JP2006003276A - 3次元形状計測システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 パターン光を投影した試料の画像に、フーリエ変換を施し位相を求め、それをもとに試料の3次元形状を計測する装置において、入力する画像の枚数を削減し、計測時間の短縮を図る。
【解決手段】 基準平板1に表示された基準パターンがカメラ5で撮像される。そして、得られた表示画像に対して、フーリエ変換位相シフト法を用いることで表示位相画像が求められる。同様に、基準平板1及び試料にプロジェクタ6から投影された投影パターンが撮像された画像をもとに、それぞれ投影位相画像及び試料位相画像が求められる。このとき、試料画像を撮像する際の位相シフトを、X方向のみに限定する。そして、得られたX方向のみの試料位相画像をもとに、試料の3次元形状が求められる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、試料の3次元形状を光学的手段を用いて非接触で計測する形状計測システムに関する。さらに詳しくは、パターン光を試料に投影し、その光学像を撮像した画像情報に処理を施して、試料の形状を計測する3次元形状計測システムに関する。
従来、物体の3次元形状を非接触で計測する方法として、物体に投影した格子パターンから得られる位相分布を解析する方法、いわゆる格子投影法がよく知られている。この方法に係る計測装置の基本構成は、3次元物体(試料)、プロジェクタ及びカメラである。このとき、カメラは、プロジェクタ及び試料の略中心を含む水平面上に位置しており、プロジェクタとは異なる場所に置かれている。
この構成において、まず、プロジェクタから試料に格子パターンが投影される。この格子パターンは、通常、正弦波的な照度分布を有している。続いて、格子パターンを投影された試料の像(試料画像)がカメラで撮像される。そして、その試料画像から投影位相値が求められ、続いてその値が解析されることにより、試料の3次元形状が求められる。しかし、この方法では、カメラとプロジェクタのレンズ収差の影響が入るため、計測結果に歪みが生じてしまう。
この問題点を解決し、試料の格子画像を直接3次元座標計算に用いることで、レンズ収差が全く影響しない形状計測方法が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に係る方法を説明するにあたり、基準平板(又は試料)、プロジェクタ及びカメラの中心が同一水平面上に載っているものとし、基準平板面に垂直な方向をZ方向とする。そして、Z方向に垂直でその基準平板内における水平方向をX方向、それに垂直な方向(鉛直方向;試料、プロジェクタ及びカメラの中心が載る水平面の法線方向)をY方向とする(図1参照)。
この構成において、まず、プロジェクタから試料に格子パターンが投影される。続いて、前記格子パターンを投影された試料画像がカメラで撮像される。このような撮像動作が、格子パターンの位相を少しずつシフトさせつつ、連続的に行われる。こうして得られた試料画像にフーリエ変換を施すことで、試料の位相画像が得られる。このとき、前記位相シフトを、X方向及びY方向の2方向について実行させることで、それぞれX位相画像及びY位相画像の2枚の位相画像が得られる。特許文献1に係る方法は、これら2枚の位相画像と、予め求めておいた基準平板位置における位相画像とを照合することで、カメラ視線lC及びプロジェクタ投影線lPと基準平板との交点(C0,P0)を求めるものである。試料の表面上において任意に定められた点Sの位置座標は、このカメラ視線とプロジェクタ投影線との交点位置座標として求められる。注目する試料の表面上の点を変え、以上の工程を繰り返すことで、試料表面の3次元形状を求めることができる。
特開平10−96606号公報
特許文献1に係る方法では、X及びY方向のそれぞれにおける試料画像を撮像し、それを解析することでX及びY方向のそれぞれにおける試料位相画像を得ている。しかし、1枚の試料位相画像を得るためには、投影される格子パターンの位相を少しずつシフトさせて撮像された、多数枚(この枚数をNとする)の試料画像が必要である。ここで1回の位相シフト量をΔとすると、試料画像の枚数Nは2π/Δとなる(2πがΔの倍数のとき)。精密な位相画像を得ようとすれば、位相シフト量Δを小さく選ぶ必要があるが、その場合、必要な試料画像の枚数Nはそれに応じて増大していく。格子投影法においては、最も時間を要するのは、この試料画像を得る過程、つまり試料に投影された格子パターンを撮像する過程である。したがって、精密な位相画像を得ようとすれば、多大な計測時間を要するのみならず、記憶すべき試料画像の枚数が増えるためにメモリの必要量も増大するという問題点があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、試料画像を撮像する際の位相シフトをX方向のみに限定し、その試料画像から得られたX方向のみの試料位相画像から、試料の3次元形状を求めることを目的とする。
請求項1記載の発明は、基準平板に周期的な基準パターンを表示する基準パターン表示手段と、周期的なパターン光を前記基準平板又は試料に投影するパターン光投影手段と、前記基準パターン表示手段により表示された前記基準平板上の前記基準パターンと、前記パターン光投影手段により投影された前記基準平板上の前記パターン光と、前記パターン光投影手段により投影された前記試料上の前記パターン光とを撮像し、それぞれ表示画像、投影画像及び試料画像とを取得する撮像手段と、前記表示画像に基づいて、各画素に対応する視線位置の情報を算出し、画素の位置に対応させて記憶する視線情報記憶手段と、前記表示画像及び投影画像に基づいて、前記パターン光の位置情報と識別情報とを、画素の位置に対応させて記憶するパターン光情報記憶手段と、前記試料画像上の画素に写されている一の方向の前記パターン光の情報に対応する情報を前記パターン光情報記憶手段から抽出し、前記一の方向の前記パターン光のサブセットを特定するサブセット特定手段と、前記視線情報記憶手段及び前記サブセット特定手段からの情報に基づいて、前記試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標を算出する第1の3次元座標算出手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測システムである。
この構成において、まず、基準パターン表示手段により、基準平板に周期的な基準パターンが表示される。ここで、周期的な基準パターンとは、例えば、三角波や矩形波、又は正弦波などである。その基準平板上の光学像は撮像手段により撮像され、表示画像として記憶される。次に、パターン光投影手段により、周期的なパターン光が基準平板に投影される。ここで、周期的なパターン光とは、例えば、三角波や矩形波、又は正弦波などの照度分布を持つ光線のことである。その基準平板上の光学像は撮像手段により撮像され、投影画像として記憶される。そして、パターン光投影手段により、周期的なパターン光が試料に投影される。その試料上の光学像は撮像手段により撮像され、試料画像として記憶される。
続いて、視線情報記憶手段により、得られた表示画像をもとに、視線が基準平板と交わる3次元座標等の情報が算出され、画素の位置に対応させて記憶される。また、パターン光情報記憶手段により、表示画像及び投影画像をもとに、パターン光の位置情報と識別情報とが、画素の位置に対応させて記憶される。ここで、パターン光の位置情報とは、パターン光が通る空間座標等を表し、該空間座標は、前記表示画像に基づいて求められる。また、パターン光の識別情報とは、パターン光の位相とパターン光の位置情報とを関係付けるものであり、これは表示画像及び投影画像に基づいて求められる。
次に、サブセット特定手段により、試料画像上の画素に対応する一の方向のパターン光のサブセットが特定される。ここで、パターン光のサブセットとは、所定の条件(制約)を満たすようなパターン光の光線の集まりのことである。そして、最後に、第1の3次元座標算出手段により、視線情報記憶手段及びサブセット特定手段からの情報をもとに、試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標が算出される。ここでは、例えば、視線を表す直線と、特定されたサブセットにより形成される平面との交点を求めることなどが行われる。この構成により、本発明において試料画像を得る際には、例えばX方向についてしか計測を要しない。
従来技術においては、独立な2方向、例えばX方向及びY方向において試料画像の撮像が行われ、X、Yの異なるサブセットが特定されていた。そして、空間の特定のポイントを通るパターン光をそれらサブセットの交点として求めていた。しかし、計測時に最も時間を要するのは、その試料画像の撮像を行う過程である。したがって、本発明によれば、計測時に入力すべき画像枚数が半分に削減可能となり、1回にかかる計測時間も略半分に短縮され得る。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の3次元形状計測システムにおいて、サブセット特定手段は、パターン光情報記憶手段から抽出された情報が、パターン光の識別情報に基づくことを特徴とする。
この構成では、請求項1記載の発明において、試料画像上の画素に写されているパターン光のサブセットを特定する際、表示画像及び投影画像をもとにして求められた識別情報、つまりパターン光の位相と位置とを関係付ける情報を用いている。そのため、これらパターン光群と視線との交点、つまり試料の3次元座標を求める際の探索工程を系統的に行うことが可能となり、処理が容易になり得る。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の3次元形状計測システムにおいて、サブセット特定手段は、基準平板、パターン光投影手段及び撮像手段の光学的な配置に課せられる制約に基づくことを特徴とする。
この構成では、請求項1記載の発明において、試料画像上の画素に写されているパターン光のサブセットを特定する際、基準平板、パターン光投影手段及び撮像手段の光学的な配置に課せられる制約に基づいている。この制約を満たすパターン光は所定の平面上に載ることになるので、その平面内でのみ位相探索を行えばよく、処理が容易になり得る。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の3次元形状計測システムにおいて、パターン光情報記憶手段は、パターン光の位置情報から識別情報が得られるように構造化して記憶することを特徴とする。
