JPH1096606A - 形状計測方法及び装置 - Google Patents

形状計測方法及び装置

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JPH1096606A
JPH1096606A JP8251663A JP25166396A JPH1096606A JP H1096606 A JPH1096606 A JP H1096606A JP 8251663 A JP8251663 A JP 8251663A JP 25166396 A JP25166396 A JP 25166396A JP H1096606 A JPH1096606 A JP H1096606A
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Motoharu Fujigaki
元治 藤垣
Yoshiharu Morimoto
吉春 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来法ではレンズの中心位置や光軸の向きな
どの光学系のパラメータを形状計算に用いるために、レ
ンズの収差の影響が必ず含まれた結果となる欠点があ
る。解決すべき課題は、そのレンズの収差の影響が測定
に入るために計測結果に歪みが生じることである。 【解決手段】 本発明はテレビカメラとプロジェクタと
を使用し、そのレンズ収差が影響しない非接触、非破壊
形状測定及び装置にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレビカメラとプロ
ジェクタとを使用し、そのレンズ収差が影響しない非接
触・非破壊形状計測方法及び装置に関する。発明の属す
る分野は計測装置、形状計測であり、特に適用できる製
品名は非接触形状計測装置である。
【0002】
【従来の技術】従来非接触三次元形状計測法としては、
物体に格子を投影し、異なる角度からその格子を投影し
て得られた画像を解析することにより三次元形状を求め
る格子投影法がよく用いられている。精度のよい計測を
行なうためには、格子画像から格子位相値を精度よく求
めることと格子位相値から三次元座標を計算するときに
用いるパラメータを精度よく求めることが重要である。
【0003】格子画像の解析法として、位相シフト法、
フーリエ変換格子法、ガボール変換格子法、フーリエ変
換位相シフト法などの位相解析法が開発されている。位
相解析法では、格子番号がすべての画素において実数値
で得られるため、精度のよい格子の解析が行なえる。特
にフーリエ変換位相シフト法はノイズの影響がほとんど
入らないためきわめて精度よく位相値が得られる有効な
方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の三次元座標を計
算するときに用いるパラメータには、従来、カメラとプ
ロジェクタのレンズの中心位置や光軸の向きなどの光学
系パラメータが用いられてきた。測定対象物の形状はそ
の位置座標を用いて計算される。
【0005】光学系パラメータを精度よく求める方法と
して、2次元格子が描かれた基準平面を平行移動し、そ
れぞれの位置で撮影した画像を用いる方法がある。この
方法では、従来よく用いられている立方体を用いる方法
と比較すると、情報量が格段に多いため精度よく光学系
パラメータを求めることができる。
【0006】しかし、光学系パラメータはレンズ収差が
ないと仮定して求められているため、実際にはその影響
が誤差として現れる。従来のように計測精度がそれほど
高くなければその影響は無視できるが、精度よく投影格
子の位相値が得られ、計測精度が向上すると、相対的に
レンズ収差の影響が大きくなり無視できなくなる。
【0007】問題点は、テレビカメラとプロジェクタの
レンズの収差の影響が測定に入るため、計測結果に歪み
が生じることである。
【0008】そこで本発明では、光学系パラメータを求
めずに基準物体の画像を直接座標計算に用いることによ
って、レンズ収差が全く影響しない高精度形状計測を行
