータが読取り可能な携帯型の記憶媒体や、コンピュー
タシステムの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモ
リ)および外部記憶装置、あるいは、これ以外のコンピ
ュータプログラムが記録された媒体であってコンピュー
タシステムが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0020】第8の態様は、コンピュータに上記の発明
の各工程または各手段の機能を実行させるコンピュータ
プログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給
装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成:次に、本発明の実施の形態を実施例に
基づき説明する。図1は、この発明の実施例を適用して
半導体ウェハの位置合わせ処理(アラインメント処理)
を行なう機能を有する測定装置の構成を示すブロック図
である。この測定装置は、制御操作ユニット30と、光
学ユニット40と、画像処理ユニット50とを備えてい
る。
【0022】制御操作ユニット30は、表示部31と、
操作部32と、制御部33と、ステージ駆動部34と、
ステージ座標読み込み部35と、XYステージ36とを
備えている。表示部31としては、例えばモニタや液晶
ディスプレイ等が使用される。また、操作部32として
は、例えばキーボードやマウス等が用いられる。XYス
テージ36の上には、半導体ウェハWFが載置される。
半導体ウェハWFの表面には、タイル状に配列された矩
形の複数の半導体チップが形成されている。なお、この
装置は、XYステージ36を回転させる機構は有してい
ない。
【0023】光学ユニット40は、カメラ41と、光源
42と、ハーフミラー43と、対物レンズ44とを備え
ている。ハーフミラー43は、光源42から出射された
光を対物レンズ44に向けて反射し、XYステージ36
上の半導体ウェハWFに光を照射する。半導体ウェハW
Fの表面で反射されたは光は、対物レンズ44とハーフ
ミラー43とを通過して、カメラ41に入射する。すな
わち、カメラ41は、半導体ウェハWFの表面の画像を
撮像する。画像としては、多階調画像(グレー画像)を
読取ることが好ましい。なお、この実施例では、カメラ
41の視野サイズは、半導体ウェハの表面に形成された
半導体チップの1個分のサイズよりも小さい。後で詳述
するように、半導体ウェハWFの多階調画像は、画像処
理ユニット50によって処理され、これによって半導体
ウェハWFの回転方向が検出される。画像処理ユニット
50のモニタ136には、半導体ウェハWFの一部の撮
像領域の多階調画像が表示される。
【0024】ユーザが操作部32を操作してXYステー
ジ36に対する移動指令を入力すると、その指令に応じ
て、制御部33がステージ駆動部34を制御してXYス
テージ36をX方向とY方向に移動させる。また、操作
部32からステージの座標読み込み指令が入力される
と、その時点のステージ座標情報がステージ座標読み込
み部35によって読込まれて制御部33に供給される。
ステージ座標情報は、必要に応じて表示部31に表示さ
れる。ステージ座標情報は、さらに、双方向の通信経路
38を介して制御部33から画像処理ユニット50にも
供給される。後述するように、画像処理ユニット50
は、画像処理によって認識されたウェハの回転方向と、
このステージ座標情報とを利用することによって、ウェ
ハの正確な回転方向や測定位置を決定する。
【0025】図2は、画像処理ユニット50の内部構成
を示すブロック図である。この画像処理ユニット50
は、CPU110と、ROM114と、RAM116
と、入出力インタフェイス140とが、バスライン11
2に接続されたコンピュータシステムとして構成されて
いる。入出力インタフェイス140には、モニタ136
と、磁気ディスク138と、通信経路38とが接続され
ている。
【0026】RAM116には、等価回転方向決定手段
150と、撮像位置決定手段152と、パターンマッチ
ング手段154と、角度選択手段156と、回転方向決
定手段158と、基準位置決定手段160と、測定位置
決定手段162とを実現するアプリケーションプログラ
ムが格納されている。これらの各手段の機能については
後述する。
【0027】なお、これらの各手段の機能を実現するコ
ンピュータプログラム(アプリケーションプログラム)
は、フロッピディスクやCD−ROM等の携帯型の記録
媒体(可搬型の記録媒体)に記録された形で提供され、
この記録媒体からコンピュータシステムの外部記憶装置
に転送される。そして、実行時には、RAM116に記
憶される。あるいは、通信経路を介してプログラム供給
装置からコンピュータシステムにコンピュータプログラ
ムを供給するようにしてもよい。この明細書において、
コンピュータシステムとは、ハードウェアとオペレーシ
ョンシステムとを含み、オペレーションシステムの制御
の下で動作する装置を意味している。アプリケーション
プログラムは、このようなコンピュータシステムに、上
述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部
は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーショ
ンシステムによって実現されていても良い。
【0028】B.位置合わせ処理の概要:図3は、実施
例における位置合わせ処理の概要を示す説明図である。
基準ウェハ(図3(A))とは、位置合わせ処理の対象
となる被測定ウェハ(図3(B))と同じパターンが形
成されたウェハである。一般的には、同一のロットで処
理された複数のウェハの1枚を基準ウェハWF1として
使用し、他のウェハが被測定ウェハWF2となる。1枚
のウェハには、位置合わせ基準点RPと、複数の測定点
PM1〜PM15(白丸で示す)とが設定される。図3
(A),(B)にも示されているように、ウェハがXY
ステージ36上に載置された時には、任意の回転方向を
取りうる。図1に示す測定装置は、XYステージ36上
に載置されたウェハを回転するための回転機構を備えて
いないので、ウェハの回転方向は、画像処理によって認
識され、補正される。
【0029】図4は、実施例における位置合わせ処理の
全体手順を示すフローチャートである。ウェハの測定点
の位置合わせ処理は、基準ウェハを用いたプリアライメ
ント前処理(ステップT1)と、基準ウェハを用いたフ
ァインアライメント前処理(ステップT2)と、被測定
ウェハを用いたプリアライメント処理(ステップT3)
と、被測定ウェハを用いたファインアライメント処理
(ステップT4)とに大別される。ステップT1,T3
におけるプリアライメント処理は、基準位置決定手段1
60(図2)の制御の下に、測定位置決定手段162以
外の他の手段150,152,154,156,158
が協力して実行する。ステップT2,T4におけるファ
インアライメント処理は、測定位置決定手段162の制
御の下に、撮像位置決定手段152とパターンマッチン
グ手段154が協力して実行する。
【0030】図4のステップT1における基準ウェハW
F1を用いたプリアライメント前処理では、基準ウェハ
WF1の回転角度θ1と、位置合わせ基準点RPの位置
とを含むプリアライメント情報が登録される。ここで、
基準ウェハWF1の回転角度θ1は、ステージ座標系の
基準方向Dsと基準ウェハWF1の所定の方向DL1との
なす角度である。ステージ座標系の基準方向Dsは、X
Yステージ36に対して固定された方向であり、例えば
XYステージ36上のX方向に設定される。基準ウェハ
WF1の所定の方向DL1は、基準ウェハWF1に対して
固定された方向である。この方向DL1の決定方法につい
ては後述する。なお、これらの方向Ds,DL1の設定の
仕方は任意であり、これ以外の定義も可能である。
【0031】図4のステップT1では、まず、位置合わ
せ基準点RPの近傍においてパターンマッチング用の第
1のテンプレート画像を取得する。さらに、位置合わせ
基準点RPの近傍の他の領域において、パターンマッチ
ングを行って第1のテンプレート画像にほぼ一致するマ
ッチングパターンの位置を決定する。そして、第1のテ
ンプレート画像の位置と、そのマッチングパターンの位
置とに基づいて、基準ウェハの回転角度θ1と、位置合
わせ基準点RPの位置とを決定する。
【0032】ステップT2における基準ウェハWF1を
用いたファインアライメント前処理では、基準ウェハW
F1上の複数の測定点PM1〜PM15の位置を登録す
る。この際、まず、複数の測定点の近傍で画像のパター
ンマッチングに用いる第2のテンプレート画像を取得す
る。そして、第2のテンプレート画像と各測定点との位
置関係を登録する。この際、位置合わせ基準点RPの位
置と各測定点との位置関係も登録される。
【0033】図4のステップT3における被測定ウェハ
WF2を用いたプリアライメント処理では、被測定ウェ
ハWF2の回転角度θ2と位置合わせ基準点RPの位置
とが決定される。この際、位置合わせ基準点RPの近傍
の2つの領域において、第1のテンプレート画像を用い
てパターンマッチング処理をそれぞれ行うことによっ
て、2つのマッチングパターンの位置を決定する。そし
て、これらのマッチングパターンの位置から、被測定ウ
ェハの回転角度θ2と、位置合わせ基準点RPの位置と
が決定される。
【0034】図4のステップT4における被測定ウェハ
WF2を用いたファインアライメント処理では、複数の
測定点の近傍で、第2のテンプレート画像を用いたパタ
ーンマッチング処理を行うことによって、各測定点の実
測位置が決定される。
【0035】C.基準ウェハを用いたプリアライメント
前処理:図5および図6は、基準ウェハWF1を用いた
プリアライメント前処理の手順を示すフローチャートで
ある。図5のステップS1では、ウェハのチップ寸法
と、X軸方向およびY軸方向のチップ個数とをユーザが
入力する。
【0036】図7は、半導体ウェハの表面に形成された
チップの配列を示す概念図である。半導体ウェハWFの
表面上には、同一サイズの矩形の複数のチップCPがタ
イル状に配置される。X軸方向とY軸方向に沿ったチッ
プ個数の偶数と奇数の組合わせは、偶数−偶数、奇数−
偶数、偶数−奇数、奇数−奇数の4通りある。図7