この構成によれば、パターン光情報記憶手段において、表示画像及び投影画像をもとに、パターン光の位置情報と識別情報とが画素の位置に対応させて記憶される。このとき、パターン光の位置情報を与えれば識別情報が得られるように、構造化(マップ化)して記憶される。そのため、計算時間の中で最も時間を要していた位相探索を短時間で遂行し得る。
請求項5記載の発明は、基準平板に周期的な基準パターンを表示する基準パターン表示手段と、周期的なパターン光を前記基準平板又は試料に投影するパターン光投影手段と、前記基準パターン表示手段により表示された前記基準平板上の前記基準パターンと、前記パターン光投影手段により投影された前記基準平板上の前記パターン光と、前記パターン光投影手段により投影された前記試料上の前記パターン光とを撮像し、それぞれ表示画像、投影画像及び試料画像とを取得する撮像手段と、前記表示画像に基づいて、各画素に対応する視線位置の情報を算出し、画素の位置に対応させて記憶する視線情報記憶手段と、前記表示画像及び投影画像に基づいて、前記パターン光の識別情報から位置情報が得られるように構造化して記憶する構造化記憶手段と、前記構造化記憶手段からの情報に基づいて、前記試料画像上の画素に写されている前記パターン光の1本の光線を特定するパターン光特定手段と、前記視線情報記憶手段及び前記パターン光特定手段からの情報をもとに、前記試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標を算出する第2の3次元座標算出手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測システムである。
この構成において、まず、基準パターン表示手段により、基準平板に周期的な基準パターンが表示される。ここで、周期的な基準パターンとは、例えば、三角波や矩形波、又は正弦波などである。その基準平板上の光学像は撮像手段により画像入力(光学像が撮像され、その撮像された画像が取得される)され、表示画像として記憶される。次に、パターン光投影手段により、周期的なパターン光が基準平板に投影される。ここで、周期的なパターン光とは、例えば、三角波や矩形波、又は正弦波などの照度分布を持つ光線のことである。その基準平板上の光学像は撮像手段により画像入力され、投影画像として記憶される。そして、パターン光投影手段により、周期的なパターン光が試料に投影される。その試料上の光学像は撮像手段により画像入力され、試料画像として記憶される。
続いて、視線情報記憶手段により、得られた表示画像をもとに、視線が基準平板と交わる3次元座標等の情報が算出され、画素の位置に対応させて記憶される。また、構造化記憶手段により、表示画像及び投影画像をもとに、パターン光の位置情報と識別情報とが画素の位置に対応させて記憶される。このとき、識別情報を与えればパターン光の位置情報が得られるように、構造化(マップ化)して記憶される。ここで、パターン光の位置情報とは、パターン光が通る空間座標等を表し、これは表示画像をもとに、それに所定の演算を行うことで求められる。また、パターン光の識別情報とは、パターン光の位相とパターン光の位置情報とを関係付けるものであり、これは表示画像及び投影画像をもとにして求められる。これにより、パターン光を識別し、1つのパターン光を指定することが可能となる。
次に、パターン光特定手段により、試料画像上の画素に写されているパターン光が1本に特定される。これは、構造化記憶手段において、識別情報を与えることで、直接的にパターン光の位置情報が得られるマップを用いているためである。そのため、計算時間の中で最も時間を要していた位相探索を短時間で遂行し得る。
そして、最後に、第2の3次元座標算出手段により、視線情報記憶手段及びパターン光特定手段からの情報をもとに、試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標が算出される。
請求項6記載の発明は、請求項1又は5に記載の3次元形状計測システムにおいて、基準パターンは、正弦波に従う輝度分布を有することを特徴とする。
この構成によれば、表示画像から位相値が計算される際の計算が容易になり得る。これは、通常、画像から位相値を求める際にフーリエ変換が用いられるためである。また、基準平板に表示される基準パターンが正弦波に従う輝度分布を有する場合、フーリエ変換後のスペクトルには、理想的な状態ではその正弦波の周波数(基本周波数)位置の成分のみが現れる。しかし、現実のデータには、計測時における様々な雑音(ノイズ)が重畳するために、基本周波数以外の周波数成分も同時に現れる。ここで、基準パターンに対応する基本周波数はわかるので、これら雑音に対応する周波数成分は容易に取り除くことができる。そのため、この構成によれば、雑音の少ない、精度の高い計測を行い得る。
請求項7記載の発明は、請求項1又は5に記載の3次元形状計測システムにおいて、パターン光は、正弦波に従う照度分布を有することを特徴とする。
この構成によれば、投影画像から位相値が計算される際の計算が容易になり得る。これは、通常、画像から位相値を求める際にフーリエ変換が用いられるためである。また、基準平板に投影される周期的なパターンが正弦波に従う照度分布を有する場合、フーリエ変換後のスペクトルには、理想的な状態ではその正弦波の周波数(基本周波数)位置の成分のみが現れる。しかし、現実のデータには、計測時における様々な雑音(ノイズ)が重畳するために、基本周波数以外の周波数成分も同時に現れる。ここで、基準パターンに対応する基本周波数はわかるので、これら雑音に対応する周波数成分は容易に取り除くことができる。そのため、この構成によれば、雑音の少ない、精度の高い計測を行い得る。
請求項1記載の発明によれば、3次元形状計測における計測時間を短縮することが可能となる。校正データを作成する工程は、実際の試料の計測に入る前に一度だけ行っておけばよいので、それほど時間を気にしなくてもよい。それに対して、実際の計測データを得る工程においては、所定のパターン光の位相を順次シフトさせながら投影し、その画像を取り込むということを繰り返して行わなければならない。そのため、この工程が3次元形状計測において最も時間を要する過程となっていた。
本発明においては、例えば、位相シフトはX方向についてのみ実行すれば足りるので、試料の計測データを得るのに要する時間を半分に削減することができる。さらに、記憶すべきデータが少なくて済むために、必要なメモリ量を削減することができる。一般に、コンピュータによる計算時間はデータ量の冪に比例して増加するので、必要データ量が少なくて済む本発明では、計算時間の短縮も同時に実現される。
請求項2記載の発明によれば、試料画像上の画素に写されているパターン光のサブセットを特定する際、表示画像及び投影画像をもとにして求められた識別情報、つまりパターン光の位相と位置とを関係付ける情報を用いている。そのため、これらパターン光群と視線との交点、つまり試料の3次元座標を求める際の探索工程を系統的に行うことが可能となる。したがって、探索工程が容易になり、計算時間を削減することができる。
請求項3記載の発明によれば、試料画像上の画素に写されているパターン光のサブセットを特定する際、基準平板、パターン光投影手段及び撮像手段の光学的な配置に課せられる制約に基づいている。この制約を満たすパターン光はある平面上に載ることになるので、その平面内でのみ位相探索を行えばよい。したがって、位相探索の工程が容易になり、計算時間を削減することができる。
請求項4記載の発明によれば、3次元形状計測における計算時間を短縮することが可能となる。本発明においては、例えば、表示画像及び投影画像をもとに、パターン光の位置情報と識別情報とが画素の位置に対応させて記憶される。このとき、パターン光の位置情報を与えれば識別情報が得られるように、構造化(マップ化)して記憶されているので、パターン光の位置情報から位相を特定することができる。これにより、位相探索に要する時間を削減することができる。さらに、表示画像及び投影画像の2枚の画像から1枚のマップを作成しているため、記憶すべきデータが少なくて済む。これにより、必要なメモリ量を削減することができる。
請求項5記載の発明によれば、3次元形状計測における計算時間を短縮することが可能となる。本発明においては、例えば、表示画像及び投影画像をもとに、パターン光の位置情報と識別情報とが画素の位置に対応させて記憶される。このとき、識別情報を与えればパターン光の位置情報が得られるように、構造化(マップ化)して記憶されているので、試料画像上の画素に写されているパターン光を1本に特定することができる。これにより、位相探索に要する時間を削減することができる。さらに、表示画像及び投影画像の2枚の画像から1枚のマップを作成しているため、記憶すべきデータが少なくて済む。これにより、必要なメモリ量を削減することができる。
請求項6記載の発明によれば、基準平板に表示される基準パターンが正弦波に従う輝度分布を有するので、表示画像から位相値を求める際のフーリエ変換の計算、及びその後の処理が容易になる。通常、周期関数であればフーリエ変換を行い、その関数を構成する周波数を取り出すことは可能である。しかし、その関数が複雑になると、フーリエ変換後のスペクトルには多くの周波数成分が現れるため、その後の処理が煩雑になってしまう。
この点、正弦波を用いれば、フーリエ変換後のスペクトルには、理想的な状態ではその正弦波の周波数(基本周波数)しか現れない。そのため、フーリエ変換の計算自体の高速化が可能である。さらに、取り出された1つの周波数のみに注目して以後の処理を行えばよいので、作業効率が上がる。さらには、計測データに重畳した様々な雑音は、フーリエ変換後のスペクトルに基本周波数以外の周波数成分として現れるので、これら雑音に対応する周波数成分は容易に取り除くことができる。そのため、この構成によれば、雑音の少ない、精度の高い計測が可能となる。
請求項7記載の発明によれば、基準平板に投影される周期的なパターンが正弦波に従う照度分布を有するので、投影画像から位相値を求める際のフーリエ変換の計算、及びその後の処理が容易になる。通常、周期関数であればフーリエ変換を行い、その関数を構成する周波数を取り出すことは可能である。しかし、その関数が複雑になると、フーリエ変換後のスペクトルには多くの周波数成分が現れるため、その後の処理が煩雑になってしまう。