なう方法を開発した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 2次元格
子が描かれた基準平面を該平面と直角方向に平行移動で
きるよう1軸テーブル上に設置する工程と、(2) テレビ
カメラを前記の2次元格子が写る位置に設置する工程
と、(3) 格子投影装置を前記の2基準平面に格子が投影
できる位置に設置する工程と、(4) 複数の位置における
基準物体に描かれた2次元格子を撮影した画像から位相
値分布を計算してその結果をコンピュータメモリーに記
録する工程と、(5) 複数の位置における基準物体に格子
投影装置から投影された2次元格子を撮影した画像を位
相値データに変換してコンピュータメモリーに記録する
工程と、(6) 試料物体上に格子投影装置から投影された
2次元格子を撮影し、それぞれの画素について、その画
素の画面内座標と投影格子の位相値および位相値分布計
算メモリーと撮影画像より変換した位相値データメモリ
ーとで記録されたデータからその画素に写されている測
定対象物上の点の空間座標を算出する工程との各工程の
組合せよりなることを特徴とする形状計測方法である。
【0010】本発明は更に、(1) 2次元格子が描かれた
基準平面を該平面と直角方向に平行移動できるよう1軸
テーブル上に設置する手段と、(2) テレビカメラを前記
の2次元格子が写る位置に設置する手段と、(3) 格子投
影装置を前記の2基準平面に格子が投影できる位置に設
置する手段と、(4) 複数の位置における基準物体に描か
れた2次元格子を撮影した画像から位相値分布を計算し
てその結果をコンピュータメモリーに記録する手段と、
(5) 複数の位置における基準物体に格子投影装置から投
影された2次元格子を撮影した画像を位相値データに変
換してコンピュータメモリーに記録する手段と、(6) 試
料物体上に格子投影装置から投影された2次元格子を撮
影し、それぞれの画素について、その画素の画面内座標
と投影格子の位相値および位相値分布計算メモリーと撮
影画像より変換した位相値データメモリーとで記録され
たデータからその画素に写されている測定対象物上の点
の空間座標を算出する手段との組合せよりなることを特
徴とする形状計測装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の形状計測方法を図につい
て更に詳細に説明する。図1に基準平板1と、テレビカ
メラ5、格子投影装置6及びコンピュータ10の配置を示
す。図1において、基準平板1は、基盤4に設けられた
1軸テーブル3に基準平板1と直角な1軸方向に前後に
移動できるよう取付けられ、基盤4上に固定される。基
盤4の手前側にテレビカメラ5と格子投影装置6とを設
け、これらテレビカメラ5と格子投影装置6とをコンピ
ュータ10に接続する。1′は基準平板1の前方に平行移
動した基準平板の位置を示す。格子投影装置6におい
て、7は2次元格子スライド、8は2軸マイクロステー
ジ、9はカラーフィルタを示す。
【0012】基準平板1の片側の表面には等ピッチの2
次元格子2が描かれている。基準平板1は、基盤4に取
付けられた1軸テーブル3に取付けられており、基準平
板1の表面の法線方向に平行移動できるようになってい
る。基準平板1の移動距離は1軸テーブル3に取付けら
れた移動距離計12を使って測定される。移動前の基準平
板を1、移動後の基準平板を1′とする。テレビカメラ
5は2次元格子2を画面全面に写すことができる位置に
設置される。テレビカメラ5で写された2次元格子2の
画像信号は、図5に示すコンピュータ10内のA/D変換
器10aで画像データに変換され、CPU10bで位相値の
計算が行なわれ、計算の結果得られた位相分布がメモリ
ー10cに記憶される。2軸マイクロステージ8に取付け
られている2次元格子スライド7は格子投影装置6に取
付けられている。2次元格子スライド7の像は格子投影
装置6によって基準平板1に投影される。2次元格子ス
ライド7は縦と横の格子がそれぞれ別の色で作られてお
り、カラーフィルタ9によって縦の格子または横の格子
だけが個別に投影される。投影される格子の位置を微小
に変化させるための信号がコンピュータ10から2軸マイ