(A)は偶数−偶数の例であり、図7(B)は、偶数−
奇数の例である。このような4通りの組み合わせのいず
れであるかの情報と、チップの縦横のピッチLX,LY
から、ウェハの中心Oを基準にして、中心付近のチップ
の位置を算出することができる。従って、ステップS1
では、少なくともチップ個数の4通りの組合わせのいず
れであるかを示す情報と、チップのピッチLX,LYを
示す情報とが入力される。
【0037】図5のステップS2では、基準ウェハWF
1の中心位置において多階調画像(グレー画像)がカメ
ラ41によって取り込まれる。ウェハが最初にXYステ
ージ36上に載置される時には、図7に示すように、ウ
ェハの外周が、XYステージ36のウェハ保持アーム3
6a,36bで保持されて、XYステージ36のほぼ中
央に位置決めされる。この状態において、カメラ41に
よって撮像すると、ウェハの中心付近の画像を得ること
ができる。
【0038】図8は、ウェハの中心付近を拡大して示す
概念図である。この実施例では、各チップCPの右上の
角に、他の3つの角にはない特徴的なパターンPTが形
成されているものとする。このパターンPTを含む画像
部分は、後述するパターンマッチングにおいて、第1の
テンプレート画像として利用される。チップCPは、直
交するスクライブラインSLによって区分されている。
ウェハ表面を撮像して得られた多階調画像では、スクラ
イブラインSLは暗領域として識別されることもあり、
あるいは、明領域として識別されることもある。いずれ
の場合においても、スクライブラインSLは、チップC
Pとは明度が異なる領域として識別可能である。
【0039】図8には、チップ個数の4種類の組み合わ
せに応じたカメラ41の視野W1〜W4の位置が例示さ
れている。前述したように、カメラ41の視野サイズ
は、チップ1個分のサイズよりも小さいので、視野内に
1個のチップがすべて含まれることはない。第1の視野
W1は、チップ個数が偶数−偶数の場合におけるウェハ
中央での撮像領域に相当する。この視野W1は、スクラ
イブラインSLの交点のほぼ中心に位置している。第2
の視野W2は、チップ個数が偶数−奇数の場合における
ウェハ中央での撮像領域に相当する。この視野W2は、
2つのチップに挟まれた位置にある。第3の視野W3
は、チップ個数が奇数−偶数の場合におけるウェハ中央
での撮像領域に相当する。この視野W3も、チップに挟
まれた位置にある。第4の視野W4は、チップ個数が奇
数−奇数の場合におけるウェハ中央での撮像領域に相当
する。この視野W4も、2つのチップのほぼ中央に挟ま
れた位置にある。なお、実際には、基準ウェハは図8の
位置から回転しているので、視野W1〜W4は、スクラ
イブラインSLで示される正規の方位から傾いた状態と
なる。
【0040】図5のステップS2では、ウェハの中心位
置において画像を取り込むので、図8の視野W1〜W4
のいずれかの位置における画像が得られる。この画像
は、次のステップS3において、画像内に含まれる直線
部分(スクライブラインSL等)を認識するために使用
される。チップの個数が奇数−奇数の場合には、図8の
第4の視野W4のように直線部分が含まれない可能性が
高い。そこで、この場合には、チップのピッチLXまた
はLYの1/2だけウェハの中心からずらした位置にお
いて撮像するようにしてもよい。
【0041】図5のステップS3では、等価回転方向決
定手段150(図2)が、画像に含まれる直線エッジ情
報を検出するとともに、その直線エッジ情報から、基準
ウェハの粗回転角度を決定する。「粗回転角度」とは、
直線エッジ情報から得られる比較的低精度の回転角度を
意味する。直線エッジ情報の抽出方法としては、以下に
説明する1次元投影法やソベルオペレータ法等を利用す
ることができる。
【0042】図9は、1次元投影法による直線エッジ情
報の検出処理を示す説明図である。図9には、水平方向
にのみ直線部分が存在する2次元多階調画像が示されて
いる。1次元投影法では、この2次元多階調画像を種々
の方向に1次元投影して、画素値を加算する。直線部分
に平行な方向に投影した場合には、直線部分が存在する
座標における画素値が大きなピーク値を持つ。一方、直
線部分と平行でない方向に投影した場合には、加算され
た画素値のピーク値はこれよりも小さくなる。このよう
に、2次元画像をさまざまな方向に1次元投影して、画
素値の累算値のピーク値が最大となる投影方向を、直線
部分の方向として決定することができる。投影方向は、
180°の範囲にわたる複数の投影方向を選択するよう
にすればよい。この直線部分の方向から、粗回転角度が
決定される。例えば、ステージ座標系(XYステージ3
6に固定された座標系)の所定の方向(例えば時計の3
時方向)を基準方向として、この基準方向から反時計回
りに直線部分の方向まで測った角度を粗回転角度とする
ことができる。
【0043】図10ないし図12は、ソベルオペレータ
法による直線エッジ情報の検出処理を示す説明図であ
る。図10は、ソベルオペレータによる画像処理の方法
を示している。ソベルオペレータ法では、まず、図10
(A−1)または(A−2)に示すような、エッジ画素
を含む所定サイズの画素ブロック(図10の例では、3
×3ブロック)を多階調画像の中から選択する。ここ
で、「エッジ画素」は、「8近傍の画素のうちで、少な
くとも1つの画素の画素値が、自分自身(図10(A−
1),(A−2)の中心画素)の画素値と異なってお
り、かつ、画像の境界上にない画素」と定義される。図
10(A−1)では、画像の角部分の画素がエッジ画素
として認識される状態を示しており、図10(A−2)
では、直線部分の画素がエッジ画素として認識される状
態を示している。エッジ画素の識別は、3×3ブロック
を多階調画像内で走査し、ブロックの中央画素が上記の
定義に合致するか否かを判断することによって行なわれ
る。
【0044】図10(B−1),(B−2)は、水平方
向と垂直方向のソベルオペレータをそれぞれ示してい
る。エッジ画素を含む3×3ブロックに対して、これら
の水平方向オペレータと垂直方向オペレータとをそれぞ
れ作用させることによって、水平エッジ値と垂直エッジ
値とがそれぞれ求められる。図10(C)は、水平方向
オペレータを作用させた場合の演算の例を示している。
水平方向オペレータを3×3ブロックの画素値に作用さ
せると水平エッジ値が得られ、同様にして、垂直方向オ
ペレータを3×3ブロックの画素値に作用させると垂直
エッジ値が得られる。
【0045】図11は、ソベルオペレータを用いて得ら
れた水平エッジ値xと垂直エッジ値yとから、画像の直
線部分の角度を算出する方法を示す説明図である。図1
1(A)に示すように、画像の直線部分の角度αは、t
an-1(y/x)で与えられる。ここで、角度αは、水
平右向き方向(時計の3時方向)から反時計回りに測っ
た角度である。例えば、図11(B)の例では、垂直エ
ッジ値が0であり水平エッジ値が4なので、角度αは0
°であると判定できる。また、図11(C)の例では、
垂直エッジ値と水平エッジ値がいずれも1なので、角度
αは45°であると判定できる。なお、角度αは0°〜
180°の範囲の値を取るものとする。180°〜36
0°の範囲は、0°〜180°の範囲と等価である。
【0046】図12は、処理対象となる多階調画像の一
例と、この多階調画像からソベルオペレータ法によって
検出された角度αのヒストグラムを示す説明図である。
図12(A)に示す多階調画像内において、図10(A
−1)または図10(A−2)のようなエッジ画素を中
心画素とする3×3ブロックを検出し、エッジ画素を含
む各3×3ブロックについて図11に示す方法で角度α
を決定する。図12(B)は、このようして多数の3×
3ブロックについて得られた角度αの頻度を示すヒスト
グラムである。この例では、40°と130°の位置に
ピークが存在し、40°の位置のピークが最大である。
この時、最大ピーク位置の角度α1を、多階調画像内の
直線部分の回転方向を示す粗回転角度であるとして採用
する。
【0047】なお、上述した1次元投影法やソベルオペ
レータ法を用いて検出された粗回転角度α1には、90
°の整数倍異なる4つの等価な角度が存在する。換言す
れば、粗回転角度α1は、1/4の不確定さを有してい
る。図13は、4つの等価回転角度を示す説明図であ
る。図13(A)に示すように、カメラ41の視野W内
にスクライブラインSLの交点付近の画像が見えている
場合を考える。この実施例ではカメラ41の視野サイズ
がチップサイズに比べて小さいので、チップの回転方向
が図13(B)〜(E)の4種類のいずれであるかを画
像データから特定することができない。従って、ウェハ
の正しい回転角度は、90°おきの4つの等価な回転角
度の中の1つである。図3のステップS3においては、
この4つの等価な回転角度の少なくとも1つを粗回転角
度として検出する。等価な回転角度の1つが検出できれ
ば、他の等価な回転角度も検出できたものと考えること
ができる。
【0048】なお、ステップS3において得られる直線
エッジ情報とその粗回転角度は、ほとんどの場合はスク
ライブラインSLのものである。但し、スクライブライ
ンSLに限らず、ウェハの多階調画像内に存在する直線
的な画像部分に関する直線エッジ情報やその粗回転角度
を検出してもよい。チップ内の回路が有する直線的な部
分は、スクライブラインSLに平行なものがほとんどで
ある。従って、スクライブラインSL以外の直線的画像
部分を検出しても、ウェハの粗回転角度を求めることが
できる。
【0049】ステップS4では、ステップS3で検出さ
れた直線エッジ情報が信頼できるか否かが判定される。
この判定は、例えば、図9に示す1次元投影法を用いた
場合には、累算画素値のピーク値が所定の閾値以上であ
るか否かによって行なうことができる。また、図10〜
図12に示すソベルオペレータ法を用いた場合には、図
12(B)のヒストグラムのピーク値が所定の閾値以上
であるか否かによって判定することができる。あるい
は、モニタ136にウェハの画像を表示しておけば、は
っきりとした直線エッジが画像内に含まれるか否かをユ
ーザが目視で判定することができる。直線エッジ情報が
信頼できないものである場合には、ステップS5におい
て、XYステージ36を所定量(例えば1視野分)だけ
移動させ、ウェハ中心付近の別の位置において多階調画
像を取り込む。そして、ステップS3を再度実行するこ