この点、正弦波を用いれば、フーリエ変換後のスペクトルには、理想的な状態ではその正弦波の周波数(基本周波数)しか現れない。そのため、フーリエ変換の計算自体の高速化が可能である。さらに、取り出された1つの周波数のみに注目して以後の処理を行えばよいので、作業効率が上がる。さらには、計測データに重畳した様々な雑音は、フーリエ変換後のスペクトルに基本周波数以外の周波数成分として現れるので、これら雑音に対応する周波数成分は容易に取り除くことができる。そのため、この構成によれば、雑音の少ない、精度の高い計測が可能となる。
本発明の3次元形状計測システムについて、図を用いて説明していく。本システムは、動作モードで大別すると、校正データを作成するための校正モード、試料の光学像を画像入力する計測モード、そして、校正モード及び計測モードで得られた位相画像から試料の3次元座標を求める解析モードに区別される。以下、これら動作モードに関連づけて、実施形態について説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、校正データ作成時(校正モード)の配置図である。このシステムは、基盤4の上面に設けられた1軸テーブル3に取り付けられた基準平板1と、基準平板1の表示(又は投影)部分側(図の手前側)に配置されたカメラ5及びプロジェクタ6と、基準平板1の基盤4上における前後動、並びにカメラ5及びプロジェクタ6の動作を制御するコンピュータ10とから構成されている。(図1では、基準平板1は基盤4を介してコンピュータ10に接続されている。)
基準平板1は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、1軸テーブル3の長さ方向に沿って移動させられる。このとき、基準平板1の法線方向と1軸テーブル3の長さ方向が一致していることが望ましい。これにより、基準平板1は、その面に垂直な1軸方向の移動が可能となる。また、基準平板1は、所定の基準パターン2を表示する表示部を備え、該表示部は、コンピュータ10からの信号により前記基準パターン2を表示したり、その表示を停止したりできるように構成されている。
基準パターン2は、校正データを作成する際に基準平板1に表示される、周期的なパターンである。この基準パターン2は、三角波、矩形波等の周期関数であれば構わないが、撮像された画像から位相を求める際にフーリエ変換を用いているため、正弦波であることがより望ましい。正弦波であれば、フーリエ変換を施して得られる周波数は1つであり、容易に雑音(ノイズ)を取り除くことができるからである。それに対して、三角波や矩形波等の周期関数では、フーリエ変換を施した際に複数の周波数が現れてしまうため、雑音(ノイズ)との識別が困難になる傾向がある。また、図1には、基準パターン2としてY方向に伸びた等間隔の直線(輝度の最も高い部分を表している。)が複数本描かれている。本明細書においては、この方向の画像をX画像、これに垂直でX方向に伸びた直線をY画像と表現する。これは、例えばX画像であれば、X方向に沿って基準パターンの位相が変化していくことを表すためである。
1軸テーブル3は、基準平板1が1軸テーブル3の長さ方向に沿って移動する際のガイドとしての役割を果たす。そして、この1軸テーブル3には目盛りが刻まれており、その値を読むことで、基準平板1の基盤4上での位置が計測される。
基盤4は、コンピュータ10からの信号により、基準平板1を1軸テーブル3の長さ方向に駆動させる。
プロジェクタ6は、基準平板1又は試料に、周期的なパターンの光線を投影する装置である。その周期的なパターンは図略の投影スライドに描かれており、光源から放出された光により投影される。そのため、このプロジェクタ6は、基準平板1の表示部分の略全体に投影できる位置に固定されることが望ましい。また、投影パターンの位置を調節するために、図略の投影スライドは図略の2軸マイクロステージに取り付けられている。さらに、プロジェクタ6にはシャッタ機能が付加されており、コンピュータ10からの信号により開閉できるように構成されている。
カメラ5は、撮像素子としてCCD (Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体素子を備えており、撮影された映像を電気信号に変換し、それを画素ごとにデジタルデータとして記憶するものである。このカメラ5により、基準平板1に表示された基準パターン2、及びプロジェクタ6により投影された周期的なパターンが撮像される。さらに試料計測時(計測モード)には、プロジェクタ6により試料に投影された周期的なパターンも撮像される。そのため、カメラ5は、基準平板1の表示部分の略全体を撮影できる位置に固定されることが望ましい。また、カメラ5はコンピュータ10からの信号により、画像入力を行うように構成されている。
コンピュータ10は、基準平板1、基盤4、カメラ5及びプロジェクタ6に接続されており、これらの機能を制御している。さらに、このコンピュータ10においては、カメラ5で撮像された画像が記憶され、それをもとにした位相の算出や、対応する位相の探索のための演算が行なわれる。
以上の基準平板1、カメラ5及びプロジェクタ6の中心は、設定を簡易にするために略同一平面に載っていることが望ましい。本実施形態においては、この平面は基盤4の上面と平行であるとする。以下、本明細書においては、基準平板1の法線方向をZ方向、それに垂直で基準平板1の面内に、図1のようにX方向及びY方向を設定する。したがって、
基準平板1、カメラ5及びプロジェクタ6の中心を通る平面内にX方向があり、Y方向はこの平面に垂直な方向(法線方向)である。
また、本実施形態においては、基準平板1の位置を変えて、2箇所において校正データを作成する。以下、図1の奥側と手前側の基準平板1の位置を、それぞれR0、R1という記号を用いて表現する。
次に、試料の形状計測を行う場合の配置図を図2に示す。基本的な配置は図1と同じであるが、図1の基準平板1及び基盤4等の代わりに、計測対象である試料7が置かれている。このとき、試料7の計測すべき表面は、図1の基準平板1の位置R0とR1の間にあることが必要である。
以下に、これら図1及び図2を用いて、校正データ及び計測データを作成する際の流れ(校正モード及び計測モード)を説明する。いずれのモードにおいても、撮像された画像から求められた位相と、それに対応する画素の位置とが共に記憶された「位相画像」を求めることが目的である。
はじめに、図1を用いて、校正モードについて説明する。この校正モードにおける位相画像は、以下に説明するように、基準パターンを撮像した表示画像から求められる表示位相画像と、プロジェクタ6による投影パターンを撮像した投影画像から求められる投影位相画像の2種類から成る。
まず、表示位相画像を求める過程を説明する。基準平板1は、図1の位置R0に固定されている。ここで、プロジェクタ6のシャッタは閉じられており、プロジェクタ6からのパターン光は基準平板1には投影されていないとする。また、基準平板1には、図1に示したような基準パターン2としてのX方向の表示画像(X表示画像)が表示される。ここで図上ではただのY方向に伸びた直線で表現してあるが、この輝度分布は正弦波に従うものとする。つまり、この図では、もっとも強度の強い部分のみを直線で表現していることになる。この基準パターン2が表示された状態が、カメラ5により撮像される。
続いて、基準パターン2の位相がわずかにシフトさせられ、そのパターンが基準平板1に表示される。そして、その位相シフト後の基準パターンが表示された状態が、カメラ5により撮像される。以下、この処理がN−1回繰り返して行われ、N枚の表示画像が撮像される。ここで、1回の位相シフト量をΔとすると、Nは2π/Δとなる(2πがΔの倍数のとき)。つまり、わずかな位相シフトを繰り返し行い、その累積分が1周期(2π)になるまで処理が継続される。なお、精密な位相画像が必要な場合は、位相シフト量Δを小さく選ぶようにする。
このN枚の表示画像に対してフーリエ変換を施すことで、1枚の表示位相画像が得られる。この方法は、通常、フーリエ変換位相シフト法と呼ばれる。ここではX方向に位相シフトしているので、得られた位相画像を「X表示位相画像」と呼ぶことにする。
引き続き同様の工程をY方向についても行う。つまり、今度は基準平板1にY方向の表示画像(Y表示画像)が表示され、位相シフトをさせたN枚の表示画像が順次カメラ5により撮像される。そのN枚の表示画像に対してフーリエ変換を施すことで、1枚の「Y表示位相画像」が得られる。以上で、位置R0における計測は終了する。
続いて、基準平板1が図1の位置R1に移動させられ、そこで固定される。そして、この位置でも上記と同様の工程が行われ、位置R1におけるX表示位相画像及びY表示位相画像が得られる。つまり、ここまでの過程では、基準平板の位置R0及びR1におけるX及びY両方向における表示位相画像が合わせて4枚得られることになる。このX及びY表示位相画像は、カメラ5の画素位置と基準パターン2の位相とを関係付ける役割を果たす。
次に、校正モードにおける、投影位相画像を求める過程を説明する。基準平板1は、図1の位置R0に固定されている。今度は、基準平板1の表示はオフになっているが、プロジェクタ6のシャッタは開かれている。そのため、プロジェクタ6からのパターン光が基準平板1に投影される。この場合も前述したX及びY表示画像からX及びY表示位相画像を求めたときと同じ手順により、X及びY投影画像から、位置R0におけるX及びY投影位相画像が求められる。
続いて、基準平板1が図1の位置R1に移動させられ、そこで固定される。そして、この位置でも同様の工程が行われ、位置R1におけるX及びY投影位相画像が求められる。つまり、この過程では、基準平板の位置R0及びR1におけるX及びY両方向における投影位相画像が合わせて4枚得られることになる。このX及びY投影位相画像は、カメラ5の画素位置と投影パターンの位相とを関係付ける役割を果たす。以上説明した校正モードは、試料の形状計測に入る前に一度だけ行っておけばよいものである。
次に、図2を用いて、計測モードについて説明する。図1における基準平板1、1軸テーブル3及び基盤4の代わりに、3次元形状を計測する対象である試料7を配置する。この計測モードにおける位相画像は、以下に説明するように、試料7へのプロジェクタ6による投影パターンを撮像した試料画像から求められる試料位相画像である。
まず、プロジェクタ6の光源がオンにされ、そこからのパターン光が試料7に投影される。そして、X方向に位相シフトをさせたN枚の試料画像が順次カメラ5により撮像される。そのN枚の試料画像に対してフーリエ変換位相シフト法を用いて、X試料画像からX試料位相画像が求められる。従来は、さらにY試料画像からY試料位相画像を求めていたが、本発明においてはこの工程を行うことを要しない。つまり、この過程では、X方向における試料位相画像1枚のみが得られることになる。このX試料位相画像は、カメラ5の画素の位置と試料7に投影されたパターン光の位相とを関係付ける役割を果たす。