クロステージ8に伝えられる。投影された格子模様はテ
レビカメラ5で撮影され、基準平板1の場合と同様に位
相分布としてメモリー10cに記憶される。上記のように
2次元格子2の画像及び投影された格子模様の画像は、
基準平板1を前後に移動する移動前と移動後のそれぞれ
の場合ともに、位相分布としてメモリー10cに記憶され
る。(格子画像と位相分布については後述の図11に示
す)
【0013】次に試料物体11の形状計測を行なう場合を
図3に示す。図4は図3の配置を側面から描いた図であ
る。試料物体11は移動前の基準平板1と移動後の基準平
板1′の位置の間に入るように設置される。テレビカメ
ラ5と格子投影装置6の位置は変化されないまま、格子
投影装置6から試料物体11に格子模様を投影し、テレビ
カメラ5でその画像を撮影する。撮影された格子画像は
基準平板1に投影された格子の画像と同様の方法で位相
分布としてメモリー10cに記憶される。
【0014】本発明の計測法を用いた形状計測の手順を
図6に示す。手順は大きく2つに分けられる。手順の1
番目は基準物体を用いた光学系パラメータの計測であ
り、2番目は試料物体11を撮影することによる形状計測
である。1番目はテレビカメラ5及び格子投影装置6の
設置をした後で一度だけ行えばよい。2番目は繰り返し
行うことができる。まず、光学系パラメータの計測を行
う手順は次の通りである。
【0015】(1) 基準平板1の画像を撮影し、撮影され
た2次元格子画像をA/D変換器10aを通じてA/D変
換してCPU10bに取り込む。 (2) CPU10bではフーリエ変換格子法(後述する)を
用いて位相分布を求め、メモリー10cに記憶する。 (3) 格子投影装置6から縦方向及び横方向の格子をそれ
ぞれ位相を1周期分微小に変化させながら投影し、複数
の画像を連続的に撮影する。 (4) これらの画像からフーリエ変換位相シフト法(後述
する)を用いて位相分布を求め、メモリー10cに記憶す
る。 (5) 基準平板1の位置を基準平板1′の位置までz方向
に平行移動する。 (6) 〜(9) 基準平板1′に対して(1) から(4) と同様の
手順を行って位相分布を求め、メモリー10cに記録す
る。
【0016】次に、第2番目の試料物体の撮影の手順を
示す。 (10)試料物体11を移動前の基準平板1と移動後の基準平
板1′の位置の間に入るように設置する。 (11)試料物体11に対して(3) と同様の手順を行う。 (12)(11)で得られた複数枚の画像からの位相分布を求め
る。 (13)第1番目の手順で得られた基準物体を撮影して得ら
れた画像の位相分布を用いて、(12)で求めた位相分布か
ら空間座標を計算する。
【0017】図7にデータ処理の流れを示す。図8に光
学系パラメータの計測の様子を示す。図9に試料物体11
の形状計測の様子を示す。図7の光学系パラメータの計
測において、移動前後の基準平板1を撮影した画像から
位相値計算を行った結果が位相値データとしてメモリー
10cに記録される。図7の形状計測において、試料物体
11に投影されたx方向とy方向の格子の画像から位相値
計算することによってそれぞれの位相値を求める。各画
素において、画面内座標と投影格子の位相値及び光学系
パラメータの計測においてメモリー10cに記録された位
相値データからその画素に写されている測定対象物上の
点の空間座標を算出する。
【0018】いま試料物体11上の点Sに注目し、空間座
標の求め方の詳細を述べる。図7において、点Sがうつ
されている座標と同一の座標(点A′)の位相値を移動
前の基準格子の位相分布
【外1】 から抽出する(図7の点線矢印)。点Sにおける投影格
子の位相値を持つ点(点B′)を基準平板1に投影した
格子の位相分布
【外2】 から検索し、その点の座標と同一の座標(点B″)の位
相値を移動前の基準格子の位相分布
【外3】 から抽出する(図7の実線矢印)。基準平板1に描かれ
ている2次元格子は等ピッチなので、位相値を定数倍す
れば容易に空間座標に換算できる。したがって点A′と
点B″の位相値から図8と図9における点Aと点Bの空