とによって直線エッジ情報を検出し、粗回転角度α1を
求める。
【0050】こうして、粗回転角度α1が求められる
と、ステップS6において、撮像位置決定手段152
が、ウェハの中心付近においてスクライブラインSLの
交点位置を視野に含むように、XYステージ36の目標
位置座標を算出して移動させる。前述したように、X軸
方向とY軸方向に沿ったチップの個数の4種類の組み合
わせ(偶数−偶数、偶数−奇数、奇数−偶数、奇数−奇
数)によって、ウェハの中心における初期の視野の位置
は図8に示す4つの視野W〜W4の位置にほぼ決まって
いる。撮像位置決定手段152(図2)は、ステップS
3で得られた粗回転角度α1と、チップの寸法(ピッチ
LX,LY)と、チップの個数情報から、X方向とY方
向にそれぞれどの程度移動させればスクライブラインS
Lの交点位置を視野内に含む位置に移動できるかを算出
する。画像処理ユニット50は、この移動量を制御部3
3(図1)に通知して、XYステージ36を移動させ
る。その後、カメラ41によって多階調画像を再度撮像
する。なお、粗回転角度α1には1/4の不確定さがあ
るので、1回の移動によって、視野の中心がスクライブ
ラインSLの交点位置に到達できるとは限らない。この
場合には、例えばウェハの中央位置を中心として90°
回転した方向に移動方向を変更して、同じ距離だけ移動
すれば、スクライブラインSLの交点位置に視野(すな
わち撮像領域)の中心を移動させることができる。図1
4は、スクライブラインSLの交点位置に視野の中心を
移動させた状態を示している。図14に示したように、
ウェハの直線部分(スクライブラインSL)の方向は、
ステージ座標系の基準方向Dsから粗回転角度α1だけ
回転している。ステップS6においてカメラ41で取り
込んだ画像はモニタ136に表示される。
【0051】図5のステップS7では、ステップS6で
取り込まれた画像を時計回りに粗回転角度α1だけ回転
させる画像処理を行う。ステップS8では、撮像位置決
定手段152が、スクライブラインSLの交点Paの正
確な位置(座標値)の実測値を求めて、これを保存す
る。スクライブラインSLの交点位置の座標は、後に、
基準ウェハWF1の位置合わせ基準点を決定する際に使
用される。基準ウェハのスクライブラインSLの交点位
置は、例えば、図14に示す、カメラ41の視野Waの
中心点Paの座標で代表される。この点Paの位置は、
ユーザがモニタ136に表示された画像上において、マ
ウス等のポインティングデバイスを用い、カーソルを移
動させて指定することができる。あるいは、カメラ41
で取り込んだ多階調画像を処理することによって、スク
ライブラインSLの交点の中心位置の座標を自動的に決
定することも可能である。画像処理で交点の中心位置を
求める場合には、まず、前述したステップS3と同様な
方法に従って直線エッジを検出する。そして、スクライ
ブラインSLのエッジを近似した直線を求める。さら
に、これらの近似直線で構成される4つの角部の中心位
置を、スクライブラインSLの交点位置として決定す
る。なお、視野Waの中心位置の座標は、ステージ座標
読み込み部35(図1)で取り込まれたステージ座標系
の座標(ステージに固定された座標)である。視野Wa
(すなわち取込まれた画像)内の任意の位置のステージ
座標系の座標は、この座標値から容易に算出できる。
【0052】第1のテンプレート画像MPaの基準点Q
aと、スクライブライン交点Paとの座標値のオフセッ
ト(δx,δy)は、アライメント情報ファイル139
に保存される。
【0053】ステップS9では、ステップS7で回転し
た画像の中からパターンマッチング用の第1のテンプレ
ート画像(モデルパターンとも呼ぶ)を切り出して登録
する。図15は、第1のテンプレート画像MPaの登録
の様子を示す説明図である。ステップS7では、まず、
スクライブラインSL交点位置における多階調画像(図
15(A))を、図15(B)に示すように粗回転角度
α1だけ時計回りに回転させて、回転後の画像をモニタ
136に表示する。画像の回転は、アフィン変換によっ
て実行される。ユーザは、表示された画像を観察して、
テンプレート画像MPaとして使用できる画像パターン
が存在するか否かを判断する。テンプレート画像MPa
として使用できる画像パターンとは、その画像パターン
の向きから、粗回転角度α1として等価な4つ等価回転
角度の中の1つを選択できるような画像パターンを意味
する。テンプレート画像MPaとしては、90°の整数
倍の回転対称性が無い画像パターンが好ましい。換言す
れば、90°の整数倍の回転対称性(90°,180
°,270°の回転対称性)のいずれかを有する画像パ
ターンは、テンプレート画像MPaとしては不適切であ
る。スクライブラインSLの交点付近の視野Waには、
隣接する4つのチップのそれぞれの角部が含まれるの
で、これらの4つの角部の内の1つにのみ含まれる特有
の画像パターンを第1のテンプレート画像MPaとして
登録することができる。
【0054】現在の視野Wa内にテンプレート画像MP
aとして使用できる画像パターンが存在しない場合に
は、カメラ41で取り込んだ画像をモニタ136に表示
して観察しながら、XYステージ36を少しずつ移動さ
せる。そして、テンプレート画像MPaとして使用でき
る画像パターンが視野内に入る状態に設定する。
【0055】現在の視野Wa内にテンプレート画像MP
aとして使用できる画像パターンが存在する場合には、
図15(B),(C)に示すように、回転後の画像内か
らテンプレート画像MPaとして登録する領域を切り出
す。テンプレート画像MPaの範囲は、ユーザがマウス
等のポインティングデバイスを用いて指定する。テンプ
レート画像MPaは、スクライブラインSLの交点付近
に存在すれば望ましいが、必ずしも交点付近に存在しな
くても良い。
【0056】図5のステップS10では、第1のテンプ
レート画像MPaの画像と、テンプレート画像MPaの
所定位置にある基準点(例えば図15(c)に示す左上
点Qa)の座標が磁気ディスク138内のアライメント
情報ファイル139(図2)に登録される。なお、基準
点Qaの座標は、例えばステージ座標系の座標値で表わ
される。
【0057】図6のステップS11では、ユーザが、回
転して切り出したテンプレート画像MPaの所定の方向
(例えば時計の3時の方向)を、ウェハ座標系の基準方
向(0°方向)Dw1と定めることによって、粗回転角度
α1の不確定性を取り除く。例えば、図15(B)に示
すように、粗回転角度α1だけ時計廻りに回転した画像
において、時計の3時方向がウェハ座標系の基準方向D
w1として設定される。なお、ユーザが指定せずに、自動
的に時計の3時方向が基準方向Dw1として設定されるよ
うにしてもよい。ウェハの回転角度は、ステージ座標系
の基準方向Dsから、ウェハ座標系の基準方向Dw1まで
の角度である。従って、図15(B)の場合には、基準
ウェハの回転角度は、粗回転角度α1に等しい。なお、
ウェハ座標系の基準方向を、時計の3時方向以外の方向
に選択した場合には、基準ウェハの回転角度はα1とは
異なる値となる。しかし、この場合にも、粗回転角度α
1に所定の値を加算または減算した値が基準ウェハの回
転角度になる。例えば、図15(B)の状態において、
時計の12時方向がウェハ座標系の基準方向として選択
された場合には、基準ウェハの回転角度は、(α1+9
0°)となる。図6のステップS12では、この回転角
度α1の値がアライメント情報ファイル139に保存さ
れる。
【0058】ステップS13では、隣接するチップのス
クライブライン交点位置に撮像領域が来るようにXYス
テージ36を移動させて画像を撮像する。ステップS1
4では、この画像について、パターンマッチングを行な
うことによって、第1のテンプレート画像MPaと同じ
画像パターン(マッチングパターン)を検出する。図1
6は、ステップS13,S14の処理内容を示す説明図
である。この例では、第1のテンプレート画像MPaの
登録を行なった交点位置から斜め右下に隣接する交点位
置に視野Wbを移動させている。隣接するチップのスク
ライブライン交点位置は、縦、横、斜めのいずれの方向
に隣接していてもよい。この視野(撮像領域)Wbにお
ける画像の中から、第1のテンプレート画像MPaにマ
ッチングするマッチングパターンMPbを検出する。
【0059】ステップS14では、マッチングパターン
MPbを検出した後に、その基準点Qbの座標も算出す
る。そして、2つの画像パターンMPa,MPbの基準
点Qa,Qb同士を結ぶ直線L1の方向として、第2の
基準点Qbから第1の基準点Qaに向う方向(基準点の
連結方向)DL1を特定する。また、この連結方向DL1の
回転角度(ステージ座標系の基準方向Dsから反時計回
りに測った角度)θ1を算出する。なお、基準点Qa,
Qbの座標は、ステージ座標系の座標として求められて
いるので、連結方向DL1の回転角度θ1は、これらの座
標から簡単な計算で求めることができる。
【0060】この実施例では、図15(B)に示す粗回
転角度α1の代りに、基準点の連結方向DL1の回転角度
θ1を基準ウェハの回転角度として使用する。2つの回
転角度α1,θ1の違いは、ウェハ座標系の基準方向と
してどの方向を選択するか、に起因するものであり、い
ずれを回転角度として定義してもよい。但し、画像パタ
ーンの基準点の連結方向の回転角度θ1の方が、粗回転
角度α1よりも高精度に決定できるという利点がある。
前述した図3(A)に示されている回転角度θ1は、こ
の基準点の連結方向DL1で定義される回転角度である。
【0061】図6のステップS16では、第2のスクラ
イブライン交点Pb(図16)の位置が決定され、アラ
イメント情報ファイル139に保存される。例えば、第
2のスクライブライン交点PbとマッチングパターンM
Pbとの位置関係は、第1のスクライブライン交点Pa
とテンプレート画像MPaとの位置関係と等しいものと
仮定される。従って、第2のスクライブライン交点Pb
の位置は、マッチングパターンMPbの基準点Qbの位
置と、第1のスクライブライン交点Paとテンプレート
画像MPaの基準点Qaの相対位置とに基づいて算出さ
れる。
【0062】あるいは、第1のスクライブライン交点P
aの決定方法と同様の方法によって、第2のスクライブ
ライン交点Pbの位置を決定するようにしても良い。す