以下、これら校正モード及び計測モードで得られた位相画像から、試料の3次元座標を求める手順について説明する。図3は、校正モードで得られた表示位相画像及び投影位相画像、さらに計測モードで得られた試料位相画像を模式的に表した図である。ここで、前述したように、表示位相画像及び投影位相画像は、X方向及びY方向の両方向のものがそれぞれ1枚ずつあるが(ただし、図3にはX方向の画像のみを示す。)、試料位相画像はX方向のもののみである。いずれの位相画像においても、それらは微小な画素によって構成されており、それら画素の1つ1つに対してフーリエ変換後の位相の値が対応させられて表示されている。
まず、試料の上の3次元座標を求めるべき点を指定する。ここでは、図3のX試料位相画像における点Sの座標を求めるものとする。簡単のために点Sの大きさを無視すると、点Sが写されている画素が1つ決まる。そして、その画素位置(iS,jS)に対応して、X試料位相画像から位相φSXが定まる。本発明においては、Y試料位相画像を求めず、一の方向の投影位相画像(X試料位相画像)から、3次元座標を求める構成であるので、位相φSYは一意には定まらない。
次に、図1におけるカメラ視線lCと基準平板との交点C0(又はC1)を求める手順について説明する。ここで、カメラ視線lCとは、カメラの1つの画素に注目したときに、焦点とこの注目画素とを結んでできる直線のことである。また、基準平板は位置R0にあるものとし、図3の各位相図は位置R0におけるものとする。つまり、ここで求められる交点は図1におけるC0である。
まず、図3において、点Sが写されているX試料位相画像上の画素位置(iS,jS)と同じ座標が、X表示位相画像から探索され、その点の位相が読み取られる(図3の矢印(a))。このとき、表示位相画像は、X及びY方向のものがそれぞれ1枚ずつあるので、X表示位相画像からはX方向の位相が、Y表示位相画像からはY方向の位相がそれぞれ読み取られる。基準平板に表示された基準パターンが周期的、つまり等ピッチであれば、読み取られた位相値を所定の定数倍することで、容易に空間座標(のX及びY成分)に変換できる。Z成分は、基準平板の位置R0である。これでカメラ視線lCと基準平板との交点C0の3次元座標が求められる。また、同様にして、位置R1における表示位相画像を用いれば、交点C1を求めることができる。これにより、空間上の2点C0及びC1が定まるので、これらを通る直線としてカメラ視線lCが決定される。
続いて、図1におけるプロジェクタ投影線と基準平板との交点P0(又はP1)を求める手順について説明する。ここで、プロジェクタ投影線とは、プロジェクタの投影中心を通る直線のことである。つまり、パターン光の1本の光線に相当する。したがって、投影されているパターン光の同位相の点をつないだ曲線は、プロジェクタ投影線を用いて離散的に書き表すことができる。また、ここでは、基準平板は位置R0にあるものとする。したがって、求められる交点はP0である。
図3において、まず、点Sが写されているX試料位相画像上の位相値φSXが読み取られる。この位相値と同じ値を持つものが、X投影位相画像から探索される。しかし、φSYの値がわからないため、X方向の位相がφSXと同じ値を持つ画素は1つに決まらない。その結果、それらをつなぐと、例えば図3の投影位相画像内に示したような曲線(φSX=一定)となる(図3の矢印(b))。
前述したように、従来技術ではさらに、点SのY方向の位相値φSYが読み取られ、それと同じ値を持つものが図3のY投影位相画像から探索されていた。そして、X方向と同様、Y方向についても投影位相画像内にφSY=一定を満たす曲線が得られ、それら曲線の交点として対応する画素を1つに決めることができた。しかし、試料画像を得る工程は、通常多くの時間を要するものである。例えば、X及びY方向試料画像を得る工程は、計測及び解析モードに要する時間の8割程度を占めている。残りの2割程度が、フーリエ変換、又は位相探索等に要する時間である。そのため、X又はYどちらか一方向でも試料画像を得る工程を省略できれば、計測時間の大幅な削減につながる。本発明において、それを実現させている。
続いて、図3のX投影位相画像内にφSX=一定となる曲線を抽出した後、その画素位置と同じ位置の位相をX表示位相画像から抽出する(図3の矢印(c))。つまり、図3の表示位相画像と投影位相画像には、同じ位置に同じ形の曲線が描かれることになる。基準平板に投影されたパターンが周期的、つまり等ピッチであれば、抽出された位相値を所定の定数倍することで、容易に空間座標(のX及びY成分)に変換できる。この変換後の曲線は、プロジェクタ投影線群と基準平板との交線である。したがって、この変換後の曲線上に、プロジェクタ投影線と基準平板との交点P0が存在することになる。
これを実空間において立体的に表したものが図4である。この図では簡単のために、位置R0及びR1における基準平板の中心とカメラ焦点とが、略同一直線状に載るように描いてある。この図4は、前述の図1の斜視図に相当し、さらにカメラ等の要素の大きさを無視して簡略に表現したものである。カメラから基準板(位置R0及びR1)に伸びている点線はカメラの視野を表す。したがって、点線で描かれた基準板上の四角は、カメラの画素に写される領域に相当する。そして、これはカメラ焦点において1つに収束する。
そのカメラとは異なる位置にプロジェクタが配置され、プロジェクタ投影中心から基準平板上にパターン光が投影されている。図4の基準平板上の直線群は、図3のX表示位相画像上の曲線に対応しており、後の説明のためにそれを離散的に表したものである。この図においてプロジェクタ投影中心と、基準平板上の直線群とを結んだプロジェクタ投影線群(図4の網掛け部分)がパターン光のサブセットである。ここでは、試料画像上の画素位置(iS,jS)に投影されている位相φSXを元にサブセットを特定している、つまりパターン光の識別情報に基づいてサブセットを特定している。
また、3次元座標を求めるべき点Sは、カメラ視線lC上の点であり、かつあるプロジェクタ投影線上の点である。点Sを指定した時点でカメラ視線lCは決まるので、これら2直線の交点を求めるためには、カメラ視線と交わるプロジェクタ投影線を、サブセットを構成する直線群の中から探索することが必要となる。
以下において、カメラ視線lCとプロジェクタ投影線群を含む平面との交点を探索し、試料の3次元座標を求める手順の一実施形態について説明する。図5は、カメラ視線lC、プロジェクタ投影線(図では投影線と略す。)、及び基準平板の位置関係を示す模式図である。そして、図6は、カメラ視線lCと、プロジェクタ投影線及び基準平板とで作られる近似四角形との交点を探索するアルゴリズムのフローチャートである。
まず、試料の表面上の点Sに注目し、基準平板との交点からカメラ視線lCを表す直線を求める。基準平板が位置R0又はR1にあるときの交点を図1同様、C0及びC1とすると、これら2点を通る直線として、カメラ視線lCが求まる。次にプロジェクタ投影線を決める処理に移る。
最初に、初期プロジェクタ投影線(投影線k=k0とする。k0;初期探索位置)が指定される(ステップS1)。続いて、それと隣り合う投影線k+1が求められる(S2)。それをもとに、投影線kと基準平板との(位置R0及びR1における)交点P0k及びP1k、さらに投影線k+1と基準平板との(位置R0及びR1における)交点P0k+1及びP1k+1がそれぞれ求められる。これにより、これら4点から成る近似四角形Qkが定まる(S3)。続いて、すでに決まっているカメラ視線lCと、S3の近似四角形Qkとが交点を持つか否かが判断される(S4)。ここで、交点を持たないと判断されたときは、近似四角形Qkと隣り合う近似四角形のうち、次の近似四角形として図4におけるQk+1かQk-1かが選択される。そのため、続いて交点を探索する方向が決められる(S7)。
探索方向を決める方法としては、カメラ視線の方向ベクトルと近似四角形Qkを構成する4点の位置関係から決める方法等が挙げられる。そして探索の方向が決まれば、k+1又はk−1が新たにkの値として設定される。
例えば、図4において、カメラ視線lCが近似四角形Qkより水平上側にある場合(+Y方向)には、投影線を指定するkの値がk+1に増やされる。つまり、この場合は、図4における投影線k+1と投影線k+2とが対辺となる近似四角形Qk+1が、次の探索用近似四角形として選択されたことになる。これに対して、カメラ視線lCが近似四角形Qkより水平下側にある場合(−Y方向)には、投影線を指定するkの値がk−1に減らされる。つまり、この場合は、図4における投影線kと投影線k−1とが対辺となる近似四角形Qk-1が、次の探索用近似四角形として選択されたことになる。
引き続き、前述のS2以降のステップが繰り返され、この処理はS4において「カメラ視線が近似四角形と交点を持つ」と後述の演算手法により判断されるまで続けられる。交点を持つと判断された場合には、カメラ視線lCと近似四角形との交点の座標が計算される(S5)。これで、図4における、試料表面上の点Sの3次元座標が求まったことになる。言い換えれば、カメラ内の1つの画素に写された部分と3次元座標との対応がつけられたことになる。
そして、最後に、以上の計算に用いたkの値が、次の画素に対する探索の初期プロジェクタ投影線を指定する値として設定される(S6)。これは、隣り合う画素においては3次元座標の差が大きくはない、つまりは投影位相画像における位相の差が大きくはない、という前提に基づいている。しかし、初期値の選び方はこれに限定されることなく、すべての画素において同じ値から始めるようにしてもよいし、カメラ視線に関する情報をもとに決められてもよい。以上の処理が、すべての画素に対して順次行われることで、試料の3次元座標がすべて求められる。
図6のS4及びS5における、カメラ視線lCと近似四角形との交点を求める方法としては、例えば次のようなものが一例として挙げられる(図5参照)。カメラ視線lCの方向ベクトルをd、近似四角形Qkの法線ベクトルをnとすると、
d=OC0 − OC1 ・・・(1)
n=(OP0k+1−OP0k)×(OP1k − OP0k) ・・・(2)
と表せる。ここで、点Oは、カメラ視線上にも近似四角形Qk上にもない任意の点とする。また、OC0 、OC1、OP0k+1 、OP0k 及びOP1k はそれぞれ、点Oから点C0 、C1、P0k+1 、P0k 及びP1kに向かう位置ベクトルである。これらを用いると、カメラ視線を表すベクトル方程式x及び近似四角形Qkを表す方程式は、tをスカラ量として次のようになる。