間座標を求めることができる。また、基準平板1の平行
移動後であっても、平行移動量は1軸テーブルに取付け
られた移動距離系で正確に読み取ることができるため、
同様に図8と図9における点Cと点Dについてもそれぞ
れ空間座標を容易に求めることができる。点Sは直線A
Cと直線BDの交点として求めることができる。ただ
し、原理的にはこの2直線は同一点を通るため交点を持
つが、計測誤差や数値計算上の誤差により計算上は交点
を持つとはきがらないので、本発明の方法では図10に示
すように、直線AC上で直線BDに最も近い点を点S1
とし、直線BD上で直線ACに最も近い点を点S2 とし
て、点S1 と点S2 の中点として点Sを求めている。以
上の方法を各画素に対して行うことにより、画像に写さ
れている試料物体11表面上の全ての点においてその空間
座標を求めることができる。
【0019】図11(A),(B),(C),(D),
(E)は格子画像を位相分布に変換する方法を例示した
ものである。図11において、図11(A)を格子画像と
し、図11(B)はその明るさの変化を示している。明る
さの変化を波と見なすと、波の進行度に応じて1つの波
ごとに−π〜πまでの位相が定義できる。これを表した
のが図11(C)である。図11(C)では、位相は−π〜
πまでの繰り返しになっているが、波が1つ進むごとに
2πづつ加算すると位相の変化は連続的に接続すること
ができる。これを行った結果が図11(D)であり、画像
として表現したものが図11(E)である。
【0020】フーリエ変換格子法の説明は図12に示す通
りである。図12において、図12(A)は2次元格子画像
である。図12(A)に2次元フーリエ変換を行うと、図
12(B)に示すフーリエスペクトルが現われる。図12
(B)は、元の格子画像が持っている空間周波数の成分
の量を各周波数ごとに明るさで表している。中央付近に
9個の明るい部分が現われているが、このうち図12
(C)で示した部分が横方向の格子の周波数成分を表し
ており、図12(D)で示した部分が縦方向の格子の周波
数成分を表している。図12(C)に対してフーリエ逆変
換を行うと、図12(E)に示すような横方向だけの格子
が得られる。図12(E)は実部と虚部の値を持ってお
り、実部と虚部の比の逆正接が位相値を表す。図12
(E)から各点での位相値を求めたものが図12(G)で
ある。縦方向についても同様の方法で図12(H)に示す
ような位相分布を求めることができる。
【0021】〔実験例〕 1.格子投影による三次元形状計測について;- 格子投影法の原理を図13に示す。カメラで撮影された画
像内での座標に対して1本の視線が決定でき、投影格子
の格子番号から空間内での格子投影面が決定できるもの
とする。図13(A)に示すように物体にプロジェクタで
1次元格子を投影し、異なる方向からカメラで撮影する
と、物体の形状に応じて歪んだ格子の画像が得られる。
物体上の点Pが写されている画像内の点P′に注目する
と、その画面内座標から直線Lが決定される。また、点
P′に写されている格子の番号より格子投影面γが決ま
り、それらの交点として物体上の点Pの三次元座標を算
出することができる。格子番号を位相値として実数値で
求めることにより、精度のよい形状計測が可能となる。
図13(B)に示すように、2次元格子を投影する場合
は、画像内の点P′におけるx方向とy方向の投影格子
の位相値からそれぞれ格子投影面γx およびγyが得ら
れる。それらの交線Lp と直線Lとの交点として物体上
の点Pの三次元座標を算出することができる。
【0022】2.フーリエ変換位相シフトについて;- 投影格子の位相をシフトした場合、格子の輝度分布は次
式のように表すことができる。 f(x,y) =a(x,y)cos {φ(x,y) +α}+b(x,y) (1) ここで、点(x,y)は撮影された画像内の一点で、f
(x,y),a(x,y),b(x,y)はそれぞれ各
点における輝度値、輝度振幅、背景輝度を表し、φは格
子の位相値、αは位相シフト量を表す。αを0から2π
までわずかずつシフトさせながら連続的に画像を撮影
し、それらの画像を奥行き方向に重ねることで三次元画