なわち、第2のスクライブライン交点Pbの位置を、ユ
ーザが指定してもよく、また、第2の視野Wb内の画像
を解析することによって、第2のスクライブライン交点
Pbの位置を自動的に決定するようにしてもよい。
【0063】図6のステップS17では、2つのスクラ
イブライン交点Pa,Pbの中点Pabの座標が算出さ
れ、位置合わせ基準点(図3(A)の点RP)としてア
ライメント情報ファイル139に保存される。この位置
合わせ基準点Pabは、各測定点の位置を決定するとき
の原点(すなわちウェハ座標系の座標原点)として使用
される。この実施例では、位置合わせ基準点Pabの座
標が、スクライブラインで規定される格子の互いに対角
方向にある2つのスクライブライン交点Pa,Pbの座
標から決定されているので、その位置を高精度に設定す
ることができる。
【0064】なお、位置合わせ基準点としては、この他
にも種々の設定方法がある。例えば、2つの画像パター
ンMPa,MPbの基準点Qa,Qbの中点Qabを位
置合わせ基準点として使用することもできる。さらに、
スクライブライン交点Pa,Pbと基準点Qa,Qbの
中の1つの点を、位置合わせ基準点として選択すること
も可能である。
【0065】以上の基準ウェハに関する前処理によっ
て、アライメント情報ファイル139内に以下の情報が
登録される。 (a)基準ウェハの粗回転角度α1と、高精度な回転角
度θ1; (b)第1のテンプレート画像MPaの画像データ; (c)テンプレート画像の基準点Qa,Qbの座標値; (d)テンプレート画像の基準点Qa,Qbからそれぞ
れのスクライブライン交点Pa,Pbまでの座標のオフ
セット(δx,δy); (e)位置合わせ基準点Pabの座標値。
【0066】これらの情報は、ステージ座標系とウェハ
座標系との対応関係を決定するために用いられる情報
(「座標系対応関係決定情報」と呼ぶ)である。この座
標系対応関係決定情報を用いることによって、ステージ
座標系と基準ウェハWF1のウェハ座標系とをアフィン
変換によって相互に座標変換することができる。また、
後述するように、この座標系対応関係決定情報を用い
て、ステージ座標系と被測定ウェハのウェハ座標系との
対応関係を求めることができる。
【0067】なお、ステージ座標系とウェハ座標系は、
アフィン変換によって容易に相互に変換することができ
るので、上記の座標系対応関係決定情報中のいくつかの
座標値は、ステージ座標系の座標値として登録しても良
く、また、ウェハ座標系の座標として登録しても良い。
いずれの場合にも、アフィン変換の変換係数を登録して
おくようにすれば、アフィン変換を容易に実行すること
ができる。
【0068】D.基準ウェハを用いたファインアライメ
ント前処理:図17は、基準ウェハWF1を用いたファ
インアライメント前処理の手順を示すフローチャートで
ある。ファインアライメント前処理では、基準ウェハW
F1上の複数の測定点PM1〜PM15(図3(A)に
おいて白丸で示す)の位置(位置合わせ基準点RPとの
相対的な位置関係)が、以下のようにして登録される。
【0069】ステップS21では、測定点(例えば図3
(A)のPM1)を視野内に含む位置をユーザが指定し
て、XYステージ36を移動させる。図18は、i番目
の測定点PMiを含む視野W(i)を示す説明図であ
る。この視野W(i)は、アフィン変換によって基準ウ
ェハWF1の粗回転角度α1だけ回転した後の画像を示
している。
【0070】図17のステップS22では、ユーザが図
18に示す画面上でi番目の測定点PMiの位置を、マ
ウスなどのポインティングデバイスを用いて指示する。
測定点PMiの座標値(Xi,Yi)は、アライメント
情報ファイル139に保存される。ステップS23で
は、測定点PMiの近傍において、第2のテンプレート
画像MRa(第2のテンプレート画像)として適切な画
像パターンをユーザが探す。第2のテンプレート画像M
Raとして適切な画像パターンは、90°の整数倍の回
転対称性が無い画像パターンであることが好ましい。
【0071】適切な画像パターンが見いだされると、ス
テップS24において、その画像パターンが画面の中央
になるようにXYステージ36の位置をユーザが調整す
る。そして、ステップS25において視野内の画像を取
り込み、粗回転角度α1だけ画像を回転する。
【0072】ステップS26では、ユーザが第2のテン
プレート画像MPaの領域を指定することによって、第
2のテンプレート画像MRaの画像データを切り出し、
その基準点Raの座標(x,y)とともに保存する。
【0073】なお、第2のテンプレート画像MRaは、
プリアライメント前処理で用いられた第1のテンプレー
ト画像MPa(図15(C))と同じものであってもよ
い。例えば、各測定点の近傍に第1のテンプレート画像
MPaが存在する場合には、ステップS26の代わり
に、パターンマッチング手段154(図2)が、第1の
テンプレート画像MPaを用いたパターンマッチング処
理を行って基準点Raの位置を決定する。
【0074】ステップS27では、第2のテンプレート
画像MRaの基準点Raから、i番目の測定点PMiま
でのX座標とY座標のオフセット(ΔX,ΔY)を求め
てアライメント情報ファイル139に保存する。測定点
PMiの位置は、ユーザによって指定される。この座標
のオフセット(ΔX,ΔY)は、i番目の測定点PMi
の近傍に存在する第2のテンプレート画像MRaと、i
番目の測定点PMiとの位置関係を示す情報である。
【0075】ステップS28では、他の測定点があるか
否かが判断され、他の測定点がある場合にはステップS
21に戻り、上述したステップS21〜S27の処理が
繰り返される。一方、全ての測定点に関してステップS
21〜S27の処理が終了すると、基準ウェハWF1で
のファインアライメント前処理が終了する。
【0076】なお、第2のテンプレート画像MRaとし
ては、全ての測定点に対して共通の1つの画像パターン
を使用してもよく、あるいは、各測定点に対してそれぞ
れ異なる画像パターンを登録しても良い。
【0077】上述した基準ウェハWF1のファインアラ
イメント前処理では、複数の測定点に関して、それぞれ
以下の情報がアライメント情報ファイル139に登録さ
れる。 (a)第2のテンプレート画像MRaの画像データ; (b)第2のテンプレート画像MRaの基準点Raの位
置(すなわち基準点Raと位置合わせ基準点RPとの位
置関係); (c)第2のテンプレート画像MRaの基準点Raと測
定点PMiとの座標のオフセット(ΔX,ΔY)。
【0078】上記の情報は、ウェハ座標系において、各
測定点PMiの位置を決定するために使用される情報で
あり、以下では「測定位置決定情報」と呼ぶ。この測定
位置決定情報を用いることによって、被測定ウェハにお
ける各測定点の位置を求めることができる。
【0079】なお、ステージ座標系とウェハ座標系とは
相互に座標変換することができるので、測定位置決定情
報に含まれる座標値は、ステージ座標系の座標値として
登録してもよく、また、ウェハ座標系の座標として登録
しても良い。
【0080】なお、基準ウェハWF1に関しては、図1
に示す装置を用いて種々の測定等の所定の処理が行なわ
れる。例えば、図1に示す装置が膜厚計である場合に
は、基準ウェハWF1内の複数の測定点PM1〜PM1
5においてウェハ表面の膜厚が測定される。
【0081】E.被測定ウェハを用いたプリアライメン
ト処理:被測定ウェハWF2に対しても、基準ウェハW
F1と同じ測定点において同じ測定処理(例えば膜厚測
定)が実行される。しかし、被測定ウェハWF2がXY
ステージ36に載置された時には、被測定ウェハWF2
の回転角度が不明なので、基準ウェハWF1と同じ測定
点にプローブを位置決めできるようにXYステージ36
の位置を移動させることができない。そこで、被測定ウ
ェハWF2についての測定処理を実行する前に、まず、
以下に説明するプリアライメント処理によって、その被
測定ウェハWF2の回転角度と位置合わせ基準点の位置
とを決定する。被測定ウェハWF2の回転角度と位置合
わせ基準点の位置とは、被測定ウェハのウェハ座標系と
ステージ座標系との対応関係を示す情報であると考える
こともできる。そして、後述するファインアライメント
処理によって、各測定点の座標を正確に決定する。
【0082】図19および図20は、被測定ウェハのプ
リアライメント処理の手順を示す説明図である。ステッ
プS1〜S6までの処理は、図5に示した基準ウェハに
関するプリアライメント前処理と同じである。これによ
って、ウェハの中心近くのスクライブライン交点の画像
が取り込まれる。図21は、被測定ウェハに設定された
視野の一例を示している。ここでは、視野Wcを撮像領
域とした画像が取込まれる。図19のステップS3にお
いては、図21に示す粗回転角度α2prが検出されてい
る。なお、この粗回転角度α2prは、90°の整数倍の
不確定さを有している。被測定ウェハにおいては、不確
定さを取除く前の粗回転角度を「予備回転角度」とも呼
ぶ。この名前は、不確定さを含む予備的な回転角度であ
ることを意味している。
【0083】ステップS31では、パターンマッチング
手段154(図2)が、この視野Wc内の画像に関し
て、基準ウェハの前処理において登録された第1のテン
プレート画像MPaを用いたパターンマッチング処理を
行なう。
【0084】図22は、被測定ウェハに関するパターン
マッチングの方法を示す説明図である。まず、図22
(A)に示す読み取られた画像を、アフィン変換によっ
て予備回転角度α2prだけ時計廻りに回転して、図22
(B)に示すような画像を作成する。そして、回転後の
画像内において、第1のテンプレート画像MPaとマッ
チングする画像パターンをパターンマッチング処理によ
って検出する。この時、図22(C)に示すように、9
0°ずつ回転した4つのテンプレート画像を予め作成し
ておくことが好ましい。そして、これらの4つのテンプ
レート画像の中で、マッチング度が最も高くなるテンプ
レート画像を決定し、これにマッチングした画像パター
ン(マッチングパターン)の基準点の座標を決定する。
図22(B)の例では、180°回転のテンプレート画
像のマッチング度が最も高い。従って、この被測定ウェ
ハの粗回転角度α2は、(α2pr+180°)であるこ
とが決定される。すなわち、テンプレート画像を用いた
パターンマッチングによって、予備回転角度α2prの不