x=td+OC0 ・・・(3)
n・(x−OP0k)=0 ・・・(4)
(3)及び(4)からtを求めると、
t=−{n・(OC0 − OP0k)}/n・d ・・・(5)
となる。図6のS4における判断は、例えば、この(5)のtの値が実数か否かで判断することができる。また、この(5)を(3)に代入することで、S5における交点座標の計算が実行される。
図7は、図1及び図2に示したコンピュータ10の機能ブロック図である。このコンピュータ10は、主にカメラ5で撮像された画像を記憶しておく画像記憶部20と主制御部30とを備えている。また、主制御部30は、種々の演算を行う演算部301とカメラ5及びプロジェクタ6等の計測機器を制御するための計測機器制御部302とを備えている。さらに、演算部301は、試料画像上の画素に写されているパターン光のサブセットを特定するサブセット特定部(サブセット特定手段)311と、試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標を算出する3次元座標算出部(第1の3次元座標算出手段及び第2の3次元座標算出手段)312と、表示画像、投影画像及び試料画像にフーリエ変換を施し位相を算出するフーリエ変換演算部313とを備えている。この演算部301は、上記の演算の他に、表示位相から座標を求めたり、位相探索を行ったり、又は後述する位相の離散化などの処理を行うものである。
この図7を用いて、以上説明した形状計測システムにおける処理の流れをより詳細に説明する。ただし、基準平板1の下部に位置する基盤及び1軸テーブル(図1参照)については図を略している。
まず、校正モードにおいて、表示画像が取り込まれる工程について説明する。最初に、主制御部30内の計測機器制御部302から、基準平板1の基盤へ駆動信号が送出される。この駆動信号を受け取った基盤は、1軸テーブルを介して基準平板1を駆動する。これにより、基準平板1は初期位置R0に配置される。
続いて、計測機器制御部302から基準平板1に表示信号と共に基準パターン信号が送出される。ここで、表示信号は基準平板1に基準パターンの表示を命ずる信号であり、基準パターン信号は表示すべき基準パターンの形状、周期、位相及び表示位置等の情報を含む信号である。これにより、基準平板1の表示部には、所定のX方向の基準パターン(X基準パターン)が表示される(基準パターン表示手段)。このX基準パターンの輝度分布は、周期的なものであればよいが、正弦波に従うものであることがより望ましい。また、計測機器制御部302から基準平板1に表示信号が送出される際には、同時にプロジェクタ6には停止信号が送出される。このため、この停止信号を受け取ったプロジェクタ6では、図略のシャッタが閉じられるなどするため、パターン光投影が行われない。その結果、基準平板1の表示部には、所定のX基準パターンのみが表示される。
この状態で、計測機器制御部302からカメラ5に撮像実行信号が送出され、基準平板1上のX基準パターンが撮像される(撮像手段)。この撮像された表示画像は、コンピュータ10内の表示画像記憶部201に送られ、カメラ5の画素位置と対応付けられた状態で記憶される。表示画像記憶部201に表示画像が記憶されると、計測機器制御部302により表示画像が記憶されたことが検出され、基準平板1に表示信号と共に基準パターン信号が送出される。このとき送出される基準パターン信号は前述のものと同じではなく、その位相がΔ1だけシフトさせられたものである。
以下、最初の基準パターンに対して行われた工程が繰り返される。つまり、位相がΔ1ずつシフトさせられたN1枚のX方向基準パターンの表示画像が、カメラ5により撮像されて、順次、表示画像記憶部201に記憶される。ここで、位相は全体として1周期分シフトさせるので、N1は2π/Δ1で与えられる(2πがΔ1の倍数のとき)。そして、N1番目の表示画像が撮像され、表示画像記憶部201に記憶されると、位置R0におけるX方向の工程は終了する。
次に、計測機器制御部302により、位置R0におけるX方向の工程が終了したことが検出されると、基準平板1に表示信号と共に基準パターン信号が送出される。これにより、基準平板1の表示部には、所定のY方向の基準パターン(Y基準パターン)が表示される。以下、X方向について行われたのと同様の工程が繰り返され、N1枚のY基準パターンの画像が、順次、表示画像記憶部201に記憶される。そして、N1番目の表示画像が撮像され、表示画像記憶部201に記憶されると、位置R0における工程は終了する。
続いて、計測機器制御部302により、位置R0における工程が終了したことが検出されると、基盤に駆動信号が送出される。この駆動信号を受け取った基盤により、1軸テーブルを介して基準平板1が駆動される。これにより、基準平板1は次の計測位置R1に配置される。以下、初期位置R0において行われたのと同様の工程が、X及びY方向について繰り返される。そして、X及びYそれぞれの方向においてN1枚の基準パターンの表示画像が、順次、表示画像記憶部201に記憶される。つまり、この表示画像記憶部201には、位置R0及びR1において、X及びY方向の表示画像がそれぞれN1枚ずつ、計4N1枚記憶されていることになる。
次に、校正モードにおいて、投影画像が取り込まれる工程について説明する。まず、主制御部30内の計測機器制御部302から、基盤に駆動信号が送出される。この駆動信号を受け取った基盤により、1軸テーブルを介して基準平板1が駆動される。これにより、基準平板1は初期位置R0に配置される。続いて、計測機器制御部302からプロジェクタ6に投影信号が送出される。これにより、基準平板1の表示部には、所定のX方向投影パターンが投影される。また、計測機器制御部302からプロジェクタ6に投影信号が送出される際には、同時に基準平板1には停止信号が送出される。このため、この停止信号を受け取った基準平板1は、基準パターン表示を行わない。その結果、基準平板1の表示部には、プロジェクタ6からの所定のX方向の投影パターン(X投影パターン)のみが投影される(パターン光投影手段)。
この状態で、計測機器制御部302からカメラ5に撮像信号が送出され、基準平板1上のX投影パターンが撮像される。この撮像された画像は、コンピュータ10内の画像記憶部20に送られ、その中の投影画像記憶部202に記憶される。投影画像記憶部202に画像が記憶されると、計測機器制御部302によりそれが検出され、プロジェクタ6にシフト信号が送出される。このシフト信号を受け取ったプロジェクタ6は、図略の2軸マイクロステージを駆動し、投影パターンの位相をΔ2だけシフトさせる。
以下、最初の投影パターンに対して行われた工程が繰り返される。つまり、位相がΔ2ずつシフトさせられたN2枚のX基準パターンの画像が、カメラ5により撮像されて、順次、投影画像記憶部202に記憶される。ここで、位相は全体として1周期分シフトさせなければならないので、N2は2π/Δ2で与えられる(2πがΔ2の倍数のとき)。そして、N2番目の表示画像が撮像され、投影画像記憶部202に記憶されると、位置R0におけるX方向の工程は終了する。前述の表示画像とは異なり、本発明における投影画像はX方向のみが必要であるため、これで位置R0における工程は終了する。
続いて、計測機器制御部302により、位置R0における工程が終了したことが検出されると、基盤に駆動信号が送出される。この駆動信号を受け取った基盤により、1軸テーブルを介して基準平板1が駆動される。これにより、基準平板1は次の計測位置R1に配置される。以下、初期位置R0において行われたのと同様の工程が、X投影パターンについて繰り返される。そして、X方向におけるN2枚の投影パターンの画像が、順次、投影画像記憶部202に記憶される。この工程が終了すると、投影画像を取り込む工程が終了する。つまり、校正モードにおける画像取り込みの工程が終了することになる。結果として、投影画像記憶部202には、位置R0及びR1において、X方向の投影画像がそれぞれN2枚ずつ、計2N2枚記憶されている。
次に、計測モードにおいて、試料画像が取り込まれる工程について説明する。校正モード終了後、基準平板1、基盤及び1軸テーブルを取り除き、代わりに試料が配置される。このとき、形状を計測したい面が、基準平板1が置かれていた位置R0とR1との間にあることが必要である。この状態で、前述の校正モードにおける投影画像取り込みと同じ手順に従って、試料の画像が撮像される。
本発明においては、この工程においてもX方向のみの画像を撮像及び記憶すればよく、Y方向の計測を行う必要はない。この工程で撮像された画像は、試料画像記憶部203に記憶される。つまり、試料画像記憶部203には、位置R0及びR1において、X方向の試料画像がそれぞれN3枚ずつ、計2N3枚が記憶されている。ここでN3は、位相シフトをΔ3としたとき、2π/Δ3で与えられる(2πがΔ3の倍数のとき)。ここまでの説明では、画像枚数をN1、N2及びN3と区別して記したが、これらの値はすべて異なっていても、そのうちの2つ又は3つが同じであっても構わない。
以上で、校正モード及び計測モードは終了し、最後の解析モードに移る。まず、表示画像記憶部201、投影画像記憶部202及び試料画像記憶部203に記憶されている画像データにフーリエ変換が施され、それぞれが位相データに変換される。このとき、例えば、表示画像記憶部201のN1枚のX表示画像が、順次、演算部301内のフーリエ変換演算部313に読み込まれる。そして、引き続き、フーリエ変換演算部313においてフーリエ変換が施され、N1枚のX表示画像が1枚のX表示位相画像に変換される。
このとき、表示パターンとしては正弦波を用いているので、フーリエ変換後に得られる周波数は既知のもの(基本周波数)1つであるはずである。しかし、表示画像計測時にノイズが重畳するため、基本周波数以外にも周波数成分が得られることが多い。そこで、この工程において、基本周波数以外の周波数を取り除く処理を行う。これにより、位相の分解能の低下を一定値以内に抑えることが可能となる。このノイズに対応する周波数の除去は、以下のフーリエ変換により位相を得る工程においては、フーリエ変換に付随して行われるものとする。
こうして得られたX表示位相画像は、表示位相画像記憶部204に送られ、そこでカメラ5の画素位置と対応付けられた状態で記憶される。以下同様に、画像データが順次フーリエ変換される。そして、表示画像記憶部201、投影画像記憶部202又は試料画像記憶部203の画像データを変換した位相データはそれぞれ、表示位相画像記憶部204、投影位相画像記憶部205又は試料位相画像記憶部206へ送られ、そこでカメラ5の画素位置と対応付けられた状態で記憶される。その結果、表示位相画像記憶部204には、位置R0及びR1における、X及びY方向の表示位相画像が合わせて4枚記憶されている。同様に、投影位相画像記憶部205には、位置R0及びR1における、X投影位相画像が合わせて2枚、試料位相画像記憶部206には、位置R0及びR1における、X試料位相画像が合わせて2枚記憶されていることになる。