像を得る。x方向の1ラインにおける輝度分布の模式図
を図14(A)に示す。ある1点に注目すると、1周期の
αの変化に対して、その点の輝度は投影格子と同じ輝度
変化を持ちながらちょうど1周期分変化し、その初期位
相はα=0における投影格子の位相と一致する。式(1)
をフーリエ変換すると式(2) に示すようなスペクトルが
得られる。
【数1】 ここで、δはデルタ関数、ωは周波数、ω0 は基本周波
数である。図14(B)に示すように周波数1の成分は位
相シフトにより得られた輝度変化の1次成分を表し、ノ
イズ等のように位相値を求めるのに不要な成分は、ほと
んどが1以外の周波数として得られる。したがって、フ
ィルタリングにより周波数1のスペクトルのみを抽出
し、虚部と実部の比の逆正接を計算すると、きわめて精
度よくその画素における位相値を求めることができる。
【0023】3.レンズ収差の影響について;- 光学系パラメータを用いる従来の方法では、レンズの焦
点が1点であると仮定している。この場合は、レンズを
通る光はレンズ中心点を通る直線と考えることができ
る。しかし、実際のレンズでは、球面収差や歪曲収差等
により厳密には焦点が1点とはならない。したがって、
レンズを通る光はレンズ中心点を通る直線になると仮定
されている光学系パラメータを用いて形状計測計算を行
なうと、その影響による計測誤差が生じる。図15(A)
に歪曲収差の模式図を示す。図15(B)は歪みのない格
子を撮影して得られた画像で、図15(C)は光学系パラ
メータから逆に求めた理想的な格子と実際の格子とのず
れ量の分布を示す。ずれ量はフーリエ変換を用いた位相
解析により算出した。この場合、図15(C)より中心か
ら遠くなるほど収差によるずれ量が大きくなり、その最
大値は0.6 mmである。カメラとプロジェクタの光軸がな
す角を30度とすると、このずれの影響はz方向の座標値
で1.0 mm程度の誤差となる。
【0024】4.光学系パラメータを用いない形状計測法
について;- まず、図16に示すように等ピッチの二次元格子が描かれ
た平面基準物体を平行移動する(平面αと平面β)。そ
れぞれの位置において、(1) 基準物体に描かれた格子、
プロジェクタにより投影された(2) x方向格子、(3) y
方向格子の画像を撮影する。(1) に対して2次元フーリ
エ変換を行うことにより、基準物体に描かれている格子
の縦横成分を分離し、それぞれ方向の位相値を精度よく
求める。x方向格子(2) とy方向格子(3) は格子の位相
を1周期分変化させながら撮影し、フーリエ変換位相シ
フト法を用いて精度よく位相値を求める。図16におい
て、点Aと点Cは画像内の同一画素に写されている点で
ある。点Aと点Cの空間座標は(1) から得られた位相値
を定数倍することでそれぞれ求めることができる。任意
の画素についても同様に平面αと平面β上での空間座標
を求めることができる。次に、図17に示すように試料物
体を平面αと平面βの間に置き、x方向およびy方向の
格子を投影し、それぞれの位相値を求める。物体上の点
Pに着目すると、点Pでの投影格子の位相値と同一の位
相値を持つ平面α,β上の点Bと点Dの画面内座標がx
方向格子(2) とy方向格子(3) の位相値から求められ
る。画面内座標から空間座標は前述の方法により求める
ことができる。すなわち、点Pが写されている画面内座
標値および投影格子の位相値から、図17に示す点A〜D
の空間座標を全て求めることができ、点Pの空間座標は
直線ACと直線BDの交点として算出することができ
る。この方法では、基準物体の画像を直接空間座標の計
算に用いているため、レンズ収差の影響は受けない三次
元形状計測が可能となる。
【0025】5.平板の形状計測について;- 本発明の方法の効果を確認するために、光学系パラメー
タを用いる従来法と本発明の方法の両方法により、z=
20mmの位置に設置された平板の形状計測を行なった。計
測結果は計測領域の上端から10%の位置におけるx方向
の断面形状として図18に示す。従来方法では計測領域の
端部で誤差が大きくなっているのに対し、本発明法では
一様な誤差分布となっているのがわかる。測定精度は、