確定さを解消して、粗回転角度α2の値を決定すること
ができる。なお、回転対称な4つのテンプレート画像に
関連付けられた角度(0°、90°、180°、270
°)のうち、パターンマッチングによって選択された角
度を、以下では「マッチング角度」と呼ぶ。
【0085】図23は、被測定ウェハの予備回転角度α
2prと粗回転角度α2との関係を示す説明図である。予
備回転角度α2prは、ステージ座標系の基準方向Dsか
ら、被測定ウェハの直線部分(スクライブラインSL)
の方向まで反時計回りに測った角度である。粗回転角度
α2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウェハ座
標系の基準方向Dw2まで反時計回りに測った角度であ
る。ウェハ座標系の基準方向Dw2は、マッチングパター
ンMPcが正立(図22(C)の最初のテンプレート画
像の向きに)した時に、時計の3時方向を向く方向であ
ると定義されている。予備回転角度α2prは、ウェハの
直線部分から決定されていただけなので、この例では、
予備回転角度α2prと粗回転角度α2とは180°の差
がある。もちろん、これらの角度α2pr,α2が等しい
場合もある。
【0086】図19のステップS32では、マッチング
パターンMPcの基準点Qcの座標がアライメント情報
ファイル139に保存される。図20のステップS33
では、被測定ウェハの回転角度の不確定さを解消して、
その相対回転角度Δαを求める。ここで、被測定ウェハ
の相対回転角度Δαは、非測定ウェハの粗回転角度α2
と、基準ウェハの粗回転角度α1との差分(α2−α
1)として定義される。
【0087】被測定ウェハ内の各測定点の位置は、この
相対的な回転角度Δαを用いて決定することもできる。
しかし、この実施例では、以下の手順により、基準ウェ
ハとの相対的な回転角度をより正確に求めることによっ
て、各測定点の位置をより正確に決定している。
【0088】ステップS34では、パターンマッチング
の結果から、マッチングパターンMPcの近傍にある第
1のスクライブライン交点Pc(図23)の位置を算出
する。図24は、マッチングパターンMPcの基準点Q
cと、第1のスクライブライン交点Pcとの関係を示す
説明図である。前述したように、パターンマッチング処
理では、図24(a)〜(d)に示す4つのマッチング
角度のいずれか1つにおいて、画像パターンがマッチン
グすることが確認される。スクライブライン交点Pcの
座標(Xc,Yc)は、マッチング角度に応じてそれぞ
れ以下のように算出される。
【0089】(a)マッチング角度が0度の場合: Xc=Xs+δx,Yc=Ys+δy
【0090】(b)マッチング角度が90度の場合: Xc=Xs+δy,Yc=Ys−δx
【0091】(c)マッチング角度が180度の場合: Xc=Xs−δx,Yc=Ys−δy
【0092】(d)マッチング角度が270度の場合: Xc=Xs−δy,Yc=Ys+δx
【0093】ここで、δx,δyは、前述した基準ウェ
ハのプリアライメント前処理において求められていた、
テンプレート画像MPaの基準点Qa(図16)と、そ
の近傍のスクライブライン交点Paとの座標のオフセッ
トである。この座標のオフセット(δx,δy)を用い
ることによって、マッチングパターンMPcの基準点Q
cから、スクライブライン交点Pcの座標を上記のよう
に算出することができる。なお、図24に示す関係は、
被測定ウェハWF2を予備回転角度α2prだけ回転させ
た状態のものなので、上記の4つの式の各座標値として
は、予備回転角度α2prだけ回転するようにアフィン変
換を行った値が使用される。
【0094】図20のステップS35では、2つの目の
スクライブライン交点を視野内に含む位置に被測定ウェ
ハWF2を移動させる。図25は、被測定ウェハにおい
て設定された2つの視野の関係を示す説明図である。被
測定ウェハの2つのスクライブライン交点Pc,Pdの
位置関係は、ウェハ座標系において、基準ウェハの2つ
のスクライブライン交点位置Pa,Pbの位置関係と同
じである。従って、2番目のスクライブライン交点Pd
は、最初のスクライブライン交点Pcから、基準ウェハ
の直線L1に相当する直線L2の方向に沿った方向に存
在する。2番目のスクライブライン交点PdにXYステ
ージ36を移動させる移動量は、基準ウェハの2つの基
準点Qa,Qbの座標値の差分と同じである。こうし
て、図25の2番目の視野Wdが設定される。
【0095】図20のステップS36では、2番目の視
野Wdの画像が読み取られ、粗回転角度α2だけ画像を
アフィン変換で回転するとともに、回転後の画像に関し
てパターンマッチングを実行する。このパターンマッチ
ングでは、第1のテンプレート画像MPaと最も一致し
たマッチングパターンMPdの基準点Qd(図25)の
座標が得られる。
【0096】ステップS37では、回転方向決定手段1
58(図2)が、2つの基準点Qc,Qdの連結方向D
L2の回転角度θ2を求める。この回転角度θ2は、ステ
ージ座標系の基準方向Dsから、基準点の連結方向DL2
まで反時計回りに測定した角度である。
【0097】ステップS38では、2つ目のマッチング
パターンMPdの基準点Qdの座標から、2点目のスク
ライブライン交点Pdの座標が算出される。この演算
は、前述した図24に示すものと同じである。ステップ
S39では、1点目と2点目のスクライブライン交点P
c,Pdの中心点Pcd(図25)の座標を求める。こ
の中心点Pcdは、ウェハ座標系における原点となる。
また、以下に説明するファインアライメント処理におけ
る位置合わせ基準点RP(図3(B))として使用され
る。
【0098】基準ウェハWF1と被測定ウェハWF2と
の相対的な回転角度は、被測定ウェハにおける基準点の
連結方向DL2の回転角度θ2と、基準ウェハにおける基
準点の連結方向DL1の回転角度θ1とを用いて高精度に
決定することができる。
【0099】図26は、高精度な相対回転角度を求める
方法を示す説明図である。図26(A)は、基準ウェハ
に関して得られた2つの基準点Qa,Qbを結ぶ直線L
1を示している。これらの基準点Qa,Qbを結ぶ連結
方向DL1は、第2の基準点Qbから第1の基準点Qaに
向う方向に取られている。この連結方向DL1の回転角度
θ1は、ステージ座標系の基準方向Dsから連結方向D
L1まで反時計回りに測った角度である。図26(B)
は、被測定ウェハに関して得られた2つの基準点Qc,
Qdを結ぶ直線L2を示している。これらの基準点Q
c,Qdを結ぶ連結方向DL2も、第2の基準点Qdから
第1の基準点Qcに向う方向に取られている。この連結
方向DL2の回転角度θ2も、ステージ座標系の基準方向
Dsから連結方向DL2まで反時計回りに測った角度であ
る。このように、基準ウェハにおける連結方向DL1の回
転角度θ1も、被測定ウェハにおける連結方向DL2の回
転角度θ2も、いずれも同じ定義に従って決定されてい
る。従って、これらの差分△θ=θ2−θ1を求めるこ
とによって、これを、基準ウェハと被測定ウェハとの相
対的な回転角度として採用することができる。
【0100】ところで、被測定ウェハの回転角度(回転
方向)を決める方法としては、他の方法も考えられる。
図27は、粗回転角度α1,α2を用いた粗い相対回転
角度の決定方法を示す説明図である。粗回転角度α1,
α2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウェハ座
標系の基準方向Dw1,Dw2まで反時計回りに測った角度
である。従って、粗回転角度の差分△α=α2−α1
を、基準ウェハと被測定ウェハとの相対的な回転角度と
することができる。但し、上述した回転角度θ1、θ2
の方が、粗回転角度α1,α2よりも精度が高いので、
その相対回転角度△θも、粗回転角度から決定された相
対回転角度△αよりも精度が高い。
【0101】回転方向決定手段158が被測定ウェハの
回転角度(回転方向)を決定する方法としては、上述の
方法も含めて、以下のような種々の方法が考えられる。
【0102】方法1:基準ウェハの高精度回転角度θ1
と、被測定ウェハの高精度回転角度θ2との差分△θか
ら、両者の相対的な回転角度(回転方向)を決定する。
この方法1は、図26に示したものである。この方法に
よれば、相対的な回転角度(回転方向)を高精度に決定
できるという利点がある。
【0103】方法2:基準ウェハの粗回転角度α1と、
被測定ウェハの粗回転角度α2との差分△αから、両者
の相対的な回転角度(回転方向)を決定する。この方法
2は、図27に示したものである。この方法を用いる場
合には、基準ウェハや被測定ウェハにおいて、少なくと
も1カ所の画像でパターンマッチングを行えばよい。従
って、処理を高速化できるという利点がある。
【0104】方法3:被測定ウェハの高精度回転角度θ
2そのものを、被測定ウェハの回転角度(回転方向)と
して利用する。図26(B)から解るように、高精度回
転角度θ2は、ステージ座標系の基準方向Dsから、ウ
ェハ座標系の連結方向DL2までの回転角度である。従っ
て、被測定ウェハは、ステージ座標系の基準方向Dsか
らθ2だけ回転しているものと考えることが可能であ
る。なお、方法3の変形として、高精度回転角度θ2に
一定値を加算または減算した値を、被測定ウェハの回転
角度(回転方向)としてもよい。この方法3によれば、
基準ウェハからの相対的な回転角度ではなく、ステージ
座標系の所定の基準方向Dsを基準とした回転角度(回
転方向)を高精度に決定できるという利点がある。特
に、基準ウェハの位置合わせ基準点や複数の測定点の座
標を、予めステージ座標系の座標に変換している場合に
は、この回転角度θ2を被測定ウェハの回転角度として
そのまま利用することができる。
【0105】方法4:被測定ウェハの粗回転角度α2そ
のものを、被測定ウェハの回転角度(回転方向)とす
る。この場合も、方法3と同様に、回転角度α2に一定
値を加算または減算した値を、被測定ウェハの回転角度
(回転方向)としてもよい。この方法4によれば、基準
ウェハからの相対的な回転角度ではなく、ステージ座標
系の所定の基準方向Dsを基準とした回転角度(回転方
向)を高速に決定できるという利点がある。
【0106】ところで、被測定ウェハのプリアライメン
ト処理によって、位置合わせ基準点RP(図3)の位置