ここでは、表示画像、投影画像及び試料画像がすべてそろった時点で、まとめてフーリエ変換を施すように説明した。しかし、本発明はこれに限られることなく、必要なデータがそろった時点で順次フーリエ変換を施し、それぞれの位相画像記憶部に記憶されるようにしてもよい。
ここで、表示位相画像記憶部204及び投影位相画像記憶部205に記憶されている、パターン光の位置情報と識別情報とが、画素の位置に対応させて、パターン光情報記憶部208に記憶される(パターン光情報記憶手段)。具体的には、まず演算部301からの指令により、試料位相画像記憶部206内のX方向試料位相画像から、画素位置(iS,jS)における試料位相値が探索される。このとき、試料位相画像記憶部206内には、基準平板1の位置R0及びR1における位相が記憶されているので、2つの位相値φ0 X及びφ1 Xがそれぞれ抽出される(φ0 Xは位置R0に、φ1 Xは位置R1における位相値)。そして、それらの値は試料位相画像記憶部206から演算部301に送出される。
次に、演算部301からの指令により、投影位相画像記憶部205内のX投影位相画像から、前述の2つの位相値φ0 X及びφ1 Xの値を持つ画素位置が探索される。このとき、本発明においては、X方向の位相しか計測・記憶されていないため、画素位置を1つに特定することはできず、X投影位相画像上で同じ値をつないだ曲線となる(図3参照)。
これら複数の画素位置の座標は、投影位相画像記憶部205から演算部301に送出される。そして、演算部301からの指令により、表示位相画像記憶部204内で、それと同じ座標を持つ画素位置からX表示位相が読み取られる。これら画素位置と対応付けられたX表示位相は、表示位相画像記憶部204から演算部301に送出される。そして、この演算部301において所定の演算が行われ、位相値φ0 Xからは位置R0における、φ1 XからはR1における基準平板1上のプロジェクタ投影線群が求められる。そして、このパターン光の位置情報と識別情報とが、画素の位置に対応させて、パターン光情報記憶部208に記憶される(パターン光情報記憶手段)。
続いて、得られた位相画像を用いて、演算部301内の3次元座標算出部312において、試料の3次元座標を求める工程について説明する。まず、画素の位置(iS,jS)が指定される。これは例えば、X方向の画素数がnX、Y方向の画素数がnYであれば、iは1からnXの間の値を、jは1からnYの間の値を順次取り、すべての画素が指定されるように変化させられる。つまり、(iS,jS)=(1,1),(1,2),(1,3)・・・、又は(iS,jS)=(1,1),(2,1),(3,1)・・・のように順次変化させられる。
そして、画素位置(iS,jS)が指定されると、演算部301からの指令により、位置R0及びR1における、表示位相画像記憶部204内のX及びY方向表示位相画像から、画素位置(iS,jS)における計4つの表示位相値が探索される。そして、それらの値は表示位相画像記憶部204から演算部301に送出される。この演算部301において、表示位相画像記憶部204から受け取った4つの位相値に対して所定の演算が行われ、位置R0及びR1における基準平板1上のX及びY座標値が求められる。
ここで、所定の演算とは、位相値を座標に変換するためのもので、例えば表示画像が等ピッチの場合であれば、位相値を定数倍することに相当する。Z座標は、図1に示した1軸テーブル3の読みから求められる。これにより、位置R0及びR1における基準平板1との交点の3次元座標が求められたことになる。そして、この3次元座標は視線情報記憶部(視線情報記憶手段)207に送出され、そこに記憶される。
続いて、画素位置(iS,jS)が指定されると、サブセット特定部311からの指令により、試料位相画像記憶部206内のX方向試料位相画像から、画素位置(iS,jS)における試料位相値が探索される。そして、その値がパターン光情報記憶部208において探索される。この値が見つかれば、その識別情報からパターン光の位置情報がすぐに得られるので、位置R0及びR1における基準平板1上のプロジェクタ投影線群が求まった、つまりサブセットが特定されたことになる。(サブセット特定手段)。ここで求められたプロジェクタ投影線群の軌跡(図4の網掛け部分)、つまりサブセットは、試料画像の画素位置(iS,jS)における試料位相値を持つパターン光の光線が描く軌跡と同じものである。
以下、図5及び図6を用いて説明した工程が行われ、指定された画素位置(iS,jS)に写っている試料上の点の3次元座標が求められる。まず、表示位相画像記憶部204からサブセット特定部311に送出されたプロジェクタ投影線群が、演算部301において、図4の基準平板上の折れ線のように離散化される。また、図4からわかるように、1本のプロジェクタ投影線は基準平板の位置R0及びR1の同位相の点を通る。そのため、位置R0又はR1のいずれか一方の位置で画素の離散化を行っておけば、他方の位置における対応する画素位置は容易に求めることができる。以下においては、位置R0において画素の離散化を行ったものとする。そして、この離散化された画素位置が、投影線番号とともに演算部301から画素位置記憶部209に送出され、そこに記憶される。この投影線番号は、例えば、前述の図5、図6におけるプロジェクタ投影線を指定する番号kである。
この状態で、初期プロジェクタ投影線が決められる、つまり投影線番号kが指定される(図6のS1)と、3次元座標算出部312からの指令により、画素位置記憶部209からその投影線番号kに対応する位置R0における画素位置(図5のP0k)が読み出される。続いて、同様にして、投影線番号k+1に対応する位置R0における画素位置(図5のP0k+1)が読み出される(図6のS2)。
このようにして、3次元座標算出部312からの指令により、画素位置記憶部209から位置R0における画素位置が2つ読み出されたとする。さらに、3次元座標算出部312からの指令により、その画素位置の位相と同じ位相が、表示位相画像記憶部204に記憶された位置R1における表示位相画像から探索される。そして、その画素位置(図5のP1k及びP1k+1)が、3次元座標算出部312に送出される。それを受け取った3次元座標算出部312により、受け取った2つの画素位置(P1k及びP1k+1)と、そのもとになった位置R0における2つの画素位置(P0k及びP0k+1)とから近似四角形が作成される(図6のS3)。
続いて、視線情報記憶部207から、カメラ視線と、位置R0及びR1における基準平板1との交点の3次元座標が読み出される。そして、3次元座標算出部312において、前述の近似四角形とカメラ視線とが交点を持つか否かが判定される(図6のS4)。交点を持たない場合には、3次元座標算出部312において、探索の方向、つまり次のkの値が決定される(図6のS7)。そして、その方向に投影線番号kの値が変化させられ(図6のS8)、3次元座標算出部312において、新たなプロジェクタ投影線に基づいた計算が開始される(図6のS2以降)。それに対して、前述の近似四角形とカメラ視線とが交点を持つ場合には、3次元座標算出部312において、その交点の3次元座標が計算される(図6のS5)(第1の3次元座標算出手段)。
以上で、指定された画素位置(iS,jS)に写された試料上の点の3次元座標が求められたことになる。続いて、画素位置を順次ずらしていくことで、試料の3次元座標がすべて求まり、3次元形状が決定できることとなる。
本実施形態においては、カメラ視線と近似四角形との交点を求める際、投影線番号kが指定されるとその度ごとに、プロジェクタ投影線と基準平板との交点から形成される近似四角形を求めることとした。しかし、本発明はこれに限られることなく、最初にプロジェクタ投影線群の離散化、及び近似四角形の作成をまとめて行い、その値を所定の記憶部に記憶させることにしてもよい。
以上の説明においては、表示位相画像、投影位相画像及び試料位相画像を顕に用いて位相探索を行った。しかし、本発明はこれに限られることなく、後述する実施形態3の位相マップMdpのような、位相画像(又はもとの画像)から作成される対応表を用いることで、より効率的に処理することが可能となる。
[実施形態2]
前述の実施形態1におけるサブセット特定部(サブセット特定手段)311は、パターン光情報記憶部(パターン光情報記憶手段)208から抽出されたパターン光の識別情報に基づいて、試料画像上の画素に写されているパターン光のサブセットを特定している。そして、カメラ視線と、プロジェクタ投影線と基準平板との交点から形成される近似四角形との交点を求め、それにより試料の3次元座標を決定している。
本実施形態2におけるサブセット特定部311(サブセット特定手段)は、基準平板1、プロジェクタ(パターン光投影手段)6及びカメラ(撮像手段)5の光学的な配置に課せられる制約に基づいて、パターン光のサブセットを特定する。この制約とは、各画素について、プロジェクタ投影線は、プロジェクタ投影中心と画素に対応するカメラ視線を含む平面上にあるというものである。つまり、この平面がパターン光のサブセットである。したがって、位相探索は、この平面と基準平板1との交わりである直線上でのみ行えばよい。
図8は、本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、カメラ視線lCとプロジェクタ投影線lP及び基準平板との位置関係を示す模式図である。カメラの撮像範囲は図に点線で示した領域であり、これはカメラ焦点において1点に収束する。試料上の計測点Sが写されているカメラの1つの画素に注目すると、カメラ焦点とこの注目画素とを結ぶ直線が1つ指定される。これを、これまでと同様、カメラ視線lCと呼ぶ。このカメラ視線lCは、位置R0及びR1において、基準平板とそれぞれ1点で交わる。この点をそれぞれp0及びp1と呼ぶことにする。
つまり、試料上の点Sは、カメラ焦点、注目画素、p0及びp1を通る直線状に載っていることになる。また、位置R0における基準平板上の点p0に注目すると、プロジェクタ投影中心とこの点p0を結ぶ直線、つまりプロジェクタ投影線lPは、位置R1における基準平板と1点で交わる。この点をp'1とすると、このp'1と位置R0における基準平板上の点p0には、同位相の光線がプロジェクタから投影されていることになる。