従来法および本発明法のそれぞれ、誤差の最大値は0.42
mmと0.28mm、誤差の絶対値の平均値は0.092 mmと0.064
mmであり、本発明法により高精度な形状計測が行なえる
ことが確認できた。
【0026】
【発明の効果】本発明は、従来のようにレンズの中心座
標を空間座標の計算に用いていないため、レンズの収差
の影響を受けずに歪みのない形状計測が可能となる。レ
ンズ収差が大きいために従来の方法では形状計測に不適
当であった顕微鏡や内視鏡などを用いた形状計測が正確
に行われることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の形状測定原理説明用のテレビ
カメラ、格子投影装置及び2次元格子との関係を示す配
置図である。
【図2】図2は、図1の側面図である。
【図3】図3は、本発明の形状測定原理説明用のテレビ
カメラ、格子投影装置と試料物体との相対位置を示す配
置図である。
【図4】図4は、図3の側面図である。
【図5】図5は、本発明の形状測定法におけるテレビカ
メラとコンピュータの関係を示す回路図である。
【図6】図6は、本発明の形状測定法における計測の手
順を示す説明図である。
【図7】図7は本発明の形状測定法における光学系パラ
メータの計測と形状計測との順序工程を示す工程図であ
る。
【図8】図8は、本発明の形状測定法により点A,Bの
空間座標を求める測定原理説明図である。
【図9】図9は、本発明の形状測定法により試料物体上
の点A,Bと基準平板移動後の点C,Dとの関係を示す
測定原理説明図である。
【図10】図10は、本発明の形状計測法の空間座標の求
め方を示す説明図である。
【図11】図11(A)は格子画像を示す図である。図11
(B)は同格子画像の明るさと位置の関係を示す図であ
る。図11(C)は同位相分布と位置より位相計算する関
係を示す図である。図11(D)は同位相分布と位置より
位相接続した状態を示す図である。図11(E)は同位相
分布を濃淡画像で示した図である。
【図12】図12は、フーリエ変換格子法を用いて格子を
方向別に分割し位相分布を得る方法を示す図であり、 図12(A)は格子画像 図12(B)はフーリエスペクトル 図12(C)はx−方向の第1ハーモニック 図12(D)はy−方向の第1ハーモニック 図12(E)はx方向の複素格子 図12(F)はy方向の複素格子 図12(G)はx方向の位相分布 図12(H)はy方向の位相分布をそれぞれ示す。
【図13】図13は、本発明による格子投影による計測法
を示す計測原理説明図である。図13(A)はその1次元
格子の投影法を示す図であり、図13(B)はその2次元
格子の投影法を示す図である。
【図14】図14は、本発明に使用するフーリエ変換位相
シフト法を説明する図で、図14(A)は同1ライン上で
の輝度変化を示す図であり、図14(B)は同1点におけ
るフーリエスペクトルを示す図である。
【図15】図15は、本発明におけるレンズ収差の影響を
説明する図で、図15(A)はその歪曲収差模式図であ
り、図15(B)はその格子画像であり、図15(C)はレ
ンズ収差によるずれ量の分布を示すである。
【図16】図16は、本発明における基準物体の撮影状況
を示す図である。
【図17】図17は、本発明における座標の算出法を説明
するための図である。
【図18】図18は、本発明法と従来法との平板形状計測
結果を比較する図である。
【符号の説明】
1 基準平板 1′移動後の基準平板 2 2次元格子 3 1軸テーブル 4 基盤 5 テレビカメラ 6 格子投影装置 7 2次元格子スライド 8 2軸マイクロステージ 9 カラーフィルタ 10 コンピュータ 10a A/D変換器 10b CPUの位相値 10c メモリー 11 試料物体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】図7は本発明の形状測定法における光学系パラ
メータの計測と形状計測との順序工程をディスプレイ上
に表示した中間調画像を示す図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】図11(A)はディスプレイ上に表示した中間