と、回転角度θ2とが決定されたので、これらを用いて
ステージ座標系の座標と被測定ウェハのウェハ座標系と
の座標変換を行うことができる。このような座標変換を
行えば、被測定ウェハの各測定点の座標を予測すること
ができる。しかし、プリアライメント処理で得られた結
果から各測定点の座標を決定するときには、以下のよう
な問題がある。
【0107】第1の問題は、被測定ウェハの回転角度θ
2の誤差である。上述したように、回転角度θ2は、2
回のパターンマッチングで得られた基準点Qc,Qdの
位置から決定される。従って、パターンマッチングにお
ける位置合わせ誤差によって、回転角度θ2の値に誤差
が生じる。この誤差のために、位置合わせ基準点RPか
ら遠い位置に存在する測定点においては、座標変換で予
測される測定点の予測位置と、実際の位置(実測位置)
とのずれが大きくなり、位置合わせ精度が悪くなるとい
う問題がある。回転角度θ2の誤差に起因する位置合わ
せ誤差は、位置合わせ基準点RPから遠い測定点ほど大
きい。
【0108】第2の問題は、XYステージ36の機械的
精度の影響である。XYステージ36の機械的精度に起
因して、ステージ座標系の直交度の誤差や、非線形歪み
(たわみ)の誤差が生じる。これらの誤差により、各測
定点の位置合わせ精度が悪くなる。この機械的精度に起
因する誤差も、位置合わせ基準点RPから遠い測定点ほ
ど大きい。
【0109】第3の問題は、ウェハ自身のたわみの影響
である。基準ウェハと被測定ウェハではたわみ方が異な
るので、この相違によって位置合わせ誤差が発生する。
【0110】このように、種々の原因によって測定点の
位置合わせ誤差が発生するので、この実施例では以下に
示すファインアライメント処理によって、各測定点の位
置を正確に決定している。
【0111】F.被測定ウェハを用いたファインアライ
メント処理:図28は、被測定ウェハを用いたファイン
アライメント処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS41では、プリアライメント処理で得られた
情報(プリアライメント情報)を用いて最初の測定点の
座標を予測し、測定点の近傍にあるテンプレート画像
(マッチング画像)の位置にXYステージ36を移動さ
せる。なお、ステージ座標系における測定点の座標は、
被測定ウェハの回転角度α2,θ2と、位置合わせ基準
点RPのステージ座標と、基準ウェハにおける位置合わ
せ基準点RPと各測定点との相対的な位置関係とに基づ
いて予測できる。このような測定点の座標の予測値を、
以下では「予測位置」または「予測値」と呼ぶ。また、
以下で説明するファインアライメント処理によって決定
される測定点の座標の値を、「実測位置」または「実測
値」と呼ぶ。
【0112】ステップS42では、測定点近傍の画像を
取込み、プリアライメント処理で求めた粗回転角度α2
だけ画像を回転する。図29は、回転後の画像を示す説
明図である。この画像は、前述した基準ウェハのプリア
ライメント処理における図18の画像とほぼ同じもので
ある。
【0113】図28のステップS43では、第2のテン
プレート画像MRa(図18)を用いたパターンマッチ
ングを行い、マッチングパターンMRb(図29)が決
定される。ステップS44では、マッチングパターンM
Rbの基準点Rbの座標を決定する。ステップS45で
は、基準点Rbの座標を、基準ウェハで求められていた
測定点PMiと基準点Raの座標のオフセット△X,△
Yで補正することによって、測定点PMiの実測位置を
決定する。この測定点PMiの実測位置は、ステージ座
標系の座標に変換される。従って、この測定点PMiの
実測位置に従って、測定プローブを測定点PMiに正確
に位置決めすることができる
【0114】図28のステップS46では、他の測定点
があるか否かが判断され、他の測定点がある場合にはス
テップS41に戻ってステップS41〜S45の処理が
繰返される。こうして、被測定ウェハ上の複数の測定点
PM1〜PM15(図3)について、ステップS41〜
S45を繰返し実行することによって、各測定点の実測
位置を正確に決定することができる。各測定点における
測定処理(例えば膜厚測定)は、ステップS45とステ
ップS46の間に行うことができる。あるいは、すべて
の測定点に関してステップS41〜S45を繰返して実
行した後に、各測定点における測定処理を順次実行する
ようにしてもよい。
【0115】このように、上記実施例では、プリアライ
メント処理によって、被測定ウェハの位置合わせ基準点
RP(=Pcd)の座標を決定するとともに、その回転
角度α2,θ2を決定した。そして、これらのプリアラ
イメント情報と、基準ウェハにおいて登録されていた位
置合わせ基準点RPと各測定点との位置関係とに従っ
て、被測定ウェハの複数の測定点の位置を予測した。ま
た、この予測位置においてファインアライメント処理を
行うことによって、各測定点の実測位置を正確に決定し
た。従って、上述したような種々の位置合わせ誤差を低
減し、高精度に測定点を位置決めすることが可能であ
る。
【0116】G.第2実施例:上述した第1実施例で
は、各測定点ごとにファインアライメント処理を実行し
ていたので、すべての測定点で高精度な位置合わせが可
能となるが、かなりの処理時間を要する。しかし、プリ
アライメント情報から算出される被測定ウェハの測定点
の予測位置が、必要な位置合わせ精度を有しているなら
ば、ファインアライメント処理を省略することが可能に
なる。
【0117】ところで、第1実施例で述べたように、プ
リアライメント処理ではウェハ中心近くの2つのスクラ
イブライン交点Pc,Pdの近傍でそれぞれパターンマ
ッチングを行い、2ヶ所のマッチング基準点Qc,Qd
を求めて回転角度を決定していた。また、2点のスクラ
イブライン交点Pc,Pdの位置から位置合わせ基準点
RP(=Pcd)の位置を求めていた。このとき、マッ
チングパターンの基準点Qc,Qdの位置には多少の誤
差がある。従って、測定点がこれらのマッチングパター
ンから遠くなるほど、このマッチング誤差による位置合
わせの際のずれ量(位置合わせ誤差)が大きくなると考
えられる。
【0118】図30は、位置合わせ基準点RPから測定
点PMiまでの距離と、位置合わせ誤差との関係を示す
説明図である。ここでは話を単純化するために、パター
ンマッチング以外の誤差は無視できるとする。このと
き、例えば図30(B)に示すように、位置合わせ基準
点RPから測定点PM5までの距離が約30mmであ
り、測定点PM5の近傍における位置合わせ誤差(予測
位置と実測位置との差)が±5μmであると仮定する。
この位置合わせ誤差は、主に、回転角度θ2の誤差δθ
に起因している。従って、各測定点における位置合わせ
誤差は、位置合わせ基準点RPからの距離に比例する。
例えば、位置合わせ基準点RPから約100mm離れた
測定点PM1においては、位置合わせ誤差は±16.7
μmとなる。仮に、許容される位置合わせ精度が±10
μmであると仮定すると、100mm離れた位置では要
求される位置合わせ精度を満足しないが、約60mm離
れた位置までは要求精度を満足できることになる。
【0119】そこで第2実施例では、位置合わせ基準点
RPから測定点PMiまでの距離が所定値Lmax以下
の場合には、ファインアライメント処理を省略し、プリ
アライメント情報(位置合わせ基準点RPの位置と回転
角度α2,θ2)を用いて算出される予測位置を、その
測定点PMiの実測位置として採用する。一方、位置合
わせ基準点RPから測定点PMiまでの距離が所定値L
maxより大きい場合には、その測定点PMiについて
ファインアライメント処理を行って実測位置を決定す
る。
【0120】例えば、図30(A)に示すようにウェハ
上にPM1〜PM15の15ヶ所の測定点のうち、位置
合わせ基準点RPから半径60mmの範囲内(図の破線
で描かれた円の内側)にある4つの測定点PM5,PM
8,PM11,PM13についてはファインアライメン
ト処理を省略し、プリアライメント情報のみを用いた演
算によって、測定点の実測位置を決定する。一方、その
他の測定点についてはファインアライメント処理を実行
して実測位置を決定する。
【0121】この第2実施例では、位置合わせ基準点R
Pから所定の範囲内にある測定点に関しては、ファイン
アライメント処理を省略するので、各測定点における位
置合わせ精度を満足しつつ、位置合わせ処理全体の処理
時間を短縮することができる。
【0122】H.第3実施例:第3実施例においても、
第2実施例と同様に、測定点の位置に応じて、ファイン
アライメント処理を実行するか否かを決定する。ただ
し、第2実施例と異なるのは、ファインアライメント処
理を行った測定点から所定の範囲内にある他の測定点に
ついて、ファインアライメント処理を省略するようにし
た点である。
【0123】図31は、第3実施例における処理の方法
を示す説明図である。測定点の位置は、図30(A)と
同じである。第3実施例では、プリアライメント処理を
行った後、PM1〜PM15の15ヶ所の測定点を、こ
の順序で位置合わせしつつ測定を実行するものと仮定す
る。また、i番目の測定点PMiと、それ以前にファイ
ンアライメント処理を行った測定点との距離が所定値L
max(=60mm)以下の場合には、その測定点PM
iのファインアライメント処理を省略しても要求される
位置合わせ精度が得られると仮定する。
【0124】図31において、位置合わせ基準点RPか
ら最初の測定点PM1までの距離は所定値Lmax(6
0mm)よりも大きいので、この測定点PM1について
はファインアライメント処理を行って実測位置を決定す
る。この測定点PM1から距離Lmaxの範囲は、図中
で破線で示されている。1番目の測定点PM1から2番
目の測定点PM2までの距離はLmax以下である。そ
こで、2番目の測定点PM2に対しては、ファインアラ
イメント処理を省略する。以下同様に、各測定点ごとに
ファインアライメント処理を省略するかどうかを決定す
る。従って、ファインアライメント処理が実行される測
定点は、図中で黒丸で示す測定点PM1,PM4、PM
6,PM8,PM10,PM12、PM13の7ヶ所の
みとなり、他の測定点ではファインアライメント処理を
省略できる。
【0125】以下では、ファインアライメント処理を省
略した測定点を「ファインアライメント省略測定点」と