このとき、カメラ焦点、p0及びp1を通るカメラ視線lCと、プロジェクタ中心、p0及びp'1を通るプロジェクタ投影線lPは1つの平面を形成する。そして、試料の計測点Sは、この平面上に載っている。したがって、試料の計測点Sの3次元座標を求めたければ、この平面(基準平板、パターン光投影手段及び撮像手段の光学的な配置に課せられる制約に基づくパターン光のサブセット)上でのみ、位相探索等の処理を行えばよい。ここで、基準平板とこの平面との交わりは直線となるので、それを図8では探索直線L1と表している。結局、位相探索等の処理は、この探索直線L1(及び位置R0における図略の探索直線L0)上でのみ行えばよい。また、この探索直線L1(及びL0)上では、プロジェクタ投影線のX位相値は単調に変化するので、探索が容易であるという利点もある。
この直線における位相探索により、試料の計測点Sを通るプロジェクタ投影線が決定できれば、計測点Sの3次元座標は、このプロジェクタ投影線とカメラ視線lCとの交点として求めることができる。カメラ視線lCは、前述の実施形態1と同様にして決定することができるので、探索直線L1(及び位置R0における図略の探索直線L0)を決定し、それらの直線上で所定の位相を探索することが本実施形態の目的となる。
以下に、位置R1における基準平板上の探索直線を求める方法の一例を示す。まず、3次元座標を計測する点として試料上の点Sに注目する。そして、その点Sが写されている画素位置(iS,jS)が、位置R0におけるX試料位相画像から求められる。続いて、X及びY投影位相画像から、その画素位置(iS,jS)のX及びY位相がそれぞれ読み取られる。これで、図8における点p0のX及びY投影位相が求まったことになる。
次に、位置R1における投影位相画像から、点p0と同じ値を持つX及びY投影位相がそれぞれ探索され、その画素位置が求められる。この画素位置は、X及びY投影位相画像において、それぞれ探索される位相と同じ値を持つ位相をつないで得られる曲線の交点として求められる。これが図8の点p'1となる。また、位置R1における表示位相画像から、試料上の点Sが写されている画素の位置p1が求められる。これらp0、p1及びp'1の3次元座標は、実施形態1でも説明したように、それぞれの表示位相値から容易に求めることができる。以上で、位置R1における基準平板上の点p1及びp'1が求められたので、これらを結べば探索直線L1が得られる。
実際上は、カメラ画角の制限から、すべての画素について(pi ,p' i )の組が得られるわけではない。しかし、図8の光学的構成を、基準平板を仮想画像面として共用とする2視点の仮想カメラ(1視点目はカメラの焦点、2視点目はプロジェクタの投影中心)として考えると、ステレオカメラ画像中の対応点の問題に帰着させることができる。この場合、対応する点の組(pi ,p' i )には、エピポーラ幾何と呼ばれる幾何学的な関係が成り立つことが一般に知られている。すなわち、qi ,q' iをそれぞれ基準平板上の点pi ,p' iの2次元座標とすると、次の関係が成り立っている。
ここで、λiはスカラ量、Hは3×3の行列であり、ホモグラフィー行列と呼ばれる。この場合、4つ以上の対応点があれば、行列Hは定数倍の不定性を除き求めることができる。ここで、Aを2×2の行列、b、cを2次元縦ベクトル、dをスカラ量、そしてctをベクトルcの転置とすると、ホモグラフィー行列Hは次の形に表せる。
この表現を用いると、以下の式によりqiからq' iを求めることができる。
したがって、ホモグラフィー行列Hを求めることができれば、対応点が得られない画素についても、式(8)により、仮想的な対応点を算出することができる。また、同様の工程により、位置R0における基準平板上の探索直線を求めることも可能である。
以下、本実施形態において、試料上の3次元座標を求める工程を説明する。本実施形態においても、カメラ、プロジェクタ、基準平板及び試料等の配置は実施形態1と同様であり、それらは図1及び図2に示されている。まず図1の配置のもとで、校正モードにおける表示位相画像を得る。この表示位相画像は、実施形態1と同様にして、基準平板に表示された基準パターン2をカメラ5で撮像し、その画像にフーリエ変換を施し求めたものである。ここでも、基準平板1の位置R0及びR1における、X及びY方向の表示位相画像が合わせて4枚得られる。ここで、X(Y)位相画像というのは、これまでと同様、X方向に位相が変化する光線がプロジェクタ6から投影され、その位相をシフトさせた複数の画像をフーリエ変換して得られた画像のことである。
次に、同じ図1の配置のもとで、校正モードにおける投影位相画像を得る。この投影位相画像も、実施形態1と同様にして、プロジェクタ6から基準平板1に投影された投影パターンをカメラ5で撮像し、その画像にフーリエ変換を施し求めたものである。ここでは、基準平板1の位置R0及びR1における、X方向の投影位相画像が合わせて2枚得られる。続いて、位置R0及びR1における表示位相画像上の4つの点を任意に選び、その画素位置とX、Y表示位相とから、ホモグラフィー行列H0及びH1を求める。ここで、行列H0及びH1は、それぞれ位置R0及びR1における基準平板上の2点を関係付ける行列である。以上で校正モードを終了して、計測モードに移る。
計測モードにおいては、図2の配置で、X試料画像からX試料位相画像1枚のみが作成される。本実施形態においても、実施形態1同様、Y方向のプロジェクタ投影線については計測を行う必要がない。このX試料位相画像から、試料上の計測点Sが写されている画素位置qiのX試料位相φSXを求める。次に、位置R1において、式(8)を用いて、画素位置q1i(q1i=qi )に対応する点q'1iを求める。ここで、下付きの添え字1は、位置R1における量であることを示す。表示位相画像上において、このq1iとq'1iを結ぶ直線が、探索直線L1iである。その表示位相画像上における探索直線L1iと同じ位置の画素を投影位相画像上においてつなげば、それが投影位相画像上における探索直線L1iとなる。
続いて、X投影位相画像上でX試料位相φSXを探索する。このとき、予め探索直線L1i上の一定区間ごとの点の投影位相値を、その周りの投影位相値から求めておく。このことにより、φSXと同じ値を持つ点を探索直線L1i上で探索し、対応する表示位相を値を得ることにより、容易に座標に変換できる。これにより、プロジェクタ投影線と位置R1における基準平板との交点T1iの座標が求められる。
以上と同様の工程を位置R0においても行うことで、プロジェクタ投影線と位置R0における基準平板との交点T0iの座標が求められる。カメラ視線は、位置R0及びR1における表示位相画像の画素位置qiからわかるので、それとT0i及びT1iを通るプロジェクタ投影線との交点を求めれば、それが試料上の計測点Sの座標となる。以下、計測点、つまり試料画像上の画素位置を順次ずらして計算していけば、試料の3次元形状が求まることになる。
この実施形態2においても、制御系の部分は実施形態1と同様であり、その働きは図7に示したブロック図を用いて理解することができる。
以上の説明においては、表示位相画像、投影位相画像及び試料位相画像を顕に用いて位相探索を行ったが、この過程は後述する実施形態3の位相マップMdpを用いることで、より効率的に処理することが可能となる。ただし、実施形態3では、投影位相画像から表示位相画像へのマップを作成しているが、本実施形態2では、表示位相画像から投影位相画像へのそれが必要である。これは、つまり、パターン光の位置情報から識別情報が得られるように構造化したマップを作成し、記憶しておくことに相当する。
また、上記の実施形態では、探索直線を明示的に求めたが、これはカメラ視線とプロジェクタ投影中心を結ぶ直線(ベースライン)を校正用基準面のX軸と平行にすることで、探索直線は位相マップMdpで同一Y表示位相のライン(マップの行方向)とでき、Hを使って画素ごとに探索直線を求める必要がなくなる。物理的にベースラインと校正用基準面のX軸が平行でない場合にも、ステレオ画像計測でよく知られた「画像の平行化(レクティフィケーション)」という手法を用いて、ベースラインと平行な仮想的な基準面上の位相マップMdpに変換できる。
[実施形態3]
前述の実施形態1及び2においては、いずれも最後の計測モードにおいて、試料のX方向の位相のみを求めるように構成しているため、計測時間、特に計測データの取り込み時間を大幅に削減することが可能となっている。これらの構成においては、計測時間をそれ以上削減することは困難であるが、計算に要する時間を削減することは可能である。計算の中で最も時間を要するのは、特定の位相を投影位相画像及び表示位相画像の中から探索する過程である。そこで、本実施形態においては、実施形態1及び2に適用できる、位相探索時間を削減するための位相マップMdpについて説明する。
以下、投影位相画像から表示位相画像への位相マップMdpを作成する工程について説明する。これは、つまり、識別情報からパターン光の位置情報が得られるように構造化したマップを作成し、記憶しておくことに相当する(構造化記憶手段)。言い換えれば、パターン光の識別情報を指定することにより、パターン光の1本の光線を特定することになる。
まず、X及びY投影位相画像において、それぞれの最大位相値(φX max ,φY max )及び最小位相値(φX min ,φY min )を求める。そして、図9に示したように、その最小位相値(φX min ,φY min )を原点として持つような直交座標系を考える。ここで、横軸(φX)の目盛り幅ΔφXは、φX max及びφX minをもとに決められる。同様に、縦軸(φY)の目盛り幅ΔφYは、φY max及びφY minをもとに決められる。その結果、図9の直交座標系における任意の位相値φX及びφYは、次の式で表すことができる。
つまり、式(9)及び(10)の(i,j)は、図9の直交座標系における座標(iはX座標値、jはY座標値)に相当する。
次に、この(i,j)の値を変えていくことにより、図9の直交座標系における位相値φX及びφYが順次指定される。そして、φXと同じ値の位相がX投影位相画像において、φYと同じ値の位相がY投影位相画像においてそれぞれ探索される(図9の矢印(a)))。その結果、φX及びφYの値を同時に満足する画素位置の座標が、投影位相画像において決定される。その座標は、言い換えれば、X投影位相画像においてφXという位相を持つ曲線と、Y投影位相画像においてφYという位相を持つ曲線との交点の座標である。