調格子画像を示す図である。図11(B)は同格子画像の
明るさと位置の関係を示す図である。図11(C)は同位
相分布と位置より位相計算する関係を示す図である。図
11(D)は同位相分布と位置より位相接続した状態を示
す図である。図11(E)は同位相分布をディスプレイ上
に表示した中間調濃淡画像で示した図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】図12は、フーリエ変換格子法を用いて格子を
方向別に分割し位相分布を得る方法をディスプレイ上に
表示した中間調画像を示す図であり、 図12(A)は格子画像 図12(B)はフーリエスペクトルを示す画像 図12(C)はx−方向の第1ハーモニックを示す画像 図12(D)はy−方向の第1ハーモニックを示す画像 図12(E)はx方向の複素格子を示す画像 図12(F)はy方向の複素格子を示す画像 図12(G)はx方向の位相分布を示す画像 図12(H)はy方向の位相分布を示す画像である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】図15は、本発明におけるレンズ収差の影響を
説明するためディスプレイ上に表示した中間調画像を示
す図で、 図15(a)はその歪曲収差模式図を示す画像 図15(b)はその格子画像を示す画像 図15(c)はレンズ収差によるずれ量の分布を示す画像
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 2次元格子が描かれた基準平面を該
    平面と直角方向に平行移動できるよう1軸テーブル上に
    設置する工程と、(2) テレビカメラを前記の2次元格子
    が写る位置に設置する工程と、(3) 格子投影装置を前記
    の2基準平面に格子が投影できる位置に設置する工程
    と、(4) 複数の位置における基準物体に描かれた2次元
    格子を撮影した画像から位相値分布を計算してその結果
    をコンピュータメモリーに記録する工程と、(5) 複数の
    位置における基準物体に格子投影装置から投影された2
    次元格子を撮影した画像を位相値データに変換してコン
    ピュータメモリーに記録する工程と、(6) 試料物体上に
    格子投影装置から投影された2次元格子を撮影し、それ
    ぞれの画素について、その画素の画面内座標と投影格子
    の位相値および位相値分布計算メモリーと撮影画像より
    変換した位相値データメモリーとで記録されたデータか
    らその画素に写されている測定対象物上の点の空間座標
    を算出する工程との各工程の組合せよりなることを特徴
    とする形状計測方法。
  2. 【請求項2】 (1) 2次元格子が描かれた基準平面を該
    平面と直角方向に平行移動できるよう1軸テーブル上に
    設置する手段と、(2) テレビカメラを前記の2次元格子
    が写る位置に設置する手段と、(3) 格子投影装置を前記
    の2基準平面に格子が投影できる位置に設置する手段
    と、(4) 複数の位置における基準物体に描かれた2次元
    格子を撮影した画像から位相値分布を計算してその結果
    をコンピュータメモリーに記録する手段と、(5) 複数の
    位置における基準物体に格子投影装置から投影された2
    次元格子を撮影した画像を位相値データに変換してコン
    ピュータメモリーに記録する手段と、(6) 試料物体上に
    格子投影装置から投影された2次元格子を撮影し、それ
    ぞれの画素について、その画素の画面内座標と投影格子
    の位相値および位相値分布計算メモリーと撮影画像より
    変換した位相値データメモリーとで記録されたデータか
    らその画素に写されている測定対象物上の点の空間座標
    を算出する手段との組合せよりなることを特徴とする形
    状計測装置。
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