呼び、ファインアライメント処理が行なわれた測定点を
「ファインアライメント済測定点」と呼ぶ。
【0126】ファインアライメント省略測定点の実測位
置は、その近傍にあるファインアライメント済測定点の
予測位置と実測位置とのずれ量に基づいて、ファインア
ライメント省略測定点の予測位置を補正することによっ
て決定される。ファインアライメント済測定点の予測位
置は、プリアライメント情報を用いた座標変換で得られ
る。座標値の補正方法としては、例えば、ファインアラ
イメント済測定点の予測位置と実測位置との対応関係を
表すアフィン変換係数を求め、このアフィン変換係数を
用いて、ファインアライメント省略測定点の予測位置を
アフィン変換する方法がある。あるいは、ファインアラ
イメント済測定点の予測位置と実測位置とのずれ量か
ら、位置合わせ基準点の位置と、ウェハの回転角度とを
補正し、これらに基づいてファインアライメント省略測
定点の実測位置を算出するようにすることもできる。
【0127】なお、第3実施例においても、第2実施例
と同様に、位置合わせ基準点RPからの距離がLmax
以下の測定点については、ファインアライメント処理を
行わないものとしてもよい。
【0128】以上説明したように、第3実施例では、フ
ァインアライメント済測定点から一定の範囲内の測定点
については、ファインアライメント処理を省略して、フ
ァインアライメント済測定点の予測位置と実測位置との
ずれ量に基づいて、その測定点の予測位置を補正するよ
うにした。従って、ファインアライメント処理を行う測
定点の数を低減することができる。この結果、各測定点
における位置合わせ精度を満足しつつ、位置合わせ処理
全体の処理時間を短縮することができる。
【0129】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0130】(1)上記実施例において、ハードウェア
によって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置
き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによっ
て実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換え
るようにしてもよい。
【0131】(2)位置合わせ基準点RPの座標を決定
するための第1のパターンマッチングは、位置合わせ基
準点RPの近傍の領域の画像に関して行えばよく、位置
合わせ基準点を含む領域の画像に対してパターンマッチ
ングを行う必要はない。同様に、各測定点の座標を決定
するための第2のパターンマッチングも、各測定点を含
む領域の画像に対してパターンマッチングを行う必要は
なく、各測定点の近傍の領域の画像に対して行えばよ
い。
【0132】(3)上記実施例では、位置合わせ基準点
RPの位置と回転角度θ2とを決定する際に、2つの領
域においてパターンマッチングを行うようにしていた
が、1カ所の領域におけるパターンマッチングによって
位置合わせ基準点RPの位置と回転角度θ2とを決定す
るようにしてもよい。あるいは、3カ所以上の領域につ
いてパターンマッチングを行うことによって、位置合わ
せ基準点RPの位置と回転角度θ2とを決定するように
してもよい。また、各測定点の位置を決定する際に、複
数の領域に関してパターンマッチングを行うようにして
もよい。一般に、パターンマッチングを行う領域の数が
増加するほど、それによって決定される座標や回転角度
の精度が向上する。
【0133】(4)上記実施例では、装置にウェハの回
転機構が備えられていない場合について説明したが、回
転機構を有する装置に対しても本発明を適用することが
可能である。本発明によれば、回転機能を有する装置に
おいても、ウェハの回転方向(回転角度)を画像処理に
よって検出することが可能なので、測定点の位置決め処
理が簡単であり、また、高速に処理できるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を適用して半導体ウェハの位
置合わせ処理を行なう機能を有する測定装置の構成を示
すブロック図。
【図2】画像処理ユニット50の内部構成を示すブロッ
ク図。
【図3】実施例における位置合わせ処理の概要を示す説
明図。
【図4】実施例における位置合わせ処理の全体手順を示
すフローチャート。
【図5】基準ウェハWF1を用いたプリアライメント前
処理の手順を示すフローチャート。
【図6】基準ウェハWF1を用いたプリアライメント前
処理の手順を示すフローチャート。
【図7】半導体ウェハWF内に形成された複数のチップ
の配列の様子を示す概念図。
【図8】ウェハの中心付近を拡大して示す概念図。
【図9】1次元投影法による直線エッジ情報の検出処理
を示す説明図。
【図10】ソベルオペレータによる画像処理の方法を示
す説明図。
【図11】ソベルオペレータを用いて得られた水平エッ
ジ値と垂直エッジ値とから、画像の直線部分の角度を算
出する方法を示す説明図。
【図12】処理対象となる多階調画像の一例と、この多
階調画像からソベルオペレータ法によって検出された角
度のヒストグラムを示す説明図。
【図13】4つの等価回転角度を示す説明図。
【図14】スクライブラインSLの交点位置に視野の中
心を移動させた状態を示す説明図。
【図15】テンプレート画像MPaの登録の様子を示す
説明図。
【図16】ステップS10の処理内容を示す説明図。
【図17】基準ウェハWF1を用いたファインアライメ
ント前処理の手順を示すフローチャート。
【図18】基準ウェハWF1のファインアライメント前
処理におけるi番目の測定点PMiを含む視野W(i)
を示す説明図。
【図19】被測定ウェハのプリアライメント処理の手順
を示すフローチャート。
【図20】被測定ウェハのプリアライメント処理の手順
を示すフローチャート。
【図21】被測定ウェハにおいて設定される視野の一例
を示す説明図。
【図22】被測定ウェハに関するパターンマッチングの
方法を示す説明図。
【図23】被測定ウェハにおけるウェハの予備回転角度
α2prと粗回転角度α2との関係を示す説明図。
【図24】マッチングパターンMPcの基準点Qcと第
1のスクライブライン交点Pcとの関係を示す説明図。
【図25】被測定ウェハにおいて設定された2つの視野
の関係を示す説明図。
【図26】高精度な相対回転角度を求める方法を示す説
明図。
【図27】粗い相対回転角度を求める方法を示す説明
図。
【図28】被測定ウェハを用いたファインアライメント
処理の手順を示すフローチャート。
【図29】被測定ウェハを用いたファインアライメント
処理において、測定点の近傍で得られた回転後の画像を
示す説明図。
【図30】第2実施例における処理の方法を示す説明
図。
【図31】第3実施例における処理の方法を示す説明
図。
【符号の説明】
30…制御操作ユニット 31…表示部 32…操作部 33…制御部 34…ステージ駆動部 35…ステージ座標読み込み部 36…XYステージ 36a,36b…ウェハ保持アーム 38…通信経路 40…光学ユニット 41…カメラ 42…光源 43…ハーフミラー 44…対物レンズ 50…画像処理ユニット 110…CPU 112…バスライン 114…ROM 116…RAM 136…モニタ 138…磁気ディスク 139…アライメント情報ファイル 140…入出力インタフェイス 150…等価回転方向決定手段 152…撮像位置決定手段 154…パターンマッチング手段 156…角度選択手段 158…回転方向決定手段 160…基準位置決定手段 162…測定位置決定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉田 厚 京都市南区久世築山町465番地の1 大日 本スクリーン製造株式会社久世事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ウェハ上の測定点の位置を決定す
    る方法であって、(a)前記被測定ウェハ表面の位置合
    わせ基準点と前記測定点との位置関係を予め登録すると
    ともに、前記被測定ウェハ表面の前記位置合わせ基準点
    の近傍の画像に対してパターンマッチングを行う際に用
    いられる第1のテンプレート画像と、前記測定点の近傍
    の画像に対してパターンマッチングを行う際に用いられ
    る第2のテンプレート画像と、を準備する工程と、
    (b)前記位置合わせ基準点の近傍の領域について第1
    の画像を取り込む工程と、(c)前記第1の画像に関し
    て前記第1のテンプレート画像を用いたパターンマッチ
    ング処理を含む第1の処理を行うことによって、前記被
    測定ウェハの回転方向と前記位置合わせ基準点の位置と
    を決定する工程と、(d)決定された前記回転方向およ
    び前記位置合わせ基準点の位置と、予め登録された前記
    位置合わせ基準点と前記測定点との位置関係に基づい
    て、前記測定点の予測位置を決定する工程と、(e)前
    記予測位置の近傍の領域について第2の画像を取り込む
    工程と、(f)前記第2の画像に関して前記第2のテン
    プレート画像を用いたパターンマッチング処理を含む第
    2の処理を行うことによって、前記測定点の実測位置を
    決定する工程と、を備えることを特徴とするウェハの測
    定位置決定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のウェハの測定位置決定方
    法であって、 前記被測定ウェハ上の複数の前記測定点のうち、前記位
    置合わせ基準点から所定の範囲内にある測定点に関して
    は、前記工程(e)および前記工程(f)の処理を省略
    し、前記工程(d)において得られた前記予測位置を前
    記測定点の実測位置として使用する、ウェハの測定位置
    決定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のウェハの
    測定位置決定方法であって、 前記被測定ウェハ上の複数の前記測定点のうち、前記工
    程(e)および工程(f)の処理が行われた第1の測定
    点から所定の範囲内にある第2の測定点に関しては、前
    記工程(e)および前記工程(f)の処理を省略し、前
    記第1の測定点における前記予測位置と前記実測位置と