続いて、表示位相画像において、その画素位置での位相が取り出される(図9の矢印(b))。つまり、X表示位相画像からはX方向の表示位相ψXが、Y表示位相画像からはY方向の表示位相ψYが得られる。この表示位相ψX及びψYを(i,j)に対応させて保持しておく(図9の矢印(c))。これにより、図9に示したように、投影位相と表示位相が対応させられた位相マップMdpが作成される。
以下に、投影位相画像から表示位相画像への位相マップMdpを用いて、表示位相値を求める方法を示す。まず、前述の式(9)及び(10)をi,jについて解くと、位相から位相マップMdp上の座標(i,j)を求める次の式が得られる。
この式(11)及び(12)において、ΔφX(ΔφY)及びφX min(φY min )は既知なので、試料画像の画素位置(iS,jS)における位相値(φSX ,φSY)を、それぞれ(φX ,φY)に等しいとして与えれば、位相マップ上の座標(i,j)が直接得られる。その座標における位相値ψX及びψYを読み取れば、それが求める表示位相値である。つまり、図3において、試料画像の画素位置(iS,jS)における位相値(φSX ,φSY)を投影位相画像及び表示位相画像から探索していた工程(図3の矢印(b)及び(c))は、ほとんど計算の必要がない、簡易な工程に置き換えることができる。また、この位相マップMdpは、例えば、図7の画像記憶部20内に新たな記憶部を設け、そこに記憶されるように構成すればよい(構造化記憶手段)。
本実施形態3においては、投影位相画像から表示位相画像への位相マップMdpを作成した。格子投影法に必要な計算の中では、フーリエ変換等ではなく、位相探索に要する時間が最も長い。したがって、本実施形態に係る位相マップMdpを用いれば、その位相探索をほとんど瞬時に行うことが可能となり、計算時間全体を大幅に削減することができる。特に、この位相マップMdpは、投影位相画像と表示位相画像しか必要としないために、一度作成しておけば、試料を取り替えたときでも新たに作り直す必要はない。さらに、投影位相画像及び表示位相画像という2枚の画像を1枚の位相マップにしているので、データサイズが小さく、記憶に要するメモリ量もそれに応じて少なくて済む。
以上説明したように、本発明は、計測機器制御部302からの信号により、基準平板1に基準パターンが表示される(基準パターン表示手段)。そして、周期的なパターン光を投影するプロジェクタ6(パターン光投影手段)と光学像を撮像するカメラ5(撮像手段)とを備える。また、表示位相画像記憶部204に記憶された表示位相を用いて、各画素に対応する視線位置の情報が算出され、視線情報記憶部207に記憶される(視線情報記憶手段)。
さらに、パターン光情報記憶部208には、表示位相画像記憶部204及び投影位相画像記憶部205に分けて記憶されているパターン光の位置情報と識別情報とが、画素の位置に対応させて記憶されている(パターン光情報記憶手段)。そして、サブセット特定部311において、試料画像記憶部203に記憶された試料画像の画素に写されているパターン光の位相に基づいて、パターン光情報記憶部208に記憶された位置情報及び識別情報から対応するパターン光のサブセットが特定される(サブセット特定手段)。
最後に、これらの情報をもとに、試料画像記憶部203に記憶された試料画像の画素に写されている試料上の点の3次元座標が、3次元座標算出部312により算出される(第1の3次元座標算出手段)。また、実施形態3において説明した位相マップMdpを用いる場合には、表示位相画像記憶部204及び投影位相画像記憶部205からの情報をもとに、演算部301により、パターン光が1本に特定される(パターン光特定手段)。そして、これらの情報をもとに、試料画像記憶部203に記憶された試料画像の画素に写されている試料上の点の3次元座標が、3次元座標算出部312により算出される(第2の3次元座標算出手段)。
また、本実施形態1及び2においては、投影パターンとして、プロジェクタの投影スライドに描かれたパターンを用いるように構成している。しかし、本発明はそれに限られることなく、コンピュータからプロジェクタへ所定のパターンを送出し、それを投影パターンとして用いるように構成してもよい。
さらに、本実施形態1及び2においては、計測モードにおいて、X方向に位相変化するパターンをプロジェクタから投影し、それを撮像した画像をもとにX位相を得ている。つまり、投影パターンの位相は、カメラ焦点とプロジェクタ投影中心とを結ぶ直線が水平面上にあるとすれば、その水平直線上において単調に変化している。しかし、本発明はそれに限られることなく、位相変化の方向がY方向でないパターンであれば、投影パターンとして用いることができる。言い換えると、投影パターンの位相変化の方向が、カメラ焦点とプロジェクタ投影中心とを結ぶ直線に垂直でなければ、本発明により効率的な計測を行うことができる。
本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、校正データ作成時のカメラ、プロジェクタ及び基準平板の位置を示す配置図である。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、計測時のカメラ、プロジェクタ及び試料の位置を示す配置図である。 本発明の一実施形態における、試料位相画像、表示位相画像及び投影位相画像を用いて試料の3次元座標を求める手順を示した模式図である。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、カメラ視線とプロジェクタ投影線群及び基準平板との位置関係を示す模式図である。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、カメラ視線とプロジェクタ投影線との関係から試料の3次元座標を求める際の位置関係を示す模式図である。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、カメラ視線とプロジェクタ投影線との関係から試料の3次元座標を求める際の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、コンピュータの機能ブロック図である。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、カメラ視線とプロジェクタ投影線及び基準平板との位置関係を示す模式図である。 本発明に係る形状計測システムの一実施形態における、投影位相画像から表示位相画像への位相マップを作成する工程を示した模式図である。
符号の説明
1 基準平板
2 基準パターン
3 1軸テーブル
4 基盤
5 カメラ
6 プロジェクタ
7 試料
10 コンピュータ
20 画像記憶部
201 表示画像記憶部
202 投影画像記憶部
203 試料画像記憶部
204 表示位相画像記憶部
205 投影位相画像記憶部
206 試料位相画像記憶部
207 視線情報記憶部
208 パターン光情報記憶部
209 画素位置記憶部
30 主制御部
301 演算部
302 計測機器制御部
311 サブセット特定部
312 3次元座標算出部
313 フーリエ変換演算部

Claims (7)

  1. 基準平板に周期的な基準パターンを表示する基準パターン表示手段と、
    周期的なパターン光を前記基準平板又は試料に投影するパターン光投影手段と、
    前記基準パターン表示手段により表示された前記基準平板上の前記基準パターンと、前記パターン光投影手段により投影された前記基準平板上の前記パターン光と、前記パターン光投影手段により投影された前記試料上の前記パターン光とを撮像し、それぞれ表示画像、投影画像及び試料画像とを取得する撮像手段と、
    前記表示画像に基づいて、各画素に対応する視線位置の情報を算出し、画素の位置に対応させて記憶する視線情報記憶手段と、
    前記表示画像及び前記投影画像に基づいて、前記パターン光の位置情報と識別情報とを、画素の位置に対応させて記憶するパターン光情報記憶手段と、
    前記試料画像上の画素に写されている一の方向の前記パターン光の情報に対応する情報を前記パターン光情報記憶手段から抽出し、前記一の方向の前記パターン光のサブセットを特定するサブセット特定手段と、
    前記視線情報記憶手段及び前記サブセット特定手段からの情報に基づいて、前記試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標を算出する第1の3次元座標算出手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測システム。
  2. サブセット特定手段は、パターン光情報記憶手段から抽出された情報が、パターン光の識別情報に基づくことを特徴とする請求項1記載の3次元形状計測システム。
  3. サブセット特定手段は、基準平板、パターン光投影手段及び撮像手段の光学的な配置に課せられる制約に基づくことを特徴とする請求項1記載の3次元形状計測システム。
  4. パターン光情報記憶手段は、パターン光の位置情報から識別情報が得られるように構造化して記憶することを特徴とする請求項3記載の3次元形状計測システム。
  5. 基準平板に周期的な基準パターンを表示する基準パターン表示手段と、
    周期的なパターン光を前記基準平板又は試料に投影するパターン光投影手段と、
    前記基準パターン表示手段により表示された前記基準平板上の前記基準パターンと、前記パターン光投影手段により投影された前記基準平板上の前記パターン光と、前記パターン光投影手段により投影された前記試料上の前記パターン光とを撮像し、それぞれ表示画像、投影画像及び試料画像とを取得する撮像手段と、
    前記表示画像に基づいて、各画素に対応する視線位置の情報を算出し、画素の位置に対応させて記憶する視線情報記憶手段と、
    前記表示画像及び投影画像に基づいて、前記パターン光の識別情報から位置情報が得られるように構造化して記憶する構造化記憶手段と、
    前記構造化記憶手段からの情報に基づいて、前記試料画像上の画素に写されている前記パターン光の1本の光線を特定するパターン光特定手段と、
    前記視線情報記憶手段及び前記パターン光特定手段からの情報をもとに、前記試料画像上の画素に写されている試料上の点の3次元座標を算出する第2の3次元座標算出手段とを備えることを特徴とする3次元形状計測システム。
  6. 基準パターンは、正弦波に従う輝度分布を有することを特徴とする請求項1又は5に記載の3次元形状計測システム。
  7. パターン光は、正弦波に従う照度分布を有することを特徴とする請求項1又は5に記載の3次元形状計測システム。
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