    のずれ量に基づいて前記第2の測定点の予測位置を補正
    することによって前記第2の測定点の実測位置を決定す
    る、ウェハの測定位置決定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のウェハの測定位置決定方法であって、 前記(c)は、前記位置合わせ基準点の近傍の複数の領
    域について複数の前記第1の画像を取り込み、 前記(d)は、前記複数の第1の画像に関して前記第1
    のテンプレート画像を用いたパターンマッチング処理を
    含む第1の処理をそれぞれ行うことによって、前記被測
    定ウェハの回転方向と前記位置合わせ基準点の位置とを
    決定する、ウェハの測定位置決定方法。
JP35275396A 1996-07-09 1996-12-13 ウェハの測定位置決定方法 Expired - Fee Related JP3545558B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35275396A JP3545558B2 (ja) 1996-12-13 1996-12-13 ウェハの測定位置決定方法
KR1019970031594A KR100287319B1 (ko) 1996-07-09 1997-07-08 피측정 웨이퍼의 회전방향 검출방법과 측정위치 결정방법 및 그 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35275396A JP3545558B2 (ja) 1996-12-13 1996-12-13 ウェハの測定位置決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10173029A true JPH10173029A (ja) 1998-06-26
JP3545558B2 JP3545558B2 (ja) 2004-07-21

Family

ID=18426213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35275396A Expired - Fee Related JP3545558B2 (ja) 1996-07-09 1996-12-13 ウェハの測定位置決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3545558B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000195458A (ja) * 1998-12-28 2000-07-14 Hitachi Ltd 電子顕微鏡及び検査方法
JP2001021617A (ja) * 1999-07-07 2001-01-26 Tesetsuku:Kk 電子部品の搬送方法及び搬送装置
JP2009014346A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Hitachi High-Technologies Corp ウェハの表面検査方法及びウェハ表面検査装置
JP2010160855A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Fujitsu Ltd 位置測定装置、成膜方法並びに成膜プログラム及び成膜装置
JP2013074242A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 位置検出装置、描画装置、および、位置検出方法
US8694145B2 (en) 2001-06-19 2014-04-08 Applied Materials, Inc. Feedback control of a chemical mechanical polishing device providing manipulation of removal rate profiles
WO2018042580A1 (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 株式会社ニコン 画像測定方法、画像測定プログラム及び画像測定装置、並びに物品の製造方法
CN115719724A (zh) * 2023-01-06 2023-02-28 广州粤芯半导体技术有限公司 晶圆校准方法、装置、计算机设备及可读存储介质

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000195458A (ja) * 1998-12-28 2000-07-14 Hitachi Ltd 電子顕微鏡及び検査方法
JP2001021617A (ja) * 1999-07-07 2001-01-26 Tesetsuku:Kk 電子部品の搬送方法及び搬送装置
US8694145B2 (en) 2001-06-19 2014-04-08 Applied Materials, Inc. Feedback control of a chemical mechanical polishing device providing manipulation of removal rate profiles
JP2009014346A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Hitachi High-Technologies Corp ウェハの表面検査方法及びウェハ表面検査装置
JP2010160855A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Fujitsu Ltd 位置測定装置、成膜方法並びに成膜プログラム及び成膜装置
JP2013074242A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 位置検出装置、描画装置、および、位置検出方法
WO2018042580A1 (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 株式会社ニコン 画像測定方法、画像測定プログラム及び画像測定装置、並びに物品の製造方法
JPWO2018042580A1 (ja) * 2016-08-31 2019-07-04 株式会社ニコン 画像測定方法、画像測定プログラム及び画像測定装置、並びに物品の製造方法
CN115719724A (zh) * 2023-01-06 2023-02-28 广州粤芯半导体技术有限公司 晶圆校准方法、装置、计算机设备及可读存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP3545558B2 (ja) 2004-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100292936B1 (ko) 웨이퍼의 측정정보 작성방법 및 측정위치 결정방법
US7693348B2 (en) Method of registering and aligning multiple images
TWI413206B (zh) A center of the wafer detection method and a recording medium on which the method is recorded
TWI474363B (zh) Pattern evaluation device and pattern evaluation method
JP2802561B2 (ja) 半導体チップのアライメント方法およびレーザ修理用ターゲット
JP4067677B2 (ja) 走査電子顕微鏡の自動検出シーケンスファイル作成方法及び走査電子顕微鏡の自動測長シーケンス方法
TW512220B (en) Image processing method and device
US20100060903A1 (en) Image Measuring Apparatus and Computer Program
JP3545542B2 (ja) ウェハの回転方向検出方法
JP2019012016A (ja) 位置制御システム、位置検出装置、および制御プログラム
CN110398215A (zh) 图像处理装置和方法,系统,物品制造方法,存储介质
JP3545558B2 (ja) ウェハの測定位置決定方法
JPH08167571A (ja) 位置検出装置及び位置合せ装置
JP3725314B2 (ja) ウェハ上の対象点座標の補正方法および対象点座標の決定方法
KR100287319B1 (ko) 피측정 웨이퍼의 회전방향 검출방법과 측정위치 결정방법 및 그 장치
JP2009079915A (ja) 微小寸法測定方法および測定装置
JP4097255B2 (ja) パターンマッチング装置、パターンマッチング方法およびプログラム
JPH0445047B2 (ja)
JP2000251824A (ja) 電子ビーム装置及びそのステージ移動位置合せ方法
JPH10267621A (ja) 物体の高さ測定装置及びその方法
JP3273049B2 (ja) ウエハのアライメント方法
JP2006003276A (ja) 3次元形状計測システム
JPH11345867A (ja) ウェハの回転方向決定方法およびその装置、並びに、ウェハの測定位置決定方法およびその装置
JP2626637B2 (ja) 位置合わせ方法
JPH0989528A (ja) 寸法測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040408

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090416

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100416

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110416

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120416

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees